JP3453118B2 - 清掃用パッドおよびこの清掃用パッドを用いたポリッシャ - Google Patents

清掃用パッドおよびこの清掃用パッドを用いたポリッシャ

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JP3453118B2 JP2000310576A JP2000310576A JP3453118B2 JP 3453118 B2 JP3453118 B2 JP 3453118B2 JP 2000310576 A JP2000310576 A JP 2000310576A JP 2000310576 A JP2000310576 A JP 2000310576A JP 3453118 B2 JP3453118 B2 JP 3453118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被取付け部とブラシ部
とをそれぞれ備えた清掃用パッドおよびこの清掃用パッ
ドを用いたポリッシャに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のボディや、ビルおよび一
般家屋の外壁、内壁、窓ガラス、床、天井、じゅうたん
や、洗面所の便器、洗面台などの被清掃面を清掃するの
に、各種のたわしやモップ、さらには各種の清掃用柄付
きブラシなどの清掃用具が用いられている。そして、こ
れらの被清掃面を清掃する場合には、これらの清掃用具
のブラシ部などに液状などの洗剤を含浸させてから、こ
のブラシ部などにより被清掃面を清掃するようにしてい
る。
【0003】また、従来、ビルの床面などを清掃するの
に、回転式電動ポリッシャが用いられている。この場
合、回転式電動ポリッシャのドライビングパッドの下面
に清掃用パッドが着脱自在に取付けられるが、この清掃
用パッドを上記ドライビングパッドの下面に取付け易く
するために、清掃用パッドを円板形状の不織布層から構
成し、上記ドライビングパッドの下面に設けられた多数
の係合針をこの不織布層に途中まで差し込むことによ
り、清掃用パッドを上記ドライビングパッドに着脱自在
に取付けるようにしている。そして、この取付け状態に
おいて、ポリッシャに内蔵させた駆動モータの回転をド
ライビングパッドを介して清掃用パッドに伝達してこの
清掃用パッドを回転させつゝ、この清掃用パッドの下面
を床面に当接させて、床面を磨くようにしている。
【0004】しかし、従来のたわし、モップ、清掃用柄
付きブラシなどの清掃用具では、自動車のボディのよう
に凸曲面および/または凹曲面を有する被清掃面を容易
かつ確実にしかも大変綺麗に清掃するのは大変困難であ
った。
【0005】さらに、従来のたわし、モップ、清掃用柄
付きブラシなどの清掃用具では、そのブラシ部に液状洗
剤を含浸させて清掃作業を行う際に、液状洗剤がところ
構わずにブラシ部から周囲にこぼれ落ちる不都合があっ
た。
【0006】本発明者は、上述の点に鑑み、被清掃面が
凸曲面および/または凹曲面を有すると否とにかかわら
ず、被清掃面を容易かつ確実にしかも大変綺麗に清掃す
ることができ、また、ブラシ部に液状洗剤を含浸させた
場合にこの液状洗剤が周囲にこぼれ落ちる恐れがない清
掃用ブラシを案出した。
【0007】この清掃用ブラシは、柔軟性に富み弾性を
有するブロック状握り部と、このブロック状握り部に設
けられたブラシ部とを備え、このブラシ部は、上記ブロ
ック状握り部に設けられた裏当て層と、この裏当て層を
介して上記ブロック状握り部に設けられたパイル層とを
備え、上記パイル層は、多数の単繊維を1本ずつ直立し
た状態で植毛することにより構成されている。
【0008】また、この清掃用ブラシにおいては、上記
ブロック状握り部は、縦弾性率が0.4〜3.0Kg/cm2
の発泡材料から厚みが3〜100mmになるように構成さ
れ、上記裏当て層は、ショア硬さが35〜75で厚みが
0.6〜6.0mmになるように構成され、上記パイル層
は、太さが5〜50デニールで弾性率(試験法(AST
M):D638−52T)が13,000〜38,00
0kg/cm2 の単繊維を上記裏当て層に1cm2 当り1,0
00〜50,000本の植毛密度でその厚みが0.8〜
7.8mmになるように1本ずつ直立した状態で植毛する
ことにより構成されていてよい。
【0009】以下、上記清掃用ブラシの一具体例を本発
明の参考例として図1〜図8を参照しながら説明する。
【0010】まず、本発明の参考例による清掃用ブラシ
10は、特に図1〜図4に明示されているように、柔軟
性に富み弾性を有するほゞ台形柱体形状のブロック状握
り部1と、このブロック状握り部1の下面に取り付けら
れたブラシ部3とから成っている。
【0011】ブロック状握り部1は、発泡ポリウレタ
ン、発泡ポリオレフィン(発泡ポリエチレン、発泡ポリ
プロピレンなど)、発泡ゴムなどの弾性と柔軟性とに富
み防水性を有する軟質合成樹脂、軟質ゴムなどの発泡材
料や場合によっては非発泡材料から成っていてよいが、
実用上の観点から見て、発泡ポリウレタンから成ってい
るのが特に好ましい。また、ブロック状握り部1は、図
示の参考例の場合には、その厚み(高さ)が約40mmの
ほゞ台形柱体形状のブロック体であるが、このブロック
状握り部の厚みは、実用上の観点から見て、一般的には
3〜100mmであるのが好ましく、5〜50mmであるの
がさらに好ましい。また、ブロック状握り部1の図示の
実施例における縦弾性率は約1.0Kg/cm2であるが、こ
のブロック状握り部1の弾性率は、実用上の観点から見
て、一般的には0.4〜3.0Kg/cm2であるのが好まし
く、0.6〜1.8Kg/cm2であるのがさらに好ましい。
