JP3476958B2 - 分光測定におけるスペクトルの安定化法 - Google Patents

分光測定におけるスペクトルの安定化法

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    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光測定において、分
光器内の温度変動や電源電圧変動などにより生じるスペ
クトルベースライン変動、および入射光の測定対象物に
対する入射角度の変化による透過率の変動を数値演算処
理により低減させて測定値を安定化させる分光測定にお
けるスペクトルの安定化法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、測定対象物中の特定成分濃度の
定量分析は、特定成分濃度が既知であるサンプルの透過
光エネルギースペクトルもしくは反射光エネルギースペ
クトルを測定することにより予め作成した検量線を用い
て行うことができる。この検量線を作成する方法として
は、特定の1波長を用いる方法および複数波長を用いる
多変量解析法が一般に知られている。
【0003】しかしながら、分光スペクトルには、分光
器の内部および分光器の外部の温度変動や電源電圧変動
などにより、スペクトルベースライン変動が生じる。こ
のベースライン変動は、定量分析および定性分析の精度
を低下させるので、スペクトル中のこの誤差成分を除去
する必要がある。
【0004】上記ベースライン変動を数値演算処理によ
って低減する手法としては、従来より、2波長ベースラ
イン補正法、ディジタル微分法および低周波フィルタリ
ングフーリエ変換法が一般に知られている。以下に、上
記3つの手法の各々について概略を述べる。
【0005】2波長ベースライン補正法 2波長ベースライン補正法とは、任意の溶液組成で吸光
度が一定、すなわち次の数1および数2を同時に満足す
る2波長λ1およびλ2を用いて、スペクトル中のベース
ライン成分を差し引く方法である。
【0006】
【数1】
【0007】上記数1において、 αiλ1:成分iの波長λ1での吸光係数 ci:成分iの濃度 n:溶液の成分数 l:セル長 である。
【0008】
【数2】
【0009】上記数2において、 αiλ2:成分iの波長λ2での吸光係数 ci:成分iの濃度 n:溶液の成分数 l:セル長 である。
【0010】つまり、測定したスペクトルの波長λ1
λ2での吸光度がconst3,const4のとき
は、このスペクトルから(const4−const
3)×(λ−λ1)/(λ2−λ1)+const3なる
補正用スペクトルを測定スペクトルから差し引くことに
なる。
【0011】ディジタル微分法 ディジタル微分法は、吸光度を波長に対してディジタル
微分することにより、低周波のドリフトを低減あるいは
除去する方法である。一般に、微分次数としては、1次
もしくは2次が用いられる。1次微分によって、波長に
依存しない定数成分が除去できる。2次微分によって、
波長に対する1次のドリフト成分が除去できる。ディジ
タル微分法では、吸光度を波長に対してディジタル微分
するので、2次よりも高次の微分は信号を大きく歪ませ
てしまう。このため、3次以上のディジタル微分は用い
られることは少ない。
【0012】低周波フィルタリングフーリエ変換法 低周波フィルタリングフーリエ変換法は、スペクトルを
フーリエ変換してエネルギースペクトルを時間空間から
周波数空間に変換してベースラインシフトの原因である
低周波成分をフィルタリングする方法である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】2波長ベースライン補
正法では、補正に用いる2つの波長λ1およびλ2が上記
数1および数2を同時に満足する必要がある。しかし、
3成分以上の多成分系溶液では上記数1および数2を同
時に満足するような波長が存在しないことが多い。この
ような場合には、2波長ベースライン補正法を用いるこ
とはできない。
【0014】ディジタル微分法では、ディジタル微分に
よってランダムノイズのような高周波ノイズを拡大して
しまう、ベースライン変動のバンド幅は物質の光吸収の
バンド幅よりも広くしなければならない、ディジタル微
