JP3443010B2 - 共振器及び電子スピン共鳴測定装置 - Google Patents

共振器及び電子スピン共鳴測定装置

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JP3443010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、共振器及び電子ス
ピン共鳴測定装置に係り、特に、共振周波数を変化する
ことのできる電子同調可能なサーフェイスコイル型(表
面コイル型)の共振器、及び、この共振器を用いて自動
周波数制御により電子スピン共鳴(Electron Spin Reso
nance :ESR)を測定するESR測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ESR法は、電子が有する磁気
モーメントの運動を利用して、不対電子を持った原子や
分子を直接検出することができる有効な測定方法であ
る。通常、電子は、原子又は分子軌道に対をなして含ま
れるが、遷移金属イオンやラジカルではそれらの軌道に
例えば1個の電子のみが存在する場合がある。このよう
な電子を、不対電子という。また、最近、生体に自然発
生するフリーラジカル(不対電子をもつ分子)が、癌や
老化等に関係しているのではないかと言われ、医学や生
物学などの分野で話題になっている。フリーラジカル
は、化学反応性が高いため、非破壊的に測定する現在唯
一の有効な方法がESR法である。ESR法の応用分野
は、化学、物理学、生物学、医学など広範囲にわたる。
【0003】ESR装置には、主に、パルスESR法と
連続波ESR法(Continuous Wave−ESR法、CW−
ESR法)がある。CW−ESR法は、マイクロ波の周
波数を一定にし、磁場掃引を行うことにより、ESR信
号を測定するものである。この際、磁場変調をかけるこ
とにより、電子スピン共鳴を高感度に測定することがで
きる。
【0004】ESR装置においては、計測対象である試
料を内部に又は近接して配置することによりESR信号
を計測するために、共振器が使用される。従来技術とし
て、例えば米国特許第4,714,886号(1987)には、Halpern
の共振器と呼ばれるループ・ギャップ共振器が記載され
ている。これは、計測する対象(例えばマウス等)をギ
ャップを有する円筒状の容器中に配置して測定するもの
である。基本的な整合の調整は、平行板コンデンサの間
隔を機械的に調整することにより実現される。また、米
国特許第5,494,030号(1996)には、ループ・ギャップ共
振器の容量部に可変容量コンデンサを付加したものが記
載されている。ここでも、共振器の整合の調整は、結合
コイルを機械的に移動することにより調整される。この
他に、従来、共振器の容量部に誘電体を出し入れするこ
とにより、機械的に共振器の共振周波数を制御するよう
にしたものもある(例えば、Journalof Magnetic Reson
ance, Series B, Vol.108, pp.67-72, 1995参照)。
【0005】さらに、従来、サーフェイスコイル及び平
衡伝送線路を用いたサーフェイスコイル型の共振器が、
電子スピン共鳴計測に使用されている(例えば、H. Hir
ata,H. Iwai, and M. Ono, "Analysis of a flexible s
urface-coil-type resonator for magnetic resonance
measurements," Review of Scientific Instruments, V
ol. 66, No. 9, pp. 4529-4534 (1995)、H. Hirata and
M. Ono, "Impedance-matching system for a flexible
surface-coil-type resonator," Review ofScientific
Instruments, Vol. 68, No. 9, pp. 3528-3532 (1997)
等)。
【0006】図10に、従来のサーフェイスコイル型共
振器の構成図を示す。この共振器は、サーフェイスコイ
ル51及び平衡線路52を備える。サーフェイスコイル
51は、1ターンコイルで構成され、平衡線路52は、
50Ωの2本の同軸ケーブルにより構成される。平衡線
路52の一端は短絡され、他端はサーフェイスコイル5
1に接続される。この共振器は、ティーアダプタ53か
ら、整合回路を介してマイクロ波が給電されることによ
り、整合が調整される。このとき整合回路としては、例
えば2つのトリマコンデンサを用いた回路を使用するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般
に、ESR法で生体計測を行う際、生体試料の呼吸、鼓
動、脈、不意の動きや体の移動、周囲の環境変化等によ
