JP2017146062A - 回転デトネーションエンジン - Google Patents

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Jiro Kasahara
次郎 笠原
健 松岡
Takeshi Matsuoka
健 松岡
亜紀子 松尾
Akiko Matsuo
亜紀子 松尾
一幸 船木
Kazuyuki Funaki
一幸 船木
智彦 名出
Tomohiko Naide
智彦 名出
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Shuichi Nakamura
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Abstract

【課題】回転デトネーションエンジンの小型化を図ること。
【解決手段】回転デトネーションエンジンは、回転デトネーション燃焼器10と、デトネーション開始装置20と、燃料供給装置30と、遠心圧縮機40と、ステータ50と、タービン60と、筐体70によって構成されている。回転デトネーション燃焼器10の内部空間11は、筐体70の内部空間をタービン60で区画した一部の空間であり、円盤状である。内部空間11は、回転デトネーション波を発生させるための空間である。筐体70の内部空間には、主板62が設けられ、吸気口71側の主面62aには、遠心圧縮機ベーン41が設けられている。また、主板62の排気口72側の主面62bには、ラジアルタービンベーン64が設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転デトネーション波を発生させ、燃焼ガスによってタービンを回転させる回転デトネーションエンジンに関する。
デフラグレーションを利用した一般的なタービンエンジンよりも高い理論熱効率を有することから、デトネーションを利用したデトネーションエンジンが注目され、さかんに研究されている。デトネーションとは、衝撃波と燃焼波が相互に干渉しつつ一体となって超音速で伝搬する燃焼モードである。
デトネーション波を発生させる燃焼器として、パルスデトネーション燃焼器と、回転デトネーション燃焼器が研究されている。
パルスデトネーション燃焼器は、直管状の燃焼器の軸方向に間欠的にデトネーション波を発生させるものである。特許文献1には、パルスデトネーション燃焼器を用いたパルスデトネーションエンジンが記載されている。このパルスデトネーションエンジンは、軸方向に圧縮機、パルスデトネーション燃焼器、タービンの順に接続された構成であり、軸方向への燃焼ガスのガス流によってタービンを回す構成である。
回転デトネーション燃焼器は、円環状の領域をその円環の周方向に沿って回転するデトネーション波を発生させるものである。回転デトネーション燃焼器は、1回点火すれば、その後は燃料が供給され続ける限り連続して回転デトネーション波を発生させることができる。特許文献2に示すように、従来の回転デトネーション燃焼器は、二重円筒型の構造であり、円筒の中心軸に平行な方向に燃焼ガスを排出して動力、推力を得る構造となっている。
特開2012−159078号公報 特開2015−158356号公報
しかし、従来の回転デトネーションエンジンは、回転デトネーション燃焼器の占める体積が大きく、装置全体として大型となってしまう問題があった。
そこで本発明の目的は、回転デトネーションエンジンの小型化を図ることである。
本発明は、円盤状の内部空間を有し、内部空間の外周に沿って回転しながら伝搬する回転デトネーション波を発生させ、燃焼ガスを内部空間の半径方向であって中心軸側へと放出する回転デトネーション燃焼器と、内部空間に回転デトネーション波を発生させるためのデトネーション波を供給するデトネーション開始装置と、回転デトネーション燃焼器の内部空間に、燃料ガスを供給する燃料供給装置と、回転デトネーション燃焼器の内部空間に、酸化剤を圧縮して供給する圧縮機と、内部空間の中心軸側に配置され、回転デトネーション燃焼器からの燃焼ガスによって中心軸の回りに回転するタービンと、を有することを特徴とする回転デトネーションエンジンである。
