JP3470141B2 - 機能性遮音樹脂の製造法 - Google Patents
機能性遮音樹脂の製造法Info
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- JP3470141B2 JP3470141B2 JP12079494A JP12079494A JP3470141B2 JP 3470141 B2 JP3470141 B2 JP 3470141B2 JP 12079494 A JP12079494 A JP 12079494A JP 12079494 A JP12079494 A JP 12079494A JP 3470141 B2 JP3470141 B2 JP 3470141B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空気伝播音或は固体伝播
音による騒音を防止する遮音性と吸音性に加えて、制振
性も併せ備えた機能性遮音樹脂の製造法に関するもので
ある。
音による騒音を防止する遮音性と吸音性に加えて、制振
性も併せ備えた機能性遮音樹脂の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】最近交通機関の発展に伴う騒音の増大や
住宅の密集化により、空気伝播音、固体伝播音の防止が
緊急課題となり、省エネルギー化、省力化の観点から軽
くて性能の良い遮音材が要望されてきている。現在市販
されている遮音板は重量のある金属板やコンクリート板
が主で、単独又は積層板として用いるか、或はこれらの
間にウレタンフォーム、ガラス繊維等の吸音材を挿入し
たサンドイッチ積層パネルが多く用いられているが、前
者は吸音性が乏しく固体伝播音の遮断が困難でかつ重く
人手を要するなど省力化に反し、後者はかさばって大容
積となり不経済で吸音性も著しく低い。その上つなぎ目
や目地の処理が困難で手間がかかり、経年変化等による
すき間の防止や発見に多大の費用を要する。最近水和メ
ラニン及び2、3の水溶性高分子についてある程度大き
な吸音性が見出された(例えば特開昭64−3879
5、特開平1−284558、特開平1−31259
9、特開平1−321494)が、水和物のため機械的
強度が弱く、乾燥や経時変化或は緩慢な構造変化によっ
て吸音劣化が起こり、このためシールを要する等使用上
不便であった。
住宅の密集化により、空気伝播音、固体伝播音の防止が
緊急課題となり、省エネルギー化、省力化の観点から軽
くて性能の良い遮音材が要望されてきている。現在市販
されている遮音板は重量のある金属板やコンクリート板
が主で、単独又は積層板として用いるか、或はこれらの
間にウレタンフォーム、ガラス繊維等の吸音材を挿入し
たサンドイッチ積層パネルが多く用いられているが、前
者は吸音性が乏しく固体伝播音の遮断が困難でかつ重く
人手を要するなど省力化に反し、後者はかさばって大容
積となり不経済で吸音性も著しく低い。その上つなぎ目
や目地の処理が困難で手間がかかり、経年変化等による
すき間の防止や発見に多大の費用を要する。最近水和メ
ラニン及び2、3の水溶性高分子についてある程度大き
な吸音性が見出された(例えば特開昭64−3879
5、特開平1−284558、特開平1−31259
9、特開平1−321494)が、水和物のため機械的
強度が弱く、乾燥や経時変化或は緩慢な構造変化によっ
て吸音劣化が起こり、このためシールを要する等使用上
不便であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような欠
点を除き遮音性と吸音性を飛躍的に高めた新遮音材を提
供することを目的とする。
点を除き遮音性と吸音性を飛躍的に高めた新遮音材を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる機能性遮
音樹脂の製造法は、ポリマーコロイド又はポリマーコロ
イドと熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物との混合物
に、凝結剤としてタンニン及びリグニンの内の少なくと
も一種、及び吸音活性剤として抱水ヒドラジン又はジエ
チルアミンの内の少なくとも一種を添加・混合し、凝結
物を脱水することよりなる。
音樹脂の製造法は、ポリマーコロイド又はポリマーコロ
イドと熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物との混合物
