JP3454255B2 - 磁場遮蔽装置 - Google Patents

磁場遮蔽装置

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JP3454255B2 JP2001086629A JP2001086629A JP3454255B2 JP 3454255 B2 JP3454255 B2 JP 3454255B2 JP 2001086629 A JP2001086629 A JP 2001086629A JP 2001086629 A JP2001086629 A JP 2001086629A JP 3454255 B2 JP3454255 B2 JP 3454255B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,検査対象から発生
する磁場を,高感度な量子干渉素子(SQUID:super
conducting quantum interference device)からなる複
数の磁束計を用いて計測するための磁場遮蔽装置,及
び,これを用いる磁場計測方法,磁場計測装置に関す
る。本発明は,特に,生体の心臓の心筋活動等により発
生する生体磁場を計測するための磁場遮蔽装置,及び,
これを用いる生体磁場計測方法,生体磁場計測装置に関
する。 【0002】 【従来技術】径の異なる複数の円筒形シールドを順次同
芯状に配置し,各円筒形シールドの間に間隙を形成した
磁気シールドが報告されている(従来技術1:特開平9
−214166号公報)。 【0003】従来技術1に記載の技術では,厚さ0.1
mm〜0.5mm,幅20cm〜50cmのテープ状の
パーマロイからなる磁気シールド材を用い,軽量なプラ
スチック円筒を芯として磁気シールド材をスパイラル状
に巻きつけ,隙間なく重ね合わせたオーバーラップ部の
幅を5cm〜10cmとって円筒形に形成されている。
オーバーラップ部は,実質的に2層〜5層となり,その
厚みの合計が0.5mm〜3mm程度となるようなスパ
イラル状に巻きつけられている。また,オーバーラップ
部には,周方向の長さで30cm間隔にリベットが設け
られ,締め付け固定され,オーバーラップ部の接着面
は,金属と金属の接触となっている。 【0004】なお,従来技術1には,従来の技術とし
て,Ni−Fe系の高透磁率の合金材料であるパーマロ
イの板を多数枚用いてプレハブ部屋のようなシールドル
ームを製作するの記載があり,この従来技術には,磁気
シールドの製作に長時間を要し,部品点数が多く,磁気
シールドが非常に高価になるという問題があり,生体磁
気計測機器の価格で磁気シールドの占める割合は大き
く,磁気シールドの低価格化が望まれているとの記載が
ある。 【0005】パーマロイの板の代わりに,磁気シールド
材として,軟磁性アモルファス合金の膜とポリマーフィ
ルムとを貼り合わせた磁気シールドシートを用いて,軽
量なシールドルームを製作することが報告されている
(従来技術2:特開平2000−077890号公
報)。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】パーマロイの板を組合
せてシールドルームを製作する従来技術,従来技術1で
は,加工後のパーマロイの焼鈍処理を必要とするという
問題,広い面積を必要とするという問題,シールドルー
ムの重量が大きくシールドルームを設置する場所に制限
があるという問題,シールドルームが高価格となるとい
う問題等があった。 従来技術2では,パーマロイの板
を組合せてシールドルームを製作する従来技術1より
も,シールドルームの重量が軽量化され,低価格化が実
現できるが,広い面積を必要とするという問題は解決さ
れておらず,シールドルームのより軽量化,より低価格
化が望まれていた。 【0007】本発明の目的は,高透磁率を持つ高透磁率
シートを用いて,軽量,小型の高性能な磁場遮蔽装置を
低コストで提供し,検査対象,特に,生体から発生する
磁場を計測するための磁場計測方法,磁場計測装置を提
供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の代表的な磁場計
測装置は,外来磁場の第1の方向に垂直な方向の成分が
遮蔽される磁場遮蔽装置と,検査対象から発生する磁場
の第1の方向に垂直な方向の成分を検出する複数のSQ
UID磁束計を低温に保持するクライオスタット,クラ
イオスタットを保持する装置と,SQUID磁束計を駆
動し,SQUID磁束計からの信号を検出する駆動検出
回路と,駆動検出回路の出力を収集し演算処理を行なう
演算処理装置と,演算処理装置の出力を表示する表示装
置とから構成される。 【0009】本発明の磁場遮蔽装置は,中空部をもつ非
磁性の複数の筒形部材が第1の方向の軸を同心状に囲み
配置され形成される。各筒形部材の面(内面又は/及び
外面)に,高透磁率を持つ高透磁率シートの複数枚が,
相互に一部分が重複するように貼付して配置される。 【0010】最も内側に配置される筒形部材は,第1の
方向の一端に第1の開口を,第1の方向の他端に第2の
開口を持っている。第1の方向の軸に垂直な方向で複数
の筒形部材を貫通する第3の開口が形成されている。最
も内側に配置される筒形部材の内側の空間で,外来磁場
の第1の方向に垂直な方向の成分が遮蔽される。最も内
側に配置される筒形部材の内側の空間に,検査対象が生
体である場合には,検査対象部位の体軸方向を第1の方
向の軸にほぼ平行にして生体(被験者)を搭載する生体
搭載装置(ベッド,椅子)が配置される。 【0011】クライオスタットの一部が第3の開口に挿
入され,クライオスタットの底面が内側の空間に配置さ
れる。第3の開口の直径を,クライオスタットの底面の
直径よりも小さくして,クライオスタットの径が小さい
部分を第3の開口に挿入する構成により,第3の開口の
直径を大きくする必要がないので,外来磁場の磁場遮蔽
率を向上させることができる。第3の開口は,検査対象
が生体である場合には,生体(被験者)の胸面,又は,
背面に対向し,クライオスタットの底面は,生体の胸
面,又は,背面に対向して上記内側の空間に配置されて
いる。 【0012】クライオスタットの底面と検査対象の表面
との位置関係は位置調整装置により調整され,第1の方
向に垂直な方向で位置関係が調整される。位置調整装置
は,第1の方向に垂直な第2の方向で,クライオスタッ
トの位置,又は検査対象を搭載する搭載装置の位置を変
化させることができる。更に,位置調整装置は,第1及
び第2の方向に垂直な第3の方向,及び第1の方向で,
搭載装置の位置を変化させることができる。 【0013】更に,磁場遮蔽装置には,第1の方向の軸
に垂直な方向で各筒形部材を貫通する第4の開口が形成
されており,検査対象が生体である場合には,第4の開
口は被験者の視野内にあり,開放感を被験者に与えてい
る。 【0014】 【実施の形態】以下の説明では,検査対象として,代表
的な例として生体の心臓を対象として説明する。本発明
は,生体の心臓に限定されるものではなく,例えば,一
般の検査対象に含まれる磁性体の有無,磁性体の分布の
検査にも適用できることは言うまでもない。本発明の装
置の構成は大きな面積を必要としないので,例えば,磁
性体を含む危険物の検査装置として使用でき,飛行場,
港等での手荷物の検査にも適用可能である。 【0015】本発明の磁場遮蔽装置では,非晶質又は多
結晶質から構成される高透磁率の磁性材料の薄層を含
み,柔軟性と薄い厚さを持つ複数の高透磁率シート,あ
るいは,Niを含む合金から構成される高透磁率の磁性
材料を使用した複数の高透磁率シートが使用される。本
発明で使用される高透磁率シートはフレキシブルであ
る。 【0016】複数の高透磁率シートは,中空部をもつ非
磁性の2個から5個の筒形部材に高透磁率シートの一部
分が重複して配置されている。複数の筒形部材は,第1
の方向の軸を同心状に囲むように相互に固定され配置さ
れる。高透磁率シートには,磁性材料が配置される領域
が,非磁性の保持シート(例えば,紙,高分子フィル
ム,金属フィルム)の間に挟まれて短冊の形状に形成さ
れ,複数の短冊は隣接する短冊の長辺で重複し,更に,
複数の短冊の長辺がほぼ平行に配列されている。 【0017】各高透磁率シートの複数の短冊の短辺は,
第1の方向の軸にほぼ平行に配置され,高透磁率シート
