JP3469925B2 - 移動式電気接続装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、電気接続装置に係り、
特に移動式の電気接続装置に係る。 【０００２】 【従来の技術】事務用電気機器等であって該機器が数メ
ートル程度以内の限られた範囲で移動される場合にその
移動を許す電気的接続は従来よりコード付きソケットに
よって行われている。一方、建物の壁や床に対し所定の
位置に設置された状態でのみ使用される電気機器或いは
一つの電気機器内の所定位置に組み込まれた状態で使用
されるユニット装置に対し該電気機器やユニット装置が
保守や点検等の目的で随時取り外されることを許容する
態様にて電気接続を行う手段としては、通常壁や床と電
気機器或いは電気機器の本体とユニット装置のそれぞれ
に設けられて互いに差し込み式に係合する雌雄の差し込
み式電気接続装置が用いられている。 【０００３】 【発明が解決しようとする課題】本件出願人と同一人は
本願と同時出願の特願平５−３０６０３２号に於て、印
刷画像左右位置調節手段を備えた孔版印刷機を提案した
が、該孔版印刷機に於ては、印刷ドラムは、該印刷ドラ
ムを所定の軸線方向位置にて自由に回転可能に支持し、
該印刷ドラムを印刷機内の作動位置と印刷機外の取り出
し位置との間に移動させるよう印刷機枠体に対し印刷ド
ラムの軸線に沿う方向に移動可能に懸架された印刷ドラ
ム担持装置により担持された状態にて孔版印刷機に組み
込まれており、印刷ドラムは保守や点検のために前記印
刷ドラム担持装置により担持された状態で該印刷ドラム
担持装置と共に印刷機枠体に対し移動して印刷機枠体外
へ引き出せるようになっているだけでなく、該印刷ドラ
ム担持装置と共に印刷機枠体内の作動位置に組み込まれ
た状態にあって該作動位置にて印刷画像の左右位置を微
調整するために印刷機枠体に対してその引き出しや挿入
の方向に僅かに移動できるようになっている。かかる印
刷ドラム或いはそれを担持する印刷ドラム担持装置と印
刷機枠体との間を電気的に接続する電気接続装置は、印
刷ドラム担持装置が保守や点検のために印刷機枠体より
引き出されるときには、その引き出しに伴って自動的に
電気接続が解除され、印刷ドラム担持装置が再び印刷機
枠体内に挿入されたときには自動的に電気接続を回復す
る所謂差し込み式電気接続装置としての機能を有するだ
けでなく、電気接続が達成される差し込み位置に於て、
印刷機枠体に対する印刷ドラム担持装置の相対位置が或
るかなりの距離に亙って変化する場合にも電気接続状態
を安定して維持する機能を有していることが望まれる。 【０００４】本発明は、電気接続装置に求められる上記
の如き機能上の要請に対処し、それを満足することので
きる電気接続装置を提供することを課題としている。 【０００５】 【課題を解決するための手段】上記の課題は、本発明に
よれば、互いに選択的に嵌合して電気的接続を達成する
第一及び第二の接続要素を有し、前記第一の接続要素は
互いに実質的に異なる第一と第二の位置の間で移動可能
であり、前記第二の接続要素は前記第一と第二の位置の
間及び前記第二の位置と該第二の位置より前記第一の位
置とは反対の側に実質的に隔置された第三の位置の間で
移動可能であり、前記第一と第二の接続要素は前記第一
と第二の位置の間で互いにそれらの移動方向に対し交叉
する方向に嵌合した状態とされ前記移動方向に移動可能
であり、前記第一の接続要素は前記第一の位置より第二
の位置へ向けてばね力により付勢されていることを特徴
とする電気接続装置によって達成される。 【０００６】 【０００７】 【作用及び効果】上記の如く互いに選択的に嵌合して電
気的接続を達成する第一及び第二の接続要素を用いて二
つの物体の間の相対的移動に基づいて両者の間の電気的