に、凝結剤としてタンニン及びリグニンの内の少なくと
も一種、及び吸音活性剤として抱水ヒドラジン又はジエ
チルアミンの内の少なくとも一種を添加・混合し、凝結
物を脱水することよりなる。
【0005】ポリマーコロイドとしては、アクリロニト
リル−ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、ポリウレタン
エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニー
ル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニール樹脂エマ
ルジョン、塩化ビニール樹脂エマルジョン、塩化ビニリ
デン樹脂エマルジョン、ポリピロールエマルジョン、ポ
リアニリンエマルジョン、アスファルトエマルジョン、
エポキシ樹脂エマルジョン、シリコーンエマルジョンな
どが挙げられ、これらの内の一種又は2種以上の混合物
を用いることができる。熱硬化性樹脂の初期反応水溶性
縮合物としては、尿素樹脂、メラミン樹脂及びフェノー
ル樹脂の内のいずれかの初期反応水溶性縮合物が挙げら
れ、これらの内の一種又は2種以上の混合物を用いるこ
とができる。
リル−ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエ
ンゴムラテックス、天然ゴムラテックス、ポリウレタン
エマルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニー
ル樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニール樹脂エマ
ルジョン、塩化ビニール樹脂エマルジョン、塩化ビニリ
デン樹脂エマルジョン、ポリピロールエマルジョン、ポ
リアニリンエマルジョン、アスファルトエマルジョン、
エポキシ樹脂エマルジョン、シリコーンエマルジョンな
どが挙げられ、これらの内の一種又は2種以上の混合物
を用いることができる。熱硬化性樹脂の初期反応水溶性
縮合物としては、尿素樹脂、メラミン樹脂及びフェノー
ル樹脂の内のいずれかの初期反応水溶性縮合物が挙げら
れ、これらの内の一種又は2種以上の混合物を用いるこ
とができる。
【0006】ポリマーコロイドは水性エマルジョンの形
態で市販され、熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物も
水溶液の形態で市販されているので、それらをそのまま
使用できる。凝結剤として使用されるリグニンは酸性、
アルカリ性、中性を問わず使用することができ、粉末状
の物もそのまま使用できる。タンニンは、例えばタンニ
ン酸の低濃度水溶液として使用する。タンニン酸はタン
ニンエキス、ピロガロール、カテキュー、カテキン等の
タンニン類を以て代用することができる。吸音活性剤と
して使用する抱水ヒドラジン又はジエチルアミンは高純
度品のまま使用できる。各成分の使用量は、後記の実施
例に示すように、ポリマーコロイドを不揮発分として4
0〜91重量%、熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物
を不揮発分として0〜40重量%、凝結剤を純分として
2〜10重量%、吸音活性剤を純分として2〜14重量
%の割合で混合する。
態で市販され、熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物も
水溶液の形態で市販されているので、それらをそのまま
使用できる。凝結剤として使用されるリグニンは酸性、
アルカリ性、中性を問わず使用することができ、粉末状
の物もそのまま使用できる。タンニンは、例えばタンニ
ン酸の低濃度水溶液として使用する。タンニン酸はタン
ニンエキス、ピロガロール、カテキュー、カテキン等の
タンニン類を以て代用することができる。吸音活性剤と
して使用する抱水ヒドラジン又はジエチルアミンは高純
度品のまま使用できる。各成分の使用量は、後記の実施
例に示すように、ポリマーコロイドを不揮発分として4
0〜91重量%、熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物
を不揮発分として0〜40重量%、凝結剤を純分として
2〜10重量%、吸音活性剤を純分として2〜14重量
%の割合で混合する。
【0007】本発明によるとポリマーコロイドの乾燥に
