JP3473038B2 - キャリアのスピンのフィルタ及びこれを用いた磁化分布測定方法、走査型トンネル顕微鏡用探針 - Google Patents

キャリアのスピンのフィルタ及びこれを用いた磁化分布測定方法、走査型トンネル顕微鏡用探針

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一方向又は両方向
のスピンのキャリア即ち電子又はホールを取り出すキャ
リアのスピンのフィルタ及びこれを用いた磁化分布測定
方法、走査型トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Mic
roscopy:STM)用探針に係わる。
【0002】
【従来の技術】近年、ある物質の磁化の微視的な分布を
調べる方法として、MFM(MagneticForce Microscop
y;磁気力顕微鏡)やスピン偏極STMが用いられるよう
になってきている。MFMは、磁化した物質を探針とし
て用いて、その探針と磁性試料間のダイポール相互作用
を関知することにより、磁性試料の磁化の分布を調べる
方法である。この場合、磁気モーメントのダイポール相
互作用が原子間力よりも大きくなる領域で探針を走査し
なければならない。その領域は、試料表面から数10n
m離れたところであり、そのために面内分解能も数10
nm程度になってしまう。
【0003】この分解能を上回るものとして、スピン偏
極STMがある。通常のSTMは、鋭くとがらせた探針
と試料を2つの電極として近づけ、その間にトンネル電
流を流して試料の面内方向に走査しながら電流値が一定
になるように針を上下させ、試料表面の凹凸を測定する
ものである。そして上述のスピン偏極STMとは、その
探針として磁性体を用いて、ある特定の向きのスピンを
持った電子のみが担う電流を用いるものである。
【0004】試料が磁気モーメントをもっていると、そ
の向きと探針からトンネルしてくる電子のスピンの向き
の関係でトンネル抵抗が変化する。この変化を従来のS
TMのように検知すれば、試料表面の磁気モーメントの
分布がわかる。本質的に、その原理はトンネル電流の変
化の検出に基づいているので、分解能は従来のSTMと
同様に数Åオーダー程度が得られる。
【0005】しかしながらトンネル電流を生じさせるた
めには、探針は試料から数nmの領域を走査しなければ
ならない。このように、探針と試料との距離が近いと、
探針の磁化が試料の磁化の向きを変化させてしまう場合
がある。特に全体的に磁性体より成る構造の従来のスピ
ン偏極STMの探針を用いると、上述したように探針と
試料の距離が近いために、探針の磁化が試料表面の磁化
に影響を及ぼす場合がある。
【0006】また、トンネル電流の変化は試料の磁化だ
けでなく、試料表面の電子状態に強く依存するので、ス
ピン偏極STM像から磁気モーメントの分布の情報のみ
を取り出すことは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キャリアの
スピンの選択性を有するフィルタを提供し、これを例え
ば上述のスピン偏極STMの探針として用いることによ
り、試料表面の磁化に影響を及ぼすことなく表面状態を
微視的に探ることができるようにする。更に本発明は、
試料表面の電子状態の情報と磁気モーメントの情報を独
別に得られる磁化分布測定方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性体ポテン
シャル井戸層が障壁層に挟まれた構造を少なくとも1つ
以上有して成り、磁性体ポテンシャル井戸層において
は、この磁性体ポテンシャル井戸層を構成する磁性体の
つくる磁場によりキャリアのスピン状態に対応してその
エネルギーレベルを2つのレベルに離散化させる構造と
して、少なくとも一端の障壁層に接する導電層を非磁性
導電層より構成する。
【0009】また本発明は、磁性体ポテンシャル井戸層
が障壁層に挟まれた構造を少なくとも1つ以上有して成
り、少なくとも先端部が非磁性導電層より成るキャリア
のスピンのフィルタ機能を有する探針を用い、この探針
に印加するバイアス電圧を変化させることにより、特定
の向きのスピンをもったキャリアを先端部から取り出し
て、試料表面の磁気的及び電気的情報を測定し、次に探