接続を選択的にオン、オフするに当って、第二の接続要
素が第一の位置とこれより実質的に異なる第二の位置を
通り更にこれより実質的に隔置された第三の位置の間で
移動することに対して第一の接続要素も第一と第二の位
置の間では移動可能にし、第一と第二の位置の間で両接
続要素を互いに嵌合した状態とすることにより、単に雌
雄形差し込みソケットの差し込み代を多少長くすること
によって得られる以上に大きな移動範囲に亙って二つの
接続要素の間の嵌合状態を安定して維持することがで
き、更に第一の接続要素が第一の位置より第二の位置へ
向けてばね力により付勢されていることによって第二の
接続要素を第一の位置と第三の位置の間に移動させる際
に第一と第二の接続要素を第一と第二の位置の間で互い
に嵌合させる作動を自動的に達成することができる。 【０００８】 【実施例】以下に添付の図を参照して、本発明を実施例
について詳細に説明する。 【０００９】図１は本発明による移動式電気接続装置の
一つの実施例を互いに共働する接続要素が互いの嵌合よ
り解除されている状態にて示す側面図であり、図２は図
１に示す電気接続装置を二つの接続要素が互いに嵌合し
た状態にて示す側面図である。これらの図に於て、１０
及び１２が互いに選択的に嵌合される接続要素である。
接続要素１０は支持構造体１４より支持枠１６を経て図
にて左右の方向へ移動できるように支持されている。即
ち、支持枠１６には二つのカム溝１８及び２０が設けら
れており、接続要素１０にはこれらのカム溝にそれぞれ
係合したピン２２及び２４が設けられている。カム溝１
８及び２０の図示の形状より明らかな通り、接続要素１
０は、図示の位置より図にて右方へ移動するにつれて、
その中心が図示のＡ位置よりＢ位置へ移動する迄は、右
方へ移動すると同時に上方へも移動し、その係合中心が
Ｂ位置よりＣ位置迄移動する間は同じ高さ位置を保って
右方へ移動する。尚上記の如きカム溝とピンの係合によ
る案内手段は、接続要素１０の両側に対をなして設けら
れている。接続要素１０はばね２６により図にて左方へ
向かうばね力を及ぼされており、右方への駆動力が作用
しない解放された状態では図１に示す位置に止まってい
る。 【００１０】一方、接続要素１２は支持構造体１４に対
し図にて左右方に移動する移動体により支持枠２８を経
て支持されている。支持枠２８にはそれが図示の位置よ
り右方へ移動したとき接続要素１０にその左方より係合
する係合ラグ３０が設けられている。 【００１１】図１に示す状態より支持枠２８が右方へ移
動し、接続要素１２の中心がＡ位置に達して接続要素１
０に同心に向かい合うと、このとき係合ラグ３０は丁度
接続要素１０の左端に当接する。これより更に支持枠２
８が図にて右方へ移動すると、接続要素１０は接続要素
１２と同心に向かい合ったままこれと共に右方へ移動し
つつカム溝１８及び２０により案内されて上方へ移動す
る。かくして互いに同心に向かい合った接続要素１０と
１２とがＢ位置に達したところで、両接続要素は互いに
完全に嵌合し合い、ここで両者間の電気接続が達成され
る。それより更に支持枠２８が右方へＣ位置まで移動す
ると、その間、即ちＢ位置とＣ位置の間では、接続要素
１０と１２とは互いに嵌合した電気接続達成状態にて同
時に一体となって移動する。両者がＣ位置に達した状態
が図２に示されている。 【００１２】図２に示された状態より支持枠２８が図に
て左方へ移動し、図１に示す状態に達する迄の接続要素
１０及び１２の運動経過は、上記の運動経過と逆であ
り、即ちＣ位置とＢ位置の間では接続要素１０と１２と
は互いに完全に嵌合した状態にあり、両者がＢ位置を過
ぎてＡ位置に向かうところで両者の嵌合が解除される。
支持枠２８が図１に示す状態より更に左方へ移動するこ
とは自由である。 【００１３】図３及び４は本発明による移動式電気接続
