JP3461393B2 - 核磁気共鳴撮影装置 - Google Patents

核磁気共鳴撮影装置

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JP3461393B2
JP3461393B2 JP24117494A JP24117494A JP3461393B2 JP 3461393 B2 JP3461393 B2 JP 3461393B2 JP 24117494 A JP24117494 A JP 24117494A JP 24117494 A JP24117494 A JP 24117494A JP 3461393 B2 JP3461393 B2 JP 3461393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被検体中の水素や燐等
からの核磁気共鳴(以下、「NMR」という)を利用し
た核磁気共鳴撮影(MRI)装置に関し、特に刻々の体
内状態を映像化する方法(MRフロロスコピー)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】MRIは被検体中の水素や燐等からの核
磁気共鳴(以下、「NMR」という)信号を測定し、核
の密度分布や緩和時間分布等を映像化するもので、その
撮影対象としては、臨床で広く普及しているものとして
は被検体の主たる構成物質であるプロトンである。プロ
トン密度の空間分布や、励起状態の緩和現象の空間分布
を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態を
2次元または3次元で撮影する。このためMRIでは、
静磁場中に置かれた被検体に高周波磁場を印加し、被検
体の組織を構成する原子核スピンを励起し、スピンから
のNMR信号をエコー信号として検出する。この際、エ
コー信号に位置情報を与えるために傾斜磁場が印加され
る。
【0003】そして画像化のためには、傾斜磁場により
異なる位相エンコードを与え、それぞれの位相エンコー
ドの下で得られるエコー信号を検出する、位相エンコー
ドの数は通常1枚の画像あたり128、256、512等の値が
選ばれる。各エコー信号は通常128、256、512、1024個
のサンプリングデータからなる時系列信号として得られ
る。これらのデータを2次元フーリエ変換して1枚のM
R画像を作成する。
【0004】この傾斜磁場の印加方法、エコーの検出方
法、原子核への高周波磁場の与え方の組み合わせがパル
スシーケンスであり、種々のパルスシーケンスがある。
例えば、1回のスピンの励起で1つのエコーを計測し、
この計測を位相エンコード傾斜磁場の強度を変えながら
繰り返して1枚の画像に必要な信号を取得するスピンエ
コー法や、1回のスピンの励起で複数のエコーを計測す
るエコープレナー法(EPI)や高速グラディエント法
などのパルスシーケンスがある。スピンエコー法は偽像
がおきにくいという利点があり、EPIや高速グラディ
エント法は高速撮影が可能である。
【0005】更にこれら高速撮影が可能なEPIや高速
グラディエント法を用い、連続して撮影し、準動的に画
像を得るMRフロロスコピーが開発され、MRによる動
態計測の実用化に向け各種の技術検討がなされている。
このような被検体の経時的変化を追跡するダイナミック
スタディは、X線CTの分野では普通に行われている
が、MRIでは前述のように位相エンコード数ごとにエ
コーを計測することによって1枚の画像が得られるの
で、1枚の画像を得るために時間がかかり、時間分解能
を向上させることができなかった。例えば普通の撮影方
法では1回の撮影に数分程度、高速撮影法でも数秒程度
が必要である。
【0006】このため、時間的に隣接する画像間で位相
情報を共有し、MRフロロスコピーの撮影繰り返し時間
の短縮する方法が提案されている(特開平1−2184
36号公報)。そのデータ取得方法を図5に示す。ここ
では、1枚の画像に必要な信号を取得するためのスキャ
ンを複数(図中、3つ)のサイクルに分けると共に、各
サイクルに位相エンコードパルスのレベルを実質的に均
等に分配し、2つのサイクルのデータを時間的に隣接す
る画像(例えば501、502)間で共有するようにしてい
る。これにより、1枚の画像に必要な時間の1/3(1
/サイクル数)のサイクルで画像を更新することができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に高速
グラディエント法やEPIなどの高速撮影では、短時間