が複数の各筒形部材の面(内面又は/及び外面)に,各
高透磁率シートの複数の短冊の長辺が第1の方向の軸を
内側に取り囲むように貼付され,保持されている。この
ような短冊の形状を持つ磁性材料が配置される複数の領
域を配置することにより,外来磁場の磁場遮蔽率を向上
させている。 【0018】最も内側に配置される筒形部材には,第1
の方向の一端に第1の開口が,第1の方向の他端に第2
の開口が形成されている。第1の方向の軸に垂直な方向
で複数の筒形部材を貫通し,複数のSQUID磁束計を
低温に保持するクライオスタットが挿入される第3の開
口が形成されている。最も内側に配置される筒形部材の
内側の空間で,外来磁場の第1の方向に垂直な方向の成
分が遮蔽される。 【0019】複数の筒形部材の第1の方向の軸に垂直な
断面のより好ましい形状は,外来磁場の磁場遮蔽率を向
上させる観点から,対称性が高い形状がより好ましく円
とするが,円を第1の方向の軸に垂直な方向に,例え
ば,円の直径の約10%だけ押しつぶした形状でも良
い。 【0020】最も内側に配置される筒形部材の第1の方
向の軸に垂直な断面のより好ましい形状は,直径が約5
0cm以上約200cm以下の円であり,最も内側に配
置される筒形部材の内部に挿入される被験者に圧迫感を
与えないようにする。小児を専用に検査する装置の場合
には,もっと間も内側に配置される円筒部材の内径は約
50cmであれば良く,小児,大柄な大人を検査対象と
する装置の場合には,もっと間も内側に配置される円筒
部材の内径は約50cmであれば良い。 【0021】複数の非磁性の筒形部材として,磁場遮蔽
装置の製作,コストの観点から,厚さ0.5mmから1
mmをもつ,FRPの中空円筒,アルミニウムの中空円
筒を使用するのがより好ましい。 【0022】外来磁場の第1の方向に垂直な方向の成分
が遮蔽される,最も内側に配置される筒形部材の内側の
空間に,以下に示す3つの何れかの態様で被験者が楽な
状態で置かれ,生体磁場を検出しようとする被験者の部
位の体軸方向が第1の方向の軸にほぼ平行となるように
して,例えば,被験者の胸部,腹部内の胎児等から発生
する生体磁場が検出される。 (1)第1の方向の軸を床面に対してほぼ水平とする場
合には,被験者が横たわるベッドが,ほぼ水平の状態
で,最も内側に配置される筒形部材の内部に配置され
る。 (2)第1の方向の軸を床面に対してほぼ垂直とする場
合には,被験者は椅子に座っている状態で,最も内側に
配置される筒形部材の内部に配置される。 (3)第1の方向の軸を水平面に対して角度が20度以
上30度以下で傾斜させた場合には,被験者が横たわる
ベッドを傾斜させた状態で,あるいは,被験者が座って
いる椅子の背持たれの角度を傾斜させた状態で,最も内
側に配置される筒形部材の内部に配置される。 【0023】第3の開口及び/又は第4の開口は,以下
の3つの何れかの態様で形成される。(1)各筒形部材
に穴が開けられており,複数の筒形部材を,第1の方向
の軸を同心状に囲むように相互に固定し一体化すること
により,各筒形部材の穴により第3の開口が形成され
る。(1)の態様の他に,各筒形部材の一部分が移動可
能に構成され,各筒形部材の一部分の移動により第3及
び/又は第4の開口が形成される。 【0024】即ち,各筒形部材の一部分が,第1の方
向,第1の方向の軸を囲む周方向,第1の方向に交叉す
る方向の何れかの方向で移動可能であり,各筒形部材の
一部分の移動により第3及び/又は第4の開口が形成さ
れる。具体的な態様を以下に示す。 (2)各筒形部材が第1の方向で,第1の部分と第2の
部分との2つに分割される。第1及び第2の部分の各筒
形部材はそれぞれ第1の方向の軸を同心状に囲むように
相互に固定し一体化して構成される。第1の部分は第2
の部分に対して第1の方向に移動して分離可能である。 【0025】第1の部分の各筒形部材は,端部に開口す
る半円状の部分をもつ第1の切欠き部を持つ。第2の部
分の各筒形部材は,端部に開口する半円状の部分をもつ
第2の切欠き部を持つ。 【0026】第1の部分の第2の部分に対する第1の方
向での移動により,第1の部分の端部と第2の部分の端
部とが第1の方向で重複する結果,第1及び第2の切欠
き部により,第3及び/又は第4の開口が形成される。 【0027】第1の部分の第2の部分に対する第1の方
向の第1の移動に加え,更に,第1の方向に交叉する方
向の第2の移動も可能である。第1の移動,あるいは,
第1の移動及び第2の移動により,磁場遮蔽装置に開放
部が形成される。 (3)各筒形部材が第1の方向の軸を囲む周方向で,第
1の部分と第2の部分との2つに分割される。第1及び
第2の部分の各筒形部材はそれぞれ相互に固定し一体化
して構成される。第1の部分は第2の部分に対してを囲
む周方向に移動可能に構成される。 【0028】第1の部分の各筒形部材は,第1の方向に
ほぼ平行な1辺に開口する半円状の部分をもつ第1の切
欠き部を持つ。第2の部分の各筒形部材は,第1の方向
にほぼ平行な1辺に開口する半円状の部分をもつ第2の
切欠き部を持つ。 【0029】第1の部分の第2の部分に対する第1の方
向の軸を囲む周方向での移動により,第1の部と第2の
部分とが第1の方向の軸を囲む周方向で重複する結果,
第1及び第2の切欠き部により,第3の開口が形成され
る。 【0030】第1の部分と第2の部分は,第1の方向に
ほぼ平行な2辺でそれぞれ,第1の方向の軸を囲む周方
向で約10度から約15度の範囲で重複する。第1の部
分の移動により,第1の方向の軸を囲む周方向で約90
度の範囲の開放部が,磁場遮蔽装置に形成される。 【0031】磁場遮蔽装置の他の構成では,上記の
(2),(3)で説明したように,各筒形部材が,第1
の部分と第2の部分との2つに分割されて形成され,上
記の第3の開口を形成するが,上記で説明した第3の開
口を形成しない構成とする。クライオスタットの底部
は,第1の開口,又第2の開口から挿入される。第4の
開口は,被験者の検査対象部位から遠い位置に形成され
るので,外来磁場の磁場遮蔽率を劣化させることはな
い。 【0032】以下,本発明に於ける磁場計測の手順につ
いて説明する。 【0033】まず,磁場遮蔽装置の各筒形部材の一部分
を,第1の方向,第1の方向の軸を囲む周方向,第1の
方向に交叉する方向の何れかの方向で移動させることに
より,開放部を形成する。 【0034】第1の方向の軸に交叉する方向から開放部
を通して,生体が,磁場遮蔽装置の内側の空間に置かれ
る生体搭載装置(ベッド,椅子)に搭載される。あるい
は,生体が搭載される生体搭載装置が,第1の方向の軸
に沿って,第1の方向にほぼ平行な方向,又は,第1の
方向の軸に交叉する方向から,開放部を通して磁場遮蔽
装置の内側の空間に搬入される。 【0035】次に,各筒形部材の一部分を,第1の方
向,第1の方向の軸を囲む周方向,第1の方向に交叉す
る方向の何れかの方向の移動させることにより,開放部
を閉鎖する。この結果,第3及び/又は第4の開口部が
形成され,第3の開口部に,クライオスタットの一部が
挿入された形となる。 【0036】磁場遮蔽装置の内側の空間に配置されるク
ライオスタットの底面と,生体の表面との位置関係を,
磁場信号が大きく検出されるように,第1の方向に垂直
な方向で調整する。複数のSQUID磁束計により,生
体から発生する磁場の第1の方向に垂直な方向の成分が
検出される。 【0037】本発明によれば,軽量,小型,低コストで
高性能な,外来磁場の高い磁場遮蔽率を持つ磁場遮蔽装
置を提供することができ,更に,この磁場遮蔽装置を用
いる生体磁場を計測するための磁場計測方法,磁場計測
装置を提供できる。 【0038】また,本発明の磁場遮蔽装置は,軽量,小
型であるため,設置する場所に耐加重性が特に要求され
ず,小さい面積があれば設置が可能であるので,磁場遮
蔽装置,即ち,磁場計測装置を設置する場所に制限がな
くなる。 【0039】ここで,時間変数をt,生体の面を(x,
y)面,生体の面に垂直な方向をz方向とする。クライ
オスタットの内部で底面の近傍に等間隔で2次元に格子
状に配列されるSQUID磁束計の位置を(x,y),
SQUID磁束計により検出される生体磁場の磁場成分
(法線成分)をBz(x,y,t)とする。 【0040】本発明の磁場計測装置では,生体磁場の接
線成分Bx(x,y,t),By(x,y,t)をそれ