また、ブロック上握り部1の図示の実施例における気孔
率は約70%であるが、このブロック状握り部1の気孔
率は、実用上の観点から見て、一般的には45〜95%
であるのが好ましく、55〜85%であるのがさらに好
ましい。
【0012】ブラシ部3は、図3(A)および(B)に
明示されているように、ゴム系接着剤その他の適当な接
着剤9によりその上面をブロック状握り部1の平坦な下
面に接着された可撓性を有する裏当て層5と、グラスフ
ァイバーなどの適当なネット材料から成りこの裏当て層
5の下方附近に埋設されている補強用ネット8と、適当
な接着剤から成り裏当て層5のほゞ平坦な下面に形成さ
れている止着層6と、この止着層6にそれらの下端が埋
設されることにより1本ずつ直立した状態で植毛されて
固着されこの埋設部分以外は自由端となって下方にほゞ
垂直に延びている多数の繊維体7とから成っている。そ
して、これら多数の繊維体7の止着層6に埋設されてい
ない自由端側の部分によって、止着層6上に全体にわた
ってほゞ等厚のパイル層15が形成されている。また、
補強用ネット8は、図示の参考例の場合には約4mm×約
5mmの大きさのほゞ長方形の開口を基盤目状に有してい
て、裏当て層5を補強すると共にこの裏当て層5の伸縮
および折げを抑制する作用も有している。そして、多数
の繊維体7を裏当て層5の下面に植毛するには、止着層
6を構成するための接着剤を裏当て層5の下面に塗布し
てこの接着剤が硬化するまでの間に、多数の繊維体7を
静電相互作用により上記接着剤に吸着させ、次いで、こ
の接着剤を硬化させて止着層6を形成すればよい。
【0013】裏当て層5は、ポリ塩化ビニル樹脂(PV
C)、ポリウレタン樹脂、エチレン−プロピレン共重合
体樹脂、合成ゴムなどの適当な弾性と適当な防水性とを
有するコンパウンド(すなわち、成形材料)から構成す
ることができるが、実用上の観点から見て、PVCコン
パウンドから構成するのが特に好ましい。なお、PVC
コンパウンドから構成された裏当て層5の図示の参考例
におけるショア硬さは約45であるが、この裏当て層5
のショア硬さは、実用上の観点から見て、一般的には3
5〜75であるのが好ましく、40〜60であるのがさ
らに好ましい。したがって、この裏当て層5よりもブロ
ック状握り部1の方が柔軟性に富んだ材料から構成され
ている。また、裏当て層5の厚みは、図示の参考例の場
合には約1.9mmであるが、実用上の観点から見て、一
般的には0.6〜6.0mmであるのが好ましく、1.0
〜4.0mmであるのがさらに好ましい。
【0014】なお、裏当て層5の上面には、平坦面をエ
ンボス加工することなどにより基盤目状に多数の凹部5
aが形成されていてよい。そして、この凹部5aの形状
は、図示の参考例の場合にはほゞ正四角錐台形状である
が、ほゞ円錐台形状、長方形の四角錐台形状などの任意
の形状であってよく、また、裏当て層5の上面にこれと
ほゞ同等の不規則な凹凸が形成されていてもよい。ま
た、図示の参考例の場合には、この正四角錐台形状の頂
面(凹部5aの底面)は約1.5mm×約1.5mmの大き
さであり、その底面(凹部5aの入口)は約4mm×約4
mmの大きさであり、凹部5aの深さは約0.1mmであ
り、凹部5aのピッチは裏当て層5の長さ方向および幅
方向のいずれにおいても約6mmである。そして、実用上
の観点から見て、任意形状の凹部5aの底面の面積は一
般的には1〜25mm2 であるのが好ましく、2〜20mm
2 であるのがさらに好ましく、また、この凹部5aの入
口の面積は一般的には8〜200mm2 であるのが好まし
く、4〜100mm2 であるのがさらに好ましく、また、
この凹部5aの深さは一般的には0.2〜2.0mmであ
るのが好ましく、0.4〜1.2mmであるのがさらに好
ましく、さらに、この凹部5aのピッチは裏当て層5の
長さ方向および幅方向のいずれにおいても一般的には1
〜20mmであるのが好ましく、2.5〜12mmであるの
がさらに好ましい。
【0015】また、裏当て層5の上面に上述のように基
盤目状に多数の凹部5aが形成されているから、この結
果として、裏当て層5の上面には格子縞形状の凸部5b
が形成されている。そして、この格子縞形状の凸部5b
が適当な接着剤により台部1の下面に接着されることに
よって、裏当て層5の上面が台部1の下面に固着されて
いる。
【0016】繊維体7は、6,6−ナイロン、6−ナイ
ロン、6,10−ナイロンなどのナイロン、ポリプロピ
レン樹脂、ポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビ
ニリデン樹脂などの適当な弾性と適当な剛性とを有する
合成樹脂などの単繊維から成っていてよいが、実用上の
観点から見て、6,6−ナイロン、6−ナイロン、6,
10−ナイロンなどのナイロンの単繊維であるのが好ま
しく、6,6−ナイロンの単繊維であるのが特に好まし
い。なお、6,6−ナイロンの弾性率(試験法(AST
M):D638−52T)は約28,100kg/cm2
あるが、繊維体7が適当な弾性と適当な剛性とを併せ持
つようにするには、繊維体7の上記弾性率は、実用上の
観点から見て、一般的には13,000〜38,000
kg/cm2であるのが好ましく、18,000〜30,0
00kg/cm2 であるのがさらに好ましい。また、繊維体
7の太さは、図示の参考例に用いられている6,6−ナ
イロンの単繊維の場合には約15デニールまたは約20
デニールであってよいが、実用上の観点から見て、一般
的には5〜50デニールであるのが好ましく、10〜3
0デニールであるのがさらに好ましい。また、繊維体7
の長さは、図示の参考例の場合には約2.2mmである
