JP3442665B2 - 乗用農作業機の座席シート - Google Patents

乗用農作業機の座席シート

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JP3442665B2 JP27088798A JP27088798A JP3442665B2 JP 3442665 B2 JP3442665 B2 JP 3442665B2 JP 27088798 A JP27088798 A JP 27088798A JP 27088798 A JP27088798 A JP 27088798A JP 3442665 B2 JP3442665 B2 JP 3442665B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、乗用田植機等の乗
用農作業機の運転席に使用される座席シートの構造に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来の乗用農作業機においては、ハンド
ルの後方に運転席を配置し、オペレーターが着座して運
転操作できるようにしている。この運転席の座席シート
はグレードによって、合成樹脂を一体成形したり、鋼板
を折り曲げたりして一枚の板材で構成した廉価なもの
や、薄鋼板などの金属素材にプレス成形法や溶接法など
を適用して座席形状に加工したものがある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、素材が
強度の低い樹脂で構成すると、剛性が不足する懸念があ
った。また、高価な座席シートは重量が重く、組立、取
付時などのハンドリングが難しいため生産性低下の原因
になるという問題や、車体重量が重くなり燃費が悪化す
るという問題があった。また、金属製の座席シートは素
材コストやプレス加工等の成形コストの面でも、コスト
アップは避けられなかった。また、本発明は、前記の点
に鑑み、軽量で安価で、耐久性も具備する運転席を有す
る乗用農作業機を提供することを目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。運転席7に備える座席シート450
を、着座部450bと背もたれ部450aとで構成し、
前記着座部450bの後端から背もたれ部450aを立
設し、該着座部450bと背もたれ部450aをブロー
成形法により一体的に成形し、該背もたれ部450aの
上部に、座席シート450の表裏面を圧着・接合させた
コンプレッション部450qを設け、該コンプレッショ
ン部450qに孔450dを開口し、該孔450dの周
囲の部材は、手すり部450eとしたものである。 【0005】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に示す実施例を基に説明する。図1は、本発明にかかる
乗用田植機Aの全体を示す概略側面図、図2は同じく平
面図である。乗用田植機Aは走行車両1と、走行車両1
の後部に連結した植付部9とで構成されており、図1で
示すように、走行車両1の前部及び後部にはそれぞれ前
輪2と後輪3が懸架され、車体フレーム4の前部には動
力部であるエンジン5が搭載されている。該エンジン5
後方の車体フレーム4の左右略中央には前後方向に長く
形成したミッションケース6が配置されており、該ミッ
ションケース6の前部に前輪2が支持され、後部に後輪
3が支持されている。エンジン5を覆うボンネット22
の両側には予備苗載台90が配設され、オペレーターが
搭乗する車体カバー20によってミッションケース6等
が覆われている。前記車体カバー20の後上部に運転席
7が設けられ、車体カバー20の前部のボンネット22
の後方に操向ハンドル8が配設されている。 【0006】植付部9は4条植えとした苗載台91や複
数の植付爪93等から構成されており、前高後低に配設
した苗載台91を下部レール95及びガイドレール96
を介して植付伝動フレーム92に左右往復摺動自在に支
持させるとともに、クランク機構によってクランク運動
する植付爪93を植付伝動フレーム92の後部に配設し
ている。したがって、前輪2及び後輪3を走行駆動して
移動させるとともに、左右に往復摺動可能な苗載台91
から1株分の苗を植付爪93によって取り出し、連続的
に苗植え作業が行えるようになっている。 【0007】植付伝動フレーム92の前部にはローリン
グ支点軸176を介してヒッチ94が設けられ、そのヒ
ッチ94は、ヒッチ94の上部左右両側に枢支されてい
るトップリンク11と、ヒッチ94の下部左右両側に枢
支されているロワーリンク12とを含む昇降リンク機構
10を介して走行車両1の後部に連結されている。前記
ロワーリンク12の前端部内側面にはリフトアーム13
の基部が固設されており、このリフトアーム13をロワ
ーリンク12の配設方向に対して略直交する上方向に突
設している。昇降リンク機構10を昇降駆動させる昇降
シリンダー15がこのロワーリンク12に連結したリフ
トアーム13に連結している。 【0008】また、前記リフトアーム13の上端部とロ
ワーリンク12の後端部との間には補強リンク14が連
結されており、ロワーリンク12の剛性を高めるように
している。前記トップリンク11及びロワーリンク12
の前端部は、後述する後部連結フレーム43・44間に
横設された枢支ピンを介して枢支されており、この後部
連結フレーム43・44が昇降リンク機構10の支持部
として兼用されて、植付部9の安定した昇降、部品点数
の削減、構成のシンプル化が図られている。この昇降リ
ンク機構10によって植付部9を昇降させる平行リンク
が形成されており、圃場の凹凸に合わせて昇降させて
も、植付けられた苗の植付け姿勢が変わらないようにし
ている。 【0009】また、運転席7等が設置される車体カバー
20には主変速レバー75、苗継ぎレバー76、植付昇
降レバー77、主クラッチペダル74、ブレーキペダル
73等が配設され、植付部9の下部には植付部9を一定
の高さに保持する均平用のセンターフロート97とサイ
ドフロート98・99が配設されている。前記センター
フロート97は走行車両1の左右中心線上に配置され、
センターフロート97の左右対称位置にサイドフロート
98・99が配設されて、植付部9の左右のバランスを
良好に保ち、植え付け姿勢を安定させて、正確に植え付
けができるようにしている。 【0010】次に、各部の構成を詳述する。まず、予備
苗載台の取付構成から説明する。図3は予備苗載台を機
体の内側に向けて取り付けた際の全体平面図、図4は進
行方向右側の予備苗載台を機体の内側に向くように取り
付けた際の小型乗用田植機の全体斜視図、図5は車体フ
レームとミッションケースの概略側面図、図6は同じく
平面図、図15はエンジン及びエンジンカバー部分の側
面図、図76は機体の内側に向きに取り付け可能とした
予備苗載台の正面図、図98はエンジンのガイド板付き
支持部材の斜視図である。 【0011】車体フレーム4はパイプ体で構成され、図
6、図10の平面視で示すように、両側が機体後方に向
かって屈曲形成されて、拡開した略U字状をなすフロン
トフレーム40と、ミッションケース6が配置されたと
きに、ミッションケース6の前端部付近より後方はミッ
ションケース6と平行で、ミッションケース6の前端部
付近から前方は略ハ字状に拡開するように形成されてい
る左右一対のサイドフレーム41・42とから構成され
ている。そして、サイドフレーム41・42のハ字状に
拡開した前端部がフロントフレーム40の開放側後部に
連結され、さらに、図5に示すように、サイドフレーム
41・42の後部が上方に向かって屈曲形成されてい