り、共振器の共振周波数が変化する。従来は、このよう
な変化によって、試料に与えられるマイクロ波発振器の
発振周波数と、試料が配置された共振器の共振周波数と
が一致しなくなり、ESRスペクトラムを安定して計測
できなかったり、検出できなくなる場合があった。本発
明は、以上の点に鑑み、共振器の共振周波数を制御する
ことができるサーフェイスコイル型の共振器、及び、こ
のような共振器の共振周波数を発振周波数に追尾させる
ように、自動周波数制御(AFC)回路を用いて制御す
るようにしたESR装置を提供することを目的とする。
【0008】より詳細には、本発明は、次のような課題
を解決するものである。 (1)従来において共振器の整合は、結合コイルやキャ
パシタ等を機械的に移動することにより実現されてい
た。特に、圧電アクチュエータを使用した場合、機械的
な構成部品の移動には大きな電圧が必要であった。本発
明は、整合のための機械的な機構をなくして電子化する
ことで、低電圧の電源での駆動を可能にすると共に、応
答速度を早くし、安価で容易に制作することができる共
振器を提供することを目的とする。さらに、本発明は、
機械的な可動部がないため、機械的共振・振動のない共
振器を提供することを目的とする。 (2)従来のループ・ギャップ共振器は、その中に入る
試料しか計測することができなかった。本発明は、表面
コイルを計測対象の表面に当てて計測するサーフェイス
コイル型とすることで、試料の大きさ・形状に関わら
ず、表面から試料を計測することができる共振器を提供
することを目的とする。
【0009】(3)従来のサーフェイスコイル型共振器
では、伝送線路が平衡型の線路で、給電に用いる線路
(同軸線路)が不平衡型の線路であるにも拘わらず、平
衡・不平衡変換が行われていなかった。そのため、共振
器が平衡型であるものの、整合回路によって線路のバラ
ンスが崩れてしまっていた。本発明は、平衡・不平衡変
換回路(例えば、バラン)を用いて、伝送線路の外部導
体に流れる高周波電流により生じる不要輻射を抑えるこ
とを目的とする。 (4)本発明は、生体計測を対象とするような電子スピ
ン共鳴計測にも適した、高感度な共振器及びESR装置
を提供することを目的とする。また、本発明は、生体試
料等からの微量なスピン共鳴信号を比較的大きな信号と
して高感度に検出できるようにし、医学・薬学・生化学
等の分野以外にも、臨床応用等に幅広く使用できること
を目指した共振器及びESR装置を提供することを目的
とする。
【0010】(5)従来、計測中のESR装置に自動周
波数制御が作動しているときは、共振周波数に応じて搬
送波周波数が常に変動していることになる。これは、電
子スピン共鳴が起こる次式の条件において、搬送波周波
数fが変動していることを意味する。 (プランク定数)h×(搬送波周波数f)=(電子のg
因子)×(ボーア磁子β)×(直流磁界H) 搬送波周波数fは、共鳴が起こる磁界と比例関係にある
ので、共鳴が起こる磁界も変動することになる。通常の
CW−ESR装置では、磁界を掃引してスペクトルを観
測するので、計測中に電子スピン共鳴が起こる磁界が変
動していると、スペクトルの線幅が正確に計れなくな
る。本発明は、搬送波周波数を一定とし、共振周波数を
搬送波周波数に一致するように自動制御を行い、共振周
波数を極めて高度に安定化した共振器及びESR装置を
提供することを目的とする。すなわち、本発明は、搬送
波周波数fを固定して共鳴が起こる磁界を変動しないよ
うにすることにより、ESRスペクトル及びスペクトル
の線幅を安定して正確に計測することを目的とする。 (6)一般に、特に生きているマウス等の生体試料を測
るときには、鼓動や呼吸により実験動物が動き、通常は
共振周波数が変動する。本発明は、このような計測中の
生体試料の動き等による擾乱や外乱があっても、整合及
び共振周波数を電子的に制御することにより、共振器の
共振周波数を安定化し、ESRスペクトルを安定且つ正
確に計測することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の共振器は、主
に、サーフェイスコイル、平衡線路、平衡・不平衡変換
器(半波長の長さの線路やUバラン等)及び可変容量ダ
イオード等を備え、平衡線路に接続された可変容量ダイ
オードの容量を外部から印加される電圧により電子的に
制御することにより、共振器の整合及び共振周波数を制
御できるようにした。
【0012】本発明の第1の解決手段によると、試料に
近接又は接触して配置されるサーフェイスコイルと、第
1及び第2の一端及び第1及び第2の他端を有し、前記
サーフェイスコイルが第1及び第2の一端に接続された
平衡線路と、前記平衡線路の第1及び第2の他端に接続
された平衡・不平衡変換器と、前記平衡線路の第1の他
端に接続され、共振周波数制御電圧が供給されることに
より、共振周波数を制御するための共振周波数制御回路
と、前記平衡線路の第2の他端に接続され、整合制御電