が、実用上の観点から見て、一般的には1.0〜8.0
mmであるのが好ましく、1.5〜4.0mmであるのがさ
らに好ましい。
【0017】また、止着層6への多数の繊維体7の植毛
密度(換言すれば、パイル層15の植毛密度)は、図示
の参考例の場合には1cm2 当り約6,800本または約
8,000本であってよいが、実用上の観点から見て、
一般的には1cm2 当り1,000〜50,000本であ
るのが好ましく、1cm2 当り4,000〜14,000
本であるのがさらに好ましい。さらに、繊維体7のうち
の止着層6に埋設されている部分(すなわち、パイル層
15以外の部分)の長さは、図示の参考例の場合には約
0.1mmであるが、一般的には0.02〜1.0mmであ
るのが好ましく、0.05〜0.5mmであるのがさらに
好ましい。したがって、繊維体7のうちの止着層6に埋
設されていない自由端側の部分の長さ(すなわち、パイ
ル層15の厚み)は、図示の参考例の場合には約2.1
mmであるが、実用上の観点から見て、一般的には0.8
〜7.8mmであるのが好ましく、1.3〜3.8mmであ
るのがさらに好ましい。また、繊維体7のうちのパイル
層15以外の部分の長さとパイル層15の厚さとの比
は、図示の参考例の場合には約1:21であるが、実用
上の観点から見て、一般的には1:5〜1:80である
のが好ましく、1:10〜1:50であるのがさらに好
ましい。
【0018】本参考例においては、図1および図2に明
示されているように、パイル層15は裏当て層5のほゞ
平坦な下面のほゞ全領域に植毛され、また、この裏当て
層5は、その外周縁全体にわたって下端から上端に向っ
て内側へと角度θ0 の勾配が付けられてほゞ直線状に斜
めに延びている。そして、この裏当て層5の勾配角度θ
0 は、図示の参考例の場合には約45°であるが、実用
上の観点から見て、一般的には25〜75°であるのが
好ましく、30〜60°であるのがさらに好ましい。な
お、裏当て層5が上記勾配角度θ0 を有する効果につい
ては、後述の使用方法の説明から明らかであろう。
【0019】したがって、パイル層15の下面の形状
(すなわち、多数の繊維体7全体の自由端側の端面の形
状)は、ブロック状握り部1の下面の形状とほゞ同様に
ほゞ台形であるが、その外周囲においてブロック状握り
部1の下面の形状よりも一回り(換言すれば、多少)大
きくなっている。なお、パイル層15の下面の形状は、
図8(B)に関連して後述する場合と同様に、最初か
ら、裏当て層5の上面および下面ならびにブロック状握
り部1の下面の形状とそれぞれほゞ同形にすることもで
きる。
【0020】また、本参考例においては、パイル層15
の下面は、図4に明示されているようにほゞ台形である
から、このパイル層15の全長にわたって延びる台形の
下底としての長辺縁16を備え、さらに、この長辺縁1
6の両端部16a、16bの附近に鋭角部17a、17
bを備えている。また、パイル層15の下面は、長辺縁
16に対向してほゞ平行に延びている台形の上底として
の短辺縁18を備え、さらに、この短辺縁18の両端部
18a、18bの附近に鈍角部19a、19bを備えて
いる。また、パイル層15の下面は、当然のことなが
ら、端部16aと18aとの間および端部16bと18
bとの間をそれぞれ延びている台形の脚としての一対の
側辺縁20、21を備えている。
【0021】なお、図4に示すパイル層15の下面にお
いて、上記長辺縁16の長さは、図示の参考例の場合に
は約15cmであるが、実用上の観点から見て、一般的に
は6〜30cmであるのが好ましく、10〜20cmである
のがさらに好ましい。また、上記短辺縁18の長さは、
図示の参考例の場合には約12cmであるが、実用上の観
点から見て、一般的には4〜24cmであるのが好まし
く、8〜16cmであるのがさらに好ましい。また、上記
長辺縁16と上記短辺縁18との間隔(すなわち、台形
の高さとしてのパイル層15の最大幅)は、図示の参考
例の場合には約7cmであるが、実用上の観点から見て、
一般的には4〜15cmであるのが好ましく、5〜10cm
であるのがさらに好ましい。また、長辺縁16の長さに
相当するパイル層15の図4の左右方向における長さ
と、台形の高さに相当するパイル層15の最大幅との比
は、図示の参考例の場合には約2.1であるが、実用上
の観点から見て、一般的には1.0〜5.0であるのが
好ましく、1.5〜3.5であるのがさらに好ましい。
【0022】さらに、図4に示すパイル層15の下面に
おいて、鋭角部17a、17bにおける鋭角θ1 、θ2
は、図示(図4)の参考例の場合には約78°である
が、実用上の観点から見て、一般的には50〜86°で
あるのが好ましく、65〜82°であるのがさらに好ま
しく、さらに、鋭角θ1 とθ2 とが必ずしも同一である
必要はない。また、パイル層15の下面において、長辺
縁16の両端部16a、16bをそれぞれ通りこの長辺
縁16に対して直角を成して延びる第1の仮想直線L1
と、長辺縁16の両端部16a、16bをそれぞれ通り
これら第1の仮想直線L1 に対して約12°内側(すな
わち、パイル層15側)に傾斜して延びる第2の仮想直
線L2 (図4においては、一対の側辺縁20、21を通
る直線)との間に鋭角θ3 、θ4 が形成され、これらの
鋭角θ3 、θ4 を成す鋭角領域には、パイル層15その
他のブラシ部3やブロック状握り部1がいずれも存在し
ない自由空間25a、25bがそれぞれ形成されてい
る。なお、パイル層15の下面において、第1の仮想直
線L1 と第2の仮想直線L2 との間に形成される鋭角θ
3 およびθ4 は、図示の参考例の場合には約12°であ
るが、実用上の観点から見て、一般的には4〜40°で
