JP3447341B2 - ガスセンサ - Google Patents
ガスセンサInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は気体中に微量に含まれる
ガスの検出に利用する。特に、特定のガスに対する検知
感度を調整するための技術に関する。ここで特定のガス
の一例は一酸化炭素(CO)である。
ガスの検出に利用する。特に、特定のガスに対する検知
感度を調整するための技術に関する。ここで特定のガス
の一例は一酸化炭素(CO)である。
【0002】
【従来の技術】従来から、雰囲気中に漏洩するガスが爆
発を起こすあるいは人体に有害であるなどの危険状態に
なる前に警報を発するガスセンサが広く知られている。
特に、一酸化炭素(CO)は爆発を起こす状態よりはる
かに微量に空気中に混入しても、人体あるいは生物体に
危険があるため、混入量が数百ppm程度で警報を発生
するものが必要とされている。
発を起こすあるいは人体に有害であるなどの危険状態に
なる前に警報を発するガスセンサが広く知られている。
特に、一酸化炭素(CO)は爆発を起こす状態よりはる
かに微量に空気中に混入しても、人体あるいは生物体に
危険があるため、混入量が数百ppm程度で警報を発生
するものが必要とされている。
【0003】従来このためのガスセンサとして、セラミ
ック半導体物質を用いる技術が開発された。この技術
は、例えば 〔文献1〕 宮山、柳田「酸化亜鉛ガスセンサー」、窯
業協会発行:雑誌「セラミックス」第18巻第11号
(1983年11月)941−945頁 に詳しい記載がある。この技術はセラミック半導体の表
面に還元性のガスが接触すると、半導体の表面にある吸
着酸素がそのガスと反応することにより減少し、ポテン
シャル障壁の高さと幅が減少するため、電子の移動が容
易になり比抵抗が減少する性質を利用するものである。
ック半導体物質を用いる技術が開発された。この技術
は、例えば 〔文献1〕 宮山、柳田「酸化亜鉛ガスセンサー」、窯
業協会発行:雑誌「セラミックス」第18巻第11号
(1983年11月)941−945頁 に詳しい記載がある。この技術はセラミック半導体の表
面に還元性のガスが接触すると、半導体の表面にある吸
着酸素がそのガスと反応することにより減少し、ポテン
シャル障壁の高さと幅が減少するため、電子の移動が容
易になり比抵抗が減少する性質を利用するものである。
【0004】また、本願発明の発明者の一人は、整流特
性のある金属と半導体、あるいは一つのセラミック半導
体と異種のセラミック半導体の接合が、水素ガスまたは
水蒸気に反応することに気付き、整流特性の変化を空気
中の水素または水蒸気の検知に利用することが将来有望
であることを提言した。これは、 〔文献2〕 宮山、柳田「ガスセンサー材料開発の新し
い展開」、雑誌「電気化学」第50巻第1号(1982
年1月)92−98頁 あるいは 〔文献3〕 柳田他「半導体接合の相対湿度に対する電
流電圧特性」、日本応用物理学会発行の英文論文誌(Jap
anese Journal of Applied Physics) 第22巻第12号
1983年12月1933頁 に記載されている。
性のある金属と半導体、あるいは一つのセラミック半導
体と異種のセラミック半導体の接合が、水素ガスまたは
水蒸気に反応することに気付き、整流特性の変化を空気
中の水素または水蒸気の検知に利用することが将来有望
であることを提言した。これは、 〔文献2〕 宮山、柳田「ガスセンサー材料開発の新し
い展開」、雑誌「電気化学」第50巻第1号(1982
年1月)92−98頁 あるいは 〔文献3〕 柳田他「半導体接合の相対湿度に対する電
流電圧特性」、日本応用物理学会発行の英文論文誌(Jap
anese Journal of Applied Physics) 第22巻第12号
1983年12月1933頁 に記載されている。
【0005】本願発明の発明者の一人は、上記公知の文
献で、整流特性のある半導体接合が空気中の水素ガスお
よび水蒸気の検出に有効であることを示唆したが、この
段階ではその作用が十分に解明されていなかったので、
検出できるガスの種類、工業的に利用できる方法または
装置の構成などは明らかにされていない。
献で、整流特性のある半導体接合が空気中の水素ガスお
よび水蒸気の検出に有効であることを示唆したが、この
段階ではその作用が十分に解明されていなかったので、
検出できるガスの種類、工業的に利用できる方法または
装置の構成などは明らかにされていない。
【0006】本願出願人の一部は、低温で被検ガスの種
類を選択的に検出することができるガス検出方法および
ガスセンサについて既に特許出願し、その出願が、 〔文献4〕 特開昭62−90529号公報 として公開されている。この公報には、互いに接触させ
ることにより整流特性をもつ二種類の固体物質を接触面
を介して機械的に接触させ、その接触面に空隙を形成し
ておき、その空隙に試料ガスを導くことが示されてい
る。
類を選択的に検出することができるガス検出方法および
ガスセンサについて既に特許出願し、その出願が、 〔文献4〕 特開昭62−90529号公報 として公開されている。この公報には、互いに接触させ
ることにより整流特性をもつ二種類の固体物質を接触面
を介して機械的に接触させ、その接触面に空隙を形成し
ておき、その空隙に試料ガスを導くことが示されてい
る。
【0007】また、上記一部の出願人は、文献4に示さ
れたと同等の構造を用いて二酸化酸素を検出できること
についても特許出願し、その出願は、 〔文献5〕 特開昭62−90528号公報 として公開されている。
れたと同等の構造を用いて二酸化酸素を検出できること
についても特許出願し、その出願は、 〔文献5〕 特開昭62−90528号公報 として公開されている。
【0008】さらに、本願出願人は先願特願平5−41
285号(平成5年3月2日出願、本願出願時において
未公開、以下「先願」という)においてセラミック半導
体を用いた新規な構造のガスセンサについて特許出願し
た。
285号(平成5年3月2日出願、本願出願時において
未公開、以下「先願」という)においてセラミック半導
体を用いた新規な構造のガスセンサについて特許出願し
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記先願において、い
くつかの半導体材料を含む抵抗器は、複数種のガスに接
触するとその抵抗値が変化することを示した。しかもそ
の中の特別な性質がある半導体材料は、特定ガス(例え
ばCO)について特殊な感度特性を有するが、他の可燃
性ガスに対しては、他の半導体材料とほぼ同等な感度特
性を有するものがあることを述べた。そして上記先願に
おいて、この特定ガスについて特殊な感度特性を有する
