JP3460278B2 - 雑音低減処理方法 - Google Patents

雑音低減処理方法

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JP3460278B2 JP32834893A JP32834893A JP3460278B2 JP 3460278 B2 JP3460278 B2 JP 3460278B2 JP 32834893 A JP32834893 A JP 32834893A JP 32834893 A JP32834893 A JP 32834893A JP 3460278 B2 JP3460278 B2 JP 3460278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号に含まれる雑
音を低減する雑音低減処理方法に関し、特に例えばマイ
クロホンにより収音される音声信号に混入する雑音を低
減するための雑音低減処理装置に適用される雑音低減処
理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロホンを用いて収音した音声信号
に含まれる雑音成分を低減させる雑音低減処理方法に
は、種々の方法が知られているが、近年においては、適
応処理によるものが多くなっている。
【0003】この適応処理による雑音低減処理方法の一
例として、一対のマイクロホンを近接して設け、この一
対のマイクロホンの出力の間で減算を行うことにより雑
音を低減するものが知られている。この方法を適用した
雑音低減処理装置の一例について以下に説明する。
【0004】このような適応処理を用いた雑音低減処理
装置は、収音手段として、近接して設けられた一対のマ
イクロホンを有しており、マイクロホン出力には、音声
信号成分と、風雑音や周辺雑音等の雑音成分が含まれて
いる。これらの一対のマイクロホン出力の間で減算を行
い、一方のマイクロホンの出力を主要入力とし、他方の
マイクロホンの出力を参照入力として、これらの主要入
力及び参照入力を適応的に処理する。これは、参照入力
が主要入力の雑音成分に等しくなるように適応的に処理
され、この適応的に処理された参照入力が主要入力から
減算されることにより、主要入力の内、雑音成分のみが
キャンセルされ、音声信号成分のみが出力されるように
なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した雑
音低減処理装置においては、複雑な適応処理演算が必要
とされるため、計算量が増大し、プログラムが大きくな
ると共に、データ量が増加してメモリ消費量が増える。
また、マイクロホンを2本必要とするため、部品点数の
増加や取付スペースの増大が生じる。従って、装置の小
型化、低価格化が図れない。
【0006】なお、マイクロホンを1本だけ使用して雑
音低減処理を行う方法として、スペクトル減算によるも
のも知られているが、これにはフーリエ変換が必要とな
り、それなりの処理量が要求され、好ましくない。
【0007】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、余分なマイクロホンを不要とし、少ない
計算量で、さらに音声信号の音質を損なうことなく雑音
を低減できるような雑音低減処理方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る雑音低減処
理方法は、入力音声信号を所定長のフレーム単位で分割
して雑音低減処理を施す雑音低減処理方法において、上
記フレームに分割された入力音声信号のフレーム毎のパ
ワーを計算するフレームパワー計算工程と、上記フレー
ムパワー計算工程で計算されたフレームパワーが小とな
るに従って小さくなる係数を計算する係数計算工程と、
上記係数計算工程で計算された係数を上記入力音声信号
に乗算する乗算工程とを有する雑音低減処理方法であっ
て、上記乗算工程は、上記フレームパワー計算工程にて
計算したフレームパワーが第1の閾値以下である場合に
のみ上記係数を上記入力音声信号に乗算し、上記係数計
算工程は、上記フレームパワー計算工程にて計算された
フレームパワーが上記第1の閾値よりも小さい第2の閾