る。 【0012】前記フロントフレーム40の両側端部とサ
イドフレーム41・42の前端外側との間には、平面視
L字状に曲げられたステー29が固設され、該ステー2
9の外側に角パイプ状の保持部28が固定され、該保持
部28に予備苗載台90の支柱90aが嵌入して固定さ
れている。該予備苗載台90は後述するように保持部2
8から支柱90aを外すことにより、向きを180度変
えられるようになっている。また、前記サイドフレーム
41・42の前側がハ字状に拡開しているため、広いエ
ンジンスペースを確保することができ、サイドフレーム
41・42のミッションケース6の前端部付近より後方
はそのミッションケース6と平行になっているので、後
輪3や各種操作レバー等の設置スペースを確保すること
ができ、これらの固定及び連結方法が簡素化できるよう
になっている。 【0013】また、図5に示すように、側面視におい
て、フロントフレーム40の中央部より後下方に向かっ
て平板状の支持部材50が延設されており、エンジン5
はこの支持部材50の上に載置されている。該支持部材
50の前部はフロントフレーム40に向かって上方に湾
曲するように形成されており、また、このエンジン支持
部材50の後端部はサイドフレーム41・42を連結す
る連結フレーム45に支持されており、この連結部分近
傍には、開口部50aが穿設されている。 【0014】前記支持部材50に穿設された開口部50
a・50bは、機体全体の軽量化を図るとともに、エン
ジン5の放熱効果を促進することができるようになって
いるものであり、これ以外にもエンジンドレーンの挿通
孔として利用したり、メンテナンス等をする際にも利用
することができる。また、この支持部材50は平板状で
あるため、エンジン5下部の保護カバーとして利用で
き、別途保護カバーを設ける場合に比べて、部品点数の
削減、軽量化することができ、さらには組立工数を減ら
すこともでき、コストダウンが図れるようになってい
る。そして、何よりもエンジン5の取付高さ位置を低い
位置にすることができるので、従来のフレーム上に配置
する構成に比べて機体全体の重心を低くすることがで
き、転倒角の優れた田植機を実現することができるよう
になっている。 【0015】ここで、前記支持部材50へのエンジン5
の取付構造の別形態について説明する。図98に示すよ
うに、支持部材50’の後部の隅部には長孔50d・5
0d・50dが前後方向に長く穿設され、側辺近傍から
は基板を折り曲げてガイド板50c・50c・50cが
前後方向に立設されている。該左右のガイド板50c・
50cの間隔は、エンジン5の基台5cが嵌まるように
両外側の幅であり、該基台5cの前後左右両側には、取
付孔5dが前記長孔50dの左右位置に合わせて穿設さ
れている。但し、ガイド板50c・長孔50dの数は本
実施例ではそれぞれ3つ設けているが、その数は限定す
るものではなく、また、ガイド板50cはステーを溶接
固定する構成とすることも可能である。 【0016】このような構成において、エンジンを取り
付ける場合には、基台5cをガイド板50cに載せるこ
とによって、ガイド板50cに沿って横ずれすることな
く前後に摺動させることができ、取付孔5dと長孔50
dを容易に一致させることができる。さらに、基台5c
の取付孔5dから支持部材50の長孔50dにボルトを
挿通して、固定することにより、任意の位置に精度良く
固定することができる。しかも、嵌入部材の締結を緩め
て長孔50d内を移動させることにより、エンジン5を
載置・固定後でも、位置の微調整を容易に行うことがで
きるのである。 【0017】したがって、機体組立時のエンジン取付が
簡単となり組立性が向上し、従来使用していた縦方向微
調整ボルトも不要となるため、コストダウンを図ること
ができる。さらに、エンジン5の横ずれがなくなるた
め、周囲の関係する外装部品、電装部品などの隙間を十
分に確保することができ、エンジン5のヒートバランス
を良好に保つことができる。 【0018】また、図15に示すような、エンジン5か
らミッションケース6内へのベルト54のテンションを
緩めることにより動力伝達を「切」状態にする、いわゆ
るベルトテンションクラッチ機構を有する場合には、駆
動プーリ53から従動プーリ55にかけてのベルト54
が一直線上に配列することが特に重要となるが、前述の
エンジン取付構造を適用することにより、エンジン5の
組み付け時の横ずれを防止でき、この直線配列の精度も
向上させることができ、ベルトの摩耗を減少したり、滑
りを減少したりできるのである。なお、ガイド板50c
は前述のように支持部材50と一体型とすることによ
り、支持部材50の長孔50dとの配置精度を確保し、
さらには、部品点数を減らしてコストダウンを図ってい
る。 【0019】次に、予備苗載台90について説明する。
図1乃至図6に示すように、フロントフレーム40の両
側端部には、ステー29を介して、予備苗載台90の支
柱90aを嵌入する保持部28が設けられており、該保
持部28に支柱90aの下端を嵌入し、保持部28の前
方よりノブネジ350を挿入して、支柱90a、即ち、
予備苗載台90を固定している。 【0020】前記予備苗載台90は左右対称に構成され
ているので片側について説明する。前記支柱90aの上
部にはパイプを平面視U状に曲げた支持フレーム351
・351が上下二段に固設され、該支持フレーム351
・351に苗箱を載せる載置部としての載置プレート3
52・352が固定されている。また、該載置プレート
352・352の後部の開口部352a・352aは苗
箱を下から持ち上げて取り出すためのものである。 【0021】前記載置プレート352・352下面に
は、図1、図2、図4に示すように、別の載置部として
摺動プレート353・353が配設されている。該摺動
プレート353はスライド用握りフレーム353aと一
体形成され、該スライド用握りフレーム353aが支持
フレーム351・351上にスライド自在に支持されて
いる。スライド用握りフレーム353a後部が載置プレ
ート352後部下方まで延出され、スライド用握りフレ
ーム353a後部を持って前方に押すことで、摺動プレ
ート353が前方にスライドし、摺動プレート353と
載置プレート352とで拡大された載置部に長さの長い
苗マット及び苗箱を載置可能としている。 【0022】また、支持フレーム351・351の側部
には、苗箱を受けるためのサイドフレーム354・35
4が固設され、下側のサイドフレーム354の中央に
は、受けプレート355が固設され、上下のサイドフレ
ーム354・354と受けプレート355とで苗マット
を苗載台91に載せた後のトレイ(空箱)や苗マット取
出プレートを収納できるようにしている。 【0023】そして、乗用田植機Aを納屋等に格納する
際には、従来は外すことができなかったが、本実施例に
おいて作業者はノブネジ350を弛めて支柱90aの固
定を解除し、該支柱90aを上方へ持ち上げて抜き取
り、予備苗載台90を外した状態で乗用田植機Aを格納
することができるのである。よって、乗用田植機Aの幅
を小さくすることができ、コンパクトに格納することが
できるようになるのである。 【0024】また、乗用田植機Aを納屋等に格納する際
に、従来は予備苗載台90を収納するために支柱90a
の抜き差しによって後方若しくは内側に反転させる構成
となっていなかったが、図2の予備苗載台90が機体の
外側を向いた状態から、図3に示すように、予備苗載台
90の向きを180度回転させて機体の内側を向くよう
にし、支柱90aを保持部28に嵌入し、該保持部28
の前方よりノブネジ350を挿入して、前記予備苗載台
90を機体に取り付けた状態で格納するのであれば、予
