JP3445566B2 - 小型ガスタービン - Google Patents

小型ガスタービン

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JP3445566B2
JP3445566B2 JP2000257329A JP2000257329A JP3445566B2 JP 3445566 B2 JP3445566 B2 JP 3445566B2 JP 2000257329 A JP2000257329 A JP 2000257329A JP 2000257329 A JP2000257329 A JP 2000257329A JP 3445566 B2 JP3445566 B2 JP 3445566B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯用パソコン、
携帯用通信端末、ビデオカメラ、携帯用テレビなどの各
種携帯用電気電子機器を、屋内外の電源がない場所で長
時間にわたり連続使用する際に必要な電力の供給源とし
て、また燃料電池の欠点である起動からフルパワーに立
上るまでに要する時間を短縮するための補助電源を兼ね
た燃料電池予熱用熱源としての小型ガスタービンに関す
る。
【0002】
【従来の技術】携帯用パソコン、携帯用通信端末、携帯
用プリンター、携帯用ラジカセ、ビデオカメラ、携帯用
テレビ等に代表される携帯用電気機器を電源のない屋内
外で使用する際の電源は、従来から充電可能なバッテリ
ーもしくは乾電池が用いられてきた。これらの電源は、
より軽量でより多くの電気エネルギーを貯蔵するための
技術開発が進められている。
【0003】また一方で、携帯用電気機器の消費電力を
低減するための技術開発も進み、電力消費機器の性能向
上と電源の性能向上の相乗効果により、連続使用可能時
間も大幅に伸びつつあるが、このような継続的技術進歩
があってもなお、化学的エネルギーを貯蔵して電気エネ
ルギーに変換する方式であることに変わりなく、重量当
りの発電可能な能力には限界がある。従って、電源のな
い屋内外で携帯用電気機器を長時間連続して使用する場
合は、複数の予備バッテリーもしくは多数の予備乾電池
を携帯しなければならない欠点があった。
【0004】一例として、携帯用パソコン、デジタルカ
メラ及び通信端末を用いてスポーツもしくはライブショ
ウをインターネットで実況中継する場合、各々の機器に
通常内臓されているバッテリーで連続使用が可能な時間
は1〜2時間程度であり、数時間から十数時間に及ぶ実
況中継を行うには、必要な電力を長時間賄うため、重い
蓄電池もしくは発電機を別途搬入しなければならなかっ
た。
【0005】燃料電池に関しては、次世代の車両用動力
源及び中小規模コージェネレーション用動力源として期
待され、多くの技術開発が継続して行われているが、起
動からフルパワーに立ち上げるまでに要する時間を短縮
することが大きな技術的課題の1つとなっている。現状
では、従来技術であるガソリンエンジンもしくはディー
ゼルエンジン駆動の自動車のように、スターターキーを
廻して直ちに車を発進できるだけの起動特性に優れた燃
料電池を実現するまでには至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】インターネットの急速
な普及と、携帯用パソコン、携帯用通信端末、デジタル
カメラ及びビデオカメラ等の映像機器の普及と相俟っ
て、業務用はもとより個人用の用途についても、電源の
無い屋内外でこれらの機器を長時間にわたり使用し、か
つ必要に応じてインターネットに接続し、データの受発
信を行う頻度は今後益々増加する傾向にある。
【0007】本発明の第1の目的は、携帯用パソコン、
携帯用通信端末、デジタルカメラ及びビデオカメラ等の
映像機器一式が、1個のアタッシュケースもしくは旅行
カバンに、書類や旅行用品と共に収納して持ち運びがで
き、かつ、外部電源による充電なしに十数時間から数十
時間の連続使用を可能とする超小型かつ軽量の携帯発電
用ガスタービンを供給することにある。
