JP3464435B2 - 音声合成装置 - Google Patents

音声合成装置

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JP3464435B2
JP3464435B2 JP2000170370A JP2000170370A JP3464435B2 JP 3464435 B2 JP3464435 B2 JP 3464435B2 JP 2000170370 A JP2000170370 A JP 2000170370A JP 2000170370 A JP2000170370 A JP 2000170370A JP 3464435 B2 JP3464435 B2 JP 3464435B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子メール読み上
げのための音声合成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、テキスト音声変換において同形異
音語の読み分けを行う方法として、文献1:(『決定リ
ストによる同形異音語の読み分け』 梅村祥之、清水
司、トヨタ中央研究所機械認識研究室、言語処理学会第
4回年次大会発表論文集、1998年3月)のような方
法がある。同形異音語とは、表記が同じで、複数の読み
がある単語を指す。例えば、「市場」は、普通名詞とし
て、「シジョウ」、「イ↓チバ」の2つの読みがある同
形異音語である(「↓」は、アクセントの下降位置を表
す)。
【0003】決定リストを用いた自然言語解析として
は、文献2:(『コーパスからの日本語従属節係り受け
選好情報の抽出およびその評価』、宇津呂武仁 他、自
然言語処理 Vol.6、No.7、1999年10
月)のような方法がある。
【0004】日本語文を単語に分割し、さらに、品詞や
読みを決定する形態素解析の方法については、文献3:
(『確率付決定木を用いた日本形態素解析』、柏岡秀
紀、他、言語処理学会第3回年次大会発表論文集、19
97年3月)のような方法がある。この方法では、単語
に関する属性を用意し、属性の値により単語を分類し
て、確率付き決定木を構成することにより学習を行う。
解析時には、単語属性の値の組を用いて、決定木から単
語の出現確率を得て、より出現確率の高い単語の組み合
わせを、出力の単語分割とすることにより単語分割を行
う。
【0005】話者の違いによるアクセント・継続時間・
ポーズの違いについて示したものとしては、文献4:
(『座談会及び落語における日本語会話音声の韻律的特
徴の解析』、武田昌一、他、日本音響学会誌54巻3
号、1998年)に示すような知見がある。韻律とは、
個々の母音や子音の分節的特徴ではなく、複数の音素か
らなる音声連続に対して与えられる特徴で、アクセント
(accent)、イントネーション(intonat
ion)、強勢(stress)、強調(emphas
is)、卓立(prominence)、リズム(rh
ythm)、テンポ(tempo)、ポーズ(paus
e)等が相当する([音響用語辞典]の「韻律的特徴」
の記述)。音声合成装置においては、韻律の選択は、継
続時間予測テーブル、アクセント予測テーブル、ピッチ
予測テーブル、ポーズ長予測テーブル等の韻律予測テー
ブルの選択に対応する。
【0006】また、メール読み上げに際して、メールの
発信者毎に声質を変え、メールの発信者の識別を容易に
するものとして文献5:(特開平11−102198
『メッセージ処理装置、メッセージ処理方法及びメッセ
ージ処理プログラムを記録した媒体』)のような方法が
ある。声質とは、音声波から知覚される、言語情報とし
ての音素以外の、音声全体の聴覚上の特質で、誰が話し
ているかという話者の個人性情報、どのような心的状態
で話しているかという感情に関連する情報等を示す
([音響用語辞典]の「声質」の記述)。音声合成装置
においては、声質の選択は、素片セット(一人の話者か
ら作成した素片一式)の選択に対応する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電子メールを音声合成
する場合、電子メールの分野は多岐に渡るため、従来の
韻律・声質使用方法では、メールの文脈からかけ離れた
読みになることが多かった。本発明は、メールに付加さ
れている発信者・宛先・複写送付先等の情報と、装置内
のデータベースとを用いて、メールの文脈に適した読み
を選択することにより、同形異音語の読み誤りが少ない
音声合成装置を提供することを第1の目的とする。
【0008】また、電子メールを音声合成する場合、電
子メールの分野は多岐に渡るため、従来の韻律・声質を
使用する方法では、メールの発信人や内容にそぐわない
韻律・声質になることが多かった。本発明は、メールに
付加されている発信者・宛先・複写送付先等の情報と、
装置内のデータベースとを用いて、メールに適した読み
・韻律・声質を選択することにより、メールの内容に適
した韻律・声質で読み上げることができる了解性の高い
音声合成装置を提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのために、第1発明の
音声合成装置においては、受信メールをテキスト解析す
る際に用いる単語を登録する手段と、メールアドレスの
データベースを格納する手段と、メールアドレスのデー
タベースの内容を追加・修正・削除する手段とを備えた
音声合成装置において、前記データベースのメールアド
レスをグルーピングすると共に、各グループを階層化し
た階層データとして格納する手段と、単語に前記階層デ
ータのノード名を付加してユーザ単語辞書に登録する手
段と、メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前
記階層データのノード名のリストを作成する手段とを備
え、前記ユーザ単語辞書の検索に際して、前記作成され
たリストのメンバーとユーザ単語辞書の単語に付加され
ているノード名とを照合し、ノード名が前記リストのメ
ンバーのいずれかに一致する単語のみを用いてテキスト
解析を行うことを特徴とする。
【0010】また、第2発明の音声合成装置において