備苗載台90を固定することができるのである。この取
り外した予備苗載台90を納屋内の機体とは別の場所に
保管する構成とせず、機体側にコンパクトに取り付ける
ことができ、納屋等の収納場所に効率良く格納でき、取
り外した予備苗載台90を別途保管するといった負担が
ないのである。 【0025】その際、図3や図76中の二点鎖線に示す
ように、予備苗載台90を機体の左右幅内に収めること
ができるようになり、よって、幅をとらず、コンパクト
な収納状態とすることができるようになるのである。そ
して、従来のように、予備苗載台を機体後方に回動させ
る構成に比較して、構造が簡単となるとともに、部品点
数を少なくすることができ、したがって、その組立作業
は簡単となり、安価に製造することができるようになる
のである。 【0026】また、図3、図4に示すように、予備苗載
台90を機体の内側に向けて取り付けた際、平面視で予
備苗載台90のサイドフレーム354及び苗マット載置
部である載置プレート352をサブステップ23とオー
バーラップさせておくと、乗用田植機Aの幅を小さくす
ることができ、納屋等に格納した際、幅をとらず、コン
パクトに格納することができるのである。また、従来は
エンジン5がフレーム上に配置されボンネット位置が高
いので、予備苗載台90を内側に回動させる構成として
も、ボンネット22と干渉しないように予備苗載台90
の載置部が機体側方に離れて配置させる必要があり、あ
まりコンパクトに格納できなかった。本実施例では、前
述のように、ボンネット22内に内蔵されるエンジン5
の下部を車体フレーム4より下方に突出するように配設
し、エンジン5の配設位置を低くしているので、予備苗
載台90を機体の内側を向くように取り付けた際、ボン
ネット22は予備苗載台90の下側のサイドフレーム3
54及び載置プレート352より下方に位置し干渉する
ことはなく、平面視でボンネット22とオーバーラップ
するよう構成することができ、機体の左右幅を狭くして
コンパクトな格納状態とすることができ、納屋等の収納
場所に余り場所を取ることなく収納でき、さらには工場
からの出荷時にトレーラー等の輸送車の荷台により多く
の機体を積み込むことができるのである。また、前記ボ
ンネット22の高さが低くなるので、予備苗載台90の
載置部を低く配置でき、オペレーターの視界を良好とす
るとともに、苗マット及び苗箱の取り扱いが容易となっ
ている。 【0027】また、図3に示すように、前記予備苗載台
90を主変速レバー75や苗継ぎレバー76等の走行操
作具よりも前方に格納できるので、平面視で予備苗載台
90をが走行操作具とオーバーラップする構成に比べ
て、予備苗載台90を機体の内側に向けて取り付けた状
態でも、納屋等の収納場所内や路上において機体を容易
に走行操作することができ、操作性が損なわれることは
ないのである。 【0028】次に、ボンネット22、サブステップ2
3、メインステップ32の構成を説明する。図7はボン
ネットを外した状態の斜視図、図8はボンネットと燃料
タンクを分解した状態の斜視図、図9は田植機前部の側
面図、図10は車体カバーと車体フレームの平面図、図
11は後部カバーの平面図、図12は前部カバーの平面
図、図13は滑り止め部材の斜視図、図14は同じく正
面図、図16は同じく平面図一部断面図、図77は別形
態のボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視図、
図95は前部カバーの一部拡大側面図、図96は補助ス
テップの拡大平面図、図97は別形態の取付部を有する
燃料タンクの側面図である。 【0029】後部カバー30に一体成形された補助ステ
ップ33は、図96で示すように、メインステップ32
の側部から機体外下方に向かってやや傾斜した壁面33
aと、側面視でそれぞれ前輪2及び後輪3に沿って覆う
形状をした側面33b・33cとからなる連接部を介し
て連設されて、前輪2と後輪3の間に配置されている。
該連接部の側面33b・33cはそれぞれ前輪2及び後
輪3に沿った形状をしていることから、前輪2及び後輪
3のフェンダーを兼用するようになっており、補助ステ
ップ33から機体前後方向に足を滑らせても前輪2又は
後輪3に足が干渉しないようになっている。また、補助
ステップ33を前後方向の両側から支持するため、補助
ステップ33の強度を有効に保つことができるようにな
っている。 【0030】前記連設部の壁面33aには補助ステップ
33の前後方向の長さとほぼ同じ程度の長さの辺33d
を有する略台形状の開孔部33e が穿設されており、メ
インステップ32に乗ったままでも、この開孔部33e
を通して、補助ステップ33下付近を見ることができる
ようになっている。従って、細い畦道などの狭い道でも
脱輪せずに走行することができる。しかも、ステップに
溜まる泥などは、この開孔部33eから機体下に落ちる
ため、補助ステップ33に乗った時の滑りを防止し安全
性を高めることができる。さらに、前記開孔部33e
を、車輪、本実施例では前輪2と平面視でラップさせる
ことにより、路上での運搬車両への積み降ろしや畦越え
などのように機体の前側に降りて操作する時や乗ったま
ま移動する時、この開孔部33eを通して車輪とあゆみ
板または畦等を目視で確認できるため、あゆみ板や畦道
から外れて脱輪したりすることを防止でき、極めて迅速
かつ容易に行うことができるのである。 【0031】なお、足を補助ステップ33に乗せた時に
は、開孔部33e に足の先端を入れることができるよう
にもなっている。従って、奥行きの少ない補助ステップ
33であっても確実に乗降することができ、かつ、補助
ステップ33の機体左右方向の幅を可及的に小さくする
ことができるので、機体左右幅方向のコンパクト化が図
れる構成となっている。 【0032】さて、前記メインステップ32や前部カバ
ー21のサブステップ23の上面には、図11及び図1
2で示すように、滑り止め部材35がそれらメインステ
ップ32やサブステップ23と一体形成して多数、しか
も格子状に並んで突設されている。従来においては、前
記滑り止め部材をゴムシートに形成し、該ゴムシートを
ステップ等に貼設する構成となっており、部品点数が多
くなっていた。本実施例において、メインステップ32
やサブステップ23自身に滑り止め部材35を一体成形
して部品点数の削減をはかっている。該滑り止め部材3
5の形状は、図13及び図14の如く、入母屋の屋根状
に中央部を高くし、外方にいくほど傾斜して低くなるよ
うに一体成形されている。但し、この形状は限定するも
のではなく、三角錐や四角錐等の形状であってもよい。
これにより、泥、水等が滑り止め部材35上に堆積する
ことなく、ステップ面上に流れていくため、常時すべり
防止効果を維持できるのである。 【0033】したがって、従来のようにステップクッシ
ョン等を別途使わないで済むため、部品点数を減少させ
ることができ、コストダウンや生産工程の削減が図れ
る。また、滑り止め部材35をこのような形状にするこ
とにより滑り止め効果が高められ、機体前方での乗降や
予備苗載台90から苗載台91への苗マット移送作業時
の安全性が碓保できる。そして、特に滑り止め部材35
が格子状に配設されていると、排水・排氾効果が高く、
滑り止め部材35間の泥詰まりを防ぐことができる。 【0034】また、前部カバー21は図10、図95で
示すように、ノブネジなどの把持部付締結具25によっ
て車体フレーム4に固定されるようになっており、その
締結具25の操作により工具を必要とせず簡単に脱着が
行えるように構成されて、コストダウンが図られてい
る。この把持部付締結具25は車体フレーム4の下方か