ぞれ,計測された法線成分Bz(x,y,t)のx方向
の変化率∂Bz(x,y,t)/∂x,y方向の変化率
∂Bz(x,y,t)/∂yに比例する値として求め
る。比例定数を1とすると,接線成分Bx(x,y,
t),By(x,y,t)は,(数1),(数2)によ
って与えられる。 【0041】 【数1】 Bx(x,y,t)=−(∂Bz(x,y,t)/∂x) …(数1) 【0042】 【数2】 By(x,y,t)=−(∂B(x,y,t)z/∂y) …(数2) 次に,x方向の変化率とy方向の変化率の2乗和の平方
根に比例する値St(x,y,t)を求める。比例定数
を1とすると,磁場波形St(x,y,t)は,(数
3)によって与えられる。 【0043】 【数3】 St(x,y,t)=√[{∂Bz(x,y,t)/∂x}2 +{∂Bz(x,y,t)/∂y}2] …(数3) St(x,y,t)は,生体内部の磁場発生源を(x,
y)面に投影した磁場強度情報を与える。tとして,
Q,R,Sの各波のピーク位置をとり,St(x,y,
t)のデータから内挿,外挿により同じ磁場強度を与え
る(x,y)点を結ぶ等磁場線図を求める。 【0044】次に,各点(x,y)について任意の期間
での磁場波形St(x,y,t)の積分値I(x,y)
を(数4)により求め,内挿,外挿により積分値I
(x,y)が同じ値の点を結ぶ等積分図を求める。 【0045】積分範囲として,例えば,心臓を測定の対
象とする時には,Q,R,Sの各波の発生する期間,Q
波からS波の発生するQRS波(QRS complex)の期間,
T波の発生する期間等をとる。 【0046】 【数4】 I(x,y)=∫│St(x,y,t)│dt …(数4) 更に,x,y,zの3方向の磁場成分を合成した磁場強
度の時間波形V(x,y,t)を,(数5)により求め
ることにより,特に,胎児のように動きが激しい場合で
も,安定した磁場波形を得ることができる。 【0047】 【数5】 V(x,y,t)=√[{∂Bz(x,y,t)/∂x}2 +{∂Bz(x,y,t)/∂y}2+{Bz(x,y,t)}2]…(数5) St(x,y,t)の代わり,V(x,y,t)を使用
して,上記と同様にして,等磁場線図,等積分図を求め
ることができる。 【0048】各SQUID磁束計により計測された磁場
波形St(x,y,t),V(x,y,t)を表示する
と共に,磁場分布図として,等磁場線図,等積分図を,
表示装置の表示画面に表示する。等磁場線図,等積分図
を,それらの等高線の高低により色分けをして3次元カ
ラー表示して,診断に有用なデータを得ることができ
る。 【0049】即ち,本発明の磁場計測装置では,接線成
分Bx(x,y,t),By(x,y,t)を計測する
ことなく,法線成分Bz(x,y,t)の計測のみか
ら,電流源の直上にピークパターンが出現する磁場分布
図を得ることができる。この結果,生体内の複数の電流
源の位置を直読できるので,心筋梗塞,虚血,不整脈,
心筋肥大等の診断,術前術後の心筋状態の変化の評価等
の心臓に関する疾患の診断に有用なデータを得ることが
できる。本発明の磁場計測装置は,特に,成人,胎児の
心臓の診断のためのデータ(磁場分布)を,10秒ない
し5分程度の短時間で計測して表示できる。 【0050】以下,より具体的に,代表的な実施例を図
面を参照して詳細に説明する。 【0051】図1は本発明の各実施例で使用される高透
磁率を有する高透磁率シート23の構成例を説明する図
である。図2は本発明の各実施例に於ける磁場遮蔽装置
を構成する中空円筒への高透磁率シートの配置例を説明
する斜視図である。図3は本発明の各実施例に於ける磁
場遮蔽装置を構成する中空円筒への高透磁率シートの配
置例を説明する断面図である。 【0052】フレキシブルな高透磁率シート23は,短
冊の形状の磁性材料(磁性材リボン,磁性材テープ)2
5が非磁性の保持シート26−1,26−2の間に挟ま
れて構成される。この高透磁率シート23は,従来技術
2に記載される高透磁率シートと同じである。高透磁率
材料として軟磁性アモルファス合金が使用される。 【0053】短冊の形状の磁性材リボン25は,隣接す
る短冊の長辺で重複して配列され,複数の短冊の長辺は
ほぼ並行に配列さる。複数の磁性材リボン25は,保持
シート26−1,26−2の間に可撓性を有する樹脂,
又は接着剤24により固定されている。保持シート26
−1,26−2の材質として代表的にPET(ポリエチ
レンテレフタレート)シートが使用される。高透磁率シ
ート23の大きさは,例えば,縦450cm,横600
cmである。 【0054】軟磁性アモルファス合金は,最大比透磁率
が50000以上であるFe−Cu−Nb−Si−B系
(Fe:73.5%,Cu:1%,Nb:3%,Si:
13.5%,B:9%)合金であり,結晶粒界の大きさ
が100nm以下の超微結晶組織をもっている。 【0055】使用した磁性材リボン25の厚みは約20
μm,保持シート26−1,26−2の厚さは30μm
であり,高透磁率シート23の全厚は100μmであ
る。磁性材リボン25の厚さを約10μm〜100μ
m,保持シート26−1,26−2の厚さを10μm〜
500μmとし,高透磁率シート23の全厚を50μm
〜1.5mmとすると,高透磁率シート23の貼付,折
り曲げ作業が容易となる。 【0056】本発明の各実施例に於ける磁場遮蔽装置
は,同軸に配置される複数の磁場遮蔽円筒60から構成
される。各磁場遮蔽円筒は,内半径の異なる高透磁率シ
ート支持円筒80と,高透磁率シート支持円筒80の内
周面及び/又は外周面に配置される高透磁率シート層8
2から構成される。 【0057】各磁場遮蔽円筒には,各実施例に対応し
て,最も内側に配置される磁場遮蔽円筒の内部にクライ
オスタットの底面を挿入するための円形の第3の開口4
3が形成され,最も内側に配置される磁場遮蔽円筒の内
部に配置される患者の視野内に,円形の第4の開口44
が形成され,患者は医師と視線を合わせて対話ができ
る。 【0058】図2には1つの磁場遮蔽円筒60が示さ
れ,高透磁率シート支持円筒80の外周面に,複数の高
透磁率シート23が接着剤等を用いて貼付されて高透磁
率シート層82が形成されている。高透磁率シート支持
円筒80は,内半径rの厚さ0.5mmのアルミニウム
の中空円筒を使用している。 【0059】高透磁率シート23の貼付は次ぎの何れか
の方法による。(1)複数の高透磁率シート23が相互
に重なり部分を持つように貼付する。(2)下層の高透
磁率シート23の重ね部分を覆うように上層の高透磁率
シー23を貼付する。(3)(1)の方法と(2)の方
法とを組合せて貼付する。何れの貼付方法に於いても,
高透磁率シート23の相互の重なりにより,磁性材リボ
ン25の部分が相互に重なるように,複数の高透磁率シ
ート23を重ねて貼付する。 【0060】各高透磁率シート23は,各磁性材リボン
25の短辺が高透磁率シート支持円筒80の中心軸にほ
ぼ平行になるように,各磁性材リボン25の長辺が保持
円筒21の中心軸を内側に取り囲み,高透磁率シート支
持円筒80の中心軸に垂直な面にほぼ平行になるよう
に,高透磁率シート支持円筒80に接着剤などを用いて
貼付して,高透磁率シート23の複数層を形成する。 【0061】図3は2層の高透磁率シート23により形
成された高透磁率シート層82を示す。図3では第1
層,第2層の各層での高透磁率シート23の重なりは省
略している。 【0062】本発明の各実施例に於ける磁場遮蔽装置
は,同軸に配置される複数の磁場遮蔽円筒60のそれぞ
れを構成する高透磁率シート支持円筒80は異なる内半
径を持つ。隣接する高透磁率シート支持円筒80の間隔
は,1cmから20cmである。 以上説明した磁場遮
蔽装置の構成により,外来磁場の複数の磁場遮蔽円筒6
0の中心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁場遮蔽円
筒の内部で外来磁場を高い磁場遮蔽率で遮蔽する。以下
の各実施例では,図面を単純化するために2個の磁場遮
蔽円筒を持つ磁場遮蔽装置の構成を例示するが,2個か
ら5個の磁場遮蔽円筒を持つ磁場遮蔽装置の構成として
も良い。 【0063】以下の各実施例の説明では,同軸に配置さ
れる複数の磁場遮蔽円筒60の中心軸を,簡単のために
「磁場遮蔽装置の中心軸」と呼ぶ。更に,以下の各実施