【0008】また燃料電池に関しては、特に車両用の場
合、従来のガソリンエンジン及びディーゼルエンジンと
の競合上、起動後数秒以内に発進可能な電力を発生させ
なければならないが、このような短時間に燃料電池が発
進に必要な電力を発生できる構成にすることは極めて難
しい。
【0009】本発明の第2の目的は、車両用及び定置式
燃料電池が、起動からフルパワーに至るまでの間、不足
する電力を供給するための補助電源として機能し、かつ
排気を燃料電池に導入して、燃料電池の予熱もしくは改
質ガス発生器としても機能することのできる超小型かつ
軽量の燃料電池補助電源用ガスタービン発電装置を供給
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る超小型ガスタービンを実現するための
手段を、図1及び図2をもとに説明する。
【0011】変形中空円盤2の内部に形成され、その中
空部に案内翼1を有する盤空間部3に連通する円筒状第
1中空軸4と、変形中空円盤2の壁面に沿って中心部か
ら外周方向に向けて設けた燃料流路5と連通する燃料供
給孔6を中心部に有する第2軸7が、変形中空円盤2の
中心部の両側にそれぞれ延出した構成とし;
【0012】第1中空軸4及び第2軸7を軸受9及び1
0により支持して回転自在となし、第1中空軸4の端面
11を外気開放として盤空間部3を外気と連通せしめる
とともに、第2軸中心部の燃料供給孔6に、外部から燃
料を供給するための燃料供給管12を挿入し、燃料供給
管12と燃料供給孔6の間はシール装置13′により外
気と遮断しかつ回転自在な構成となし;
【0013】変形中空円盤2の壁面に沿って設けた燃料
流路5は、変形中空円盤2の外周部に設けた燃料ノズル
13に連通し、燃料ノズル13から噴出した燃料を、盤
空間部3内で遠心圧縮された外気と混合せしめるための
混合器14、燃焼部15及び燃焼ガス噴射ノズル部16
からなる燃焼器17を、変形中空円盤外周部の回転対称
位置に2個以上設けるとともに、燃焼ガス噴射ノズル部
16の出口近傍のケーシング側壁18に点火プラグもし
くは点火用パイロットバーナ19を設け、燃焼ガス噴射
ノズル部16から噴出される燃焼ガスが、変形中空円盤
2の略周方向に噴出するようになしたことを特徴とす
る。
【0014】更に、周方向にN極とS極を交互に配列し
た対を少なくとも1以上持つ円盤状永久磁石20を担持
した鋼製円盤21を、変形中空円盤2の回転軸と同軸で
回転するように取り付け、導電体からなる巻線コイル2
2aを円盤状永久磁石20に対面して、円周方向に少な
くとも1以上設け、該巻線コイル22aを静止部35に
固定して該巻線コイル22aの両端の端子23a及び2
4aから単相交流電気を取出すようにするか;
【0015】又は、各々の巻線コイルをY結線もしくは
△結線で連結した巻線コイル群22bとなし、該巻線コ
イル群22bを静止部に固定して該巻線コイル群22b
の両端23b及び24bから3相交流電気を取出すよう
になしたことを特徴とする。なお、図1及び図2は第2
軸7側に1組の発電機を設けた一例を示す。
【0016】変形中空円盤2の回転により、第1中空軸
4の端面11から矢印25の方向に吸引された外気は、
矢印26の方向に流れつつ、案内翼1の作用により遠心
圧縮され、混合部14に達する。
【0017】燃料供給管12から矢印27の方向に供給
された燃料は、シール装置13′により外気と遮断され
つつ、第2軸7の中心に設けた燃料供給孔6を通り、変
形中空円盤2に設けた燃料流路5内を矢印28の方向に
流れつつ遠心圧縮され、燃料ノズル13から噴出し、混
合部14で遠心圧縮された外気と混合しつつ燃焼部15
内で連続的に燃焼し、高温の燃焼ガスとなって燃焼ガス
噴射ノズル部16から矢印29の方向に亜音速もしくは
超音速で噴出する。
【0018】軸受9及び10により両端支持された変形
中空円盤2、第1中空軸4、第2軸7及び発電機ディス
ク21から成る回転体8は、燃焼ガス噴射ノズル部16
から矢印29の方向に噴出する燃焼ガスの反動により矢
印30の方向に回転する。
