JP3462834B2 - ポリフェノールパレット - Google Patents
ポリフェノールパレットInfo
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- polyphenol
- polyphenols
- beverage
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- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
- Preparation Of Fruits And Vegetables (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)
Description
ールを含有する飲料並びに該ポリフェノール含有飲料を
製造するための方法に関する。
になってきていることに伴って、ポリフェノールが添加
されている飲料も実際に流通するようになってきてい
る。そして、このようなポリフェノール含有飲料は、主
に自然派の消費者に広く受け入れられているが、ポリフ
ェノールそれ自体が備える機能については主に、ポリフ
ェノールの高い抗酸化能及びそれに付随する機能につい
て探求がなされている。
有飲料についてもその延長線上にあり、抗酸化能以外の
機能や複合系の検討については十分であるとは言えない
ものの、抗酸化能及びそれに付随する機能については、
多くの報告や特許出願もなされている。
する以前の問題として、抗酸化能という機能一つを取っ
てみたとしても、ポリフェノールという物質それ自体に
ついての研究を越えて、飲料といったような一般的な食
生活に係るものについての検討を行うような場合には、
飲料それ自体が備える機能というものだけではなく、こ
れに加えて、消費者の嗜好ということについてまでも検
討を行う必要が出てくる。
いては、消費者の嗜好に対応しながらも飲料の機能性は
十分に担保されなければならないという要求があるが、
同時に、流行に左右され、移り変わりやすい消費者の嗜
好に迅速かつ柔軟に対応できるようにするということが
宿命的に要求される。そしてこれらの要求を同時に実現
すると共に、その実現が簡易な手段によって行うことが
できるのであれば、製造効率アップの観点からは非常に
有用である。また、その実現を天然物由来の素材によっ
て行うということができるのであれば、自然派の消費者
にも広く受け入れられることとなり、より好ましいとい
うことになる。
たものであり、その目的は、高機能でかつ消費者の希望
に即した飲料を天然素材を用いて簡易迅速かつ的確に製
造できるようにするための有効な手段を提供することに
ある。
明においては、ポリフェノールの抽出原料、機能、機能
発揮に対する有効量が一目で把握できるポリフェノール
パレットを提供することにより、配合の際のポリフェノ
ール選択の容易性と自由度を確保し、かつ、飲料製造者
によるポリフェノール配合の有効性に関する予測をひと
つの情報として与えることができるようにしたことを特
徴とする。
ットを利用すれば、その飲料に適したポリフェノールを
適切な量で適切な種類の数だけ添加することを容易に行
うことができるようになる。従って、高機能な飲料を製
造する際に、飲料製造者が飲料に持たせたい機能に適合
する適切なポリフェノールを簡易迅速に選択かつ使用す
ることができるので、高機能でかつ消費者の希望に即し
た飲料を効率的に製造することができるようになる。
ポリフェノールパレット、それを用いて製造した飲料及
びその製造方法を提供する。
フェノールの集合体からなるポリフェノールパレット。
なお、「有用な」というのは、抗酸化能、フレーバ耐久
性、静菌作用等のように、あるポリフェノールがある飲
料に添加された場合に、当該飲料の特性・機能・状態の
維持もしくは改善・改良に貢献するような当該ポリフェ
ノールの特性・機能・作用・性質のことを意味する。こ
こで、自然界に存在する全てのポリフェノールが「有用
な」ポリフェノールであるというわけではなく、本発明
では、ポリフェノールの中でも「有用な」ものを揃えたポ
リフェノールパレットを想定している。
って得られたものではなく、果実、果汁、野菜汁等から
