JP3452112B2 - 車両用トランスファ装置の操作装置 - Google Patents

車両用トランスファ装置の操作装置

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JP3452112B2
JP3452112B2 JP34869196A JP34869196A JP3452112B2 JP 3452112 B2 JP3452112 B2 JP 3452112B2 JP 34869196 A JP34869196 A JP 34869196A JP 34869196 A JP34869196 A JP 34869196A JP 3452112 B2 JP3452112 B2 JP 3452112B2
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薫 澤瀬
隆昭 作山
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トランスファ装
置を操作する操作装置に関し、特に4輪駆動型車両のト
ランスファ装置の操作装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】4輪駆動型車両では、通常、2輪
駆動走行と4輪駆動走行とを切換え可能なトランスファ
装置が駆動系に介装されている。そして、近年では、さ
らに、トランスファ装置内に副変速機構を有したものが
多用されている。この副変速機構は、通常はハイギヤ位
置とローギヤ位置とを有しており、例えば4輪駆動走行
時においてローギヤ位置を選択することにより高駆動ト
ルクが得られるようになっている。
【0003】ところで、副変速機構の切換えは、通常の
走行中において頻繁に実施されるものではないため、そ
の機構構成は、コスト低減やメンテナンス性向上等の理
由から非常に簡単なものとされている。つまり、通常副
変速機構は、入力側のギヤと出力側のハイギヤ位置、ロ
ーギヤ位置に対応する複数のギヤとをスリーブを用いて
掴み換えるような単純な構成とされている。従って、こ
のような副変速機構では、車両走行中において上記入力
側のギヤと出力側の複数のギヤとが回転しているときに
はその掴み換えを実施することができず、車両が停止し
ているときにのみ操作装置を操作してハイギヤ位置、ロ
ーギヤ位置間の切換を行うことが可能とされている。
【0004】ところが、上記操作装置は、通常は車両走
行中であっても操作部材をハイギヤ位置とローギヤ位置
間で操作可能とされている。従って、例えば操作装置が
機械式のものである場合にあっては、スリーブが回転す
るギヤに跳ね返されて該スリーブの切換えが行われず異
音が発生することになり、運転者が切換不可能であるこ
とを容易に認識し操作装置を適正な状態に戻すことが可
能である一方、運転者に不快感を与えてしまっていた。
【0005】また、電気信号により間接的にアクチェー
タ等で上記スリーブを作動させるような方式の操作装置
では、例えば車両走行中にハイギヤ位置とローギヤ位置
間の切換操作が行われると、アクチェータ等がスリーブ
を無理に作動させることになり、副変速機構のスリーブ
やギヤまたはアクチェータに損傷を与える虞があった。
さらに、このような構成の操作装置では、操作部材の切
換操作に拘わらずアクチェータ等を作動させないように
構成することもできるが、この場合には、操作部材につ
いては切換操作後の操作状態が維持される一方でスリー
ブの切換えは実施されず、副変速機構自体は切換操作前
の状態のままに保持されるといったアンマッチが生じる
虞があった。これにより、運転者が副変速機構の現在の
状態を誤認識する虞があった。
【0006】そこで、操作装置が例えば電気信号によっ
て間接的に作動するものである場合において、車両走行
中に副変速機構の切換えが実施されないように或いは操
作部材の操作状態と副変速機構の状態との間にアンマッ
チが発生しないように、操作装置の操作部材を一切切換
操作できなく規制した装置が例えば実公平6−3575
6号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示される操作装置のように、例えば車両走行中に
おいて一切操作部材を操作できないようにすると、副変
速機構は略確実に作動しないようにされるものの、操作
装置を切換操作できないために運転者は操作装置が故障
したのではないかといった違和感、不安感を覚え好まし
いことではない。
【0008】また、さらに、このような操作装置では、
車両が停止中に操作部材を操作した場合であっても、運
転者が操作部材の操作直後に急に発進操作を行ったよう
なときには、副変速機構が完全に切換完了とされる前に
上記ギヤが回転してしまうことがあり得、これにより副
変速機構が故障する虞もあるのであるが、上記公報に開
示される操作装置は、この問題については解決されたも
のとなっていない。
【0009】本発明は、このような事情に基づきなされ
たもので、操作装置によって切換作動される副変速機構
を有したトランスファ装置において、トランスファ装置
の切換状態と操作装置の選択切換操作状態との相違を確
実に防止し且つ操作フィーリングの向上を図った車両用
トランスファ装置の操作装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、エンジンの動力を車輪に伝達す
る動力伝達経路の途中に配設され、前記動力の伝達比を
低速状態と高速状態との間で変速可能な副変速機と、
転者によって操作されて、前記副変速機の変速状態を少
なくとも前記低速状態と前記高速状態とに選択操作可能
な選択操作手段と、該選択操作手段による選択操作状態
に応じて前記副変速機の変速状態を切換制御する切換制
御手段とを有した車両用トランスファ装置の操作装置に
おいて、前記選択操作手段により選択操作状態が前記低
速状態と前記高速状態との間で切換操作されたにも拘わ
らず前記切換制御手段による前記副変速機の切換制御が
完了しないとき、前記選択操作手段を該切換操作前の選
択操作状態に戻す選択操作戻し手段を備えることを特徴
としている。
【0011】従って、選択操作手段によって運転者が
変速機の変速状態の選択操作状態を低速状態と高速状態
との間で選択操作したにも拘わらず、切換制御手段によ
って副変速機の伝達機構が切換制御されないとき、或い
は切換制御が完了しないときには、選択操作戻し手段に
より上記運転者によって操作される選択操作手段の選択
操作状態が選択操作実施前の選択操作状態に戻される。
【0012】これにより、選択操作手段は所望の選択操
作状態まで操作されるとともに、切換制御手段の制御状
況に応じた状態に保持または戻されることになり、運転
者に違和感を感じさせたり、誤認識を与えたりするよう
なことが回避される。また、選択操作がされても切換制
御手段による切換制御が完了しないと選択操作が所望の
選択操作状態に保持されないので、運転者が副変速機の
切換制御中に不用意に発進操作等を行い副変速機が破損
するようなことが確実に回避される。
【0013】また、請求項2の発明では、前記切換制御
手段は、前記副変速機の切換制御を規制する規制手段を
含み、前記選択操作戻し手段は、前記切換制御が規制さ
れたか否かを判定する判定手段を有し、前記選択操作手
により前記選択操作状態が切換操作されたにも拘わら
ず前記判定手段により前記切換制御が規制されていると
判定されるとき、前記選択操作手段を該切換操作前の選
操作状態に戻すことを特徴としている。
【0014】従って、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず判定手段により切換制御
が規制されていると判定されるようなとき、即ち副変速
機が切換不可のときには、切換制御は実施されないの
で、選択操作手段は選択操作前の選択操作状態に好適に
戻される。また、請求項3の発明では、前記規制手段
は、車速が所定の極低車速より大きいとき前記副変速機
の切換制御を規制することを特徴としている。
【0015】従って、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず車速が所定の極低車速よ
り大きいと判定されるようなときには副変速機は切換不
可であり、この場合には切換制御は実施されないので、
選択操作手段は選択操作前の選択操作状態に好適に戻さ
れる。また、請求項4の発明では、前記エンジンの動力
は流体継手と変速機構とを有する自動変速機を介して前
記副変速機に伝達されるものであって、前記規制手段
は、前記自動変速機の変速機構がニュートラル状態以外
のとき前記副変速機の切換制御を規制することを特徴と
している。
【0016】従って、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず自動変速機の変速機構が