値以上となるとき上記フレームパワーが小となるに従っ
て小さくなる第1の係数を計算し、上記フレームパワー
が上記第2の閾値よりも小さくなるとき上記フレームパ
ワーに対する上記第1の係数よりも小さい値を持つ第2
の係数を計算することにより、上述の課題を解決する。
【0009】また、本発明に係る雑音低減処理方法は、
入力音声信号を所定長のフレーム単位で分割して雑音低
減処理を施す雑音低減処理方法において、上記フレーム
に分割された入力音声信号のフレーム毎のパワーを計算
するフレームパワー計算工程と、上記フレームパワー計
算工程で計算されたフレームパワーが小となるに従って
小さくなる係数を計算する係数計算工程と、上記係数計
算工程で計算された係数を上記入力音声信号に乗算する
乗算工程とを有する雑音低減処理方法であって、上記乗
算工程は、上記フレームパワー計算工程にて計算したフ
レームパワーが第1の閾値以下である場合にのみ上記係
数を上記入力音声信号に乗算し、上記係数計算工程は、
上記フレームパワー計算工程にて計算されたフレームパ
ワーが上記第1の閾値よりも小さい第2の閾値以上とな
るとき上記フレームパワーが小となるに従って小さくな
る第1の係数を計算し、上記フレームパワーが上記第2
の閾値よりも小さくなるとき上記フレームパワーに対す
る上記第1の係数よりも大きい値を持つ第2の係数を計
算することにより、上述の課題を解決する。
【0010】ここで、上記フレームパワー計算工程は上
記入力音声信号に対して高域強調された信号についての
フレーム毎のパワーを計算し、上記係数計算工程はこの
フレームパワーに応じて係数を計算し、上記乗算工程は
この係数を元の入力音声信号に乗算することが好まし
い。
【0011】
【0012】
【0013】
【作用】本発明に係る雑音低減処理方法は、フレームパ
ワー計算工程が計算した所定のフレームに分割された入
力音声信号のフレームパワーに対応する係数を係数計算
工程が計算し、乗算工程が該係数を入力音声信号に乗算
することによって、雑音を低減するので、適応処理演算
のように計算量が多くなることがなく、かつ、余分なマ
イクロホンが不要となる。
【0014】ここで、上記乗算工程は、上記フレームパ
ワーが第1の閾値以下である場合にのみ乗算処理を行う
ので、無駄な計算をなくすことができると共に、一般に
音声成分に比べてレベルの小さい雑音成分のみを低減す
ることができる。ここで、第1の閾値よりも小さい第2
の閾値を設定して、この第2の閾値を境として雑音抑圧
比としての上記係数を異ならせているため、用途に応じ
てより適切な雑音低減処理が実現できる。すなわち、フ
レームパワーが第2の閾値よりも小さくなる領域で雑音
抑圧比としての係数をより小さくすることにより、雑音
抑圧効果をより高めたり、フレームパワーが第2の閾値
よりも小さくなる領域で係数をより大きくすることによ
り、雑音低減処理をかけたときに生じる音声の不自然感
がより少なくなるようにしたりできる。
【0015】また、上記フレームパワー計算工程で計算
した現在フレームのパワーが前フレームのパワーに比べ
て低下したときには、係数計算工程で計算される係数の
変化に時定数を持たせるので、フレームパワーの変化に
よる処理音声の不連続性を防げる。
【0016】また、入力音声信号を低域と高域とに分割
して低域の信号に関してのみ雑音低減処理を施すことに
より、子音等が含まれる音声信号について、雑音と共に
子音が消えてなくなる現象を防ぐことができる。
【0017】また、高域が強調された音声信号を用いて
計算されたフレームパワーに基づいて係数を計算して、
この係数により雑音低減処理を施すことによっても、子
音が消える現象を防ぐことができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係る雑音
低減処理方法のいくつかの実施例について説明する。以
下の説明においては、これらの実施例の方法が適用され
た雑音低減処理装置として、例えば携帯用電話装置に組
み込まれるものを想定している。すなわち、例えば高雑
音環境下での携帯用電話装置の使用に際し、送話用のマ
イクロホンが音声と共に収音してしまう雑音を低減する
ための雑音低減処理装置に本発明の実施例に係る雑音低