分であるためスペクトルが歪む、といった問題がある。
【0015】低周波フィルタリングフーリエ変換法で
は、フィルタリングによって低周波領域に存在する物質
の光吸収情報がベースライン変動成分と同時に失われて
しまう、という問題がある。
【0016】また、ディジタル微分法と低周波フィルタ
リングフーリエ変換法には、次のような共通の欠点があ
る。すなわち、エネルギーEが時間tと波長λの2変数
関数であると考えると、E(λ,t)の全微分は次の数
3により表される。
【0017】
【数3】
【0018】従来のディジタル微分法や低周波フィルタ
リングフーリエ変換法はいずれも波長に対する演算処理
であるため、上記数3の時間tの関数である第2項(∂
E/∂t)λは低減あるいは除去することは不可能であ
る。
【0019】本発明の目的は、スペクトルの時間に依存
するスペクトル誤差成分およびスペクトル測定時に入射
光が測定対象物に入射する入射角度の変化による透過率
の変動を低減する分光測定におけるスペクトルの安定化
法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の考察に基
づいてなされたものである。一般に、分光器における温
度や電源電圧変動などの外乱によるエネルギースペクト
ル中の誤差は、ドリフト、つまりスペクトルの経時変化
として表わすことができる。したがって、波長λにおけ
る時刻tの透過光強度I(λ,t),波長λrにおける
時刻tの透過光強度I(λr,t)は、次の数4および
数5によりそれぞれ表される。
【0021】
【数4】
【0022】
【数5】
【0023】なお、上記数4において、k(λ,t)は
波長λにおける時刻t0での透過光強度I0(λ,t0
と時刻tでの透過光強度の比であり、次の数6を満足す
るものとする。
【0024】
【数6】k(λ,t0)=1
【0025】また、数5においてk(λr,t)は、波
長λrにおける時刻t0での透過光強度I0(λr,t0
と時刻tでの透過光強度の比であり、次の数7を満足す
るものとする。
【0026】
【数7】k(λr,t0)=1
【0027】さらに、上記数4および数5において、 I(λ,t):波長λにおける時刻tの透過光強度 I(λr,t):波長λrにおける時刻tの透過光強度 I0(λ,t0):波長λにおける時刻t0の入射光強度 I0(λr,t0):波長λrにおける時刻t0の入射光強
度 p(λ,θ):波長λで光が入射角度θで入射したとき
の光の表面透過率 p(λr,θ):波長λrで光が入射角度θで入射したと
きの光の表面透過率 αi(λ):成分iの波長λの吸光係数 αi(λr):成分iの波長λrの吸光係数 θ:測定対象物面に対する光の入射角度 ci:成分iの濃度 l:実効セル長 である。
【0028】上記数4と数5の両辺の比を取ると、次の
数8で表されるエネルギー強度の比INを得る。
【0029】
【数8】
【0030】ただし、上記数8において、次の数9であ
るとする。
【0031】
【数9】αi(λ)≠αi(λr
【0032】k(λ,t)の全微分を取ると、次の数1
0を得る。
【0033】
【数10】
【0034】上記数10において、(∂k/∂t)t
時刻tにおける入射光強度比k(λ,t)の波長依存性
を示し、また、(∂k/∂t)λは波長λにおける入射
光強度比k(λ,t)の時間変化を示す。
【0035】波長λにおける時刻tの入射光強度k
(λ,t)×I0(λ,t0)と波長λrにおける時刻t
の入射光強度k(λr,t)×I0(λ,t0)との比
を、次の数11に示すように、β(λ,λr,t)とお
く。
【0036】
【数11】
【0037】ところで、波長を第j部分区間(λjmin
≦λ≦λjmax,λjmin≦λr≦λjmax)に限定す
ると、数10のdk(λ,t)の波長依存性を示す項
(∂k/∂t)λは数12により近似でき、したがっ
て、数13を得る。
【0038】
【数12】
【0039】
【数13】
【0040】よって、β(λ,λr,t)は、次の数1
4で表され、数14から数15を得る。
【0041】
【数14】
【0042】
【数15】
【0043】上記数15から、スペクトル中のベースラ
イン変動の時間依存性の誤差成分を低減あるいは除去で
きることが分かる。
【0044】次に、部分空間でエネルギースペクトルの