圧縮機として遠心圧縮機を用いてもよい。遠心圧縮機は、タービンと表裏一体に構成するとよい。具体的には、遠心圧縮機として、円盤状の主板の一方の主面に遠心圧縮機ベーンを設けた構成とし、タービンとして、主板の他方の主面にラジアルタービンベーンを設けた構成とする。このように遠心圧縮機とタービンとを表裏一体に構成することで、タービンの熱を遠心圧縮機の遠心圧縮機ベーンに逃がし、その遠心圧縮機ベーンの熱を遠心圧縮機が取り込む酸化剤によって冷却することができる。そのため、効率的にタービンを冷却することができる。
ラジアルタービンベーンの外側に、内部空間の中心軸と同軸の円環状に配置され、回転デトネーション燃焼器から放出される燃焼ガスの方向を、半径方向に角度を成す方向へと変換するガス流方向変換部をさらに設けてもよい。より効率的にタービンを回転させることができる。
燃料供給装置による内部空間への燃料ガスの供給方向と、圧縮機による内部空間への酸化剤の供給方向は、直交するように構成することが望ましい。回転デトネーション波を効率的、安定的に発生させることができる。燃料供給装置は、内部空間の外周側面であって円周方向に沿って配列された複数の位置から、半径方向に燃料ガスを供給するように構成するとよい。また、圧縮機は、内部空間の外周側面に沿って中心軸に平行な方向に酸化剤を供給するように構成するとよい。
円盤状の内部空間の厚さ(中心軸に平行な方向の幅)は、内部空間の直径の1/4以下であることが望ましい。これよりも厚いと、回転デトネーション波の伝搬方向として中心軸に平行な方向の成分が生じるため、タービンを効率的に回転させるのが難しくなる。また、回転デトネーション燃焼器の小型化の点からも、これより厚いのは望ましくない。より望ましくは内部空間の直径の1/5以下、さらに望ましくは内部空間の直径の1/10以下である。
円盤状の内部空間の厚さは、内部空間の直径の1/30以上とすることが望ましい。これよりも薄いと、内部空間の体積を十分に確保できず、エンジンの出力を十分とすることができないためである。より望ましくは内部空間の直径の1/20以上、さらに望ましくは内部空間の直径の1/15以上である。
内部空間の直径は、1cm以上30cm以下とすることができ、非常に小型の回転デトネーションエンジンを実現することができる。
本発明の回転デトネーションエンジンによれば、タービンが回転デトネーション燃焼器の中心軸側に配置されているため、回転デトネーション燃焼器とタービンをおよそ同一面内とすることができ、軸方向の長さを短くすることができる。そのため、回転デトネーションエンジン全体の小型化を図ることができる。
実施例1の回転デトネーションエンジンを俯瞰した図。 実施例1の回転デトネーションエンジンの中心軸に垂直な面での断面図。 実施例1の回転デトネーションエンジンの中心軸を含む面での断面図。 回転デトネーション燃焼器の構成を模式的に示した図。
以下、本発明の具体的な実施例について図を参照に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1は、実施例1の回転デトネーションエンジンをガス排出側斜め上方から俯瞰した図である。図2は、実施例1の回転デトネーションエンジンの中心軸に垂直な断面をガス排出側から見た図である。また、図3は、実施例1の回転デトネーションエンジンの中心軸を含む平面での断面を模式的な示した図である。図1〜3のように、実施例1の回転デトネーションエンジンは、回転デトネーション燃焼器10と、デトネーション開始装置20と、燃料供給装置30と、遠心圧縮機40と、ステータ50と、タービン60と、筐体70によって構成されている。なお、図2の断面は、回転デトネーション燃焼器10を通る位置での断面である。
[筐体70の構成]
筐体70は、図1〜3に示すように、外観は円盤状であり、内部にも円盤状の内部空間を有している。その中心軸の一方に酸化剤を内部空間に取り込む吸気口71を有し、他方に燃焼ガスを排気する排気口72を有している。排気口72はベル型のノズルである。酸化剤は、たとえば、酸素、ないし酸素を含むガス(具体的には空気など)である。筐体70の内部空間には、回転デトネーション燃焼器10、遠心圧縮機40、ステータ50、タービン60が設けられている。
[回転デトネーション燃焼器10の構成]
