JP3445299B2 - ポリマー変性、官能化アスファルト組成物及びその製造方法 - Google Patents

ポリマー変性、官能化アスファルト組成物及びその製造方法

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JP3445299B2 JP04036693A JP4036693A JP3445299B2 JP 3445299 B2 JP3445299 B2 JP 3445299B2 JP 04036693 A JP04036693 A JP 04036693A JP 4036693 A JP4036693 A JP 4036693A JP 3445299 B2 JP3445299 B2 JP 3445299B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、デンスグレードの(den
se graded)及びオープングレードの(open graded) アス
ファルト舗装におけるバインダーとして用いるのに適し
た、改善された粘弾性を有し、貯蔵安定性を有するアス
ファルト組成物並びにそのようなアスファルト組成物を
製造する方法に関する。前記方法は、スルホネート基又
スルホン酸基を含むアスファルト;スルホン化された
ポリマー好ましくはスルホン化されたブチルゴム、スチ
レン−ブタジエンの鎖状ジブロックコポリマー、鎖状ト
リブロックコポリマー、放射状トリブロックコポリマー
(以下スチレン−ブタジエンの鎖状ジブロックコポリマ
ー、鎖状トリブロックコポリマー及び放射状トリブロッ
クコポリマーを「スチレンブタジエン」という)、エチ
レンプロピレンジエンモノマーをベースとするエラスト
マー(「EPDM」)及びこれらの混合物(ここに前記
ポリマーは、135℃で測定して約150〜約2000
cP又は約3000〜約8000cPの組成物粘度を維
持するに充分な全組成物中重量パーセントの量存在す
る);並びに中和剤を組み合わせることを含む。ここで
用いられる「EPDM」は、ポリマー主鎖中のエチレン
及びプロピレン単位並びに主鎖に対する側鎖の位置に通
常存在するジエン成分を含むジエン含有モノマーを含む
ターポリマーを意味する。「EPDM」という用語は更
にASTM D−1418−64に定義されている。こ
の組成物はポリマーの存在に起因して改善された粘弾性
を有することに加えて高温及び低温での貯蔵安定性を示
し、デンスグレードの(dense graded)及びオープングレ
ードの(open graded) 道路舗装用途におけるバインダー
として用いるのに適している。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アスフ
ァルトは、原油の蒸留の後又は原油の蒸留から調製され
る歴青質の物質である。典型的には、アスファルトは真
空蒸留塔の底から得られ、大気圧下での沸点が、一般に
少なくとも350℃である。それは疎水性であり良好な
接着性及び耐侯性を有するので、アスファルトは道路舗
装材料の接着材成分又はバインダー成分として用いう
る。そのように用いるとき、アスファルトは通常骨材
(岩石)と、典型的には骨材約95wt%に対してアス
ファルト約5wt%の割合で混合される。
【0003】しかしながら、アスファルトは温度変化と
共に大きく変化する或る物性を持つ。この故に、その物
性の範囲を延長するためにポリマーがアスファルトにし
ばしば加えられる。ポリマーは、アスファルトの高温粘
弾性を高めることによりアスファルトが暖かい気候中で
クリープを起こしたり車の跡が付いたりする傾向を減ら
しうる。そして、ポリマーは、アスファルトの低温粘弾
性を改善することにより冷たい気候中でのひび割れや剥
がれを最小にしうる。
【0004】しかしながら、全てのアスファルト及びポ
リマーが相溶性のある混合物を形成する訳ではない。
「貯蔵安定性」とは、或る特定の期間、通常は3〜5日
放置しても分離しない1つの連続相又は2つの連続相を
形成することと定義される。ポリマー変性アスファルト
の貯蔵安定性はアスファルトと特定のポリマーの相溶性
に大きく影響される。非相溶性の及び部分的に相溶性の
混合物は容易に相分離を起こす。
【0005】許容しうる程に貯蔵安定であるに充分相溶
性であり、かつ特定の用途のために必要な範囲の粘度及
び軟化点を有するポリマー変性アスファルト組成物を作
るための種々の方法が提案されてきた。例えば、あるも
のは、アスファルト−ポリマー混合物の最終的性質に影
響を与えるために適当なポリマー及び/又は他の添加物
の選択に頼る(例えば、次のものを参照のこと:米国特
許No.4600635は、ビチューメン、オイル、及び
15wt%未満の、金属カチオンで中和したアイオノマ
ーエラストマー(例えばスルホン化した、カルボキシル
化した又はホスホン化したEPDM又はブチルゴム)を
含むビチューメンベースの接着性組成物を用いている;
英国特許No.1534183は、5〜95wt%のエチ
レン/ビニルエステルコポリマーと−O−M−O−、−
O−B−O−又は−O−CRR’−O−橋で部分的に架
橋されたビチューメンとを添加している;また米国特許
No.4882373は、アスファルトを酸で変性し、続
いて酸素含有ガスと接触させ、そして熱可塑性エラスト
マー及び不飽和機能性モノマーを混合している。)。
【0006】他のものは使用前にアスファルトを酸化し
ている。ヨーロッパ特許No.38721(米国特許No.
