JP3462480B2 - コンクリート構造物の損傷部の計測方法 - Google Patents

コンクリート構造物の損傷部の計測方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート橋梁
構造物等のコンクリート構造物の表面に発生した損傷部
の計測方法に関する。 【0002】 【従来の技術】既設のコンクリート構造物、たとえば橋
梁のコンクリート床版等は、年月を経るごとに風化、交
通量の増大、車輛の大型化等により、ひび割れ等の損傷
が生じる。損傷の著しいときは、通常、打ち替え等が行
われるが、表面のひび割れ程度の損傷に対しては、補
修、補強で対処するのが普通である。 【0003】補修、補強に当っては、その損傷箇所の正
確な情報が必要であり、損傷箇所の計測は必須である。 【0004】これまでにも損傷箇所の計測方法について
は相当数提案されているが、そのほとんどが予め写真撮
影したコンクリート構造物の表面の損傷箇所の画像を拡
大して、ひび割れ等の損傷箇所をデジタイザー上になぞ
り入力したり(特許第2542889号)、デジタル写
真上のひび割れ等の損傷箇所になぞり書き込むことによ
り、コンピューターに入力するものである。 【0005】これらの計測方法は、それぞれの評価はで
きるものの手入力によるため、入力者による人為的誤差
が生じるおそれがあり、また、手間がかかり時間を費や
す。 【0006】その他に、レーザー計測装置(特許第31
42182号)や赤外線カメラによる計測が提案されて
いるが、前者はレーザーのアンテナが大型のため使用範
囲が限られており、後者は赤外線を利用するためコンク
リート表面とその損傷部とに温度差を必要とする。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな損傷箇所を撮影した写真のひび割れ箇所をデジタイ
ザー上になぞり入力したり、デジタル写真上のひび割れ
になぞり込むことによる手入力による人為的誤差、作業
の非効率という課題を解決しようとするものである。 【0008】手入力による人為的誤差、作業の非効率と
いう課題を解決するための方法としては、まず、写真撮
影したコンクリート構造物の画像をなぞることなく、そ
のまま入力することが考えられる。しかしながら、その
まま入力した画像から直接にひび割れ等を検出するの
は、汚れなどのノイズが多くほとんど不可能である。 【0009】そこで、本発明では、以下述べる手段によ
り、上記課題を解決する。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決するため、コンクリート構造物の表面の損傷箇所
に沿って、白色のマーキングを施すとともにコンクリー
ト構造物の表面に保水剤を散布し、この表面の写真撮影
を行い、この写真撮影した画像をスキャナーでコンピュ
ーターに入力し、入力したラスターデータをベクトルデ
ータに変換し、このベクトルデータをキャド上で貼付
し、キャド機能で損傷箇所を計測することを特徴とする
コンクリート構造物の損傷部の計測方法を提供する。 【0011】 【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を図
面に基き説明する。 【0012】図1に示す表面にひび割れ2が発生したコ
ンクリート構造物の部分1において、まず、ひび割れ2
に沿って、白色のチョークで図2に示すようにマーキン
グ3を施す。4は表面に付着した汚れ等のノイズであ
る。マーキング後、コンクリートの表面に保水剤を添加
した水溶液を散布する。マーキング3の箇所とコンクリ
ート表面は濡れることにより図3に示すように白と黒の
コントラストを強調することができる。図2において、
マーキング3は白色に表れ、図3において、マーキング
3は白色、コンクリート1の表面は黒色に表れる。 【0013】ここで、マーキング材料と保水剤は、それ
ぞれ白と黒のコントラストを強調することのできるもの
であれば特に問わない。マーキング材料としては、炭酸
カルシウム製、石膏カルシウム製のチョーク、特にワッ
クスタイプのものが好ましい。蛍光顔料を含んだ石膏カ
ルシウム製の白チョークも好ましい。保水剤としては安
価なグリセリン水溶液が使用できる。 【0014】ひび割れ2に沿って、白のマーキング3を
施し、保水剤を散布した後は、ひび割れ2の発生してい
るコンクリート構造物の部分1を写真撮影する。 【0015】上記作業は、ひび割れ2が発生したコンク
リート構造物の部分が複数あるときや広範囲に亘ると
き、または必要によって部分ごとに行う。 【0016】写真撮影した画像は、スキャナーでコンピ
ューターに入力する。写真は銀塩、デジタルを問わな
い。ついで、図4に示すように入力したラスターデータ
をベクトルデータに変換し、図5に示すようにキャド上
で貼付し、表面にひび割れ2が発生したコンクリート構
造物の展開図5を作成する。実写したものと相対値を拡
大、縮小して調整する。なお、図4及び図5において、
数値化されたコンクリート部分及びひび割れについても
便宜上図1、図2、図3に示した同じ符号を用いた。 【0017】ついで、キャド機能を用いて、ひび割れ長
さやジャンカ面積等を測定する。 【0018】 【発明の効果】本発明は、上述のようにしてなるので、
つぎの効果を有する。 【0019】コンクリート構造物の表面の損傷箇所をマ
ーキング材料で白色にマーキングするとともにその表面
に保水剤を散布するので、コンクリート表面は白と黒の
コントラストを強調できる。 【0020】したがって、コンクリート表面を撮影した
画像をそのままコンピューターに入力することができる
ので、これまでのように撮影した画像をデジタイザー上
でなぞり入力したり、デジタル写真上のひび割れをなぞ
り書き込む作業は不要となり、手入力による人為的誤
差、作業の非効率化を解消することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】ひび割れが発生したコンクリート構造物の部分
の説明図である。 【図2】ひび割れに沿ってマーキングを施した説明図で
ある。 【図3】図2において、コンクリート表面に保水剤を散
布した説明図である。 【図4】表示されたベクトルデータを示す概略図であ
る。 【図5】表示されたひび割れ展開図を示す概略図であ
る。 【符号の説明】 1 表面にひび割れ2が発生した構造物の部分 2 ひび割れ 3 マーキング 4 ノイズ 5 展開図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 11/00 - 11/30 102 G01N 21/84 - 21/958 G01N 33/38 G06T 1/00 - 9/40 E01D 1/00 - 22/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コンクリート構造物の表面の損傷箇所に
    沿って、白色のマーキングを施すとともにコンクリート
    構造物の表面に保水剤を散布し、この表面の写真撮影を
    行い、この写真撮影した画像をスキャナーでコンピュー
    ターに入力し、入力したラスターデータをベクトルデー
    タに変換し、このベクトルデータをキャド上で貼付し、
    キャド機能で損傷箇所を計測することを特徴とするコン
    クリート構造物の損傷部の計測方法。
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