【0019】回転する燃焼器17の燃焼ガス噴射ノズル
部16から相対的に矢印29の方向に速度Vで噴出した
燃焼ガスは、噴射ノズル部16の周速Uとのベクトル和
であるCの絶対速度および方向をもってディフューザー
部31に流出し、減速されてスクロール形状の排気室3
2を通り、燃焼ガス出口33から矢印34の方向に流出
する。
【0020】円盤状永久磁石20を担持した鋼製円盤か
ら成る発電機ディスク21は、第1中空軸4及び第2軸
7の何れか一方又は両方に回転軸を一致させて一体的に
取り付けられ、導電体からなる巻線コイル22a又は巻
線コイル群22bは、円盤状永久磁石20に対面して、
円周方向に少なくとも1以上設け、該巻線コイル22a
又は巻線コイル群22bを静止部35に固定し、該巻線
コイル22a又は巻線コイル群22bの両端に設けた端
子23a及び24aもしくは23b及び24bから電気
を取出すことにより、回転体との機械的接触部のないブ
ラシレスにするとともに、励磁のための電圧を印加する
必要のない単相交流発電気もしくは3相交流発電気とす
ることができる。
【0021】該巻線コイル22a又は巻線コイル群22
bの両端に設けた端子23a及び24aもしくは23b
及び24bから取出される高周波の単相もしくは3相交
流電流は、図示しない交流/直流変換器を介して、直流
電気に変換して取出しても良い。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を、図1
及び図2に基づき詳細に説明する。図1は本発明の実施
の形態に係る超小型ガスタービン発電装置の基本構造を
示す模式的正面断面図、図2は図1に示す断面A−Aに
よる平面断面図である。
【0023】変形中空円盤2の内部に、半径方向に向っ
て案内翼1を持ち、変形中空円盤2の中心部から延出し
た第1中空軸4の端面11が外気に開放され、変形中空
円盤2内部の盤空間部3が第1中空軸4の中空部分と連
通した構造は、所謂遠心圧縮機であって、変形中空円盤
2の中心部の両側に延出した第1中空軸4及び第2軸7
をそれぞれ軸受9及び10により支持して回転自在とな
し、変形中空円盤2に回転力を印加することによって、
端面11から吸引された外気は、盤空間部3内で、案内
翼1の作用により加速され、遠心圧縮される。
【0024】一方、第2軸7には、変形中空円盤2の壁
面に沿って中心部から外周方向に向けて設けた燃料流路
5と連通した燃料供給孔6を軸中心部に設け、外部から
気体燃料を供給するための燃料供給管12を燃料供給孔
6に挿入し、燃料供給管12と燃料供給孔6の間はシー
ル装置13′により外気と遮断しかつ回転自在な構成と
することにより、燃料ガスは外気に漏洩することなく、
また、外気を吸引することなく変形中空円盤2の壁面に
沿って中心部から外周方向に向けて設けた燃料流路5を
経由して、変形中空円盤2の最外周部にある燃料ノズル
13に送気される。
【0025】燃料は変形中空円盤2の壁面に設けた燃料
流路5を通過する際に、回転力により遠心圧縮されるた
め、燃料の吸引ブロアもしくはポンプとしての機能も果
たすこととなるので、高圧で燃料を圧送する必要がな
い。
【0026】燃料流路5を経由し、変形中空円盤2の最
外周部にある燃料ノズル13から噴出した気体状もしく
は霧状の燃料は、盤空間部3内で遠心圧縮された外気
と、混合部14で混合し、燃焼部15で燃焼し、高温の
燃焼ガスとなって燃焼ガス噴射ノズル部16から亜音速
もしくは超音速で変形中空円盤2の略周方向に噴出す
る。変形中空円盤2、第1中空軸4、第2軸から成る回
転体8は、燃焼ガス噴射ノズル部16から噴出する高速
の燃焼ガスの反動により、矢印30の方向に回転力を与
える。
【0027】燃料ガスの混合部14、燃焼部15及び燃
焼ガス噴射ノズル部16から成る燃焼器17の個数は、
回転対象位置に少なくとも2個以上、好ましくは、振動
に対する安定性と単機出力増加の両方の利点を得られる
3以上とするのが良い。
【0028】また、噴射ノズル部16近傍のケーシング
側壁部18にはガスタービンを起動するための点火プラ