ものと、一般的な感度特性を有するものとを組み合わせ
て利用することにより、特定ガス以外にガスに対する感
度を相殺して、特定ガスに対する感度が顕著に現れるよ
うに電気回路を構成できる可能性を示唆した。
くつかの半導体材料を含む抵抗器は、複数種のガスに接
触するとその抵抗値が変化することを示した。しかもそ
の中の特別な性質がある半導体材料は、特定ガス(例え
ばCO)について特殊な感度特性を有するが、他の可燃
性ガスに対しては、他の半導体材料とほぼ同等な感度特
性を有するものがあることを述べた。そして上記先願に
おいて、この特定ガスについて特殊な感度特性を有する
ものと、一般的な感度特性を有するものとを組み合わせ
て利用することにより、特定ガス以外にガスに対する感
度を相殺して、特定ガスに対する感度が顕著に現れるよ
うに電気回路を構成できる可能性を示唆した。
【0010】本願発明者らは、この可能性を追求し本願
発明を完成するに至った。すなわち本発明は、複数種の
ガスに接触すると抵抗値が変化する性質のある半導体を
用いた抵抗器を二種類用いて、特定ガス以外のガスに対
する感度を相殺するような電気回路を構成し、特定ガス
に対する感度を顕著にするガスセンサを提供することを
目的とする。すなわち本発明は、特定ガスについて顕著
な感度を有するガスセンサを提供することを目的とす
る。
発明を完成するに至った。すなわち本発明は、複数種の
ガスに接触すると抵抗値が変化する性質のある半導体を
用いた抵抗器を二種類用いて、特定ガス以外のガスに対
する感度を相殺するような電気回路を構成し、特定ガス
に対する感度を顕著にするガスセンサを提供することを
目的とする。すなわち本発明は、特定ガスについて顕著
な感度を有するガスセンサを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、p型半導体に
特殊な性質を発見したことに基づくものである。すなわ
ち、第一種類のp型半導体は複数種のガスに接触すると
その抵抗値が変化する性質がある。第二種類のp型半導
体はこの複数種のガスに接触するとその抵抗値が上記第
一種類の半導体と類似の特性で(詳しくは、ほぼ同等
に、あるいはほぼ比例して)変化する性質がある。しか
し、この第二種類のp型半導体は、特定ガス(例えばC
O)に対する抵抗値の変化特性は第一種類のp型半導体
とは異なる。
特殊な性質を発見したことに基づくものである。すなわ
ち、第一種類のp型半導体は複数種のガスに接触すると
その抵抗値が変化する性質がある。第二種類のp型半導
体はこの複数種のガスに接触するとその抵抗値が上記第
一種類の半導体と類似の特性で(詳しくは、ほぼ同等
に、あるいはほぼ比例して)変化する性質がある。しか
し、この第二種類のp型半導体は、特定ガス(例えばC
O)に対する抵抗値の変化特性は第一種類のp型半導体
とは異なる。
【0012】この発見に基づき、上記の第一種類のp型
半導体と、第二種類のp型半導体とをそれぞれ抵抗器と
して構成し、この二種類の抵抗器を共に同一の被検ガス
に接触させる。そして、この二種類の抵抗器を組み合わ
せた電気回路を作り、その電気回路を前記特定ガス以外
の複数種のガスに対する反応を相殺するように構成する
ことができる。
半導体と、第二種類のp型半導体とをそれぞれ抵抗器と
して構成し、この二種類の抵抗器を共に同一の被検ガス
に接触させる。そして、この二種類の抵抗器を組み合わ
せた電気回路を作り、その電気回路を前記特定ガス以外
の複数種のガスに対する反応を相殺するように構成する
ことができる。
【0013】すなわち、本発明は、少なくとも1種類の
ガスに接触したときに電気抵抗値が変化するp型半導体
を含む第一種類の抵抗器と、前記少なくとも1種類のガ
スに接触したとき類似の特性で抵抗値が変化するととも
に特定ガスに接触したとき第一種類の抵抗器とは異なる
特性で抵抗値が変化するp型半導体を含む第二種類の抵
抗器とを備え、この二種類の抵抗器が同一の被検ガスに
接触するように配置され、前記特定ガス以外のガスに対
する前記第一種類の抵抗器の抵抗値変化と前記第二種類
の抵抗器の抵抗値変化とがほぼ相殺されるようにこの二
種類の抵抗器を接続する電気回路を備えたことを特徴と
する。
ガスに接触したときに電気抵抗値が変化するp型半導体
を含む第一種類の抵抗器と、前記少なくとも1種類のガ
スに接触したとき類似の特性で抵抗値が変化するととも
に特定ガスに接触したとき第一種類の抵抗器とは異なる
特性で抵抗値が変化するp型半導体を含む第二種類の抵
抗器とを備え、この二種類の抵抗器が同一の被検ガスに
接触するように配置され、前記特定ガス以外のガスに対
する前記第一種類の抵抗器の抵抗値変化と前記第二種類
の抵抗器の抵抗値変化とがほぼ相殺されるようにこの二
種類の抵抗器を接続する電気回路を備えたことを特徴と
する。
【0014】第一種類の抵抗器に含まれるp型半導体は
CuO、NiOおよびCoOからなる群より選ばれた一
以上の金属酸化物を主成分として含むことがよい。ま
た、第二種類の抵抗器に含まれるp型半導体は、Cu
O、NiOおよびCoOからなる群より選ばれた一以上
の金属酸化物を主成分とし、アルカリ金属化合物および
希土類金属化合物からなる群より選ばれた一以上の金属
化合物を添加物として含むことがよい。具体的には、N
a2 O、La2 O3 またはY2 O3 のいずれか、あるい
はこれらのいずれかの金属化合物を主成分とする材料、
さらにはそれらの組み合わせを用いることができる。
CuO、NiOおよびCoOからなる群より選ばれた一
以上の金属酸化物を主成分として含むことがよい。ま
た、第二種類の抵抗器に含まれるp型半導体は、Cu
O、NiOおよびCoOからなる群より選ばれた一以上
の金属酸化物を主成分とし、アルカリ金属化合物および
希土類金属化合物からなる群より選ばれた一以上の金属
化合物を添加物として含むことがよい。具体的には、N
a2 O、La2 O3 またはY2 O3 のいずれか、あるい
はこれらのいずれかの金属化合物を主成分とする材料、
さらにはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0015】特定のガスとしてCOを検出する場合に
は、特に、第一種類の抵抗器のp型半導体として99重
量%以上の純度のCuOを用い、第二種類の抵抗器のp
型半導体として、CuOを主成分とし、添加物としてア
ルカリ金属化合物を含むものを用いることができる。こ
の場合に、第一種類の抵抗器のp型半導体には、添加物
として酸化アルミニウムを含むことができる。
は、特に、第一種類の抵抗器のp型半導体として99重
量%以上の純度のCuOを用い、第二種類の抵抗器のp
型半導体として、CuOを主成分とし、添加物としてア
ルカリ金属化合物を含むものを用いることができる。こ
の場合に、第一種類の抵抗器のp型半導体には、添加物