にたくさんのデータを計測する必要があるため通常の撮
影に比べS/Nが低い。S/Nを高くするためには、信
号計測を複数回行い結果を加算すればよいが、この場
合、画像取得の繰返しレートを高速にできなくなる。従
って、このような加算処理は、心臓のように動きの速い
部分では被検体の動きに追随できなくなってしまうた
め、直ちには適用することはできない。
【0008】本発明は上記従来の問題に鑑みなされたも
ので、MRIによるMRフロロスコピーを高時間分解能
且つ高S/Nで実現できる核磁気共鳴撮影装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の核磁気共鳴撮影装置は、静磁場中に置かれた被検体
に傾斜磁場と高周波磁場を印加する手段、前記被検体か
ら発生する磁気共鳴信号のエコーを検出する手段及び前
記エコーを用いて画像を計算する手段を備え、前記傾斜
磁場の一部で前記エコーに逐次異なる位相エンコードを
付与して複数個のエコーを検出し、これらの複数個のエ
コーの一部を逐次用いて連続的に画像を計算する核磁気
共鳴撮影装置において、新たに取得されたi+1枚目の
画像用として位相エンコードされたエコーセットの一部
を、それに対応するi枚目の画像用に位相エンコードさ
れたエコーセットの一部と比較し、両者が実質的に同一
であれば加算し、異なっていれば更新することによっ
て、i+1枚目の画像用のエコーセットの一部を確定
し、この確定されたi+1枚目の画像用のエコーセット
の一部とi枚目の画像用に位相エンコードされたエコー
セットの残りの部分とでi+1枚目の画像を計算するよ
うにしたものであり、このように順次エコーセットの一
部を更新或いは加算しながら、連続画像を得るものであ
る。
【0010】尚、i+1枚目の画像用のエコーセットは
その全部を新たに取得し、それをi枚目の画像用のエコ
ーセットの全部と比較するようにしてもよい。この場合
には比較の結果、両者が異なっていればエコーセット全
体を更新してi+1枚目の画像を計算し、両者が実質的
に同一であれば新たに取得されたi+1枚目の画像用の
エコーセットとi枚目の画像用のエコーセットとを加算
平均し、加算平均されたエコーセットからi+1枚目の
画像を計算する。
【0011】本発明の1態様によれば、エコーセットの
一部又は全部は、高周波磁場照射の後、傾斜磁場の極性
を反転させることにより、連続的に発生されるエコー列
を単位とする。またi枚目及びi+1枚目の画像用の各
エコーセットの一部又は全部を比較する場合、エコー列
を構成するエコーのうち、位相エンコード量の絶対値が
相対的に小さいエコーを用いて比較することができる。
【0012】
【作用】被検体に動きが無い場合は、信号が加算され画
質が向上する。被検体に動きがある場合には、信号が書
換えられるので、被検体の動きに追随した画像が得られ
る。特に1枚の画像を形成するのに用いられるエコーセ
ットの一部を、隣接する画像用のエコーセットの一部と
共有することにより、高時間分解能で上記効果が得られ
る。
【0013】エコーセットは、高周波磁場照射の後、傾
斜磁場の極性を反転させることにより、連続的に発生さ
れるエコー列を単位として取得することにより、高速で
取得することができ、時間分解能を高めることができ、
しかもエコー列は高周波成分及び低周波成分を含む均質
なデータであるので、画像の連続性が確保できる。また
位相エンコード量の絶対値が相対的に小さいエコーは、
一般に信号強度が大きいので、これらを比較することに
より、実質的に2つのエコーセットの部分の相関を取る
ことができる。これにより、エコー列全体を比較する場
合に比べ、計算の高速化を図ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の核磁気共鳴撮影方法を図面を
参照して説明する。図4は本発明が適用される典型的な
MRI装置の構成を示すもので、被検体101の周囲に
均一な静磁場を発生する磁石102と、磁石内の空間に
傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、この領域
に高周波磁場を発生するRFコイル104と、被検体1
01が発生するMR信号を検出するRFプローブ105
とを備えている。傾斜磁場コイル103は、X、Y、Z
の3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場電源1
09からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。