減処理方法が適用される。本発明の実施例においては、
一般的に音声と雑音とを比較した場合に、雑音よりも音
声の方がレベルが大きいことを利用して雑音を低減して
いる。
【0019】先ず、図1は、本発明に係る雑音低減処理
方法の第1の実施例が適用された雑音低減処理装置を示
している。
【0020】この図1において、音声信号入力手段とし
てマイクロホン1を用いている。このマイクロホン1に
は、音声の他に、外部騒音や風雑音等の雑音が収音さ
れ、これが電気信号に変換される。
【0021】マイクロホン1からの入力信号は、アナロ
グ信号をディジタル信号に変換するアナログ/ディジタ
ル変換器であるA/D変換器2に供給される。このA/
D変換器2からの信号であるディジタル入力信号x(n)
は、図示しないフレーム分割手段によって例えば周期2
0msec のフレームに分割され、160サンプル毎にフ
レームパワー計算回路3及びノイズリデュース(雑音低
減)回路6に供給される。フレームパワー計算回路3
は、音声信号のフレーム毎のパワーとして、上記フレー
ム当りのディジタル入力信号x(n) の平均パワー、例え
ば自乗平均の平方根値、いわゆるrms値を計算する。
このフレームパワー計算回路3で計算されたフレーム平
均パワー値は、抑圧比計算回路4に供給される。抑圧比
計算回路4は、上記フレームパワー計算回路3で計算さ
れたフレーム平均パワーを用いて、雑音を抑圧するため
の係数である抑圧比を計算する。抑圧比計算回路4で計
算された抑圧比は、スムージング回路5に送られる。ス
ムージング回路5は、抑圧比計算回路4で計算された抑
圧比にスムージング処理を施す。このスムージング処理
とは、例えば20msec で160サンプルのフレーム単
位で分割された入力音声信号のつながりの不連続性を避
けるための処理である。このスムージング処理が施され
た抑圧比は、ノイズリデュース回路6に送られ、このノ
イズリデュース回路6においてA/D変換器2から供給
されたディジタル入力信号x(n) の雑音を除去するため
に用いられる。
【0022】フレームパワー計算回路3は、上記フレー
ム当りのディジタル入力信号x(n)の平均パワーを計算
する。この1フレームの例えば160サンプルの入力信
号の平均パワーrmsは、次の式で計算される。
【0023】
【数1】
【0024】この(1)式に基づいて計算された平均パ
ワーrmsは、抑圧比計算回路4に供給される。
【0025】抑圧比計算回路4は、平均パワーrms
と、ある閾値nr1とを比較し、その比較結果により、
抑圧比scale を計算する。すなわち、この抑圧比scale
は、上記平均パワーrmsが閾値nr1以上のとき1と
し、閾値nr1よりも小さいとき、 scale =rms/K ・・・ (2) ただし、Kは定数。この例の場合にはK=nr1。 とする。あるいは、全てのrmsについて(2)式を計
算し、その計算結果としての抑圧比scale が1よりも小
(scale <1)となる場合には、この(2)式で計算さ
れた抑圧比scale をディジタル入力信号x(n) に乗算す
る。これは、上記平均パワーrmsが上記閾値nr1よ
りも小となるフレームにおいては、ディジタル入力信号
x(n) に1よりも小さいゲインを乗算することを意味す
る。また、この(2)式の結果、抑圧比scale が1以上
(scale ≧1)となる場合には、ディジタル入力信号x
(n) には何も処理を施さずにそのまま出力する。これ
は、抑圧比scale が上記閾値となるフレームにおいて
は、ディジタル入力信号x(n) に1のゲインを乗算する
ことを意味する。従って、この閾値nr1を適切に選ぶ
ことにより、雑音部分のようなパワーの小さい部分では
ゲインが小さく制御されることになり、実質的に雑音低
減の効果が得られる。なお、上記(2)式を用いた場合
のノイズ抑圧の効果は、入力信号の平均パワーに対して
1/2倍となる。
【0026】この抑圧比計算回路4により計算された抑
圧比scale を上記ディジタル入力信号x(n) に乗算して
得られる出力信号のレベル変化を図2に示す。この図2
において、横軸に入力レベルを、縦軸に出力レベルをそ
れぞれdB(デシベル)表示で示している。横軸の閾値
nr1を境に、入力レベルである例えば上記rms値が