4371641)は、ポリマー、好ましくは不飽和エラ
ストマー、例えばEPDMもしくはブチルゴム、又は熱
可塑性ポリマー及び適当な充填材を空気ブローしたアス
ファルトに加えて、アスファルトの酸化に対する安定性
を増し、紫外線に対する過敏性を減らすことにより、こ
れを屋根材料に用いるのに適当なものとすると言うこと
を教えている。本発明は空気ブローした(酸化した)ア
スファルトを用いないアスファルト組成物である。
【0007】従って、先行の文献はいずれも、本発明者
がここに開示するスルホネート基又はスルホン酸基の付
加により官能化されたアスファルト、スルホン化された
ポリマー(好ましくはスチレン−ブタジエンコポリマ
ー、ブチルゴム又はEPDM)及び中和剤を組み合わせ
ることにより製造される改善された物理的性質及び貯蔵
安定性を有するアスファルト組成物を、またこれを製造
する方法を教示せず示唆もしていない。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、貯蔵安定性を
有するアスファルト組成物に関する。この組成物はま
た、デンスグレードの(dense graded)及びオープングレ
ードの(open graded) 道路舗装用途におけるアスファル
トバインダーとして用いるのに適する範囲の粘度及び軟
化点を持つ。本発明はまた、この組成物を製造し及び使
用する方法に関し、ここに開示した方法により製造され
た製品を含む。本発明のアスファルト組成物はスルホン
化アスファルト及びスルホン化ポリマーの間の改善され
た相相溶性並びに比較的大きな貯蔵安定性を示す。より
詳しくは、この組成物はスルホネート基又はスルホン
基を含むアスファルト並びにスルホン化され、塩基で中
和されたポリマー、好ましくはブチルゴム、EPDM、
スチレン−ブタジエンコポリマー及びこれらの混合物を
含む。この中性混合物を製造するのに用いられる塩基性
中和剤は、原子価+1〜+3、好ましくは+1及び+2
を持つカチオンを含み、アミン、アンモニア及び元素の
周期律表第IA、IIA、 IIIA族、B族から選ばれたカ
チオンを含む塩基並びにこれらの混合物からなる群から
選ばれる。
【0009】このアスファルト組成物はデンスグレード
の(dense graded)及びオープングレードの(open grade
d) 道路舗装用途におけるアスファルトバインダーとし
て、特に熱混合舗装バインダーとしての用途を持ち、ま
たここに述べる発明の粘度、軟化点、及び貯蔵安定性を
有するアスファルト組成物を必要とする当業者に公知の
他の用途を持つ。
【0010】本発明の1つの態様は改善された粘弾性、
軟化点、及び貯蔵安定性を示すアスファルト組成物を作
る方法である。この方法は、塩基性中和剤;スルホン
基又はスルホネート基を含むように官能化されたアスフ
ァルト;及びブチルゴム、水素化された又は水素化され
ていない(好ましくは非水素化物)スチレン−ブタジエ
ンコポリマー例えばスチレン−ブタジエンジブロックポ
リマー(「SB」)並びにスチレン−ブタジエン−スチ
レン鎖状及び放射状トリブロックポリマー(「SB
S」)(以下これらを合わせて「スチレン−ブタジエ
ン」という)、EPDM並びにこれらの混合物からなる
群から選ばれるポリマーを組み合わせることを含む。
こに前記ポリマーはスルホン化されており、組成物の粘
度を135℃で測定して約150〜約2000cP又は
約3000〜約8000cPに維持するに充分な全組成
物中重量パーセントの量存在する。軟化点は、デンスグ
レード舗装用のバインダーについては約55℃より高く
約65℃迄の範囲が好ましく、オープングレード舗装用
のバインダーについては約60℃〜約75℃の範囲が好
ましい。
【0011】ここで用いられる材料は商業的ソースから
入手しうる。本発明で用いられるアスファルトは真空残
渣(vacuum residua)の種々のソースから入手可能であ
り、その針入度(標準規格ASTM D−5に従って測
定しうる)により分類できる。代表的には、このアスフ