針に異なるバイアス電圧を印加して両方の向きのスピン
をもったキャリアを先端部から取り出し、試料表面の電
気的情報を測定して、各情報を比較することにより試料
表面の磁気的情報のみを得る。
【0010】更にまた本発明は、走査型トンネル顕微鏡
に用いられる探針であって、磁性体ポテンシャル井戸層
が障壁層に挟まれた構造を少なくとも1つ以上有して成
り、磁性体ポテンシャル井戸層においては、この磁性体
ポテンシャル井戸層を構成する磁性体のつくる磁場によ
りキャリアのスピン状態に対応してそのエネルギーレベ
ルを2つのレベルに離散化させる構造として、少なくと
も試料と対向する先端部を非磁性導電層より構成する。
【0011】
【作用】本発明においては、磁性体ポテンシャル井戸層
1を障壁層2で挟み込む構成とすることにより、この井
戸層1内においては、磁性体のつくる磁場のために、キ
ャリア即ち電子又はホールのスピンの状態に対応して、
そのエネルギーレベルを2つレベルに離散化させる構成
とすることができる。従って、この井戸層1を挟む障壁
層2の外側に設ける非磁性導電層11、12に適切なバ
イアス電圧を印加することによって、離散化したレベル
のうち上述の磁場に平行なスピンを持ったキャリアのみ
を共鳴トンネルさせることができ、更に高いバイアス電
圧を印加することによって、両方の向きのスピンを有す
るキャリアをトンネリングさせることができる。
【0012】従って、このような構成をフィルタとして
用いることにより、特定の方向のスピンを有するキャリ
ア又は両方の向きのスピンを有するキャリアを選択的に
取り出すことができる。
【0013】そしてこのフィルタをSTMの探針として
用い、図2に示すように本発明磁化分布測定方法を適用
してその測定を行うことによって、試料表面の微細な磁
化分布を、数Å程度の分解能をもって、また試料表面の
磁化分布を変化させることなく測定することができる。
【0014】
【実施例】以下図面を参照して本発明実施例を詳細に説
明する。先ず、キャリアのスピンのフィルタをSTMの
探針として用いた場合を示す。
【0015】図1に示すように、磁性体ポテンシャル井
戸層1(11 〜13 )が障壁層2(21 〜24 )に挟ま
れた構造を少なくとも1つ以上、この場合3つ有して成
り、少なくとも一方の端部、この場合両端部を非磁性の
導電体、例えばAl、W等の非磁性金属や、GaAs、
InAs等の半導体より成る非磁性導電層11及び12
により構成する。
【0016】また障壁層2は、例えばAl2 3 、Si
X 、SiO2 等の絶縁体薄膜より構成するか、又は上
述の非磁性導電層11及び12がGaAsの場合はAl
GaAs、InAsの場合はAlGaSb等の、いわば
非磁性導電層11及び12に対しポテンシャルの障壁と
なり得る半導体より構成し、その厚さt2 は電子がトン
ネル現象によって透過が可能な数nm程度とする。
【0017】また、磁性体ポテンシャル井戸層1は磁性
体薄膜、例えばFe、Ni等の磁性体金属やMnInA
s等の磁性体を含む半導体より構成し、その厚さt1
電子のエネルギーが離散化するのに充分な数nm程度と
しておく。図1において磁性体ポテンシャル井戸層1の
矢印は各層内の磁化の向きを模式的に示すものである。
【0018】図3に非磁性導電層11及び12をn型I
nAs、障壁層2をAlGaSb、磁性体ポテンシャル
井戸層1をMnInAsより構成し、井戸層1を1層、
障壁層2を2層設けた場合のバンドダイヤグラムを模式
的に示す。EF はフェルミ面を示す。磁性体ポテンシャ
ル井戸層1では、電子のエネルギーは井戸層1中の磁性
体、この場合Mnのつくる磁場Bのために矢印s1 及び
2 で示すスピンの向きに応じて分裂する。
【0019】この非磁性導電層11及び12の両端にバ
イアス電圧を印加すると、図4のバンドダイヤグラムに
示すように、低バイアス側の非磁性導電層11内の伝導
電子が、磁性体ポテンシャル井戸層1内のスピンの向き
により分裂したレベルの低エネルギー側のレベル、即ち
磁場Bに平衡なスピンを持つ電子のエネルギーレベルを
介して共鳴トンネルする。このとき、非磁性導電層11
内の全ての伝導電子が共鳴トンネルを起こすのではな
く、伝導電子のうち一方のスピン、即ち磁場Bに平行な