あるのが好ましく、8〜25°であるのがさらに好まし
く、さらに、鋭角θ3 とθ4 とが必ずしも同一である必
要はない。また、これらの鋭角θ3 、θ4 を成す鋭角領
域に形成される自由空間25a、25bの効果について
は、後述の使用方法の説明から明らかであろう。
【0023】なお、ブロック状握り部1は、ほゞ台形柱
体形状である必要は必ずしもなく、ほゞ直方体形状、円
柱体、その他の任意のブロック形状であってよく、した
がって、パイル層15の下面の形状も、図1および図4
に示すようにほゞ台形である必要は必ずしもなく、ほゞ
長方形、その他の任意の多角形、円形などであってよ
い。しかし、パイル層15の下面の形状は、後述の使用
方法の説明から明らかなように、 長辺縁16がほゞ直線状であってパイル層15の全長
にわたって延びていること、 この長辺縁16の両端部16a、16bの附近に鋭角
部17a、17bをそれぞれ有していること、 第1の仮想直線L1 と第2の仮想直線L2 とに挾まれ
た鋭角領域は自由空間25a、25bを構成しているこ
と、をそれぞれ満足しているのが好ましい。
【0024】したがって、これらの〜に記載した3
条件を満足しているのが好ましいパイル層15の下面
は、台形以外の任意の形状であってよいが、例えば、図
5に示す変形例の場合のように、側辺縁20、21をヘ
字状および逆へ字状の折れ線にしたものであってよく、
場合によっては、これらの側辺縁20、21をこれらの
折れ線とほゞ同様の円弧状にしたり、また、短辺縁18
を長辺縁16とは非平行になるように傾斜させるか曲線
にするかしてもよい。なお、図5において、図4と共通
の部分には同一の符号を付してあるが、鋭角θ1 、θ2
は図4の場合に較べて約70°と小さくなっている。し
かし、長辺縁16の長さ、パイル層15の最大幅、長辺
縁16の長さとパイル層15の最大幅との比および角θ
1 〜θ4 の大きさについての図4のパイル層15の下面
形状における好ましい範囲は、図5のパイル層15の下
面形状についても当てはまる。また、側辺縁20、21
が上述のように円弧状の場合には、鋭角θ1 、θ2 の大
きさについての上述のような好ましい範囲は、両端部1
6a、16bの近傍での鋭角θ1 、θ2 について当ては
まる。
【0025】次に、本参考例による清掃用ブラシの使用
方法について述べると、本参考例による清掃用ブラシ1
0を用いて自動車のボディや、ビルおよび一般家屋の外
壁、内壁、窓ガラス、床、天井、じゅうたんや、洗面所
の便器、洗面台などの被清掃面を清掃する場合には、ま
ず、清掃用ブラシ10のパイル層15に市販品その他の
液状洗剤を含浸させる。この場合、パイル層15の植毛
密度が高いから、液状洗剤は、密に植毛された多数の繊
維体7の間隙での毛管現象によりパイル層15y に確実
に保持され、このために、パイル層15から不測にこぼ
れ落ちる恐れがない。なお、上記液状洗剤としては、中
性洗剤やバイオ系の洗剤を用いることができるが、粉末
の洗剤もまた使用可能である。
【0026】次いで、ブロック状握り部1を手で鷲掴み
にした状態でパイル層15の下面を被清掃面に当接させ
てから、この手を往復動させることにより清掃用ブラシ
10全体を1回〜複数回往復動させれば、パイル層15
を構成している多数の繊維体7の下端が被清掃面上を繰
り返して摺動するから、被清掃面を容易かつ確実にしか
も大変綺麗に清掃することができる。特に、繊維体7と
その裏当て層5とがいずれも適当な弾性を有し、また、
繊維体7はその太さが適度に小さくかつ適度な曲げ剛性
を有しているから、被清掃面における狭い溝や小さい凹
部にも確実に侵入し、このために、被清掃面全体を確実
に清掃することができて清掃洩れを生じる恐れがない。
【0027】また、ブロック状握り部1は柔軟性に富ん
でいるから、上述のようにのブロック状握り部1を手で
鷲掴みにするのがきわめて容易である。また、ブロック
状握り部1が柔軟性に富んでいるだけでなく、裏当て層
5も可撓性を有しているから、被清掃面が自動車のボデ
ィのように凸曲面および/または凹曲面を有していて
も、図6(A)および(B)に示すように、清掃用ブラ
シ10のパイル層15の下面を被清掃面12の凸曲面1
2aおよび凹曲面12bにそのほゞ全体にわたって密着
させることができる。したがって、被清掃面12が凸曲
面12aおよび/または凹曲面12bを有していても、
この被清掃面12を清掃用ブラシ10により容易かつ確
実にしかも大変綺麗に清掃することができる。
【0028】なお、被清掃面の周囲に障害物がない場合
には、上述の清掃作業の際に、図1に示す清掃用ブラシ
を前後および左右のいずれの方向に摺動させて清掃する
のもきわめて容易である。しかし、窓枠に嵌め込まれた
窓ガラスや風呂場または洗面所の隅角部などのように、
被清掃面が隅角部を有していて被清掃面の周囲に障害物
がある場合には、図7(A)および(B)に明示されて
いるようにして上述の清掃作業を行うのが好ましい。
【0029】すなわち、本参考例による清掃用ブラシ1
0のパイル層15と窓ガラスおよび窓枠との位置関係を
示す図7(A)および(B)において、26は凸曲面お
よび凹曲面をその表面に有する窓ガラス27が嵌め込ま
れた窓枠であって、この窓枠26は被清掃面である窓ガ
ラス27の表面よりも外方(紙面の手前側)に突出して
いる。この場合、窓ガラス27の右上隅部27aを本参
考例による清掃用ブラシ10を用いて清掃するには、パ
イル層15の一方の鋭角部17aを上記右上隅部27a
に差し込むことによりパイル層15を図7(A)の右上
隅部27aにおける一点鎖線の状態とし、さらに、必要
に応じて、パイル層15の長辺縁16を図7(A)の右
上隅部27aにおいて実線に示すように窓枠26の右側