RFコイル104はRF送信部110の信号に応じて高
周波磁場を発生する。信号検出部106はRFプローブ
105のエコー信号を検出し、信号処理部107に送
る。信号処理部107は、検出した信号を信号処理し、
フーリエ変換等の計算により画像信号に変換する。画像
は表示部108で表示される。傾斜磁場電源109、R
F送信部110、信号検出部106は制御部111で所
定のパルスシーケンスに従って制御される。ベッド11
2は被検体が横たわるためのものである。
【0015】本発明の核磁気共鳴撮影方法では、位相エ
ンコード傾斜磁場でエコーに逐次異なる位相エンコード
を付与して複数個のエコーを検出し、これらの複数個の
エコーの一部を逐次用いて連続的に画像を計算する。こ
のための撮影パルスシーケンスの一実施例を図2に示
す。図中、RFは高周波磁場パルスの印加タイミング、
Gs、Ge、Grはそれぞれスライス方向、位相エンコ
ード方向、周波数エンコード(読み出し)方向の傾斜磁
場の印加タイミング、エコーはエコーの発生タイミン
グ、サンプリングはエコー信号のサンプリング時間を示
している。この撮影シーケンスは8分割したグラディエ
ントエコー型のEPIである。
【0016】ここでは、パルス状のRF磁場201をス
ライス傾斜磁場202を印加しながら照射し、特定スラ
イス内のスピンを励起した後、位相エンコード傾斜磁場
203を与える。さらに読みだし傾斜磁場205と20
6を印加すると、磁場強度と印加時間の積分値が0にな
った時点でエコー207が発生する。この後、極性が反
転する読み出し傾斜磁場206を連続して印加すると、
磁場強度と印加時間の積分値が0になる度にエコー20
7が発生する。即ち、読みだし傾斜磁場206の繰返し
数に一致する数のエコー207(2071、2071、2073・・
・)が発生する。この1回のスピンの励起後に得られる
一連のエコーをエコートレイン(エコー列)と呼び、各
エコーの間に位相エンコード傾斜磁場204を印加する
ことにより、各エコーが異なる値に位相エンコードされ
る。本実施例ではエコートレインは連続した32エコー
からなるものとする。各エコーの波形は、それぞれ51
2点でサンプリングされ、各々の位相エンコードのエコ
ー信号208が連続して得られる。
【0017】このようなエコー信号を取得するシーケン
ス(シーケンスブロック)209を、位相エンコード傾
斜磁場203の値を変えつつ、8回繰り返し、合計25
6個(=32×8)のエコー信号を取得し、1枚の画像
作成に必要な信号収集を完了する。1エコーは1〜2m
sである。1エコートレインの時間幅210は50ms
〜100msである。エコートレインの間隔(即ちシー
ケンスブロック209の時間幅)は、RF照射により励
起された核磁化が完全に緩和するのを待つため0.5か
ら2秒程度と長い。
【0018】この撮影シーケンスを公知の2次元位相エ
ンコード走査空間(kトラジェクトリ)で表示すると、
図3(a)のようになる。図3において横軸kxは読み
だし方向に対応し、縦軸kyは位相エンコードに対応す
る。図2のエコートレイン207は、k空間上をジグザ
グ状に走査するエコートレイン311、312(以下図
示せず)・・・318のいずれか1本に対応し、1本の
エコートレインは、折り返しの横線が32本であり、こ
れは図2のエコートレイン207のエコーの数に対応す
る。即ち、図2の第1のエコー2071は線3111に
対応し、第2のエコー2072は線3112に対応す
る。
【0019】線3111から線3112までの間に、異
なるエコートレイン311、312の第1エコーが線3
111を含め8本、均等に配置される。エコートレイン
の数(8本)は、図2の位相エンコード傾斜磁場203
のステップ数(8回)に対応し、位相エンコード傾斜磁
場203値を変えながら、図2のシーケンスブロック2
09を8回繰り返すことにより、8本のエコートレイン
が走査する。これらエコートレインは縦軸ky方向にわ
ずかにずれて走査し、このずれは、位相エンコード傾斜
磁場203のシーケンスブロック毎の変化量により決定
されている。
【0020】これら8本のエコートレインからなるエコ
ーセットにより1枚の画像が計算されるのであるが、本
発明においては、7本のエコートレインは時系列上1つ
前の画像の計算に用いたエコートレインのものを共有
し、残りの1本については新たに取得されたエコートレ
インと前の画像の対応するエコートレインとの比較の結
果に応じて加算或いは置き換えを行った上で、画像を計
算する。このような繰り返しにより連続的に画像を表示
する。