nr1以上となる領域では入力に対して一定ゲインの出
力が得られ、入力レベルがnr1よりも小となる領域で
は、入力レベルが低下するほどゲインが小さくなるよう
な、一種の伸張器あるいはエキスパンダの特性が得られ
る。
【0027】さらにノイズの抑圧を大きくしたい場合、
すなわちエキスパンダの伸張作用の強さを高めたい場合
には、抑圧比計算回路4における抑圧比scale の計算式
として、例えば次の(3)式を用いるようにすればよ
い。 scale =rms2 /K’ ・・・ (3) ただし、K’は定数。 このときのノイズ抑圧の効果は、入力信号の平均パワー
に対して1/4倍にすることができる。
【0028】ここで、上記閾値nr1(これを第1の閾
値とする。)よりも小さい第2の閾値nr2を設定し、
入力レベルである例えば上記rmsが、これらの第1の
閾値nr1よりも小で第2の閾値nr2以上(nr2≦
rms<nr1)のとき、上記(2)式による計算を行
って抑圧比scale を求め、上記rmsが上記第2の閾値
nr2よりも小(rms<nr2)のとき、上記(3)
式による計算を行って抑圧比scale を求めるようにする
ことができる。この場合の入出力の関係を図3に示す。
【0029】この図3の横軸、縦軸は上記図2の場合と
同様であり、入出力特性曲線は、入力レベルが上記2つ
の閾値nr1、nr2となる2点で折曲された折れ線と
して表れている。上記第2の閾値nr2よりも小となる
領域での乗算係数として上記(3)を計算して求められ
る抑圧比scale は、同じrmsに対して計算される上記
(2)式の抑圧比scale よりも小さい値を持ち、入力レ
ベルに対してより小さな出力レベルが得られる。
【0030】また、ノイズの抑圧がききすぎる場合や、
一定レベル以下をミュートする回路と組み合わせて使用
する場合等においては、上記閾値nr1(これを第1の
閾値とする。)よりも小さい第2の閾値nr2を設定
し、入力レベルがこの第2の閾値nr2よりも小さくな
る領域で、抑圧を小さく、すなわちエキスパンダの伸張
作用の強さを弱めることが好ましい。
【0031】図4は、このような第2の閾値nr2より
も小さい入力レベル領域でのノイズ抑圧作用を弱めた場
合の一例の入出力特性を示している。この図4の横軸、
縦軸も上記図2の場合と同様であり、入出力特性曲線
は、入力レベルが上記2つの閾値nr1、nr2となる
2点で折曲された折れ線として表れている。
【0032】図4の例では、図2のように入力レベルの
閾値nr1を境として入力レベルが小さくなるに従って
一段階で出力レベルを落としていたものを、一定減衰量
だけ落とした後に、特性曲線の傾きを元に戻して、第2
の閾値nr2から下の信号は同じ減衰量になるようにし
て、ノイズ低減処理を施したときに生じる音声の不自然
感がより少なくなるようにしている。すなわち、入力レ
ベルが上記第2の閾値nr2より小の領域においては、
上記抑圧比scale として、nr2/nr1のような上記
rmsの値に依らない一定の固定値を用い、これを入力
信号に乗算することにより、一定減衰量の出力信号を得
るようにしている。
【0033】この場合、入力レベルが上記第2の閾値n
r2よりも小となる領域での乗算係数として求められる
抑圧比scale (=nr2/nr1)は、同じrmsに対
して計算される上記(2)式の抑圧比scale よりも大き
い値を持ち、入力レベルに対してより大きな出力レベル
が得られる。
【0034】ところで、入力された信号に対して音声と
雑音とを区別して処理しているわけではないので、子音
等の音声パワーが相対的に小さいところで音声が無くな
る傾向がある。これは、特に強くノイズリデュースをか
けたときにこの現象が顕著に現れ、音声の種類によって
はかなりの違和感を感じる。従って、フレーム平均パワ
ーに対して、どの程度の強さでノイズリデュースをかけ
るか、またどのくらいの大きさからかけるかの検討が必
要になってくる。上記図4の例では、ノイズリデュース
の強さを入力レベルに応じて2段階に変化させることで
このような現象を防いでいる。
【0035】また、上記のような処理をフレーム単位で
行うと、フレームでの音声のつながりが不連続になり、