圧が供給されることにより電子スピン共鳴装置との整合
を制御し、試料へ供給される搬送波が入力され、試料か
らの反射波が出力される整合制御回路を備えた共振器を
提供する。
【0013】本発明の第2の解決手段によると、自動周
波数制御(AFC)参照信号を発信するAFC用発振器
と、AFC参照信号により周波数変調された搬送波を発
振する発振器と、前記発振器からの搬送波を共振器と近
接又は接触した試料に供給し、試料から反射された反射
波を検波する検波器と、前記検波器からの検波出力と前
記AFC用発振器からのAFC参照信号とに基づいて、
共振器の共振周波数を制御するための共振周波数制御電
圧を出力する位相検波回路を備えた上述のような共振器
を有する電子スピン共鳴測定装置を提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、本発明に係る共振器の構
成図を示す。本発明に係る共振器は、サーフェイスコイ
ル1、共振周波数制御回路2、整合制御回路3、平衡線
路4、平衡・不平衡変換器5、同軸ケーブル6を備え
る。
【0015】サーフェイスコイル1は、例えば、半径r
の1ターンコイルで構成することができる。なお、ター
ン数及び形状等は、これに限らず適宜変更することがで
きる。平衡線路4は、例えば、2本の同軸ケーブルを並
列に接続することにより構成されている。平衡線路4
は、サーフェイスコイル1と組み合わせることで共振回
路を構成する。ここで、平衡線路4とサーフェイスコイ
ル1だけに注目し、平衡線路4は、一方の端がサーフェ
イスコイル1と接続されており、もう一方の端が開放端
になっているとする。このとき、平衡線路4は、サーフ
ェイスコイル1から平衡線路4側を見た入力インピーダ
ンスが、搬送波周波数においてサーフェイスコイル1の
インダクタンスと共振するような容量性インピーダンス
になるように、線路長が調整されている。平衡線路の長
さlは、式で表すと以下のようになる。 l=(1/β)tan−1(Zparallel/ωL)+nλ/
2 (ここで、β:平衡線路の位相定数、ω:共鳴角周波
数、L:サーフェイスコイルのインダクタンス、Z
parallel:特性インピーダンス、n:自然数、λ:線路
内の搬送波波長)
【0016】平衡・不平衡変換器5は、平衡線路4と不
平衡線路の間の平衡・不平衡変換と、インピーダンス変
換とを行う。ここでは、平衡・不平衡変換器5として、
例えば、Uバランを使用することができる。平衡・不平
衡変換器5は、例えば、半波長の長さに調整されてお
り、インピーダンスを4:1に電圧比を2:1に変換す
る。平衡線路4を構成する下側同軸ケーブルに印加され
る電圧(即ち、キャパシタCを介して印加される電
圧)は、平衡・不平衡変換器5を構成する半波長の線路
を通って位相が180度遅れて(逆位相で)、平衡線路
4の上側同軸ケーブルにも印加される。したがって、平
衡線路4を構成している2本の同軸ケーブルには、それ
ぞれ逆位相の電圧が印加されることになり、平衡・不平
衡変換が行われる。
【0017】また、サーフェイスコイル1、平衡線路4
及び平衡・不平衡変換器5は、閉路を形成しており、こ
の閉路には、変調磁界(例えば100kHz)により電
磁誘導が生じる。この電磁誘導により、ふたつの可変容
量ダイオードCDT及びC に印加されている逆バイ
アスが変調される。よって、マッチングが変調磁界の周
波数で変動することになり、反射波が生じる。これを防
ぐために、バランの中央(電圧最低、電流最大の位置)
とグランドとの間にチョークコイルLを接続する。こ
れにより、閉路は直流的にはグランドと同電位となり、
電磁誘導の影響を減らすことができる。
【0018】共振周波数制御回路2は、図中平衡線路4
の上側に付加されている回路であり、共振周波数の制御
を行う。共振周波数制御電圧Vを印加することによ
り、インピーダンスを変化させて、サーフェイスコイル
1及び平衡線路4を含む共振器本体の共振周波数を制御
する。
【0019】共振周波数制御回路2は、平衡線路4の同
軸ケーブルの一端にキャパシタCと可変容量ダイオー
ドCDTが直列に接続されており、それがグランドに接
続されている。キャパシタCと可変容量ダイオードC
DTが、チューニング・キャパシタを構成する。可変容
量ダイオードCDTの容量を変えることにより、平衡線
路4に付加されているキャパシタCと可変容量ダイオ
ードCDTとの合成静電容量が変化することになる。こ
の変化により、平衡・不平衡変換器5から平衡線路4側
を見たときの入力インピーダンスが変化し共振周波数が
変わることになる。
【0020】可変容量ダイオードCDTの容量を変化す
るためには、これに印加する逆バイアス電圧を変化させ
るようにする。逆バイアス電圧を印加するための回路
は、抵抗R、キャパシタC及びチョークコイルL
を含む。チョークコイルLは、高周波数ではインピー
ダンスが高く、低周波数ではインピーダンスが低くなる