グもしくは点火用パイロットバーナー19を設ける。
【0029】変形中空円盤2、第1中空軸4及び第2軸
7からなる回転体8を支持する軸受9及び10は、転が
り軸受、滑り軸受、磁気軸受、気体軸受の何れも適用可
能であるが、軸受周速が高速であるため、気体軸受とり
わけ動圧型気体軸受とするのが望ましい。なお、回転体
8の軸方向変位を拘束するためのスラスト軸受36及び
37も動圧型気体軸受とするのが望ましい。
【0030】本発明によるガスタービンに用いる燃料
は、常温で気体である必要はなく、燃料ノズル13から
気体状もしくは霧状に噴霧しうる燃料であって、酸化性
ガスと混合し点火して発熱反応を起す全ての気体状もし
くは液体状物質が燃料となり得る。燃料として適用可能
な物質の例として、気体状及び液体状炭化水素、アルコ
ール、エーテルのほか、液体及び気体水素、ヒドラジン
などがある。また、酸化性ガスとして、空気のほか、純
酸素もしくは酸素混合ガス、過酸化水素混合ガスなどが
ある。
【0031】燃焼器は、通常のバーナー燃焼に加え、希
薄燃料に対しても失火せず安定な燃焼を維持できる触媒
燃焼器とすることがより好ましい。触媒燃焼器の材料と
して白金、銅、バナジウム、タングステン、モリブデ
ン、マンガン等の金属もしくはそれらの酸化物を基質に
コーティングしたハニカム状、格子状又は燒結品とする
のが良い。
【0032】なお、ディフューザー部31に連なる排気
室32は、燃焼ガス出口33に向って断面積が周方向に
徐々に増大するスクロール形状の1例を示しているが、
必ずしもスクロール形状にする必要はなく、ディフュー
ザー部31に連なる排気室32の容積を十分に確保した
上で、周方向の全周もしくはその一部から排気するよう
にしても良い。
【0033】本発明による超小型ガスタービンは、更
に、周方向にN極とS極を交互に配列した対を少なくと
も1以上持つ円盤状永久磁石20を担持した発電機ディ
スク21を、第1中空軸4及び第2軸7の何れか一方又
は両方に回転軸を一致させて一体的に取り付け、導電体
からなる巻線コイル22を円盤状永久磁石20に対面し
て、円周方向に少なくとも1個以上設け、該巻線コイル
22を静止部35に固定してガスタービンと発電機が一
体的に結合した構成とすることにより、軽量、コンパク
トかつ安価な超小型ガスタービン発電装置としたことを
特徴とする。なお、図1に示す巻線コイル22aは単相
交流電気を取出すための巻線コイル群を示し、巻線コイ
ル22bはY結線もしくは△結線にて連結された巻線コ
イル群を示す。
【0034】発電機が一体的に結合した本発明による超
小型ガスタービンは、更に、巻線コイル群22aから得
られる単相交流電気、または、巻線コイル群22bから
得られる3相交流電気を12〜24ボルトの直流電流に
変換するための交流/直流変換器と、電力負荷の多少に
係らず出力電圧を一定に制御するための燃料流量制御装
置とを備えることにより、発電装置として必要な全ての
機能を持たせることができる。
【0035】なお、交流/直流変換器及び燃料流量制御
装置のいずれも、本発明による超小型ガスタービン発電
機を収納する同一容器内に収納することにより、利便性
を更に高めることができる。
【0036】
【実施例】図3及び図4は、基本原理を示す図1及び図
2の構造を更に発展させたもので、実際の構成により近
い構造となっている。図3は本発明の実施例に係る超小
型ガスタービンもしくは超小型ガスタービン発電機の正
面断面図、図4は図3に示す断面A−Aによる平面断面
図である。また、図1及び図2に示す構造と図3及び図
4に示す構造とは以下に示す5点が異なるが、図1及び
図2に示す基本原理を逸脱するものではない。 (1)振動に対する安定性と、単機出力の向上を目的と
して、燃焼器を円周上の回転対称位置に3個配置する構
成としたこと。 (2)燃焼器の高温による強度低下を防ぐため、燃焼器
を2重円筒構造にするとともに燃焼器壁面を冷却可能な
構造としたこと。 (3)燃料ノズルのヘッダー部を燃焼器の筒部の上流側
で、かつ、変形中空円盤の側壁と平行になる位置に移設