として酸化アルミニウムを含むことができる。
【0016】前記電気回路として第一種類の抵抗器と第
二種類の抵抗器とを直列接続する回路を用い、この回路
に電圧を印加して二つの抵抗器の少なくとも一方の分圧
を測定する手段を備えることができる。また、これとは
別に、前記電気回路として、第一種類の抵抗器と第二種
類の抵抗器と別の二つの抵抗器とにより構成された直流
または交流のブリッジ回路を用いることもできる。この
場合に、第一種類および第二種類の抵抗器とは別の二つ
の抵抗器は、被検ガスに触れないように封止されること
が望ましい。
二種類の抵抗器とを直列接続する回路を用い、この回路
に電圧を印加して二つの抵抗器の少なくとも一方の分圧
を測定する手段を備えることができる。また、これとは
別に、前記電気回路として、第一種類の抵抗器と第二種
類の抵抗器と別の二つの抵抗器とにより構成された直流
または交流のブリッジ回路を用いることもできる。この
場合に、第一種類および第二種類の抵抗器とは別の二つ
の抵抗器は、被検ガスに触れないように封止されること
が望ましい。
【0017】第一種類の抵抗器および第二種類の抵抗器
は、それぞれ1個以上を組合せることにより上記の電気
回路を実現することができる。つまり、第一種類の抵抗
器および第二種類の抵抗器はそれぞれ1個づつであるこ
とは必要なく、特定ガス以外のガスについて相殺特性を
よくするために複数個を使用することができる。
は、それぞれ1個以上を組合せることにより上記の電気
回路を実現することができる。つまり、第一種類の抵抗
器および第二種類の抵抗器はそれぞれ1個づつであるこ
とは必要なく、特定ガス以外のガスについて相殺特性を
よくするために複数個を使用することができる。
【0018】前記特定ガスとして、CO以外に、C3 H
8 を検出する構成とすることもできる。
8 を検出する構成とすることもできる。
【0019】前記二つの種類の抵抗器は一つのセラミッ
クス基板の上に厚膜として形成し、ガスに対する反応が
よく現れる温度(一例として60℃以上450℃)に加
温しながら利用することがよい。
クス基板の上に厚膜として形成し、ガスに対する反応が
よく現れる温度(一例として60℃以上450℃)に加
温しながら利用することがよい。
【0020】
【作用】一般に半導体を用いたガスセンサは、複数種の
可燃性ガスについて類似した感度特性を有するので、特
定ガス(例えばCO)一種類についてのみ感度をもつよ
うなガスセンサを実現することはできない。ところが、
本願発明者は、p型半導体のガスセンサとしての性質を
試験しているときに、ある種のp型半導体は複数種のガ
スについて反応をするが、特定ガスについて異なる振る
舞いをするものがあることを発見した。このp型半導体
は他のガスについては他の半導体と類似の感度を有する
ことがわかった。そして、この特定ガスについて異なる
振る舞いをする半導体と複数のガスについて類似の特性
を有する半導体とを組み合わせることにより、特定ガス
以外のガスについての感度を相殺し特定ガスについての
感度を強調する電気回路を構成できることに気付いた。
可燃性ガスについて類似した感度特性を有するので、特
定ガス(例えばCO)一種類についてのみ感度をもつよ
うなガスセンサを実現することはできない。ところが、
本願発明者は、p型半導体のガスセンサとしての性質を
試験しているときに、ある種のp型半導体は複数種のガ
スについて反応をするが、特定ガスについて異なる振る
舞いをするものがあることを発見した。このp型半導体
は他のガスについては他の半導体と類似の感度を有する
ことがわかった。そして、この特定ガスについて異なる
振る舞いをする半導体と複数のガスについて類似の特性
を有する半導体とを組み合わせることにより、特定ガス
以外のガスについての感度を相殺し特定ガスについての
感度を強調する電気回路を構成できることに気付いた。
【0021】特定ガスとして最も実用性および必要性が
高いガスはCOである。p型半導体の材料、添加物、お
よび電気回路についてさまざまな試験を行ったところ、
特定ガス以外のガスについては実用的に感度がほとんど
なく、特定ガスについて高い感度を有するガスセンサを
実現することができた。
高いガスはCOである。p型半導体の材料、添加物、お
よび電気回路についてさまざまな試験を行ったところ、
特定ガス以外のガスについては実用的に感度がほとんど
なく、特定ガスについて高い感度を有するガスセンサを
実現することができた。
【0022】
【実施例】はじめに、本発明に利用するためのp型半導
体材料および抵抗器の実例について説明すると、本発明
実施例の一つとして利用する抵抗器は、CuOを主成分
とするp型半導体により形成されたp型部材に二つの電
極が直接接続されて構成される。p型半導体の99重量
%以上がCuOの場合にはCOに対する検知感度が他の
可燃性ガスに対する検知感度に比べて極端に小さくな
る。これに対して、アルカリ金属化合物、特にNa化合
物またはK化合物を添加すると、COに対する検知感度
を高めることができる。また、Al2 O3 を添加する
と、COに対する検知感度を高めることなく電極との間
の抵抗値を調整できる。
体材料および抵抗器の実例について説明すると、本発明
実施例の一つとして利用する抵抗器は、CuOを主成分
とするp型半導体により形成されたp型部材に二つの電
極が直接接続されて構成される。p型半導体の99重量
%以上がCuOの場合にはCOに対する検知感度が他の
可燃性ガスに対する検知感度に比べて極端に小さくな
る。これに対して、アルカリ金属化合物、特にNa化合
物またはK化合物を添加すると、COに対する検知感度
を高めることができる。また、Al2 O3 を添加する
と、COに対する検知感度を高めることなく電極との間
の抵抗値を調整できる。
【0023】ここで「p型半導体」とは、焼結体内で導
電性に寄与する成分をいう。p型半導体は、成形助剤お
よび焼成助剤、さらにはその他の添加物が加えられて焼
成され、p型部材として本発明のガスセンサを構成す
る。したがって、p型部材に導電性に寄与しない成分が
1%以上含まれていてもよい。すなわち、「99重量%
以上のCuO」とは、ガスセンサを構成するp型部材の
99%以上という意味ではなく、p型部材に含まれる半
導体成分の99%以上がCuOであることをいう。実用
的には、原料として用いる材料(実際には不純物が含ま
れるので、以下では「CuO」のように表す)の純度が
99%以上であればよい。
電性に寄与する成分をいう。p型半導体は、成形助剤お
よび焼成助剤、さらにはその他の添加物が加えられて焼
成され、p型部材として本発明のガスセンサを構成す
る。したがって、p型部材に導電性に寄与しない成分が
1%以上含まれていてもよい。すなわち、「99重量%
以上のCuO」とは、ガスセンサを構成するp型部材の