ニュートラル状態以外であると判定されるようなときに
は副変速機は切換不可であり、この場合には切換制御は
実施されないので、選択操作手段は選択操作前の選択操
作状態に好適に戻される。また、請求項5の発明では、
エンジンの動力を車輪に伝達する動力伝達経路の途中に
配設され、前記エンジンの動力を高速状態で前輪及び後
輪のいずれか一方の2輪にのみ伝達する2輪高速状態
と、前記高速状態で前輪及び後輪の両方に伝達する4輪
高速状態と、低速状態で前輪及び後輪の両方に伝達する
4輪低速状態とに切換可能に構成されるトランスファ装
置と、運転者によって操作されて、前記トランスファ装
置の駆動力伝達状態を少なくとも前記2輪高速状態と前
記4輪高速状態と前記4輪低速状態とに選択操作可能な
選択操作手段と、該選択操作手段による選択操作状態に
応じて前記トランスファ装置の駆動力伝達状態を切換制
御する切換制御手段とを有した車両用トランスファ装置
の操作装置において、前記選択操作手段により選択操作
状態が前記4輪低速状態に切換操作されたにも拘わらず
前記切換制御手段による前記トランスファ装置の駆動力
伝達状態の切換制御が完了しないとき、前記選択操作手
段の選択操作状態を前記4輪高速状態とする選択操作戻
し手段を備えることを特徴としている。
【0017】従って、トランスファ装置が、高速状態で
前輪及び後輪の両方に伝達する4輪高速状態と、低速状
態で前輪及び後輪の両方に伝達する4輪低速状態とに切
換可能な場合には、運転者によって操作される選択操作
手段選択操作状態が4輪低速状態とされたにも拘わら
ずトランスファ装置の伝達機構が切換制御されないとき
或いは切換制御が完了しないときにおいて、選択操作手
段の選択操作状態は4輪高速状態に保持されるとともに
トランスファ装置は4輪高速状態に切換制御される。
【0018】また、請求項6の発明では、エンジンの動
力を車輪に伝達する動力伝達経路の途中に配設され、前
記エンジンの動力を高速状態で前輪と後輪との差動を許
容して前後輪に伝達する高速非直結状態と、前記高速状
態で前記差動を禁止して前後輪に伝達する高速直結状態
と、低速状態で前記差動を禁止して前後輪に伝達する低
速直結状態とに切換可能に構成されるトランスファ装置
と、運転者によって操作されて、前記トランスファ装置
の駆動力伝達状態を少なくとも前記高速非直結状態と前
記高速直結状態と前記低速直結状態とに選択操作可能な
選択操作手段と、該選択操作手段による選択操作状態に
応じて前記トランスファ装置の駆動力伝達状態を切換制
御する切換制御手段とを有した車両用トランスファ装置
の操作装置において、前記選択操作手段により選択操作
状態が前記低速直結状態に切換操作されたにも拘わらず
前記切換制御手段による前記トランスファ装置の駆動力
伝達状態の切換制御が完了しないとき、前記選択操作手
段の選択操作状態を前記高速直結状態とする選択操作戻
し手段を備えることを特徴としている。
【0019】従って、トランスファ装置が、高速状態で
差動を禁止して前後輪に伝達する高速直結状態と、低速
状態で差動を禁止して前後輪に伝達する低速直結状態と
に切換可能な場合には、運転者によって操作される選択
操作手段選択操作状態が低速直結状態とされたにも拘
わらずトランスファ装置の伝達機構が切換制御されない
とき或いは切換制御が完了しないときにおいて、選択操
作手段の選択操作状態は高速直結状態に保持されるとと
もにトランスファ装置は高速直結状態に切換制御され
る。
【0020】なお、上述した発明におけるトランスファ
装置は、操作装置の選択操作により発せられる電気信号
によって作動されるアクチュエータにより切換制御され
るものが好ましく、この場合には選択操作戻し手段が簡
素に構成される。具体的には、選択操作手段が、副変速
機の低速状態と高速状態との選択を直線的に操作する操
作レバーと、操作レバーの位置に応じてトランスファ装
置の切換制御を行うアクチュエータに切換信号を発する
切換スイッチ手段とを備え、また、選択操作戻し手段
が、車体側部材に回転自在に支持されている回転部材
と、この回転部材と同様に車体側部材に回転自在に支持
されるとともに付勢手段により回転部材に対して中立位
置に付勢され、操作レバーの低速状態と高速状態との間
での選択操作時に上記操作レバーと係合して該操作レバ
ーの操作に連動して回動する連動部材と、上記回転部材
の回転を阻止する回転阻止手段とを備えて構成され、該
回転阻止手段により回転部材の回転が阻止されている状
態では、操作レバーは連動部材と共に連動操作されても
上記付勢手段により上記中立位置に戻されるように構成
され、連動部材が上記中立位置にあるときに操作レバー
と連動部材との係合が解除されるように構成されるのが
よい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態としての一実施例を詳細に説明する。図1を
参照すると、4輪駆動(以下、4WDという)型車両の
駆動系が概略的に示されており、以下同図を参照して先
ず車両の駆動系について説明する。
【0022】車両に搭載されたエンジン2は、変速機
(例えば、自動変速機(A/T))4を介して4WD用
のトランスファ装置6の入力軸8に接続されている。ト
ランスファ装置6についての詳細は後述するが、このト
ランスファ装置6は入力軸8の駆動力がセンタデファレ
ンシャル装置(センタデフ)62を介して伝達される後
輪側出力軸10及び前輪側のトランスファスプロケット
12を有しており、後輪側出力軸10はリアプロペラシ
ャフトを介して後輪デファレンシャル装置(後輪デフ)
14に接続されている。
【0023】後輪デフ14からは左右一対の後車軸が延
び、これら後車軸に左右の後輪RWがそれぞれ接続され
ている。一方、トランスファスプロケット12からはフ
ロントプロペラシャフト16が延びており、フロントプ
ロペラシャフト16は前輪デファレンシャル装置(前輪
デフ)18に接続されている。前輪デフ18からは左右
一対の前車軸が延び、これら前車軸に左右の前輪FWが
それぞれ接続されている。
【0024】同図から明らかなように、右前車軸はその
途中にて分割され、分割端のそれぞれにクラッチギヤ2
0,22が取り付けられている。当該図1に示す状態で
は、クラッチギヤ20,22はカップリングスリーブ2
4により相互に連結されている。つまり、カップリング
スリーブ24はその内周面にクラッチギヤ20,22と
噛み合い可能な内歯が形成され、通常はその内歯がクラ
ッチギヤ20,22の双方と噛み合うようにされてい
る。これにより、分割された右前車軸が一体にして回転
可能とされている。
【0025】実際には、カップリングスリーブ24は車
体側の図示しない支持部材に対し、右前車軸の軸線方向
に摺動自在に支持されている。そして、カップリングス
リーブ24のフォーク溝にはシフトフォーク26のフォ
ーク先端が嵌合されており、シフトフォーク26の基端
はバキュームアクチュエータ28の出力ロッド30に連
結されている。このバキュームアクチュエータ28は、
そのハウジング内を負圧室32と大気室とに区画するダ
イヤフラムを備えており、このダイヤフラムに出力ロッ
ド30が接続されている。負圧室32には、図示しない
電磁切換弁により大気又は負圧が選択的に供給可能とな
っており、また、負圧室32には復帰ばね34が収容さ
れている。
【0026】従って、負圧室32に大気が供給されてい
るときには、復帰ばね34はダイヤフラムを介して出力
ロッド30を一方向に付勢しており、これにより、カッ
プリングスリーブ24が通常のロック位置、つまり、上
記のようなクラッチギヤ20,22を相互に連結する位
置とされる。これに対し、負圧室32に負圧が供給され
ると、この負圧は復帰ばね34の付勢力に抗してダイヤ
フラムを引き付け、出力ロッド30を図1でみて左側に
押し出す。これにより、カップリングスリーブ24はロ
ック位置からフリー位置にシフトされ、故にクラッチギ
ヤ20,22間の接続が断たれ、右前輪FWは前輪デフ
18から分離される。なお、このとき、バキュームアク
チュエータ28の負圧室32には、エンジン2の吸気系
からの負圧が前述の電磁切換弁を介して供給される。
【0027】トランスファ装置6は、変速機4の出力軸
に接続された入力軸8と、この入力軸8と同軸上に位置
した中間軸36とを備えている。入力軸8及び中間軸3
6はトランスファ装置6のトランスファケース側に互い
に独立して回転自在に支持されている。そして、入力軸
8と中間軸36との間には副変速機構38が配置されて
いる。詳しくは、副変速機構38は一対のクラッチギヤ
40,42を有しており、これらクラッチギヤ40,4
2は入力軸8及び中間軸36の互いに対向する端部にそ
れぞれ入力軸8及び中間軸36と一体に回転可能に取り
付けられている。