例の説明では,複数の磁場遮蔽円筒60の各円筒が,そ
の中心軸の垂直方向で2個の部分に分割されて構成さ
れ,又は,その周方向で2個の部分に分割されて構成さ
れ,これら2個の部分を相互に重複させて,複数の磁場
遮蔽円筒60の各円筒が構成される場合にも,重複させ
て構成され,共軸に配置される複数の磁場遮蔽円筒の中
心軸を,同様に,「磁場遮蔽装置の中心軸」と呼ぶ。 (実施例1)図4は本発明の実施例1の生体磁場計測装
置の構成例を示す斜視図である。図5は図4に示す磁場
遮蔽装置40の斜視図である。図6は図4に示す生体磁
場計測装置の計測視野の中心を通る面での断面図であ
る。 【0064】生体磁場計測装置は,磁場遮蔽装置40,
検査対象(生体)から発生する磁場(生体磁場)を検出
する複数のSQUID磁束計57を低温に保持するクラ
イオスタット50と,クライオスタット50を支持する
ガントリ30−2と,磁場遮蔽装置40及びガントリ3
0−2を支持する磁場遮蔽装置・ガントリ支持台30−
1と,クライオスタット50の内部を冷却するための冷
媒供給装置又は冷却装置55及び冷媒供給線又は冷却伝
達線54,データ収集・センサ制御線51を介してSQ
UID磁束計57を駆動制御し検出された生体磁場を収
集しデータ処理を行なうデータ収集処理・センサ制御装
置52と,データ処理の結果を表示する単数又は複数の
表示装置53から構成される。 【0065】クライオスタット50の内部は,冷媒供給
線54を介して冷媒供給装置55から供給される液体H
eにより冷却されるか,又は,冷却装置55として冷凍
機を使用してコンプレッサにより冷却伝達線54を介し
て冷却されたHeガスをクライオスタット50の内部に
配置されるコールドヘッドに供給して冷却される。 【0066】磁場遮蔽装置40は,図2,図3で説明し
た複数の磁場遮蔽円筒60から構成され,複数の磁場遮
蔽円筒の中心軸(y方向)の正方向に第1の開口41
を,y方向の負方向に第2の開口42を,中心軸に垂直
方向(z方向)の上部にクライオスタット50を挿入す
るための,複数の磁場遮蔽円筒を貫通する第3の開口4
3を,ベッド20に横たわる検査対象を観察するため
の,複数の磁場遮蔽円筒を貫通する第4の開口44をそ
れぞれ有する。複数の磁場遮蔽円筒の中心軸(y方向)
(磁場遮蔽装置40の中心軸)は床面に水平である。 【0067】磁場遮蔽装置40は,外来磁場の磁場遮蔽
装置40の中心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁場
遮蔽円筒60−1の内部で,高い磁場遮蔽率で遮蔽す
る。この結果,SQUID磁束計57は,磁場遮蔽装置
2の内部で発生する生体磁場のz方向の成分を高感度で
検出できる。 【0068】ガントリ30−2の高さはガントリの高さ
制御装置31により制御固定され,検査者(医師)35
は,第4の開口44からベッド20に横たわる検査対象
(患者)36の検査部位とクライオスタット50の底面
との位置関係を観察しながら,ガントリの高さ制御ボッ
クス32を操作する。ガントリの高さ制御ボックス32
からの信号により,ガントリの高さ制御装置31が制御
され,クライオスタット50の底面のz方向の位置が固
定される。x方向はy方向及びz方向に直交する方向に
設定される。 【0069】クライオスタット102の内部の底部近傍
にxy面に平行な面(計測面)に配置される複数のSQ
UID磁束計57は,データ収集処理・センサ制御装置
52のFLL回路によって駆動される。FLL回路は,
SQUID磁束計57で検出された生体磁場信号を出力
する。FLL回路の出力は,フィルタリング,増幅さ
れ,AD変換器によってデジタルデータに変換され,デ
ータ収集処理・センサ制御装置52の記憶装置に保存さ
れる。データ収集処理・センサ制御装置52によりデー
タ処理された結果,例えば,磁場波形St(x,y,
t)((数3)),V(x,y,t)((数5))によ
る等磁場線図,等積分図等が,表示装置53の表示画面
に表示される。 【0070】検査対象36が搭載されるベッド20はx
及びy方向移動装置21に搭載されており,x及びy方
向移動装置21はx及びy方向移動装置の支持台22に
固定されている。ベッド20は磁場遮蔽装置40の最も
内側の磁場遮蔽円筒の内部に配置される。 【0071】なお,クライオスタット50の底面の高さ
を固定された位置として,x及びy方向移動装置21の
代りに,x,y,z方向移動装置を使用することもでき
る。この場合には,ガントリ30−2と磁場遮蔽装置4
0との位置関係が,複数のSQUID磁束計57の検出
コイルが配列される計測面がもっとも内側の磁場遮蔽円
筒60−1の中心軸にほぼ一致するように,ガントリ3
0−2の位置が固定される,又は,ガントリ30−2と
磁場遮蔽装置・ガントリ支持台30−1とが一体で構成
される。勿論,ガントリの高さ制御装置31,ガントリ
の高さ制御ボックス32は不要となる。 【0072】検査者(医師)35は,第4の開口44か
らベッド20の上の検査対象(患者)36の検査部位と
クライオスタット50の底面との位置関係を観察しなが
ら,ガントリの高さ制御ボックス32に代えて,ベッド
20のx,y,z方向移動制御ボックス(図示せず)を
操作する。x,y,z方向移動制御ボックスからの信号
により,ベッド20のx,y,z方向移動装置が制御さ
れ,ベッド20のx方向,y方向及びz方向の位置が固
定される。 【0073】以上の説明では,検査者(医師)35が,
第4の開口44を通して患者36を観察したが,第4の
開口44を設けない構成として,第1の開口41又は第
2の開口42を通して患者36を観察しても良いことは
言うまでもない。 【0074】患者36の視野内に設けられる第4の開口
44は,患者36に開放感を与えるとともに,検査者
(医師)35は,第4の開口44を通して患者36と近
いで対話ができ,正確に患者の状態を観察できる。検査
者(医師)35は,患者36への指示を容易に伝達でき
る。患者36は第4の開口44を通して磁場遮蔽装置4
0の外部を見ることができ,心理的な不安感等を低減す
る効果がある。 【0075】図5に示すように,複数の磁場遮蔽円筒を
貫通する第3の開口43の中心軸と,複数の磁場遮蔽円
筒を貫通する第4の開口44の中心軸とは,約45度の
角度をなしている。図6に示すように,クライオスタッ
ト50の内部の底部には,SQUID磁束計57が2次
元に配列され,クライオスタット50の内部は冷媒56
が満たされている。 【0076】磁場遮蔽円筒60は,第1の磁場遮蔽円筒
60−1,第2の磁場遮蔽円筒60−2から構成され
る。第1の磁場遮蔽円筒60−1と第2の磁場遮蔽円筒
60−2との間には,充填剤70が充填され,第1の磁
場遮蔽円筒60−1,第2の磁場遮蔽円筒60−2の形
状を安定に保持している。図6に示す例では,充填剤7
0を下半分に充填しているが,更に,第3の開口43,
第4の開口44を除く上半分の部位にも充填しても良
い。充填剤70としては,発泡剤を含む硬質ポリウレタ
ン等が使用できる。発泡剤を含む硬質ポリウレタンは,
軽量なので第3の開口43,第4の開口44を除く上半
分の部位にも充填しても,第1の磁場遮蔽円筒60−
1,第2の磁場遮蔽円筒60−2の形状を変形させるこ
とはない。 (実施例2)図7は本発明の実施例2の生体磁場計測装
置の構成例を示す斜視図である。図8は図7に示す磁場
遮蔽装置の斜視図である。図9は図7に示す生体磁場計
測装置の計測視野の中心を通る面での断面図であり,一
部拡大断面を含む。 【0077】以下,実施例1との相違点を中心に説明す
る。実施例2の生体磁場計測装置の構成では,実施例1
で説明した磁場遮蔽装置40を,y方向で2分割して,
磁場遮蔽装置の第1の部分40−1,磁場遮蔽装置の第
2の部分40−2により構成する。磁場遮蔽装置の第1
の部分40−1は,磁場遮蔽装置の第2の部分40−2
に対して,y方向に移動可能な構成とする。実施例1と
同様に,ガントリ30−2,磁場遮蔽装置の第2の部分
40−2は,磁場遮蔽装置・ガントリ支持台30−1に
支持される。 【0078】磁場遮蔽装置の第1の部分40−1は,磁
場遮蔽装置支持台92に支持固定され,磁場遮蔽装置支
持台92の下部に配置される複数の車輪91は,床11
7の面に配置されたレール90−1,90−2の上に搭