ものである。抵抗Rは、共振器から端子に漏れてくる
高周波に対してインピーダンスを高くすること、及び、
回路素子が短絡したときに大きな電流が流れないように
するためのものである。したがって、使用している搬送
波周波数(例えば、1GHz等)ではチョークコイルの
インピーダンスが高いので、共振器側から周波数制御電
圧Vを印加する端子の方へは搬送波は漏れない。逆バ
イアスの直流電圧に対しては、チョークコイルLはイ
ンピーダンスが低いので、そのまま電圧が印加される。
また、キャパシターCは、チョークコイルと逆の動作
をする。すなわち、搬送波周波数に対しては低いインピ
ーダンスでグランドに落とされおり、一方、直流に対し
ては開放と等価になる。このキャパシタCとチョーク
コイルLによって、端子に加えられた逆バイアス(直
流)の共振周波数制御電圧Vは、可変容量ダイオード
DTに印加されるものの、共振器本体(サーフェイス
コイル1、平衡線路4及び平衡・不平衡変換器5)に蓄
えられている高周波は、端子側に漏れてこない回路にな
っている。
【0021】整合制御回路3は、図中平衡線路4の下側
に付加されている回路であり、マッチング(整合)を制
御する。整合制御回路3は、この例では、3つのキャパ
シタC、C及びCDMを含み、T形のマッチング回
路を構成している。キャパシタC、Cと可変容量ダ
イオードCDMが、マッチングキャパシタを構成する。
可変容量キャパシタCDMの容量を変えることにより、
共振器本体(サーフェイスコイル1、平衡線路4及び平
衡・不平衡変換器5)と同軸ケーブル6の間の整合を取
る。
【0022】抵抗R、キャパシタC及びチョークコ
イルLは、共振周波数制御回路2の場合と同様に、可
変容量ダイオードCDMに逆バイアスを印加する。可変
容量ダイオードCDMの一方にチョークコイルLが接
続されており、グランドに接続されている。これによ
り、直流的には電位をグランドと等しくし、高周波では
インピーダンスが大きくなり、開放と等価とするもので
ある。よって、高周波では同軸ケーブル6の中心導体に
直列に可変容量ダイオードCDMが接続されるようにな
っている。
【0023】ここで、共振周波数制御電圧Vと整合制
御電圧Vの調整については、例えば次のように行うこ
とができる。まず、簡単な方法としては、例えば、各々
直流電源等を用いることにより、操作者が印加する電圧
を適宜調整する方法である。また、例えば、共振周波数
制御電圧Vについては、試料からの反射波等に基づき
自動的に共振周波数を制御する自動チューニング回路や
後述するような自動周波数制御回路を設けることにより
フィードバック制御を行うことができる。同様に、整合
制御電圧Vについても、試料からの反射波や電子スピ
ン共鳴信号等に基づき自動的に整合を調整する自動マッ
チング制御回路を付加することにより、フィードバック
制御を行うこともできる。なお、キャパシタC〜C
は、適宜省略すること及び他の素子に変更することもで
きる。
【0024】同軸ケーブル6は、例えば、50オームや
75オームの特性インピーダンスのもの等を用いること
ができる。同軸ケーブル6は、電子スピン共鳴装置(例
えば、CW−ESR装置、分光器等)の方向性結合器等
に接続され、試料へ供給される搬送波が入力され、試料
からの反射波が出力される。同軸ケーブル6は、可変容
量ダイオードCDMの他端に搬送波周波数を入力するこ
とにより、平衡線路4及びサーフェイスコイル1を介し
て試料に搬送波を供給し、一方、試料からの反射波をサ
ーフェイスコイル1及び平衡線路4を介して出力する。
なお、搬送波の周波数帯に応じて、同軸ケーブル6の代
わりに、導波管等の適宜の高周波線路を用いることがで
きる。
【0025】ESR装置においては、搬送波周波数(例
えば、連続波)が、高周波線路(例えば、同軸ケーブ
ル、導波管等)を介して共振器本体に入射される。共振
器は、電子スピン共鳴が起こらないときにマッチングが
取れている状態に調整しておく。このとき、共振器のマ
ッチングが取れていると反射は起こらない。一方、サー
フェイスコイル1に接している試料において電子スピン
共鳴が起こると、共振器の入力インピーダンスが変化す
る。すると、マッチングが崩れ、共振器からの反射波が
生じることになる。この反射波を、ESR装置で受信す
ることにより、ESR信号の測定が行われる。
【0026】なお、図1において、共振周波数制御回路
2、整合制御回路3、平衡・不平衡変換器5及び各チョ
ークコイルは、シールドケース内に入れることができ
る。これにより、各制御回路が変調磁界の影響を防ぐこ
とができる。
【0027】つぎに、このような共振器の特性について
説明する。図2に、整合制御回路3の容量変化に対する
共振周波数特性を表すグラフを示す。この図は、整合制
御回路3の可変容量ダイオードCDTに対する共振周波
数を計算したシミュレーション結果を示したものある。
可変容量ダイオードCDTの容量変化に対して、周波数