ら、車体フレーム4に設けられた固定部24に穿設され
た貫通孔24aを通して、前部カバー21のサブステッ
プ23側下面に螺合するようになっており、サブステッ
プ23上面においては把持部付締結具25によるデザイ
ンの影響がなく、広く安全なステップ面を確保すること
が可能である。 【0035】さらに、把持部付締結具25はサブステッ
プ23下面で、しかもボンネット22側部近傍に設ける
ことによって、外から手が届きやすく保守管理をしやす
くするとともに、サブステップ23下面から下方に突出
したリブに囲まれた内方に位置させることによって、把
持部付締結具25を握って回動操作可能として、サブス
テップ23上面からこぼれる泥、水がかかることなく、
乗降時や苗マット補給時などの作業時において、ボンネ
ット22脇のサブステップ23を通るときに足等を引っ
かけることがないようにしている。 【0036】なお、把持部付締結具25が作業中に振動
で緩んで外れることがないように、締結具25の軸心方
向に略直交する水平方向から平頭ピンなどの規制具26
を突出させて、把持部付締結具25の凹んだ把持部分に
係合させ、締結具25の回転を規制するようにしてい
る。なお、このとき、規制具26は車体フレーム4に設
けられたステー29の孔に挿通されて前記水平方向に摺
動自在になっているため、スナップピンなどの係脱自在
位置決め具27によって、その摺動を抑制するようにし
ている。 【0037】また、図5、図6、図15で示すように、
フロントフレーム40の中央部より後下方に向かって平
板状の支持部材50が廷設されており、エンジン5はこ
の支持部材50の上に載置されている。前記エンジン5
からは出力軸52が側方に突出し、該出力軸52上に一
体的に駆動プーリー53が取り付けられている。該駆動
プーリー53にはミッションケース6の従動プーリー5
5に動力を伝達するベルト54及び、駆動プーリー53
の前方に配置されたポンププーリー282に動力を伝達
するポンプベルト281が掛けられている。そして、図
15、図16で示すように、該ベルト54、ポンプベル
ト281、駆動プーリー53、及びポンププーリー28
2を一体的に保護するベルトカバー283が装着されて
いる。該ベルトカバー283は保護するベルト、プーリ
ー類の少なくとも側面、下面、前面をカバーするように
構成され、そのカバーリング面の全てにスリット283
a・283a・・・を設けている。 【0038】このような構成とすることによって、安全
性が向上するとともに、エンジン5の近傍に配設されて
いるにもかかわらず、熱風の逃げ道が確保され、ベルト
類の雰囲気温度の低下、エンジン5本体のヒートバラン
スが向上するのである。また、該ベルトカバー283は
樹脂製とし、はめ込み式としているため、ワンタッチ脱
着が可能であり、メンテナンス性にも優れているのであ
る。 【0039】また、エンジン5の上方はエンジンカバー
であるボンネット22でカバーされているが、エンジン
5の下部が、図1で示すように、車体フレーム4より下
方に突出しているため、空冷エンジン5の場合は、リコ
イルスターター近傍の冷却風取入口5aが車体フレーム
4の下方から露出し、さらには冷却風取入口5aの反対
側に比較的高温になるマフラー5bの排気口を機体外方
に向けて配設しているので、冷却風の吸気抵抗がなくて
吸引ロスが少なくなるとともに、冷却風の温度を下げる
ことができる。そして、エンジン5が露出している部分
からも放熱ができるので、エンジン5のヒートバランス
が良好になり、出力低下が生じない。したがって、ヒー
トバランスの優れた田植機を実現することができる。 【0040】燃料タンク136はエンジン5に固設され
たステー137に支持されて取り付けられており、図9
で示すように、ステー137のタンク支持部137aを
ボンネット22よりも上方に位置するように突設し、そ
のタンク支持部137aの先端を燃料タンク136の側
部に形成された取付部136aにボルトなどの固定手段
によって取り付けて固定している。 【0041】このような構成にすれば、ステーなどの燃
料タンクの支持部材を簡素化でき、部品点数の削滅を図
れる。また、燃料タンク136の取り外しも容易に行え
るので、メンテナンス性にも優れる。 【0042】さらに、図97では、燃料タンク136の
両側部下面に取付凹部136e・136eを設け、該取
付凹部136e・136eには下方に向かって取付部1
36d・136dを突設し、前記タンク支持部137a
の先端にボルトなどの固定手段によって取り付け可能に
すると共に、上面視において完全に隠れる構成としてい
る。従って、このような取り付け方法においては、燃料
タンク136自体を外装部品として使用しても、引っか
かりなどのトラブルや不具合が発生することがない。 【0043】ここで、エンジン5の固定構成について説
明する。図86で示すように、ステアリングコラム15
0の上下略中央部からは前方にステー137が突設さ
れ、該ステー137はエンジン5の上部にボルトなどで
締結され、該エンジン5を固定支持する。一方、前記ス
テアリングコラム150の下端は取付部材51に固設さ
れ、該取付部材51は前方の支持部材50から延出され
ており、該支持部材50上にはエンジン5が載置固定さ
れている。すなわち、エンジン5の上下部は、取付部材
51・支持部材50からなる支持フレーム470などの
複数の部材を介して前記車体フレーム4に固定された状
態にあるため、剛性が上昇し、エンジン5が機体補強部
材としての役割を担うことができ、車体フレーム4への
負担が軽減される。従って、フレームの部品点数を削減
したり、肉厚を減少させることができ、車体の軽量化を
図ることができる。 【0044】また、前述のように、ステアリングコラム
150はステー137を介してエンジン5の上部に連結
固定されているため、ステアリングコラム150自体の
剛性も上昇させることができる。従って、前記ステアリ
ングコラム150に軸支されたステアリングシャフト8
1上端部固定の操向ハンドル9に対して、走行中に横方
向の過荷重がかかった場合などでも、ステアリングコラ
ム150が撓むような不具合は発生しない。また、エン
ジン5から各部材を介して操向ハンドル8に伝搬する振
動に対しても、剛性の上昇分が抵抗として作用し、振幅
が著しく軽減されるのである。 【0045】さらに、前記ステアリングコラム150の
下端は、前記支持フレーム470を介してエンジン5の
下部にも固定されているため、ステー137、ステアリ
ングコラム150、および支持フレーム470とで側面
視略コ字状フレームが構成されるようになっている。該
コ字状フレームの開放部間にエンジン5を配置固定する
と、強固な四角形構造が形成されるため、より一層の剛
性の上昇が図られ、それに伴い、操向ハンドル8への振
動伝搬も十分に抑制されて、運転操作性が大きく改善さ
れるのである。 【0046】支持フレーム470を構成する取付部材5
1の後部には、車体フレーム4の左右略中央に前後方向
に長く形成され、前後部には前輪2と後輪3を支持した
一体型ミッションケース6の前端部が固設されており、
該ミッションケース6も、前記の側面視略コ字状フレー
ムの補強部材として機能して、より一層の剛性上昇が図
られる。 【0047】さて、燃料タンク136はエンジン5の上
方に載置されているため、エンジン5の放熱から燃料タ
ンク136を保護する必要がある。そこで、本実施例の
ボンネット22は、図7、図8に示すように、燃料タン
ク136が位置するボンネット22上面を凹状に形成し
て遮蔽凹部22bとし、該遮蔽凹部22bをエンジン5
と該燃料タンク136の間に挿入し、燃料タンク136
底部を嵌合して装着する構成とすることもできる。前記