ァルトは名目大気圧沸点少なくとも350℃を持ち、よ
り代表的には440℃を越える沸点を持つ。本発明方法
において、前記アスファルトはスルホン酸基又はスルホ
ネート基を含んで官能化されている。オレウム又は硫酸
スルホン化剤として用い、その化学量論的量を少量づ
つゆっくりとアスファルトに加えるのが好ましい。その
ような方法は当業者に周知である。例えば米国特許No.
3028333、3089842及び4741868並
びにそれらの中の引用文献を参照のこと。
【0012】上述のポリマーは、非反応性溶媒に溶解
し、次いでスルホン化剤を温度−100℃〜+100℃
で加えることによりスルホン化しうる。スルホン化剤は
例えば米国特許No.3642728及び3836511
に詳述されたようなどんな適当なスルホン化剤であって
もよく、当業者に周知である。前述の方法で調製した
ルホン化ポリマーは典型的にはポリマー100g当たり
1〜100ミリグラム当量のSO3H、好ましくは約3
〜60ミリグラム当量/100gポリマーを含む。望み
の範囲のスルホン化は、アスファルト組成物に望まれる
最終的性質に依存する。ポリマーのスルホン化は、ここ
で用いられるどんなポリマーについてもアスファルトと
混合する前に行いうる。そして当業者に公知のどんな方
法によっても行いうる。例えば、スルホン化は硫酸、オ
レウム、又はより好ましくは、アセチルスルフェートを
用いて行いうる。例えば、Organic Synthesis, Collect
iveVol.2, p.482, John Wiley & Co., A. H. Blatt, e
d. (1966) を参照のこと。しかしながら、本発明方法に
おいて、アスファルトとポリマーの未スルホン化混合物
の直接スルホン化(即ち、共スルホン化)によって調製
されるアスファルト組成物もある。この方法は、ポリマ
ーがスチレン−ブタジエン−スチレントリブロックコポ
リマー及びスチレン−ブタジエンジブロックコポリマー
であるとき好ましい。
【0013】スルホネート基又はスルホン酸基を含むア
スファルト及びスルホン化ポリマーを組み合わせて当業
者に公知の全ての方法を用いて混合物を製造しうる。こ
れら方法としては、例えば、アスファルトにとってはジ
クロロエタン、スルホン化ポリマーにとってはトルエン
のような適当な溶媒に攪拌しながら溶解すること;又は
アスファルトを約140℃〜170℃、好ましくは16
0℃に加熱し、その後スルホン化ポリマーを高剪断混合
装置を用いて現場で少しずつ加えながら攪拌し、又は混
合することが挙げられる。用いられる方法は前記アスフ
ァルトとポリマーを組み合わせるに必要な時間に影響を
与えるが、いずれにせよスルホン化ポリマーをアスファ
ルトの全体に分布させるのに充分なものであるべきであ
る。時間は、選ばれた方法により0.5〜24時間にわ
たる。
【0014】前記塩基性中和剤は、原子価+1〜+3を
有するカチオンを含み、アンモニア、アミン、及び周期
律表の第IA、IIA、III A族、B族からなる群から
ばれるカチオンを含む塩基並びにこれらの混合物からな
群から選びうる。好ましい塩基性中和剤は1又はそれ
以上の1価又は2価のカチオン、好ましくは2価のカチ
オンを含むものである。これらは、より好ましくはZn
+2、Ca+2、Ba+2、Mg+2及びこれらの混合
物、最も好ましくはZn+2及びCa+2である。その
ようなカチオンを含む適当な化合物は、例えば酢酸亜
鉛、酸化亜鉛又は酸化カルシウムであり、より好ましく
は酸化カルシウムである。
【0015】この塩基性中和剤は適当な溶媒例えば水/
メタノールに含有させてもよい。また現場で、例えば粉
末状にして又は他の溶解していない形で加えてもよい。
即ち、直接に加熱アスファルトに又はスルホン化アスフ
ァルト−スルホン化ポリマー混合物に加えてもよい。現
場での添加が好ましい。このポリマーとアスファルトは
それぞれ中和前にスルホン化されていなければならな
い。スルホ−アスファルト及びスルホ−ポリマーの中和
の順序は重要ではない。本発明の範囲内で、アスファル