整合のためのキャパシタCは変化するが、他のパラメ
ータは固定して計算された。図示のように、可変容量ダ
イオードCDTの容量変化に応じて、共振周波数が調整
される。
【0028】つぎに、図3に、整合制御回路3の容量変
化に対する散乱行列係数を表すグラフを示す。この図
は、整合制御回路3の可変容量ダイオードCDMに対す
るリターンロスS11を計算したシミュレーションであ
る。すなわち、図示のグラフは、キャパシタC及びC
、可変容量ダイオードCDTの容量を一定として、散
乱係数S11をCDMの関数として計算したものであ
る。このとき、キャパシタCの値を変化させるとマッ
チングの取れる可変容量ダイオードCDMの容量値が変
わる。可変容量ダイオードCDMの容量の可変範囲は、
使用する素子によって決まっているので、その可変範囲
内で上手くマッチングが取れるようにキャパシタC
値を選択しておく必要がある。ここでは、一例として、
使用している素子は0.7pFから4.0pFくらいの
範囲で可変することができるものである。
【0029】散乱行列の係数は、次式で表される。 S11=10log10(Pref/Pin) ここで、Prefは反射電力、Pinは入力電力であ
る。すなわち、S11は、リターンロスの値を示すもの
で、入力した電力に対する反射電力の対数比である。反
射がない(整合している)場合、S11はマイナスの大
きな値となる。
【0030】図4に、共振周波数制御電圧V又は整合
制御電圧Vを変化させたときの共振周波数とリターン
ロスの変化についてのグラフを示す。図4(A)に、共
振周波数制御電圧Vを変化させたときの共振周波数と
リターンロスの変化についてのグラフを示す。図示され
るように、共振周波数制御電圧Vを変化させていく
と、共振器の共振周波数が変化する。このとき、リター
ンロスも変化するが、リターンロスはほぼ一定なってい
る状態が好ましい。なお、回路係数等を調整したり、回
路素子を付加すること等により、さらに改善されたデー
タを得ることができる。
【0031】図4(B)に、整合制御電圧Vを変化さ
せたときの共振周波数とリターンロスの変化についての
グラフを示す。図示されるように、整合制御電圧V
変化させると、共振器のマッチングが調整される。リタ
ーンロスが一番大きいところが一番よくマッチングが取
れていることを示す。このとき、図示のように、共振周
波数はあまり変化しない状態が望ましい。
【0032】つぎに、自動周波数制御(AFC)につい
て説明する。図5に、共振周波数と搬送波周波数との説
明図を示す。この図は、共振器に周波数変調された搬送
波(マイクロ波)を印加し、測定出力(例えば、ESR
装置の検波回路からの出力)を示したものである。図5
(A)は、共振器の共振周波数とマイクロ波の周波数と
が一致しているときの場合を示す。この場合、測定出力
として、変調信号の2倍の周波数で信号が出力される。
この出力信号に対して、変調信号(例えば70kHz)
を参照信号に用いて位相検波すると、自動周波数制御回
路の制御電圧は出力されない。一方、図5(B)に示さ
れるように、共振器の共振周波数とマイクロ波の周波数
がずれている場合、測定出力として変調周波数と同じ周
波数の信号が得られる。この信号を検波すると、自動周
波数制御回路の制御電圧が出力される。この制御電圧を
マイクロ波発振器にフィードバックさせると、共振器の
共振周波数にマイクロ波発振器の周波数が追従し、共振
周波数とマイクロ波周波数とを一致させることができ
る。この逆に、制御信号を共振器にフィードバックして
共振周波数を変化させると、マイクロ波発振器の周波数
に共振器の共振周波数が追従し、共振周波数とマイクロ
波周波数とを一致させることができる。
【0033】図6に、ESR装置のAFC回路に関する
概略構成図を示す。この構成は、搬送波周波数を固定
し、共振器の共振周波数を搬送波周波数に一致させるた
めの自動周波数制御回路のダイアグラムである。本発明
に係るESR装置は、発振器101、共振器102、方
向性結合器103、検波器105、ハイパスフィルタ1
06、AFC用発振器110、移相器111、ミキサ1
12、ローパスフィルタ113、積分器114、反転増
幅器115を備える。なお、この図は、自動周波数制御
回路に注目して説明するものであり、自動周波数制御以
外のESR測定用の構成は省略されている。
【0034】発振器101は、マイクロ波等の測定用搬
送波を発生するものである。例えば、700MHz等を
用いることができる。共振器102は、近接又は接触し
て試料が配置される。方向性結合器103は、サーキュ
レータ等により構成される。検波器105は、例えば、
簡単な構成としては、包絡線検波が用いられる。ミキサ
112には、例えばダブルバランスドミキサ(DBM)
等を用いることができる。AFC用発振器110は、自
動周波数制御用に変調するための参照信号(AFC参照
信号)を発振するものであり、ここでは、一例として7
0kHzの周波数が用いられる。
