JP3447329B2 - 医用マイクロトロン - Google Patents
医用マイクロトロンInfo
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- JP3447329B2 JP3447329B2 JP16587793A JP16587793A JP3447329B2 JP 3447329 B2 JP3447329 B2 JP 3447329B2 JP 16587793 A JP16587793 A JP 16587793A JP 16587793 A JP16587793 A JP 16587793A JP 3447329 B2 JP3447329 B2 JP 3447329B2
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- electron gun
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロ波電場中で電
子を発生させこの電子を一様磁場中で円軌道運動をさせ
ながら加速し、この得られた電子線を利用して電子線治
療又はX線治療を行う医用マイクロトロンに関し、特に
装置構成の簡略化及び小型化を図ることができる医用マ
イクロトロンに関する。
子を発生させこの電子を一様磁場中で円軌道運動をさせ
ながら加速し、この得られた電子線を利用して電子線治
療又はX線治療を行う医用マイクロトロンに関し、特に
装置構成の簡略化及び小型化を図ることができる医用マ
イクロトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の医用マイクロトロンは、
図11に示すように、マイクロ波電場を発生させるマイ
クロ波源1と、この発生されたマイクロ波電場を所定の
部位まで導く導波管2と、この導かれたマイクロ波電場
中で電子を射出する電子銃3と、この射出された電子を
マイクロ波電場中で加速する1個の加速空胴5と、上記
電子銃3及び加速空胴5を内部に収容し上記加速された
電子を一様磁場中で円軌道運動をさせる真空容器6と、
この真空容器6内で加速された電子を円軌道運動の接線
方向で一様磁場外に取り出す偏向パイプ7とを有して成
っていた。なお、図示は省略したが、上記真空容器6の
表裏両側面には磁極が設けられており、例えば図11の
裏面側から表面側に向かって一様磁場が分布している。
図11に示すように、マイクロ波電場を発生させるマイ
クロ波源1と、この発生されたマイクロ波電場を所定の
部位まで導く導波管2と、この導かれたマイクロ波電場
中で電子を射出する電子銃3と、この射出された電子を
マイクロ波電場中で加速する1個の加速空胴5と、上記
電子銃3及び加速空胴5を内部に収容し上記加速された
電子を一様磁場中で円軌道運動をさせる真空容器6と、
この真空容器6内で加速された電子を円軌道運動の接線
方向で一様磁場外に取り出す偏向パイプ7とを有して成
っていた。なお、図示は省略したが、上記真空容器6の
表裏両側面には磁極が設けられており、例えば図11の
裏面側から表面側に向かって一様磁場が分布している。
【0003】このような医用マイクロトロンにおいて
は、図11に示す真空容器6内の電子銃3によって射出
された電子を1個の加速空胴5内に導いて加速し、一様
磁場中で円軌道運動をさせて再び上記加速空胴5内に戻
す。ここで電子はさらに加速されて、より大きな円軌道
4を描いて再び加速空胴5内に突入する。このような加
速過程を繰り返すことにより、電子の軌道4は上記加速
空胴5内の1点を内接点とする円形になり、この円の半
径が大きい程、電子のエネルギーは高くなる。このよう
に加速された電子を一様磁場外に取り出すには、一様磁
場を遮へいする鉄製の中空パイプから成る偏向パイプ7
を、上記真空容器6内にて電子の最大加速軌道の位置に
その接線方向に固定して、電子軌道を偏向して取り出し
ていた。
は、図11に示す真空容器6内の電子銃3によって射出
された電子を1個の加速空胴5内に導いて加速し、一様
磁場中で円軌道運動をさせて再び上記加速空胴5内に戻
す。ここで電子はさらに加速されて、より大きな円軌道
4を描いて再び加速空胴5内に突入する。このような加
速過程を繰り返すことにより、電子の軌道4は上記加速
空胴5内の1点を内接点とする円形になり、この円の半
径が大きい程、電子のエネルギーは高くなる。このよう
に加速された電子を一様磁場外に取り出すには、一様磁
場を遮へいする鉄製の中空パイプから成る偏向パイプ7
を、上記真空容器6内にて電子の最大加速軌道の位置に
その接線方向に固定して、電子軌道を偏向して取り出し
ていた。
【0004】また、他の従来例としては、図12に示す
ように、偏向パイプ7′を上記真空容器6内にて電子の
円軌道運動の接線方向で矢印A,Bのように平行移動可
能に設けたものがある。この場合、加速された電子を一
様磁場外に取り出すには、上記偏向パイプ7′を矢印
A,Bのように平行移動することにより、任意軌道の電
子を偏向して取り出すことができる。すなわち、偏向パ
イプ7′を矢印A方向に移動することにより、半径の小
さい円軌道運動からエネルギーの低い電子線を取り出す
ことができ、偏向パイプ7′を矢印B方向に移動するこ
とにより、半径の大きい円軌道運動からエネルギーの高
い電子線を取り出すことができる。
ように、偏向パイプ7′を上記真空容器6内にて電子の
円軌道運動の接線方向で矢印A,Bのように平行移動可
能に設けたものがある。この場合、加速された電子を一
様磁場外に取り出すには、上記偏向パイプ7′を矢印
A,Bのように平行移動することにより、任意軌道の電
子を偏向して取り出すことができる。すなわち、偏向パ
イプ7′を矢印A方向に移動することにより、半径の小
さい円軌道運動からエネルギーの低い電子線を取り出す
ことができ、偏向パイプ7′を矢印B方向に移動するこ
とにより、半径の大きい円軌道運動からエネルギーの高
い電子線を取り出すことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図11に示す
第一の従来例においては、偏向パイプ7が真空容器6内
にて電子の最大加速軌道の位置に固定されていたので、
上記最大加速軌道の電子線のみしか取り出すことができ
なかった。従って、この場合は、取り出せる電子線のエ
ネルギーは1種類のみであり、他のエネルギーレベルの
電子線は取り出せないものであった。このことから、得
られた電子線を利用して電子線治療又はX線治療を行う
