JP3471004B2 - 糸付縫合針の製造方法 - Google Patents
糸付縫合針の製造方法Info
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方法に関するものである。
形成された胴部の先端に鋭利な針先部を備えると共に、
該胴部の基端部から先端部側に向かい該胴部の長さ方向
に沿って穿設された取付穴部に縫合糸が挿入されてかし
め止めされ、該縫合針を生体に刺通する際に該縫合糸が
該縫合針から抜け落ちないようにされているものが知ら
れている。
に、先端に鋭利な針先部を形成した直線状の縫合針材料
31を、ターレット32の周囲に軸方向に沿って設けら
れた複数の溝部33に、1本ずつ供給することにより製
造されている。前記ターレット32は、所定角度ずつ間
欠的に回転させ、回転方向に沿ってそれぞれ所定の位置
で、溝部33に支持されている縫合針材料31の基端部
に、焼き鈍し、外周の面取り、縫合糸がかしめ止めされ
る取付穴部の穿設、該取付穴部の開口部の面取りを行
う。前記取付穴部の穿設は、レーザ加工、ドリル加工等
により行われる。
ら取り出された縫合針材料31aを曲げ加工して、胴部
を半円弧状に整形し、縫合針材料31bを形成する。縫
合針材料31bは、さらに熱処理、薬品処理を行った
後、針の潤滑性向上のために該針先部にシリコーン樹脂
をコーティングする。そして、前記縫合針材料31bの
基端部に穿設された取付穴部に縫合糸を挿入し、該取付
穴部をかしめることにより、該取付穴部に該縫合糸がか
しめ止めされた糸付縫合針(図示せず)が得られる。
を間欠的に回転させながら行う各加工は、縫合針材料3
1がターレット32の溝部33に支持されているので自
動的に行うことができる。しかし、その後の各加工は自
動化が難しく、特に前記取付穴部に前記縫合糸をかしめ
止めする加工は、縫合針材料31bを1本ずつ手作業で
かしめ装置に供給して行わねばならないとの問題があ
る。
料31に前記取付穴部を穿設した後で、縫合針材料31
aの胴部を半円弧状に整形し、熱処理、薬品処理、シリ
コーン樹脂のコーティング等の処理を行うので、該取付
穴部が前記各処理の影響を受けないよう、特に該取付穴
部が前記シリコーン樹脂で埋められてしまわないよう
に、取付穴部を保護する特別な処置を講ずる必要があ
る。
穿設に先立って、前記縫合針材料31の胴部に予め曲げ
加工を施し、半円弧状の形状を付与することが考えられ
る。しかしながら、前記縫合針材料31の胴部に前記半
円弧状の形状を付与すると、かかる縫合針材料を前記タ
ーレット32の溝部33に支持させることができなくな
るという不都合がある。
合を解消して、糸付縫合針を容易に製造することができ
る製造方法を提供することを目的とする。
めに、本発明の製造方法は、胴部の先端部に鋭利な針先
部を備える縫合針材料を曲げ加工して該胴部に半円弧状
の形状を付与する工程と、該胴部に半円弧状の形状を付
与された縫合針材料を、熱溶着性接着剤を介して剥離自
在に接着された2枚の長尺状柔軟材料の間に、該縫合針
材料の基端部が該長尺状柔軟材料から露出して該長尺状
柔軟材料の長手方向と直交するようにすると共に、複数
の該縫合針材料が所定間隔を存するように配置して挟持
させる工程と、該長尺状柔軟材料を長手方向に沿って間
欠的に搬送しつつ、第1の所定位置で、該長尺状柔軟材
料に挟持された該縫合針材料の基端部にレーザ加工を施
して該基端部から先端部側に向かい該胴部の長さ方向に
沿って下穴を穿設する工程と、第2の所定位置で、該長
尺状柔軟材料に挟持された該縫合針材料の該下穴に中ぐ
り加工を施して内面形状を整形することにより縫合糸が
かしめ止めされる取付穴部を形成する工程と、該長尺状
柔軟材料に挟持された該縫合針材料の該取付穴部に縫合
糸を挿入すると共に、該取付穴部をかしめて該縫合糸を
かしめ止めする工程とからなることを特徴とする。
線引き加工して得られた鋼線材等の先端に鋭利な針先部
を形成し、所定長さに切断した前記縫合針材料に、予め