聞いたときに不自然感を感じてしまう。
【0036】これらのことを考慮して、上記抑圧比scal
e に対してアタックタイム、リカバリタイムを設定し、
例えばフレーム単位のスムージングを行うことにより、
上記不自然感が出ないようにすることが考えられる。
【0037】すなわち、図1の構成からも明らかなよう
に、抑圧比計算回路4で計算して求められた抑圧比scal
e は、一旦スムージング回路5によるスムージング処理
を施した後、ノイズリデュース回路6に送るようにして
いる。
【0038】このスムージング回路5は、上述したよう
なノイズ低減処理において生じる問題を解決するために
設けられたものであり、上記アタックタイム、リカバリ
タイムを設定している。この実施例では、アタックタイ
ムを“0”とし、リカバリータイムは可変ができるよう
にしている。
【0039】すなわち、計算した現在のフレームの音声
パワーが前のフレームより大きいときにはその値をその
まま使い、逆に、小さい場合は次の(4)式で特性を示
されるローパスフィルタ(LPF)によりスムージング
を行い、フレームパワーの変化による処理音声の不自然
感が出ないようにする。
【0040】
【数2】
【0041】この(4)式の係数 Scale_flt1,Scale
_flt2 の割合を変えることによりリカバリータイムを
変更することができる。アタック、リカバリーの処理を
加えた場合、音声信号がどのように変化するかを図5の
破線に示す。この図5において、横軸には時間が、縦軸
には振幅がとられているが、上記(4)式によりスムー
ジング処理を行うと、実線で示されている音声信号の変
化を破線で示すような滑らかな変化にすることができ
る。このスムージング回路5によって、フレームパワー
の変化による処理音声の不自然感が補正されたscale
は、ノイズリデュース回路6に供給される。
【0042】ノイズリデュース回路6は、A/D変換器
2から供給されたディジタル入力信号x(n) にスムージ
ング回路5を介したscale を乗算して、入力信号x(n)
の雑音低減処理を行い、雑音が低減された出力信号を出
力端子7から出力している。
【0043】したがって、この第1実施例に係る雑音低
減処理装置は、少ない計算量で雑音低減処理を行うこと
ができる。
【0044】次に、第2実施例に係る雑音低減処理装置
について、図6を参照しながら説明する。ここで、第1
実施例と同様の部分については、図1と同様の符号を用
いて説明を省略する。
【0045】この第2実施例に係る雑音低減処理装置
が、上記第1実施例に係る雑音低減処理装置と異なるの
は、A/D変換器2からのディジタル入力信号x(n) を
低周波帯域と高周波帯域に分けて処理する点である。す
なわち、ローパスフィルタ11と、ハイパスフィルタ1
2とを並列にA/D変換器2の後段に接続し、該ローパ
スフィルタ11でディジタル入力信号x(n) の低周波帯
域を通過させ、該ハイパスフィルタ12でディジタル入
力信号x(n) の高周波帯域を通過させ、該低周波帯域の
みに関して雑音低減処理を施し、該高周波帯域について
は施さないようにしている。これは、高周波帯域には、
母音に比較してパワーの小さい子音も多く含まれてお
り、この高周波帯域に雑音低減処理を施した場合、子音
までも抑圧されてしまい、違和感のある音声を出力して
しまうのを防ぐためである。
【0046】ローパスフィルタ11のフィルタ出力をy
(n)L とすると、このフィルタ出力y(n)L は、
【0047】
【数3】
【0048】となる。また、ハイパスフィルタ12のフ
ィルタ出力y(n)H は、
【0049】
【数4】
【0050】となる。ローパスフィルタ11からのフィ
ルタ出力y(n)Lは、上記図1に示したと同様のフレ
ームパワー計算回路3及びノイズリデュース回路6に供
給される。すなわち、フレームパワー計算回路3は、上
記(1)式のx(n) の代わりに、ローパスフィルタ11
のフィルタ出力y(n)L を用いてフレーム平均パワー
rmsを計算している。
【0051】このフレームパワー計算回路3で計算され
たフレーム平均パワーrmsは、抑圧比計算回路4に供
給され、上記(2)式と同様に抑圧比scale の計算に用
いられる。この抑圧比計算回路4でのscale の計算の説