して燃焼器の短縮化を図ったこと。 (4)燃焼部に酸化触媒を配置して触媒燃焼せしめ、燃
料ガスが希薄な混合気に対しても失火せず、安定した燃
焼が得られる構成としたこと。 (5)第2軸を中空軸とし、中空軸の内面を軸受で支持
する構成として、軸方向の寸法を短縮し、よりコンパク
ト化を図ったこと。 以下に基本原理を示す図1及び図2と異なる構成の部分
について特に重点的に説明する。なお、図1及び図2と
同一の機能を有する部分には、図1及び図2と同一の記
号を付してある。
【0037】略三角形の断面を持ち、その頂点近傍に3
組の燃焼器17を配置した変形中空円盤2の内部に、三
角形の頂点方向に向け半径方向の案内翼1を設けて変形
中空円盤2を回転せしめることにより、盤空間部3が連
通した第1中空軸の端面11から吸引された外気は、遠
心圧縮されつつ変形中空円盤2の最外周部に位置する混
合部14に到達する。
【0038】一方、燃料供給管12に供給された燃料
は、シール装置13′で外気と遮断されつつ第2軸7の
中心部に設けた燃料供給孔6を経由し、変形中空円盤2
の壁面に沿って中心部から半径方向に向けて設けた燃料
流路5を通り、燃焼器17の近傍に位置する燃料ノズル
13から噴出する。
【0039】燃料ノズル13から噴出した燃料は、第1
中空軸の端面11から吸引され盤空間部3内で遠心圧縮
された外気と混合部14で混合し、混合気体となって触
媒燃焼部38に流入する。
【0040】触媒燃焼部は、耐熱金属もしくはセラミッ
クスからなる格子状又はハニカム状基質に、白金、金、
バナジウム、銅、マンガン、パラジウムから選ばれた単
一成分もしくは複合成分からなる金属もしくはそれらの
酸化物を被覆したもので、燃料濃度が極端に低い場合で
あっても失火せずに安定した燃焼が得られる利点があ
る。また、特に高負荷運転に際して、吹き消え現象を起
すことなく安定した燃焼を得ることもできる。
【0041】なお、触媒燃焼を採用することにより、火
炎を保持するための燃焼部15の長さを短縮し、燃焼器
17を小型化することができるので、回転によって変形
中空円盤2に生ずる遠心応力を軽減できる利点もある。
【0042】本実施例では、燃焼器17を変形中空円盤
2の円筒殻39の内部に配置した2重殻構造とし、殻と
殻の間に冷却空気を導入するための開口部40を設ける
と共に、燃焼器17の内面をフィルム冷却するための冷
却孔41を設けたので、燃焼器17が高温に曝される部
分の温度を低減し、十分な強度が確保できる構成として
いる。
【0043】また、本実施例では、燃焼器17を回転対
称位置に3個配置する構成としているが、図1及び図2
に示す180°対称位置に2個の燃焼器を配置する構成
に比べ、略50%の出力増加が得られる利点に加えて、
振動に対する安定性が増す利点も期待できる。
【0044】更に、本実施例では第2軸を中空軸とし
て、中空軸の内面を軸受10で支持する構成としたの
で、図1及び図2に示すように、第2軸の外面を軸受1
0で支持する場合に比べ、更に軸方向寸法を短縮するこ
とができ、装置の小型軽量化を実現する上で大きな効果
が期待できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
変形中空円盤の最外周部に燃焼器を配置し、高温の燃焼
ガスが変形中空円盤の最外周部から略周方向に高速で噴
出せしめ、噴出した燃焼ガスの反動で変形中空円盤を駆
動するようにしたので、従来のガスタービンのように、
圧縮機を用いて空気を圧力エネルギーに変換して外部に
取出し、燃料を加えて高温・高圧の燃焼ガスとした後、
ガスタービンに導入して圧力エネルギーを速度エネルギ
ーに変換して動力を取出していた方式に比べ、中間の工
程が省略され、1個の回転体内部で、圧縮・燃焼及び噴
射ガスの反動による回転体の駆動が実現され、小型かつ
軽量で安価なガスタービンを得ることができる。加え
て、本発明によるガスタービンに、変形円盤状の超薄型
交流発電機を一体的に組付ける構成としたので、装置全
体が小型かつ軽量で安価な点に加え、ごく薄型の円盤形