のに、治療可能な部位の範囲(深さ)選択等の自由度が
低くなることがあった。
第一の従来例においては、偏向パイプ7が真空容器6内
にて電子の最大加速軌道の位置に固定されていたので、
上記最大加速軌道の電子線のみしか取り出すことができ
なかった。従って、この場合は、取り出せる電子線のエ
ネルギーは1種類のみであり、他のエネルギーレベルの
電子線は取り出せないものであった。このことから、得
られた電子線を利用して電子線治療又はX線治療を行う
のに、治療可能な部位の範囲(深さ)選択等の自由度が
低くなることがあった。
【0006】これに対して、図12に示す第二の従来例
においては、偏向パイプ7′を矢印A,Bのように平行
移動して任意軌道の電子を取り出すことができるので、
色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すことができ
る。従って、上記第一の従来例における問題点を解決で
きる点で優れている。しかし、上記偏向パイプ7′を矢
印A,Bのように移動して電子の軌道形状を偏向させる
ため、その偏向された軌道の分だけ真空容器6及び一様
磁場を形成する磁極が大型化するものであった。また、
偏向パイプ7′の移動機構を磁極上に設置しなければな
らないことと、上記偏向パイプ7′に軌道からそれた電
子線が衝突することにより発熱を冷すための冷却管及び
その移動機構を設置しなければならないことから、機構
が複雑になるものであった。さらに、電子軌道は磁場分
布の乱れなどにより、必ずしも正確な円軌道を描くとは
限らないため、上記偏向パイプ7′に入射する電子軌道
を補正する補正コイルを局所的に設置しなければならな
いことがあった。これらのことから、真空容器6及び磁
極が大型化すると共に、装置全体が複雑かつ大型化する
ものであった。
においては、偏向パイプ7′を矢印A,Bのように平行
移動して任意軌道の電子を取り出すことができるので、
色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すことができ
る。従って、上記第一の従来例における問題点を解決で
きる点で優れている。しかし、上記偏向パイプ7′を矢
印A,Bのように移動して電子の軌道形状を偏向させる
ため、その偏向された軌道の分だけ真空容器6及び一様
磁場を形成する磁極が大型化するものであった。また、
偏向パイプ7′の移動機構を磁極上に設置しなければな
らないことと、上記偏向パイプ7′に軌道からそれた電
子線が衝突することにより発熱を冷すための冷却管及び
その移動機構を設置しなければならないことから、機構
が複雑になるものであった。さらに、電子軌道は磁場分
布の乱れなどにより、必ずしも正確な円軌道を描くとは
限らないため、上記偏向パイプ7′に入射する電子軌道
を補正する補正コイルを局所的に設置しなければならな
いことがあった。これらのことから、真空容器6及び磁
極が大型化すると共に、装置全体が複雑かつ大型化する
ものであった。
【0007】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、装置構成の簡略化及び小型化を図ることができる
医用マイクロトロンを提供することを目的とする。
処し、装置構成の簡略化及び小型化を図ることができる
医用マイクロトロンを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第一の発明による医用マイクロトロンは、マイクロ
波電場を発生させるマイクロ波源と、この発生されたマ
イクロ波電場を所定の部位まで導く導波管と、この導か
れたマイクロ波電場中で電子を射出する電子銃と、この
射出された電子をマイクロ波電場中で加速する1個の加
速空胴と、上記電子銃及び加速空胴を内部に収容し上記
加速された電子を一様磁場中で円軌道運動をさせる真空
容器と、この真空容器内で加速された電子を円軌道運動
の接線方向で一様磁場外に取り出す偏向パイプとを有し
て成る医用マイクロトロンにおいて、上記偏向パイプを
真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置に固定
し、上記マイクロ波源と導波管と電子銃と加速空胴とを
一体的に組み合わせた加速機構を上記真空容器の内部に
往復移動可能に挿入し、この加速機構の電子銃及び加速
空胴の部分を、その挿入口と上記偏向パイプの入口部と
を結んだ線上で移動することにより、任意軌道の加速電
子を取り出すようにしたものである。
に、第一の発明による医用マイクロトロンは、マイクロ
波電場を発生させるマイクロ波源と、この発生されたマ
イクロ波電場を所定の部位まで導く導波管と、この導か
れたマイクロ波電場中で電子を射出する電子銃と、この
射出された電子をマイクロ波電場中で加速する1個の加
速空胴と、上記電子銃及び加速空胴を内部に収容し上記
加速された電子を一様磁場中で円軌道運動をさせる真空
容器と、この真空容器内で加速された電子を円軌道運動
の接線方向で一様磁場外に取り出す偏向パイプとを有し
て成る医用マイクロトロンにおいて、上記偏向パイプを
真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置に固定
し、上記マイクロ波源と導波管と電子銃と加速空胴とを
一体的に組み合わせた加速機構を上記真空容器の内部に
往復移動可能に挿入し、この加速機構の電子銃及び加速
空胴の部分を、その挿入口と上記偏向パイプの入口部と
を結んだ線上で移動することにより、任意軌道の加速電
子を取り出すようにしたものである。
【0009】また、第二の発明による医用マイクロトロ
ンは、マイクロ波電場を発生させるマイクロ波源と、こ
の発生されたマイクロ波電場を所定の部位まで導く導波
管と、この導かれたマイクロ波電場中で電子を射出する
電子銃と、この射出された電子をマイクロ波電場中で加
速する1個の加速空胴と、上記電子銃及び加速空胴を内
部に収容し上記加速された電子を一様磁場中で円軌道運
動をさせる真空容器と、この真空容器内で加速された電
子を円軌道運動の接線方向で一様磁場外に取り出す偏向
パイプとを有して成る医用マイクロトロンにおいて、上
記マイクロ波源と導波管と電子銃と加速空胴とを一体的
に組み合わせた加速機構を上記真空容器の内部に往復移
動可能に挿入すると共に、この加速機構の電子銃及び加
速空胴の部分だけを真空容器における一様磁場中に挿入
し、上記偏向パイプを真空容器内にて電子の最大加速軌
道となる位置で上記加速機構の往復移動方向と直交する