【0028】また、中間軸36はクラッチギヤ44を回
転自在に支持しており、クラッチギヤ44にはローギヤ
46が同軸且つ一体にして備えられている。ローギヤ4
6はカウンタギヤ48に噛み合っており、カウンタギヤ
48はカウンタシャフト50の一端に取り付けられてい
る。カウンタシャフト50は入力軸8及び中間軸36と
並列にして配置され、トランスファケース側に回転自在
に支持されている。
【0029】カウンタシャフト50の他端は、一対のギ
ヤ52,54を介して入力軸8に接続されている。従っ
て、入力軸8の回転は、一対のギヤ52,54、カウン
タシャフト50及びカウンタギヤ48を介してローギヤ
46に伝達される。また、ギヤ52の歯数は、ギヤ54
の歯数より少なく、ローギヤ46の歯数はカウンタギヤ
48の歯数よりも多く設定されている。つまり、カウン
タシャフト50は入力軸8の回転より増速されて回転
し、ローギヤ46はカウンタシャフト50の回転より減
速して回転するとともに入力軸8の回転に対しても減速
して回転するように設けられている。
【0030】クラッチギヤ40,42,44の外側に
は、前述したカップリングスリーブ24と同様に構成さ
れたカップリングスリーブ56が配置されており、この
カップリングスリーブ56は、入力軸8及び中間軸36
に沿って摺動自在に支持されている。図1に示す状態で
は、カップリングスリーブ56はクラッチギヤ40,4
2に噛み合い、これらクラッチギヤ40,42を相互に
連結した位置(ハイギヤ位置)としている。この場合、
入力軸8はクラッチギヤ40,42を介して中間軸36
に接続され、入力軸8の回転は中間軸36に直接的に伝
達される。
【0031】これに対し、カップリングスリーブ56が
上記ハイギヤ位置から図1でみてクラッチギヤ44側に
シフトされると、カップリングスリーブ56はクラッチ
ギヤ42,44を相互に連結する位置(ローギヤ位置)
とされる。つまり、ローギヤ位置のカップリングスリー
ブ56は、クラッチギヤ40,42間の接続を断つ一
方、クラッチギヤ42,44に噛み合い、これらクラッ
チギヤ42,44間を相互に接続する。この場合、入力
軸8の回転は、カウンタシャフト50側からカウンタギ
ヤ48、ローギヤ46、クラッチギヤ44,カップリン
グスリーブ56およびクラッチギヤ42を介して中間軸
36に減速して伝達される。
【0032】同図に示すように、カップリングスリーブ
56にもシフトフォーク58が係合されており、このシ
フトフォーク58は電動型のシフトアクチュエータ(切
換制御手段)60により往復動可能となっている。な
お、シフトアクチュエータ60については後述する。中
間軸36は、遊星歯車型の上記センタデファレンシャル
装置(センタデフ)62を介して後輪側出力軸10に接
続されている。詳しくは、センタデフ62はリングギヤ
からなるデフケース64と、このデフケース64に複数
の遊星ギヤ66を介して噛み合うサンギヤ68と、遊星
ギヤ66を回転自在に支持するキャリア70とを備えて
おり、このキャリア70には中間軸36の他端が同軸に
して連結され、そして、デフケース64から後輪側出力
軸10が同軸にして延びている。
【0033】センタデフ62のサンギヤ68は、インナ
スリーブ軸72の一端に取り付けられており、このイン
ナスリーブ軸72は中間軸36上に回転自在に支持され
ている。即ち、センタデフ62は、中間軸36からの回
転入力つまり駆動力を前輪FWへの出力部材であるイン
ナスリーブ軸72及び後輪RWへの出力部材であるデフ
ケース64にそれぞれ伝達することかできるようにされ
ている。この場合、センタデフ62のギヤ比は、駆動力
配分を前輪FW側が30%、後輪RW側が70%となる
ように設定されている。
【0034】センタデフ62のインナスリーブ軸72は
入力軸8側に向けて延び、その他端にはクラッチギヤ7
4が取り付けられている。さらに、インナスリーブ軸7
2上にはアウタスリーブ軸76が回転自在に支持されて
おり、このアウタスリーブ軸76はセンタデフ62側か
らインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74に向けて延
びている。そして、クラッチギヤ74側に位置したアウ
タスリーブ軸76の端部にはクラッチギヤ78が設けら
れている。
【0035】また、中間軸36にはクラッチギヤ78と
の間にインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74を挟む
ようにしてクラッチギヤ80が取り付けられている。そ
して、これらクラッチギヤ74,78,80の外側に
は、カップリングスリーブ82が配置されており、カッ
プリングスリーブ82は中間軸36の軸線方向に摺動自
在にして支持されている。カップリングスリーブ82は
その内周面に周溝を有し、その内歯はこの周溝を挟んで
符号82aと符号82bの2つの部分に分離されてい
る。
【0036】図1に示す状態にあるとき、カップリング
スリーブ82は、クラッチギヤ74,78に噛み合い、
これらクラッチギヤ74,78を互いに連結した位置
(フルタイム4WD位置)とされている。このとき、ク
ラッチギヤ80はカップリングスリーブ82の周溝内に
位置しており、これらクラッチギヤ80とカップリング
スリーブ82との間の噛み合いは解除されている。一
方、カップリングスリーブ82がフルタイム4WD位置
からクラッチギヤ80側にシフトしてクラッチギヤ7
4,80に噛み合う位置(2WD位置)とされると、こ
れらクラッチギヤ74,80を互いに連結する一方、ク
ラッチギヤ74,78間の連結が断たれることになる。
また、カップリングスリーブ82がフルタイム4WD位
置から上記とは逆方向にシフトしてクラッチギヤ74,
78,80の全てに同時に噛み合う位置(直結4WD位
置)とされると、これらを相互に連結することになる。
なお、カップリングスリーブ82もまたシフトフォーク
84に係合されており、このシフトフォーク84もやは
り上記シフトアクチュエータ60により往復動される。
【0037】前述のアウタスリーブ軸76には前輪FW
側への出力スプロケット85が取り付けられており、出
力スプロケット85と上記トランスファスプロケット1
2との間には駆動チェーン86が掛け回されている。さ
らに、アウタスリーブ軸76とセンタデフ62のデフケ
ース64との間には、油圧多板クラッチ88が配置され
ており、油圧多板クラッチ88は油圧ポンプを内蔵した
電磁制御型のバルブボディ90に液圧的に接続されてい
る。油圧多板クラッチ88はバルブボディ90から供給
される油圧、即ち、クラッチ圧の大きさに応じてアウタ
スリーブ軸76とデフケース64との間の接続を断接す
るとともに、デフケース64からアウタスリーブ軸76
へのトルク伝達を可変することができる。バルブボディ
90は、前述したカウンタシャフト50の回転により油
圧を発生するオイルポンプ92からの油圧を油圧多板ク
ラッチ88に供給するものである。
【0038】また、図中符号98は後輪側出力軸10の
回転速度を検出することにより車速Vを検出する車速セ
ンサである。上記シフトアクチュエータ60について説
明すると、シフトアクチュエータ60のメインシフトレ
ール110の後端部には、ラック部112が形成されて
おり、このラック部112には正逆回転可能な電動モー
タMの出力軸に接続されたピニオン100が噛み合って
いる。また、同図に示すように、メインシフトレール1
10には、ラック部114,116も互いに離間して形
成されており、これらラック部114,116にはそれ
ぞれピニオン120,122が噛み合うようにされてい
る。これらピニオン120,122はトランスファケー
ス側に互いに独立して回転自在に支持されている。但
し、図示の状態にあってはラック部114はピニオン1
20から外れ、これとは係合しないようにされている。
【0039】一方、上記シフトフォーク58及びシフト
フォーク84には、それぞれサブシフトレール130,
132が一体に設けられており、これらサブシフトレー
ル130,132上にはそれぞれラック部134,13
6が形成されている。そして、上記ピニオン120はラ
ック部134と、またピニオン122はラック部136
と常時噛み合うようにされている。
【0040】ここで、シフトアクチュエータ60の作動
とカップリングスリーブ56,82の作動との関係につ
いて説明しておくと、先ず、電動モータMが作動してピ
ニオン100が図1でみて時計回りに回転し、メインシ
フトレール110が、図1に示す位置、即ちカップリン
グスリーブ56がハイギヤ位置にあり且つカップリング
スリーブ82がフルタイム4WD位置にある状態(以
下、この駆動状態をフルタイム4WD状態といい、「4
H」ともいう)から図1でみて下方向に移動すると、ラ