ガスタービン発電装置を構成することが可能となった。
【0046】本発明による超小型ガスタービン発電装置
の最も小型のものは、ビデオカセットテープと略同一寸
法である縦150mm、横190mm、高さ25mmの
容積の中に、ガスタービン本体、発電機、カセット燃料
ボンベ、直流変換器及び燃焼制御装置を収納することが
でき、カセット燃料ボンベ1本で約40Wの電力を約3
0時間にわたり連続発電が可能である。
【0047】このように、小型かつ軽量で長時間の連続
発電が可能となったので、スポーツ、各種イベント等の
実況映像中継のための業務用電源としての用途のほか、
ビジネス、レジャー、屋外での学術調査、軍事用途、非
常用電源など、個人及び業務レベルで、多方面にわたり
その効果が期待できる。
【0048】更に、本発明による超小型ガスタービン発
電装置は、燃料電池とりわけ車両用燃料電池の起動特性
の向上に大きな効果が期待できる。燃料電池は化学的エ
ネルギーを電気エネルギーに変換するものであるため、
従来の車両用原動機であるガソリンエンジンまたはディ
ーゼルエンジンのように、スターターキーを廻して直ち
に発進できる状態に立ち上げることは極めて難しい。従
って、本発明によるガスタービン発電機と燃料電池との
ハイブリッド構成とすることにより、燃料電池がウオー
ミングアップするまでの間、本発明によるガスタービン
発電機が燃料電池の補助電源として機能させることで、
燃料電池の持つ最大の欠点を補うことができる。また、
ガスタービンの排気を燃料電池に供給することにより、
燃料電池のウオーミングアップ時間を短縮する副次的な
効果も期待できる。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成の一例を示す組立断面図であ
る。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る組立断面図であ
る。
【図4】図3のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 案内翼 2 変形中空円盤 3 盤空間部 4 第1中空軸 5 燃料流路 6 燃料供給孔 7 第2軸 8 回転体 9 第1中空軸用軸受 10 第2軸用軸受 11 中空軸4の端面 12 燃料供給管 13 燃料ノズル 13′ シール装置 14 混合部 15 燃焼部 16 燃焼ガス噴射ノズル 17 燃焼器 18 ケーシング側壁 19 点火プラグ又は点火用パイロットバーナ 20 円盤状永久磁石 21 発電機ディスク 22a 巻線コイル(単相用) 22b 巻線コイル群(3相用) 23a 巻線コイル端子1(単相用) 23b 巻線コイル端子1(3相用) 24a 巻線コイル端子2(単相用) 24b 巻線コイル端子2(3相用) 25 外気吸入方向 26 吸入外気流れ方向 27 燃料ガス供給方向 28 燃料流れ方向 29 燃焼ガス噴出方向 30 回転方向 31 ディフューザー部 32 排気室 33 燃焼ガス出口 34 燃焼ガス流出方向 35 静止部 36 スラスト軸受(吸入側) 37 スラスト軸受(発電機側) 38 触媒燃焼部 39 円筒殻 40 開口部 41 冷却孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−299439(JP,A) 特開 昭47−35611(JP,A) 特開 昭62−228629(JP,A) 特許143330(JP,B2) 米国特許5932940(US,A) 米国特許5282356(US,A) 米国特許5408824(US,A) 英国特許出願公開1173566(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02C 3/14 - 3/16 F02C 7/00 F23R 3/40 - 3/56

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周部が閉じた中空の盤空間部を有しケー
    シングに回転自在に取り付けられた変形中空円盤と、変