は、受信メールを読み上げる際の韻律又は声質を制御す
る手段と、メールアドレスのデータベースを格納する手
段と、メールアドレスのデータベースの内容を追加・修
正・削除する手段とを備えた音声合成装置において、前
記データベースのメールアドレスをグルーピングすると
共に、各グループを階層化した階層データとして格納す
る手段と、メールの発信人、宛先、複写送付先の情報に
基づいて、前記階層データのノードを選択する手段とを
備え、メールを読み上げる際に、前記選択されたノード
に対応付けられている韻律及び声質でメールを読み上げ
ることを特徴とする。
【0011】更に、第3発明の音声合成装置において
は、決定リストを用いて同形異音語を読み分ける手段
と、メールアドレスのデータベースを格納する手段と、
メールアドレスのデータベースの内容を追加・修正・削
除する手段とを備えた音声合成装置において、前記デー
タベースのメールアドレスをグルーピングすると共に、
各グループを階層化した階層データとして格納する手段
と、メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前記
階層データのノード名を選択する手段とを備え、前記選
択されたノードに設定されている属性を証拠とした規則
を含む決定リストを用いて単語の読み分けを行うことを
特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態(以
下、実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説
明する。 <第1の実施形態> <構成>図1は、第1の実施形態の構成を示す図であ
る。101は、音声合成装置を操作するためのユーザイ
ンタフェース、102は、メール管理部111における
メール送受信部112が受信したメールの内容を読み上
げるテキスト音声変換部であり、103は、受信したメ
ールからの入力文章読み出し、メールについている発信
人・宛先・複写送付先情報のテキスト音声変換用情報設
定部への受け渡し、及び、同処理部から返される2種類
の情報の後続処理部への受け渡しを行うテキスト入力部
である。104は、入力文章から中間言語(読み・アク
セント位置・フレーズ立ち上げ位置・ポーズ位置)を生
成するテキスト解析部であり、105は、テキスト解析
で用いる単語情報(表記・読み・品詞・アクセント型・
アクセント結合型等)を格納するシステム単語辞書、1
06は、ユーザが追加した単語情報を格納するメールア
ドレス付きユーザ単語辞書である。107は、テキスト
解析の出力から、合成パラメータ(合成単位・継続時間
・ピッチ・ポーズ・振幅)を生成する合成パラメータ生
成部であり、108は、合成パラメータを決定するため
に用いる予測テーブルを格納する予測テーブル格納部で
ある。予測テーブル格納部には、継続時間予測テーブル
・ピッチ予測テーブル・ポーズ予測テーブル・振幅予測
テーブルが含まれ。韻律の選択に対応するため、いずれ
の種類のテーブルについても複数のテーブルを格納して
おく。109は、合成パラメータから波形を生成する音
声合成部であり、110は、音声合成で用いる音声素片
セットを格納する音声素片辞書である。音声素片辞書に
は、声質の選択に対応するため、複数の素片セットを格
納しておく。
【0013】111は、メールの送受信・保存を行うメ
ール管理部であり、112は、メールの送受信を行うメ
ール送受信部、113は、受信したメールを格納するメ
ール格納部である。
【0014】114は、メールアドレスに関連するデー
タベースを管理するデータベース管理部であり、115
は、メールアドレスデータベース116、及び、メール
アドレス階層データベース117の管理を行うメールア
ドレス管理部である。116は、メールアドレス及びグ
ループに関する情報を格納するメールアドレスデータベ
ース、117は、メールアドレス及びグループ間の階層
関係を格納するメールアドレス階層データベースであ
る。118は、ユーザアドレス付きユーザ単語辞書の単
語の追加・削除・修正を行うユーザ単語辞書管理部、1
19は、韻律・声質設定データベース120のデータの
追加・削除・修正を行う韻律・声質設定データベース管
理部であり、120は、メールアドレスデータベース1
16に格納されているメールアドレス又はグループと韻
律の属性の組及び声質の属性の組を対応づける韻律・声
質設定データベース、121は、韻律・声質設定データ
ベース120で用いられている韻律の属性の組と、予測
テーブル格納部108に格納されている予測テーブルと
を対応づける韻律・予測テーブル対応データベースであ
る。122は、韻律・声質設定データベース120で用
いられている声質の属性の組と、音声素片辞書110の
素片セットとを対応づける声質・素片セット対応データ
ベースである。
【0015】123は、メールについている発信者・宛
先・複写送付先情報から、「ユーザ辞書検索用メールア
ドレスリスト」と「韻律・声質設定用メールアドレス」
の2つの情報を決定するテキスト音声変換用情報設定部
である。メールの「発信者」・「宛先」・「複写送付
先」は以下のように定義する。発信者とは、メールを発
信した人のメールアドレスとする。宛先とは、メールを
発信した人が指定するメールの送付先のメールアドレス
で、複数指定が可能とする。複写送付先とは、メールの
発信者がコピーを送る目的で、宛先に追加して指定する
メールアドレスで、複数指定が可能とする。宛先を省略
して、複写送付先だけを指定することはできないとす
る。受信メールの発信者・宛先・複写送付先は、発信時
の設定と同じとする。したがって、メーリングリストを
経由してくるメールについては、宛先・複写送付先のい
ずれにも、自分のメールアドレスがない場合がある。
【0016】「ユーザ辞書検索用メールアドレスリス
ト」は、ユーザ辞書中の単語のうち、メールの発信人・
宛先・複写送付先に共通に関連する単語だけを取り出す
のに用いる情報で、メールアドレス又はグループ名のリ
ストである。リストのメンバーには、以下に説明するよ
うな優先度を付与し、リストのメンバーを優先度の降順
にソートしてある。優先度の値は、メールアドレスは