回転デトネーション燃焼器10は、回転デトネーション波を発生させるための装置である。回転デトネーション燃焼器10は、図2、3に示すように、円盤状の内部空間11を有している。図4は、実施例1の回転デトネーションエンジンのうち、回転デトネーション燃焼器10の部分を拡大して模式的に示した断面図である。この内部空間11は、2つの平行な円盤状の平面11a、bと、円筒状の外周側面11cと、によって囲われた空間である。円盤状の平面11a、bのうち、一方の平面11bは、タービン60によって区画されている。また、外周側面11cと平面11aは、筐体70によって区画されている。すなわち、回転デトネーション燃焼器10の内部空間11は、筐体70の内部空間をタービン60で区画した一部の空間である。内部空間11は、回転デトネーション波を発生させるための空間であり、内部空間11の外周側面11c近傍に、その周方向に沿って回転デトネーション波を発生させるための空間である。
円盤状の内部空間11の厚さD(内部空間11の中心軸方向の幅、平面11a、bの間隔)は、内部空間11の直径の1/4以下とするのがよい。これよりも厚いと、回転デトネーション波の伝搬方向として中心軸に平行な方向の成分が生じるため、タービン60を効率的に回転させるのが難しくなる。また、回転デトネーション燃焼器10の小型化の点からも、これより厚いのは望ましくない。より望ましくは内部空間11の直径の1/5以下、さらに望ましくは内部空間11の直径の1/10以下である。ただし、円盤状の内部空間11の厚さDを薄くしすぎると、内部空間11の体積を十分に確保できず、エンジンの出力を十分とすることができないため、内部空間11の厚さDは内部空間11の直径の1/30以上とするのがよい。より望ましくは内部空間11の直径の1/20以上、さらに望ましくは内部空間11の直径の1/15以上である。
円盤状の内部空間11の直径は、必要とするエンジン出力の値などに応じて任意に設定することができる。たとえば、回転デトネーションエンジンの小型化の観点から、1cm以上30cm以下とすることができる。
[デトネーション開始装置20の構成]
デトネーション開始装置20は、回転デトネーション燃焼器10において回転デトネーション波を発生させるためのトリガーとなるデトネーション波を発生させる装置である。デトネーション開始装置20は、供給管21と、点火プラグ22と、デトネーション波導入口23で構成されている。
供給管21は、デトネーション波を発生させるための燃料ガスおよび酸化剤を供給する管である。燃料ガスと酸化剤の混合ガスを供給するようにしてもよいし、別々の管で燃料ガスと酸化剤をそれぞれ供給し、途中で管を接続して燃料ガスと酸化剤を混合する構成としてもよい。
点火プラグ22は、供給管21内に火花を発生させるものである。この火花によって燃料ガスと酸化剤の混合ガスに点火し、回転デトネーション波を発生させる。
デトネーション波導入口23は、回転デトネーション燃焼器10の内部空間11の平面11aであって、外周側面11c近傍側の位置において、筐体70を貫通する孔である。デトネーション波導入口23の端部のうち、筐体70外部側は、供給管21と接続されている。
このデトネーション開始装置20では、供給管21によって供給される酸化剤と燃料の混合ガスに、点火プラグ22を用いて点火することでデトネーション波を発生させる。そして、そのデトネーション波を、供給管21、デトネーション波導入口23を介して回転デトネーション燃焼器10の内部空間11に導入する。
デトネーション波の導入位置(デトネーション波導入口23の内部空間11への開口位置)は上記に限るものではなく、内部空間11にデトネーション波を供給可能な任意の位置としてよい。
[燃料供給装置30の構成]
燃料供給装置30は、回転デトネーション燃焼器10において回転デトネーション波を連続的に発生させるための燃料ガスを供給する装置である。燃料供給装置30は、4本の燃料ガス供給管31、燃料マニホールド32、複数の燃料ガス供給口33で構成されている。
燃料ガス供給管31は、回転デトネーション燃焼器10の内部空間11に燃料ガスを供給するための管であり、筐体70の外部で接続している。燃料ガスは、たとえば、水素やメタン、エタン、エチレンなどの炭化水素、あるいはそれらを含むガスである。
燃料マニホールド32は、図3、4に示すように、内部空間11の外周側面11c近傍の筐体70中に設けられたリング状の空間である。筐体70に設けられた図示しない孔を介して、燃料ガス供給管31と燃料マニホールド32は接続されている。