ック部116と噛み合っているピニオン122のみがピ
ニオン100と同様に時計回りに回転する。これによ
り、サブシフトレール132のみが図1でみて上方向に
移動し、故にカップリングスリーブ82がシフトフォー
ク84によって2WD位置とされる。このとき、ピニオ
ン120は回転しないため、カップリングスリーブ56
はハイギヤ位置に保持される。以下、この駆動状態を2
WD状態といい、「2H」ともいう。
【0041】一方、電動モータMが作動してピニオン1
00が図1でみて反時計回りに回転し、メインシフトレ
ール110が、図1に示す位置から図1でみて上方向に
移動すると、ラック部116と噛み合っているピニオン
122がピニオン100と同様に反時計回りに回転す
る。これにより、サブシフトレール132が図1でみて
下方向に移動し、故にカップリングスリーブ82がシフ
トフォーク84によって直結4WD位置とされる。この
時点では、上記同様にピニオン120は回転することは
なく、カップリングスリーブ56はハイギヤ位置に保持
される。以下、この駆動状態をハイ直結4WD状態とい
い、「4HLc」ともいう。
【0042】ピニオン100が反時計回りにさらに回転
し、メインシフトレール110が、図1に示す位置から
図1でみてより一層上方向に移動すると、今度はラック
部116はピニオン122から外れてピニオン122は
回転せず、一方、ラック部114はピニオン120と噛
み合い、ピニオン120が反時計回りに回転することに
なる。この場合、サブシフトレール130だけが図1で
みて下方向に移動することになり、カップリングスリー
ブ82が直結4WD位置に保持されたままにカップリン
グスリーブ56がローギヤ位置とされる。以下、この駆
動状態をロー直結4WD状態といい、「4LLc」とも
いう。
【0043】つまり、当該トランスファ装置6は、シフ
トアクチュエータ60のメインシフトレール110の直
線移動のみによって、容易に駆動状態を2WD、フルタ
イム4WD、ハイ直結4WD、ロー直結4WD間で切換
可能とされている。なお、図中符号118は、シフトア
クチュエータ60の位置、即ちトランスファ装置6の上
記2WD位置、フルタイム4WD位置、ハイ直結4WD
位置及びロー直結4WD位置の各ポジションを検出する
トランスファポジションセンサ(以下、T/Fポジショ
ンセンサという)、即ちトランスファ装置6の現在の駆
動状態を検出するセンサである。
【0044】図2を参照すると、上記のように構成され
たトランスファ装置6の制御を司る電子制御ユニット
(ECU)94と各種センサ類、各種作動装置類との接
続関係が示されている。同図に示すように、ECU94
の入力側には、上記車速センサ98、T/Fポジション
センサ118の他各種センサが接続されている。さらに
この入力側には、本発明に係る操作装置、即ちトランス
ファ切換レバーユニット(T/F切換レバーユニット)
200が接続されている。
【0045】一方、出力側には、上記バキュームアクチ
ュエータ28のための電磁切換弁、シフトアクチュエー
タ60、バルブボディ90等の他、各種駆動装置が接続
されており、さらに、4WDインジケータ300が接続
されている。この4WDインジケータ300は、上記T
/F切換レバーユニット200により選択された現在の
切換位置に対応したトランスファ装置6の駆動モードを
表示するものものであり、運転者が見易い位置、例えば
車室内のインストルメントパネルに設けられている。
【0046】ところで、上記T/F切換レバーユニット
(操作装置)200は、直線移動式のレバーユニットで
あって、2WDモードに対応する「2H」位置、オート
モードに対応する「AUTO」位置、フルタイム4WD
モードに対応する「4H」位置、ハイ直結4WDモード
に対応する「4HLc」位置及びロー直結4WDモード
に対応する「4LLc」位置の5つの切換位置を有して
いる。そして、T/F切換レバーユニット200から
は、その切換位置に対応した信号がEUC94に出力さ
れることになり、この信号に応じて主としてシフトアク
チュエータ60が上述したように作動制御されることに
なる。なお、T/F切換レバーユニット200が「AU
TO」位置に設定されて駆動モードがオートモードとさ
れている場合には、上記「2H」、「4H」、「4HL
c」の各状態が適宜自動選択されてT/F切換制御が実
施されることになる。
【0047】なお、T/F切換レバーユニット200
は、操作性等を考慮して、例えば車室内の運転席と助手
席間に配設されている。ここで、図3を参照すると、操
作レバーとしての切換レバー(選択操作手段)222が
「4HLc」位置にある場合のT/F切換レバーユニッ
ト200の斜視図が示されており、以下、図3に基づき
本発明に係るT/F切換レバーユニット200の構成を
より詳しく説明する。
【0048】ベースプレート201には、複数の連結部
材201aを介して中間プレート202がベースプレー
ト201と平行に設けられており、この中間プレート2
02の上面には、垂直にしてディテントプレート210
が立設されている。また、ベースプレート201には、
一対のブラケット203,203が立設されており、こ
れら一対のブラケット203,203間には、ベースプ
レート201と平行にして且つディテントプレート21
0と垂直な位置関係となるようにして支点ピン220が
設けられている。そして、棒状の切換レバー222の先
端部がこの支点ピン220に連結されており、これによ
り切換レバー222が支点ピン220回りに回動可能と
されている。
【0049】同図に示すように、切換レバー222は、
中間プレート202に設けられた開口部204を通って
中間プレート202と略垂直となるようにしてディテン
トプレート210に沿って延びており、その先端には操
作用のノブ226が設けられている。切換レバー222
は管状に形成されており、切換レバー222内部にはレ
バー軸方向に延びてピンロッド223が嵌装されてい
る。そして、ピンロッド223の下端と支点ピン220
との間にはスプリング234が介装されている。また、
ピンロッド223の上端は、ノブ226内部を挿通して
おり、図示しないスプリングを介してノブ226の上部
に嵌装された押ボタン227と当接している。つまり、
ピンロッド223は、通常はスプリング234の作用に
より図3でみて上方に付勢されている一方、押ボタン2
27が運転者によって押されると、スプリング234の
付勢力に抗して図でみて下方に押し下げられるようにさ
れている。
【0050】ピンロッド223の略中央部には支点ピン
220と平行な位置関係となるようにしてディテントピ
ン228が突設されており、さらに、ピンロッド223
の下方部分にはディテントピン228と同様のシフトロ
ックピン230が突設されている。そして、切換レバー
222の管状部分のこれらディテントピン228及びシ
フトロックピン230に対応する位置には、長孔224
及び長孔225がそれぞれ穿設されている。これによ
り、ディテントピン228及びシフトロックピン230
が長孔224,225の範囲内で切換レバー222に沿
い移動自在とされている。即ち、ピンロッド223が長
孔224,225の範囲内で上下方向に移動自在とされ
ている。つまり、ピンロッド223は、通常は上述した
ようにスプリング234の付勢力によって上方に押し上
げられてディテントピン228及びシフトロックピン2
30がそれぞれ長孔224,225の上端に位置するよ
うにされており、一方、ノブ226上の押ボタン227
が図3でみて下方に押されると、ピンロッド223はス
プリング234の付勢力に抗して長孔224,225の
範囲内で下方に移動可能とされている。
【0051】図中符号206は、例えば中間プレート2
02に固定され、ディテントプレート210等を覆うハ
ウジングである。このハウジング206には貫通孔20
7が設けられており、この貫通孔207を切換レバー2
22が支点ピン220回りに回動可能に貫通している。
また、上述したように、当該T/F切換レバーユニット
200は「2H」位置、「AUTO」位置、「4H」位
置、「4HLc」位置及び「4LLc」位置の5つの切換
位置を有しているため、ハウジング206上にはこれら
の各位置が標されている。
【0052】上記ディテントプレート210にはディテ
ント孔214が設けられている。このディテント孔21
4は、切換レバー222が支点ピン220回りに回動さ
せられたときに上記ディテントピン228をガイドする
役割を有している。詳しくは、ディテント孔214は、
ディテントピン228の水平方向の動き、即ち切換レバ
ー222の支点ピン220回りの動きを一定範囲内で許
容する一方、所定位置にあってはディテントピン228
の動きを一旦上下方向とするような段形状のガイド孔と
して構成されている。
【0053】つまり、当該ディテント孔214を有した