方向に往復移動可能に設け、上記加速機構と偏向パイプ
とを互いに関係づけてそれぞれの方向に移動することに
より、任意軌道の加速電子を取り出すようにしたもので
ある。
ンは、マイクロ波電場を発生させるマイクロ波源と、こ
の発生されたマイクロ波電場を所定の部位まで導く導波
管と、この導かれたマイクロ波電場中で電子を射出する
電子銃と、この射出された電子をマイクロ波電場中で加
速する1個の加速空胴と、上記電子銃及び加速空胴を内
部に収容し上記加速された電子を一様磁場中で円軌道運
動をさせる真空容器と、この真空容器内で加速された電
子を円軌道運動の接線方向で一様磁場外に取り出す偏向
パイプとを有して成る医用マイクロトロンにおいて、上
記マイクロ波源と導波管と電子銃と加速空胴とを一体的
に組み合わせた加速機構を上記真空容器の内部に往復移
動可能に挿入すると共に、この加速機構の電子銃及び加
速空胴の部分だけを真空容器における一様磁場中に挿入
し、上記偏向パイプを真空容器内にて電子の最大加速軌
道となる位置で上記加速機構の往復移動方向と直交する
方向に往復移動可能に設け、上記加速機構と偏向パイプ
とを互いに関係づけてそれぞれの方向に移動することに
より、任意軌道の加速電子を取り出すようにしたもので
ある。
【0010】
【作用】上記のように構成された第一の発明による医用
マイクロトロンは、偏向パイプを真空容器内にて電子の
最大加速軌道となる位置に固定しておき、上記真空容器
の内部に往復移動可能に挿入された加速機構の電子銃及
び加速空胴の部分を、その挿入口と上記偏向パイプの入
口部とを結んだ線上で移動することにより、任意軌道の
加速電子を取り出すように動作する。これにより、特に
真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型化すること
なく色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すことが
でき、装置構成の簡略化及び小型化を図ることができ
る。
マイクロトロンは、偏向パイプを真空容器内にて電子の
最大加速軌道となる位置に固定しておき、上記真空容器
の内部に往復移動可能に挿入された加速機構の電子銃及
び加速空胴の部分を、その挿入口と上記偏向パイプの入
口部とを結んだ線上で移動することにより、任意軌道の
加速電子を取り出すように動作する。これにより、特に
真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型化すること
なく色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すことが
でき、装置構成の簡略化及び小型化を図ることができ
る。
【0011】また、第二の発明による医用マイクロトロ
ンは、加速機構を真空容器の内部に往復移動可能に挿入
すると共に、この加速機構の電子銃及び加速空胴の部分
だけを真空容器における一様磁場中に挿入し、偏向パイ
プを上記真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置
で上記加速機構の往復移動方向と直交する方向に往復移
動可能に設けておき、上記加速機構と偏向パイプとを互
いに関係づけてそれぞれの方向に移動することにより、
任意軌道の加速電子を取り出すように動作する。これに
より、特に真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型
化することなく色々な種類のエネルギーの電子線を取り
出すことができ、装置構成の簡略化及び小型化を図るこ
とができる。
ンは、加速機構を真空容器の内部に往復移動可能に挿入
すると共に、この加速機構の電子銃及び加速空胴の部分
だけを真空容器における一様磁場中に挿入し、偏向パイ
プを上記真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置
で上記加速機構の往復移動方向と直交する方向に往復移
動可能に設けておき、上記加速機構と偏向パイプとを互
いに関係づけてそれぞれの方向に移動することにより、
任意軌道の加速電子を取り出すように動作する。これに
より、特に真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型
化することなく色々な種類のエネルギーの電子線を取り
出すことができ、装置構成の簡略化及び小型化を図るこ
とができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は第一の発明による医用マイクロ
トロンの実施例を示す正面断面図である。図1におい
て、真空容器11は、本発明の医用マイクロトロンの本
体部をなすものであり、後述の電子銃16及び加速空胴
15を内部に収容し加速空胴15で加速された電子を一
様磁場中で円軌道運動をさせるもので、例えば断面円形
の浅い容器状に形成されており、図示外の真空ポンプに
より内部の空気が吸引されて所定の真空度に保たれるよ
うになっている。この真空容器11の円形断面の直径
は、電子の最大加速軌道を確保するのに十分な大きさと
し、また上記真空容器11の表裏両側面には図3に示す
ように電磁石又は永久磁石から成る磁極12が配置され
ており、例えば図1の裏面側から表面側に向かって一様
磁場Hが分布している。
詳細に説明する。図1は第一の発明による医用マイクロ
トロンの実施例を示す正面断面図である。図1におい
て、真空容器11は、本発明の医用マイクロトロンの本
体部をなすものであり、後述の電子銃16及び加速空胴
15を内部に収容し加速空胴15で加速された電子を一
様磁場中で円軌道運動をさせるもので、例えば断面円形
の浅い容器状に形成されており、図示外の真空ポンプに
より内部の空気が吸引されて所定の真空度に保たれるよ
うになっている。この真空容器11の円形断面の直径
は、電子の最大加速軌道を確保するのに十分な大きさと
し、また上記真空容器11の表裏両側面には図3に示す
ように電磁石又は永久磁石から成る磁極12が配置され
ており、例えば図1の裏面側から表面側に向かって一様
磁場Hが分布している。
【0013】マイクロ波源13は、電子を加速するマイ
クロ波電場を発生させるものである。上記マイクロ波源
13からは一方向に向かってシリンダ14が伸びてい
る。このシリンダ14は、上記マイクロ波源13で発生
されたマイクロ波電場を所定の部位まで導く導波管(図
示省略)や、後述の電子銃16を動作させるための高圧