0、終端グループは−1とし、非終端グループは、木構
造を下方向にたどって、リスト中にあるいずれかの終端
グループまで到達する場合の最小値のリンク数にマイナ
スをつけたものとする。唯一、リストに共通グループし
かない場合は優先度が求まらないが、優先度の値として
0を設定する。
【0017】メールアドレス付きユーザ単語辞書106
検索の際に、単語に付与されているメールアドレス又は
グループ名が、このリストのメンバーと一致する場合に
限り、解析に用いる(システム辞書の単語については、
このような制限はしない)。「韻律・声質設定用メール
アドレス」は、メールを読み上げる際の韻律と声質を選
択するための情報で、メールアドレス又はグループ名で
ある。例えば、ユーザが宛先に入っているメールでは、
メールの発信人に設定した韻律・声質で読み上げるが、
複写送付で送られてきたメールでは、受信者であるユー
ザは第3者であるため、発信人・複写送付先・宛先が共
通に属するグループに設定した韻律・声質で読み上げ
る。また、メーリングリスト経由で来たメールは、メー
リングリストに設定した韻律・声質で読み上げる。韻律
・声質設定用メールアドレスは、合成パラメータ生成部
107で韻律選択に用い、また、音声合成部109で声
質選択に用いる。
【0018】
【表1】 表1は、ユーザが追加した単語情報を格納するメールア
ドレス付きユーザ単語辞書の内容の一部を表示したもの
である。ユーザが表記・品詞・読み・アクセント等の情
報の他、メールアドレス又はグループ名を付与する。
【0019】
【表2】 表2は、メールアドレスデータベースの内容の一部を表
示したものである。ユーザが、メールアドレス又はグル
ープ名・種別・名前・電話番号・所属等の情報を格納す
る。名前・電話番号・所属は、ユーザがメールの送信時
の宛先設定や宛先を識別するために用いる。
【0020】
【表3】 表3は、メールアドレス及びグループ間の階層関係を格
納するメールアドレス階層データベースの内容の一部を
表示したものである。メールアドレスが複数のグループ
に属する場合は、複数のデータとして登録する。suz
uki@oki.co.jpは、社内グループと音声グ
ループに属するため、2つのデータがある。
【0021】
【表4】 表4は、メールアドレスデータベース116に格納され
ているメールアドレス又はグループに韻律・声質を設定
する韻律・声質設定データベースの内容の一部を表示し
たものである。メールアドレス及びグループに対し、韻
律を、「速さ」と「口調」等、予め用意した属性の組
(属性が1つの場合も含む)で指定する。声質も同じく
予め用意した属性の組(属性が1つの場合も含む)で指
定する。メールアドレス及びグループに対し、予測テー
ブル・素片セットを対応付けるための属性が設定され
る。属性は予め用意したものだけをユーザが選択して設
定する。属性の値も予め用意した値のみを用いる。
【0022】
【表5】 表5は、韻律・声質設定データベースで用いられている
韻律の属性の組と、予測テーブル格納部108に格納さ
れている予測テーブルとを対応づける韻律・予測テーブ
ル対応データベースの内容の一部を表示したものであ
る。予測テーブルについては、継続時間、ピッチ、ポー
ズ、振幅の4種類のテーブルがある。「Duratio
n」+数字、「Pitch」+数字、「Pause」+
数字、「Power」+数字の文字列は、予測テーブル
の識別子とする。
【0023】
【表6】 表6は、韻律・声質設定データベースで用いられている
声質の属性の組と、音声素片辞書110の素片セットと
を対応づける声質・素片セット対応データベースの内容
の一部を表示したものである。「Male」+数字、
「Female」+数字の文字列は、素片セットの識別
子とする。声質の属性の設定パタンに、素片セットを対
応させる。
【0024】<動作>本実施形態では、図2に示す、メ
ールアドレス階層データベースと呼ぶデータを用いる。
このデータベースにおける「グループ」、「非終端グル
ープ」、「終端グループ」、「共通グループ」は以下の
ような条件を満たす。
【0025】(1)「グループ」は、「非終端グルー
プ」と「終端グループ」に分類される。 (2)「非終端グループ」は、グループが下位に来るこ
とができるが、メールアドレスが下位に来ることはでき
ない。 (3)「終端グループ」は、メールアドレスが下位に来
ることができるが、グループが下位に来ることはできな
い。 (4)階層構造のルートには、常に「共通グループ」と
呼ぶ非終端グループがあるとする。 (5)「共通グループ」以外の非終端グループは、ただ
1つの非終端グループの下位に来る。ただし、自分自身
や自分自身の下方向にある非終端グループの下位に来る
ようなループは許さない。 (6) メールアドレスは、必ず終端グループの下位に
来る。メールアドレスが複数の終端グループの下位に来
ることも許す。
【0026】以下の説明において、特に記述しない場合
でも、データベース間でデータの整合性を保つように動
作する。メールアドレス又はグループは、ユーザが追加
・修正・削除できるため、整合性を失わせる処理を常に
チェックし排除するようにし、メールアドレス付きユー
ザ単語辞書106、メールアドレスデータベース11
6、メールアドレス階層データベース117、韻律・声
質設定データベース120のデータの整合性を保てるよ
うにする。
【0027】ユーザは、ユーザインタフェース101を
介して、メールアドレス管理部115を呼び出すことに
より、メールアドレスデータベース116とメールアド
レス階層データベース117の内容を追加・削除・変更
する。また、ユーザ単語辞書管理部118を呼び出すこ
とにより、メールアドレス付きユーザ単語辞書106の
単語を追加・削除・変更する。さらに、韻律・声質設定
データベース管理部119を呼び出すことにより、韻律
・声質設定データベース120の内容を追加・削除・変
更する。
【0028】ユーザは、メール送受信部112により、
メールを送受信する。受信したメール、或いは、送信し
たメールの複写等は、メール格納部113に保存する。
ユーザがメールをテキスト音声変換する場合には、ユー
ザインタフェース101を介して、メール格納部113
に格納されている電子メールを指定し、テキスト音声変