比をとることによって入射光の入射角度の変化による透
過率の変動を低減することができることを示す。
【0045】波長λで光が入射角度θiで測定対象物に
入射したときの光の表面透過率p(λ,θ)および波長
λrで光が入射角度θiで入射したときの光の表面透過率
p(λr,θ)は、フレネル(Fresnel)の法則
により、次の数16,数17,数18および数19で表
される。
【0046】
【数16】
【0047】
【数17】
【0048】
【数18】
【0049】
【数19】
【0050】ただし、スネル(Snell)の法則によ
り、次の数20が成立する。
【0051】
【数20】n1sinθi=n2sinθt
【0052】p(λ,θ)とp(λr,θ)の比を次の
数21のようにおく。
【0053】
【数21】
【0054】Δλ=λr−λが小さいときは、数21は
次の数22で近似できる。
【0055】
【数22】
【0056】数15,数22を数8に代入すると、数2
3を得る。
【0057】
【数23】
【0058】上記数23から、スペクトル中のベースラ
イン中のベースライン変動の時間依存性の誤差成分と入
射光の入射角度の変化による透過率の変動を同時に低減
できることが分かる。
【0059】本発明は、かかる考察に基づいてなされた
もので、請求項1にかかる発明は、測定対象物に光を投
射し、その透過光のエネルギースペクトルもしくは反射
光のエネルギースペクトルを測定して測定対象物中の特
定成分の定量分析を行なう分光測定法であって、測定対
象物について透過光のエネルギースペクトルもしくは反
射光のエネルギースペクトルを測定し、測定した測定エ
ネルギースペクトルの波長域を複数の区間に分割し、各
区間毎に上記各区間内に設定した特定波長の測定エネル
ギー値と上記各区間内の測定エネルギー値との比をとる
ことによってスペクトル測定値を安定化させて上記特定
成分の定量分析を行うことを特徴とする。
【0060】また、請求項2にかかる発明は、測定対象
物に光を投射し、その透過光エネルギースペクトルもし
くは反射光エネルギースペクトルを測定して測定対象物
中の特定成分の定量分析を行なう分光測定におけるスペ
クトルの安定化法であって、測定対象物の透過光エネル
ギースペクトルもしくは反射光エネルギースペクトルを
測定し、測定した測定エネルギースペクトルの波長域を
複数の区間に分割し、各区間毎に上記各区間内に設定し
た特定波長の測定エネルギー値と上記各区間内の測定エ
ネルギー値との比を取ることによってスペクトル測定値
を安定化させて、上記の比を取ったスペクトルに対して
多変量解析法を行って上記測定対象物中の特定成分の定
量分析を行うことを特徴とする。
【0061】さらに、請求項3にかかる発明は、請求項
1または2にかかる発明において、測定対象物中の上記
特定成分がグルコースであることを特徴とする。
【0062】
【作用】測定したエネルギースペクトルの波長域を複数
の区間に分割し、各区間内に設定した特定波長の測定エ
ネルギー値と上記各区間内の測定エネルギー値との比を
取ることによってスペクトル測定値の時間依存性を有す
る誤差と入射光の入射角の変化による透過率の変動が同
時に補正される。
【0063】部分空間でエネルギースペクトルの比を取
ることにより得られたスペクトルに対して多変量解析が
行われる。
【0064】グルコースの透過光エネルギースペクト
ル、または反射光エネルギースペクトルが部分空間で比
を取ることにより補正される。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、部分空間で分光測定に
おけるエネルギースペクトルの比を取ることにより、ベ
ースライン変動の時間依存性の誤差と入射光の入射角度
の変化による透過率の変動を同時に低減することができ
るので、分光測定における分析の精度を向上させること
ができる。
【0066】また、本発明によれば、多変量解析により
定量分析の精度および信頼性がさらに向上する。
【0067】さらに、本発明によれば、特定成分がグル
コースである場合には、グルコース濃度を高精度で検出
することができ、人体の血糖値測定に適用することによ
り信頼性および精度の高い血糖値の測定を行うことがで
きる。
【0068】
【実施例】以下に、添付の図面を参照して本発明の実施
例を説明する。