ケーブル(図示省略)や、後述の加速空胴15を冷却す
るための冷却管(図示省略)などをその内部に通すもの
で、適宜の断面形状たとえば断面円形の筒状に形成され
ている。
クロ波電場を発生させるものである。上記マイクロ波源
13からは一方向に向かってシリンダ14が伸びてい
る。このシリンダ14は、上記マイクロ波源13で発生
されたマイクロ波電場を所定の部位まで導く導波管(図
示省略)や、後述の電子銃16を動作させるための高圧
ケーブル(図示省略)や、後述の加速空胴15を冷却す
るための冷却管(図示省略)などをその内部に通すもの
で、適宜の断面形状たとえば断面円形の筒状に形成され
ている。
【0014】上記シリンダ14の先端部には加速空胴1
5が設けられると共に、この加速空胴15の内部には電
子銃16が組み込まれている。電子銃16は、上記シリ
ンダ14内の導波管により加速空胴15まで導かれたマ
イクロ波電場中で電子を射出するもので、該電子銃16
を動作させるための高圧ケーブルはシリンダ14内を通
って真空容器11外にある電源に接続されている。ま
た、加速空胴15は、上記電子銃16で射出された電子
をマイクロ波電場中で加速するもので、シリンダ14の
先端部に1個だけ設けられ、該加速空胴15を冷却する
ための冷却管はシリンダ14内を通って真空容器11外
にある冷却水源に接続されている。
5が設けられると共に、この加速空胴15の内部には電
子銃16が組み込まれている。電子銃16は、上記シリ
ンダ14内の導波管により加速空胴15まで導かれたマ
イクロ波電場中で電子を射出するもので、該電子銃16
を動作させるための高圧ケーブルはシリンダ14内を通
って真空容器11外にある電源に接続されている。ま
た、加速空胴15は、上記電子銃16で射出された電子
をマイクロ波電場中で加速するもので、シリンダ14の
先端部に1個だけ設けられ、該加速空胴15を冷却する
ための冷却管はシリンダ14内を通って真空容器11外
にある冷却水源に接続されている。
【0015】また、上記真空容器11の内部の一箇所に
は、外向きに偏向パイプ18が設けられている。この偏
向パイプ18は、上記真空容器11内で円軌道運動によ
り加速された電子をその円軌道運動の接線方向で一様磁
場外に取り出すもので、一様磁場を遮へいする適宜の長
さの鉄製の中空パイプから成る。
は、外向きに偏向パイプ18が設けられている。この偏
向パイプ18は、上記真空容器11内で円軌道運動によ
り加速された電子をその円軌道運動の接線方向で一様磁
場外に取り出すもので、一様磁場を遮へいする適宜の長
さの鉄製の中空パイプから成る。
【0016】ここで、本発明においては、上記偏向パイ
プ18は、真空容器11内にて電子の最大加速軌道とな
る位置に固定されている。すなわち、後述し図2に示す
ように、真空容器11の円形断面の直径上にて上記電子
銃16及び加速空胴15の部分が該真空容器11内に入
る挿入口と反対側の最外周の位置にその偏向パイプ18
の入口部が位置付けられ、電子の最大加速軌道17max
の接線方向で外向きに突出して設けられている。
プ18は、真空容器11内にて電子の最大加速軌道とな
る位置に固定されている。すなわち、後述し図2に示す
ように、真空容器11の円形断面の直径上にて上記電子
銃16及び加速空胴15の部分が該真空容器11内に入
る挿入口と反対側の最外周の位置にその偏向パイプ18
の入口部が位置付けられ、電子の最大加速軌道17max
の接線方向で外向きに突出して設けられている。
【0017】また、上記マイクロ波源13とシリンダ1
4と電子銃16と加速空胴15とを一体的に組み合わせ
た加速機構19は、前記真空容器11の内部に往復移動
可能に挿入されている。すなわち、真空容器11の外周
上の一箇所には、図1に示すように、フィードスルーと
呼ばれる筒状の真空内導入部20が形成され、この真空
内導入部20を通って上記シリンダ14が真空容器11
内に挿入され、該シリンダ14の先端部の加速空胴15
及び電子銃16が上記真空容器11の内部に位置してい
る。上記真空内導入部20は、真空容器11内の真空状
態を維持したままシリンダ14をその長手方向に往復移
動可能に支持するもので、該真空内導入部20の筒状部
の内周面とシリンダ14の外周面との間には気密構造の
ベアリングが介在している。そして、図示省略の駆動機
構により、上記加速機構19の全体が図1において矢印
D,Eのように往復移動されるようになっている。これ
により、図2に示すように、上記加速機構19の電子銃
16及び加速空胴15の部分を、その挿入口と上記偏向
パイプ18の入口部とを結んだ線上で移動することがで
きる。
4と電子銃16と加速空胴15とを一体的に組み合わせ
た加速機構19は、前記真空容器11の内部に往復移動
可能に挿入されている。すなわち、真空容器11の外周
上の一箇所には、図1に示すように、フィードスルーと
呼ばれる筒状の真空内導入部20が形成され、この真空
内導入部20を通って上記シリンダ14が真空容器11
内に挿入され、該シリンダ14の先端部の加速空胴15
及び電子銃16が上記真空容器11の内部に位置してい
る。上記真空内導入部20は、真空容器11内の真空状
態を維持したままシリンダ14をその長手方向に往復移
動可能に支持するもので、該真空内導入部20の筒状部
の内周面とシリンダ14の外周面との間には気密構造の
ベアリングが介在している。そして、図示省略の駆動機
構により、上記加速機構19の全体が図1において矢印
D,Eのように往復移動されるようになっている。これ
により、図2に示すように、上記加速機構19の電子銃
16及び加速空胴15の部分を、その挿入口と上記偏向
パイプ18の入口部とを結んだ線上で移動することがで
きる。
【0018】次に、このように構成された医用マイクロ
トロンの動作について、図1及び図2を参照して説明す
る。まず、図1において、マイクロ波源13から発生さ
れたマイクロ波電場は、シリンダ14内の導波管(図示
省略)により加速空胴15まで導かれる。この加速空胴
15内には電子銃16が組み込まれており、上記導かれ
たマイクロ波電場中で電子を射出する。この射出された
電子は、加速空胴15内のマイクロ波電場で共振して加
速される。次に、この加速空胴15で加速された電子は
真空容器11内に放出され、ここで図3に示すように分
布している一様磁場H中で円軌道運動をして、図2に示
すように再び上記加速空胴15内に入射する。ここで電
子はさらに加速されて、より大きな円軌道17を描いて