【0035】なお、検波器105の代わりに、ダブルバ
ランスドミキサーを使ってホモダイン検波することもで
きる。そのためには、発振器101から出力された搬送
波を分配する分配器と、分配器から出力された参照波を
位相調整する移相器等を備える必要がある。そして、移
相器からの参照波及び試料からの反射波をダブルバラン
スドミキサに供給して混合・検波することで、検波が行
われる。
【0036】AFC動作の概略は、以下のようになる。
発振器101は、AFC用発振器110からのAFC参
照信号(例えば、70kHz)で周波数変調された搬送
波(例えば、700MHz)を、方向性結合器103を
介して共振器102に供給する。共振器102からの反
射波は、検波器105及びハイパスフィルタ106を経
て、検波出力としてミキサ112に入力される。ミキサ
112は、この検波出力と、AFC用発振器110から
移相器111を介して入力されたAFC参照信号とを混
合・検波する。さらに、ローパスフィルタ113及び積
分器115を経て、発信された搬送波周波数と共振器1
02の共振周波数とのずれ具合が判別される。増幅器1
15により、ずれた共振周波数を搬送波周波数に引き戻
すように直流制御電圧が共振器102に印加され、共振
周波数が常に搬送波周波数に一致するように自動制御さ
れる。
【0037】図7に、自動周波数制御回路を有するES
R装置の詳細構成図を示す。このESR装置は、一例と
してCW−ESR装置に適用した場合を示し、ESR測
定について、従来と同様の回路構成及び動作を採用する
ことができる。
【0038】本発明に係るESR装置は、発振器10
1、共振器102、方向性結合器103、ローノイズア
ンプ104、検波器105、ハイパスフィルタ106、
反転増幅器107、ロックインアンプ108、変調用発
振器109、AFC用発振器110、移相器111、ミ
キサ112、ローパスフィルタ113、積分器114、
反転増幅回路115、直流磁界用コイル116、変調磁
界用コイル117を備える。変調磁界用コイル117
は、変調磁界を印加することで、高感度にESR測定を
行うためのものである。また、直流磁界用コイル116
は、共振器102に直流磁界を印加して磁場掃引を行う
ものである。
【0039】つぎに、本発明に係るCW−ESR装置の
動作を説明する。発振器101からは、AFC用発振器
110により周波数変調された搬送波が出力される。周
波数変調された搬送波は、サーキュレータ103に経
て、共振器102(図1中、同軸ケーブル6)に入力さ
れ、試料に供給される。試料から反射された信号は、共
振器102(図1中、同軸ケーブル6)から出力され
る。その後、共振器102から出力された信号は、サー
キュレータ103を介してローノイズアンプ104によ
り増幅され、検波器105で包絡線検波される。検波器
105は、例えば、四角で囲われた範囲の部品が一つの
パッケージになっているような部品を使うことができ
る。
【0040】ここで、ESR測定の際、直流磁界用コイ
ル116により直流磁界を掃引するとともに、変調用発
振器109から発信された変調信号(例えば100kH
z)で変調磁界用コイル117により変調磁界を発生し
ている。検波器105は、自動周波数制御のためだけで
はなく、変調磁界用コイル117による磁界変調で生じ
た磁界変調成分(例、100kHz)も検波する。検波
器105で包絡線検波された結果、電子スピン共鳴が起
こっているときには、磁界変調成分が検出される。共振
器102の共振周波数と搬送周波数とが一致していると
きは、AFC参照信号の2倍の周波数成分(例、140
kHz)が、検出され、一方、共振周波数と搬送周波数
がずれているときは、AFC参照信号と同じ周波数成分
(例、70kHz)が、検出される。さらに、検波器1
05からは、直流成分が、これら交流成分に混在して出
力される。
【0041】つぎに、ハイパスフィルタ106は、検波
器105の出力から直流成分を除去し、上述のような各
種交流成分(例えば70、100、140kHz)のみ
を取り出す。反転増幅器107は、検波された信号の振
幅を必要に応じて増幅する。
【0042】ミキサ112は、例えばかけ算回路を有
し、AFC用発振器110から移相器111を経て入力
された参照信号と、反転増幅器107からの検波出力と
を混合して位相検波する。こうして、ミキサ112は、
各種交流成分(例、70、100、140kHz)が混
在した信号の中から、AFC参照信号(例、70kH
z)のみを取り出す。ミキサ112による演算結果は、
ローパスフィルタ113に入力されて、高周波成分が除
去される。ローパスフィルタ113を通過して残った直
流成分の電圧は、共振周波数と発振周波数のずれ(エラ
ー)を表す。積分器114は、ローパスフィルタ113
の出力を積分し、フィードバックする電圧を保持する。
このとき、積分器114の時定数は、例えば0.1秒等に