伴う物理的構造変化によって引き起こされる吸音性劣化
が吸音活性剤の添加で再活性化され機械的強度が充分な
自立的遮音樹脂が得られる。更に本発明によると従来の
常識を覆し軽量にして遮音、吸音、制振の3機能を具え
た機能性遮音樹脂が得られ、空気伝播音と同時に固体伝
播音も遮断することができる。今fなる振動数の音波が
面密度がm,減衰定数がα、厚さがdの一様な粘弾性体
からなる単板に垂直に入射する時、透過損失はTL=T
L0 +α・dで表わされる。ここで、TL0 は質量則に
よる損失量で20・log10(f・m)−42.5db
で与えらる。TL0 は厚さが増すと対数関数的にゆっく
りと増加し、内部損による減衰項は直線的に増す。故に
αが大きければ薄くとも充分大きい透過損失の軽量高性
能の遮音材が得られる。これまでの遮音材は、改良と云
えばただ単に重くすることに重点が置かれてきたが、本
発明は常道の逆をゆき、吸収を大きくして遮音性を高め
た軽量機能型防音材を提供しようとするものである。実
用上音波減衰量は質量則と同程度の損失量が望ましく、
防音ドアの場合、厚さの上限を3cm位とすると0.5
KHZ で、5db/cmは必要である。本発明による機
能性遮音樹脂はこの条件を満たしており、27Hz〜2
KHzの可聴音波減衰定数が約5db/cm以上であ
る。
伴う物理的構造変化によって引き起こされる吸音性劣化
が吸音活性剤の添加で再活性化され機械的強度が充分な
自立的遮音樹脂が得られる。更に本発明によると従来の
常識を覆し軽量にして遮音、吸音、制振の3機能を具え
た機能性遮音樹脂が得られ、空気伝播音と同時に固体伝
播音も遮断することができる。今fなる振動数の音波が
面密度がm,減衰定数がα、厚さがdの一様な粘弾性体
からなる単板に垂直に入射する時、透過損失はTL=T
L0 +α・dで表わされる。ここで、TL0 は質量則に
よる損失量で20・log10(f・m)−42.5db
で与えらる。TL0 は厚さが増すと対数関数的にゆっく
りと増加し、内部損による減衰項は直線的に増す。故に
αが大きければ薄くとも充分大きい透過損失の軽量高性
能の遮音材が得られる。これまでの遮音材は、改良と云
えばただ単に重くすることに重点が置かれてきたが、本
発明は常道の逆をゆき、吸収を大きくして遮音性を高め
た軽量機能型防音材を提供しようとするものである。実
用上音波減衰量は質量則と同程度の損失量が望ましく、
防音ドアの場合、厚さの上限を3cm位とすると0.5
KHZ で、5db/cmは必要である。本発明による機
能性遮音樹脂はこの条件を満たしており、27Hz〜2
KHzの可聴音波減衰定数が約5db/cm以上であ
る。
【0008】本発明により得られる遮音樹脂は単一相か
らなる新素材で遮音性と吸音性に加えて制振性も併せ備
えた多機能性遮音材であり、ポリマーコロイドを主成分
とするため、成膜性に優れ、フィルム化、繊維化が容易
である。また硬化剤の調整により粉末化され非コロイド
系樹脂との混練成形により高度の寸法安定性を持った複
合体とすることができる。使用に際しては、適宜接着剤
を使用して、つぎはぎ自在の自立性充分な便利さを具え
ている。本遮音樹脂のあるもの、例えば酢酸ビニール系
樹脂は石膏、コンクリート、木材等とよく接着し、適当
なずり損失と剛性を保有し、制振吸音材として有用であ
る。その画期的吸音性については、恐らくミセル中の巨
大分子が属する2相、即ち高位の秩序度と低位の秩序度
との2相間で定常的に起こる濃度のゆらぎに基づくもの
と想像されるが、はっきりしたことはわからない。
らなる新素材で遮音性と吸音性に加えて制振性も併せ備
えた多機能性遮音材であり、ポリマーコロイドを主成分
とするため、成膜性に優れ、フィルム化、繊維化が容易
である。また硬化剤の調整により粉末化され非コロイド
系樹脂との混練成形により高度の寸法安定性を持った複
合体とすることができる。使用に際しては、適宜接着剤
を使用して、つぎはぎ自在の自立性充分な便利さを具え
ている。本遮音樹脂のあるもの、例えば酢酸ビニール系
樹脂は石膏、コンクリート、木材等とよく接着し、適当
なずり損失と剛性を保有し、制振吸音材として有用であ
る。その画期的吸音性については、恐らくミセル中の巨
大分子が属する2相、即ち高位の秩序度と低位の秩序度
との2相間で定常的に起こる濃度のゆらぎに基づくもの
と想像されるが、はっきりしたことはわからない。