換部102を呼び出す。
【0029】テキスト音声変換部102では、まず、テ
キスト入力部103がメール格納部113からメールを
読み込む。次に、テキスト音声変換用情報設定部123
を呼び出して、読み込んだメールについている宛先・発
信人・複写送付先から、ユーザ辞書検索用メールアドレ
スリストと、韻律・声質設定用メールアドレスを獲得
し、後続の処理部へ渡す。テキスト音声変換用情報設定
部123の処理終了後、テキスト解析部104が、メー
ルの文章を単語に分割し、読み・アクセント位置・イン
トネーション立ち上げ位置・ポーズ位置を決定し、中間
言語を生成する。
【0030】合成パラメータ生成部107は、テキスト
解析部が出力した中間言語に対して、音素の継続時間・
ピッチ・ポーズ長・振幅についてのパラメータを決定す
る。テキスト音声変換用情報設定部123が決定した韻
律・声質設定用メールアドレスに対応付けられている予
測テーブルは、韻律・声質設定データベース120と韻
律・予測テーブル対応データベース121を参照するこ
とにより得ることができる。そして、この予測テーブル
を用いて韻律を生成する。
【0031】音声合成部109は、テキスト解析部が出
力する中間言語、合成パラメータ生成部が出力するパラ
メータから、音声を合成する。テキスト音声変換用情報
設定部123が決定した韻律・声質設定用メールアドレ
スに対応付けられている声質は、韻律・声質設定データ
ベース120と声質・素片セット対応データベース12
2を参照することにより知ることができる。そして、音
声素片辞書110中の素片セットを用いて音声を合成す
る。
【0032】図3、図4、図5、図6、図7は、テキス
ト音声変換用情報設定部123が、ユーザ辞書検索用メ
ールアドレスリストと韻律・声質設定用メールアドレス
を設定する、テキスト音声変換用情報設定処理のフロー
である。
【0033】図3は、テキスト音声変換用情報設定処理
のメインルーチンである。処理301、処理302で、
メールについている発信人、宛先、複写送付先を参照し
て、自分宛のメール、複写で送付されてきたメール、メ
ーリングリスト経由で来たメールの分類を行う。それぞ
れの分類に応じて、処理303、処理304、処理30
5のサブルーチンを実行する。処理306で、各サブル
ーチンで決定されたユーザ辞書検索用メールアドレスリ
ストに、リンクを上方向に向かってたどることにより到
達できるすべてのグループのグループ名を追加する。リ
ストが空のときは、無条件に「共通グループ」を追加す
る。処理307では、ユーザ単語辞書検索用メールアド
レスリストのメンバーに優先度を付与し、優先度の降順
にソートするサブルーチンを実行する。
【0034】図4は、自分宛に来たメールについての情
報設定の処理フローである。処理401、処理402、
処理403は、ユーザ単語辞書検索用メールアドレスリ
ストを決定する処理であり、処理404、処理405、
処理406は、韻律・声質設定用メールアドレスを決定
する処理である。
【0035】図5は、複写で来たメールについてのサブ
ルーチンである。処理501は、ユーザ単語辞書検索用
メールアドレスリストを決定する処理であり、処理50
2は、韻律・声質設定用メールアドレスを決定する処理
である。
【0036】図6は、メーリングリスト経由で来たメー
ルについての情報設定の処理フローである。メーリング
リスト経由の場合は、メールについている宛先は、自分
ではなく、メーリングリストのアドレスになっている。
処理601、処理602、処理603は、ユーザ単語辞
書検索用メールアドレスリストを決定する処理であり、
処理604、処理605、処理606は、韻律・声質設
定用メールアドレスを決定する処理である。
【0037】図7は、ユーザ辞書検索用メールアドレス
リストのメンバーのソート処理のフローである。処理7
01で、リスト中のメールアドレスの優先度に0、リス
ト中の終端グループの優先度に−1を設定し、非終端グ
ループの優先度は、未設定であることを表す1を設定す
る。処理702、処理703、処理704、処理70
5、処理706は、非終端グループのメンバーについ
て、メールアドレス階層データベースにおいて、下方向
へ最短のメールアドレスまでノードをたどったときの距
離の符合を変えた値を優先度として設定する処理であ
る。処理707で、ユーザ辞書検索用メールアドレスリ
ストのメンバーを、優先度をキーとして大小関係の降順
にソートする。ソートのアルゴリズムは、既存のものを
用いる。
【0038】図8は、メールアドレスに付与されている
アドレス(発信人・宛先・複写送付先)、及び、テキス
ト音声変換用情報設定部により決定されるテキスト音声
変換用情報(ユーザ辞書検索用メールアドレスリスト、
及び、韻律・声質設定用メールアドレス)の一例を示し
たものである。
【0039】以下、図3、図4、図5、図6、図7を用
いて、図8に例示したアドレスからテキスト音声変換用
情報を決定する処理の流れを説明する。ただし、処理に
は、表1、表2、表3、表4のデータベースを用いるも
のとする。
【0040】まず、図3のメインルーチンにおいて、処
理301で自分宛のメールであると判定され、処理30
3でサブルーチン1が呼び出される。図4において、処
理401で複写送付先があるため、処理403が実行さ
れる。asahi@iide.co.jpはメールアド
レス階層データベース(表3)に登録されていないた
め、複写送付先にあるnoguchi@north.c
o.jp、kurobe@north.co.jp、s
hiomi@south.co.jpにうち最も多くが
属するグループを選ぶ。メールアドレス階層データベー
スにより、登山グループに3つのメールアドレスすべて
が属し、いずれのアドレスも他のグループには属さない
ため、ユーザ辞書検索用メールアドレスリストは{登山
グループ}となる。
【0041】次に、処理404が実行され、発信人のa
sahi@iide.co.jpがメールアドレスデー
タベース(表2)に登録されていないため、処理406
が実行される。asahi@iide.co.がメール
アドレス階層データベースに登録されておらず、複写送
付先にあるnoguchi@north.co.jp、