燃料ガス供給口33は、燃料マニホールド32と回転デトネーション燃焼器10の内部空間11とを接続する貫通孔であり、その貫通方向は中心軸に垂直な方向(半径方向)である。貫通方向は燃料ガスの供給方向とおよそ一致する。図2のように、複数の燃料ガス供給口33は、内部空間11の外周側面11cに、円周方向に等間隔で配列されている。これにより、回転デトネーション波を効率的、安定的に発生させることができる。燃料ガス供給口33の配列間隔は、中心角(隣接する2つの燃料ガス供給口33と内部空間11の中心とを結ぶ半径の成す角度)が1°以上5°以下となるようにするのが望ましい。作製の容易さと回転デトネーション波の効率的、安定的な生成とのバランスの観点からである。
この燃料供給装置30では、4本の燃料ガス供給管31から供給される燃料ガスが燃料マニホールド32を介して複数の燃料ガス供給口33に分配され、その複数の燃料ガス供給口33から回転デトネーション燃焼器10の内部空間11へと連続的に燃料ガスが供給される。内部空間11への燃料ガスの供給方向は、中心軸に垂直な方向(半径方向)である。
なお、実施例1の燃料供給装置30では、燃料ガス供給口33から連続的に内部空間11へ燃料ガスを供給するものであるが、燃料ガス供給口33に開閉弁を設け、デトネーション波の伝搬に合わせて間欠的に燃料ガスを供給するようにしてもよい。また、燃料ガス供給口33の位置は、上記に限るものではなく、たとえば内部空間11の平面11aであって、外周側面11c近傍としてもよい。また、燃料ガス供給口33の貫通方向も半径方向でなくともよい。
[遠心圧縮機40およびタービン60の構成]
遠心圧縮機40は、回転デトネーション燃焼器10に圧縮された酸化剤を供給するための装置である。また、タービン60は、ラジアルタービンであり、ガス流のエネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して取り出すための装置である。遠心圧縮機40とタービン60は、表裏一体に構成されている。その構成を以下により詳しく説明する。
図2に示すように、筐体70の内部空間にローター61を有している。ローター61は、円盤状の主板62と、その主板62に接続し、主板62と中心軸を同一とする軸状のローター軸63を有している。ローター61は、その中心軸が筐体70の円盤状の内部空間の中心軸と一致するよう配置されている。内部空間の主面(中心軸に垂直な面)と、ローター61の主板62の主面は平行であり、主板62と筐体70は間隔が空けられており、接していない。また、ローター61は、中心軸回りに回転可能に設けられている。
この主板62によって筐体70の内部空間は吸気口71側と排気口72側に2分されており、排気口72側の内部空間が回転デトネーション燃焼器10の内部空間11となっている。主板62の半径は、筐体70の内部空間の半径よりも一回り小さく設定されており、主板62の円周と筐体70との間に隙間が生じている。このリング状の隙間は、回転デトネーション燃焼器10の内部空間11への酸化剤の供給口65となっている。
主板62の吸気口71側の主面62aには、遠心圧縮機ベーン41が設けられている。遠心圧縮機ベーン41は、吸気口71から中心軸に平行な方向に流入する酸化剤の流れを、主板62の主面62aに平行な方向に変えつつ、酸化剤に遠心力を加えることが可能な形状に構成されている。
遠心圧縮機ベーン41の直径は、主板62の直径よりも小さく設定されている。そのため、主板62の主面62aのうち、外周近傍の領域には、遠心圧縮機ベーン41が存在していない。この遠心圧縮機ベーン41が設けられていない領域(主板62の主面62aと筐体70との隙間)は、酸化剤を減速させて静圧を向上させるディフューザ42として機能する。このディフューザ42は、酸化剤の供給口65と連続しており、ディフューザ42において主板62の主面62aに平行に流れる酸化剤は、供給口65で中心軸に平行な方向に変換され、内部空間11の外周側面11cに沿って内部空間11へ供給される。
なお、遠心圧縮機ベーン41の直径は、主板62の直径よりも小さい範囲において、酸化剤の圧縮率などに応じて任意の値に設定することができる。ただし、ディフューザ42として作用する領域の確保と圧縮率向上とのバランスをとるために、遠心圧縮機ベーン41の直径は、主板62の直径の0.50倍以上0.95倍以下とすることが望ましい。より望ましくは0.60倍以上0.93倍以下、さらに望ましくは0.70倍以上0.90倍以下である。
この主板62、遠心圧縮機ベーン41、ディフューザ42によって、吸気口71からの酸化剤を圧縮する遠心圧縮機40が構成されている。すなわち、ローター61の吸気口71側が遠心圧縮機40として機能するように構成されている。