【0021】本発明による画像の計算方法の例を図1を
参照して更に詳細に説明する。まず、図2のシーケンス
ブロック209を位相エンコード傾斜磁場を1づつイン
クリメントしながら8回繰り返し、i枚目の画像用の信
号として8個のエコートレイン311、312・・・3
18を取得し画像計算が終ったものとする(ステップ
1)。このi枚目の画像は表示部に表示されている(ス
テップ2)。次にi+1枚目の第1のエコートレイン3
21を図3(b)のように撮影する(ステップ3)。こ
のエコートレイン321を先に取得したi枚目の画像用
のエコートレインのうち、同一の位相エンコードがなさ
れたエコートレイン311と比較する(ステップ4)。
比較は互いの相関を取り、相関値が一定値より小さい場
合には両者は異なり、一定値より大きい場合には両者は
実質的に同一であるとする。相関を取るデータ数は51
2×32=16384データである。
【0022】比較の結果、相関値が一定値よりも小さけ
れば、被検体に変化があったものとして、エコートレイ
ン321を新たなエコーとして取り込む(ステップ
5)。即ち、新たに取込まれたエコートレイン321と
i枚目の画像用の残りの7本のエコートレイン312〜
318とからi+1枚目の画像を計算し(ステップ
6)、画像を表示する(ステップ7)。
【0023】一方、2つのエコートレイン311、32
1の比較の結果、両者の相関値が一定値よりも大きけれ
ば、被検体の変化が無かったものとして、エコートレイ
ンの311と321の平均をとる(ステップ8)。平均
処理は単純な加算平均でもよいが、各エコートレインの
S/Nを考慮して加重平均を行ってもよい。例えば、エ
コートレイン311が既にi−1の画像のエコートレイ
ンと平均処理されている場合には、そのS/Nは1回の
測定結果であるエコートレイン321のS/Nに比べ高
いため、平均処理された回数に応じた重み付けを行うこ
とにより、最良のS/Nを得ることができる。
【0024】このように平均処理された結果をi+1枚
目の画像用の一部として(ステップ9)、これとi枚目
の画像用の残りの7本のエコートレイン312〜318
とからi+1枚目の画像を計算し(ステップ6)、画像
を表示する(ステップ7)。i+2枚目についても同様
に、図2のシーケンスブロック209を実行することに
よって、第2のエコートレイン(図3(b)の第1のエ
コートレイン321の次のエコートレイン)を撮影し、
このエコートレインをi+1枚目の画像用の第2のエコ
ートレイン(ここではi枚目の画像用の第2のエコート
レイン312と同じである)と比較し、相関が小さけれ
ば第2のエコートレインに関するデータを更新してi+
2枚目の画像を計算し、相関が大きければi+1枚目の
画像用の第2のエコートレインと加算平均処理した上で
i+2枚目の画像を計算する。このようにして、順次位
相エンコード203のエンコード量を変えながらシーケ
ンスブロック209を実行するとともに、その実行によ
って得られたエコートレインと既に取得されている対応
するエコートレインのデータとの比較を行い、更新或い
は加算平均の処理を行って、新たな画像を計算、表示す
る。
【0025】既に述べたようにシーケンスブロック20
9の間隔は0.5〜2秒程度であるので、この実施例で
はその1/8(62.5ms〜250ms)の時間分解
能で連続画像を表示することができる。尚、以上の実施
例では、2つのエコートレインを比較する際に、各エコ
ーについて取得された全データについて相関を取る場合
について述べたが、データの一部について相関を取るよ
うにしてもよい。例えば、エコートレインのうち、位相
エンコード量の絶対値が小さい領域のエコーはエンコー
ド量の絶対値が大きい領域よりも信号量が大きいことが
知られている。従って、エコートレインの比較を行う際
に、位相エンコード量が小さいエコーのみを用いて比較
してもよい。一例として、図2に示された32のエコー
207(2071〜20732)のうちエンコード量の絶対値が
小さく信号が大きいエコーは中心の3つのエコー(207
15、20716、20717)であるので、これら3エコーのみを相
関の計算に用いる。この結果、計算のためのデータ点数
は512×3=1536と大幅に少なくなり、計算の高
速化ができる。しかもこの実施例では、比較的信号の絶
対値が大きいエコーを使って比較するので比較データが
少なくとも、比較の精度は確保されている。本実施例に
よる判定の高速化はマルチスライス撮影や3次元撮影な
ど、多数のデータを並列して取得する撮影では大きなメ
リットである。