【0069】実施例1 市販の牛乳を石英セルに充填して、パーキンエルマー社
製の近赤外分光器(形式名「System2000」)
を用い、5分毎に4000cm-1〜8000cm-1の波
長域における透過エネルギースペクトルを11回測定し
た。これらの透過エネルギースペクトルに、(1)無処
理,(2)1波長での測定エネルギースペクトルとの比
をとる1波長比率演算処理,(3)部分空間において比
をとる部分空間比率演算処理,(4)1次微分,(5)
2次微分,(6)フーリエ変換をそれぞれ施した。そし
て、4000cm-1〜8000cm-1の波長域内で選択
した各波長での透過エネルギースペクトルのCV値(=
100×標準偏差/平均)をそれぞれ算出した。なお、
以下では、各波長でのCV値をプロットしたスペクトル
をCVスペクトルという。
【0070】(1)無処理 5分毎に測定した11本の市販の牛乳の上記透過エネル
ギースペクトルを図1に示す。また、その上記CVスペ
クトルを図2に示す。
【0071】(2)1波長比率演算処理 図1に示した4000cm-1〜8000cm-1の波長域
における11本の各透過エネルギースペクトルと、60
00cm-1との比のスペクトルを図3に示す。また、そ
のCVスペクトルを図4に示す。
【0072】(3)部分空間比率演算処理 5分毎に測定した11本の市販の牛乳の上記透過エネル
ギースペクトルの4000cm-1〜8000cm-1の波
長域を、次の8つの波長域に分割した。 4000cm-1〜4500cm-1(4250cm-1), 4500cm-1〜5000cm-1(4750cm-1), 5000cm-1〜5500cm-1(5250cm-1), 5500cm-1〜6000cm-1(5750cm-1), 6000cm-1〜6500cm-1(6250cm-1), 6500cm-1〜7000cm-1(6750cm-1), 7000cm-1〜7500cm-1(7250cm-1), 7500cm-1〜8000cm-1(7750cm-1)。 そして、4000cm-1〜8000cm-1の波長域内で
選択した上記各波長のうち、分割された8つの上記波長
域の各々に属する各波長の透過エネルギースペクトル
と、括弧内に示す波長の透過エネルギースペクトルとの
比のスペクトルを図5に示す。また、そのCVスペクト
ルを図6に示す。
【0073】(4)1次微分 5分毎に測定した図1の市販の牛乳の11本の上記透過
エネルギースペクトルの1次微分スペクトルを図7に示
す。また、そのCVスペクトルを図8に示す。
【0074】(5)2次微分 5分毎に測定した図1の市販の牛乳の11本の上記透過
エネルギースペクトルの2次微分スペクトルを図9に示
す。また、そのCVスペクトルを図10に示す。
【0075】(6)フーリエ変換 5分毎に測定した図1の市販の牛乳の11本の上記透過
エネルギースペクトルに低周波フィルタリングフーリエ
変換を施したときのスペクトルを図11に示す。また、
そのCVスペクトルを図12に示す。
【0076】上記図6のCVスペクトルを、上記図2,
図4,図10および図12のCVスペクトルと対比する
と、部分空間比率演算処理を施した場合の方が、無処
理,1波長比率演算処理,1次微分,2次微分,フーリ
エ変換の各処理を施した場合よりも各波長でのCV値が
全体的に小さくなっており、部分空間比率演算処理によ
って透過エネルギースペクトルが安定化されていること
が分かる。
【0077】実施例2 被験者に清水製薬製の「トレーラン75」糖負荷試験用
水溶液を飲用させた後、指に近赤外光を照射し、12分
毎にパーキンエルマー社製の近赤外分光器(形式名「S
ystem2000」)を用いて反射エネルギースペク
トルを測定した。この反射エネルギースペクトルの測定
と同時に、株式会社京都第一科学製のグルコースモニタ
で上記被験者の血糖値を測定した。この同時測定は合計
44回行った。
【0078】上記近赤外分光器で測定したこれらの反射
エネルギースペクトルに、(1)無処理,(2)1波長
比率演算処理,(3)部分空間比率演算処理,(4)1
次微分,(5)2次微分,(6)フーリエ変換をそれぞ
れ施した。なお、上記(2)の1波長比率演算処理で
は、以下に示す波長Aの括弧外の各波長を6000cm
-1で比率演算処理した。また、上記(3)の部分空間比
率演算処理では、上に示した波長Aの括弧外の各波長を