明は、ここでは省略する。
【0052】抑圧比計算回路4が計算したscale は、ス
ムージング回路5に供給される。このスムージング回路
5も上記第1実施例の場合と同様にscale の値に対して
アタックタイム、リカバリータイムを設定し、フレーム
単位でのスムージングを行うことにより不自然感が出な
いようにしている。このスムージング回路5での処理に
ついては、上記第1の実施例と同様であるため説明を省
略する。
【0053】そして、このスムージング回路5によっ
て、フレームパワーの変化による処理音声の不自然感が
補正されたscale は、ノイズリデュース回路6に供給さ
れる。ノイズリデュース回路6は、ローパスフィルタ1
1から供給されたフィルタ出力y(n)にスムージング
回路5を介したscale を乗算して、入力信号x(n)の
低域成分であるフィルタ出力y(n)L に雑音低減処理
を行う。この雑音が低減された出力信号Y(n)L は、
加算回路13に供給される。
【0054】一方、この加算回路13には、上記ハイパ
スフィルタ12からのフィルタ出力y(n)H も供給さ
れる。この加算回路13は、雑音が低減されたフィルタ
出力信号Y(n)L と、雑音低減処理が施されないフィ
ルタ出力をy(n)H とを加算して、ローパスフィルタ
14に出力する。
【0055】このローパスフィルタ14は、上記加算回
路13から供給される加算出力(Y(n)L +y(n)
H )が、雑音低減処理されないフィルタ出力のため、高
域成分の音が目だつ音となるのを防止するフィルタであ
る。具体的に、このローパスフィルタ14の伝達関数H
(Z)は、
【0056】
【数5】
【0057】となる。ここでαは定数であり、αを変え
ることでローパスフィルタ14の特性が変化するが、特
性曲線は概略図7に示すような形状を有している。この
図7は周波数を横軸に、減衰量を縦軸にとっている。そ
して、このローパスフィルタ14は、高域成分をフィル
タリングにより抑えた出力信号、すなわち、雑音が低減
された出力信号を出力端子15から出力する。
【0058】以上より、この第2実施例は、子音部を雑
音と一緒に低減することがなく、かつ高音ばかりを強調
することがなく、高音質の処理音声を少ない計算量で提
供することができる。
【0059】次に、第3実施例に係る雑音低減処理装置
について、図8を参照しながら説明する。ここでも、第
1実施例と同様の部分については、図1と同様の符号を
用いて説明を省略する。
【0060】この第3実施例に係る雑音低減処理装置
が、上記第1実施例に係る雑音低減処理と異なるのは、
A/D変換器2からのディジタル入力信号x(n) を一度
高域強調している点である。すなわち、A/D変換器2
とフレームパワー計算回路3の間に高域強調フィルタ2
1を挿入し、高域強調を行い、高域のエネルギーが大き
くなるような子音等では、雑音低減処理を弱く施すよう
にする。
【0061】この高域強調フィルタ21のフィルタ出力
をy(n) とすると、このフィルタ出力y(n) は、 y(n) =2x(n) −x(n-1) となる。
【0062】このフィルタ出力y(n) を上記(1)式の
x(n) の代わりに用い、フレームパワー計算回路3がフ
レームパワーrmsを計算する。
【0063】このフレームパワー計算回路3で計算され
たフレームパワーrmsは、抑圧比計算回路4に供給さ
れ、上記(2)式と同様に抑圧比scale の計算に用いら
れる。この抑圧比計算回路4でのscale の計算の説明
は、ここでは省略する。
【0064】抑圧比計算回路4が計算したscale は、ス
ムージング回路5に供給される。このスムージング回路
5も上記第1実施例の場合と同様にscale の値に対して
アタックタイム、リカバリータイムを設定し、フレーム
単位でのスムージングを行うことにより不自然感が出な
いようにしている。このスムージング回路5での処理に
ついては、上述した第1の実施例と同様であるため説明
を省略する。
【0065】そして、このスムージング回路5によっ
て、フレームパワーの変化による処理音声の不自然感が
補正されたscale は、ノイズリデュース回路6に供給さ
れる。
【0066】ノイズリデュース回路6は、A/D変換器