kurobe@north.co.jp、shiomi
@south.co.jpが共に登山グループに属し、
いずれのアドレスも他のグループに属さないため、韻律
・声質設定用メールアドレスは「登山グループ」とな
る。ここで、サブルーチン1を終了し、図3のメインル
ーチンに戻る。
【0042】図3の処理306において、ユーザ辞書検
索用メールアドレスリストは{登山グループ}となって
いるため、登山グループの上位のグループである、「私
的関連グループ」と「共通グループ」を追加し、ユーザ
辞書検索用メールアドレスリストは{登山グループ、私
的関連グループ、共通グループ}となる。
【0043】次に、処理307でサブルーチン4が呼び
出される。優先度は、終端グループである「登山グルー
プ」が−1、非終端グループである「私的関連グルー
プ」が−2、「共通グループ」が−3となり、ユーザ辞
書検索用メールアドレスリストは{登山グループ(−
1)、私的関連グループ(−2)、共通グループ(−
3)}となる。ただし、グループ名の後の括弧中の数値
は優先度の値とする。
【0044】最終的に、ユーザ辞書検索用メールアドレ
スリストは{登山グループ(−1)、 私的関連グルー
プ(−2)、共通グループ(−3)}、韻律・声質設定
用メールアドレスは「登山グループ」となる。以上の処
理で、図8のテキスト音声変換用情報が決定される。
【0045】図9は、メールに含まれる入力文章と、生
成された中間言語の一例を示したものである。テキスト
解析部104は、中間言語を作成する過程において、入
力文章を単語に分割する処理を行うが、この際、分割す
る単語の候補は、システム単語辞書105、及び、メー
ルアドレス付きユーザ単語辞書106から取り出した単
語を用いる。メールアドレス付きユーザ単語辞書の検索
にあたっては、単語に付与されているメールアドレス又
はグループ名が、ユーザ辞書検索用メールアドレスリス
トのいずれかのメンバーと一致する場合のみ、単語分割
の候補として取り出す。
【0046】図10は、辞書引きから単語分割までの処
理フローである。図11は、処理101で生成するグラ
フ構造である。グラフには、文頭と文末に相当する仮想
的なノードを付け加える。
【0047】処理102では、文献3の方法により、出
現確率を決定する。文献3では、単語の属性を用いて、
出現確率を計算するが、本実施形態においては、「優先
度」という属性を追加する。単語の属性としての優先度
の値は、単語に付与されているメールアドレス又はグル
ープ名の、ユーザ辞書検索用メールアドレスリストでの
優先度の値を用いる。メールアドレス又はグループの優
先度は、文章によって異なるため、同じ単語であって
も、単語の属性の「優先度」は、文章によって異なる値
を持つ。システム辞書から取り出した単語については、
ユーザ辞書検索用メールアドレスリストに於ける「共通
グループ」の優先度の値を用いる。共通グループは、必
ず、リストに含まれるため、値を決定することができ
る。但し、この値は、メールアドレス情報により異な
る。単語分割に用いる決定木は、メールアドレス情報の
ついた大量のメールのデータについて、上記の優先度の
属性を決定し、優先度の属性を含む決定木を作成してお
く。
【0048】処理103では、Viterbiアルゴリ
ズムを用いて、出現確率最大のパスを選ぶことができ
る。
【0049】上記の処理では、優先度が大きい単語が常
に選ばれるとは限らないが、他の属性が同じであれば、
優先度の属性値が大きい単語が選ばれる可能性が高い。
【0050】図12は、メールに付与されたメールアド
レス情報とユーザ辞書とを用いて、単語検索により、同
形異音語の読み分けを行う処理の経過を説明した図であ
る。処理には、表1,2,3の各データベースを用い
る。入力文は「乗越が問題だ。」である。
【0051】メールに付与されているアドレスから、テ
キスト音声変換用情報決定処理により、ユーザ辞書検索
用メールアドレスリストは、{登山グループ(−1)、
私的関連グループ(−2)、共通グループ(−3)}と
なる。
【0052】一方、表1のメールアドレス付きユーザ辞
書には、「乗越」の同形異音語として、「乗越(ノッコ
シ)」と「乗越(ノリコシ)」の2つの単語が登録され
ている。「乗越(ノッコシ)」には登山グループのアド
レスが付与されており、「乗越(ノリコシ)」には共通
グループのアドレスが付与されている。
【0053】ユーザ辞書検索用メールアドレスリストに
おける優先度は、登山グループが−1、共通グループが
−3である。単語の属性としての優先度の値は、「乗越
(ノッコシ)」が−1、「乗越(ノリコシ)」が−3と
なる。この属性と、その他の属性を用いて、2つの単語
の出現確率を計算する。いずれもユーザ辞書の単語であ
り、この文において普通名詞とサ変名詞の違いが単語選
択に当たって影響を与えることはないことから、決定木
の作成方法を考えると、優先度が大きい「乗越(ノッコ
シ)」の方が確率が大きくなる可能性が高い。従って、
このような場合は、「乗越(ノッコシ)」が選択され
る。
【0054】更に、アクセント位置、フレーズ立ち上げ
位置、ポーズ位置を決定する処理を経て、中間言語、
「Pノッコシガ,モンダイダ。」が生成される。この文
の場合、「乗越」の前後には、特に読み分けの手がかり
となる語はないため、本実施形態の優先度以外の属性で
は、正しく読み分けが行われる可能性は低い。例えば、
本実施形態の優先度の属性を用いず、かつ、単語の頻度
が属性として用いられる場合は、一般的な文において頻
度が高い「乗越(ノリコシ)」が選ばれる可能性が高
い。
【0055】以上説明したように、第1の実施形態にお
いては、以下の効果が得られる。 (1)ユーザが登録する単語の利用範囲を限定すること
が出来るようになり、予期しない副作用による読み誤り
を減少させることができる。 (2)ユーザ単語に登録した単語が使用される文章の分
野が制限されるため、ユーザ辞書への単語登録に際して
悪影響を考慮する必要が少なくなり、単語登録の労力を
軽減できる。 (3)メールの発信人、宛先、複写送付先を考慮した韻
律・声質で読み上げるため、メールの要件を効率的に聴
取することができる。