スピンs2 をもつ電子のみが破線矢印Tで示すように共
鳴トンネルする。
【0020】つまり図1に示す構造は、あるバイアス電
圧を印加した状態では、電子のスピンのフィルタとして
機能し、流れる電流は一方のスピンをもった電子しか含
んでいない。
【0021】更に非磁性導電層11、12の間にバイア
ス電圧を印加すると、図5に示すように、スピンにより
分裂した両方のエネルギーレベルに共鳴しトンネルす
る。この場合に流れる電流は、両方のスピンs1 及びs
2 を含んでいる。図5において、図3に対応する部分に
は同一符号を付して重複説明を省略する。
【0022】次に、このような構造をSTMの探針に用
いる場合を説明する。従来のスピン偏極STMの探針
は、全体が磁性体からできており、STMを行う領域で
は、探針と試料間の距離が数nm程度であることから、
探針の磁化が試料の磁化の分布に影響を及ぼす場合があ
った。
【0023】しかしながら図2に示すように、磁性体ポ
テンシャル井戸層1を障壁層21 及び22 で挟み込み、
両端が非磁性導電層11及び12より成り、一方の非磁
性導電層12の先端部10sが針状に形成された本発明
構成による探針10を用いる場合、探針10の磁化して
いる部分即ち磁性体ポテンシャル井戸層1を、各層
2 、12の厚さを適切に選定することによってその先
端部10sから数10nmを越える間隔Lをもって配置
させることができて、この磁性体ポテンシャル井戸層1
を試料から数10nm以上離間させることが可能である
ことから、STMを行う際に探針10の磁化が試料に及
ぼす影響を格段に低減化することができる。
【0024】図2の探針を用いたSTMの動作態様を以
下に説明する。先ず、非磁性導電層11と12との間に
バイアス電圧印加手段21により所定のバイアス電圧を
印加して、探針10内のバンドアライメントが前述の図
4に示す状態、即ち一方のスピンもった電子しか含まな
い電流が流れるようにする。この状態で、探針10を先
端部10sと試料20の表面との間隔を数nmとして試
料20の表面に沿って走査させ、試料20の表面の磁化
Mの分布によって生じるトンネル電流の変化を測定して
STMの測定を行う。この場合、得られるSTM像は試
料表面の電子状態と磁気モーメントの分布を重ね合わせ
たものである。
【0025】続いて、更に探針にかけるバイアス電圧を
増加させ、前述の図4に示すバンドアライメントとし、
この状態で上述と同様に探針10を、先端部10sと試
料20の表面との間隔を数nmとして試料20の表面に
沿って走査させ、試料20の表面の磁化Mの分布によっ
て生じるトンネル電流の変化を測定してSTMの測定を
行う。この場合得られる像は電子状態の情報のみを含ん
だものとなる。このようにして得られた2つの像の差を
求めれば磁気モーメントの分布のみを示したSTM像が
得られ、これにより微細な構造の磁化分布を知ることが
できる。
【0026】次に、このような探針の作製方法の一例を
説明する。この場合においても、非磁性導電層にn型I
nAs、障壁層にAlGaSb、磁性体ポテンシャル井
戸層にMnInAsを用い、障壁層が2層、井戸層が1
層とされた構成を得る例を示す。
【0027】図6にその一製造工程図を示すように、先
ずn型InAsより成る基板3上に、n型InAsより
成るバッファ層を兼ねた非磁性導電層11を厚さ例えば
数10nm、AlGaSbより成る障壁層21 を厚さ例
えば数nm、MnInAsより成る磁性体ポテンシャル
井戸層1を厚さ例えば数nm、AlGaSbより成る障
壁層22 を厚さ例えば数nm、更にn型InAsより成
る非磁性導電層12を厚さ例えば数10〜数100nm
として、MBE(分子線エピタキシー法)やMOCVD
(有機金属による化学的気相成長法)等を用いてエピタ
キシャル成長させる。
【0028】次に図7に示すように例えば直径数μm程
度にパターニング、即ちレジストの塗布、パターン露
光、現像を施してパターニング形成したレジスト31を
マスクとして、SiCl4 やCH4 等を含むエッチング
ガスを用いたRIE(反応性イオンエッチング)等の異
方性エッチングにより各層12、22 、1、21 及び1
1をエッチングして、基板3の表面が露出するまでその
エッチングを行う。