ディフューザ42、あるいは酸化剤の供給口65に、部分的に開閉可能な弁を設け、回転デトネーション燃焼器10での回転デトネーション波の伝搬に合わせて、弁を開閉することにより、回転デトネーション燃焼器10において発生した燃焼ガスが遠心圧縮機40に逆流しないようにしてもよい。具体的には、回転デトネーション波が通過する直前に、その領域の供給口65の一部を弁によって閉じ、回転デトネーション波が通過したら、その領域の供給口65の一部を弁によって開放することで、燃焼ガスが遠心圧縮機40側に逆流しないように制御することができる。
また、主板62の排気口72側の主面62bには、ラジアルタービンベーン64が設けられている。ラジアルタービンベーン64は、回転デトネーション燃焼器10から主板62の主面62bに平行な方向に流入する燃焼ガスの流れを、中心軸に平行な方向に変えつつ、ローター61に円周方向の力を加えて中心軸回りに回転させることが可能な形状に構成されている。
ラジアルタービンベーン64の直径は、回転デトネーション燃焼器10およびステータ50のスペースを十分に確保する点から、主板62の直径の0.8倍以下とすることが望ましい。また、動作開始時間の短縮のためには、主板62の直径の0.6倍以下とすることが望ましい。より望ましくは0.5倍以下である。ただし、十分な出力を確保するために、ラジアルタービンベーン64の直径は主板62の直径の0.2倍以上とすることが望ましく、さらに望ましくは0.3倍以上である。
この主板62、ラジアルタービンベーン64によって、タービン60が構成されている。すなわち、ローター61の排気口72側がタービン60として機能するように構成されている。
このように、実施例1の回転デトネーションエンジンでは、遠心圧縮機40とタービン60が表裏一体に構成されている。これにより、中心軸方向において遠心圧縮機40とタービン60が占める長さが短くなり、回転デトネーションエンジンを小型とすることができる。また、タービン60に発生する熱を遠心圧縮機40側へと効率的に伝導させることができ、遠心圧縮機40の遠心圧縮機ベーン41に当たる酸化剤へと熱を逃がすことができる。これにより、タービン60を効率的に冷却することができる。
なお、実施例1の回転デトネーションエンジンでは、圧縮機として遠心圧縮機40の1段構成としているが、遠心圧縮機40の前段にさらに圧縮機を設けて多段構成としてもよい。また、タービン60の後段にさらにタービンを設けて多段構成としてもよい。
また、実施例1では、燃料ガスが中心軸に垂直な方向に供給され、酸化剤が中心軸に平行な方向に供給されるように構成しており、燃焼ガスの供給方向と酸化剤の供給方向が直交するように構成しているが、必ずしも直交させる必要はない。たとえば、燃料ガスと酸化剤を平行に供給してもよい。ただし、効率的、安定的に回転デトネーション波を発生させるために、燃料ガスの供給方向と酸化剤の供給方向は実施例1のように直交させることが望ましい。
[ステータ50の構成]
ステータ50は、回転デトネーション燃焼器10からのガス流の方向を、タービン60を回転させるのに適した方向に変換する装置である。
ステータ50は、図2、図3に示すように、回転デトネーション燃焼器10とタービン60のラジアルタービンベーン64との間にリング状に設けられた羽根状体であり、筐体70に固定されている。ステータ50を構成する各羽根は、くの字型に曲がった形状をしており、回転デトネーション燃焼器10側は半径方向に伸びる壁状に形成され、ラジアルタービンベーン64側は半径方向に対しておよそ45°を成して伸びる壁状に形成されている。
このステータ50によって、デトネーション燃焼器10から排出されるガスの方向を、タービン60を回すのに適した方向へと変換している。つまり、中心軸に垂直であってその中心方向(半径方向)に向かうガス流の方向を、半径方向に角度を成す方向に変換している。
ステータ50から内部空間11の外周側面11cまでの距離Lは、内部空間11の直径の0.50倍以上0.95倍以下とすることが望ましい。内部空間11を十分に確保し、効率的に回転デトネーション波を発生させるためである。より望ましくは、内部空間11の直径の0.60倍以上0.93倍以下、さらに望ましくは0.70倍以上0.90倍以下である。
なお、ステータ50は必ずしも必要ではないが、タービン60を効率的に回転させるために設けることが望ましい。また、ステータ50の各羽根の形状も、ガス流の方向を変換できる形状であれば上記の形状に限るものではない。