抽出等を行うことによって得られたものであることを意
味する。
フェノールの集合体からなるポリフェノールパレットか
ら任意のポリフェノールを選択して添加する方法。
種類のポリフェノールの集合体からなるポリフェノール
パレットから任意の複数のポリフェノールを選択し、こ
れらを組み合わせて飲料に添加する方法。なお、「科」
というのは、例えば「バラ科」のような植物分類学上の分
類によって定義された「科」のことを意味する。
リンゴ及びブドウ種子から抽出したポリフェノールから
なる群より選ばれる2以上のものであることを特徴とす
る(3)記載の方法。
フェノールの集合体からなるポリフェノールパレットか
ら任意に選択したポリフェノールを飲料に添加すること
により飲料の機能を高める方法。ここで、「飲料の機
能」というのは、ポリフェノール添加によって抗酸化能
やフレーバ耐久性が付与されることに基づいて保存性や
貯蔵性が高まったり、或いは、風味や色味の改善が図ら
れたりするような場合を意味する。
ェノールの種類及び量を変更することにより飲料の機能
を変更する方法。
種類のポリフェノールがそれぞれの機能改善有効量添加
された飲料。なお、本発明に係るポリフェノールパレッ
トは全て有用なポリフェノールで構成されているが、結
果的に得られた飲料の中に含まれているポリフェノール
が全て有用なものである必要は無い。
リンゴ及びブドウ種子から抽出したポリフェノールから
なる群より選ばれる2以上のものであることを特徴とす
る(7)記載の飲料。
(7)または(8)いずれか記載の飲料。
する(7)または(8)いずれか記載の飲料。
特徴とする(7)から(10)いずれか記載の飲料。
ノールパレット」とは、縦割り的に把握かつ使用されて
きたポリフェノールの特質を、適切な配合を行うため
に、天然由来の有用なポリフェノールを横並び的に一見
して把握できるようにしたものをいう。ここで、ポリフ
ェノールの特質とは、原料成分に基づいて機能が異なる
こと、かかる機能を発揮させるために必要なポリフェノ
ールの量が原料の種類によって異なること、ポリフェノ
ールの抽出方法によってはその機能が発揮できない場合
があること(実施例5参照)、或いは、ポリフェノール
の添加量を変更することにより発揮される機能が異なる
場合があること(実施例1参照)等をいう。
類のポリフェノールの集合体からなることにより、複数
種類のポリフェノールを相互に見比べることができるよ
うにしたものである。すなわち、飲料を製造するに際
し、その飲料に持たせたい機能を特定した後、その機能
を発揮し得るポリフェノールを簡易迅速に選択し飲料に
添加すること、更に複数のポリフェノールが選択された
場合には、その機能を発揮するのに必要なポリフェノー
ルの量を添加した場合に飲料の風味を損なわないかどう
か、または組み合わせて用いることができるかどうか
(機能相互間で互いの機能を希釈化しないかどうか等)
ということも検討できる。
な機能のことを意味し、例えば、静菌、フレーバ耐久、
抗酸化等の飲料自体に効果的な作用のほか、抗酸化機能
に基づく動脈硬化防止、代謝制御機能やガン抑制機能
等、本発明に係る飲料を摂取することにより人体にもた
らされる有益な作用をも含む。
熱殺菌処理によっても死滅せずに生き残っている菌)の
生育や増殖を抑制し、製品飲料の腐敗や変敗を防止でき
るような作用をいい、また、「菌」にはカビおよび細菌
が含まれる。
レーバ(何らかの風味等)を備えるものについて、その
フレーバの持続性を向上させる(或いは、寿命を延長さ
せる)効果を有するということを意味する。
するのに必要な量を意味する。例えば、フレーバ耐久に
対して「有効量」とは、フレーバの持続性を向上させる
(或いは、寿命を延長させる)効果が得られるのに必要
な量(即ち、略下限)ということを意味する。
ールを添加することにより飲料に上記の機能を持たせる
ことをも含める意である。
ノールの種類や添加量を変化させた場合には、当該ポリ
フェノールが発揮する機能が異なってくる場合があるこ
とを示唆したものであり、従って、機能の改善以外の場
合をも含める意である。
汁含有率100%の天然果汁、果汁含有率50%以上100%未
満の果汁飲料および果汁含有率10%以上50%未満の果汁
入り清涼飲料、更には、果実を破砕して裏ごしした果実