ト及びポリマーを別々にスルホン化し中和した後混合し
てもよく、又はポリマーをスルホン化し中和した後で、
スルホン化アスファルトに加えこの混合物を中和しても
よく、又はスチレン−ブタジエンコポリマーの場合に
は、アスファルトとポリマーの配合物をスルホン化剤で
処理し、この混合物を中和してもよい。スルホン化アス
ファルト及びスルホン化ポリマーを中和するのに充分な
中和剤を加える必要がある。一般にこのためには化学量
論の、又はそれよりやや過剰の中和剤が必要であろう。
【0016】全アスファルト組成物中のスルホン化ポリ
マーの重量パーセントは得られるアスファルト組成物の
望みの物性に基づいて選択される、ゼロより大きいどん
な適当な量であってもよい。しかしながら、EPDM及
びブチルゴムについてはこの量は0wt%より大きく、
好ましくは約1〜約4wt%、より好ましくは2〜3w
t%であり、スチレンブタジエンについてはゼロより大
きく約7wt%迄、好ましくは約3〜5wt%である。
上限は、しばしば加えられるポリマーのコストにより、
又は製品の物性により制限される。
【0017】本発明において、軟化点は相溶性及び貯蔵
安定性の尺度として用いた。もし、160℃で4日間貯
蔵したサンプルの頂部の3分の1及び底部の3分の1が
約4℃の変化の範囲内の軟化点を示せばこのアスファル
ト及びポリマーは相溶性であると判定した。しかし、軟
化点のデータを補足し相の相溶性を確証するために、ア
スファルト組成物の頂部セグメント及び底部セグメント
の光学顕微鏡写真を撮った。
【0018】アスファルトのスルホン化量及び/又は組
成物中のスルホン化ポリマーの量を変えることによりア
スファルト組成物の軟化点及び粘度を調節することが可
能である。これによって得られる組成物の物性は変わる
であろう。本発明のアスファルト組成物は、ポリマーの
存在によってアスファルト単独では見られない補強性も
有するであろう。加えて、この混合物の粘度を特定の用
途に許容しうる範囲に持ってくるために必要であれば、
このアスファルト組成物に融剤(即ち、当初のアスファ
ルト)を加えてもよい。加えるべき融剤の量は出発材料
の粘度及び最終製品の粘度に依存するであろう。特定の
用途はここに開示した内容を見て当業者が容易に決定し
うる。
【0019】本発明の他の態様は上述の方法により製造
されるアスファルト組成物を包含する新規なアスファル
ト混合物である。
【0020】このアスファルト組成物は、スルホネート
基又はスルホン酸基を含むアスファルト;並びにスルホ
化されたスチレン−ブタジエンコポリマー、例えばス
チレン−ブタジエンジブロックコポリマー、スチレン−
ブタジエン−スチレン鎖状トリブロックコポリマー、ス
チレン−ブタジエン−スチレン放射状トリブロックコポ
リマー、EPDM、ブチルゴム及びこれらの混合物を含
む中性混合物からなる。ポリマーの好ましい量は、EP
DM及びブチルゴムについてはゼロより多く4wt%
迄、好ましくは2〜3wt%、スチレン−ブタジエンに
ついては約2〜7wt%、好ましくは3〜7wt%であ
る。
【0021】この中性混合物は原子価+1〜+3、特に
+1、+2及び+3を有する塩基性中和剤のカチオンを
含む。この塩基性中和剤は、好ましくはアンモニア、ア
ミン及び周期律表第IA、IIA、III A族、B族から選
ばれるカチオンを含む塩基並びにこれらの混合物から選
ばれる。好ましいものは、1価及び2価のカチオン、よ
り好ましくは2価のカチオンである。これらの内でZn
+2及びCa+2がより好ましい。
【0022】
【実施例】以下の実施例により本発明を説明するが、こ
れらは本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【0023】(例1) 以下のデータは、許容しうる貯蔵安定性を得るために
は、ポリマー及びアスファルトの両方がスルホン化され
ていなければならないことを証明しようとするものであ
る。以下の配合物(a)〜(d)は、同じビチューメン