遮蔽凹部22bに遮熱性をもたせ遮熱部材とすること
で、従来、燃料タンク136を保護するために、取り付
けられていた遮熱部材を必要とせず、ボンネット22に
より燃料タンク136のヒートバランスを調整できるの
で、部品点数の削減によるコストの低減が可能となるの
である。また、部品点数の削減により組立て工程も簡易
になりメンテナンス性も向上するのである。但し、ボン
ネット22の上面の燃料タンク136載置部分を切り欠
いて開放して、その部分に遮蔽部材を取り付ける構成と
することも可能である。 【0048】前記ボンネット22の上面の前記遮蔽凹部
22bは、燃料タンク136の下部の形状に合わせて形
成されている。前記燃料タンク136の下部は、概ねタ
ンク外周に沿った形状で下部方向に突出した凸部136
bが形成されている。該凸部136bの形状に合わせボ
ンネット22の上面の凹部22cが構成されている。該
凹部22cの後方を開放して、該ボンネット22を車体
の前部方向から挿入して、簡単な操作で着脱可能となっ
ており、ボンネット22の着脱時には燃料タンク136
のガイドとなり、横ずれの防止が行える。また、前記凹
部22cは後方が開放していることにより、該凹部22
cに水、泥等ゴミが溜まらないような構成となってい
る。 【0049】また、図8、図9、図12において、ボン
ネット22の上面で、平面視で燃料タンク136とラッ
プしない位置には、エンジン5の放熱を行うための放熱
孔22a・22a・・・が複数個所に穿設されている。
該放熱孔22a・22a・・・は、平面視で燃料タンク
136とは重ならない位置であって、下部のエンジン5
の上方であればよく、本実施例では、ボンネット22の
前部上に形成しているが、側部上であってもかまわな
い。このように放熱孔22a・22a・・・を開口する
ことで、エンジン5のヒートバランスを保つために効果
的に放熱を行えるとともに、該燃料タンク136をエン
ジン5の放熱による高温熱から保護することができるの
である。 【0050】次に、ボンネット22の着脱可能とする別
形態について説明する。図77に示すように、前記と同
様に燃料タンク136の下部に下方に突出する凸部13
6bが形成されている。そして前記ボンネット22の上
面に前記凸部136bの形状に合わせて平面視U字状に
リブ22dが形成され、該リブ22dに囲まれるボンネ
ット22上部をエンジン5と燃料タンク136との間の
遮熱部材としている。そして、前記リブ22dの後方を
開放して、該ボンネット22を車体の前部方向から挿入
して、簡単な操作で着脱可能となっており、ボンネット
22の着脱時には燃料タンク136のガイドとなり、前
記の凹部22cを形成したと同様に、横ずれの防止が行
え、リブ22d後部の開放より水、泥等ゴミが溜まらな
いような構成となっている。 【0051】また、燃料タンク136の後部には、図
8、図10に示すように、平面視U字溝状の凹部136
cが形成されており、該凹部136cにステアリンクシ
ャフト81の前面部を挿嵌できるようにしており、図9
の如く、該ステアリングシャフト81の上下中途部にリ
ング状のストッパ部材280が固着されている。このよ
うにして、該燃料タンク136の凹部136cにステア
リンクシャフト81を嵌合することで、上方向への動き
はストッパ部材280で規制されるのである。また、構
造の簡略化、及び軽量化が図れるのである。また、該ス
トッパ280は燃料タンク136の装着時において燃料
タンク136の位置決めとしての役割も担うのである。 【0052】次に、操向ハンドルの防振構造について説
明する。図83は操向ハンドルの防振構造を示すステア
リングコラム上部の部分側面断面図84は操向ハンドル
の防振構造を示すステアリングコラム下部の部分側面断
面図、図85は操向ハンドルの別形態の防振構造を示す
ステアリングコラム上部の部分側面断面図である。 【0053】図83に示すように、前記操向ハンドル8
の回動中心部にステアリングシャフト81を下方から挿
入し、その上端部をボルト457でボルト締めすること
により、操向ハンドル8にステアリングシャフト81上
端を締結・固定している。なお、前記ボルト457の上
部は、弛み止め防止などのための保護キャップ456で
覆われている。 【0054】前記ステアリングシャフト81はステアリ
ングコラム150に内挿され、該ステアリングコラム1
50の上端部近傍のステアリングシャフト81には円筒
状の防振部材452が外嵌され、該防振部材452の下
面は固定リング454で支持され、該固定リング454
は、その外周部の一部をステアリングコラム150の内
壁に構成したリング状の凹部に掛止されており、このよ
うに設けた少量の防振部材452によって、ステアリン
グコラム150を伝わってきた前記エンジン5からの振
動は吸収減衰され、ステアリングシャフト81を介して
操向ハンドル8に伝わる振動も確実に小さくすることが
できる。 【0055】また、前記固定リング454下方のステア
リングシャフト150には軸受け部材453を外嵌し、
該軸受け部材453の外周はステアリングコラム150
の内面に当接させる一方、軸受け部材453の内周とス
テアリングシャフト81の外面の間には隙間を設け、ス
テアリングコラム150からの振動が、軸受け部材45
3を介してステアリングシャフト81に伝達しないよう
にしている。さらに、この軸受け部材453の下には、
該軸受け部材453ずり落ち防止用の固定リング455
が、溶接などのリング止め458により支持されてい
る。 【0056】従って、通常の運転中のように、操向ハン
ドル8に過大な横方向荷重がかからない場合には、前記
ステアリングシャフト81は防振部材452のみで支持
され、しかも、ステアリングコラム150からの振動は
該防振部材452によりほとんど吸収されるため、振動
の少ない操向ハンドル8を実現することができる。ま
た、例え大きな横方向荷重が操向ハンドル8にかかった
場合でも、ステアリングシャフト81との間に隙間を有
する軸受け部材453によって支持されるため、強度上
の問題は特に発生しないのである。 【0057】さらに、前記防振部材452の内側部中央
には凹部452aを設けることもできる。これにより、
防振部材452とステアリングシャフト81との接触面
積を小さくし、振動の伝達経路の断面積を小さくできる
ため、操向ハンドル8にはより振動が伝わりにくくなる
のである。また、前記凹部452a内部にグリースなど
の潤滑剤を封入することにより、操向ハンドル8回動時
のステアリングシャフト81とステアリングコラム15
0の間の摩擦力を低減させることも可能である。 【0058】ここで、ステアリングコラム150上端部
近傍における防振構造に関し、これまで説明した構造以
外に、防振部を一体型構造としたものについて説明す
る。図85に示すように、円筒状の防振部材461の内
側面には内カラー462が内装され、該内カラー462
の下端には下固定リング459が固設され、該下固定リ
ング459の内周部の一部はステアリングシャフト81
の外壁の凹部に掛止可能とし、一方、防振部材461の
外側面には外カラー463が外嵌され、該外カラー46
3の上端には上固定リング460が固設され、該上固定
リング460の外周部の一部はステアリングシャフト8
1の内壁の凹部に掛止可能としている。従って、防振部
材461だけでは不足する強度をカラーで補ったため、
前記軸受け部材453が不要となり、部品点数を減らす
ことができ、また、一体型にできたため、防振部材46
1の装着が、簡単なものとなった。 【0059】さらに、ステアリングコラム150の下端
部近傍から伝わる振動対策について説明する。図84に