ピューレを含有する果肉飲料をも含む。
体調調整機能を持つ成分が多く含まれる飲料をいう。
ルが含まれる。特に、PETボトルに関しては、缶容器
と異なり酸素透過性があることから、飲料自体に静菌作
用という機能を持たせることにより、例えば、飲料中に
好気性菌が万が一混入してしまった場合であっても当該
好気性菌の増殖を防止することができ、PETボトル入
りの飲料に対して従来よりも安全性を高めることができ
る。
料をPETボトルに充填する場合は、充填後、加熱殺菌
処理を経て冷却するために行うシャワーリングにおい
て、PETボトルの中身が陰圧となることによって生じ
たキャップとボトルとの隙間からが混入する可能性を考
慮した場合に有効である(実施例2において特にカビに
ついて実験を行っている)。
抽出方法、検出方法]ポリフェノールを抽出する原材料
としては、ポリフェノールが含まれるあらゆる植物を使
用することができるが、本実施例においては、レモン、
ブドウ、リンゴ、お茶を使用した。
原材料に適した様々な方法を採用することができる。例
えば、水(冷水、温水を含む)や、有機溶媒(酢酸エチ
ル、クロロホルム等、)、混合溶媒(水―エタノール混
合溶媒等)、液化炭酸ガスによる抽出等が挙げられる。
なお、液化炭酸ガス抽出を行う場合には、超臨界状態を
経る場合と経ない場合のいずれの態様も含まれる
析)は、常法に従って行う。ポリフェノール類の検出方
法としては、例えば液体クロマトグラフィーによる分析
法、酒石酸鉄法、Folin-Denis法などが挙げられる
フェノールに関するものである。かかるレモンポリフェ
ノールの製造は、まず、新鮮なレモンをよく洗い、中身
(レモン果実)と表皮(レモン果皮)とを分離し、表皮
のみを摩り下ろした後、液化炭酸ガス抽出に供し、抽出
後の摩り下ろされた表皮部分を濾過によって除去(必要
に応じて、追加の濾過若しくはカラム吸着を行う)して
行った。
な量としては、レモン果皮抽出物の濃度にして、500
ppmから3000ppm程度、ポリフェノール濃度に
換算して0.5ppmから2ppm程度であり、好まし
くは、レモン果皮抽出物の濃度にして、550ppmか
ら2000ppm程度、ポリフェノール濃度に換算して
0.6ppmから1.7ppm程度であり、より好まし
くは、レモン果皮抽出物の濃度にして、600ppmか
ら1800ppm程度、ポリフェノール濃度に換算して
0.7ppmから1.5ppm程度である。
解させて飲料ベースを作製し、この飲料ベースと同量の
炭酸水を配合した後、糖度が10Brix程度で酸度が
0.2g%程度となるように調整し、最終的に、サイダ
ーエッセンスを添加(サイダーエッセンス濃度は3wt
%程度とした)して対照サイダーを作製した。
wt%(2000ppm)となるように上記レモン果皮
抽出物を添加して、試験用サイダーとした。
及び対照サイダーに両方について、蛍光灯による照射を
行い(積算照度で100万lx・h)、光変性臭が生じ
るか否かについて試験を行った(曝光試験)。
生じていたが、試験用サイダーには光変性臭が生じず、
フレーバも良好であった。
つ独特のフレーバの劣化が長期にわたって防止されると
いう有為な効果を有することが明らかである。
ように、フレーバ耐久機能は、そのポリフェノール濃度
がかなり低い場合であっても十分発揮される。これに対
し、酸化防止機能を発揮するためには、ポリフェノール
の濃度範囲の下限が存在するはずであり、従って、下記
の図に示すように、レモンポリフェノールの添加量が異
なることにより、発揮する機能が異なることとなる。
て、本発明の原理・内容の説明のために、そこに含まれ
るポリフェノールの種類と量の分布について、仮想的に
示したものである。なお、レモンポリフェノールの量
(相対量)が示されており、横軸には得られたレモン果
皮抽出物中に含まれているポリフェノールの種類(a,
b,c,d,…l,m,n,…x,y,z)が示されている。
皮抽出物を飲料に添加した場合には、ヒストグラムの実
線で示した部分は、フレーバ耐久機能を発揮する態様の
範囲内でレモン果皮抽出物を飲料中に添加した場合(特
に、「フレーバ耐久に対して有効な量だけ」の一態様の
場合)に係るポリフェノール濃度(即ち、飲料中のポリ
フェノール濃度)を示している(図中、白抜きのヒスト