2から供給されたディジタル入力信号x(n) 、すなわち
上記高域強調が施されていない元の入力信号に、スムー
ジング回路5を介して得られたscale を乗算して、入力
信号x(n) の雑音低減処理を行い、雑音が低減された出
力信号を出力端子7から出力する。
【0067】したがって、この第3実施例に係る雑音低
減処理装置は、高域強調をしてから雑音低減処理をして
いるので、子音部等には雑音低減処理を弱くかけられ、
処理音声を高音質で少ない計算量で提供することができ
る。
【0068】なお、本発明に係る雑音低減処理装置は、
上記第1、第2及び第3実施例にのみ限定されるもので
ないことはいうまでもない。また、その適用範囲は、携
帯用電話装置に限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】本発明に係る雑音低減処理方法は、入力
音声信号を所定長のフレーム単位で分割して雑音低減処
理を施す雑音低減処理方法において、上記フレームに分
割された入力音声信号のフレーム毎のパワーを計算する
フレームパワー計算工程と、上記フレームパワー計算工
程で計算されたフレームパワーが小となるに従って小さ
くなるような雑音抑圧比としての係数を計算する係数計
算工程と、上記係数計算工程で計算された係数を上記入
力音声信号に乗算する乗算工程とを有するので、適応処
理演算のように計算量が多くなることがなく、かつ、余
分なマイクロホンが不要となる。従って、本発明の雑音
低減処理方法を適用した雑音低減処理装置は、メモリ消
費量が大きくなく、小型化、低価格化を実現できる。
【0070】ここで、上記乗算工程として、上記フレー
ムパワーが第1の閾値以下である場合にのみ乗算処理を
行うことにより、無駄な計算をなくすことができると共
に、一般に音声成分に比べてレベルの小さい雑音成分の
みを低減することができる。ここで、第1の閾値よりも
小さい第2の閾値を設定して、この第2の閾値を境とし
て雑音抑圧比としての上記係数を異ならせることによ
り、用途に応じてより適切な雑音低減処理が実現でき
る。すなわち、フレームパワーが第2の閾値よりも小さ
くなる領域で雑音抑圧比としての係数をより小さくする
ことにより、雑音抑圧効果をより高めたり、フレームパ
ワーが第2の閾値よりも小さくなる領域で係数をより大
きくすることにより、雑音低減処理をかけたときに生じ
る音声の不自然感がより少なくなるようにしたりでき
る。
【0071】また、上記フレームパワー計算工程で計算
した現在フレームのパワーが前フレームのパワーに比べ
て低下したときに、係数計算工程で計算される係数の変
化に時定数を持たせることにより、フレームパワーの変
化による処理音声の不連続性を防げる。
【0072】また、入力音声信号を低域と高域とに分割
して低域の信号に関してのみ雑音低減処理を施すことに
より、子音等が含まれる音声信号について、雑音と共に
子音が消えてなくなる現象を防ぐことができ、違和感を
与えるような処理音声の音質の劣化を防ぐことができ
る。
【0073】また、高域が強調された入力音声信号に基
づいて上記フレームパワー計算及び上記係数計算を行っ
て雑音低減処理を施すことによっても、子音が消える現
象を防ぐことができる。これは、高域のエネルギーが大
きくなる子音部等で雑音低減処理を弱くかけることにな
るからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る雑音低減処理装置の
ブロック回路図である。
【図2】第1実施例に係る雑音低減処理装置の抑圧比計
算回路による処理を加えたときの入力信号と出力信号と
の関係の一例を示す特性図である。
【図3】第1実施例に係る雑音低減処理装置の抑圧比計
算回路による処理を加えたときの入力信号と出力信号と
の関係の他の例を示す特性図である。
【図4】第1実施例に係る雑音低減処理装置の抑圧比計
算回路による処理を加えたときの入力信号と出力信号と
の関係のさらに他の例を示す特性図である。
【図5】第1実施例に係る雑音低減処理装置のスムージ
ング処理回路による処理を説明するための特性図であ
る。
【図6】本発明の第2実施例に係る雑音低減処理装置の
ブロック回路図である。
【図7】第2実施例に係る雑音低減処理装置のローパス