括弧内の波長で比率演算処理した。 波長A 4250cm-1(4300cm-1),4350cm-1(4400cm-1), 4450cm-1(4700cm-1),4500cm-1(4700cm-1), 4550cm-1(4700cm-1),4600cm-1(4700cm-1), 4650cm-1(4700cm-1),4750cm-1(4700cm-1), 4800cm-1(4700cm-1),4850cm-1(4700cm-1), 5500cm-1(6300cm-1),5600cm-1(6300cm-1), 5700cm-1(6300cm-1),5800cm-1(6300cm-1), 5900cm-1(6300cm-1),6000cm-1(6300cm-1), 6100cm-1(6300cm-1),6200cm-1(6300cm-1), 6400cm-1(6300cm-1),6500cm-1(6300cm-1), 6700cm-1(7100cm-1),6800cm-1(7100cm-1), 6900cm-1(7100cm-1),7000cm-1(7100cm-1), 7200cm-1(7100cm-1),7300cm-1(7100cm-1), 7400cm-1(7100cm-1),7500cm-1(7100cm-1)。
【0079】全部で44回行った上記同時測定により得
られた測定データのうち、偶数番目に測定した22個を
検量線作成用セット、奇数番目に測定した22個を濃度
推定用セットとして、上記波長Aの括弧外の28波長で
の吸光度値を使用し、これら吸光度値をPLS多変量解
析法に基づいて処理することにより定量分析を行った。
【0080】上記(1)無処理,(2)1波長比率演算
処理,(3)部分空間比率演算処理,(4)1次微分,
(5)2次微分および(6)フーリエ変換の各処理に基
づく定量分析結果を、図13,図14,図15,図1
6,図17および図18にそれぞれ示す。また、上記
(1)〜(6)の各処理に基づく定量分析結果につい
て、相関係数Rおよび濃度推定誤差SEPを表1に示
す。
【0081】
【表1】
【0082】(注1)濃度推定誤差SEPは次の数24
により定義される。
【0083】
【数24】
【0084】数24において、 Chiref:成分iの第h番目の濃度実測値 Chiobs:成分iの第h番目の濃度推定値 n:濃度推定用データ数 である。
【0085】上記図15を、図13,図14,図16,
図17および図18と対比すると、エネルギースペクト
ルを部分空間で比をとることにより、血糖実測値により
近い血糖推定値を得ることができ、濃度定量分析精度が
向上したことが分かる。また、上記表1から、エネルギ
ースペクトルの部分空間で比をとることによる血糖濃度
推定値の相関係数Rは、(1)無処理,(2)1波長比
率演算処理,(4)1次微分,(5)2次微分,(6)
フーリエ変換による各血糖濃度推定値の相関係数Rより
も大きく、濃度推定誤差SEPは最小であることが分か
る。
【0086】実施例3 光を空気中から水中に入射させたときの入射角度θi
変化による表面透過率P(λ,θ)の変動を比率演算処
理した場合と比率演算処理をしなかった場合について調
べた。
【0087】比をとらなかった場合の入射角度θiの変
化(Δθi=θi1−θi2)による表面透過率P
(λ,θ)の相対変化量Δp(λ,θi)/p(λ,
θi)は、次の数25によって求めた。
【0088】
【数25】
【0089】一方、比を取った場合の入射角度θiの相
対変化量による表面透過率PN(λ,θ)の変化Δp
N(λ,θi)/pN(λ,θi)は次の数26によって求
めた。
【0090】
【数26】
【0091】その演算結果を次の表2および表3に示
す。
【0092】
【表2】
【0093】(注2) n1:空気の屈折率 引用文献:理科年表(国立天文台編、第66冊、丸善株
式会社) (注3) n2:水の屈折率 上記理科年表に記載の次の数27により計算した。
【0094】
【数27】
【0095】
【表3】
【0096】上記表3から分かるように、表面透過率P
N(λ,θ)の相対変化量ΔpN(λ,θi)/pN(λ,
θi)の方が表面透過率P(λ,θ)の相対変化量Δp
(λ,θi)/p(λ,θi)よりも値が小さい。このこ
とから、比率演算処理を施すことにより、入射角θi