グラムはフレーバ耐久機能を有しないポリフェノール
(b及びy)、斜線のヒストグラムはフレーバ耐久機能
を有するがその機能を発揮する濃度になっていないポリ
フェノール(d及びl)、網掛けのヒストグラムはフレ
ーバ耐久機能を有し、かつ、その機能を発揮するのに必
要な濃度になっているポリフェノール(a,c,m,n,
x,z)を示している)。
られたレモン果皮抽出物を飲料中に添加した場合に、抗
酸化剤として機能する一態様で当該レモン果皮抽出物を
飲料中に添加した場合のポリフェノール濃度を示してい
る。
ルに関するものである。かかるリンゴポリフェノールの
製造は、リンゴポリフェノールが多く含まれているリン
ゴ未熟果(商品として店頭に陳列される以前のリンゴ果
実)を搾汁後清澄化し、スチレンジビニルベンゼン系の
合成吸着樹脂へ通液してポリフェノール成分を吸着さ
せ、水洗浄を行った後、含水エタノールでポリフェノー
ル分を溶出することにより行った。そして、この溶出液
を減圧濃縮後、噴霧乾燥により粉末化し、飲料に添加し
た。
検量線としたFolin-Denis法により測定した。
ノールを、pH3.0〜3.5の果汁入りの果汁入り透
明タイプスポーツ飲料に添加し、そこにカビ(Exsophia
lasp)、を500ml PETボトルに接種し、経過を
見た。各試験区の母数は3であり、菌が接種された飲料
は、25℃で30日間放置された後、菌塊及び菌糸の有無
が目視で確認された。
育するカビとして代表的なエクソフィアラ属(Exsophia
la sp)を採用して実験を行った。
ドウ種子抽出物(但し、総ポリフェノールの濃度に換算
してある)、シュガーエステルの添加量及びカビの菌数
を変化させてその増殖の経過を見た場合の実験結果を示
す。なお、Ctrlは無添加の場合の対照実験を示してい
る。
存在したものを+としている。
0〜3.5の果汁入り透明タイプスポーツ飲料に添加
し、そこに耐熱性好酸性菌2種(DSM2498株(Deutsc
he Sammlung von Microorganismen und Zellkulturen G
mbH)、ATCC49025株(American Type Culture Coll
ection)を「胞子数1000個/500ml PETボ
トル」の割合で接種し、経過を見た。各試験区の母数は
3であり、菌が接種された飲料は、37℃で14日間放
置した。
フェノールの添加量(但し、濃度は、ポリフェノールの
添加濃度を示す)を変化させた場合の結果を示す。
れに伴う異味・異臭がしたものを+としている。
が静菌作用を有するということ(特に所定濃度(この実
験では50ppm)ではカビに対して静菌作用を有するとい
うこと)が明らかであり、リンゴポリフェノールが、以
下に示すブドウ抽出物とは異なる優れた静菌作用を有す
ることが分かる。
るブドウポリフェノールに関するものである。かかるブ
ドウポリフェノールとしては、エタノール/水の混合溶
媒を用いてブドウ種子からプロアントシアニジンを抽出
した市販のグラヴィノール(商品名)を用いた。
スポーツ飲料(果汁3%、可溶性固形分1Brix未
満、pH約3.8)、混濁タイプ果汁飲料(果汁10%
未満、可溶性固形分7〜8Brix、pH約3.0)、
透明タイプ果汁飲料(果汁10%未満、可溶性固形分4
〜5Brix、pH約3.2)のそれぞれに添加し、そ
こに耐熱性好酸性菌2種(DSM2498株(Deutsche Sam
mlung von Microorganismen und Zellkulturen Gmb
H)、ATCC49025株(American Type Culture Collec
tion))を「胞子数1000個/500ml PETボ
トル」の割合で接種し、経過を見た。各試験区の母数は
3であり、菌が接種された飲料は、37℃で14日間放
置された。
加量(但し、抽出物中に含まれる総ポリフェノールの濃
度に換算してある)を変化させた場合の結果を示す。
れに伴う異味・異臭がしたものを+としている(なお、
表3中、「+」「-」の符号につき、カンマの左3つがD
SM2498株の結果を、カンマの右3つがATCC49025
株の結果を示す)。
(商品名)においては、ポリフェノール濃度が10pp