再び加速空胴15内に入射する。このような加速過程を
繰り返すことにより、電子の軌道17は上記加速空胴1
5内の1点を内接点とする円形になり、この円の半径が
大きい程、電子のエネルギーは高くなる。
トロンの動作について、図1及び図2を参照して説明す
る。まず、図1において、マイクロ波源13から発生さ
れたマイクロ波電場は、シリンダ14内の導波管(図示
省略)により加速空胴15まで導かれる。この加速空胴
15内には電子銃16が組み込まれており、上記導かれ
たマイクロ波電場中で電子を射出する。この射出された
電子は、加速空胴15内のマイクロ波電場で共振して加
速される。次に、この加速空胴15で加速された電子は
真空容器11内に放出され、ここで図3に示すように分
布している一様磁場H中で円軌道運動をして、図2に示
すように再び上記加速空胴15内に入射する。ここで電
子はさらに加速されて、より大きな円軌道17を描いて
再び加速空胴15内に入射する。このような加速過程を
繰り返すことにより、電子の軌道17は上記加速空胴1
5内の1点を内接点とする円形になり、この円の半径が
大きい程、電子のエネルギーは高くなる。
【0019】このように加速された電子を真空容器11
内の一様磁場Hから外に取り出すには、上記加速機構1
9を矢印D又はE方向に移動し、電子銃16及び加速空
胴15の部分をその挿入口と前記偏向パイプ18の入口
部とを結んだ線上で移動することにより、該偏向パイプ
18の入口部に図2に示す電子の円軌道17のうち所望
の円軌道17の接線方向を合致させればよい。これによ
り、任意軌道のエネルギーレベルの異なる加速電子(電
子線)を上記偏向パイプ18で偏向して、矢印Fのよう
に取り出すことができる。例えば、円軌道運動の半径が
小さくエネルギーの低い電子線を取り出すには、図1に
示すように、偏向パイプ18に加速空胴15を矢印Dの
ように近付け、電子の最小加速軌道17minが上記偏向
パイプ18の入口部に合致する位置で停止させればよ
い。また、円軌道運動の半径が大きくエネルギーの高い
電子線を取り出すには、図2に示すように、加速空胴1
5を偏向パイプ18から矢印Eのように遠去け、電子の
最大加速軌道17maxが上記偏向パイプ18の入口部に
合致する位置で停止させればよい。
内の一様磁場Hから外に取り出すには、上記加速機構1
9を矢印D又はE方向に移動し、電子銃16及び加速空
胴15の部分をその挿入口と前記偏向パイプ18の入口
部とを結んだ線上で移動することにより、該偏向パイプ
18の入口部に図2に示す電子の円軌道17のうち所望
の円軌道17の接線方向を合致させればよい。これによ
り、任意軌道のエネルギーレベルの異なる加速電子(電
子線)を上記偏向パイプ18で偏向して、矢印Fのよう
に取り出すことができる。例えば、円軌道運動の半径が
小さくエネルギーの低い電子線を取り出すには、図1に
示すように、偏向パイプ18に加速空胴15を矢印Dの
ように近付け、電子の最小加速軌道17minが上記偏向
パイプ18の入口部に合致する位置で停止させればよ
い。また、円軌道運動の半径が大きくエネルギーの高い
電子線を取り出すには、図2に示すように、加速空胴1
5を偏向パイプ18から矢印Eのように遠去け、電子の
最大加速軌道17maxが上記偏向パイプ18の入口部に
合致する位置で停止させればよい。
【0020】図4は第一の発明における他の実施例を示
す正面断面図である。この実施例は、図1及び図2の実
施例が偏向パイプ18の長手方向に直交する向きに加速
機構19の電子銃16及び加速空胴15が移動するもの
とされているのに対して、真空容器11の内部に対する
加速機構19の挿入方向を斜めにずらし、偏向パイプ1
8の長手方向に対し上記加速機構19の電子銃16及び
加速空胴15が適宜の角度の斜め方向で矢印D,Eのよ
うに移動するものとしたものである。この場合は、上記
加速機構19の往復移動方向を斜めにしたことにより、
装置の設置床面からの加速機構19のストローク高さH
2を、図2の場合のストローク高さH1よりも低く抑える
ことができる。また、電子線を真空容器11外へ取り出
す偏向パイプ18の位置を、加速された電子が加速空胴
15を射出した後に真空容器11内を1/4回転進んだ
位置に設定することにより、上記真空容器11の外径を
図1及び図2に示す場合よりも小さくすることができ
る。従って、この実施例によれば、装置全体の構成を小
型化することができる。
す正面断面図である。この実施例は、図1及び図2の実
施例が偏向パイプ18の長手方向に直交する向きに加速
機構19の電子銃16及び加速空胴15が移動するもの
とされているのに対して、真空容器11の内部に対する
加速機構19の挿入方向を斜めにずらし、偏向パイプ1
8の長手方向に対し上記加速機構19の電子銃16及び
加速空胴15が適宜の角度の斜め方向で矢印D,Eのよ
うに移動するものとしたものである。この場合は、上記
加速機構19の往復移動方向を斜めにしたことにより、
装置の設置床面からの加速機構19のストローク高さH
2を、図2の場合のストローク高さH1よりも低く抑える
ことができる。また、電子線を真空容器11外へ取り出
す偏向パイプ18の位置を、加速された電子が加速空胴
15を射出した後に真空容器11内を1/4回転進んだ
位置に設定することにより、上記真空容器11の外径を
図1及び図2に示す場合よりも小さくすることができ
る。従って、この実施例によれば、装置全体の構成を小
型化することができる。
【0021】図5及び図6は第二の発明による医用マイ
クロトロンの実施例を示す正面断面図である。この実施
例は、基本的には図1及び図2に示す第一の発明と同じ
であり、対応箇所には同一の符号を付して示してある。
そして、この実施例の特徴は、マイクロ波源13とシリ
ンダ14と電子銃16と加速空胴15とを一体的に組み
合わせた加速機構19を真空容器11の内部に往復移動
可能に挿入すると共に、この加速機構19の電子銃16
及び加速空胴15の部分だけを真空容器11における一
様磁場中に挿入し、偏向パイプ18を真空容器11内に
て電子の最大加速軌道となる位置で上記加速機構19の
往復移動方向と直交する方向に往復移動可能に設け、上
記加速機構19と偏向パイプ18とを互いに関係づけて
それぞれの方向に移動するようにしたところにある。
クロトロンの実施例を示す正面断面図である。この実施
例は、基本的には図1及び図2に示す第一の発明と同じ
であり、対応箇所には同一の符号を付して示してある。
そして、この実施例の特徴は、マイクロ波源13とシリ