99%以上という意味ではなく、p型部材に含まれる半
導体成分の99%以上がCuOであることをいう。実用
的には、原料として用いる材料(実際には不純物が含ま
れるので、以下では「CuO」のように表す)の純度が
99%以上であればよい。
【0024】本発明者らは、p型半導体であるCuOバ
ルクに二つの電極を接続すると、CuOを通って二つの
電極間に流れる電流が被検ガスの存在により減少するこ
とを見出した。すなわち、CuOに二つの電極を接続し
たガスセンサは、上記文献2および3に記載されたCu
OとZnOとを機械的に接触させたガスセンサ(以下
「CuO−ZnO接触型ガスセンサ」という)と逆の特
性がある。また、CuO−ZnO接触型ガスセンサの場
合と同様に、p型半導体の99重量%以上がCuOの場
合にはCOに対する検知感度が他の可燃性ガスに対する
検知感度に比べて極端に小さくなり、Al2 O3 を添加
するとCOに対する検知感度が小さいまま抵抗値を調整
でき、アルカリ金属化合物、特にKまたはNa化合物を
添加するとCOに対する検知感度を高めることができる
ことがわかった。
ルクに二つの電極を接続すると、CuOを通って二つの
電極間に流れる電流が被検ガスの存在により減少するこ
とを見出した。すなわち、CuOに二つの電極を接続し
たガスセンサは、上記文献2および3に記載されたCu
OとZnOとを機械的に接触させたガスセンサ(以下
「CuO−ZnO接触型ガスセンサ」という)と逆の特
性がある。また、CuO−ZnO接触型ガスセンサの場
合と同様に、p型半導体の99重量%以上がCuOの場
合にはCOに対する検知感度が他の可燃性ガスに対する
検知感度に比べて極端に小さくなり、Al2 O3 を添加
するとCOに対する検知感度が小さいまま抵抗値を調整
でき、アルカリ金属化合物、特にKまたはNa化合物を
添加するとCOに対する検知感度を高めることができる
ことがわかった。
【0025】つぎに、図1および図2を参照して実施例
電気回路および素子について説明する。図1は本発明第
一実施例装置の回路図である。この装置は、少なくとも
1種類のガスに接触したとき抵抗値が変化するp型半導
体を含む第一種類の抵抗器Raと、前記少なくとも1種
類のガスに接触したとき抵抗値が上記第一種類の抵抗器
Raと類似の特性で変化するとともに特定ガスに接触し
たとき前記第一種類の抵抗器Raとは異なる特性で抵抗
値が変化するp型半導体を含む第二種類の抵抗器Rbと
を備える。そして、この二種類の抵抗器RaおよびRb
が同一の被検ガスに接触するように配置される。さら
に、前記特定ガス以外のガスに対する前記第一種類の抵
抗器Raの抵抗値変化と前記第二種類の抵抗器Rbの抵
抗値変化とがほぼ相殺されるようにこの二種類の抵抗器
RaおよびRbを直列に接続する電気回路を備えた構成
である。この抵抗器RaおよびRbには電源Eが接続さ
れ、さらにこの抵抗器RaおよびRbはヒータHにより
加熱される。
電気回路および素子について説明する。図1は本発明第
一実施例装置の回路図である。この装置は、少なくとも
1種類のガスに接触したとき抵抗値が変化するp型半導
体を含む第一種類の抵抗器Raと、前記少なくとも1種
類のガスに接触したとき抵抗値が上記第一種類の抵抗器
Raと類似の特性で変化するとともに特定ガスに接触し
たとき前記第一種類の抵抗器Raとは異なる特性で抵抗
値が変化するp型半導体を含む第二種類の抵抗器Rbと
を備える。そして、この二種類の抵抗器RaおよびRb
が同一の被検ガスに接触するように配置される。さら
に、前記特定ガス以外のガスに対する前記第一種類の抵
抗器Raの抵抗値変化と前記第二種類の抵抗器Rbの抵
抗値変化とがほぼ相殺されるようにこの二種類の抵抗器
RaおよびRbを直列に接続する電気回路を備えた構成
である。この抵抗器RaおよびRbには電源Eが接続さ
れ、さらにこの抵抗器RaおよびRbはヒータHにより
加熱される。
【0026】図2はこの素子の構造図であり、図2
(a)は抵抗器RaおよびRbが搭載されたセラミック
ス基板の表面図、図2(b)はそのセラミックス基板の
下に重ね合わせるヒータ装置の表面図である。端子1〜
5は図1の回路図に記入した符号と対応する。この素子
はセラミックス基板に厚膜により純度の高いCuOを印
刷することにより製作した。ヒータには電源E′から電
流を供給し、この抵抗器RaおよびRbがガスに対して
敏感な温度範囲200℃〜350℃のうちの一定値(例
えば260℃)に保たれるようにそのヒータ電流を制御
する。
(a)は抵抗器RaおよびRbが搭載されたセラミック
ス基板の表面図、図2(b)はそのセラミックス基板の
下に重ね合わせるヒータ装置の表面図である。端子1〜
5は図1の回路図に記入した符号と対応する。この素子
はセラミックス基板に厚膜により純度の高いCuOを印
刷することにより製作した。ヒータには電源E′から電
流を供給し、この抵抗器RaおよびRbがガスに対して
敏感な温度範囲200℃〜350℃のうちの一定値(例
えば260℃)に保たれるようにそのヒータ電流を制御
する。
【0027】このように構成されたガスセンサを乾燥空
気を連続的に供給する雰囲気の中にさらし、電磁切替弁
を用いた装置により、はじめにCOを、次にH2 を、次
にC3 H8 をそれぞれ濃度が4000ppmになるよう
に混合してこの雰囲気中に送り込む。図3はこのときの
抵抗器Raの抵抗値を示し、図4は同じく抵抗器Rbの
抵抗値を示す。RaはCuOを主成分材料とした抵抗体
であり、RbはCuOに0.5重量%のNa2 Oを添加
した材料よりなる抵抗体である。図3、図4は、横軸に
時間をとり、図に四角印で示すタイミングでそれぞれ電
磁切替弁を制御して混合ガスを供給して測定した。各ガ
スの切替タイミングは十分な間隔をおき、その間には乾
燥空気を連続的に供給してその前のガスが残らないよう
に配慮した。抵抗器はそれぞれガスに反応してその抵抗
値が変化する。二つの抵抗器RaおよびRbは、H2 お
よびC3 H8 に対する反応は類似しているが、COに対
する反応が違っていることがわかる。
気を連続的に供給する雰囲気の中にさらし、電磁切替弁
を用いた装置により、はじめにCOを、次にH2 を、次
にC3 H8 をそれぞれ濃度が4000ppmになるよう
に混合してこの雰囲気中に送り込む。図3はこのときの
抵抗器Raの抵抗値を示し、図4は同じく抵抗器Rbの
抵抗値を示す。RaはCuOを主成分材料とした抵抗体
であり、RbはCuOに0.5重量%のNa2 Oを添加
した材料よりなる抵抗体である。図3、図4は、横軸に
時間をとり、図に四角印で示すタイミングでそれぞれ電
磁切替弁を制御して混合ガスを供給して測定した。各ガ
スの切替タイミングは十分な間隔をおき、その間には乾
燥空気を連続的に供給してその前のガスが残らないよう