示すように、前記ステアリングシャフト81の下端に
は、内面に溝を有する円筒状の連結部材465が固設さ
れ、該連結部材465の下方にはステアリングコラム1
50下端を固設した取付部材51が配置され、該取付部
材51の後部にはギア回動軸464が軸支され、該ギア
回動軸464上部の溝付き部分464aは前記連結部材
465に挿入噛合されている。ギア回動軸464下部に
形成したギア83は、前記取付部材51から下方に突出
した回動軸84に軸支されたステアリングギア82と噛
合しており、操向ハンドル8の回動操作により、ステア
リングシャフト81、連結部材465、ギア回動軸46
4、ギア83を介してステアリングギア82が回動さ
れ、さらに該ステアリングギア82の前部両側に連結さ
れている左右一対のステアリングロッド85を作動させ
て前輪2の向きを変える構成となっている。 【0060】前記取付部材51は、エンジン5を載置し
た前記支持部材50に付設されているため、エンジン5
の振動は取付部材51を介して前記ギア回動軸464に
伝達されるが、このギア回動軸464と前記連結部材4
65間の結合は、スプラインやセレーションといった遊
びをもった構造からなっている。従って、エンジン5か
ら取付部材51やステアリングギア82を経由して伝わ
ってくる振動は、このスプライン結合やセレーション結
合における部材間の遊びによってほとんど減衰されるた
め、操向ハンドル8の振動を大きく軽減できるのであ
る。 【0061】次に、運転席の座席シートの構造について
説明をする。図78は座席シートの概略斜視図、図79
は座席シートの背面図、図80は座席シートの平面図、
図81は座席シートのA−A側面断面図、図82は座席
シートのB−B側面断面図である。 【0062】図78、図81に示すように、前記運転席
7を構成する座席シート450はブロー成形による一体
成型品としている。ブロー成形により運転席の軽量化が
図れ、組立に必要な素材コスト・加工コストも低減する
ことができる。該座席シート450のうちオペレーター
が直接上に座る着座部450b上には弾力性に富んだク
ッション451を接着剤等で接着し、前記着座部450
bの後端からは背もたれ部450aを立設し、該背もた
れ部450aのうちオペレーターの身体に直接触れる部
分には適度な弾力性を有するクッション部分450fを
形成することにより、座席シート450とオペレーター
との接触部分に衝撃吸収能をもたせ、座り心地を従来の
金属製座席シートに比べ大きく改善することができる。 【0063】また、図80、図82に示すように、前記
着座部450bの底面には、前固定部450h・450
hと後固定部450k・450kとが設けられ、前固定
部450hには固定用孔450iと水抜き用孔450j
とが穿孔され、同様に、後固定部450kにも固定用孔
450lと水抜き用孔450mとが穿孔されている。こ
れらのうち固定用孔450i・450lを介して、前固
定部450h・450hを前部支持部材71に、後固定
部450k・450kを後部支持部材72に締結固定す
ることにより、図23に示すように、該前部支持部材7
1と後部支持部材72上に運転席7を載置固定できる構
成となっている。また、前記水抜き用孔450j・45
0mから雨水などが容易に排水されて、着座部450b
の凹部には水が溜まりにくいようになっている。なお、
前記前固定部450hと後固定部450kとの間にはコ
ンプレッション部450p・450pを設けることによ
り、座席シート450の剛性向上が図られている。 【0064】図80、図82に示すように、前記着座部
450bと背もたれ部450aの連結部はオペレーター
の身体が接触しない部分であり、表裏面を圧着・接合さ
せてコンプレッション部450nとしている。さらに、
該コンプレッション部450nには水抜き用孔450c
・450cを開口する。一方、図79、図81に示すよ
うに、前記背もたれ部450aの上部にも、同様に、表
裏面を圧着・接合させたコンプレッション部450qを
設け、該コンプレッション部450qには補助孔450
dを開口する。 【0065】このように、ブロー成形した座席シート4
50に450p、450n、450qなどのコンプレッ
ション部を適宜設けることにより、座席シート全体の剛
性が向上するため、素材が強度の低い樹脂故に懸念され
る剛性の不足を、解消することができるのである。ま
た、450j、450m、450cなどの水抜き用孔を
設けることにより、クッション451の下面や上面にた
まった雨水などがスムーズに排水されるため、雨の中で
の作業が多い農作業機、特に田植機では、雨中での座り
心地が改善され運転操作もやりやすくなる。さらに、前
記補助孔450dの周囲の部材は、手すり部450eと
して、乗降時や苗継ぎ時などの手置き場所又は作業補助
部材に使用することができるのである。 【0066】次に、各種操作レバー類と操向ハンドルの
配置等について説明をする。図17は操向ハンドルと各
種操作レバー類との位置関係を示す概略斜視図、図18
は運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作レバー
類、及び油量計を示す概略平面図、図19は運転席から
操向ハンドル越しに見た各種操作レバー類、及び油量計
を示す概略平面図、図20は油量計を付設した燃料タン
クの概略側面図、図21は油量計を付設した燃料タンク
の概略側面図、図22は外周の一部に直線部を設けた操
向ハンドルを示す概略斜視図である。 【0067】図9、図17、図18に示すように、各種
レバー類は機体中央に位置している操向ハンドル8のス
テアリングコラム150、即ちステアリングシャフト8
1の下部側左右両側方に略対称に配設されており、機体
前方に向かって平面視左側に後述する走行操作部が集中
配置され、右側に後述するエンジン操作部が集中配置さ
れている。なお、植付操作部は運転席7の右側方に集中
配置されている。このように各機能を操作するレバー類
がそれぞれの操作系において別々の箇所に集中配置され
ていると、各操作がわかり易くなり、取り扱い性が向上
して好ましいものとなる。また、図示のものは左に走行
操作系、右にエンジン操作系を配設してあるが、左右逆
でも構わない。 【0068】さらに具体的に説明する。まず、走行操作
部を配設する部分には側面視略水平となるレバーガイド
部150aが形成されており、走行操作部としてのレバ
ーである主変速レバー75と苗継ぎレバー76が前後方
向への操作としてシフト移動可能に機体幅方向に並べて
配置されるとともに、主変速レバー75が機体内方側
に、苗継ぎレバー76が機体外方側にそれぞれ配置され
ている。 【0069】このように、主変速レバー75と苗継ぎレ
バー76を配設するレバーガイド部150aが側面視略
水平になっていると、レバーガイド部150aが傾斜起
立しているものに比べて、同一ポジション位置、例えば
主変速レバー75の場合、中立位置におけるレバーガイ
ド面と平行なレバー断面積が小さくなり、そのため、各
レバーのポジション位置が明確にわかるようになる。そ
して、使用頻度の高い主変速レバー75が運転席7に近
い方に配設されていると、容易に変速操作が行える利点
があるし、苗継ぎレバー76が外側に配設されている
と、機体から降りて作業をする場合に操作がしやすくな
る利点がある。つまり、後述するブレーキ機構やクラッ
チ機能が行えことができ、圃場への出入や輸送車への積
み下ろし等が容易にでき、また、機体から降りて植付位
置を見ながら苗継ぎレバー76を操作できるため、畦越
え寸前まで植え付けを行うことができ、最後に手植えを
行う必要がなくなる。 【0070】一方、エンジン操作部を配設する部分には