ステータ50によって変換されるガス流の方向は、半径方向(中心軸に向かう方向)に対して角度を成すのであれば任意の角度でよいが、効率的にタービン60を回すためには、半径方向に対してなるべく角度を有するようにする(つまり、周方向に近いようにする)ことが望ましく、半径方向に対して15°以上の角度とすることが望ましい。より望ましくは25°以上、さらに望ましくは30°以上である。ただし、ガス流方向があまりに周方向に近いと、かえってタービンを回す効率が悪化するので、半径方向に対して80°以下とすることが望ましく、より望ましくは75°以下である。
[回転デトネーションエンジンの動作]
次に、実施例1の回転デトネーションエンジンの動作について説明する。
まず、回転デトネーション燃焼器10の内部空間に、燃料供給装置30によって燃料ガスを供給する。また、酸化剤の供給口65からは酸化剤が内部空間11へと流入する。そして、デトネーション開始装置20によって燃料ガスと酸化剤の混合ガスに点火し、デトネーション波を発生させる。そのデトネーション波を回転デトネーション燃焼器10の内部空間に導入する。すると、回転デトネーション燃焼器10の内部空間11に、円周方向に沿って伝搬する回転デトネーション波が発生する。一度発生した回転デトネーション波は、燃料ガスと酸化剤の供給を停止しない限り消滅することはなく、永続的に内部空間11を周回する。
回転デトネーション波は、時計回り、半時計回りのいずれの方向に発生させるものであってもよく、時計回りと半時計回りの両方を発生させてもよい。また、単数の回転デトネーション波を発生させてもよいし、複数個の回転デトネーション波を同時に発生させてもよい。なお、回転デトネーション波はおおよそ円周方向に沿って伝搬するが、伝搬方向は完全に円周方向(半径方向に垂直な方向)と等しいわけではなく、円周方向に対して角度を成した方向に傾斜して伝搬する。
回転デトネーション波が発生すると、回転デトネーション燃焼器10から燃焼ガスが中心軸に垂直な方向(半径方向)であって中心方向に排出される。排出された燃焼ガスは、ステータ50によって半径方向に角度を成す方向に変換される。これにより、タービン60を効率的に回転させることが可能な方向にガス流方向を変換している。
ステータ50からの燃焼ガスは、タービン60のラジアルタービンベーン64によって中心軸に平行な方向に方向が変えられて排気口72から排出されるとともに、ローター61に回転方向の力を加え、ローター61を回転させる。このローター61の回転エネルギーの一部は、動力や推力として外部に取り出される。
ローター61が回転すると、その裏面の遠心圧縮機40の遠心圧縮機ベーン41も回転する。遠心圧縮機ベーン41の回転により、筐体70の吸気口71から取り込まれた酸化剤は圧縮され、酸化剤の供給口65から回転デトネーション燃焼器10の内部空間11へ供給される。このように、回転デトネーション燃焼器10の動作開始によって遠心圧縮機40も自発的に動作を開始させることができる。そして、遠心圧縮機40の動作によって、より高圧の燃焼ガスを発生させることができ、出力の向上を図ることができる。
また、タービン60に発生した熱は、主板62を介して遠心圧縮機ベーン41へと伝導する。そして、遠心圧縮機ベーン41に当たる酸化剤へと熱が伝導して遠心圧縮機ベーン41は冷却される。このようにして、タービン60を効率的に冷却することができる。
以上、実施例1の回転デトネーションエンジンでは、回転デトネーション燃焼器10として内部空間11が円盤状のものを用い、その内部空間11よりも中心軸側にタービン60を配置された構成としているため、回転デトネーションエンジンの軸方向の長さが非常に短くなっている。また、タービン60と遠心圧縮機40の羽根車を表裏一体に構成することで、自発的な遠心圧縮機40の動作を確保しつつ、回転デトネーションエンジンの軸方向の長さがさらに短くなっている。そのため、実施例1の回転デトネーションエンジンは、全体として非常に小型となっている。
また、タービン60が回転デトネーション燃焼器10よりも中心軸側に配置されるため、タービン60の慣性モーメントを小さく取ることができるので、回転デトネーションエンジンの起動時間を短縮することができる。
[変形例]
実施例1では、圧縮機として遠心圧縮機を用いているが、軸流圧縮機などを用いることも可能である。ただし、この場合、実施例1のようにタービンと表裏一体に構成できない。そのため、回転デトネーションエンジンのさらなる小型化、およびタービンの冷却の観点から、実施例1のように遠心圧縮機を用いることが好ましい。