【0009】以下実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。なお各実施例、比較例及び応用例の組成における百
分比はいずれも重量%である。
るが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。なお各実施例、比較例及び応用例の組成における百
分比はいずれも重量%である。
【0010】
【実施例1】不揮発分50重量%の酢酸ビニール樹脂エ
マルジョン(表1参照)、遊離フォルムアルデヒド1〜
3%を含む不揮発分70重量%の水溶性尿素樹脂液(表
1参照)と抱水ヒドラジンを表2に示す組成に従って混
合し、タンニン酸の4重量%水溶液を加えて静かに撹拌
し、凝結物を型に注ぎ、デシケーター中で20日間乾燥
して水分がほぼ0%の板状固形物を得た。この板状固形
物について遮音ボックスによる可聴音波減衰定数を測定
した結果を表2に示す。125Hz、500Hz、1K
Hzにおける可聴音波減衰定数はそれぞれ22db/c
m、9db/cm、9db/cmであった。測定誤差は
およそ±30%であった。これは本願と同じ発明者によ
る特開平1−284558に開示されたポリビニルアル
コール水溶液と尿素低重合体水溶液を混合し弱酸性リグ
ニンを加え圧延して板状とした水に不溶のゴム状製品の
500Hzにおける可聴音波減衰定数0.7db/c
m、1KHzにおける可聴音波減衰定数1.7db/c
mに比べてきわめて優れている。
マルジョン(表1参照)、遊離フォルムアルデヒド1〜
3%を含む不揮発分70重量%の水溶性尿素樹脂液(表
1参照)と抱水ヒドラジンを表2に示す組成に従って混
合し、タンニン酸の4重量%水溶液を加えて静かに撹拌
し、凝結物を型に注ぎ、デシケーター中で20日間乾燥
して水分がほぼ0%の板状固形物を得た。この板状固形
物について遮音ボックスによる可聴音波減衰定数を測定
した結果を表2に示す。125Hz、500Hz、1K
Hzにおける可聴音波減衰定数はそれぞれ22db/c
m、9db/cm、9db/cmであった。測定誤差は
およそ±30%であった。これは本願と同じ発明者によ
る特開平1−284558に開示されたポリビニルアル
コール水溶液と尿素低重合体水溶液を混合し弱酸性リグ
ニンを加え圧延して板状とした水に不溶のゴム状製品の
500Hzにおける可聴音波減衰定数0.7db/c
m、1KHzにおける可聴音波減衰定数1.7db/c
mに比べてきわめて優れている。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【実施例2〜14】表1に示した原料を使用し、表2〜
表4に示す組成に従って、実施例1と同様な方法で遮音
樹脂を製造した。125Hz、500Hz、1KHzに
おける可聴音波減衰定数を測定した結果を表2〜表4に
示す。これらの結果はすべて5db/cm以上であり、
目的とする遮音樹脂としての性能を十分満たしているこ
とがわかった。なお実施例8において4.5%酢酸水溶
液を添加したのは凝集促進のためである。
表4に示す組成に従って、実施例1と同様な方法で遮音
樹脂を製造した。125Hz、500Hz、1KHzに
おける可聴音波減衰定数を測定した結果を表2〜表4に
示す。これらの結果はすべて5db/cm以上であり、
目的とする遮音樹脂としての性能を十分満たしているこ
とがわかった。なお実施例8において4.5%酢酸水溶
液を添加したのは凝集促進のためである。
【0014】
【表3】
【0015】
【表4】
【0016】実施例12及び14は水溶性尿素樹脂液を
併用せず、ポリマーコロイドと凝結剤と吸音活性剤とか
ら製造した遮音樹脂の例である。実施例5,9〜11は
通常の高分子物と同程度の密度と剛性(〜1010dyn
e/cm2 )を有し、曲げに対して適当に軟らかく、横
波の減衰が大きい。尿素樹脂の添加により剛性を高め吸
音性を維持しつつ制振性を有している。実施例5のヤン
グ率は振動リード法により3×1010dyne/cm
2 、損失係数は0.1であった。
併用せず、ポリマーコロイドと凝結剤と吸音活性剤とか
ら製造した遮音樹脂の例である。実施例5,9〜11は
通常の高分子物と同程度の密度と剛性(〜1010dyn
e/cm2 )を有し、曲げに対して適当に軟らかく、横
波の減衰が大きい。尿素樹脂の添加により剛性を高め吸
音性を維持しつつ制振性を有している。実施例5のヤン
グ率は振動リード法により3×1010dyne/cm
2 、損失係数は0.1であった。
【0017】
【実施例15,16】表5に示す実施例15はポリマー