に配慮した。抵抗器はそれぞれガスに反応してその抵抗
値が変化する。二つの抵抗器RaおよびRbは、H2 お
よびC3 H8 に対する反応は類似しているが、COに対
する反応が違っていることがわかる。
【0028】図1に示す電圧計Vには二つの抵抗器Ra
およびRbの各端子電圧VaおよびVbの差分の電圧
〔Va−Vb〕が現れ、これは図5に示すようになる。
図5の縦軸は電圧計Vの変化値で示す。すなわち、反応
が類似していたH2 およびC3H8 に対する応答は相殺
されてしまい、COに対する応答だけが残ることにな
る。
およびRbの各端子電圧VaおよびVbの差分の電圧
〔Va−Vb〕が現れ、これは図5に示すようになる。
図5の縦軸は電圧計Vの変化値で示す。すなわち、反応
が類似していたH2 およびC3H8 に対する応答は相殺
されてしまい、COに対する応答だけが残ることにな
る。
【0029】この原理を図6を用いて説明すると、図6
にそれぞれCO、H2 およびC3 H8 に対する応答を模
式的に矩形波形で表示する。横軸は時間の経過であり、
それぞれのタイミングで混入されるガスの種類が変更さ
れる。縦軸は二つの抵抗器RaおよびRbの端子電圧V
aおよびVbである。ここで、二つの抵抗器Raおよび
Rbの各抵抗値を適当に選ぶことにより、二つの電圧の
差分〔Va−Vb〕は特定ガスCO以外のガスについて
実質的に零とすることができる。そして特定ガスCOに
対する応答のみが残される形となる。このようにして、
特定ガスCOに対する検出感度を強調することができ
る。
にそれぞれCO、H2 およびC3 H8 に対する応答を模
式的に矩形波形で表示する。横軸は時間の経過であり、
それぞれのタイミングで混入されるガスの種類が変更さ
れる。縦軸は二つの抵抗器RaおよびRbの端子電圧V
aおよびVbである。ここで、二つの抵抗器Raおよび
Rbの各抵抗値を適当に選ぶことにより、二つの電圧の
差分〔Va−Vb〕は特定ガスCO以外のガスについて
実質的に零とすることができる。そして特定ガスCOに
対する応答のみが残される形となる。このようにして、
特定ガスCOに対する検出感度を強調することができ
る。
【0030】図7は、この特性をCOガスの濃度を変更
して測定した結果であり、実線は図1に示す電圧計Vの
変化値であって、点線で示すガス交換信号に伴い、それ
ぞれ1000ppm、2000ppm、4000ppm
に切替変更している。同じことを2周期繰り返して測定
を行ったものである。
して測定した結果であり、実線は図1に示す電圧計Vの
変化値であって、点線で示すガス交換信号に伴い、それ
ぞれ1000ppm、2000ppm、4000ppm
に切替変更している。同じことを2周期繰り返して測定
を行ったものである。
【0031】図8は本発明第二実施例装置の回路図であ
る。この例では、特定ガス以外のガスに対する反応を相
殺する電気回路として、ブリッジ回路を採用した例であ
る。上記の半導体材料を含む抵抗器RaおよびRbの他
に普通の抵抗器RcおよびRdを利用し、4本の抵抗器
によりブリッジ回路を構成しその平衡電圧を電圧計Vに
接続する。各抵抗器の抵抗値はブリッジ回路の平衡条件 Rc/Rb ≒ Ra/Rb が成立するように設定することが望ましい。
る。この例では、特定ガス以外のガスに対する反応を相
殺する電気回路として、ブリッジ回路を採用した例であ
る。上記の半導体材料を含む抵抗器RaおよびRbの他
に普通の抵抗器RcおよびRdを利用し、4本の抵抗器
によりブリッジ回路を構成しその平衡電圧を電圧計Vに
接続する。各抵抗器の抵抗値はブリッジ回路の平衡条件 Rc/Rb ≒ Ra/Rb が成立するように設定することが望ましい。
【0032】図9はこのときの電圧計Vの値を記録した
図である。この試験も前記第一実施例装置の場合と同様
に4000ppmのガスを順次混入して行った。その結
果からCOに対して特別に高い感度を示し、その他のガ
スについてはほとんどその反応が相殺されていることが
わかる。
図である。この試験も前記第一実施例装置の場合と同様
に4000ppmのガスを順次混入して行った。その結
果からCOに対して特別に高い感度を示し、その他のガ
スについてはほとんどその反応が相殺されていることが
わかる。
【0033】図10は本発明第三実施例装置の回路図で
ある。この例では、前記実施例と同様にブリッジ回路を
用いて特定ガス以外のガスに対する反応を相殺するもの
であるが、ブリッジ回路を構成する感応抵抗器以外の抵
抗器ReおよびRfについて、ガスにさらされて反応す
ることがないようにガラス封止を施したものである。図
11はガラス封止を施した抵抗器Reについてガス反応
を試験し、図12は同じくガラス封じを施した抵抗器R
fについてガス反応を試験した結果である。それぞれこ
れらの抵抗器はガスに対して反応していないことがわか
る。図13はこの図10に示すガスセンサの試験結果で
ある。この試験結果からH2 およびC3H8 に対する反
応が実質的に相殺されてCOに対する感度が強調されて
いることがわかる。
ある。この例では、前記実施例と同様にブリッジ回路を
用いて特定ガス以外のガスに対する反応を相殺するもの
であるが、ブリッジ回路を構成する感応抵抗器以外の抵
抗器ReおよびRfについて、ガスにさらされて反応す
ることがないようにガラス封止を施したものである。図
11はガラス封止を施した抵抗器Reについてガス反応
を試験し、図12は同じくガラス封じを施した抵抗器R
fについてガス反応を試験した結果である。それぞれこ
れらの抵抗器はガスに対して反応していないことがわか
る。図13はこの図10に示すガスセンサの試験結果で
ある。この試験結果からH2 およびC3H8 に対する反
応が実質的に相殺されてCOに対する感度が強調されて
いることがわかる。
【0034】図14は本発明第四実施例装置の回路図で
ある。この例は第一実施例と同様に二つの抵抗器Ra、
Rbを直列接続して構成するものであり、抵抗器Rbの
両端の電圧をV1 、V2 とし、〔V1 −V2 〕信号を差
動アンプAMPにより増幅してセンサ出力電圧EOUT を
得ることが第一実施例と異なる。差動アンプAMPの非
反転入力には電圧V1 が抵抗R1 を介して入力され、反
転入力には電圧V2 が抵抗R2 を介して入力される。差
動アンプAMPの出力は抵抗R3 を介して差動アンプA
MPの非反転入力に帰還される。差動アンプAMPの反
転入力は抵抗R3 を介して接地される。抵抗R1 、
R2 、R3 、R4 を調整することで、差動アンプAMP
の次段に接続される回路での処理に適した電圧範囲とな
るような電圧EOUT を得ることができる。
ある。この例は第一実施例と同様に二つの抵抗器Ra、
Rbを直列接続して構成するものであり、抵抗器Rbの
両端の電圧をV1 、V2 とし、〔V1 −V2 〕信号を差