部26aの内側縁にほゞ一致させてから、清掃用ブラシ
10を矢印に示すように左方へ摺動させ、また、必要が
あれば左右方向へ往復摺動させることにより、清掃作業
を行えばよい。なお、パイル層15の下面においては、
図4に明示されているように、鋭角部17aの先端部の
角θ1 が鋭角であり、また、側辺縁20に隣接して既述
の自由空間25aが存在している。したがって、窓ガラ
ス27の右上隅部27aへの鋭角部17aの差し込み動
作をきわめて容易に行うことができ、また、この鋭角部
17aの先端を右上隅部27aの隅端にきわめて容易に
位置合せすることができ、さらに、必要に応じて、長辺
縁16を窓枠26の右側部26aの内側縁にきわめて容
易かつ確実にほゞ一致させることができる。
【0030】次いで、必要に応じて、図7(B)の右上
隅部27aにおいて実線で明示されているように、清掃
用ブラシ10を下方に摺動させることにより窓ガラス2
7の右上隅部27aを清掃することができるが、この場
合には、上述の場合とほゞ同様にして、図7(B)の右
上隅部27aにおいて一点鎖線で明示されているよう
に、まず、パイル層15の他方の鋭角部17bを上記右
上隅部27aに差し込むようにすればよい。さらに、窓
ガラス27の左上隅部27b、左下隅部27cおよび右
下隅部27dも、図7(A)および(B)において一点
鎖線で明示されているように、上述の右上隅部27aの
場合と同様に、パイル層15の一対の鋭角部17a、1
7bのうちのいずれか都合の良い方を隅部27b、27
cまたは27dに差し込んでから、上述の清掃作業を行
えばよい。
【0031】なお、本参考例による清掃用ブラシ10に
おいては、裏当て層5は、その外周縁全体にわたって厚
さ方向には角度θ0 の勾配が付けられてほゞ直線状に斜
めに延びている。したがって、窓枠26の内側縁に沿っ
てゴム製などのパッキングが配されている場合でも、こ
のパッキングの両側縁と窓枠26および窓ガラス27と
の間に存在する非常に狭い溝にパイル層15の外周縁の
先端部分をきわめて容易かつきわめて確実に入り込ませ
ることができる。また、ビルの間仕切りの下端と床面と
の間に存在する非常に小さい間隙や、応接セットの長椅
子のシート部分の縫い目におけるマチ部分の両側縁のよ
うな非常に狭い溝にも、パイル層15の外周縁(例え
ば、一対の側辺縁20、21のいずれか一方)の先端部
分(すなわち、下端部分)をこれらの間隙や溝にきわめ
て容易かつきわめて確実に入り込ませることができる。
さらに、上述のように角度θ0 の勾配が存在するから、
非常に狭い溝や非常に小さい間隙にパイル層15の外周
縁の先端部分を入り込ませても、これらの溝や間隙の周
囲の部分が清掃用ブラシ10の裏当て層5により傷付け
られる恐れもない。
【0032】上述のとおりであるから、本参考例による
清掃用ブラシ10によれば、凸曲面および/または凹曲
面を有する被清掃面を確実に綺麗にすることができ、ま
た、被清掃面の隅角部やきわめて狭い溝または間隙を清
掃洩れを生じることなく容易かつ確実にしかも大変綺麗
に清掃することができる。
【0033】また、本参考例による清掃用ブラシ10
は、図1および図4に明示されているように、左右対称
に構成されている。したがって、一対の側辺縁20、2
1のうちのいずれか一方を上記間隙や上記溝に入り込ま
せた状態において長辺縁16側から短辺縁18側にこの
入り込ませた側辺縁20または21に沿って一方の側へ
移動させ、次いで、この清掃用ブラシの左右を逆にして
上述の場合と同様の状態にしてから他方の側へ移動させ
れば、上記間隙または上記溝をその左右両側からそれぞ
れ清掃することができる。また、被清掃面の状態によっ
ては、右利きの人と左利きの人とで清掃用ブラシを左右
逆にすることにより、清掃作業を常に最適な状態で行う
ことができる。
【0034】さらに、本参考例による清掃用ブラシ10
においては、ブラシ部3、特にそのパイル層15がその
外周縁において摩耗した場合に、この摩耗部分15aを
図8(A)および(B)に明示されているようにして簡
単に補修することができる。
【0035】すなわち、本参考例による清掃用ブラシ1
0においては、パイル層15のうちでも使用頻度の高い
外周縁が摩耗し易く、また、図7(A)および(B)を
参照してその使用方法を説明したことからも明らかなよ
うに、その鋭角部17a、17bの先端が特に摩耗し易
く、この先端には図8(A)に明示されているような摩
耗部分15aが生じ易い。したがって、ブロック状握り
部1と裏当て層5との境界面の外周囲を構成するほゞ台
形状の線28(図1および図2参照)に沿って裏当て層
5およびパイル層15のほゞ台形状の外周縁を図8
(B)に明示されているように切り落とせば、摩耗部分
15aを確実に除去することができる。この場合、ほゞ
台形状の線28のうちの短辺縁18に沿った直線部分に
ついては、摩耗部分15aを除去するのに無関係であれ
ば、特に切り落とす必要はない。
【0036】このような摩耗部分15aの補修を行え
ば、この摩耗部分15aを除去してパイル層15および
場合によっては裏当て層5の形状を整えることができる
から、パイル層15の下面の形状は、既述のように、裏
当て層5の上面および下面ならびにブロック状握り部1
の下面の形状とそれぞれほゞ同形となる。
【0037】なお、本参考例による清掃用ブラシ10
は、自動車のボディや、ビルおよび一般家屋の外壁、内
壁、窓ガラス、床、天井、じゅうたんや、洗面所の便
器、洗面台だけでなく、清掃を必要とするほとんど総て
の面を容易かつ確実に清掃することができる。
【0038】また、本参考例においては、角度θ0 の勾
配を裏当て層5の外周縁全体にわたって設けたが、短辺