【0026】他の実施例としては、エコートレインの比
較において、エコートレイン中の全エコーを判定に用い
るが、大きい位相エンコード絶対値では、エコーピーク
近くのサンプリングデータだけを用い、小さい位相エン
コード絶対値では全サンプリングデータを用いることも
できる。具体的には、図2のエコー207のうち両端か
ら8番目までの16のエコー(2071〜2078、20725〜207
32)では、512のサンプリングデータのうち、中心の
128データのみを用いる。中央部の16のエコー(20
79〜20724)では512データを全て用いる。この実施
例では、計算点数は(512×16+128×16)=
10240で、前述の例ほどには少なくならないが、位
相エンコード量の大きいエコーが完全には除去されない
ため、このエンコードが実空間で対応する空間高周波成
分の時間変化も反映される。従ってこの実施例は、前記
2つの実施例の中間的計算速度と中間的精度になる。
【0027】以上、2つのエコートレインを比較する方
法として3つの異なる例を説明したが、ここで挙げた数
字は単なる例示であって、任意に変更できる。またこれ
ら、判定のための詳細な条件設定は、被検体の動きの激
しい場合と穏やかな場合で異なってくるので、連続撮影
時の信号変化の履歴を記憶しておき、これを参考にして
計算機内部で条件を学習してもよい。これによって、常
に最適な比較処理が実施できる。
【0028】また以上の実施例においては、位相エンコ
ードされた信号を比較する単位としてエコートレインを
選んで説明したが、本発明の方法において、比較の単位
はエコートレインに限定されるものではない。但し、1
つのエコートレインは高周波成分及び低周波成分のいず
れをも反映した実質的に均質なデータであり、連続画像
の連続性が確保されること、また次の理由から、それを
単位とすることが好適である。即ち、既に説明したよう
に1エコートレインの計測時間は50msから100m
sと短いが、エコートレインの間隔は0.5秒から2秒
と長い。従って、エコートレイン内の各エコーでの信号
の時間変動は小さいが、エコートレイン間の信号の時間
変動は大きくなる。従って、比較はエコートレイン単位
で行えば必要十分である。
【0029】また以上の説明において信号の比較は、計
測データに対して行ったが、各エコーを読みだし方向
(kx方向)にフーリエ変換を行ってから比較してもよ
い。この場合、i枚目の信号データとして、画像作成の
ためにフーリエ変換がなされたデータを使って比較でき
るので、別途計測データを残しておく必要が無くなり、
記憶容量が小さくて済む特長がある。
【0030】更に以上の実施例では8分割型のグラディ
エント型のEPIを例にとり説明したが、本発明は、分
割の仕方は8分割に限定されず、それより多く分割する
場合でも、少なく分割する場合でも、更にはワンショッ
ト(分割しない)のEPIにも適用できる。ワンショッ
トのEPIに適用した場合には、1回の計測で1枚の画
像に必要なエコーセットを1本のエコートレインとして
取得するので、i枚目の画像用のエコートレインとi+
1枚目の画像用のエコートレインとを比較し、両者が異
なれば新たに取得されたi+1枚目の画像用のエコート
レインによってi+1枚目の画像を計算し、両者が実質
的に同じであれば加算平均を行って、その結果によりi
+1枚目の画像を計算する。
【0031】また、本発明はk空間をスパイラル状に走
査するスパイラルスキャン(分割型を含む)にも適用で
きる。更に、RFパルス201の後に磁場の不均一性を
補正するための180度RFパルスを加えたスピンエコ
ー型EPIや、グラディエントエコー(GE)シーケン
ス、ファーストスピンエコータイプのGEシーケンスに
も適用できる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
の核磁気共鳴撮影装置によれば、1枚の画像に必要なエ
コーセットを取得するシーケンスを繰り返して連続する
画像を順次計算し、表示する際に、新たに取得された1
枚の画像用に位相エンコードされたエコーセットの一部
を、その直前の画像の対応するエコーセットの一部と比
較し、その結果により両者の加算平均を取るか或いは新
たに取得されたエコーセットの一部を採用して、画像を
計算するようにしたので、被検体に動きが無い場合は信
号が加算されることにより画質が向上し、被検体に動き
がある場合には、信号が書換えられるので、被検体の動
きに追随した画像が得られる。従って、MRフロロスコ
ピーの画質が時間分解能の低減を抑制しつつ達成でき
る。