動アンプAMPにより増幅してセンサ出力電圧EOUT を
得ることが第一実施例と異なる。差動アンプAMPの非
反転入力には電圧V1 が抵抗R1 を介して入力され、反
転入力には電圧V2 が抵抗R2 を介して入力される。差
動アンプAMPの出力は抵抗R3 を介して差動アンプA
MPの非反転入力に帰還される。差動アンプAMPの反
転入力は抵抗R3 を介して接地される。抵抗R1 、
R2 、R3 、R4 を調整することで、差動アンプAMP
の次段に接続される回路での処理に適した電圧範囲とな
るような電圧EOUT を得ることができる。
【0035】図15は第四実施例装置の修正例を示す回
路図である。この修正例では、電圧V1 、V2 を正確に
増幅するために、入力インピーダンスが極めて高い演算
増幅器A1、A2をボルテージフォロアとして用い、こ
の演算増幅器A1、A2の出力V1 ′、V2 ′をそれぞ
れ抵抗器R1 、R2 を介して差動アンプAMPに入力す
る。
路図である。この修正例では、電圧V1 、V2 を正確に
増幅するために、入力インピーダンスが極めて高い演算
増幅器A1、A2をボルテージフォロアとして用い、こ
の演算増幅器A1、A2の出力V1 ′、V2 ′をそれぞ
れ抵抗器R1 、R2 を介して差動アンプAMPに入力す
る。
【0036】図16は本発明第五実施例装置の回路図で
ある。この例は第二実施例と同様にブリッジ回路に接続
したものであり、抵抗器Ra、Rbの接続点の電圧をV
1 、抵抗器Rc、Rdの接続点の電圧をV2 とし、〔V
1 −V2 〕信号を差動アンプAMPにより増幅してセン
サ出力電圧EOUT を得る。第四実施例と同様に、差動ア
ンプAMPの非反転入力には電圧V1 が抵抗R1 を介し
て入力され、反転入力には電圧V2 が抵抗R2 を介して
入力される。差動アンプAMPの出力は抵抗R3 を介し
て差動アンプAMPの非反転入力に帰還される。差動ア
ンプAMPの反転入力は抵抗R3 を介して接地される。
抵抗R1 、R2 、R3 、R4 を調整することで、差動ア
ンプAMPの次段に接続される回路での処理に適した電
圧範囲となるような電圧EOUT を得ることができる。
ある。この例は第二実施例と同様にブリッジ回路に接続
したものであり、抵抗器Ra、Rbの接続点の電圧をV
1 、抵抗器Rc、Rdの接続点の電圧をV2 とし、〔V
1 −V2 〕信号を差動アンプAMPにより増幅してセン
サ出力電圧EOUT を得る。第四実施例と同様に、差動ア
ンプAMPの非反転入力には電圧V1 が抵抗R1 を介し
て入力され、反転入力には電圧V2 が抵抗R2 を介して
入力される。差動アンプAMPの出力は抵抗R3 を介し
て差動アンプAMPの非反転入力に帰還される。差動ア
ンプAMPの反転入力は抵抗R3 を介して接地される。
抵抗R1 、R2 、R3 、R4 を調整することで、差動ア
ンプAMPの次段に接続される回路での処理に適した電
圧範囲となるような電圧EOUT を得ることができる。
【0037】図17は第五実施例装置の修正例を示す回
路図である。この修正例では、電圧V1 、V2 を正確に
増幅するために、入力インピーダンスが極めて高い演算
増幅器A1、A2をボルテージフォロアとして用い、こ
の演算増幅器A1、A2の出力V1 ′、V2 ′をそれぞ
れ抵抗器R1 、R2 を介して差動アンプAMPに入力す
る。
路図である。この修正例では、電圧V1 、V2 を正確に
増幅するために、入力インピーダンスが極めて高い演算
増幅器A1、A2をボルテージフォロアとして用い、こ
の演算増幅器A1、A2の出力V1 ′、V2 ′をそれぞ
れ抵抗器R1 、R2 を介して差動アンプAMPに入力す
る。
【0038】上記各実施例はp型半導体として比較的純
度の高いCuOを利用した例であるが、次に半導体材料
およびその添加物の影響についての試験結果を説明す
る。以下の実施例についてもそれぞれ、各抵抗器は図2
に示すようにセラミックス基板に厚膜印刷を施した形態
のものを製作した。
度の高いCuOを利用した例であるが、次に半導体材料
およびその添加物の影響についての試験結果を説明す
る。以下の実施例についてもそれぞれ、各抵抗器は図2
に示すようにセラミックス基板に厚膜印刷を施した形態
のものを製作した。
【0039】はじめにCuOに微量のAl2 O3 を混入
した場合の本発明ガスセンサについての実施例を示す。
この例を本発明第六実施例とする。この例は、図1に示
す回路を用いて、抵抗器Raの材料としてCuOを主成
分とし5重量%のAl2 O3を混入した材料を用い、抵
抗体Rbの材料としてCuOを主成分とし0.5重量%
のNa2 Oを添加した材料を用いたものである。図18
に抵抗器Raの各ガスにさらした場合の特性測定結果を
示し、図19に抵抗器Rbの同じく各ガスにさらした場
合の特性測定結果を示す。図1に示す直列回路を用いて
相殺された特性を得た結果を図20に示す。このように
添加物を混入したp型半導体材料を用いてもCOに対す
る感度を強調した顕著な特性を得ることができる。
した場合の本発明ガスセンサについての実施例を示す。
この例を本発明第六実施例とする。この例は、図1に示
す回路を用いて、抵抗器Raの材料としてCuOを主成
分とし5重量%のAl2 O3を混入した材料を用い、抵
抗体Rbの材料としてCuOを主成分とし0.5重量%
のNa2 Oを添加した材料を用いたものである。図18
に抵抗器Raの各ガスにさらした場合の特性測定結果を
示し、図19に抵抗器Rbの同じく各ガスにさらした場
合の特性測定結果を示す。図1に示す直列回路を用いて
相殺された特性を得た結果を図20に示す。このように
添加物を混入したp型半導体材料を用いてもCOに対す
る感度を強調した顕著な特性を得ることができる。
【0040】次に、抵抗体RbにNiOを主成分とする
材料を、抵抗体RaにCuOを主成分としてNa2 Oを
添加物として0.5重量%添加した材料を用いた実施例
を示す。この実施例を本発明第七実施例とする。図21
は抵抗器Raを各ガスにさらした場合のその抵抗値の変
化を測定した結果である。図22は同じく抵抗器Rbに
ついて各ガスにさらした場合の抵抗値の変化を測定した
結果である。これらの抵抗器RaおよびRbを図1に示
す回路を用いて相殺された特性を測定した結果を図23
に示す。
材料を、抵抗体RaにCuOを主成分としてNa2 Oを
添加物として0.5重量%添加した材料を用いた実施例
を示す。この実施例を本発明第七実施例とする。図21
は抵抗器Raを各ガスにさらした場合のその抵抗値の変
化を測定した結果である。図22は同じく抵抗器Rbに
ついて各ガスにさらした場合の抵抗値の変化を測定した
結果である。これらの抵抗器RaおよびRbを図1に示
す回路を用いて相殺された特性を測定した結果を図23
に示す。