コロイドとしてアスファルトエマルジョンを使用した
例、実施例16は熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物
として水溶性メラミン・ユリア樹脂液を用いた例であ
る。いずれの場合も500Hzにおける可聴音波減衰定
数は5db/cm以上であった。
コロイドとしてアスファルトエマルジョンを使用した
例、実施例16は熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物
として水溶性メラミン・ユリア樹脂液を用いた例であ
る。いずれの場合も500Hzにおける可聴音波減衰定
数は5db/cm以上であった。
【0018】
【表5】
【0019】
【比較例1〜4】表6に示す比較例1及び比較例4は吸
音活性剤を使用しない場合、比較例2及び比較例3は凝
結剤を使用しない場合で、いずれも500Hzにおける
可聴音波減衰定数は0db/cmであった。
音活性剤を使用しない場合、比較例2及び比較例3は凝
結剤を使用しない場合で、いずれも500Hzにおける
可聴音波減衰定数は0db/cmであった。
【0020】
【表6】
【0021】
【応用例1〜2】本発明の機能性遮音樹脂は、寸法安定
性その他の物性を向上させるため通常の高分子樹脂で相
溶性のあるものと混合して使用することができる。具体
的には、本発明の遮音樹脂を機械的に粉砕して反応ガス
の脱気を十分に行い、相溶性高分子樹脂と混練、成型を
経て板状加工する。応用例1として酢酸ビニール樹脂と
混合した場合、応用例2としてエポキシ樹脂と混合した
場合を示す。なお表4における二重線より上が本発明の
遮音樹脂の原料配合割合(括弧内は不揮発分又は純分換
算:合計100%)であり、二重線より下はそれと混合
した合成樹脂の使用割合(括弧内は遮音樹脂に対する不
揮発分換算%:外数)である。音波吸収量は混合比に応
じて減少するから遮音材の設計は容易である。素材の機
械的強度はガラス化温度で決まり、可塑剤、硬化剤、或
は加硫剤に依存する。最適強度はこれらの配合により試
行錯誤的に決めることができる。
性その他の物性を向上させるため通常の高分子樹脂で相
溶性のあるものと混合して使用することができる。具体
的には、本発明の遮音樹脂を機械的に粉砕して反応ガス
の脱気を十分に行い、相溶性高分子樹脂と混練、成型を
経て板状加工する。応用例1として酢酸ビニール樹脂と
混合した場合、応用例2としてエポキシ樹脂と混合した
場合を示す。なお表4における二重線より上が本発明の
遮音樹脂の原料配合割合(括弧内は不揮発分又は純分換
算:合計100%)であり、二重線より下はそれと混合
した合成樹脂の使用割合(括弧内は遮音樹脂に対する不
揮発分換算%:外数)である。音波吸収量は混合比に応
じて減少するから遮音材の設計は容易である。素材の機
械的強度はガラス化温度で決まり、可塑剤、硬化剤、或
は加硫剤に依存する。最適強度はこれらの配合により試
行錯誤的に決めることができる。
【0022】表3及び4に示した実施例は軽量コンクリ
ートや気泡コンクリートの目地用コーキング材、シール
材として適当である。実施例12はゴム状で加硫するか
尿素樹脂の追加により固い樹脂状ゴムに改変され、実施
例5と実施例9の樹脂状素材は可塑剤、例えばノルマル
ブチルフタレート(DBP)の添加によりソフトな樹脂
とすることができる。このようにして得た塑性素材はヤ
ング率E’=6.3×108 dyne/cm2 、η
(E”/E’)=0.3の粘弾性で、これと1010dy
ne/cm2 、ηb =0.1、db =0.3cmのパー
チクルボードとを接着した複合板はη=2.9、ΔL=
20dbと言う顕著な共鳴低下損が期待される。これら
の数値は次の関係式から求めた。 η=14ηE ・(E’/Eb )/(d/db )2 , ΔL=20・log(η/ηb ) (飯田嘉一,制振材料とその適用法、1984、機械設
計、VOL.28,No2,PP.36−48)。さら
に透過損失関係式より明らかな如く、f=0.5KHz
で6db/cmの吸音量が加わるから画期的複合遮音板
と言うことができる。さらに実施例5,6,12は種々
の形状、例えば糸や膜、スポンジ状に成形することがで
きるのでその応用範囲はすこぶる広い。機械的に粉砕し
た粒子状、粉状化物は石膏、セメント等とよく混じり、
吸音石膏、吸音セメントとしての応用が期待され、前者
は10db/cm、後者で0.7db/cm程度の吸音