から全てポリマー4wt%として調製して得たものであ
る: (a)ビチューメン及びEPDM、 (b)ビチューメン及びZn−スルホ−EPDM、 (c)EPDM及び13ミリグラム当量/100gスル
ホン化ビチューメン、並びに (d)Zn−スルホ−EPDM及び13ミリグラム当量
/100gスルホン化ビチューメン。160℃で4日放
置した頂部及び底部のフラクションの軟化点は次のよう
なものである: (a)152°F(67℃)及び136°F(58
℃); (b)165°F(74℃)及び131°F(55
℃); (c)160°F(71℃)及び142°F(61
℃); (d)144°F(62℃)及び140°F(60
℃)。 軟化点データに基づいてサンプル(d)のみが貯蔵安定
性を持っていると判定された。この貯蔵安定性は光学顕
微鏡により確認され、これはサンプル(d)のみが同様
な頂部及び底部の相を示した。他のサンプルはポリマー
が頂部相に集中していることを示した。
【0024】(例2) アスファルトの官能化(スルホン化)のための典型的な
合成及びそれに引き続くポリマーとの配合を次に示
す:
【0025】357.4gのビチューメンを樹脂フラス
コに入れ、150℃に加熱した。5.0mlのオレウム
(硫酸中SO315wt%)を、スルホン化剤として、
攪拌しながら滴々加えた。温度はオレウムを使っている
うちに2〜5℃上昇した。パドルブレード及び空気駆動
モーターを用いてこの混合物を45分攪拌した。7.1
5gのZn−スルホン化EPDMを小片にして5分かけ
て加え、攪拌を45分続けた。7.65gのZnO中和
剤を加え、45分攪拌した。この製品を熱いまま(15
0℃)貯蔵容器に注入した。
【0026】(表) 次の第1表及び第2表はアスファルト単独;中和さ
れ、官能化された(スルホン化された)アスファルト−
スルホン化ポリマー;及び塩基性中和剤の対イオン構造
における変形を含むアスファルト及びポリマーの種々の
重量パーセントでの目標についてのデータを示す。道路
舗装材料におけるバインダーとしての使用のためには、
本発明のアスファルト組成物はデンスグレードの(dense
graded)バインダーについては135℃で測定した粘度
150〜2000cP及び125〜145°Fの軟化点
を、並びにオープングレードの(open graded) 配合物に
ついては135℃で測定した粘度3000〜8000c
P及び140°Fより大きい軟化点を持つべきである。
【0027】全ての配合物が160℃で4日放置したの
ち貯蔵安定性があると測定された。軟化点は初期と4日
経った後に測定した。この手順はASTM試験D36に
基づいている。初期に調製された混合物の粘度を第1表
及び第2表に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 (a)ビチューメン環球装置による軟化点のためのAS
TM D36標準試験方法。 (b)平均T&Bは、サンプルの頂部3分の1及び底部
3分の1の平均軟化点を意味する。いずれの場合も頂部
及び底部の間の変化は4℃より大きくなかった。 (c)ブルックフィールドサーモセル装置を用いる未充
填アスファルトの粘度のためのASTM D4402標
準試験方法。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】 (a)表中、スルホン化剤は用いた中和剤の下に示し
。 (b)ビチューメン環球装置による軟化点のためのAS
TM D36標準試験方法。 (c)平均T&Bは、サンプルの頂部3分の1及び底部
3分の1の平均軟化点を意味する。T&Bの間の変化は
4℃未満であった。 (d)ブルックフィールドサーモセル装置を用いる未充
填アスファルトの粘度のためのASTM D4402標
準試験方法。 (e)Zn−スルホン化−EPDMの代わりにNa−
ルホン化−EPDMを用いた。ポリマーを中和するのに
異なる対イオンを用いることができ、許容しうる粘度を
有する配合物を生ずることをデータは示している。