    形中空円盤の中心部から外周方向に向けて設けられ、変
    形中空円盤の外周部近傍に設けた燃料ノズルに連通する
    燃料流路と、燃料ノズルから噴出した燃料を遠心圧縮さ
    れた外気と混合するための混合部、燃焼部及び燃焼ガス
    噴射ノズル部からなる燃焼器とを具備し、前記燃焼器は
    変形中空円盤の外周部の回転対称位置に2個以上設けら
    れており、変形中空円盤は外周部の外径が周方向に変化
    しており、かつ燃焼器に向かって延在する盤空間部内に
    半径方向に向かって案内翼を有し、変形中空円盤の盤空
    間部に取り入れた外気を遠心圧縮して燃焼器に供給し、
    該燃焼器において燃料流路から送られてくる燃料と混合
    し点火して燃焼させることにより、燃焼ガス噴射ノズル
    部から噴出される燃焼ガスを変形中空円盤の略周方向に
    噴出させ、燃焼ガスの反動で変形中空円盤が駆動するよ
    うになしたことを特徴とする小型ガスタービン。
  2. 【請求項2】変形中空円盤の中空の盤空間部に連通する
    円筒状第1中空軸と、該変形中空円盤の壁面に沿って中
    心部から外周方向に向けて設けた燃料流路に連通する燃
    料供給孔を中心部に有する第2軸が、変形中空円盤中心
    部の両側にそれぞれ延出した構成とし、第1中空軸及び
    第2軸を軸受により支持して回転自在となし、変形中空
    円盤の盤空間部には半径方向に向かって案内翼が設けら
    れており、第1中空軸の端部を外気開放として盤空間部
    を外気と連通せしめるとともに、第2軸中心部の燃料供
    給孔に外部から燃料を供給するための燃料供給管を挿入
    し、該燃料供給孔と該燃料供給管の間はシール装置によ
    り外気と遮断しかつ回転自在な構成となし、該変形中空
    円盤の壁面に沿って設けた燃料流路は変形中空円盤外周
    部に設けた燃料ノズルに連通しており、該燃料ノズルか
    ら噴出した燃料を盤空間部内で遠心圧縮された外気と混
    合せしめるための混合部、燃焼部及び燃焼ガス噴射ノズ
    ル部からなる燃焼器を、該変形中空円盤外周部の回転対
    称位置に2以上設けるとともに、該燃焼ガス噴射ノズル
    部出口近傍のケーシング側壁に点火プラグもしくは点火
    用パイロットバーナを設け、該燃焼ガス噴射ノズル部か
    ら噴出される燃焼ガスが変形中空円盤の略周方向に噴出
    するようになした請求項1に記載の小型ガスタービン。
  3. 【請求項3】変形中空円盤の外周部に2又は3個の燃焼
    器を設ける請求項1又は2に記載の小型ガスタービン。
  4. 【請求項4】周方向にN極とS極を1対以上配列した永
    久磁石を変形中空円盤と同軸に取り付けするとともに、
    導電体からなる巻線コイルを該永久磁石に対面して静止
    部に1個以上設け、該巻線コイルの両端から単相交流電
    気を取出すか、又は、巻線コイルをY結線もしくは△結
    線した巻線コイル群となし、該巻線コイル群の両端から
    3相交流電気を取出すようになした発電機を具備する請
    求項1、2又は3に記載の小型ガスタービン。
  5. 【請求項5】巻線コイル群の両端から得られる単相もし
    くは3相交流電気を、直流電流に変換するための交流/
    直流変換器を具備する請求項4に記載の小型ガスタービ
    ン。
  6. 【請求項6】巻線コイル群の両端から得られる単相もし
    くは3相交流電気の電圧及び周波数を検知して、電圧及
    び周波数を一定の値に保持するための燃料流量制御装置
    を備えるか、もしくは、交流/直流変換器出口端子から
    得られる出力電圧を検知して、該出力電圧を一定の値に
    保持するための燃料流量制御装置の何れかを備えたこと
    を特徴とする請求項4又は5に記載の小型ガスタービ
    ン。
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