載されている。磁場遮蔽装置の第1の部分40−1は,
レール90−1,90−2の上でy方向に移動できる。
この移動により磁場遮蔽装置の第1の部分40−1と磁
場遮蔽装置の第2の部分40−2とを分離できる。 【0079】この結果,開放された空間で,医師35は
楽な姿勢で患者36をベッド20に搭載でき,又は,患
者36は楽にベッド20横たわることができる。患者
は,足部が先にクライオスタットの下部を通過し,最終
的に胸部がクライオスタットの下部に到達するように搭
載される。医師35は,患者36の検査部位とクライオ
スタット50の底面との位置関係を,効率良く調整でき
る。調整後,分離された磁場遮蔽装置の第1の部分40
−1を移動させて,磁場遮蔽装置の第1の部分40−1
と磁場遮蔽装置の第2の部分40−2とをy方向で重複
させて,第3の開口43,第4の開口44を形成でき
る。 【0080】この結果,外来磁場の磁場遮蔽装置40の
中心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁場遮蔽円筒4
0−1−1,40−2−1の内部で,高い磁場遮蔽率で
遮蔽できる。高い磁場遮蔽率で外来磁場が遮蔽された空
間で,検査部位からの生体磁場のz方向の成分を高感度
で検出できる。 【0081】図8に示すように,磁場遮蔽装置の第1の
部分40−1を構成する磁場遮蔽円筒,磁場遮蔽装置の
第2の部分40−2を構成する磁場遮蔽円筒はそれぞ
れ,重複させた時に第3の開口43,第4の開口44を
形成するように,円周の一部をもつ切欠き部分を持って
いる。 【0082】図9に示すように,磁場遮蔽装置40は,
磁場遮蔽装置の第1の部分40−1,磁場遮蔽装置の第
2の部分40−2とから構成される。磁場遮蔽装置の第
1の部分40−1は,第1の磁場遮蔽内側円筒40−1
−1,第1の磁場遮蔽外側円筒40−1−2とから構成
される。磁場遮蔽装置の第2の部分40−2は,第2の
磁場遮蔽内側円筒40−2−1,第2の磁場遮蔽外側円
筒40−2−2とから構成される。 【0083】第2の磁場遮蔽外側円筒40−2−2の内
側に,第1の磁場遮蔽外側円筒40−1−2が重複して
配置され,第2の磁場遮蔽内側円筒40−2−1の内側
に,第1の磁場遮蔽内側円筒40−1−1が重複して配
置される。図9にはこの重複部分に第3の開口が示され
ている。 【0084】拡大断面に示すように,第2の磁場遮蔽内
側円筒40−2−1,第2の磁場遮蔽外側円筒40−2
−2の各高透磁率シート支持円筒80の内側に,高透磁
率シート23により高透磁率シート層82が形成されて
いる。第1の磁場遮蔽内側円筒40−1−1,第1の磁
場遮蔽外側円筒40−1−2の各高透磁率シート支持円
筒80の外側に,高透磁率シート23により高透磁率シ
ート層82が形成されている。この結果,重複部分で,
高透磁率シート層82を近接させる構成として,漏れ磁
束を減少させて磁場遮蔽効果を高めている。 【0085】また,磁場遮蔽装置40の中心軸に平行な
方向で第3の開口の外側に於ける,第2の磁場遮蔽外側
円筒40−2−2と第1の磁場遮蔽外側円筒40−1−
2とが重複する距離,第2の磁場遮蔽内側円筒40−2
−1と第1の磁場遮蔽内側円筒40−1−1とが重複す
る距離は,第3の開口の直径の約1/2から約1/4と
する。重複部分を充分大きくして磁場遮蔽効果を高めて
いる。 【0086】ベッド20,x及びy方向移動装置21を
搭載するベッド及び移動装置の支持台22は,スペーサ
140−1を介して第2の磁場遮蔽内側円筒40−2−
1の内部に配置される。実施例1と同様の目的で,第2
の磁場遮蔽内側円筒40−2−1と第2の磁場遮蔽外側
円筒40−2−2との間の下半分に,充填剤70−1が
充填され,第1の磁場遮蔽内側円筒40−1−1と第1
の磁場遮蔽外側円筒40−1−2間の下半分に,充填剤
70−2が充填されている。図9示す例では,充填剤7
0−1,70−2を下半分に充填しているが,更に,第
3の開口43,第4の開口44を除く上半分の部位にも
充填しても良いことは言うまでもない。 【0087】なお,実施例1と同様に,クライオスタッ
ト50の底面の高さを固定された位置として,x及びy
方向移動装置21の代りに,ベッド20のx,y,z方
向移動装置を使用できるとは言うまでもない。更に,実
施例1と同様に,第4の開口がない構成としても良いこ
とは言うまでもない。 (実施例3)図10は本発明の実施例3の生体磁場計測
装置の構成例を示す斜視図である。図11は図10に示
す磁場遮蔽装置の斜視図であり,一部拡大断面を含む。
図12は図7に示す生体磁場計測装置への検査対象(患
者)の出し入れを説明する断面図であり,一部拡大断面
を含む。 【0088】以下,実施例1との相違点を中心に説明す
る。実施例1で説明した磁場遮蔽装置40を,周方向で
2分割して,磁場遮蔽装置の第1の部分40−3,磁場
遮蔽装置の第2の部分40−4により構成する。磁場遮
蔽装置の第1の部分40−3は,磁場遮蔽装置の第2の
部分40−4に対して,周方向に移動可能な構成とす
る。実施例1と同様に,ガントリ30−2,磁場遮蔽装
置の第2の部分40−4は,磁場遮蔽装置・ガントリ支
持台30−1に支持される。 【0089】図11,図12に示すように,磁場遮蔽装
置の第1の部分40−3は,y方向の正方向及び負方向
の端部で結合板150−1により結合された,第1の磁
場遮蔽内側円筒40−3−1,第2の磁場遮蔽外側円筒
40−3−2から構成される。同様に,磁場遮蔽装置の
磁場遮蔽装置の第2の部分40−4は,y方向の正方向
及び負方向の端部で結合板150−2(図示せず)によ
り結合された,第2の磁場遮蔽内側円筒40−4−1,
第2の磁場遮蔽外側円筒40−4−2から構成される。
図10,図11,図12に示すように,第1の磁場遮蔽
内側円筒40−3−1,第2の磁場遮蔽外側円筒40−
3−2を貫通する第4の開口40が形成されている。 【0090】第4の開口40の第1の磁場遮蔽内側円筒
40−3−1の内側,及び,第2の磁場遮蔽外側円筒4
0−3−2の外側はそれぞれ,透明な曲面板でカバーが
されており,磁場遮蔽装置の第1の部分40−3の,磁
場遮蔽装置の第2の部分40−4に対する周方向の移動
の時,手,着衣等を挟み込まないようにしている。 【0091】磁場遮蔽装置の第1の部分40−3は約1
10度の円周部を持ち,磁場遮蔽装置の第2の部分40
−4は約270度の円周部を持ち,相互に両端部でそれ
ぞれ約10度の範囲で重複する構成とする。即ち,第1
の磁場遮蔽内側円筒40−3−1と第2の磁場遮蔽内側
円筒40−4−1,及び,第2の磁場遮蔽外側円筒40
−3−2と第2の磁場遮蔽外側円筒40−4−2はそれ
ぞれ,磁場遮蔽装置の中心軸に平行な両端部で約10度
の範囲で重複する時,閉じた状態の磁場遮蔽装置を形成
し,約110度の範囲で重複する時,開口部を有し,開
放された状態の磁場遮蔽装置を形成する。閉じた状態で
重複部分を充分大きくして磁場遮蔽効果を高めている。 【0092】第2の磁場遮蔽外側円筒40−3−2の高
透磁率シート支持円筒80の外面の周面には,拡大断面
に示すようにTの字型の細長い板がガイド105−2と
して配置されており,第2の磁場遮蔽外側円筒40−4
−2の高透磁率シート支持円筒80の内面の周面にガイ
ド105−2を受け入れるTの字型の細長い溝が形成さ
れている。 【0093】同様に,第1の磁場遮蔽内側円筒40−3
−1の高透磁率シート支持円筒の外面の周面には,Tの
字型の細長い板がガイド105−1として配置されてお
り,第2の磁場遮蔽内側円筒40−4−1の高透磁率シ
ート支持円筒の内面の周面にガイド105−1を受け入
れるTの字型の細長い溝(図示せず)が形成されてい
る。 【0094】なお,高透磁率シート23により高透磁率
シート層82は,第2の磁場遮蔽内側円筒40−4−
1,第2の磁場遮蔽外側円筒40−4−2の各高透磁率
シート支持円筒の外面に,第1の磁場遮蔽内側円筒40
−3−1,第2の磁場遮蔽外側円筒40−3−2の各高
透磁率シート支持円筒の内面に,それぞれ形成されてい
る。 【0095】図11に示すように,磁場遮蔽装置の第1
の部分40−3を構成する磁場遮蔽円筒,磁場遮蔽装置
の第2の部分40−4を構成する磁場遮蔽円筒はそれぞ
れ,重複させた時に第3の開口43を形成するように,