本発明の回転デトネーションエンジンは、発電用、航空機用のガスタービンエンジンなどに利用することができる。
10:回転デトネーション燃焼器
11:内部空間
20:デトネーション開始装置
30:燃料供給装置
33:燃料ガス供給口
40:遠心圧縮機
41:遠心圧縮機ベーン
42:ディフューザ
50:ステータ
60:タービン
61:ローター
62:主板
64:ラジアルタービンベーン
70:筐体
71:吸気口
72:排気口

Claims (9)

  1. 円盤状の内部空間を有し、前記内部空間の外周に沿って回転しながら伝搬する回転デトネーション波を発生させ、燃焼ガスを前記内部空間の半径方向であって中心軸側へと放出する回転デトネーション燃焼器と、
    前記内部空間に回転デトネーション波を発生させるためのデトネーション波を供給するデトネーション開始装置と、
    前記回転デトネーション燃焼器の前記内部空間に、燃料ガスを供給する燃料供給装置と、
    前記回転デトネーション燃焼器の前記内部空間に、酸化剤を圧縮して供給する圧縮機と、
    前記内部空間の前記中心軸側に配置され、前記回転デトネーション燃焼器からの燃焼ガスによって、前記中心軸の回りに回転するタービンと、
    を有することを特徴とする回転デトネーションエンジン。
  2. 前記圧縮機は、円盤状の主板の一方の主面に遠心圧縮機ベーンを設けた遠心圧縮機であり、
    前記タービンは、前記主板の他方の主面にラジアルタービンベーンを設けたラジアルタービンである、
    ことを特徴とする請求項1に記載の回転デトネーションエンジン。
  3. 前記ラジアルタービンベーンの外側に、前記内部空間の前記中心軸と同軸の円環状に配置され、前記回転デトネーション燃焼器から放出される燃焼ガスの方向を、前記半径方向に角度を成す方向へと変換するガス流方向変換部をさらに有する、ことを特徴とする請求項2に記載の回転デトネーションエンジン。
  4. 前記燃料供給装置による前記内部空間への燃料ガスの供給方向と、前記圧縮機による前記内部空間への酸化剤の供給方向は、直交している、ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の回転デトネーションエンジン。
  5. 前記燃料供給装置は、前記内部空間の外周側面であって円周方向に沿って配列された複数の位置から、半径方向に燃料ガスを供給する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の回転デトネーションエンジン。
  6. 前記圧縮機は、前記内部空間の外周側面に沿って前記中心軸に平行な方向に酸化剤を供給する、ことを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の回転デトネーションエンジン。
  7. 前記内部空間の厚さは、前記内部空間11の直径の1/4以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の回転デトネーションエンジン。
  8. 前記内部空間の厚さは、前記内部空間11の直径の1/ 30以上であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の回転デトネーションエンジン。
  9. 前記内部空間の直径は、1cm以上30cm以下である、ことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の回転デトネーションエンジン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109098868A (zh) * 2018-08-02 2018-12-28 西北工业大学 一种脉冲爆震发动机故障诊断系统及方法
CN110360009A (zh) * 2018-04-11 2019-10-22 于勇 多燃料径流脉冲涡轮发动机技术及应用
CN114427689A (zh) * 2022-01-20 2022-05-03 中国空气动力研究与发展中心空天技术研究所 一种可实现超声速流场观测的圆盘形旋转爆震燃烧室

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