【0032】(例3) この例は、ポリマー−アスファルト混合物の直接スルホ
化及び中和によって、例1の手順で得られるのと同様
のアスファルト組成物が得られることを説明しようとす
るものである。
【0033】(a)Baytown AC−5ビチュー
メン(372.1g)を樹脂フラスコに入れて160℃
に加熱し、11.2gのスチレン−ブタジエン−スチレ
ン放射状トリブロックコポリマーを攪拌しながら添加し
た。この混合物を、高剪断ミキサーを用いて60分間加
熱した。この配合物に、5.2mlのオレウムを滴々添
加した。1時間攪拌した後、2.75gの酸化カルシウ
ムをこの混合物に添加し、攪拌を追加の1時間続けた。
【0034】(b)他の樹脂フラスコにて、413.4
gの同じAC−5ビチューメンを160℃に加熱し、
5.8mlのオレウムを滴々添加した。45分間加熱し
た後、12.5gのZn−スルホン化スチレン−ブタジ
エン−スチレン放射状トリブロックコポリマーを攪拌し
ながら添加した。45分後に、3.1gの酸化カルシウ
ムを添加し、この混合物を高剪断攪拌機で2時間攪拌し
た。
【0035】手順(a)で得られたアスファルト組成物
は、135℃(275°F)で粘度が2690cPであ
り、160℃で4日経過後頂部及び底部のサンプルの軟
化点は、それぞれ62.7℃(145°F)であり、優
れた貯蔵安定性を示した。手順(b)で得られた製品は
135℃(275°F)で粘度2535cPであり、1
60℃で4日経過後頂部及び底部のサンプルの軟化点
は、それぞれ63.3℃(146°F)及び62.2℃
(144°F)であった。
【0036】(例4) アスファルト(AC−5)を、スルホン化しCaOで中
和したポリマーと組み合わせた。
【0037】以下の表はポリマー0wt%及び3wt%
についての軟化点及び粘度のデータを示す。「スルホン
化量(wt%)」の欄に出て来る文字「C」は、例3
のようにアスファルトとポリマーを共スルホン
し、次いで中和したことを示す。他の全ては別々にスル
ホン化した。
【0038】以下の表は、全組成物の3wt%に等しい
量のスチレン−ブタジエン−スチレン放射状トリブロッ
クコポリマーとアスファルトとの中性配合物を形成する
ことにより、オープングレードのアスファルト(300
0〜8000cP)舗装用の目標に入る粘弾性を持つ本
発明のアスファルト組成物が作れること、及び適当な量
の融剤を加えることにより粘弾性を調節してデンスグレ
ードのアスファルト舗装におけるバインダー用の目標
(150〜2000cP)に入るアスファルト組成物を
作りうることを示す。軟化点は、当初に、及び4日後の
サンプルの頂部の3分の1(「T」)及び底部の3分の
1(「B」)について測定した。サンプルBは例3
に述べた方法により調製した。サンプルDは例3bに
述べた方法により調製した。
【0039】
【表5】 a=計算値(注) サンプル(A):出発アスファルト(AC−5)。 (B):サンプル(A)+3wt%SBS放射状トリブ
トック;例3aの方法で調製。 (C):サンプル(B)+35wt%融剤。 (D):サンプル(A)+3wt%SBS放射状トリブ
トックコポリマー;例3bの方法で調製。 (E):サンプル(D)+25wt%融剤。 (F):サンプル(D)+50wt%融剤。 サンプル(B)〜(F)は相溶性のある配合物を形成し
た。サンプル(D)の粘度は高かったけれども、これは
再配合してデンスグレードの又はオープングレードのバ
インダーを製造するための出発材料として適している。
アスファルト−ポリマー混合物に追加のスルホン
を行わなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、アスファルト単独に較
べて改善された粘弾性、軟化点及び貯蔵安定性を有する