円周の一部をもつ切欠き部分を持っている。 【0096】図12(a)は,ベッド20に患者36が
横たわり,検査部位からの生体磁場が計測される時の状
態を示す。磁場遮蔽装置の第1の部分40−3を構成す
る磁場遮蔽円筒,磁場遮蔽装置の第2の部分40−4を
構成する磁場遮蔽円筒はそれぞれ重複している。第1の
部分40−3と第2の部分40−4の位置関係はロック
により固定されている。この状態で,外来磁場の磁場遮
蔽装置40の中心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁
場遮蔽円筒40−3−1,40−4−1の内部で,高い
磁場遮蔽率で遮蔽できる。高い磁場遮蔽率で外来磁場が
遮蔽された空間で,検査部位からの生体磁場のz方向の
成分を高感度で検出できる。 【0097】図12(b)は,磁場遮蔽装置の第1の部
分40−3が,第1の部分40−3に取り付けた取っ手
(図示せず)を用いて手動で,又は自動で,周方向に移
動され,第1の部分40−3の位置がロックされ,開口
部が形成され,約90度の角度範囲で開放空間が形成さ
れた状態を示す。この結果,開放空間で,医師35は楽
な姿勢で,ベッド移動台103から患者36をベッド2
0に搭載でき,もしくは,患者36は楽にベッド20横
たわることができ,医師35は,患者36の検査部位と
クライオスタット50の底面との位置関係を,効率良く
調整できる。 【0098】なお,実施例1と同様に,クライオスタッ
ト50の底面の高さを固定された位置として,x及びy
方向移動装置21の代りに,ベッド20のx,y,z方
向移動装置を使用できるとは言うまでもない。更に,実
施例1と同様に,第4の開口がない構成としても良いこ
とは言うまでもない。 (実施例4)本発明の実施例4の生体磁場計測装置は,
実施例3の生体磁場計測装置の構成の一部を変更した,
病室のベッドの近傍まで移動可能な構成としたベッドサ
イド用生体磁場計測装置である。 【0099】磁場遮蔽装置・ガントリ支持台30−1に
は,移動可能なように複数個の車輪100が配置されて
おり,また,ベッド及び移動装置の支持台22にも移動
可能なように複数個の車輪29−1,29−2,29−
3,29−4(図示せず)が配置されている。複数個の
100−1を持つ台車に,データ収集処理・センサ制御
装置52,表示装置53,冷媒供給装置又は冷却装置5
5が搭載される。 【0100】実施例4のベッドサイド用生体磁場計測装
置では,クライオスタット50の底面の高さを固定され
た位置として,x及びy方向移動装置21の代りに,ベ
ッド20のx,y,z方向移動装置21’を使用する。 【0101】図12(c)に示すように,車輪29’−
1,29’−2,29’−3(図示せず),29’−4
(図示せず)を持ち,搭載するベッド移動台103の近
傍に,ベッドサイド用生体磁場計測装置を移動させた
後,図12(b)に示すように,磁場遮蔽装置の第1の
部分40−3が周方向に移動されその位置がロックさ
れ,約90度の角度範囲で,開放空間が形成された状態
とする。 【0102】ベッドサイド用生体磁場計測装置のベッド
20のx,y,z方向移動装置21’と,ベッド移動台
10のベッド20−1,x,y,z方向移動装置21’
とを使用して,x,y,z方向の各方向での,ベッド2
0及びベッド20−1の位置を調整して,容易に患者3
6をベッド20−1からベッド20に移動させることが
できる。 【0103】ベッド20−1,x,y,z方向移動装置
21’を使用して,医師35は,患者36の検査部位と
クライオスタット50の底面との位置関係を調整する。
その後,図12(a)に示す状態で,患者36の検査部
位からの生体磁場が計測される。生体磁場の計測終了
後,図12(b)に示す状態として,ベッド20のx,
y,z方向移動装置21’と,ベッド移動台10のベッ
ド20−1,x,y,z方向移動装置21’とを使用し
て,x,y,z方向の各方向での,ベッド20及びベッ
ド20−1の位置を調整して,容易に患者36をベッド
20からベッド20−1に移動させることができる。 【0104】実施例4のベッドサイド用生体磁場計測装
置は,自由に移動でき,病院内を移動して入院患者のベ
ッドサイドでの検査が可能となる。従って,救急患者,
ベッドに寝たきりの患者を測定する際,患者は,生体磁
場計測装置が設置された検査室へ移動する必要がなく,
患者の負担が軽減される。 (実施例5)図13は本発明の実施例5の実施例であ
り,実施例3又は実施例4で説明した生体磁場計測装置
を自動車に搭載した検診車(移動式生体磁場計測装置)
の例を示す一部破断部を含む斜視図である。生体磁場計
測装置の全体が,車内の床110に置かれた除振台11
1の上に配置固定され,外部の振動を遮断している。自
動車は,固定用のアンカー112を備えており,生体磁
場の計測の時にはアンカー112を地面に下ろして自動
車を地面に固定する。この検診車は,学校,保健所等の
地域コミュニティーへ移動して定期的な集団検診等に利
用される。 (実施例6)図14は本発明の実施例6の生体磁場計測
装置に使用される磁場遮蔽装置の構成例を示す斜視図で
あり,一部拡大を含む。図15は,図14に示す磁場遮
蔽装置を使用する生体磁場計測装置の計測視野の中心を
通る面での断面図である。 【0105】図14に示す磁場遮蔽装置は,実施例1で
説明した磁場遮蔽装置40を周方向で2分割して,磁場
遮蔽装置の第1の部分40−5,磁場遮蔽装置の第2の
部分40−6により構成する。磁場遮蔽装置の第1の部
分40−5は,磁場遮蔽装置の第2の部分40−6に対
して周方向に移動可能な構成とする。 【0106】第2の磁場遮蔽内側円筒40−6−1,第
2の磁場遮蔽外側円筒40−6−2の下部には複数の車
輪118が固定されており,図14の拡大断面の示すよ
うに,車輪118は,床117に形成された移動ガイド
溝119の内部に配置されている。第2の磁場遮蔽内側
円筒40−6−1,第2の磁場遮蔽外側円筒40−6−
2の上部は結合板115により結合されている。結合板
115にには,天井に配置される円形のガイドレールに
連結させるための移動のための上部結合部116が固定
されている。 【0107】図14の拡大断面に示すように,第2の磁
場遮蔽内側円筒40−6−1,第2の磁場遮蔽外側円筒
40−6−2の各高透磁率シート支持円筒80の内側
に,高透磁率シート23により高透磁率シート層82が
形成されている。第1の磁場遮蔽内側円筒40−5−
1,第1の磁場遮蔽外側円筒40−5−2の各高透磁率
シート支持円筒80の外側に,高透磁率シート23によ
り高透磁率シート層82が形成されている。この結果,
重複部分で,高透磁率シート層82を近接させる構成と
して,漏れ磁束を減少させて磁場遮蔽効果を高めてい
る。 【0108】図15に示すように,第1の磁場遮蔽内側
円筒40−5−1は磁場遮蔽円筒支持体128により,
第2の磁場遮蔽外側円筒40−5−2は磁場遮蔽円筒支
持体120により,それぞれ床117に固定される。S
QUID磁束計57が2次元に配列される側のクライオ
スタット50−1は,ガントリ124に移動可能に固定
される。x,y方向にそれぞに移動可能な椅子122に
座った患者36の検査部位と,SQUID磁束計57が
配列される側のクライオスタット50−1の面との位置
関係,クライオスタット50−1の高さ位置が調整され
た後に,クライオスタット50−1は,クライオスタッ
ト位置固定ロック126により固定される。 【0109】磁場遮蔽装置の第2の部分40−6の高さ
は,磁場遮蔽装置の第1の部分40−5の高さよりも高
くして,磁場遮蔽装置の第2の部分40−6を回転させ
るための構造を単純にする。磁場遮蔽装置の第2の部分
40−6は約200度の円周部を持ち,磁場遮蔽装置の
第1の部分40−5は180度の円周部を持ち,相互に
両端部でそれぞれ約10度の範囲で重複する構成とす
る。即ち,第1の磁場遮蔽内側円筒40−5−1と第2
の磁場遮蔽内側円筒40−6−1,及び,第2の磁場遮
蔽外側円筒40−5−2と第2の磁場遮蔽外側円筒40
−6−2はそれぞれ,磁場遮蔽装置の中心軸に平行な両
端部で約10度の範囲で重複する時,閉じた状態の磁場
遮蔽装置を形成し,約180度の範囲で重複する時,開
放された状態の磁場遮蔽装置を形成する。 【0110】閉じた状態で重複部分を充分大きくして磁
場遮蔽効果を高めて,外来磁場の磁場遮蔽装置40の中