【0029】次に、図8に示すように、例えばレジスト
剥離液を用いてレジストマスクを除去し、電子ビームリ
ソグラフィにより柱状構造の先端に例えば直径数10n
m程度の電子線レジスト32をパターニングする。
【0030】続いてSiCl4 又はCH4 等のエッチン
グガスを用いて、上述のレジストをマスクとしてドライ
エッチングを数10nm〜数100nm程度行う。この
ときアンダーカットが生じる条件でエッチングを行う
と、レジストを除去した後柱状構造の先端に針状の先端
部10sが形成され、STMに用いて好適な探針10を
得ることができる。
【0031】尚、このようなスピン偏極STMに用いる
場合を含めて本発明は上述の実施例に限定されることな
くその他上述したように非磁性導電層としてAl、W
等、井戸層としてFe、Ni等、障壁層としてAl2
3 等の材料を用いるなど種々の変形変更が可能であるこ
とはいうまでもない。
【0032】例えば図10にその一動作態様のバンドダ
イヤグラムを示すように、磁性体ポテンシャル井戸層1
(11 〜14 )を4層、これを挟む障壁層2(21 〜2
5 )を5層、そしてその両端に非磁性導電層11及び1
2を設けることもできる。
【0033】この場合、各井戸層1の厚さを変えること
によって、適切なバイアス電圧が印加されたときに、各
井戸層1のキャリアのエネルギーレベルを同等とするこ
とができ、低いレベルのエネルギー準位のスピンs2
もつキャリアのみを共鳴トンネルさせる構成とすること
ができる。従ってこのとき試料表面の電子状態を磁気モ
ーメントの分布を合わせた情報を得ることができる。
【0034】次に、更に高いバイアス電圧を印加するこ
とによって両方のスピンs1 、s2をもつキャリアを共
鳴トンネルさせ、電子状態のみの情報を得ることがで
き、上述の例と同様に、各情報の差から磁気モーメント
の分布を知ることができる。
【0035】また、本発明によるキャリアのスピンのフ
ィルタは、上述のスピン偏極STMに限定されることな
く、図11及び図12に示すように例えばスイッチング
素子や磁場のセンサーとして用いることもできる。図1
1及び図12において、前述の図2に対応する部分には
同一符号を付して重複説明を省略する。
【0036】図11においては、本発明によるキャリア
のスピンのフィルタ40の先端部40sを針状として構
成し、その先端部10sに対向して電極D1 〜D4 を配
置する。この場合例えばフィルタ40から例えばその非
磁性導電層11及び12の間に所定のバイアス電圧を印
加することによってトンネル電流を生じさせるか、或い
はその先端部20sの最細部にCs(セシウム)等の低
電子親和力の金属層を選択的に形成することによって、
ここから比較的低電圧の電界放出により電子を放出させ
る。
【0037】そして両方のスピンを有する電子がトンネ
リング又は電界放出により得られる場合は先端部40s
から直進して電極D1 とD2 との間の間隙を通過して、
その背後に設けられる電極D4 に到達するようになさ
れ、トンネル電流又は電界放出による電子が一方のスピ
ンのみを有する場合には、例えば矢印b1 又はb2 で示
すように所定の磁場Bを印加することによってその進行
方向が曲げられて、電極D2 とD3 との間の間隙を通過
するように構成する。このような構成とすることによっ
て、磁場のオン/オフによるスイッチング素子を得るこ
とができる。図11において図2に対応する部分には同
一符号を付して重複説明を省略する。23は電流計を示
す。
【0038】また、図12に示すように、フィルタ40
の後端部から、例えばバイアス電圧印加手段21と第1
の電流計41及び電極D11を直列に接続し、これとは並
列に、バイアス電圧印加手段22と第2の電流計42及
び電極D12を直列に接続し、フィルタ40の先端部から
トンネル電流又は電界放出によりキャリア例えば電子を
取り出す構成とする。そして前述の図11において示す
例と同様に、バイアス磁場のオン/オフによって、例え
ば磁場が印加されない場合は電子が直進して対向する電
極D13に到達し、磁場が印加される場合は電子が電極D
11又はD12に到達し、電流計41又は42に電流が流れ
るようにすることができる。
【0039】従って、このような構成とする場合、電流
計41及び42の値を読むことにより磁場の有無又は向