設定することができる。積分器114から出力された電
圧は、非反転増幅器115で適宜増幅され、共振周波数
制御電圧として共振器102に帰還される。共振器10
2は、共振周波数制御端子から入力された共振周波数制
御電圧に従い、上述のように共振周波数が搬送波周波数
と一致するように自動周波数制御を行う。
【0043】一方、反転増幅器107からの検波出力に
は、磁界変調によるESR成分(ここでは、100kH
z)も含まれる。ロックインアンプ108は、変調用発
振器109の出力と反転増幅器107からの検波出力と
に基づいて位相検波することにより、変調用発振器10
9から出力された磁場変調用の変調信号(例、100k
Hz)と同じ周波数成分の信号のみを抽出する。この
際、ロックインアンプ108により、自動周波数制御に
用いた変調信号(AFC参照信号)の影響は取り除かれ
る。
【0044】図8に、本発明及び従来のサーフェイスコ
イル型共振器を使用して計測した電子スピン共鳴スペク
トルの説明図を示す。なお、ここでは、比較のために同
じサンプルを用いて測定した。
【0045】図8(A)は本発明の測定スペクトル、図
8(B)は従来の測定スペクトルをそれぞれ示す。図示
のように、ESR信号の信号対雑音比は、本発明による
と12、従来では5であるから、感度が格段に向上して
いることがわかる。
【0046】図9に、AFC動作を確認するための説明
図を示す。この図は、生体を模擬した生理食塩水(0.
9%NaCl)をコイルに近づけ、生理食塩水の体積に対す
る共振周波数の変動を測定したものである。図示のよう
に、AFC回路がある場合は、これがない場合に比較し
て、共振周波数変動が安定化されている。
【0047】なお、本発明は、VHF、UHF、SHF
等を含むマイクロ波に適宜適用することができる。ま
た、スピン共鳴信号を検出する際磁場掃引を用いる場合
について説明したが、周波数掃引を用いる場合にも本発
明を適用することができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によると、以上のように、共振器
の共振周波数を制御することができるサーフェイスコイ
ル型の共振器、及び、このような共振器の共振周波数を
発振周波数に追尾させるように、自動周波数制御(AF
C)回路を用いて制御するようにしたESR装置を提供
することができる。
【0049】より詳細には、本発明は、次のような効果
を奏する。 (1)本発明によると、整合のための機械的な機構をな
くして電子化することで、低電圧の電源で駆動する応答
速度を速くし、安価で容易に制作することができる。さ
らに、本発明によると、機械的な可動部がないため、機
械的共振・振動のない共振器を提供することができる。 (2)本発明によると、表面コイルを計測対象の表面に
当てて計測するサーフェイスコイル型とすることで、試
料の大きさ・形状に関わらず、表面から試料を計測する
ことができる。 (3)本発明によると、平衡・不平衡変換回路を用い
て、伝送線路の外部導体に流れる高周波電流により生じ
る不要輻射を抑えることができる。
【0050】(4)本発明によると、生体計測を対象と
するような電子スピン共鳴計測にも適した、高感度な共
振器及びESR装置を提供することができる。また、本
発明によると、生体試料等からの微量なスピン共鳴信号
を比較的大きな信号として高感度に検出できるので、医
学・薬学・生化学等の分野以外にも、臨床応用等に幅広
く使用することを目指すことができる。 (5)本発明によると、搬送波周波数を一定とし、共振
周波数を搬送波周波数に一致するように自動制御を行
い、共振周波数を極めて高度に安定とし、ESRスペク
トル及びスペクトルの線幅を安定して正確に計測するこ
とができる。 (6)本発明によると、計測中の生体試料の動き等によ
る擾乱や外乱があっても、整合及び共振周波数を電子的
に制御することにより、共振器の共振周波数を安定化
し、ESRスペクトルを安定且つ正確に計測することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る共振器の構成図。
【図2】整合制御回路3の容量変化に対する共振周波数
特性を表すグラフ。
【図3】整合制御回路3の容量変化に対する散乱行列係
数を表すグラフ。
【図4】共振周波数制御電圧V又は整合制御電圧V
を変化させたときの共振周波数とリターンロスの変化に
ついてのグラフ。
【図5】共振周波数と搬送波周波数との説明図。
【図6】ESR装置のAFC回路に関する概略構成図。
【図7】自動周波数制御回路を有するESR装置の詳細
構成図。
【図8】本発明及び従来のサーフェイスコイル型共振器
を使用して計測した電子スピン共鳴スペクトルの説明
図。
【図9】AFC動作を確認するための説明図。
【図10】従来のサーフェイスコイル型共振器の構成
図。
【符号の説明】