縁18に対応する裏当て層5の短辺縁には特に設ける必
要がなく、また、長辺縁16に対応する裏当て層5の長
辺縁のみに設けてもよく、場合によっては、裏当て層5
の外周縁の総てに全く設けなくてもよい。
【0039】また、本参考例においては、クッション層
5に付けられる角度θ0 の勾配は、ほゞ直線状に斜めに
延びるようにしたが、下向きまたは上向きの曲線(例え
ば、下向きまたは上向きの円弧)であってもよく、場合
によっては階段状の勾配であってもよい。なお、角度θ
0 の勾配が上述のように曲線などの場合には、勾配角度
θ0 についての既述のような好ましい範囲は、裏当て層
5の外周縁の下端付近での勾配角度θ0 について当ては
まる。
【0040】さらに、本参考例においては、繊維体7が
下方にほゞ垂直に延びるようにしたが、用途に応じて、
例えば、繊維体7を短辺縁18側から長辺縁16側に向
って多少傾斜させた状態で止着層6にその上端を埋設さ
せるようにしてもよく、この場合には、パイル層15の
下面の摩擦係数は、長辺縁16側から短辺縁18側に向
う方向においてはその逆の方向に較べて大きくなるか
ら、この参考例における清掃用ブラシの清掃効果を向上
させることができる。
【0041】
【発明が解決しようとする課題】一方、既に述べた従来
の回転式電動ポリッシャのような清掃用具も、液状など
の洗剤と一緒に用いたとしても、小さな凹凸を有する汚
れの激しい粗面を短時間に大変綺麗にすることができな
かった。
【0042】さらに、既に述べた従来の回転式電動ポリ
ッシャのような清掃用具も、そのブラシ部に液状洗剤を
含浸させて清掃作業を行う際に、液状洗剤がところ構わ
ずにブラシ部から周囲にこぼれ落ちる不都合があった。
【0043】本発明は、参考例として以上に詳述した清
掃用ブラシに適用されている技術を利用して、従来の回
転式電動ポリッシャのような清掃用具の欠点を是正する
ようにしたものである。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリッシャに
取り付けられる被取り付け部と、パイル層を有しかつ上
記被取り付け部に設けられたブラシ部とを備え、上記パ
イル層は、太さが5〜50デニールで弾性率(試験法
(ASTM):D638−52T)が13,000〜3
8,000kg/cm 2 の単繊維を1cm2 当り1,000〜
50,000本の植毛密度でその厚みが0.8〜7.8
mmになるように1本ずつ直立した状態で植毛することに
より構成され、上記単繊維のそれぞれの自由端側の部分
は、上記被取り付け部側とは反対側に向ってその先端が
延びている清掃用パッドに係るものである。
【0045】
【0046】本発明においては、上記ブラシ部は、上記
被取り付け部に設けられた裏当て層と、この裏当て層の
上記被取り付け部とは反対側の面に設けられた上記パイ
ル層とを備え、上記単繊維のそれぞれの自由端側の部分
は、上記裏当て層側とは反対側に向ってその先端が延び
いてよい。
【0047】さらに、本発明は、上述のような清掃用パ
ッドが着脱自在に取り付けられているポリッシャにも係
るものである。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例による清
掃用パッドを図9〜図12を参照しながら説明する。
【0049】本発明の一実施例による回転式電動ポリッ
シャのための清掃用パッド(いわゆる、フロアパッド)
30は、特に図9および図12に明示されているよう
に、回転式電動ポリッシャのドライビングパッドに取り
付けるために、中心開口31を有するほゞ円板形状に構
成された可撓性を有する被取り付け部32と、この被取
り付け部32の下面に適当な接着剤37により取り付け
られた可撓性を有するほゞ円板形状のブラシ部33とか
ら成っている。なお、本実施例においては、被取り付け
部32のおよびブラシ部33は互いにほゞ同形の外形と
互いにほゞ同形の中心開口とをそれぞれ有し、これらの
中心開口により清掃用パッド30の中心開口31が構成
されている。また、この中心開口31は、その直径が図
示の実施例の場合には約8cmであるが、この中心開口3
1の直径は、実用上の観点から見て、一般的には4〜1
6cmであってよく、6〜12cmであるのがさらに好まし
い。また、被取り付け部32およびブラシ部33は、そ
の直径が図示の実施例の場合には約38cmであるが、こ
の被取付け部32およびブラシ部33の直径は、実用上
の観点から見て、一般的には20〜80cmであってよ
く、30〜60cmであるのがさらに好ましい。
【0050】被取り付け部32は、単繊維の集合体をニ
ードルパンチして層状にすることにより構成された不織
布層から成っていてよく、この不織布層の下面には、ゴ
ム系接着剤またはゴムが含浸されている。したがって、
この被取り付け部32は、回転式電動ポリッシャのドラ
イビングパッドの下面に設けられた多数の係合針が差込
まれるように主として不織布部分のみから成る可撓性を
有する被係合層38と、上記係合針の侵入を阻止するよ
うにこの被係合層38の下面に被係合層38に連続して
形成され硬度が比較的大きいが可撓性を有するストッパ
層39とから成っている。なお、被取り付け部32は、
不織布層から成っている必要は必ずしもなくて織布層か
ら成っていてもよく、この不織布層または織布層を構成
する繊維の材質としては、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデンなどを挙げ
ることができるが、実用上の観点から見て、ポリプロピ
レン繊維から成る不織布層であるのが特に好ましい。ま
た、被取り付け部32は、その厚みが図示の実施例の場