心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁場遮蔽円筒40
−5−1,40−6−1の内部で,高い磁場遮蔽率で遮
蔽できる。高い磁場遮蔽率で外来磁場が遮蔽された空間
で,検査部位からの生体磁場のx方向の成分を高感度で
検出できる。 【0111】磁場遮蔽装置の第2の部分40−6を回転
させて開放空間を作り,患者36が椅子122に座った
状態で,医師は,患者36の検査部位とクライオスタッ
ト50−1の外面との位置関係を調整する。 【0112】実施例6で使用する磁場遮蔽装置を構成す
る各磁場遮蔽円筒60の中心軸は共軸に配置され,各磁
場遮蔽円筒は中心軸に対して平行な面で分割されてい
る。各磁場遮蔽円筒は垂直に配置される。実施例6で使
用する磁場遮蔽装置では,患者36は,容易に磁場遮蔽
装置の内部に入ることができ,検査部位の位置合わせ効
率よくできる。実施例6で使用する磁場遮蔽装置は小型
であり,生体磁場計測装置の設置面積が小さくてすむ。 【0113】なお,クライオスタット50−1の高さを
固定された位置として,x及びy方向移動装置の代り
に,検査対象36が座る椅子122のx,y,z方向移
動を制御するx,y,z方向移動装置を使用して,SQ
UID磁束計57が配列される側のクライオスタット5
0−1の面と検査対象36の検査部位の面との位置合わ
せを行なうことができるとは言うまでもない。 (実施例7)図16は本発明の実施例7であり,図1
4,図15に示す磁場遮蔽装置を使用する生体磁場計測
装置の計測視野の中心を通る面での断面図である。実施
例7の生体磁場計測装置では,図14,図15に示す磁
場遮蔽装置を,床117に対して20度以上30度以下
で傾斜している床117−1に配置する。その他の構成
は,実施例6と同じである。 (実施例8)図17は本発明の実施例8の生体磁場計測
装置の構成例を示す斜視図である。図18は図17に示
す生体磁場計測装置の計測視野の中心を通る面での断面
図である。 【0114】以下,実施例1との相違点を中心に説明す
る。磁場遮蔽装置40−7は,磁場遮蔽内側円筒40−
7−1,磁場遮蔽外側円筒40−7−2から構成され,
磁場遮蔽装置40−7は,床117に固定される磁場遮
蔽装置支持体130により保持されている。 【0115】実施例8では,磁場を検出する検出コイル
が薄膜で掲載される平面型のSQUID磁束計を使用す
るので小型のクライオスタットを使用できる。実施例8
では,実施例1で説明した磁場遮蔽装置40の構成で,
クライオスタット50を挿入する第3の開口43を形成
せず,SQUID磁束計が底部に2次元に配置されるク
ライオスタット50−2を磁場遮蔽内側円筒40−7−
1の内部に配置する。クライオスタット50−2は,ク
ライオスタット保持板132により保持され,クライオ
スタット保持板132は,床117に固定されるクライ
オスタット保持板の固定台131に保持される。 【0116】ベッド20,x及びy方向移動装置21を
搭載するベッド及び移動装置の支持台22は,スペーサ
140−2を介して磁場遮蔽内側円筒40−7−1の内
部に配置される。図18示す例では,充填剤70−3を
下半分に充填しているが,更に,上半分の部位にも充填
しても良いことは言うまでもない。 【0117】実施例8では,実施例1で説明した第3の
開口を形成しないので,外来磁場の磁場遮蔽装置40の
中心軸に垂直方向の成分を,最も内側の磁場遮蔽円筒4
0−7−1の内部で,実施例1に示す磁場遮蔽装置より
も高い磁場遮蔽率で遮蔽できる。より高い磁場遮蔽率で
外来磁場が遮蔽された空間で,検査部位からの生体磁場
のz方向の成分を高感度で検出できる。 【0118】ベッド20に載せられた患者は,第2の開
口42から磁場遮蔽内側円筒40−7−1の内部に,よ
り好ましくは,足部が先にクライオスタット50−2の
下部を通過するようにし,その後,胸部がクライオスタ
ットの下部に到達するようにして,圧迫感をできるだけ
少なくするようにして,挿入される。勿論,図18に示
すように,頭部から先に,磁場遮蔽内側円筒40−7−
1の内部に搬入しても良い。医師は,患者36の検査部
位とクライオスタット50−2の底面との位置関係を,
ベッド20のx及びy方向移動装置21と,クライオス
タット保持板の固定台131に組み込まれた高さ方向移
動装置(位置調整装置)とを使用して調整した後に,検
査部位からの生体磁場を計測する。 【0119】実施例1と同様にして,クライオスタット
50−2の高さを固定された位置として,x及びy方向
移動装置21の代りに,ベッド20のx,y,z方向移
動装置を使用できるとは言うまでもない。更に,実施例
1と同様に,第4の開口がない構成としても良いことは
言うまでもない。 (実施例9)図19は本発明の実施例1に示す生体磁場
計測装置によって計測された磁場波形の例を示す図であ
る。図19はクライオスタットの内部の底部で正方形の
各頂点に配置された合計4チャンネルのSQUID磁束
計を用いて検出した健常者の心臓から発生する磁場を示
し,1チャンネルの磁場波形を示す。図19の横軸は時
間(sec),縦軸は検出された磁場の微分値(pT/
m)を示す。 【0120】実施例8の計測結果を得る時に使用した磁
場遮蔽装置40の構成は以下の通りである。使用した磁
場遮蔽装置は,内側から外側に向け,共軸に配置された
第1,第2,第3の磁場遮蔽円筒60から構成され,高
透磁率シート支持円筒80の外側に,高透磁率シート2
3により高透磁率シート層82を形成した。使用した磁
場遮蔽装置では,第4の開口は設けていない。第3の開
口は,4チャンネルのSQUID磁束計が配置される断
面が円形のクライオスタットを挿入するため,半径30
cmの円形とした。 【0121】第1の磁場遮蔽円筒,第2の磁場遮蔽円
筒,第3の磁場遮蔽円筒としてそれぞれ内半径80c
m,90cm,100cmを持ち,厚さ0.5mm,長
さ200cmのアルミニウムの中空円筒を使用した。第
3の開口は,各中空円筒の長さ方向の中心部に設けた。 【0122】使用した高透磁率シート23は市販品(日
立金属株式会社,商品名ファインメット)を使用した。
この高透磁率シート23は,高透磁率材料として,結晶
粒界の大きさが100nm以下の超微結晶組織をもち,
最大比透磁率が50000以上のFe−Cu−Nb−S
i−B系(Fe:73.5%,Cu:1%,Nb:3
%,Si:13.5%,B:9%)の軟磁性アモルファ
ス合金を使用している。 【0123】使用した高透磁率シートの構成は,磁性材
リボン(高透磁率材料)25の厚み約20μm,保持シ
ート26−1,26−2の厚さ30μm,高透磁率シー
ト23の全厚100μmである。面積610cm×24
0cmの高透磁率シート23を重複させて各アルミニウ
ムの中空円筒の外周面に貼付し,厚さ約1mmの高透磁
率シート層82を形成した。 【0124】フレキシブルな高透磁率シート23は,図
2に示すように,磁性材リボン25の短辺が各中空円筒
の中心軸にほぼ平行になるように,各磁性材リボン25
の長辺が各中空円筒の中心軸を内側に取り囲み,各中空
円筒の中心軸に垂直な面にほぼ平行になるように,各中
空円筒の周面に接着剤を用いて貼付して高透磁率シート
23の複数層を形成した。 【0125】簡単な構成の磁場遮蔽装置を使用すること
により,外来磁場の磁場遮蔽装置の中心軸(第1,第
2,第3の磁場遮蔽円筒の中心軸)に垂直方向の成分
を,最も内側の第1の磁場遮蔽円筒の中心軸の位置で,
−35dBに減衰することができた。即ち,最も内側の
第1の磁場遮蔽円筒の中心軸の位置で,外来磁場の,磁
場遮蔽装置の中心軸の垂直方向の成分を,−35dBに
減衰させることができる。この結果,SQUID磁束計
は,磁場遮蔽装置の内部に置かれた生体の検査部位から
発生する生体磁場のz方向の成分を高感度で検出でき
る。 【0126】使用した磁場遮蔽装置の磁場遮蔽率は,磁
場遮蔽装置の中心軸の位置で1/56であり,成人健常
者の心臓から発生する磁場をR波の出現時点でSN比1
0以上で計測できることが判明した。 【0127】なお,磁性材リボン25の長辺が各中空円
筒の中心軸に平行となるように,高透磁率シート23を
各中空円筒の周面に貼付して高透磁率シート23の複数
層を形成して各磁場遮蔽円筒を形成した場合には,外来
磁場の,磁場遮蔽装置の中心軸に垂直方向の成分を,最