【0041】次に、添加物としてLa2 O3 を用いた例
についての実施例を示す。この例を本発明第八実施例と
する。図24は抵抗器Raの材料としてCuOを主成分
としたものを各ガスにさらした場合の抵抗値を測定した
結果を示す。図25は抵抗器Rbの材料としてCuOに
5重量%のLa2 O3 を添加したもので、各ガスにさら
した場合の抵抗値を測定した結果を示す。図26はこの
二つの抵抗器RaおよびRbを用いてCO以外の反応を
相殺するように、図1に示す回路を用いて測定した結果
である。
についての実施例を示す。この例を本発明第八実施例と
する。図24は抵抗器Raの材料としてCuOを主成分
としたものを各ガスにさらした場合の抵抗値を測定した
結果を示す。図25は抵抗器Rbの材料としてCuOに
5重量%のLa2 O3 を添加したもので、各ガスにさら
した場合の抵抗値を測定した結果を示す。図26はこの
二つの抵抗器RaおよびRbを用いてCO以外の反応を
相殺するように、図1に示す回路を用いて測定した結果
である。
【0042】次に、p型半導体材料としてNiOを利用
する別の例について説明する。この例を本発明第九実施
例とする。図27はCuOを主成分とした材料により抵
抗器Raを製作してそのガスに対する反応を測定した結
果であり、図28はNiOを主成分とした材料により抵
抗器Rbを製作し、そのガスに対する反応を測定した結
果である。図29はこの二つの抵抗器RaおよびRbを
図1に示す回路に用いてガスセンサとしての測定を行っ
た結果である。
する別の例について説明する。この例を本発明第九実施
例とする。図27はCuOを主成分とした材料により抵
抗器Raを製作してそのガスに対する反応を測定した結
果であり、図28はNiOを主成分とした材料により抵
抗器Rbを製作し、そのガスに対する反応を測定した結
果である。図29はこの二つの抵抗器RaおよびRbを
図1に示す回路に用いてガスセンサとしての測定を行っ
た結果である。
【0043】以上の説明ではCOの検出に適した例に説
明したが、抵抗器Ra、Rbの製作条件によっては、二
つの抵抗器がCO以外のガスに対して異なる特性を示す
場合もある。C3 H8 に対して選択性を示す例を図30
ないし図32に示す。この例では、CuOを主成分とし
た材料により抵抗器を製作し、図30、図31に示すよ
うにC3 H8 に対する特性が異なるものを抵抗器Ra、
Rbとして用いた。この結果、図32に示すように、C
3 H8 を選択的に検出できた。
明したが、抵抗器Ra、Rbの製作条件によっては、二
つの抵抗器がCO以外のガスに対して異なる特性を示す
場合もある。C3 H8 に対して選択性を示す例を図30
ないし図32に示す。この例では、CuOを主成分とし
た材料により抵抗器を製作し、図30、図31に示すよ
うにC3 H8 に対する特性が異なるものを抵抗器Ra、
Rbとして用いた。この結果、図32に示すように、C
3 H8 を選択的に検出できた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
異なる性質の二種類の抵抗器を用いて、電気回路により
特定ガス(例えばCO)以外のガスについての反応を相
殺して、特定ガスについて顕著に反応するガスセンサを
得ることができる。一般に一酸化炭素(CO)について
はその空気中における混入量がわずかであっても、人体
その他生物に対する影響が大きいので、本発明のガスセ
ンサを用いたガス警報装置はきわめて有用であることが
わかる。
異なる性質の二種類の抵抗器を用いて、電気回路により
特定ガス(例えばCO)以外のガスについての反応を相
殺して、特定ガスについて顕著に反応するガスセンサを
得ることができる。一般に一酸化炭素(CO)について
はその空気中における混入量がわずかであっても、人体
その他生物に対する影響が大きいので、本発明のガスセ
ンサを用いたガス警報装置はきわめて有用であることが
わかる。
【0045】本発明のガスセンサは、その構成が簡単で
あり、堅牢に製作することができるとともに、安価に製
作することができる。
あり、堅牢に製作することができるとともに、安価に製
作することができる。
【図1】本発明第一実施例装置の電気回路図。
【図2】本発明実施例装置に用いた素子の形状を示す
図。(a)は抵抗器、(b)はヒータの表面図をそれぞ
れ示す。
図。(a)は抵抗器、(b)はヒータの表面図をそれぞ
れ示す。
【図3】本発明第一実施例装置に用いた抵抗器Raの各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図4】本発明第一実施例装置に用いた抵抗器Rbの各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図5】本発明第一実施例装置のガスセンサとして各ガ
スに対する反応の測定結果を示す図。
スに対する反応の測定結果を示す図。
【図6】本発明実施例装置の動作原理を説明するための
図。
図。
【図7】本発明第一実施例装置のガス濃度に対する反応
の測定結果を示す図。混入する特定ガス(CO)の濃度
を3段階に変更して2サイクルの試験を行ったもの。
の測定結果を示す図。混入する特定ガス(CO)の濃度
を3段階に変更して2サイクルの試験を行ったもの。
【図8】本発明第二実施例装置の電気回路図。
【図9】本発明第二実施例装置のガスセンサとして各ガ
スに対する反応の測定結果を示す図。
スに対する反応の測定結果を示す図。
【図10】本発明第三実施例装置の電気回路図。
【図11】本発明第三実施例装置の抵抗器Reの特性測
定結果を示す図。
定結果を示す図。
【図12】本発明第三実施例装置の抵抗器Rfの特性測
定結果を示す図。
定結果を示す図。
【図13】本発明第三実施例装置のガスセンサとして各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図14】本発明第四実施例装置の電気回路図。
【図15】第四実施例の修正例の電気回路図。
【図16】本発明第五実施例装置の電気回路図。
【図17】第五実施例の修正例の電気回路図。