ディテントプレート210にあっては、切換レバー22
2は、上記「2H」位置から「4LLc」位置までの一
定の範囲内で順次移動可能とされており、「2H」位置
と「4H」位置との間では図中一点鎖線で示す状態のま
まに支点ピン220回りに回動可能とされている一方、
「4H」位置から「4HLc」位置へのシフト時にはノ
ブ226上の押ボタン227を押すことによりピンロッ
ド223を1段階押し下げないと切換レバー222を支
点ピン220回りに回動させられないようにされてお
り、また、「4HLc」位置と「4LLc」位置間では押
ボタン227を2段階押し下げないと回動させられない
ようにされている。ここに、ピンロッド223を1段階
押し下げた状態とは、スプリング234に抗してディテ
ントピン228及びシフトロックピン230が長孔22
4,225の略中央に位置するまで押ボタン227を押
し下げた状態を意味し、2段階押し下げた状態とは、デ
ィテントピン228及びシフトロックピン230が長孔
224,225の下端に位置するまで押ボタン227を
押し下げた状態を意味している。
【0054】また、図3に示すように、切換レバー22
2の略中央部には板ばね236が設けられている。この
板ばね236はディテントプレート210の周端に向け
て斜めに延びており、その先端には、太鼓状の係合子2
37が設けられている。一方、ディテントプレート21
0の周端には、上記係合子237と係合可能にして略等
間隔にして複数の溝216が形成されており、これら複
数の溝216は、それぞれが上記「2H」位置、「AU
TO」位置、「4H」位置、「4HLc」位置及び「4
LLc」に対応している。従って、切換レバー222が
所望の駆動モードに対応する切換位置に回動させられる
と、係合子237がその駆動モードに対応する溝216
と係合することになり、これにより切換レバー222が
所望の駆動モードに対応する位置に保持されることにな
る。
【0055】中間プレート202上にはレバーポジショ
ンセンサ(切換スイッチ手段)280が設けられてい
る。そして、このレバーポジションセンサ280にはセ
ンシング溝239が設けられている。一方、切換レバー
222には、レバーポジションセンサ280方向に延び
てセンシングピン238が突設されており、このセンシ
ングピン238は上記センシング溝239に挿入されて
いる。即ち、このレバーポジションセンサ280は、セ
ンシングピン238が切換レバー222とともにセンサ
溝239内を移動することで切換レバー222の各位置
(「2H」位置、「AUTO」位置、「4H」位置、
「4HLc」位置及び「4LLc」)を機械的或いは電磁
気的に検出し、この検出信号をECU94に出力するよ
う構成されている。
【0056】また、ディテントプレート210には、デ
ィテントピン228ピン等と同一方向に延びてピン21
2が立設されている。そして、このピン212には、本
発明に係るシフトロック部材(回転部材)240と連動
部材250とが互いに独立に当該ピン212回りに回動
自在に設けられている。詳しくは、シフトロック部材2
40はピン212の貫通部近傍で内部がくり抜かれてお
り、つまり、シフトロック部材240は対向する一対の
側壁部242,242において支持されてピン212回
りに回動自在とされている。そして、連動部材250
は、上記シフトロック部材240内部のくり抜かれた部
分に嵌装されており、このくり抜かれた部分内において
ピン212回りに回動自在とされている。
【0057】連動部材250は切換レバー222に沿う
ようにしてディテント孔214に向かって延びており、
その先端にはピン212と同一方向に延びる切欠溝25
2が形成されている。そして、この切欠溝252には、
切換レバー222が「4HLc」位置と「4LLc」位置
間で切換操作されるときに必ず上記ディテントピン22
8が係合するようにされている(実線図示の状態)。つ
まり、切換レバー222が「4HLc」位置と「4LL
c」位置間で切換操作されるときには、連動部材250
は切換レバー222に合わせてピン212周りで回動す
るようになっている。
【0058】連動部材250のピン212と平行な側面
254,256にはそれぞれスプリング260,262
の一端が取り付けられている。そして、スプリング26
0の他端はシフトロック部材240の腕部244の先端
部に接続され、一方、スプリング262の他端はピン2
12を挟んで腕部244と対象な位置に形成されたシフ
トロック部材240の腕部245の先端部に接続されて
いる。即ち、連動部材250は、通常はスプリング26
0,262によって腕部244,245間で中立位置と
なるように付勢されている。
【0059】また、中間プレート202には、例えば中
間プレート202に固定され、ロッド272をシフトロ
ック部材240に向けて伸縮可能なシフトロックアクチ
ュエータ270が設けられており、このシフトロックア
クチュエータ270はECU94の出力側に電気的に接
続されている。そして、ロッド272の先端には係合子
274が設けられており、この係合子274は、ECU
94からの指令によりシフトロックアクチュエータ27
0が作動しロッド272が突出したときにおいて、シフ
トロック部材240の外周面に互いに所定距離だけ離間
して形成された切欠溝246または切欠溝247と係合
可能とされている(回転阻止手段)。図3に示す状態で
は、係合子274は切欠溝246と係合している。
【0060】さらに、シフトロック部材240の下部に
は外周方向、即ちピン212と離間する方向に延びてロ
ック部248が形成されている。このロック部248は
上記シフトロックピン230と係合して切換レバー22
2の上方向の動きを規制する働きをするものである。な
お、これらのシフトロック部材240、連動部材25
0、シフトロックアクチュエータ270及びロック部2
48により選択操作戻し手段が構成される。
【0061】以下、上記のように構成されたT/F切換
レバーユニット200の作用について説明する。図4を
参照すると、本発明に係るT/F切換レバー制御ルーチ
ン、即ちECU94が実行するシフトロックアクチュエ
ータ270の制御ルーチンのフローチャートが示されて
おり、以下同図に基づき、T/F切換レバー制御の制御
手順を説明しながらT/F切換レバーユニット200の
作用について説明する。ここでは、便宜上、切換レバー
222が最初は「2H」位置、「AUTO」位置、「4
H」位置、「4HLc」位置のいずれかにあるものとし
て説明する。
【0062】先ず、図4のステップS10では、車速V
が所定の極低車速V0(V00)以下(V≦V0)である
か否かを判別する(規制手段)。判別結果が偽(No)
の場合には、次にステップS12に進む。ステップS1
2では、切換レバー222が「2H」位置、「AUT
O」位置、「4H」位置、「4HLc」位置間で切換え
られた場合に対してのみこれら各位置に対応する駆動モ
ードでのT/F切換制御を行う。つまり、車速Vが所定
の極低車速V0(V00)より大きいような場合には、切
換レバー222が「4HLc」位置と「4LLc」位置と
の間で切換えられてもT/F切換制御を実施しないよう
にする。なお、T/F切換制御は実際には別途設定され
たT/F切換制御サブルーチンに基づきECU94によ
り実施される。
【0063】そして、次のステップS14において、シ
フトロックを保持する。つまり、ここでは、シフトロッ
クアクチュエータ270を作動させることなく、具体的
には、係合子274を切欠溝246に係合したままの状
態に保持する。ここで、図5乃至図8を参照すると、ス
テップS10の判別結果が偽であって車速Vが所定の極
低車速V0(V00)よりも大きい場合に切換レバー22
2が「2H」位置、「4H」位置、「4HLc」位置及
び「4LLc」位置とされた場合のシフトロック部材2
40、連動部材250及びシフトロックアクチュエータ
270の状態がそれぞれ示されており、以下これらの図
に基づき、車速Vが所定の極低車速V0(V00)よりも
大きい場合のT/F切換レバーユニット200の動きを
説明する。
【0064】図5乃至図7に示すように、切換レバー2
22が「AUTO」位置を経て「2H」位置と「4HL
c」位置間で切換えられるような場合には、ディテント
ピン228はディテント孔214内を移動するとともに
シフトロックピン230がシフトロック部材240の下
面240aに沿って同様に移動する。この場合、シフト
ロックアクチュエータ270のロッド272は上述のと
おり作動せず、係合子274はシフトロック部材240
の切欠溝246に係合したままに保持され、切換レバー
222は、ディテントピン228が連動部材250と係
合することなく切換操作される。そして、この範囲で
は、切換レバー222の各位置に応じた駆動モードでT