101 発振器 102 共振器 103 方向性結合器 105 検波器 106 ハイパスフィルタ 110 AFC用発振器 111 移相器 112 ミキサ 113 ローパスフィルタ 114 積分器 115 反転増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−122937(JP,A) 特開 平5−157821(JP,A) 実開 昭60−149263(JP,U) Hiroshi Hirata an d Mitsuhiro Ono,Re v.Sci.Instrum,1997年 9月,Vol.68,No.9,p.3528 −3532 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 24/00 - 24/14 G01R 33/20 - 33/64 JICSTファイル(JOIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料に近接又は接触して配置されるサーフ
    ェイスコイルと、 第1及び第2の一端及び第1及び第2の他端を有し、前
    記サーフェイスコイルが第1及び第2の一端に接続され
    た平衡線路と、 前記平衡線路の第1及び第2の他端に接続された平衡・
    不平衡変換器と、 前記平衡線路の第1の他端に接続され、共振周波数制御
    電圧が供給されることにより、共振周波数を制御するた
    めの共振周波数制御回路と、 前記平衡線路の第2の他端に接続され、整合制御電圧が
    供給されることにより電子スピン共鳴装置との整合を制
    御し、試料へ供給される搬送波が入力され、試料からの
    反射波が出力される整合制御回路を備え、前記平衡線路は、平行に配置された第1及び第2の同軸
    ケーブルを備え、前記第1及び第2の同軸ケーブルの各
    々の一端の間に前記サーフェイスコイルが接続され、前
    記第1の同軸ケーブルの他端に前記共振周波数制御回路
    が接続され、前記第2の同軸ケーブルの他端に前記整合
    制御回路が接続された 共振器。
  2. 【請求項2】前記共振周波数制御回路は、 前記平衡線路の第1の他端に設けられた第1の可変容量
    ダイオードを備え、 共振周波数制御電圧を前記第1の可変容量ダイオードに
    印加することにより、インピーダンスを変化させて、前
    記サーフェイスコイル及び前記平衡線路を含む回路の共
    振周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載の
    共振器。
  3. 【請求項3】前記整合制御回路は、 前記平衡線路の第2の他端に設けられた第2の可変容量
    ダイオードを備え、 整合制御電圧を前記第2の可変容量ダイオードの一端に
    印加することにより、インピーダンスを変化させて、前
    記サーフェイスコイル及び前記平衡線路を含む回路と電
    子スピン共鳴測定装置との整合を制御し、 前記可変容量ダイオードの他端に搬送波周波数を入力す
    ることにより、前記平衡線路及びサーフェイスコイルを
    介して試料に搬送波を供給し、一方、前記サーフェイス
    コイル及び前記平衡線路を経た試料からの反射波を出力
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の共振器。
  4. 【請求項4】前記平衡・不平衡変換器は、 前記平衡線路が有する2つの同軸ケーブルの他端の間に
    両端が各々接続された、半波長の長さの同軸線路を備え
    たこと特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の共
    振器。
  5. 【請求項5】自動周波数制御(AFC)参照信号を発信
    するAFC用発振器と、 AFC参照信号により周波数変調された搬送波を発振す
    る発振器と、 前記発振器からの搬送波を共振器と近接又は接触した試
    料に供給し、試料から反射された反射波を検波する検波
    器と、 前記検波器からの検波出力と前記AFC用発振器からの
    AFC参照信号とに基づいて、共振器の共振周波数を制
    御するための共振周波数制御電圧を出力する位相検波回
    路を備えた前記請求項1乃至のいずれかに記載の共振
    器を有する電子スピン共鳴測定装置。
  6. 【請求項6】前記位相検波回路から出力された共振周波
    数制御電圧は、前記共振器の前記共振周波数制御回路に
    供給されることを特徴とする請求項に記載の電子スピ
    ン共鳴測定装置。
  7. 【請求項7】前記整合制御電圧は、前記検波器からの検
    波出力又はロックインアンプからの信号に基づいてフィ
    ードバック制御されることを特徴とする請求項5又は6
    に記載の電子スピン共鳴測定装置。
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