運転席7側に向かう操作パネル150bが形成され、機
体内方側から順にキースイッチ151、チョーク15
2、リコイルスターター153の把持部153aが配設
されて、その上方にアクセルレバー78の把持部が配設
されている。また、エンジン操作部が配設される操作パ
ネルが略鉛直方向に設けられているため、オペレーター
とエンジン操作部との距離が近くなる。したがって、主
に運転席に座って行うそれらの操作が非常にし易く、し
かも機体内方側から操作力の少ない順番で配置され、か
つ、機体内側より操作順に配置されているため、各操作
具の配置がわかりやすくなって操作性がきわめて向上
し、作業性が非常によくなる。また、各操作具はエンジ
ン5に近い位置に設けられているので、各操作具からエ
ンジン5までの連動連結を簡略化することができる。 【0071】前記操作パネル150bの右斜め上方端に
は、図17に示すように、苗継ぎ警報ブザー停止手段2
01が配置してある。つまり、この苗継ぎ警報ブザー停
止手段201は、操向ハンドル8を挟んで、走行操作系
レバーと反対側の側面部近傍に設置されているため、苗
継ぎ警報ブザーが突然鳴り出しても、前記主変速レバー
75、苗継ぎレバー76等に触れることなく、前記苗継
ぎ警報ブザー停止手段201を押して、速やかに苗継ぎ
警報ブザーを停止することができる構成となっている。
すなわち、走行操作系レバーに邪魔されないため操作性
が優れ、また、誤操作による事故を未然に防止すること
ができるのである。さらに、この苗継ぎ警報ブザー停止
手段201は、操作パネル150bに配設されているキ
ースイッチ151やチョーク152等の他のスイッチ類
の外側上方にあるため、干渉されることなく操作するこ
とができる構成ともなっている。 【0072】次に、上記各種操作レバーと操向ハンドル
8の位置関係について説明する。まず、操向ハンドル8
は、図17乃至図19に示すように、機体中央から上方
に突出したステアリングシャフト81の上端からは三本
のスポーク200が半径方向に延出され、該スポーク2
00の先端には輪状の把持部210の内側が固設支持さ
れて、操向ハンドル8を形成している。また、前記ステ
アリングシャフト81の上下中途部に配置したステアリ
ングコラム150には、機体進行方向に向かって左側
に、走行操作系レバーを配設したレバーガイド部150
aが形成され、右側には、エンジン操作系レバーを配設
した操作パネル150bが形成されており、前方には、
燃料タンク136が配置されている。 【0073】そして、前記操向ハンドル8が直進方向を
向いている時にY字状に配置した3本のスポーク200
は、後方スポーク200a、左斜め前方スポーク200
b、右斜め前方スポーク200cとなるように配置さ
れ、前記把持部210との間で3ヶ所の空間部209a
・209b・209cを形成している。このように配置
し、オペレーターが着座した状態で、オペレーターは前
記空間部209bを通してをキースイッチ151やチョ
ーク152や苗継ぎ警報ブザー停止手段201及びその
操作パネル150bを確認でき、また、空間部209c
を通して主変速レバー75と苗継ぎレバー76及びその
レバーガイド部150aを確認でき、操向ハンドル8に
邪魔されずに運転席7に座ったままの状態で確認できる
構成となっており、視界を前方から側方に移動させる必
要がなくなり、植付条が曲がってしまいきれいに植え付
けることができないといった不具合がなく、誤操作を防
止し、安全性を向上させることができる。 【0074】また、前記空間部209aを通して燃料タ
ンク136を確認できる構成となっており、該燃料タン
ク136には残油量確認手段202を設けており、該残
油量確認手段202としては、図20、図21に示すよ
うに、透過式油量計202aやフロート式油量計202
bなどを挙げることができる。該透過式油量計202a
は、燃料タンク136の一部に透明部203を設け、該
透明部203には目盛り204を刻み、外から油面が透
視できて油量を確認することができる。フロート式油量
計202bは、表示部205や測量部206を有してお
り、該表示部205により油量を確認することができ
る。 【0075】すなわち、空間部209aを通して、運転
中に残油量を確認することができるため、燃料切れを心
配せずに安心して作業を続けることができるのである。
なお、これら前記スポーク200の本数や形状は限定さ
れるものではなく、操向ハンドル8の把持部210を確
実に支持固定でき、その上で、操向ハンドル8下の操作
部を、運転席7に座ったままで確認できるものであれば
よい。 【0076】次に、操向ハンドル8の他の実施例につい
て説明する。図22において、操向ハンドル207は直
進状態で、後方部分を左右直線部207bとし、該直線
部207bの左右中央前部をステアリングシャフト81
の上端に固定している。該直線部207bの両側から前
方へは従来と同様にステアリングシャフト81を中心と
した円弧状把持部207aを形成している。このように
構成することによって、従来の円形ハンドルに比べて、
通常、操向ハンドルは直進方向に向いているため、直線
部207bと運転席7との間隔が拡大する。すなわち、
苗継ぎ時や乗降時等メインステップ33上を動き回ると
きに、運転席7の前の足元が広がるため、動き易くな
り、誤操作や体を打ちつけることがなく、安全性を向上
させることができる。また、操向ハンドル207の構造
も簡単にすることができ、コスト低減化が図れ、直線部
207bより後方はハンドルがなくなるので、レバーや
スイッチの位置を容易に確認することができる。 【0077】ここで、車体フレーム4やミッションケー
ス6への負荷軽減構造について説明する。図91は機体
後部でカバー類を外した状態の背面一部断面概略図、図
92はミッションケース及びその周辺の側面概略図であ
る。 【0078】まず、前記ミッションケース6を構成要素
の一部とし、側面視で略三角形状のフレーム構造にした
構成について説明する。前記ミッションケース6は、図
1に示すように、後部がメインステップ32の下面から
離れていくように、前低後高に形成された車体フレーム
4の前後方向略中央下部より車体フレーム4の後端部の
後下方まで延出され、前後方向に長く形成されており、
図1に示す如く、側面視において前高後低に配置されて
いる。したがって、ミッションケース6の後部上方に、
植付部9へのPTO伝動軸158や植付部9を昇降させ
る昇降シリンダー15、及び各種操作レバー関係等を配
置できる有効なスペースが確保でき、機体全長を短くす
ることができるとともに、無駄のないシンプルな配置構
成をとることができて、設計の自由度を向上させること
ができるようになっている。 【0079】また、図5、図6、図23、図24に示す
ように、車体フレーム4を構成するサイドフレーム41
・42は前後方向略中央部41a・42aより後方側が
上方に向かって屈曲するように形成されており、その屈
曲し始める中央部41a・42a付近の機体幅方向にセ
ンターフレーム46が架設されている。該センターフレ
ーム46の機体幅方向略中央に設けられた取付部材47
に、ミッションケース6の中途部が連結されている。ま
た、前記ミッションケース6の中途部の上部より、後方
に向かって突出したPTO軸65が配設されている。前
記ミッションケース6の後部に一体的に設けられている
リアアクスルケース38に取付プレート39を介して連
結されている後部連結フレーム43・44の上端部と、
前記サイドフレーム41・42の後端部とが一体的に連
結され、サイドフレーム41・42と後部連結フレーム
43・44とミッションケース6とで側面視で略三角形
状のフレーム483を構成している。 【0080】前記サイドフレーム41・42の後端部と