/F切換制御が適正に実施される。
【0065】一方、このように車速Vが所定の極低車速
V0(V00)よりも大きい場合において切換レバー22
2が「4HLc」位置からまたは「4HLc」位置を経て
「4LLc」位置に切換えられたときには、切換レバー
222は、押ボタン227を押してピンロッド223が
押し下げられた状態で移動されるので、上述したよう
に、ディテントピン228がディテント孔214に沿っ
て下方へ押し下げられ連動部材250の切欠溝252に
係合した状態(図7中に破線で示す状態)とされて「4
LLc」位置まで移動することになるのであるが(図8
参照)、この際、シフトロックが保持されてシフトロッ
ク部材240は回動せず、故に図8に示すように、連動
部材250のみが回動することになりスプリング262
が圧縮される一方でスプリング262が伸張され、連動
部材250にはディテントピン228を元に戻そうとす
る反力が働くようになる。そして、この状態では、同図
に示すようにシフトロックピン230がロック部248
と当接して切換レバー222の上方への移動が禁止され
るため、運転者が切換レバー222から手を離すと、切
換レバー222はその反力で「4HLc」位置まで戻さ
れることになる。
【0066】つまり、当該トランスファ装置6では、副
変速機構38の「4HLc」位置と「4LLc」位置間で
の切換制御はクラッチギヤ40,42,44が極低回転
或いは停止状態にあるときにのみカップリングスリーブ
24を作動させて実施されるようになっているのである
が、このように車速Vが所定の極低車速V0(V00)以
下になく、クラッチギヤ40,42,44が極低回転よ
り大きい回転速度で回転しているようなときには、たと
え切換レバー222が「4HLc」位置からまたは「4
HLc」位置を経て「4LLc」位置に切換操作されたと
しても、切換レバー222を「4LLc」位置に戻すよ
うに制御し、故に切換レバー222の位置を常にT/F
切換レバーユニット200の実際の駆動状態と一致させ
るようにしているのである。
【0067】そして、このように、T/F切換制御が実
施されない場合であっても切換レバー222を一旦「4
LLc」位置まで操作可能にした後に当該切換レバー2
22を戻すようにすることで、従来のように完全に切換
レバー222を「4HLc」位置から「4LLc」位置に
切換わらなくした場合のような違和感を運転者に与えな
いようにすることができ、T/F切換レバーユニット2
00の操作性、操作フィーリングを向上させることがで
きることとなる。
【0068】先のステップS10の判別結果が真(Ye
s)で、車速Vが所定の極低車速V0(V00)以下(V
≦V0)である場合には、次にステップS16に進む。
ステップS16では、変速機4が自動変速機(A/T)
である場合において、変速機構がニュートラルレンジ
(Nレンジ)であるか否かを判別する(規制手段)。判
別結果が偽、つまり変速機4が自動変速機で変速機構が
Nレンジでない場合には、上記ステップS10の判別結
果が偽の場合と同様にしてステップS12を経てステッ
プS14を実行する。
【0069】通常、自動変速機において変速機構がNレ
ンジ以外のレンジ(例えば、ドライブレンジ等)である
ときには、エンジン2の駆動力が常時トランスファ装置
6の入力軸8に伝達されており、または自動変速機の出
力軸の回転が阻止されており、クラッチギヤ40,4
2,44の位相が互いにずれている場合がある。このよ
うな状態でカップリングスリーブ56を移動させても、
クラッチギヤ40,42,44の位相の不一致のために
異音が発せられたり、またシフトアクチュエータ60が
破損する虞がある。従って、このような場合にあって
は、やはりT/F切換制御を実施しないようにするとと
もにシフトロックを保持し、上記同様に切換レバー22
2が「4HLc」位置と「4LLc」位置間で切換えられ
ても切換レバー222が元の状態に戻るようにするので
ある。
【0070】ステップS16の判別結果が真で、車速V
が所定の極低車速V0(V00)以下(V≦V0)であっ
て且つ変速機4が手動変速機(M/T)である場合、ま
たは変速機4が自動変速機(A/T)で変速機構がNレ
ンジとされている場合には、次にステップS18に進
み、レバーポジションセンサ280からの情報に基づ
き、切換レバー222が「4LLc」位置へ切換えられ
たか否か、即ちT/Fレバー位置が「4LLc」以外の
位置から「4LLc」位置へ切換えられたか否かを判別
する。
【0071】このステップS18の判別結果が偽で、切
換レバー222が「4LLc」位置へ切換えられていな
い場合には次にステップS20に進む。ステップS20
では、今度は、レバーポジションセンサ280からの情
報に基づき、切換レバー222が「4LLc」位置から
「4HLc」位置へ切換えられたか否かを判別する。こ
こでは、もともと切換レバー222は「2H」位置、
「AUTO」位置、「4H」位置、「4HLc」位置の
いずれかとされているため切換レバー222が「4LL
c」位置から「4HLc」位置へ切換えられることはな
く、故に判別結果は偽であり、この場合には上記ステッ
プS12を経てステップS14を実行する。
【0072】一方、ステップS18の判別結果が真で、
切換レバー222が「4HLc」位置からまたは「4H
Lc」位置を経て「4LLc」位置へ切換えられたと判定
された場合には、次にステップS22に進んで「4LL
c」へのT/F切換制御を実施する。次のステップS2
4では、T/Fポジションセンサ118からの情報に基
づき、トランスファ装置6の現在の駆動状態が「4LL
c」状態であるか否か、即ち実T/F位置が「4LLc」
であるか否かを判別する。切換レバー222が「4HL
c」位置から「4LLc」位置へ切換えられた直後のよう
に、駆動状態が未だ「4HLc」状態のままである場合
には判別結果は偽であり、この場合にはステップS14
に進みシフトロックを現状のままに保持する。つまり、
ECU94からのT/F切換制御指令に拘わらず、副変
速機構38のカップリングスリーブ24が未だ作動中で
あって「4HLc」状態から「4LLc」状態への移行が
完了していないような場合には、運転者が切換レバー2
22から手を離すと切換レバー222は、上述したよう
にしてスプリング260,262の反力により「4HL
c」位置に戻されることになるのである(図8参照)。
【0073】ステップS24の判別結果が真となり、駆
動状態が「4HLc」状態から「4LLc」状態に完全に
切換えられたと判定された場合には、次にステップS2
6に進む。ステップS26では、ECU94はシフトロ
ックアクチュエータ270に駆動信号を供給し、これに
よりロッド272を戻り側に作動させてシフトロックを
解除する。このように、シフトロックを解除すると、今
度はスプリング260,262の反力によりシフトロッ
ク部材240が、図9に矢印で示すように回動すること
になり、ロック部248により上方への動きが禁止され
ていたシフトロックピン230の規制が解除され、ピン
ロッド223は上方へ移動することになる。そして、デ
ィテントピン228が連動部材250の切欠溝252か
ら外れてディテント孔214の「4LLc」位置に対応
する位置に係合することになる。これにより、運転者が
切換レバー222から手を離しても切換レバー222は
良好に「4LLc」位置に保持されることになる。その
後一定時間が経過したらECU94はシフトロックアク
チュエータ270に逆の駆動信号を供給し、ロッド27
2を出側に作動させる。これにより、係合子274が、
図9に示すように、今度は切欠溝247と係合すること
になり、「4LLc」位置におけるシフトロック(再ロ
ック)が完了する。
【0074】なお、図9中の符号246a,247a
は、シフトロック部材240がスプリング260,26
2の反力によって回動する際に、ロッド272先端の係
合子274と当接させ、切欠溝246,247とロッド
272との位置を確実に一致させるためのガイドストッ
パである。ところで、このように切換レバー222が
「4LLc」位置とされた状態から今度は「4HLc」位
置へ切換えられると、ステップS10、ステップS16
を経て先のステップS20の判別結果は真となり、この
場合には、次にステップS28に進み、「4HLc」へ
のT/F切換制御を実施する。
【0075】次のステップS30では、T/Fポジショ
ンセンサ118からの情報に基づき、上記ステップS2
4での判別と同様にして、トランスファ装置6の現在の
駆動状態が「4HLc」状態であるか否か、即ち実T/
F位置が「4HLc」であるか否かを判別する。切換レ
バー222が「4LLc」位置から「4HLc」位置へ切
換えられた直後のように、実際の駆動状態が未だ「4L
Lc」状態である場合には判別結果は偽であり、この場