【0056】<第2の実施形態> <構成>本実施形態において、「グループ」、「韻律・
声質設定用メールアドレス」の定義は、実施形態1と同
じとする。図13は、第2の実施形態の構成を示す図で
ある。201は、音声合成装置を操作するためのユーザ
インタフェース、202は、メール送受信部214が受
信したメールの内容を読み上げるテキスト音声変換部で
あり、203は、受信したメールからの入力文章読み出
し、メールについている発信人・宛先・複写送付先情報
のテキスト音声変換用情報設定部への受け渡し、及び、
同処理部から返される1つの情報の後続処理部への受け
渡しを行うテキスト入力部である。
【0057】204は、入力文章から中間言語(読み・
アクセント位置・フレーズ立ち上げ位置・ポーズ位置)
を生成するテキスト解析部であり、205は、テキスト
解析で用いる単語情報(表記・読み・品詞・アクセント
型・アクセント結合型等)を格納するシステム単語辞
書、206は、ユーザが追加した単語情報を格納するユ
ーザ単語辞書である。また、207は、同形異音語につ
いて読み分けを行う読み分け処理部であり、208は、
同形異音語の読み分けに用いられる読み分け用決定リス
トを格納する読み分け用決定リスト格納部である。決定
リストは、ある証拠EのもとでクラスDを決定するとい
う規則を優先度の高い順にリスト形式で並べたもので、
適用時には優先度の高い規則から順に適用を試みていく
(文献2参照)。本実施形態では、決定リストのクラス
として読み、優先度として出現頻度の比(尤度比)を用
い、以下も「読み」と「尤度比」という用語を用いる。
読み分け用決定リストは、個々の同形異音語毎に、予め
コーパスから作成して格納しておく。
【0058】209は、テキスト解析の出力から、合成
パラメータ(合成単位・継続時間・ピッチ・ポーズ・振
幅)を生成する合成パラメータ生成部であり、210
は、合成パラメータを決定するために用いる予測テーブ
ルを格納する予測テーブル格納部である。211は、合
成パラメータから波形を生成する音声合成部であり、2
12は、音声合成で用いる音声素片セットを格納する音
声素片辞書である。210の予測テーブル格納部には、
継続時間予測テーブル・ピッチ予測テーブル・ポーズ予
測テーブル・振幅予測テーブルが格納される。
【0059】213は、メールの送受信・保存を行うメ
ール管理部であり、214は、メールの送受信を行うメ
ール送受信部、215は、受信したメールを格納するメ
ール格納部である。
【0060】216は、メールアドレスに関連するデー
タベースを管理するデータベース管理部であり、217
は、メールアドレスデータベース、及び、メールアドレ
ス階層データベースの管理を行うメールアドレス管理部
であり、218は、メールアドレス及びグループに関す
る情報を格納する属性付きメールアドレスデータベー
ス、219は、メールアドレス及びグループ間の階層関
係を格納するメールアドレス階層データベースである。
220は、メールについている発信者・宛先・複写送付
先情報から、テキスト音声変換に用いる1つの情報を決
定するテキスト音声変換用情報設定部である。決定する
テキスト音声変換用情報は、実施形態1の「韻律・声質
設定用メールアドレス」と同じ情報である。実施例2で
は、決定した情報の用途が異なるため、以下、「韻律・
声質設定用メールアドレス」を「読み分け用メールアド
レス」と呼ぶ。
【0061】
【表7】 表7は、ユーザ単語辞書の内容の一部を示したものであ
る。実施形態1と異なり、ユーザ辞書の単語には、メー
ルアドレス又はグループの情報は含まれない。
【0062】
【表8】 表8は、同形異音語「市場」の読み分け用決定リストの
内容の一部を示したものである。従来の装置では、「前
後の単語の表記」(前後10単語以内の自立語と一部の
付属語の表記)等、入力文中の証拠を用いるが、本実施
形態では、入力文以外の証拠として、メールアドレスデ
ータベースの属性を用いる。表8では、規則3が、「メ
ールアドレスデータベースの業種」を用いた規則であ
る。また、ディフォルトの値を設定するため、最も尤度
が低い規則として、証拠の種類が「ディフォルト」の規
則を追加しておく。表8では、規則8がディフォルトの
値を設定する規則である。
【0063】
【表9】 表9は、属性付きメールアドレスデータベースの内容で
ある。ユーザが、メールアドレス又はグループ名・種別
の情報、名前・電話番号・所属等の情報、及び、読み分
け用決定リストで用いる属性が追加されている。属性
は、「業種」、「分野」等、ユーザが容易に設定できる
ものを用いる。属性の種類と属性の値は、予め用意した
ものを用い、ユーザは装置が表示する属性値から選択す
る。
【0064】<動作>以下の説明において、特に記述し
ない場合でも、データベース間でデータの整合性を保つ
ように動作する。メールアドレス又はグループは、ユー
ザが追加・修正・削除できるため、整合性を失わせる処
理を常にチェックし排除するようにし、属性付きメール
アドレスデータベース218、メールアドレス階層デー
タベース219のデータの整合性を保てるようにする。
【0065】ユーザは、ユーザインタフェース201を
介して、メールアドレス管理部217を呼び出すことに
より、属性付きメールアドレスデータベース218の内
容とメールアドレス階層データベース219の内容を追
加・削除・変更する。また、ユーザインタフェース20
1を介して、メール送受信部214を呼び出すことによ
り、メールを送受信する。受信したメール、或いは、送
信したメールの複写等は、メール格納部215に保存さ
れる。
【0066】ユーザがメールをテキスト音声変換する場
合には、ユーザインタフェース201を介して、メール
格納部に格納されている電子メールを指定し、テキスト
音声変換部202を呼び出す。テキスト音声変換部で
は、まず、テキスト入力部203がメール格納部215
からメールを読み込む。次に、テキスト音声変換用情報
設定部220を呼び出して、読み込んだメールについて
いる宛先・発信人・複写送付先から、読み分け用メール
アドレスを獲得し、後続の処理部へ渡す。読み分け用メ
ールアドレスの決定方法は、実施形態1の韻律・声質設
定用メールアドレスの決定方法と同じである。