m以上となるように飲料に混合した場合には、飲料の種
類を問わず、静菌効果があるということが分かる。
を、下記の条件でHPLCにかけた。
を、上述したようにHPLCによって分離したときに得
られるメジャーなピーク(「ピーク1」、「ピーク2」
及び「ピーク3」(図2))について、それぞれ静菌効
果を比較するため、グラヴィノールをポリフェノール換
算0.5%の溶液とし、その36mlをHPLCにより
「ピーク1」、「ピーク2」及び「ピーク3」の3画分
に分離した。そして、分離された各部分について、回収
後に濃縮・希釈をして7.2mlとした。ピーク比較によ
る回収率を、以下の表に示す。
ール(商品名)のポリフェノール換算10ppm添加相
当となるように、各画分を混濁タイプスポーツ飲料に添
加した。この混濁タイプスポーツ飲料を500mlPE
Tボトルに85℃ホットパック充填後、耐熱性好酸性菌
(DSM2498株)を「胞子数1000個/500m
l PETボトル」の割合で接種し、閉栓した後に1分
30秒間転倒保持し、冷却した。
品液1mlの混釈培養により、菌の増殖の有無で確認し
た。また、いずれの画分が静菌作用を有するのかを一層
明確にするため、単独添加、混合添加の双方を行った。
たものを+としているが、この結果から明らかなよう
に、単独添加、混合添加のいずれにおいても「ピーク
3」の画分が飲料に添加されている場合に、菌の増殖が
抑制されていることが認められた。
ノール(商品名)に静菌作用があるということが立証さ
れ、この実施例4によれば、グラヴィノール(商品名)
を逆相液体カラムクロマトグラフィーによって分離した
ときの最後に溶出される画分の中に静菌作用を備える成
分が含まれているということが明らかになった。
液体カラムクロマトグラフィーによって分離したときに
最後に溶出される画分を常法に従って取り出し、当該画
分の部分を飲料に添加することによって、飲料中におい
て静菌作用を発現させることができることが明らかであ
る。
子抽出物、並びに他のポリフェノールの静菌作用につい
て、それらを相互に比較した。具体的には、(1)水/
エタノールの混合溶媒を使用して抽出されたブドウ種子
抽出物であるグラヴィノール(商品名)、(2)液化炭
酸ガスで抽出されたブドウ種子抽出物、(3)熱水抽出
されたブドウ種子抽出物をNF膜濾過処理したブドウ種
子抽出物、(4)緑茶カテキン製剤、をそれぞれ一般的
な混濁タイプスポーツ飲料(果汁3%、可溶性固形分1
Brix未満、pH約3.8)に添加し、そこに耐熱性
好酸性菌(DSM2498株)を「胞子数1000個/50
0ml PETボトル」の割合で接種し、経過を見た。
各試験区の母数は2であり、菌が接種された飲料は、3
7℃で14日間放置された。
加量(但し、抽出物中に含まれる総ポリフェノールの濃
度に換算してある)を変化させた場合の結果を示す。
れに伴う異味・異臭がしたものを+としている。
で濾過をした場合には、ブドウ種子抽出物中から静菌作
用が消失してしまうということが分かる。上述したよう
に、これは、最後に溶出されて来る「ピーク3」もしくは
「ピーク3’」に相当するピークが、NF膜処理を経る
ことによって消失してしまうからであると考えられるた
め、この現象からも、「ピーク3」もしくは「ピーク
3’」の部分に静菌作用があることの事実の裏付けがな
されている。
は、元々「ピーク3」もしくは「ピーク3’」に相当する
ピークが存在しないためであると考えられる。
ルに関するものである。このポリフェノールのうち、レ
モンポリフェノールは、表皮を熱水抽出し、抽出後の摩
り下ろされた表皮部分を濾過によって除去(必要に応じ
て、追加の濾過若しくはカラム吸着する)することによ
って得た。ブドウ種子抽出物及びリンゴポリフェノール
の製造は、熱水抽出し、カラム吸着することによって行
った。また、へスペリジンは、柑橘類の表皮から熱水抽
出し、(必要に応じて糖修飾をして)カラムクロマトグ
ラムで分離することによって得た。お茶ポリフェノール
は、水抽出物を酢酸エチルを溶媒として抽出し、カラム
クロマトグラムで分離することによって製造した。
防止剤として多用されているビタミンC(30mg〜4
0mmg程度)を添加した場合と、レモンポリフェノー
ル(1mg〜6mg程度)、ブドウポリフェノール(0.