合にはやはりステップS14に進みシフトロックを現状
のままに保持する。つまり、ECU94からのT/F切
換制御指令に拘わらず、副変速機構38のカップリング
スリーブ56が未だ作動中であるような場合には、運転
者が切換レバー222から手を離すと、切換レバー22
2は、図10に示すように、やはりシフトロックピン2
30がロック部248と当接して上方への移動が禁止さ
れるため、スプリング260,262の反力により「4
LLc」位置に戻されることになるのである。
【0076】ステップS30の判別結果が真で、駆動状
態が「4LLc」状態から「4HLc」状態に完全に切換
えられたと判定された場合には、次に上記ステップS2
6を実行する。これにより、ディテントピン228は、
連動部材250の切欠溝252から外れ、上述の図7に
示すように、ディテント孔214の「4HLc」位置に
対応する位置に係合することになり、運転者が切換レバ
ー222から手を離しても切換レバー222は良好に
「4HLc」位置に保持されることになる。
【0077】ところで、ステップS24の判別結果が偽
で、切換レバー222が「4HLc」位置からまたは
「4HLc」位置を経て「4LLc」位置に切換えられた
後、駆動状態が未だ「4HLc」状態である間に、スプ
リング260,262の反力によって切換レバー222
が「4LLc」位置から再び「4HLc」位置に戻された
場合には、上記ステップS18の判別結果が偽とされる
一方、ステップS20が真とされる。この場合にはステ
ップS28以降が実施されることになり、トランスファ
装置6の駆動状態は「4HLc」状態に保持または切換
えられることになる。
【0078】また、ステップS30の判別結果が偽で、
切換レバー222が「4LLc」位置から「4HLc」位
置に切換えられた後、駆動状態が未だ「4LLc」状態
であるときに、スプリング260,262の反力により
切換レバー222が「4HLc」位置から再び「4LL
c」位置に戻された場合には、上記ステップS18の判
別結果が真とされることになる。そして、この場合には
ステップS22以降が実施されることになり、トランス
ファ装置6の駆動状態は「4LLc」状態のままに保持
される。
【0079】以上、説明したように、本発明のトランス
ファ装置の操作装置では、切換レバー222が「4LL
c」位置と「4HLc」位置間で操作されたときにおい
て、例えば車速Vが所定の極低車速V0(V00)よりも
大きい場合や、変速機4が自動変速機である場合におい
て変速機構がNレンジとされていない場合のように副変
速機構38の切換制御を実施することができないような
状況、或いは副変速機構38の切換制御を実施できるよ
うな状況であっても切換制御が未だ完了していないよう
な場合には、シフトロック部材240、連動部材25
0、スプリング260,262及びシフトロックアクチ
ュエータ270を用いて、切換レバー222を、図8及
び図10に示すように、スプリング260,262の反
力により切換レバー222が操作される前の「4HL
c」位置または「4LLc」位置に戻すようにしている。
【0080】従って、運転者の意思に応じて一旦は切換
レバー222が「4HLc」位置と「4LLc」位置との
間で操作された後、副変速機構38の切換制御が完了し
ていない場合に、運転者が切換レバー222から手を離
すと切換レバー222が操作前の「4HLc」位置また
は「4LLc」位置に戻されることになり、従来のよう
に切換レバーが一切操作されないことで運転者に違和感
を与えるようなことがなくなり、操作装置の操作性、操
作フィーリングが向上する。また、切換レバー222が
戻されることにより、運転者に切換制御が不可能である
ことを認識させることができるという利点もある。
【0081】また、本発明の操作装置では、特に、副変
速機構38の切換制御が実施可能であるような状況にお
いても、切換制御が完了しない限りは切換レバー222
が操作後の位置に保持されず、運転者が切換レバー22
2から手を離すと切換レバー222が元の位置に戻され
るようにされているので、運転者が副変速機構38の切
換制御が完了しないうちに、つまり副変速機構38の状
態と切換レバー222の切換操作状態とが相違している
状態で不用意に車両を発進させてしまうといった不都合
が確実に防止されることとなる。
【0082】なお、上記実施例では、副変速機構38に
カウンタ軸式の副変速機構を用いたが、遊星歯車式の副
変速機構を用いるようにしてもよい。また、上記実施例
では、駆動モードの切換えにT/F切換レバーユニット
200を用いるようにしたが、操作装置は必ずしもこの
ようなレバー式のものでなくてもよく、「4HLc」位
置と「4LLc」位置とが隣合うように設定されたも
の、例えばロータリスイッチ式の切換器からなる操作装
置や押しボタン式の切換器からなる操作装置であっても
本発明を適用可能なものであればよい。
【0083】また、上記実施例では、T/F切換レバー
ユニット200からの電気的信号によりシフトアクチュ
エータ60を作動させ副変速機構38の切換制御を行う
ものにおいてT/F切換レバーユニット200に選択操
作戻し手段を設けるようにしたが、これに限定されるも
のではなく、例えば、副変速機構のカップリングスリー
ブと切換レバーとを機械的にロッド等で連結したものに
おいて該ロッドに選択操作戻し手段を設けるようにして
もよい。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の車両用
トランスファ装置の操作装置によれば、運転者によって
操作される選択操作手段副変速機の変速状態の選択操
作状態が低速状態と高速状態とに選択操作されたにも拘
わらず、切換制御手段によって副変速機の伝達機構が切
換制御されないとき、或いは切換制御が完了しないとき
には、選択操作戻し手段によって選択操作手段の選択操
作状態を操作実施前の選択操作状態に好適に戻すことが
できる。
【0085】従って、選択操作手段を所望の副変速機の
選択操作状態まで操作してから、切換制御手段の制御状
況に応じて選択操作手段を元の副変速機の選択操作状態
に戻すようにでき、従来のように選択操作自体がされず
運転者が違和感を感じるようなことを好適に防止でき、
選択操作手段の操作性、操作フィーリングを向上させる
ことができる。
【0086】また、選択操作がされても切換制御手段に
よる切換制御が完了しないと選択操作状態が所望の選択
操作状態に保持されないので、副変速機の変速状態と選
択操作手段の選択操作状態とに相違が生じることを防止
でき、運転者に誤認識を与えてしまうようなことを防止
できる。故に、副変速機の切換制御中に不用意に発進操
作等が行われても、副変速機の変速状態と選択操作手段
の選択操作状態との相違に起因する副変速機の破損等を
確実に防止することができる。
【0087】また、請求項2の車両用トランスファ装置
の操作装置によれば、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず判定手段により切換制御
が規制されていると判定されるようなとき、即ち副変速
機が切換不可のときには、切換制御は実施されないの
で、選択操作手段の選択操作状態を選択操作前の選
状態に好適に戻すことができる。
【0088】また、請求項3の車両用トランスファ装置
の操作装置によれば、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず車速が所定の極低車速よ
り大きいと判定されるようなときには副変速機は切換不
可であり、この場合には切換制御は実施されないので、
選択操作手段の選択操作状態を選択操作前の選操作
態に好適に戻すことができる。
【0089】また、請求項4の車両用トランスファ装置
の操作装置によれば、選択操作手段により選択操作状態
が切換操作されたにも拘わらず自動変速機の変速機構が
ニュートラル状態以外であると判定されるようなときに
は副変速機は切換不可であり、この場合には切換制御は
実施されないので、選択操作手段の選択操作状態を選択
操作前の選操作状態に好適に戻すことができる。
【0090】また、請求項5の車両用トランスファ装置
の操作装置によれば、トランスファ装置が、高速状態で
前輪及び後輪の両方に伝達する4輪高速状態と、低速状
態で前輪及び後輪の両方に伝達する4輪低速状態とに切
換可能な場合には、運転者によって操作される選択操作
手段選択操作状態が4輪低速状態とされたにも拘わら
ずトランスファ装置の伝達機構が切換制御されないと
き、或いは切換制御が完了しないときにおいて、選択操
作手段の選択操作状態を4輪高速状態にすることができ
る。従って、選択操作手段を4輪低速状態まで一旦操作
してから、切換制御手段の制御状況に応じて選択操作手
段を4輪高速状態に戻すようにでき、従来のように選択