合には約3mmであるが、この被取付け部32の厚みは、
実用上の観点から見て、一般的には1〜9mmであるのが
好ましく、2〜6mmであるのがさらに好ましい。なお、
不織布とは、紡績、織布の工程を省略して、個々の繊維
の形態から繊維を互いに係合させることにより多数の繊
維の集合体を層状にした布である。また、被取り付け部
32を構成する不織布層は上述のように一般的には1〜
9mmであるのが好ましい。したがって、被取り付け部3
2は、換言すれば、紡績、織布の工程を省略して、個々
の繊維の形態から繊維を互いに係合させることにより多
数の繊維の集合体を層状にして構成した繊維集合層状体
である。
【0051】被係合層38は、その厚みが図示の実施例
の場合には約2mmであるが、この被係合層38の厚み
は、実用上の観点から見て、一般的には0.7〜6mmで
あるのが好ましく、1.5〜4mmであるのがさらに好ま
しい。また、ストッパ層39は、その厚みが図示の実施
例の場合には約1mmであるが、このストッパ層39の厚
みは、実用上の観点から見て、一般的には0.3〜3mm
であるのが好ましく、0.5〜2mmであるのがさらに好
ましい。また、被係合層38の厚みに対するストッパ層
39の厚みの比は、図示の実施例の場合には約0.5で
あるが、一般的には0.1〜2.0であるのが好まし
く、0.2〜1.0であるのがさらに好ましい。また、
このストッパ層39は、被係合層38と同様に可撓性で
はあるが、上述のようにゴム系接着剤またはゴムが含浸
されているためにこの被係合層38よりも剛性が大きく
なっている。
【0052】ブラシ部33は、既述の参考例におけるブ
ラシ部3(図3(A)および(B)参照)と実質的に同
一の断面構造を有していてよい。したがって、ブラシ部
33は、上記ブラシ部3の場合と共通の符号を用いて説
明すると、図12(A)および(B)に明示されている
ように、ゴム系接着剤その他の適当な接着剤37により
その上面を被取り付け部32のストッパ層39のほゞ平
坦な下面に接着された可撓性を有する裏当て層5と、グ
ラスファイバーなどの適当なネット材料から成りこの裏
当て層5の下方附近に埋設されている補強用ネット8
と、適当な接着剤から成り裏当て層5のほゞ平坦な下面
に形成されている止着層6と、この止着層6にそれらの
下端が埋設されることにより1本ずつ直立した状態で植
毛されて固着されこの埋設部分以外は自由端となって下
方にほゞ垂直に延びている多数の繊維体7とから成って
いる。そして、これらの接着剤37、裏当て層5、補強
用ネット8、止着層6、繊維体7およびパイル層15
(多数の繊維体7の自由端側の部分によって形成された
層)のそれぞれの構成は、その平面的な外形の大きさと
裏当て層5の厚みおよび硬度とを除いては、既述の参考
例の場合と実質的に同一であってよいから、その詳細な
説明を省略する。
【0053】なお、本実施例における裏当て層5の厚み
は、既述の参考例における裏当て層5の厚みよりも大き
くて、図示の実施例の場合には約3.0mmであるが、実
用上の観点から見て、一般的には0.8〜8.0mmであ
るのが好ましく、1.5〜5.0mmであるのがさらに好
ましい。また、本実施例における裏当て層5は、既述の
参考例における裏当て層5よりもその硬度が多少大きく
て、図示の実施例におけるショア硬さは約50である
が、裏当て層5のショア硬さは、実用上の観点から見
て、一般的には40〜80であるのが好ましく、45〜
60であるのがさらに好ましい。そして、この裏当て層
5は、被係合層38およびストッパ層39と同様に可撓
性ではあるが、これらの被係合層38およびストッパ層
39よりもさらに剛性が大きくなっている。
【0054】次に、本実施例による回転式電動ポリッシ
ャのための清掃用パッドの使用方法について述べると、
図9に示す清掃用パッド30は、図10〜図12に示す
ように、把手41を有する従来から公知の回転式電動ポ
リッシャ40に着脱可能に取り付けられる従来から公知
のドライビングパッド42の下面に着脱自在に取り付け
られる。すなわち、ドライビングパッド42の下面に不
規則な方向に延びるように多数植設された係合針43を
清掃用パッド30の被係合層38に差し込んで、これら
の多数の係合針43により清掃用パッド30をドライビ
ングパッド42に保持させる。この場合、係合針43の
先端はストッパ層39の上面に当接してそれ以上差し込
まれることはないので、ドライビングパッド42の下面
と被係合層38の上面との間には若干の間隙C(図11
参照)が形成され、このために、清掃用パッド30は多
少は湾曲し得る状態でドライビングパッド42に取り付
けられる。
【0055】したがって、この取り付け状態において、
従来の場合と同様に、ポリッシャ40に内蔵させた駆動
モータ(図示せず)の回転をドライビングパッド42を
介して清掃用パッド30に伝達してこの清掃用パッド3
0を回転させつゝ、この清掃用パッド30の下面を床面
などの被清掃面に当接させて、被清掃面を磨けばよい。
なお、ポリッシャ40から液状などの洗剤を被清掃面に
供給したい場合には、洗剤をポリッシャ40の洗剤供給
口(図示せず)から清掃用パッド30の中心開口31を
通して被清掃面に滴下させればよい。この場合、パイル
層15を構成している多数の繊維体7の下端が被清掃面
上を繰り返して摺動するから、被清掃面を短時間に容易
かつ確実にしかも大変綺麗に清掃することができる。特
に、繊維体7、裏当て層5、被係合層38およびストッ
パ層39がいずれも適当な弾性および適当な可撓性を有
し、また、繊維体7はその太さが適度に小さくかつ適度
な曲げ剛性を有しているから、被清掃面における狭い溝
や小さい凹部にも確実に侵入し、このために、被清掃面