5mg〜2mg程度)、リンゴポリフェノール(0.0
5mg以下)、ヘスペリジン(1mg〜4mg程度)、
お茶ポリフェノール(10mg〜20mg程度)の混合
ポリフェノールを添加した場合と、及び、抗酸化剤無添
加の場合(BHAを添加しない場合)と、について抗酸
化能の比較実験を行った(上記ポリフェノール量は、総
ポリフェノール濃度に換算して測定した結果に基づくも
のである)。
化防止剤)と比べ、リノール酸の酸化物によるβ‐カロ
チンの退色をどの程度抑えるかを測定することによって
抗酸化能の測定を行うBHA等量測定法(MILLAR
法を原法とする志津田変法)により行った。測定結果を
以下の表に示す。
出物及びリンゴポリフェノールについては、Folin-Deni
s法により、レモンポリフェノール、及びへスペリジン
及びお茶ポリフェノールについてはHPLCにより測定
した。
タミンCでは、BHA未添加の場合とBHA等量はほと
んど異ならず、従って、抗酸化能はあまり期待できない
ということが分かる。これに対し、上記の混合ポリフェ
ノールを添加した場合にはBHA等量は低くなり、また
添加量(合計)自体もビタミンCよりも少なくなること
から、かかるポリフェノールが極めて優れた抗酸化機能
を有することが分かる。
番目に多く含有されるレモンポリフェノールを除いた場
合には、BHA等量はあまり変わらないという結果より
(表8の最下欄)、この系においては、かかる量のレモ
ンポリフェノール濃度単独では当該レモンポリフェノー
ルは飲料中で抗酸化機能を殆ど発揮し得ないということ
に加え、抗酸化機能という機能一つについて見てみて
も、例えばこの系においては、飲料に対するあるポリフ
ェノールの単独除去・単独添加にあまり意味は無く、他
のポリフェノールと複合的に混合されて初めて意味ある
ものとなるということが分かる。
造する際に、飲料製造者が飲料に持たせたい機能に適合
する適切なポリフェノールを簡易迅速に選択かつ使用
し、効率的に製造をすることができる。
フェノールの抽出原料、機能、機能発揮に対する有効量
が一目で把握できるポリフェノールパレットを提供する
ことで、消費者の希望に即した飲料を簡易迅速かつ的確
に製造できるようになる。
実施形態を説明するための図である。
かけた結果得られたクロマトグラムを示す図である(表
4参照)。
Claims (6)
- 【請求項1】 有用な天然由来の複数種類のポリフェノ
ールの集合体からなり、当該有用な天然由来のポリフェ
ノールを横並び的に一見して把握できるようにした飲料
製造用のポリフェノールパレット。 - 【請求項2】 有用な天然由来の複数種類のポリフェノ
ールの集合体からなり、当該有用な天然由来のポリフェ
ノールを横並び的に一見して把握できるようにした飲料
製造用のポリフェノールパレットから任意のポリフェノ
ールを選択して添加する方法。 - 【請求項3】 科を超えた有用な天然由来の複数種類の
ポリフェノールの集合体からなる有用な天然由来のポリ
フェノールを横並び的に一見して把握できるようにした
飲料製造用のポリフェノールパレットから任意の複数の
ポリフェノールを選択し、これらを組み合わせて果汁入
りスポーツ飲料に添加する方法。 - 【請求項4】 前記ポリフェノールは、レモン、リンゴ
及びブドウ種子から抽出したポリフェノールからなる群
より選ばれる2以上のものであることを特徴とする請求
項3記載の方法。 - 【請求項5】 有用な天然由来の複数種類のポリフェノ
ールの集合体からなり、当該有用な天然由来のポリフェ
ノールを横並び的に一見して把握できるようにした飲料
製造用のポリフェノールパレットから任意に選択したポ
リフェノールを果汁入りスポーツ飲料に添加することに
より、当該果汁入りスポーツ飲料のフレーバ耐久性及び
/又は静菌性についての機能を高める方法。 - 【請求項6】 果汁入りスポーツ飲料中の有用な天然由
来のポリフェノールの種類及び量を変更することによ
り、当該果汁入りスポーツ飲料のフレーバ耐久性及び/
又は静菌性についての機能を変更する方法。
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2000
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