曲げ加工を施し、該縫合針材料の胴部に半円弧状の形状
を付与する。このようにすることにより、前記曲げ加工
が施された後に取付穴部が形成されるので、曲げ加工に
伴う熱処理、薬品処理、シリコーン樹脂のコーティング
の際に、前記取付穴部を保護する必要が無くなる。
状柔軟材料の間に、前記縫合針材料の基端部が該長尺状
柔軟材料から露出して該長尺状柔軟材料の長手方向と直
交するようにすると共に、複数の該縫合針材料が所定間
隔を存して配置されるようにして、該長尺状柔軟材料に
より挟持させる。そして、前記長尺状柔軟材料を長手方
向に沿って間欠的に搬送しつつ、それぞれ所定の位置
で、前記縫合針材料の基端部に対するレーザ加工による
下穴の穿設と、該下穴を中ぐり加工して内面形状を整形
することによる取付穴部の形成とを行う。
こともできるが、ドリル加工によるときには非常に細径
のドリルを用いなければならないため、該ドリルが折損
しやすいとの問題がある。そこで、本発明の製造方法で
は、加工が容易なレーザ加工により前記下穴を穿設する
ことが好ましい。
を挿入してかしめ止めするために十分な深さの取付穴部
を穿設しようとすると、内部に開口部より大径の部分を
備え、さらに奥部では先細になった取付穴部が形成され
る。前記形状に形成された取付穴部に縫合糸を挿入して
かしめ止めすると、該取付穴部の開口部が該縫合糸に食
い込んで、該開口部で該縫合糸が切断されやすくなる。
ザ加工により穿設された下穴に中ぐり加工を施すことに
より内部形状を整形して、開口部が内部と同径または大
径となっている取付穴部を形成する。前記中ぐり加工
は、ドリル加工またはリーマ加工により行うことができ
るが、送り速度を大きくすることができ、工具が折損し
にくく安価である点でリーマ加工により行うことが好ま
しい。
縫合針材料に比較的大きな回転トルクがかかるために、
該縫合針材料がリーマと共回りすることが懸念される。
しかし、本発明の製造方法では、前記縫合針材料は、前
記2枚の長尺状柔軟材料の間に挟持されているので、前
記共回りを防止することができる。
材料が前記長尺状柔軟材料により挟持されたままの状態
で、前記取付穴部に縫合糸を挿入してかしめ止めを行
う。
造方法における周囲に溝部を備えるターレットを用いる
ことなく、前記縫合針材料に対して自動的に前記取付穴
部を穿設する処理を施すことができる。また、前記取付
穴部が形成された後、該取付穴部に縫合糸を挿入してか
しめ止めするときにも、該縫合針材料を1本ずつ手作業
でかしめ装置に供給することなく、自動的に行うことが
できる。
縫合針を容易に製造することができる。
本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図
1は本実施形態の製造方法により得られる糸付縫合針を
示す斜視図であり、図2乃至図8は本実施形態の製造方
法の工程を模式的に示す図である。
1は、先端に鋭利な針先部2を備える半円弧状に形成さ
れた胴部3と、胴部3の基端部4から先端部側に向かい
胴部3の長さ方向に沿って穿設された取付穴部5と、取
付穴部5に挿入された縫合糸6とからなる。そして、縫
合糸6は、基端部4の外面と平行で、基端部4より縮径
された外面を備えるかしめ部7によりかしめ止めされて
いる。
ついて説明する。
うに、原料の鋼材を線引き直線加工して得られた直線状
の鋼線材11の先端部12をプレス加工した後、グライ
ンダ等で研削して刃立てを行い、さらにバフ研磨、砥石
研磨、電解・化学研磨等により研磨して針先部2を形成
する。次いで、前記針先部2が形成された鋼線材1を所
定の長さに切断し、縫合針材料13を形成する。縫合針
材料13は、次いで曲げ加工することにより、図2
(b)示のように、半円弧状に形成された胴部3の先端
部に鋭利な針先部2を備える形状とされる。縫合針材料
13は続いて、熱処理、薬品処理が施された後、針の摩
擦抵抗を減ずるためシリコーン樹脂がコーティングされ
る。このとき、縫合針材料13には、まだ取付穴部5が