【0033】特に1枚の画像に必要なエコーセットを取
得するシーケンスとしてEPI或いは分割型EPIを採
用し、その1回の計測で得られるエコー列を比較の単位
とするすることにより、高時間分解能で時間変動をよく
反映した連続画像を得ることができる。更に2つの画像
用のエコーセットの一部を比較するに際し、エコー列を
構成するエコーのうち、位相エンコード量の絶対値が相
対的に小さいエコーを用いた場合には、実質的な精度を
低下させることなく計算点数を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理手順の一実施例を示すフロー図。
【図2】本発明の一実施例を示すシーケンス図。
【図3】本発明の一実施例を示すkトラジェクトリ。
【図4】本発明の核磁気共鳴撮影方法が適用されるMR
I装置の概略構成図。
【図5】従来例のMRフロロスコピーを示す図。
【符号の説明】
201・・・・・・高周波磁場 203、204・・・・・・位相エンコード傾斜磁場 206・・・・・・読み出し傾斜磁場 207・・・・・・エコー 311、312、321・・・・・・エコートレイン(エコー
列)
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静磁場中に置かれた被検体に傾斜磁場と高
    周波磁場を印加する手段、前記被検体から発生する磁気
    共鳴信号のエコーを検出する手段及び前記エコーを用い
    て画像を計算する手段を備え、前記傾斜磁場の一部で前
    記エコーに逐次異なる位相エンコードを付与して複数個
    のエコーを検出し、これらの複数個のエコーの一部を逐
    次用いて連続的に画像を計算する核磁気共鳴撮影装置に
    おいて、 前記計算する手段は、1枚の画像用に位相エンコードさ
    れたエコーセットのうち新たに取得した複数個のエコー
    を直前に取得した同一位相エンコードのエコーと比較
    し、その結果に応じて、前記新たに取得した複数個のエ
    コーと直前に取得した同一位相エンコードのエコーとを
    加算平均するか、または前記直前に取得した同一位相エ
    ンコードのエコーを新たに取得したエコーで置換したエ
    コーを用いて、1枚の画像を計算することを特徴とする
    核磁気共鳴撮影装置。
  2. 【請求項2】前記計算する手段は、1枚の画像用に位相
    エンコードされたエコーセットを取得するステップを順
    次繰り返し、新たに取得されたエコーセットの1部又は
    全部と必要に応じて直前に取得されたエコーセットの1
    部とを用いて画像を計算するに際し、 i+1枚目(i=正の整数)の画像用に新たに取得され
    たエコーセットの一部又は全部を、i枚目の画像用のエ
    コーセットのうち新たに取得されたエコーセットの一部
    又は全部と同一の位相エンコードがなされたエコーセッ
    トの一部又は全部と比較するステップ(1)と、 両者が実質的に同一であれば、両者の加算平均を計算
    し、加算平均の結果をi+1枚目の画像用のエコーセッ
    トの一部又は全部とし、両者が実質的に異なっている場
    合は、i+1枚目の画像用に計測されたエコーセットの
    一部又は全部をそのままi+1枚目の画像用のエコーセ
    ットの一部又は全部とするステップ(2)と、 前記ステップ(2)において新たに確定されたi+1枚
    目の画像用のエコーセットの一部又は全部と、i+1枚
    目の画像を計算するために必要な残りのエコーセットの
    部分がある場合にはその部分としてi枚目の画像用の対
    応するエコーセットの一部とを用いて、i+1枚目の画
    像を計算するステップ(3)とを実行することを特徴と
    する請求項1記載の核磁気共鳴撮影装置。
  3. 【請求項3】前記エコーセットの一部又は全部は、高周
    波磁場照射の後、傾斜磁場の極性を反転させることによ
    り、連続的に発生されるエコー列を単位とすることを特
    徴とする請求項1または2記載の核磁気共鳴撮影装置。
  4. 【請求項4】 前記ステップ(1)におけるi枚目及びi
    +1枚目の画像用の各エコーセットの一部又は全部の比
    較は、エコー列を構成するエコーのうち、位相エンコー
    ド量の絶対値が相対的に小さいエコーを用いてなされる
    ことを特徴とする請求項2記載の核磁気共鳴撮影装置。
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