ンダ14と電子銃16と加速空胴15とを一体的に組み
合わせた加速機構19を真空容器11の内部に往復移動
可能に挿入すると共に、この加速機構19の電子銃16
及び加速空胴15の部分だけを真空容器11における一
様磁場中に挿入し、偏向パイプ18を真空容器11内に
て電子の最大加速軌道となる位置で上記加速機構19の
往復移動方向と直交する方向に往復移動可能に設け、上
記加速機構19と偏向パイプ18とを互いに関係づけて
それぞれの方向に移動するようにしたところにある。
【0022】図5及び図6において、符号12を付して
示す破線は、真空容器11の表裏両側面に配置された磁
極を示しており、例えば図5の裏面側から表面側に向か
って一様磁場が分布している。そして、この第二の発明
においては、上記真空容器11における一様磁場中に挿
入されるのは、加速機構19の先端部にて直角方向に屈
曲された電子銃16及び加速空胴15の部分だけである
ので、表裏両側面に配置される磁極12の間隔を小さく
することができる。従って、装置全体の構成を小型化す
ることができる。
示す破線は、真空容器11の表裏両側面に配置された磁
極を示しており、例えば図5の裏面側から表面側に向か
って一様磁場が分布している。そして、この第二の発明
においては、上記真空容器11における一様磁場中に挿
入されるのは、加速機構19の先端部にて直角方向に屈
曲された電子銃16及び加速空胴15の部分だけである
ので、表裏両側面に配置される磁極12の間隔を小さく
することができる。従って、装置全体の構成を小型化す
ることができる。
【0023】第二の発明において、加速された電子を真
空容器11内の一様磁場から外に取り出すには、上記加
速機構19を矢印D又はE方向に移動して、屈曲した先
端部の電子銃16及び加速空胴15の部分を一様磁場中
で矢印D,E方向と平行に移動させると共に、これと同
期した形で偏向パイプ18を矢印G又はJ方向に移動す
ることにより、該偏向パイプ18の入口部に図6に示す
電子の円軌道のうち所望の円軌道17の接線方向を合致
させればよい。例えば、円軌道運動の半径が小さくエネ
ルギーの低い電子線を取り出すには、図5に示すよう
に、加速機構19を矢印D方向に下降し、電子の最小加
速軌道17minの接線方向が偏向パイプ18の中心軸と
合致する位置で停止させると共に、該偏向パイプ18を
矢印Gのように加速機構19側に接近させ、上記電子の
最小加速軌道17minと上記偏向パイプ18の中心軸と
が接する点にその偏向パイプ18の入口部が位置する状
態で停止させればよい。また、円軌道運動の半径が大き
くエネルギーの高い電子線を取り出すには、図6に示す
ように、加速機構19を矢印E方向に上昇し、電子の最
大加速軌道17maxの接線方向が偏向パイプ18の中心
軸と合致する位置で停止させると共に、該偏向パイプ1
8を矢印Jのように加速機構19から遠去け、上記電子
の最大加速軌道17maxと上記偏向パイプ18の中心軸
とが接する点にその偏向パイプ18の入口部が位置する
状態で停止させればよい。
空容器11内の一様磁場から外に取り出すには、上記加
速機構19を矢印D又はE方向に移動して、屈曲した先
端部の電子銃16及び加速空胴15の部分を一様磁場中
で矢印D,E方向と平行に移動させると共に、これと同
期した形で偏向パイプ18を矢印G又はJ方向に移動す
ることにより、該偏向パイプ18の入口部に図6に示す
電子の円軌道のうち所望の円軌道17の接線方向を合致
させればよい。例えば、円軌道運動の半径が小さくエネ
ルギーの低い電子線を取り出すには、図5に示すよう
に、加速機構19を矢印D方向に下降し、電子の最小加
速軌道17minの接線方向が偏向パイプ18の中心軸と
合致する位置で停止させると共に、該偏向パイプ18を
矢印Gのように加速機構19側に接近させ、上記電子の
最小加速軌道17minと上記偏向パイプ18の中心軸と
が接する点にその偏向パイプ18の入口部が位置する状
態で停止させればよい。また、円軌道運動の半径が大き
くエネルギーの高い電子線を取り出すには、図6に示す
ように、加速機構19を矢印E方向に上昇し、電子の最
大加速軌道17maxの接線方向が偏向パイプ18の中心
軸と合致する位置で停止させると共に、該偏向パイプ1
8を矢印Jのように加速機構19から遠去け、上記電子
の最大加速軌道17maxと上記偏向パイプ18の中心軸
とが接する点にその偏向パイプ18の入口部が位置する
状態で停止させればよい。
【0024】このような第二の発明によれば、図5に示
すように、加速機構19の矢印D,E方向の全移動量L
1と、偏向パイプ18の矢印G,J方向の全移動量L2と
が等しくなり、図6に示す各円軌道17,17,…ごと
の移動量は、移動する前後の円軌道17,17間の半径
の差となる。従って、上記加速機構19と偏向パイプ1
8の往復移動における全移動量L1,L2(最大ストロー
ク)は、図5に示す最小加速軌道17minと図6に示す
最大加速軌道17maxの半径の差となる。これは、図1
及び図2に示す第一の発明における加速機構19の往復
移動の全移動量(最大ストローク)が、最小加速軌道1
7minと最大加速軌道17maxの直径の差であるのに対
し、本発明では最大ストロークを半分に小さくすること
ができる。
すように、加速機構19の矢印D,E方向の全移動量L
1と、偏向パイプ18の矢印G,J方向の全移動量L2と
が等しくなり、図6に示す各円軌道17,17,…ごと
の移動量は、移動する前後の円軌道17,17間の半径
の差となる。従って、上記加速機構19と偏向パイプ1
8の往復移動における全移動量L1,L2(最大ストロー
ク)は、図5に示す最小加速軌道17minと図6に示す
最大加速軌道17maxの半径の差となる。これは、図1
及び図2に示す第一の発明における加速機構19の往復
移動の全移動量(最大ストローク)が、最小加速軌道1
7minと最大加速軌道17maxの直径の差であるのに対
し、本発明では最大ストロークを半分に小さくすること
ができる。
【0025】図7は第二の発明における他の実施例を示
す正面断面図である。この実施例は、真空容器11の一
様磁場中に挿入される加速機構19の加速空胴15の部
分を、適宜の角度だけ下方に傾けて取り付けたものであ
る。この場合は、偏向パイプ18の中心軸と接する各円
軌道17,17間の間隔が図6に示す場合よりも広くな
るため、加速機構19の移動量L1は大きくなるが、偏
向パイプ18の移動量L2は次のように小さくすること