【図18】本発明第六実施例装置に用いた抵抗器Raの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図19】本発明第六実施例装置に用いた抵抗器Rbの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図20】本発明第六実施例装置のガスセンサとして各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図21】本発明第七実施例装置に用いた抵抗器Raの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図22】本発明第七実施例装置に用いた抵抗器Rbの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図23】本発明第七実施例装置のガスセンサとして各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図24】本発明第八実施例装置に用いた抵抗器Raの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図25】本発明第八実施例装置に用いた抵抗器Rbの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図26】本発明第八実施例装置のガスセンサとして各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図27】本発明第九実施例装置に用いた抵抗器Raの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図28】本発明第九実施例装置に用いた抵抗器Rbの
特性測定結果を示す図。
特性測定結果を示す図。
【図29】本発明第九実施例装置のガスセンサとして各
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
ガスに対する反応の測定結果を示す図。
【図30】C3 H8 に対する抵抗値変化が比較的大きい
抵抗器の特性を示す図。
抵抗器の特性を示す図。
【図31】C3 H8 に対する抵抗値変化が比較的小さい
抵抗器の特性を示す図。
抵抗器の特性を示す図。
【図32】各ガスに対する反応の測定結果を示す図。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 神山 秀一
東京都千代田区外神田六丁目13番11号
株式会社ミクニ内
(72)発明者 佐藤 剛
東京都千代田区外神田六丁目13番11号
株式会社ミクニ内
(72)発明者 柳田 博明
東京都調布市佐須町1−3−19
(72)発明者 岡田 治
大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大
阪瓦斯株式会社内
(56)参考文献 特開 平2−115757(JP,A)
特開 昭56−15340(JP,A)
実開 昭53−155693(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 27/12
Claims (2)
- 【請求項1】 少なくとも1種類のガスに接触したとき
に電気抵抗値が変化するp型半導体を含む第一種類の抵
抗器と、前記少なくとも1種類のガスに接触したとき類
似の特性で電気抵抗値が変化するとともに特定ガスに接
触したとき前記第一種類の抵抗器とは異なる特性で電気
抵抗値が変化するp型半導体を含む第二種類の抵抗器と
を備え、この二種類の抵抗器が同一の被検ガスに接触す
るように配置され、前記特定ガス以外のガスに対する前
記第一種類の抵抗器の電気抵抗値変化と前記第二種類の
抵抗器の電気抵抗値変化とがほぼ相殺されるようにこの
二種類の抵抗器を接続する電気回路を備えたガスセンサ
において、 前記特定のガスはCOであり、 前記第一種類の抵抗器に含まれるp型半導体はその99
重量%以上がCuOであり、 前記第二種類の抵抗器に含まれるp型半導体は、CuO
を主成分とし、添加物としてアルカリ金属化合物を含む
ことを特徴とするガスセンサ。 - 【請求項2】前記第一種類の抵抗器に含まれるp型半導
体は添加物として酸化アルミニウムを含む請求項1記載
のガスセンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28956693A JP3447341B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | ガスセンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28956693A JP3447341B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | ガスセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07140100A JPH07140100A (ja) | 1995-06-02 |
JP3447341B2 true JP3447341B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=17744890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28956693A Expired - Fee Related JP3447341B2 (ja) | 1993-11-18 | 1993-11-18 | ガスセンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3447341B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE69736379D1 (de) * | 1996-04-18 | 2006-09-07 | Mikuni Kogyo Kk | Gassensor und dessen herstellungsverfahren |
US6087924A (en) * | 1996-04-18 | 2000-07-11 | Mikuni Corporation | Gas sensors and methods of manufacturing the same |
JP3669807B2 (ja) * | 1996-06-28 | 2005-07-13 | 大阪瓦斯株式会社 | 一酸化炭素検出センサー |
JP6233511B2 (ja) | 2014-06-09 | 2017-11-22 | 富士通株式会社 | ガスセンサー、及びセンサー装置 |
JP6233512B2 (ja) | 2014-06-09 | 2017-11-22 | 富士通株式会社 | ガスセンサー、及びセンサー装置 |
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JP6668827B2 (ja) | 2016-03-03 | 2020-03-18 | 富士通株式会社 | ガスセンサデバイス |
-
1993
- 1993-11-18 JP JP28956693A patent/JP3447341B2/ja not_active Expired - Fee Related
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