全体を確実に清掃することができて清掃洩れを生じる恐
れがない。
【0056】なお、上述の実施例においては、裏当て層
5とは別にストッパ層39を設けたが、裏当て層5およ
びストッパ層39のうちのいずれか一方が他方を兼用し
てもよい。
【0057】また、上述の実施例においては、清掃用パ
ッド30に中心開口31を設けたが、被清掃面に液状な
どの洗剤をポリッシャ40から供給する必要がない場合
などには、上記中心開口31を必ずしも設けなくてよ
い。
【0058】また、上述の実施例においては、清掃用パ
ッド30をほゞ円板形状に構成したが、その用途などに
応じて長方形状などの任意の形状とすることができ、例
えば、清掃用柄付きブラシのような手動ポリッシャに用
いる場合には、ほゞ長方形状とすることができる。
【0059】また、上述の実施例においては、被取り付
け部32とブラシ部33とを互いにほゞ同形としたが、
そのようにする必要は必ずしもない。
【0060】さらに、上述の実施例においては、繊維体
7が下方にほゞ垂直に延びるようにしたが、用途に応じ
て、例えば、繊維体7を短辺縁18側から長辺縁16側
に向って多少傾斜させた状態で止着層6にその上端を埋
設させるようにしてもよく、この場合には、パイル層1
5の下面の摩擦係数は、長辺縁16側から短辺縁18側
に向う方向においてはその逆の方向に較べて大きくなる
から、本発明による清掃用パッドの清掃効果を向上させ
ることができる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、上述のような構成であるか
ら、被清掃面が小さな凹凸を有する汚れの激しい粗面で
も短時間に大変綺麗にすることができる。
【0062】また、本発明によれば、パイル層を構成す
る多数の単繊維の先端を非常に狭い溝や非常に小さい間
隙にきわめて容易かつきわめて確実に入り込ませること
ができるから、被清掃面のきわめて狭い溝または間隙も
清掃洩れを生じることなく容易かつ確実にしかも大変綺
麗に清掃することができる。
【0063】また、本発明によれば、パイル層に液状洗
剤を含ませた場合にこの液状洗剤が周囲にこぼれ落ちる
恐れがない。
【0064】さらに、請求項2に記載の発明によれば、
ブラシ部の強度および耐久性がいずれもきわめて良好で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例による清掃用ブラシの平面図で
ある。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】(A)は図1に示す清掃用ブラシのブラシ部の
一部分の拡大縦断面図であり、(B)は(A)の一部分
の拡大図である。
【図4】図1に示す清掃用ブラシのパイル層の下面形状
を示す清掃用ブラシの概略底面図である。
【図5】図1に示す清掃用ブラシのパイル層の下面形状
の変形例を示す清掃用ブラシの概略底面図である。
【図6】(A)は図1に示す清掃用ブラシを用いて凸曲
面を有する被清掃面を清掃する状態を示す断面図であ
り、(B)は凹曲面を有する被清掃面を清掃する状態を
示す(A)と同様の図である。
【図7】(A)は図1に示す清掃用ブラシを用いて窓枠
付き窓ガラスを清掃する場合の第1の状態を示す窓枠付
き窓ガラスの概略正面図であり、(B)は同上の第2の
状態を示す(A)と同様の図である。
【図8】(A)は図1に示す清掃用ブラシの使用による
磨耗部分の縦断面図であり、(B)は(A)に示す磨耗
部分の補修要領を示す縦断面図である。
【図9】本発明の一実施例による回転式電動ポリッシャ
のための清掃用パッドの斜視図である。
【図10】図9に示す清掃用パッドを取付けた回転式電
動ポシッシャの斜視図である。
【図11】図10に示す回転式電動ポリッシャの要部の
拡大縦断面図である。
【図12】(A)は図11に示す清掃用パッドの一部分
の拡大縦断面図であり、(B)は(A)の一部分の拡大
図である。
【符号の説明】
5 裏当て層 7 繊維体(単繊維) 15 パイル層 30 清掃用パッド 32 被取り付け部 33 ブラシ部 40 回転式電動ポリッシャ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A47L 11/283 A47L 11/283

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリッシャに取り付けられる被取り付け部
    と、パイル層を有しかつ上記被取り付け部に設けられた
    ブラシ部とを備え、 上記パイル層は、太さが5〜50デニールで弾性率(試
    験法(ASTM):D638−52T)が13,000
    〜38,000kg/cm 2 の単繊維を1cm2 当り1,00
    0〜50,000本の植毛密度でその厚みが0.8〜
    7.8mmになるように1本ずつ直立した状態で植毛する
    ことにより構成され、 上記単繊維のそれぞれの自由端側の部分は、上記被取り
    付け部側とは反対側に向ってその先端が延びて いる清掃
    用パッド。
  2. 【請求項2】上記ブラシ部は、上記被取り付け部に設け
    られた裏当て層と、この裏当て層の上記被取り付け部と
    は反対側の面に設けられた上記パイル層とを備え、 上記単繊維のそれぞれの自由端側の部分は、上記裏当て
    層側とは反対側に向ってその先端が延び ている請求項1
    に記載の清掃用パッド。
  3. 【請求項3】請求項1または2のうちのいずれか1つに
    記載の清掃用パッドが着脱自在に取り付けられているポ
    リッシャ。
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