ができる。
す正面断面図である。この実施例は、真空容器11の一
様磁場中に挿入される加速機構19の加速空胴15の部
分を、適宜の角度だけ下方に傾けて取り付けたものであ
る。この場合は、偏向パイプ18の中心軸と接する各円
軌道17,17間の間隔が図6に示す場合よりも広くな
るため、加速機構19の移動量L1は大きくなるが、偏
向パイプ18の移動量L2は次のように小さくすること
ができる。
【0026】すなわち、図8に示すように、電子の最小
加速軌道17minの半径をr,最大加速軌道17maxの半
径をRとし、偏向パイプ18の中心軸の方向に対する加
速空胴15の取付角度をθとすると、上記L1及びL2は
それぞれ次の式で表される。 L1=(R−r)(1+sinθ) …(1) L2=(R−r)cosθ …(2) この式(2)において、取付角度θの範囲は0°〜90°
であるから0<cosθ<1となり、偏向パイプ18の移
動量L2は、図6におけるθ=0°の場合のL2の値(R
−r)よりも小さくなる。
加速軌道17minの半径をr,最大加速軌道17maxの半
径をRとし、偏向パイプ18の中心軸の方向に対する加
速空胴15の取付角度をθとすると、上記L1及びL2は
それぞれ次の式で表される。 L1=(R−r)(1+sinθ) …(1) L2=(R−r)cosθ …(2) この式(2)において、取付角度θの範囲は0°〜90°
であるから0<cosθ<1となり、偏向パイプ18の移
動量L2は、図6におけるθ=0°の場合のL2の値(R
−r)よりも小さくなる。
【0027】図9は第二の発明における更に他の実施例
を示す正面断面図である。この実施例は、真空容器11
の一様磁場中に挿入される加速機構19の加速空胴15
の部分を、適宜の角度だけ上向きに傾けて取り付けたも
のである。この場合は、偏向パイプ18の中心軸と接す
る各円軌道17,17間の間隔が図6に示す場合よりも
狭くなるため、加速機構19の移動量L1が小さくなる
と共に、偏向パイプ18の移動量L2も次のように小さ
くすることができる。
を示す正面断面図である。この実施例は、真空容器11
の一様磁場中に挿入される加速機構19の加速空胴15
の部分を、適宜の角度だけ上向きに傾けて取り付けたも
のである。この場合は、偏向パイプ18の中心軸と接す
る各円軌道17,17間の間隔が図6に示す場合よりも
狭くなるため、加速機構19の移動量L1が小さくなる
と共に、偏向パイプ18の移動量L2も次のように小さ
くすることができる。
【0028】すなわち、図10に示すように、電子の最
小加速軌道17minの半径をr,最大加速軌道17maxの
半径をRとし、偏向パイプ18の中心軸の方向に対する
加速空胴15の取付角度をθとすると、上記L1及びL2
はそれぞれ次の式で表される。 L1=(R−r)(1−sinθ) …(3) L2=(R−r)cosθ …(4) この式(4)において、取付角度θの範囲は0°〜90°
であるから0<cosθ<1となり、偏向パイプ18の移
動量L2は、図6におけるθ=0°の場合のL2の値(R
−r)よりも小さくなる。
小加速軌道17minの半径をr,最大加速軌道17maxの
半径をRとし、偏向パイプ18の中心軸の方向に対する
加速空胴15の取付角度をθとすると、上記L1及びL2
はそれぞれ次の式で表される。 L1=(R−r)(1−sinθ) …(3) L2=(R−r)cosθ …(4) この式(4)において、取付角度θの範囲は0°〜90°
であるから0<cosθ<1となり、偏向パイプ18の移
動量L2は、図6におけるθ=0°の場合のL2の値(R
−r)よりも小さくなる。
【0029】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
図1及び図2に示す第一の発明によれば、偏向パイプを
真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置に固定し
ておき、上記真空容器の内部に往復移動可能に挿入され
た加速機構の電子銃及び加速空胴の部分を、その挿入口
と上記偏向パイプの入口部とを結んだ線上で移動するこ
とにより、任意軌道の加速電子を取り出すことができ
る。このとき、上記真空容器内における電子の軌道形状
は何ら変形されることなく、該真空容器は最大加速軌道
の分だけの直径があればよい。従って、従来のように特
に真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型化するこ
となく、色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すこ
とができ、装置構成の簡略化及び小型化を図ることがで
きる。また、上記のように真空容器を従来よりも小型化
できることから、容器内部の真空引きの時間を短縮でき
ると共に、到達真空度も向上することができる。
図1及び図2に示す第一の発明によれば、偏向パイプを
真空容器内にて電子の最大加速軌道となる位置に固定し
ておき、上記真空容器の内部に往復移動可能に挿入され
た加速機構の電子銃及び加速空胴の部分を、その挿入口
と上記偏向パイプの入口部とを結んだ線上で移動するこ
とにより、任意軌道の加速電子を取り出すことができ
る。このとき、上記真空容器内における電子の軌道形状
は何ら変形されることなく、該真空容器は最大加速軌道
の分だけの直径があればよい。従って、従来のように特
に真空容器及び一様磁場を形成する磁極を大型化するこ
となく、色々な種類のエネルギーの電子線を取り出すこ
とができ、装置構成の簡略化及び小型化を図ることがで
きる。また、上記のように真空容器を従来よりも小型化
できることから、容器内部の真空引きの時間を短縮でき
ると共に、到達真空度も向上することができる。
【0030】また、図5及び図6に示す第二の発明によ
れば、真空容器における一様磁場中に挿入されるのは、
加速機構の先端部の電子銃及び加速空胴の部分だけであ
るので、上記真空容器及びその表裏両面に配置される磁
極の間隔を小さくすることができる。従って、装置全体
の構成を更に小型化することができる。
れば、真空容器における一様磁場中に挿入されるのは、
加速機構の先端部の電子銃及び加速空胴の部分だけであ
るので、上記真空容器及びその表裏両面に配置される磁
極の間隔を小さくすることができる。従って、装置全体
の構成を更に小型化することができる。
【図1】第一の発明による医用マイクロトロンの実施例
を示す正面断面図である。
を示す正面断面図である。