官能化されたアスファルト組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダニエル ジェイムズ マクヒュー アメリカ合衆国,ニュージャージー,エ ディソン,ウエスト グラント アベニ ュ 204 (56)参考文献 特開 昭48−28594(JP,A) 特開 昭50−89297(JP,A) 特開 平6−172427(JP,A) 特開 昭60−238129(JP,A) 特開 昭58−174490(JP,A) 欧州特許441285(EP,B1) 米国特許4371641(US,A) 特許70852(JP,C1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08L 23/00 - 23/36 C08L 53/00 - 53/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スルホン化により官能化されているアス
    ファルト; ブチルゴム、スチレン−ブタジエン−スチレン鎖状トリ
    ブロックポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン放
    射状トリブロックポリマー、スチレン−ブタジエン鎖状
    ジブロックポリマー、EPDM及びこれらの混合物から
    なる群から選ばれるポリマーであってスルホン化されて
    いるもの;並びに塩基性中和剤; を組み合わせることを含む貯蔵安定性アスファルト
    組成物の製造方法であって、ここで前記ポリマー
    〜100ミリグラム当量SO3H/100gポリマーの
    範囲でスルホン化されており、且つ前記ポリマーがEP
    DM又はブチルゴムの場合には、組成物の全重量に基づ
    いて、前記ポリマーが0wt%超4wt%以下の量で存
    在し、また前記ポリマーがスチレン−ブタジエン−スチ
    レン鎖状トリブロックポリマー、スチレン−ブタジエン
    −スチレン放射状トリブロックポリマー及びスチレン−
    ブタジエン鎖状ジブロックポリマーからなる群より選択
    されるポリマーの場合には、組成物の全重量に基づい
    て、前記ポリマーが0wt%超7wt%以下の量で存在
    して、135℃で測定したときに150〜2000cP
    の粘度、又は135℃で測定したときに3000〜80
    00cPの粘度を有する貯蔵安定性のアスファルト組成
    物を形成する、貯蔵安定性のアスファルト組成物の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 アスファルトとポリマーとの貯蔵安定性
    中和された混合物を含む貯蔵安定性が改良されたア
    スファルト組成物であって、 前記アスファルトがスルホン化により官能化されてお
    り、 前記ポリマーブチルゴム、スチレン−ブタジエン−
    スチレン鎖状トリブロックポリマー、スチレン−ブタジ
    エン−スチレン放射状トリブロックポリマー、スチレン
    −ブタジエン鎖状ジブロックポリマー、EPDM及びこ
    れらの混合物からなる群から選ばれ、且つ1〜100ミ
    リグラム当量SO3H/100gポリマーの範囲でスル
    ホン化されており且つ 前記ポリマーがEPDM又はブ
    チルゴムの場合には、組成物の全重量に基づいて、前記
    ポリマーが0wt%超4wt%以下の量で存在し、前記
    ポリマーがスチレン−ブタジエン−スチレン鎖状トリブ
    ロックポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレン放射
    状トリブロックポリマー及びスチレン−ブタジエン鎖状
    ジブロックポリマーからなる群より選択されるポリマー
    の場合には、組成物の全重量に基づいて、前記ポリマー
    が0wt%超7wt%以下の量で存在して、135℃で
    測定したときに150〜2000cPの粘度、又は13
    5℃で測定したときに3000〜8000cPの粘度を
    する、 貯蔵安定性が改良されたアスファルト組成物。
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