変化による表面透過率P(λ,θ)の変動は低減され
る、つまり光の測定対象物に対する入射角度の変化によ
る透過率の変動を低減できることが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 市販の牛乳の5分毎に測定した11本の透過
エネルギースペクトルである。
【図2】 図1のCVスペクトルである。
【図3】 図1のエネルギースペクトルを6000cm
-1で比率演算処理したエネルギースペクトルである。
【図4】 図3のCVスペクトルである。
【図5】 図1のエネルギースペクトルを部分空間で比
率演算処理したエネルギースペクトルである。
【図6】 図5のCVスペクトルである。
【図7】 図1のエネルギースペクトルを1次微分した
スペクトルである。
【図8】 図6のCVスペクトルである。
【図9】 図1のエネルギースペクトルを2次微分した
スペクトルである。
【図10】 図9のCVスペクトルである。
【図11】 図1のエネルギースペクトルを低周波フィ
ルタリングフーリエ変換したスペクトルである。
【図12】 図11のCVスペクトルである。
【図13】 無処理の場合の定量分析結果を示すデータ
である。
【図14】 1波長で比を取った場合の定量分析結果を
示すデータである。
【図15】 部分空間で比を取った場合の定量分析結果
を示すデータである。
【図16】 1次微分の場合の定量分析結果のデータで
ある。
【図17】 2次微分の場合の定量分析結果のデータで
ある。
【図18】 低周波フィルタリングフーリエ変換の場合
の定量分析結果のデータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 博子 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内 (72)発明者 徐 可欣 京都府京都市南区東九条西明田町57番地 株式会社京都第一科学内 (72)発明者 塩見 元信 大阪府寝屋川市下木田町14番5号 倉敷 紡績株式会社技術研究所内 (56)参考文献 特開 平5−332833(JP,A) 特開 平5−161628(JP,A) 特開 平7−43295(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 G01J 3/00 - 3/52 PATOLIS

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物に光を投射し、その透過光エ
    ネルギースペクトルもしくは反射光エネルギースペクト
    ルを測定して測定対象物中の特定成分の定量分析を行な
    う分光測定におけるスペクトルの安定化法であって、 測定対象物について透過光エネルギースペクトルもしく
    は反射光エネルギースペクトルを測定し、測定した測定
    エネルギースペクトルの波長域を複数の区間に分割し、
    各区間毎に上記各区間内に設定した特定波長の測定エネ
    ルギー値と上記各区間内の測定エネルギー値との比をと
    ることによって定量分析を行うことを特徴とする分光測
    定におけるスペクトルの安定化法。
  2. 【請求項2】 測定対象物に光を投射し、その透過光エ
    ネルギースペクトルもしくは反射光エネルギースペクト
    ルを測定して測定対象物中の特定成分の定量分析を行な
    う分光測定におけるスペクトルの安定化法であって、 測定対象物の透過光エネルギースペクトルもしくは反射
    光エネルギースペクトルを測定し、測定した測定エネル
    ギースペクトルの波長域を複数の区間に分割し、各区間
    毎に上記各区間内に設定した特定波長の測定エネルギー
    値と上記各区間内の測定エネルギー値との比を取、上
    記の比を取ったスペクトルに対して多変量解析法を行っ
    て上記測定対象物中の特定成分の定量分析を行うことを
    特徴とする分光測定におけるスペクトルの安定化法。
  3. 【請求項3】 測定対象物中の特定成分がグルコースで
    あることを特徴とする請求項1または2記載の分光測定
    におけるスペクトルの安定化法。
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