も内側の第1の磁場遮蔽円筒の中心軸の位置で,約−3
1dBに減衰できた。 【0128】以上説明した,実施例1,実施例2,実施
例3,実施例4,実施例5,実施例8の構成に於いて,
第4の開口を設ける場合,最も内側の磁場遮蔽円筒の内
直径が約1mの時,第4の開口の直径は約30cmとす
ることができる。 【0129】また,実施例1,実施例2,実施例8の構
成に於いて,磁場遮蔽装置の最も内側の磁場遮蔽円筒の
内部空間への検査対象(患者)の搬入は,足部が先にク
ライオスタットの下部を通過するようにし,最終的に胸
部がクライオスタットの下部に到達するようにして,圧
迫感をできるだけ少なくするように行なう。 【0130】 【発明の効果】本発明によれば,高透磁率を持つ高透磁
率シートを用いて,軽量,小型,低コストで高性能な高
い磁場遮蔽率を持つ磁場遮蔽装置を実現できる。本発明
の磁場遮蔽装置は軽量,小型であるため,設置する場所
に耐加重性が特に要求されず,小さい面積があれば設置
が可能であり,磁場遮蔽装置,即ち,磁場計測装置を設
置する場所に制限がなくなる。 【0131】本発明の磁場計測装置では,磁場の2方向
の接線成分を計測することなく,磁場の法線成分の計測
のみから,電流源の直上にピークパターンが出現する磁
場分布図を得ることができる。この結果,検査対象,特
に,生体内の複数の電流源の位置を直読できるので,検
査対象を生体とする場合,成人,胎児の心臓に関する疾
患の診断に有用なデータを得ることができる。本発明の
磁場計測装置は,短時間で検査対象からの磁場を計測し
て表示できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の各実施例で使用される高透磁率を有す
る高透磁率シートの構成例を説明する図。 【図2】本発明の各実施例に於ける磁場遮蔽装置を構成
する中空円筒への高透磁率シートの配置例を説明する斜
視図。 【図3】本発明の各実施例に於ける磁場遮蔽装置を構成
する中空円筒への高透磁率シートの配置例を説明する断
面図。 【図4】本発明の実施例1の生体磁場計測装置の構成例
を示す斜視図。 【図5】図4に示す磁場遮蔽装置の斜視図。 【図6】図4に示す生体磁場計測装置の計測視野の中心
を通る面での断面図。 【図7】本発明の実施例2の生体磁場計測装置の構成例
を示す斜視図。 【図8】図7に示す磁場遮蔽装置の斜視図。 【図9】図7に示す生体磁場計測装置の計測視野の中心
を通る面での断面図。 【図10】本発明の実施例3の生体磁場計測装置の構成
例を示す斜視図。 【図11】図10に示す磁場遮蔽装置の斜視図。 【図12】図7に示す生体磁場計測装置への検査対象
(患者)の出し入れを説明する断面図。 【図13】本発明の実施例5の実施例であり,実施例3
又は実施例4の生体磁場計測装置を自動車に搭載した検
診車の例を示す一部破断部を含む斜視図。 【図14】本発明の実施例6の生体磁場計測装置に使用
される磁場遮蔽装置の構成例を示す斜視図。 【図15】図14に示す磁場遮蔽装置を使用する生体磁
場計測装置の計測視野の中心を通る面での断面図。 【図16】本発明の実施例7であり,図14に示す磁場
遮蔽装置を使用する生体磁場計測装置の計測視野の中心
を通る面での断面図。 【図17】本発明の実施例8の生体磁場計測装置の構成
例を示す斜視図。 【図18】図17に示す生体磁場計測装置の計測視野の
中心を通る面での断面図。 【図19】本発明の実施例1の生体磁場計測装置によっ
て計測された磁場波形の例を示す図。 【符号の説明】 20,20−1…ベッド,21…x及びy方向移動装
置,又はx,y,z方向移動装置,21’…x,y,z
方向移動装置,22…ベッド及び移動装置の支持台,2
3…高透磁率シート,24…可撓性の樹脂又は接着剤,
25…磁性材リボン,26−1,26−2…保持シー
ト,29−1,29−2,29−3,29−4…車輪,
29’−1,29’−2,29’−3,29’−4…車
輪,30−1…磁場遮蔽装置・ガントリ支持台,30−
2…ガントリ,31…ガントリの高さ制御装置,32…
ガントリの高さ制御ボックス,35…検査者(医師),
36…検査対象(患者),40…磁場遮蔽装置,40−
1…磁場遮蔽装置の第1の部分,40−1−1…第1の
磁場遮蔽内側円筒,40−1−2…第1の磁場遮蔽外側
円筒,40−2…磁場遮蔽装置の第2の部分,40−2
−1…第2の磁場遮蔽内側円筒,40−2−2…第2の
磁場遮蔽外側円筒,40−3…磁場遮蔽装置の第1の部
分,40−3−1…第1の磁場遮蔽内側円筒,40−3
−2…第2の磁場遮蔽外側円筒,40−4…磁場遮蔽装
置の第2の部分,40−4−1…第2の磁場遮蔽内側円
筒,40−4−2…第2の磁場遮蔽外側円筒,40−5
…磁場遮蔽装置の第1の部分,40−5−1…第1の磁
場遮蔽内側円筒,40−5−2…第2の磁場遮蔽外側円
筒,40−6…磁場遮蔽装置の第2の部分,40−6−
1…第2の磁場遮蔽内側円筒,40−6−2…第2の磁
場遮蔽外側円筒,40−7…磁場遮蔽装置,40−7−
1…磁場遮蔽内側円筒,40−7−2…磁場遮蔽外側円
筒,41…第1の開口,42…第2の開口,43…第3
の開口,44…第4の開口,50,50−1,50−2
…クライオスタット,51…データ収集・センサ制御
線,52…データ収集処理・センサ制御装置,53…表
示装置,54…冷媒供給線又は冷却伝達線,55…冷媒
供給装置又は冷却装置,56…冷媒,57…SQUID
磁束計,60…磁場遮蔽円筒,60−1…第1の磁場遮
蔽円筒,60−2…第2の磁場遮蔽円筒,70,70−
1,70−2,70−3…充填剤,80…高透磁率シー
ト支持円筒,82…高透磁率シート層,90−1,90
−2…レール,91…車輪,92…磁場遮蔽装置支持
台,100,100−1…車輪,101…結合部,10
3…ベッド移動台,105…ガイド,110…車内の
床,111…除振台,112…アンカー,115…結合
板,116…移動のための上部結合部,117…床,1
17−1…傾斜した床,118…車輪,119…移動ガ
イド溝,120,128…磁場遮蔽円筒支持体,122
…椅子,124…ガントリ,126…クライオスタット
位置固定ロック,130…磁場遮蔽装置支持体,131
…クライオスタット保持板の固定台,132…クライオ
スタット保持板,140−1,140−2…スペーサ,
150−1,150−2…結合板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神鳥 明彦 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 塚田 啓二 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 横澤 宏一 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平9−214166(JP,A) 特開 平10−41670(JP,A) 特開 平3−126439(JP,A) 特開 平7−59743(JP,A) 特開 平7−147497(JP,A) 特開 平10−328156(JP,A) 特開2000−77890(JP,A) 特開 平6−90916(JP,A) 特開 平3−242134(JP,A) 実開 平3−73104(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/05 G01R 33/035 H05K 9/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】高透磁率を有する複数の高透磁率シートの
    一部分が重複して配置され、垂直方向の1軸を同心状に
    囲み配置され、それぞれ第1、第2の所定の角度の円周
    部もつ非磁性の第1、第2の円筒部材とにより円周方向
    で2分割して構成され、前記第2の円筒部材の前記1軸
    の周りの回転により、前記第1の円筒部材と前記第2の
    円筒部材が前記1軸に平行な両端部で第3の所定の角度
    で重複し円周方向に閉じた状態が構成され、外来磁場の
    前記1軸に垂直な方向の成分が遮蔽されることを特徴と
    する磁場遮蔽装置。
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