フィルタ14の特性図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る雑音低減処理装置の
ブロック回路図である。
【符号の説明】
1・・・・・マイクロホン 2・・・・・アナログ/ディジタル(A/D)変換器 3・・・・・フレームパワー計算回路 4・・・・・抑圧比計算回路 5・・・・・スムージング回路 6・・・・・ノイズリデュース回路 11・・・・・ローパスフィルタ 12・・・・・ハイパスフィルタ 13・・・・・加算回路 14・・・・・ローパスフィルタ 21・・・・・高域強調回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 1/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力音声信号を所定長のフレーム単位で
    分割して雑音低減処理を施す雑音低減処理方法におい
    て、上記フレームに分割された入力音声信号のフレーム
    毎のパワーを計算するフレームパワー計算工程と、上記
    フレームパワー計算工程で計算されたフレームパワーが
    小となるに従って小さくなる係数を計算する係数計算工
    程と、上記係数計算工程で計算された係数を上記入力音
    声信号に乗算する乗算工程とを有する雑音低減処理方法
    であって、 上記乗算工程は、上記フレームパワー計算工程にて計算
    したフレームパワーが第1の閾値以下である場合にのみ
    上記係数を上記入力音声信号に乗算し、 上記係数計算工程は、上記フレームパワー計算工程にて
    計算されたフレームパワーが上記第1の閾値よりも小さ
    い第2の閾値以上となるとき上記フレームパワーが小と
    なるに従って小さくなる第1の係数を計算し、上記フレ
    ームパワーが上記第2の閾値よりも小さくなるとき上記
    フレームパワーに対する上記第1の係数よりも小さい値
    を持つ第2の係数を計算する ことを特徴とする雑音低減
    処理方法。
  2. 【請求項2】 上記フレームパワー計算工程は上記入力
    音声信号に対して高域強調された信号についてのフレー
    ム毎のパワーを計算し、上記係数計算工程はこのフレー
    ムパワーに応じて係数を計算し、上記乗算工程はこの係
    数を元の入力音声信号に乗算することを特徴とする請求
    項1記載の雑音低減処理方法。
  3. 【請求項3】 入力音声信号を所定長のフレーム単位で
    分割して雑音低減処理を施す雑音低減処理方法におい
    て、上記フレームに分割された入力音声信号のフレーム
    毎のパワーを計算するフレームパワー計算工程と、上記
    フレームパワー計算工程で計算されたフレームパワーが
    小となるに従って小さくなる係数を計算する係数計算工
    程と、上記係数計算工程で計算された係数を上記入力音
    声信号に乗算する乗算工程とを有する雑音低減処理方法
    であって、 上記乗算工程は、上記フレームパワー計算工程にて計算
    したフレームパワーが第1の閾値以下である場合にのみ
    上記係数を上記入力音声信号に乗算し、 上記係数計算工程は、上記フレームパワー計算工程にて
    計算されたフレームパワーが上記第1の閾値よりも小さ
    い第2の閾値以上となるとき上記フレームパワ ーが小と
    なるに従って小さくなる第1の係数を計算し、上記フレ
    ームパワーが上記第2の閾値よりも小さくなるとき上記
    フレームパワーに対する上記第1の係数よりも大きい値
    を持つ第2の係数を計算する ことを特徴とする雑音低減
    処理方法。
  4. 【請求項4】 上記フレームパワー計算工程は上記入力
    音声信号に対して高域強調された信号についてのフレー
    ム毎のパワーを計算し、上記係数計算工程はこのフレー
    ムパワーに応じて係数を計算し、上記乗算工程はこの係
    数を元の入力音声信号に乗算することを特徴とする請求
    項3記載の雑音低減処理方法。
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