装置の他の一つの実施例を示す側面図及び平面図であ
る。これらの図に於て、符号１０及び１２を付されてい
る部分はそれぞれ図１及び２に示す実施例に於ける接続
要素１０及び１２に対応するものであり、符号１４及び
２８が付されている部分は図１及び２に示す実施例に於
ける支持構造体１４と支持枠２８に対応するものであ
る。この実施例に於ては、接続要素１０は一対の案内ピ
ン３２によってそれに沿って移動可能に支持された支持
枠３４上に支持されており、接続要素１０はそれに或い
は支持枠３４に図にて左方へ向かう何らの力が及ぼされ
ていないときには、各案内ピン３２の周りに装着された
圧縮コイルばね３６のばね力により図示の位置に可撓的
に保持されている。 【００１４】図示の状態より出発して支持枠２８が図に
て左方へ移動し、接続要素１２の端面がＤ位置よりＥ位
置に達すると、接続要素１０と１２とは互いに嵌合し、
両者間の電気接続が達成される。それより更に支持枠２
８が左方へ移動すると、接続要素１０は接続要素１２と
の係合を保ったままこれと一体となって左方へ移動し、
その間支持枠３４は圧縮コイルばね３６を圧縮しつつ案
内ピン３２に沿って左方へ移動する。このように接続要
素１０と１２の間の電気接続を保った状態での両者の移
動は、接続要素１２の端面がＥ位置を越えてＦ位置に達
するまで維持される。 【００１５】接続要素１２の端面がＦ位置に達した状態
から支持枠２８が図にて右方へ移動し、図３及び４に示
す位置まで後退する間の接続要素１０と１２の間の係合
関係は、上記の経過と逆の経過を辿り、かくしてＥ位置
とＦ位置の間では接続要素１０と１２とは互いに嵌合し
て電気接続を達成した状態にて共に一体となって左右に
移動することができる。支持枠２８が図示の位置より更
に右方へ移動することは自由である。 【００１６】かくして本発明によれば、通常の雌雄差し
込み形ソケットの差し込み代を差し込み時の安定性を損
わない程度に長くすることによっては得られないような
大きさの移動範囲に亙って、二つの電気的接続要素の間
の嵌合を確実に保つことのできる電気接続装置が得られ
る。 【００１７】以上に於ては本発明を二つの実施例につい
て詳細に説明したが、本発明の範囲内にて他に種々の実
施例が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明による移動式電気接続装置の一つの実施
例を互いに共働する接続要素が互いの嵌合より解除され
た状態にて示す側面図。 【図２】図１に示す電気接続装置を二つの接続要素が互
いに嵌合した状態にて示す側面図。 【図３】本発明による移動式電気接続装置の他の一つの
実施例を示す側面図。 【図４】図３に示す電気接続装置の平面図。 【符号の説明】 １０，１２…接続要素 １４…支持構造体 １６…支持枠 １８，２０…カム溝 ２２，２４…ピン ２６…ばね ２８…支持枠 ３０…係合ラグ ３２…案内ピン ３４…支持枠 ３６…圧縮コイルばね

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】互いに選択的に嵌合して電気的接続を達成
   する第一及び第二の接続要素を有し、前記第一の接続要
   素は互いに実質的に異なる第一と第二の位置の間で移動
   可能であり、前記第二の接続要素は前記第一と第二の位
   置の間及び前記第二の位置と該第二の位置より前記第一
   の位置とは反対の側に実質的に隔置された第三の位置の
   間で移動可能であり、前記第一と第二の接続要素は前記
   第一と第二の位置の間で互いにそれらの移動方向に対し
   交叉する方向に嵌合した状態とされ前記移動方向に移動
   可能であり、前記第一の接続要素は前記第一の位置より
   第二の位置へ向けてばね力により付勢されていることを
   特徴とする電気接続装置。