形成されていないので、前記熱処理、薬品処理、シリコ
ーン樹脂のコーティングは取付穴部5に対する影響を何
ら顧慮することなく行うことができる。
13を、ホットメルト接着剤等の熱溶着性接着剤を介し
て剥離自在に接着された2枚の布テープ14a、14b
の間に、所定間隔で配置して挟持させる。布テープ14
a、14bの一側端には、複数の縫合針材料13が配置
される間隔に合わせて窓部15が設けられており、縫合
針材料13はその基端部4が、該窓部15から露出し
て、布テープ14a、14bの長手方向と直交するよう
に配置される。
布テープ14a、14bを、その長手方向に沿って、縫
合針材料13が配置されている間隔と同一の長さずつ、
間欠的に搬送する。本実施形態では、布テープ14a、
14bの搬送路に沿って、布テープ14a、14bが停
止したときに、窓部15から露出する基端部4に対面す
る位置に、加工ステージA,B,C,D,Eが設けられ
ており、基端部4に対して連続的に加工が施される。
送されるに従って、縫合針材料13は、まず、加工ステ
ージAでその基端部4の外周の面取りが行われ、次いで
加工ステージBでレーザ加工が施される。この結果、基
端部4には、図4示のように、基端部4から先端部側に
向かい胴部3の長さ方向に沿って延在する下穴16が穿
設される。下穴16は、縫合針材料13の基端部4に開
口部17を備えると共に、内部に開口部17より大径の
部分18を備え、奥部は先細になっている。
でリーマ加工が施される。前記リーマ加工は、例えば、
図5(a)示のように、長さ方向に対して所定の角度の
傾きを備える刃19を両側面に備えるテーパリーマ20
により行われる。この結果、下穴16は、テーパリーマ
20により中ぐり加工され、図5(b)示のように、開
口部17側から先端部方向に向けて次第に縮径する円錐
状の内面形状21を備えるように整形され、開口部17
が内部より大径になっている取付穴部5が形成される。
状の胴部3が布テープ14a,14bに挟持され、ホッ
トメルト接着剤のような熱溶着性接着剤により固定され
ているので、前記リーマ加工の際にリーマ20と共回り
することが防止され、前記中ぐり加工が容易に行われ
る。
で取付穴部5の開口部17に対する面取り加工が行わ
れ、さらに加工ステージEで洗浄され、乾燥される。
プ14a,14bに挟持された縫合針材料13は、布テ
ープ14a,14bの間欠的搬送に伴って、加工ステー
ジA〜Eの処理を連続的に施される。また、1つの縫合
針材料13が加工ステージBの処理を施されているとき
には、後続の他の縫合針材料13が加工ステージAの処
理を施されるというように、布テープ14a,14bに
挟持された複数の縫合針材料13が順次、加工ステージ
A〜Eの処理を連続的に施されることになるので、効率
的に処理を行うことができる。
工ステージA〜Eは布テープ14a,14bに挟持され
た複数の縫合針材料13の間隔に対し、該間隔1つ毎に
設けられるようにされているが、加工ステージA〜Eは
各加工ステージの装置の大きさなどを考慮して前記間隔
の複数個毎に設けられていてもよい。
と、布テープ14a,14bは、取付穴部5が形成され
た縫合針材料13を挟持したままの状態で、コイル状に
巻き取られる。そして、コイル状に巻き取られた布テー
プ14a,14bが、コイル単位で次のかしめ工程に送
られる。
14bは、前記コイル状に巻き取られた状態から引き出
され、所定間隔で間欠的に搬送されることにより、図6
示のように、搬送される布テープ14a,14bに沿っ
て設けられた加工ステージFに縫合針材料13を供給す
る。縫合針材料13は、加工ステージFで取付穴部5に
縫合糸6が挿入されたのち、布テープ14a,14bの
上下に備えられたかしめ型(図示せず)により、基端部
4が上下から押圧されてかしめられ、かしめ部7が形成
される。この結果、布テープ14a,14bに挟持され
た状態で、縫合糸6がかしめ部7にかしめ止めされた糸
付縫合針1が得られる。
流側で、布テープ14a,14bを接着しているホット