【図2】高エネルギーの電子線を取り出す状態を示す動
作説明図である。
作説明図である。
【図3】図1のC−C線による断面説明図である。
【図4】第一の発明における他の実施例を示す正面断面
図である。
図である。
【図5】第二の発明による医用マイクロトロンの実施例
を示す正面断面図である。
を示す正面断面図である。
【図6】第二の発明において高エネルギーの電子線を取
り出す状態を示す動作説明図である。
り出す状態を示す動作説明図である。
【図7】第二の発明における他の実施例を示す正面断面
図である。
図である。
【図8】図7の実施例において加速機構と偏向パイプの
それぞれの移動量の関係を示す説明図である。
それぞれの移動量の関係を示す説明図である。
【図9】第二の発明における更に他の実施例を示す正面
断面図である。
断面図である。
【図10】図9の実施例において加速機構と偏向パイプ
のそれぞれの移動量の関係を示す説明図である。
のそれぞれの移動量の関係を示す説明図である。
【図11】第一の従来例による医用マイクロトロンを示
す正面断面図である。
す正面断面図である。
【図12】第二の従来例による医用マイクロトロンを示
す正面断面図である。
す正面断面図である。
11…真空容器
12…磁極
13…マイクロ波源
14…シリンダ
15…加速空胴
16…電子銃
17…円軌道
17max…最大加速軌道
18…偏向パイプ
19…加速機構
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−114500(JP,A)
特開 平4−366600(JP,A)
特開 平4−118897(JP,A)
特開 平5−109500(JP,A)
特開 平4−359900(JP,A)
特開 平1−246800(JP,A)
特開 平6−289200(JP,A)
特開 昭63−150900(JP,A)
特開 昭58−97300(JP,A)
米国特許3382391(US,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
A61N 5/10
G21K 5/00
Claims (2)
- 【請求項1】 マイクロ波電場を発生させるマイクロ波
源と、この発生されたマイクロ波電場を所定の部位まで
導く導波管と、この導かれたマイクロ波電場中で電子を
射出する電子銃と、この射出された電子をマイクロ波電
場中で加速する1個の加速空胴と、上記電子銃及び加速
空胴を内部に収容し上記加速された電子を一様磁場中で
円軌道運動をさせる真空容器と、この真空容器内で加速
された電子を円軌道運動の接線方向で一様磁場外に取り
出す偏向パイプとを有して成る医用マイクロトロンにお
いて、上記偏向パイプを真空容器内にて電子の最大加速
軌道となる位置に固定し、上記マイクロ波源と導波管と
電子銃と加速空胴とを一体的に組み合わせた加速機構を
上記真空容器の内部に往復移動可能に挿入し、この加速
機構の電子銃及び加速空胴の部分を、その挿入口と上記
偏向パイプの入口部とを結んだ線上で移動することによ
り、任意軌道の加速電子を取り出すようにしたことを特
徴とする医用マイクロトロン。 - 【請求項2】 マイクロ波電場を発生させるマイクロ波
源と、この発生されたマイクロ波電場を所定の部位まで
導く導波管と、この導かれたマイクロ波電場中で電子を
射出する電子銃と、この射出された電子をマイクロ波電
場中で加速する1個の加速空胴と、上記電子銃及び加速
空胴を内部に収容し上記加速された電子を一様磁場中で
円軌道運動をさせる真空容器と、この真空容器内で加速
された電子を円軌道運動の接線方向で一様磁場外に取り
出す偏向パイプとを有して成る医用マイクロトロンにお
いて、上記マイクロ波源と導波管と電子銃と加速空胴と
を一体的に組み合わせた加速機構を上記真空容器の内部
に往復移動可能に挿入すると共に、この加速機構の電子
銃及び加速空胴の部分だけを真空容器における一様磁場
中に挿入し、上記偏向パイプを真空容器内にて電子の最
大加速軌道となる位置で上記加速機構の往復移動方向と
直交する方向に往復移動可能に設け、上記加速機構と偏
向パイプとを互いに関係づけてそれぞれの方向に移動す
ることにより、任意軌道の加速電子を取り出すようにし
たことを特徴とする医用マイクロトロン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16587793A JP3447329B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 医用マイクロトロン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16587793A JP3447329B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 医用マイクロトロン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07548A JPH07548A (ja) | 1995-01-06 |
JP3447329B2 true JP3447329B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=15820681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16587793A Expired - Fee Related JP3447329B2 (ja) | 1993-06-14 | 1993-06-14 | 医用マイクロトロン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3447329B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003078075A1 (en) | 2002-03-19 | 2003-09-25 | Airspray International B. V. | Dispensing unit |
-
1993
- 1993-06-14 JP JP16587793A patent/JP3447329B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07548A (ja) | 1995-01-06 |
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