操作自体がされず運転者が違和感を感じるようなことを
好適に防止して選択操作手段の操作性、操作フィーリン
グを向上させることができ、また、トランスファ装置の
駆動力伝達状態と選択操作手段の選択操作状態とに相違
が生じることを防止して運転者に誤認識を与えてしまう
ようなことを防止できる。
【0091】また、請求項6の車両用トランスファ装置
の操作装置によれば、トランスファ装置が、高速状態で
差動を禁止して前後輪に伝達する高速直結状態と、低速
状態で差動を禁止して前後輪に伝達する低速直結状態と
に切換可能な場合には、運転者によって操作される選択
操作手段選択操作状態が低速直結状態とされたにも拘
わらずトランスファ装置の伝達機構が切換制御されない
とき、或いは切換制御が完了しないときにおいて、選択
操作手段の選択操作状態を高速直結状態にすることがで
きる。従って、上記同様に、選択操作手段を低速直結状
態まで一旦操作してから高速直結状態に戻すようにで
き、選択操作手段の操作性、操作フィーリングを向上さ
せることができ、また、トランスファ装置の駆動力伝達
状態と選択操作手段の選択操作状態とに相違が生じるこ
とを防止して運転者に誤認識を与えてしまうようなこと
を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】4WD用トランスファ装置を含む車両の駆動系
の概略構成図である。
【図2】図1のトランスファ装置の制御系を示したブロ
ック図である。
【図3】本発明に係るT/F切換レバーユニットを示す
斜視図である。
【図4】図3のT/F切換レバーユニットの制御ルーチ
ン、即ちT/F切換レバー制御ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図5】2WDモード、即ち「2H」モードが選択され
たときのT/F切換レバーユニットの状態を示す図であ
る。
【図6】フルタイム4WDモード、即ち「4H」モード
が選択されたときのT/F切換レバーユニットの状態を
示す図である。
【図7】ハイ直結4WDモード、即ち「4HLc」モー
ドが選択されたときのT/F切換レバーユニットの状態
を示す図である。
【図8】ロー直結4WDモード、即ち「4LLc」モー
ドが選択されても副変速機構の切換が完了していない場
合のT/F切換レバーユニットの状態を示す図である。
【図9】ロー直結4WDモード、即ち「4LLc」モー
ドが選択されて副変速機構の切換が完了したときのT/
F切換レバーユニットの状態を示す図である。
【図10】「4LLc」モードから「4HLc」モードに
切換えられても副変速機構の切換が完了していない場合
のT/F切換レバーユニットの状態を示す図である。
【符号の説明】
6 トランスファ装置 38 副変速機構 60 シフトアクチュエータ 94 電子制御ユニット(ECU) 98 車速センサ 118 T/Fポジションセンサ 200 T/F切換レバーユニット 222 切換レバー 230 シフトロックピン 240 シフトロック部材 246 切欠溝 247 切欠溝 248 ロック部 250 連動部材 252 切欠溝 260 スプリング 262 スプリング 270 シフトロックアクチュエータ 274 係合子 280 レバーポジションセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−36550(JP,A) 特開 平1−115729(JP,A) 特開 昭58−56929(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 23/00 B60K 17/34 - 17/35 G05G 5/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの動力を車輪に伝達する動力伝
    達経路の途中に配設され、前記動力の伝達比を低速状態
    と高速状態との間で変速可能な副変速機と、運転者によって操作されて、前記 副変速機の変速状態を
    少なくとも前記低速状態と前記高速状態とに選択操作可
    能な選択操作手段と、 該選択操作手段による選択操作状態に応じて前記副変速
    機の変速状態を切換制御する切換制御手段と、を有した
    車両用トランスファ装置の操作装置において、 前記選択操作手段により選択操作状態が前記低速状態と
    前記高速状態との間で切換操作されたにも拘わらず前記
    切換制御手段による前記副変速機の変速状態の切換制御
    が完了しないとき、前記選択操作手段を該切換操作前の
    選択操作状態に戻す選択操作戻し手段を備えることを特
    徴とする車両用トランスファ装置の操作装置。
  2. 【請求項2】 前記切換制御手段は、前記副変速機の切
    換制御を規制する規制手段を含み、 前記選択操作戻し手段は、前記切換制御が規制されたか
    否かを判定する判定手段を有し、前記選択操作手段によ
    り前記選択操作状態が切換操作されたにも拘わらず前記
    判定手段により前記切換制御が規制されていると判定さ
    れるとき、前記選択操作手段を該切換操作前の選択操作
    状態に戻すことを特徴とする、請求項1記載の車両用ト
    ランスファ装置の操作装置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は、車速が所定の極低車速
    より大きいとき前記副変速機の切換制御を規制すること
    を特徴とする、請求項2記載の車両用トランスファ装置
    の操作装置。
  4. 【請求項4】 前記エンジンの動力は流体継手と変速機
    構とを有する自動変速機を介して前記副変速機に伝達さ
    れるものであって、 前記規制手段は、前記自動変速機の変速機構がニュート
    ラル状態以外のとき前記副変速機の切換制御を規制する
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用トランスファ
    装置の操作装置。
  5. 【請求項5】 エンジンの動力を車輪に伝達する動力伝
    達経路の途中に配設され、前記エンジンの動力を高速状
    態で前輪及び後輪のいずれか一方の2輪にのみ伝達する
    2輪高速状態と、前記高速状態で前輪及び後輪の両方に
    伝達する4輪高速状態と、低速状態で前輪及び後輪の両
    方に伝達する4輪低速状態とに切換可能に構成されるト
    ランスファ装置と、運転者によって操作されて、前記 トランスファ装置の駆
    動力伝達状態を少なくとも前記2輪高速状態と前記4輪
    高速状態と前記4輪低速状態とに選択操作可能な選択操
    作手段と、 該選択操作手段による選択操作状態に応じて前記トラン
    スファ装置の駆動力伝達状態を切換制御する切換制御手
    段と、を有した車両用トランスファ装置の操作装置にお
    いて、 前記選択操作手段により選択操作状態が前記4輪低速状
    態に切換操作されたにも拘わらず前記切換制御手段によ
    る前記トランスファ装置の駆動力伝達状態の切換制御が
    完了しないとき、前記選択操作手段の選択操作状態を前
    記4輪高速状態とする選択操作戻し手段を備えることを
    特徴とする車両用トランスファ装置の操作装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの動力を車輪に伝達する動力伝
    達経路の途中に配設され、 前記エンジンの動力を高速状態で前輪と後輪との差動を
    許容して前後輪に伝達する高速非直結状態と、前記高速
    状態で前記差動を禁止して前後輪に伝達する高速直結状
    態と、低速状態で前記差動を禁止して前後輪に伝達する
    低速直結状態とに切換可能に構成されるトランスファ装
    置と、運転者によって操作されて、前記 トランスファ装置の駆
    動力伝達状態を少なくとも前記高速非直結状態と前記高
    速直結状態と前記低速直結状態とに選択操作可能な選択
    操作手段と、 該選択操作手段による選択操作状態に応じて前記トラン
    スファ装置の駆動力伝達状態を切換制御する切換制御手
    段と、を有した車両用トランスファ装置の操作装置にお
    いて、 前記選択操作手段により選択操作状態が前記低速直結状
    態に切換操作されたにも拘わらず前記切換制御手段によ
    る前記トランスファ装置の駆動力伝達状態の切換制御が
    完了しないとき、前記選択操作手段の選択操作状態を前
    記高速直結状態とする選択操作戻し手段を備えることを
    特徴とする車両用トランスファ装置の操作装置。
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