メルト接着剤等の熱溶着性接着剤を再溶融して、布テー
プ14a,14bを相互に剥離することにより取り出す
ことができる。
(b)示のように、開口部17側から先端部方向に向け
て次第に縮径する円錐状の内面形状21を備えるときに
は、前記かしめ型として円筒形状の加圧部を備えるもの
を用いて行う。これにより、取付穴部5は、図7に示す
ように、基端部4から先端部方向に向けて次第に縮径す
る円錐状の内面形状21を保持したままかしめられ、そ
の中間部に最も径の小さい小径部24を備えると共に、
開口部17の内径Aが小径部24の内径Bよりも大(A
>B)になるように形成される。この結果、縫合糸6は
小径部24により、取付穴部5の中間部で全周に亘って
かしめ止めされ、刺通の際の抜け落ちが防止される。ま
た、取付穴部5は、開口部17で最も大径となっている
ので、開口部17における縫合糸6に対する剪断力が低
減され、縫合糸6がかしめ時に切断されることを防止す
ることができる。
前記リーマ加工を図5(a)示のテーパリーマ20によ
り行っているが、テーパリーマ20に替えて、図8
(a)示のように、両側面に互いに平行な刃22を備え
る平行リーマ23により行ってもよい。この場合には、
下穴16は、平行リーマ23により中ぐり加工され、図
8(b)示のように、開口部17側から先端部まで直径
の等しい円筒状の内面形状24を備えるように整形さ
れ、取付穴部5が形成される。
部まで直径の等しい円筒状の内面形状24を備えるとき
には、加工ステージFにおいて、加圧部が縫合針材料1
3の基端部4から針先部2を備える先端部方向に向けて
次第に縮径する円錐状となっているかしめ型(図示せ
ず)により、基端部4が上下から押圧されてかしめら
れ、糸付縫合針1が形成される。これにより、取付穴部
5は、図7示の場合と同様に、基端部4から先端部方向
に向けて次第に縮径する円錐状であって、開口部9の内
径Aが小径部14の内径Bよりも大(A>B)となって
いる内面形状にかしめられ、取付穴部5に縫合糸6がか
しめ止めされる。
挟持する長尺状柔軟材料として布テープ14a,14b
を用いているが、布テープに替えて紙テープまたは合成
樹脂フィルムのテープとしてもよく、他種の材料を相互
に組み合わせて使用してもよい。
糸付縫合針を示す斜視図。
に示す図。
に示す図。
に示す図。
に示す図。
に示す図。
に示す図。
に示す図。
端部、 5…取付穴部、 6…縫合糸、 7…かしめ
部、 13…縫合針材料、 14a,14b…長尺状柔
軟材料、 16…下穴、 20,23…リーマ、 B…
第1の所定位置、C…第2の所定位置。
Claims (2)
- 【請求項1】胴部の先端部に鋭利な針先部を備える縫合
針材料を曲げ加工して該胴部に半円弧状の形状を付与す
る工程と、 該胴部に半円弧状の形状を付与された縫合針材料を、熱
溶着性接着剤を介して剥離自在に接着された2枚の長尺
状柔軟材料の間に、該縫合針材料の基端部が該長尺状柔
軟材料から露出して該長尺状柔軟材料の長手方向と直交
するようにすると共に、複数の該縫合針材料が所定間隔
を存するように配置して挟持させる工程と、 該長尺状柔軟材料を長手方向に沿って間欠的に搬送しつ
つ、第1の所定位置で、該長尺状柔軟材料に挟持された
該縫合針材料の基端部にレーザ加工を施して該基端部か
ら先端部側に向かい該胴部の長さ方向に沿って下穴を穿
設する工程と、 第2の所定位置で、該長尺状柔軟材料に挟持された該縫
合針材料の該下穴に中ぐり加工を施して内面形状を整形
することにより縫合糸がかしめ止めされる取付穴部を形
成する工程と、 該長尺状柔軟材料に挟持された該縫合針材料の該取付穴
部に縫合糸を挿入すると共に、該取付穴部をかしめて該
縫合糸をかしめ止めする工程とからなることを特徴とす
る糸付縫合針の製造方法。 - 【請求項2】前記中ぐり加工は、リーマ加工により行う
ことを特徴とする請求項1記載の糸付縫合針の製造方
法。
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