【0067】テキスト音声変換用情報設定部220の処
理終了後、テキスト解析部204が、システム単語辞書
205、ユーザ単語辞書206から、分割する単語の候
補となる単語を取り出し、メールの文章を単語に分割す
る。ここで、読み分け処理部207を呼び出して、同形
異音語の読み分けを行った後、読み・アクセント位置・
イントネーション立ち上げ位置・ポーズ位置を決定し、
中間言語を生成する。
【0068】図14は、読み分け処理部の処理フローで
ある。読み分け処理は、テキスト解析が入力文を単語に
分割した後に呼び出される。読み分け処理部は、処理1
21で、読み分け用メールアドレスを属性付きメールア
ドレスデータベースで検索し、属性を取り出す。処理1
22で、テキスト解析部が単語分割した単語について、
1単語目に走査位置を設定する。処理123から、処理
126で、文末へ向かって1単語ずつ走査してゆき、走
査点が文の最後の単語の次に移動すると、処理123の
判定により、処理を終了する。処理124で、走査中の
単語の読み分け用決定リストが読み分け用決定リスト格
納部208にあるかどうか検索する。決定リストがあれ
ば、処理125で、規則の尤度の高い順に、決定リスト
の証拠の種類と証拠の値の条件を満たすかどうかチェッ
クし、満たされれば規則を適用する。ディフォルト設定
用の規則があるため、必ず読みが決定される。処理12
6で、走査点を次の単語に移し、処理123に戻る。
【0069】図15は、同形異音語の読み分け処理の具
体例を示したものである。表8の読み分け用決定リスト
と、表9の属性付きメールアドレスデータベースがある
とする。入力文章「どこの市場を調べますか?」がメー
ルで送られてきたとする。テキスト解析部で、図に示す
ように単語に分割される。この時点では、一応読みも決
定されている。テキスト音声変換用情報設定部220に
おいて、読み分け用メールアドレスは、katoh@a
ozora−bank.co.jpとなる。読み分け処
理部で、文頭から1単語ずつ走査するが、n=1、n=
2については、処理124で、決定リストがないため、
走査点が移動してゆく。処理126でN=3になった状
態を考える。3番目の単語「市場」は、表8の決定リス
トがあるため処理124の条件を満たし、処理125を
実行する。
【0070】表9の属性付きメールアドレスデータベー
スを参照すると、「業種」は金融である。前後の単語と
しては、「どこ」、「の」、「を」、「調べ」、「ま
す」、「か」、「?」という単語がある。決定リストを
検索する証拠の種類と値を列挙すると、図15に示すよ
うになる。規則1から順に証拠の種類と証拠の値の条件
を満たすかどうかチェックする。規則1、規則2につい
ては、「市場」の前後には、「株式」、「シェア」とい
う単語はないため、規則1、規則2は条件を満たさず、
適用されない。規則3については、種別が「属性付きメ
ールアドレスデータベースの業種」で値が「金融」とい
う証拠があり、規則の条件を満たすため、規則が適用さ
れる。したがって、「市場」の読み分け結果は、規則3
が与える「シジョウ」になる。更に、処理126、処理
123、処理124が繰り返され、n=9になったとこ
ろで、対応する単語がないため読み分け処理を終了す
る。
【0071】読み分け部207の処理が終わった後、テ
キスト解析部204は、読み・アクセント位置・イント
ネーション立ち上げ位置・ポーズ位置を決定し、中間言
語を生成する。合成パラメータ生成部209は、テキス
ト解析部が出力した中間言語に対して、音素の継続時間
・ピッチ・ポーズ長・振幅についてのパラメータを決定
する。音声合成部211は、テキスト解析部が出力する
中間言語、合成パラメータ部が出力するパラメータか
ら、音声を合成する。
【0072】以上説明したように、本実施形態に依れ
ば、メールアドレスから得られる属性を読み分けに用い
るため、文章内に手掛かりがない場合でも、読み分けが
可能になる。
【0073】尚、本発明は、前述の実施形態に限定され
るものではなく、実施形態1、実施形態2は、電子メー
ルの読み上げに用いたが、ホームページの読み上げにも
用いることができる。ホームページの場合、発信者とし
てホームページのアドレス、複写送付先はなし、宛先と
してユーザのメールアドレスを用いる。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1発明の
音声合成装置においては、受信メールをテキスト解析す
る際に用いる単語を登録する手段と、メールアドレスの
データベースを格納する手段と、メールアドレスのデー
タベースの内容を追加・修正・削除する手段とを備えた
音声合成装置において、前記データベースのメールアド
レスをグルーピングすると共に、各グループを階層化し
た階層データとして格納する手段と、単語に前記階層デ
ータのノード名を付加してユーザ単語辞書に登録する手
段と、メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前
記階層データのノード名のリストを作成する手段とを備
え、前記ユーザ単語辞書の検索に際して、前記作成され
たリストのメンバーとユーザ単語辞書の単語に付加され
ているノード名とを照合し、ノード名が前記リストのメ
ンバーのいずれかに一致する単語のみを用いてテキスト
解析を行う構成としたので、ユーザが登録する単語の利
用範囲を限定することが出来るようになり、予期しない
副作用による読み誤りを減少させることができる。ま
た、ユーザ単語に登録した単語が使用される文章の分野
が制限されるため、ユーザ辞書への単語登録に際して悪
影響を考慮する必要が少なくなり、単語登録の労力を軽
減できる。
【0075】また、第2発明の音声合成装置において
は、受信メールを読み上げる際の韻律又は声質を制御す
る手段と、メールアドレスのデータベースを格納する手
段と、メールアドレスのデータベースの内容を追加・修
正・削除する手段とを備えた音声合成装置において、前
記データベースのメールアドレスをグルーピングすると
共に、各グループを階層化した階層データとして格納す
る手段と、メールの発信人、宛先、複写送付先の情報に
基づいて、前記階層データのノードを選択する手段と、
を備え、メールを読み上げる際に、前記選択されたノー