きを検出することができ、磁場センサー又は例えば磁気
ヘッド等への応用も可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、所定の一方向のスピン
のみを有するキャリア、又は両方のスピンを有するキャ
リアをそれぞれ取り出し得るキャリアのスピンのフィル
タを構成することができる。
【0041】そしてこのフィルタをSTMの探針として
用いて、先ず一方のスピンのみを有するキャリアを取り
出し得る状態としてSTM測定を行って磁気的及び電気
的情報を得た後、両方のスピンを有するキャリアを取り
出し得る状態としてSTM測定を行って電気的情報を得
て、こられの情報を比較考慮して試料表面の微細な磁化
分布を数Å程度の分解能をもって測定することができ、
またその際に試料表面の磁化分布に影響を及ぼすことを
回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の略線的拡大斜視図である。
【図2】本発明の一実施例の説明図である。
【図3】本発明の一実施例の一動作状態におけるバンド
ダイヤグラムの模式図である。
【図4】本発明の一実施例の一動作状態におけるバンド
ダイヤグラムの模式図である。
【図5】本発明の一実施例の一動作状態におけるバンド
ダイヤグラムの模式図である。
【図6】本発明の一実施例の一製造工程図である。
【図7】本発明の一実施例の一製造工程図である。
【図8】本発明の一実施例の一製造工程図である。
【図9】本発明の一実施例の一製造工程図である。
【図10】本発明の他の実施例の一動作状態におけるバ
ンドダイヤグラムの模式図である。
【図11】本発明の他の実施例の説明図である。
【図12】本発明の他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1 磁性体ポテンシャル井戸層 2 障壁層 3 基板 10 探針 11 非磁性導電層 12 非磁性導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 49/00 G01R 33/02 H01L 29/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体ポテンシャル井戸層が障壁層に挟
    まれた構造を少なくとも1つ以上有して成り、上記磁性体ポテンシャル井戸層においては、上記磁性体
    ポテンシャル井戸層を構成する磁性体のつくる磁場によ
    りキャリアのスピン状態に対応してそのエネルギーレベ
    ルを2つのレベルに離散化させる構造とされ、 少なくとも一端の障壁層に接する導電層が非磁性導電層
    とされて成ることを特徴とするキャリアのスピンのフィ
    ルタ。
  2. 【請求項2】 磁性体ポテンシャル井戸層が障壁層に挟
    まれた構造を少なくとも1つ以上有して成り、少なくと
    も先端部が非磁性導電層より成るキャリアのスピンのフ
    ィルタ機能を有する探針を用い、 上記探針に印加するバイアス電圧を変化させることによ
    り、特定の向きのスピンをもったキャリアを上記先端部
    から取り出して、試料表面の磁気的及び電気的情報を測
    定し、 上記探針に異なるバイアス電圧を印加して両方の向きの
    スピンをもったキャリアを上記先端部から取り出し、上
    記試料表面の電気的情報を測定して、 上記各情報を比較することにより上記試料表面の磁気的
    情報のみを得る ことを特徴とする磁化分布測定方法。
  3. 【請求項3】 走査型トンネル顕微鏡に用いられる探針
    であって、 磁性体ポテンシャル井戸層が障壁層に挟まれた構造を少
    なくとも1つ以上有して成り、 上記磁性体ポテンシャル井戸層においては、上記磁性体
    ポテンシャル井戸層を構成する磁性体のつくる磁場によ
    りキャリアのスピン状態に対応してそのエネルギーレベ
    ルを2つのレベルに離散化させる構造とされ、 少なくとも試料と対向する先端部が非磁性導電層とされ
    て成ることを特徴とする走査型トンネル顕微鏡用探針。
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