性を示すことがわかった。粉状化物と水との懸濁液を地
中に注入すれば地下鉄からの騒音防止や地震波の吸収に
効果がある。相溶性樹脂との混練成形板、例えば応用例
1や2は寸法安定性に優れ、間仕切り板や防音ドアに最
適である。当該素材の用途は広く、土木建材、船舶、車
両用制振吸音材、航空機用遮音材等多岐にわたる。
ートや気泡コンクリートの目地用コーキング材、シール
材として適当である。実施例12はゴム状で加硫するか
尿素樹脂の追加により固い樹脂状ゴムに改変され、実施
例5と実施例9の樹脂状素材は可塑剤、例えばノルマル
ブチルフタレート(DBP)の添加によりソフトな樹脂
とすることができる。このようにして得た塑性素材はヤ
ング率E’=6.3×108 dyne/cm2 、η
(E”/E’)=0.3の粘弾性で、これと1010dy
ne/cm2 、ηb =0.1、db =0.3cmのパー
チクルボードとを接着した複合板はη=2.9、ΔL=
20dbと言う顕著な共鳴低下損が期待される。これら
の数値は次の関係式から求めた。 η=14ηE ・(E’/Eb )/(d/db )2 , ΔL=20・log(η/ηb ) (飯田嘉一,制振材料とその適用法、1984、機械設
計、VOL.28,No2,PP.36−48)。さら
に透過損失関係式より明らかな如く、f=0.5KHz
で6db/cmの吸音量が加わるから画期的複合遮音板
と言うことができる。さらに実施例5,6,12は種々
の形状、例えば糸や膜、スポンジ状に成形することがで
きるのでその応用範囲はすこぶる広い。機械的に粉砕し
た粒子状、粉状化物は石膏、セメント等とよく混じり、
吸音石膏、吸音セメントとしての応用が期待され、前者
は10db/cm、後者で0.7db/cm程度の吸音
性を示すことがわかった。粉状化物と水との懸濁液を地
中に注入すれば地下鉄からの騒音防止や地震波の吸収に
効果がある。相溶性樹脂との混練成形板、例えば応用例
1や2は寸法安定性に優れ、間仕切り板や防音ドアに最
適である。当該素材の用途は広く、土木建材、船舶、車
両用制振吸音材、航空機用遮音材等多岐にわたる。
【0023】前述のごとく、多くの異方性高分子からな
る無定形物、すなわちメラニン、リグニン、ユリア低重
合体、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、
及びある種のポリマーコロイド(未発表)について顕著
な可聴音波吸音性を発見、新しい防音材の開発について
検討を重ねてきたが、これら素材に共通した特徴は、無
定形相であってしかも局所的には液晶的異方性を備え棒
状、平板状、或は3次元構造のミセルから構成されてい
る点である。従って分子鎖セグメントに沿って電子、音
量子の相互作用による音響ポーラーロンが電気伝導にあ
ずかり、その結果現われる大きな吸音性能はセルフの言
う不可逆的、定常的、ストカスティックな共鳴吸収で記
述されるであろう。以上の実験結果と理論的背景からポ
リマーコロイドは一般に局所的秩序度が保たれている限
り吸音活性を示す筈で実際既述の実験を通して予想通り
の結果を得た。使用したポリマーコロイドは比較的数も
少なく、安定剤、可塑剤の量も一定せず、限られた品種
についてではあるが、開示せる作り方で異方性が保たれ
活性が維持されるとの結論は、すべてのポリマーコロイ
ドにあてはまるものと考えられる。本発明は種々の具体
例について開示してきたが、これらに限定されるもので
はない。音響技術者は当該特許請求の範囲とその技術的
思想から逸脱することなくさまざまな形で本発明を実施
することができる。
る無定形物、すなわちメラニン、リグニン、ユリア低重
合体、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド、
及びある種のポリマーコロイド(未発表)について顕著
な可聴音波吸音性を発見、新しい防音材の開発について
検討を重ねてきたが、これら素材に共通した特徴は、無
定形相であってしかも局所的には液晶的異方性を備え棒
状、平板状、或は3次元構造のミセルから構成されてい
る点である。従って分子鎖セグメントに沿って電子、音
量子の相互作用による音響ポーラーロンが電気伝導にあ
ずかり、その結果現われる大きな吸音性能はセルフの言
う不可逆的、定常的、ストカスティックな共鳴吸収で記
述されるであろう。以上の実験結果と理論的背景からポ
リマーコロイドは一般に局所的秩序度が保たれている限
り吸音活性を示す筈で実際既述の実験を通して予想通り