ドに対応付けられている韻律及び声質でメールを読み上
げる構成としたので、メールの発信人、宛先、複写送付
先を考慮した韻律・声質で読み上げるため、メールの要
件を効率的に聴取することができる。
【0076】更に、第3発明の音声合成装置において
は、決定リストを用いて同形異音語を読み分ける手段
と、メールアドレスのデータベースを格納する手段と、
メールアドレスのデータベースの内容を追加・修正・削
除する手段とを備えた音声合成装置において、前記デー
タベースのメールアドレスをグルーピングすると共に、
各グループを階層化した階層データとして格納する手段
と、メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前記
階層データのノード名を選択する手段とを備え、前記選
択されたノードに設定されている属性を証拠とした規則
を含む決定リストを用いて単語の読み分けを行う構成と
したので、文章内に手掛かりがない場合でも、読み分け
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の構成図である。
【図2】メールアドレス階層データベースの一例を示す
図である。
【図3】テキスト音声変換用情報設定処理のメインルー
チンである。
【図4】テキスト音声変換用情報設定処理のサブルーチ
ン1である。
【図5】テキスト音声変換用情報設定処理のサブルーチ
ン2である。
【図6】テキスト音声変換用情報設定処理のサブルーチ
ン3である。
【図7】テキスト音声変換用情報設定処理のサブルーチ
ン4である。
【図8】メールアドレスに付与されるアドレス及びテキ
スト音声変換用情報の一例を示す図である。
【図9】入力文章と中間言語の一例を示す図である。
【図10】辞書引きから単語分割までの処理フローであ
る。
【図11】図10の処理101で生成するグラフ構造を
示す図である。
【図12】メールアドレスとユーザ単語辞書を用いた読
み分け処理の経過説明図である。
【図13】第2の実施形態の構成図である。
【図14】読み分け処理の処理フローである。
【図15】同形異音語「市場」の読み分け処理の説明図
である。
【符号の説明】
101,201 ユーザインターフェース 102,202 テキスト音声変換部 103,203 テキスト入力部 104,204 テキスト解析部 105,205 システム単語辞書 106,206 メールアドレス付きユーザ単語辞書 107,209 合成パラメータ生成部 108,210 予測テーブル格納部 109,211 音声合成部 110,212 音声素片辞書 111,213 メール管理部 112,214 メール送受信部 113,215 メール格納部 114,216 データベース管理部 115,217 メールアドレス管理部 116,218 メールアドレスデータベース 117,219 メールアドレス階層データベース 118 ユーザ単語辞書管理部 119 韻律・声質設定データベース管理部 120 韻律・声質設定データベース 121 韻律・予測テーブル対応データベース 122 声質・素片セット対応データベース 123 韻律・声質設定データベース 207 読み分け部 208 読み分け用決定リスト格納部 220 テキスト音声変換用情報設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 13/08 G06F 13/00 605 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信メールをテキスト解析する際に用い
    る単語を登録する手段と、メールアドレスのデータベー
    スを格納する手段と、メールアドレスのデータベースの
    内容を追加・修正・削除する手段とを備えた音声合成装
    置において、 前記データベースのメールアドレスをグルーピングする
    と共に、各グループを階層化した階層データとして格納
    する手段と、 単語に前記階層データのノード名を付加してユーザ単語
    辞書に登録する手段と、 メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前記階層
    データのノード名のリストを作成する手段と、を備え、
    前記ユーザ単語辞書の検索に際して、前記作成されたリ
    ストのメンバーとユーザ単語辞書の単語に付加されてい
    るノード名とを照合し、ノード名が前記リストのメンバ
    ーのいずれかに一致する単語のみを用いてテキスト解析
    を行うことを特徴とする音声合成装置。
  2. 【請求項2】 受信メールを読み上げる際の韻律又は声
    質を制御する手段と、メールアドレスのデータベースを
    格納する手段と、メールアドレスのデータベースの内容
    を追加・修正・削除する手段とを備えた音声合成装置に
    おいて、 前記データベースのメールアドレスをグルーピングする
    と共に、各グループを階層化した階層データとして格納
    する手段と、 メールの発信人、宛先、複写送付先の情報に基づいて、
    前記階層データのノードを選択する手段と、を備え、メ
    ールを読み上げる際に、前記選択されたノードに対応付
    けられている韻律及び声質でメールを読み上げることを
    特徴とする音声合成装置。
  3. 【請求項3】 決定リストを用いて同形異音語を読み分
    ける手段と、メールアドレスのデータベースを格納する
    手段と、メールアドレスのデータベースの内容を追加・
    修正・削除する手段とを備えた音声合成装置において、 前記データベースのメールアドレスをグルーピングする
    と共に、各グループを階層化した階層データとして格納
    する手段と、 メールの発信人・宛先・複写送付先の情報から前記階層
    データのノード名を選択する手段と、を備え、前記選択
    されたノードに設定されている属性を証拠とした規則を
    含む決定リストを用いて単語の読み分けを行うことを特
    徴とする音声合成装置。
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