の結果を得た。使用したポリマーコロイドは比較的数も
少なく、安定剤、可塑剤の量も一定せず、限られた品種
についてではあるが、開示せる作り方で異方性が保たれ
活性が維持されるとの結論は、すべてのポリマーコロイ
ドにあてはまるものと考えられる。本発明は種々の具体
例について開示してきたが、これらに限定されるもので
はない。音響技術者は当該特許請求の範囲とその技術的
思想から逸脱することなくさまざまな形で本発明を実施
することができる。
【0024】
【発明の効果】空気伝播音或は固体伝播音による騒音を
防止する遮音性と吸音性に加えて、制振性も併せ備えた
機能性遮音樹脂が得られる。
防止する遮音性と吸音性に加えて、制振性も併せ備えた
機能性遮音樹脂が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリマーコロイド又はポリマーコロイド
と熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物との混合物に、
凝結剤としてタンニン及びリグニンの内の少なくとも一
種、及び吸音活性剤として抱水ヒドラジン又はジエチル
アミンの内の少なくとも一種を添加・混合し、凝結物を
脱水することよりなる機能性遮音樹脂の製造法。 - 【請求項2】 ポリマーコロイドが、アクリロニトリル
−ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴ
ムラテックス、天然ゴムラテックス、ポリウレタンエマ
ルジョン、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニール樹
脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニール樹脂エマルジ
ョン、塩化ビニール樹脂エマルジョン、塩化ビニリデン
樹脂エマルジョン及びアスファルトエマルジョンの内の
少なくとも一つである請求項1に記載の機能性遮音樹脂
の製造法。 - 【請求項3】 熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物
が、尿素樹脂、メラミン樹脂及びフェノール樹脂の内の
いずれかの初期反応水溶性縮合物である請求項1又は請
求項2に記載の機能性遮音樹脂の製造法。 - 【請求項4】 ポリマーコロイドを不揮発分として40
〜91重量%、熱硬化性樹脂の初期反応水溶性縮合物を
不揮発分として0〜40重量%、凝結剤を純分として2
〜10重量%、吸音活性剤を純分として2〜14重量%
の割合で混合する請求項1、請求項2又は請求項3に記
載の機能性遮音樹脂の製造法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US6145193A | 1993-05-13 | 1993-05-13 | |
US08/061,451 | 1993-05-13 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07146686A JPH07146686A (ja) | 1995-06-06 |
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Family
ID=22035866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12079494A Expired - Fee Related JP3470141B2 (ja) | 1993-05-13 | 1994-05-11 | 機能性遮音樹脂の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3470141B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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-
1994
- 1994-05-11 JP JP12079494A patent/JP3470141B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07146686A (ja) | 1995-06-06 |
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