後部連結フレーム43・44の上端部とが連結された部
分、すなわち略三角形状フレーム483を構成する最上
側の頂点部にはリアフレーム48が機体幅方向に架設さ
れ、そのリアフレーム48上に、後部カバー30の運転
席設置部31の下面後側が載置固定されるとともに、後
部支持部材72を介しオペレーター482の着座した運
転席7の荷重を支持する構成としている。なお、サイド
フレーム41・42の中央部41a・42aと後端部4
1b・42bの略中間に立設された支持部材49は、機
体幅方向に架設されたパイプステー等よりなり、該支持
部材49上に設置部31の下面前側が載置固定されると
ともに、連結部材を介して運転席7の前部支持部材71
が連結されている。 【0081】このように略三角形状を構成するフレーム
の頂点部の丁度真上に運転席7の後部が位置するように
配置し、車体フレーム4の中央部41a・42aと、車
体フレーム4の後端部を支持する後部連結フレーム43
・44の後下端部とをミッションケース6で支持するよ
うに構成すると、運転席7にかかるオペレーター荷重4
80のほとんどをその頂点部及びミッションケース6に
て強固に支持することができるようになる。 【0082】また、図92に示すように、前記オペレー
ター荷重480以外にも略三角形状フレーム483には
様々な外力が作用しており、このうちの主たる外力とし
ては、前記昇降リンク機構10を構成するトップリンク
11とロワーリンク12を介して、植付部9から後部連
結フレーム43・44に作用する後方荷重481があ
る。さらに、略三角形状フレーム483の前車輪軸66
と後車輪軸69には、それぞれに路面から上方へ前輪2
を押し上げる突き上げ力484と後輪3を押し上げる突
き上げ力485が作用している。 【0083】すなわち、サイドフレーム41・42の中
央部41a・42aから後ろの部分、後部連結フレーム
43・44及びミッションケース6からなる強固な略三
角形状フレーム483を形成し、該略三角形状フレーム
483の頂点部には前記オペレーター荷重480が作用
し、後方辺には植付部9からの前記後方荷重481が作
用し、下辺の前後端には車輪からの前記突き上げ力48
4、485が作用可能な構成としたので、各荷重は略三
角形状フレーム483に分散・支持される。従って、そ
の少ない取り付け箇所にもかかわらず、ミッションケー
ス6は車体フレーム4と共に有効な田植機の強度補強部
材として機能し、車体フレーム4の水平、垂直、ねじり
方向の剛性及び強度が大きく向上するのである。 【0084】以上、ここで述べてきたように、車体フレ
ーム4にミッションケース6の前、後、中央を連結させ
るだけで、フレーム4自体にそれほどの剛性を要求しな
くてもよくなり、車体フレーム4の軽量化や部品点数の
削減を図ることができる。さらに、運転席7の前部も、
従来のように後部カバー30で支持するのではなく、車
体フレーム4に立設した支持部材49によって支持する
ため、後部カバー30が撓むような不貝合は生じない。
また、車体フレーム4を側面視で略三角形状に構成する
ことにより、その内方側部分におけるスペースの有効利
用を図ることができ、機体全体のコンパクト化が図れる
ようになっている。なお、前述したように、サイドフレ
ーム41・42の機体幅方向に架設する補強用センター
フレーム46の平面視略中央には、ミッションケース6
の中途部が連結される取付部材47が設けられており、
その取付部材47の他端には、植付部9を昇降させる油
圧式昇降シリンダー15の基部が連結されている。 【0085】次に、前記ミッションケース6の上部に形
成され、背面視で門型形状のフレーム構造について説明
する。図91に示すように、ミッションケース6の後端
部にはリアアクスルケース38を一体的に形成し、該リ
アアクスルケース38内には後車輪駆動軸69を軸支
し、該後車輪駆動軸69の左右両端部には後輪3を固設
している。前記リアアクスルケース38からは後部連結
フレーム43・44を立設し、該左右の後部連結フレー
ム43・44の上端部間にはリアフレーム48を横架す
ることにより、背面視で門型形状のフレーム487を構
成している。 【0086】該門型形状フレーム487の上辺のリアフ
レーム48上には、左右に後部支持部材72・72が立
設され、該後部支持部材72・72には運転席7からの
オペレーター荷重480a、480bがかかり、左右の
後部連結フレーム43・44を介してリアアクスルケー
ス38・38を下方に押圧し、これにより、ミッション
ケース6のねじれ剛性が大きく向上する。従って、荒れ
た圃場上などを走行する際に、路面から上方へ後輪3を
押し上げる突き上げ力485a・485bが左右の後車
輪軸69・69に均一に作用せず、ミッションケース6
にねじり荷重486が加わった場合でも、前記左右のオ
ペレーター荷重480a、480bによりねじり荷重4
86が打ち消され、軽減されるため、ミッションケース
6やフレーム自体にそれほどの剛性を要求しなくても済
み、ミッションケース6やフレームの軽量化を図ること
ができるのである。 【0087】前記門型フレーム487によるミッション
ケース6のねじれ剛性の向上は、ミッションケースの後
部とリアアクスルケースとが別体となった通常のもので
も達成することができ、本実施例のように、ミッション
ケース6の後部にリアアクスルケース38を一体的に設
けた一体型ミッションケースに限定されるわけではな
い。ただし、この一体型ミッションケースにおいては、
前述のように、側面視略三角形状フレーム483によっ
て車体フレーム4の実際の各種剛性・強度が向上してお
り、それらとの相乗効果により、ミッションケース6の
ねじれ剛性はより一層強化されたものとなるのである。 【0088】さらに、前記門型形状フレーム487の両
側辺による昇降リンク機構10の支持構造について説明
する。図1、図2に示すように、植付部9は4条植えと
した苗載台91や複数の植付爪93等から構成され、該
苗載台91は下部レール95等を介して植付伝動フレー
ム92に左右往復摺動自在に支持され、該植付伝動フレ
ーム92の前部にはローリング支点軸176を介してヒ
ッチ94が設けられている。該ヒッチ94は、図92に
示すように、ヒッチ94の上部左右両側に枢支されてい
るトップリンク11と、ヒッチ94の下部左右両側に枢
支されているロワーリンク12とを含む昇降リンク機構
10を介して走行車両1の後部の後部連結フレーム43
・44に連結されている。また、前記ロワーリンク12
の前端部内側面にはリフトアーム13の基部が固設さ
れ、該リフトアーム13は上方に突設され、その先端に
は昇降シリンダー15が連結されている。 【0089】このような構成において、図92に示すよ
うに、前記昇降シリンダー15を伸縮すると、前記トッ
プリンク11とロワーリンク12が、後部連結フレーム
43に設けられたトップリンク取付部11aとロワーリ
ンク取付部12aを回動支点として上下に回動し、昇降
リンク機構10が昇降駆動され、植付部10が昇降され
る。この昇降時には、植付部10の荷重により、前記ト
ップリンク取付部11aでは植付部10の方向に引張り
荷重488aがかかり、ロワーリンク取付部12aでは
後部連結フレーム43の方向に圧縮荷重488bがかか
るため、両荷重488a、488bは後部連結フレーム
43内で相互に打ち消し合うこととなる。また、植付部
の荷重自体は、後部連結フレーム43を介して後車輪駆
動軸69によっても支持されるようになっている。 【0090】従来は、前記トップリンク、ロワーリンク
が別々のフレームに取り付けられており、各フレームに
は引張り荷重488a、圧縮荷重488bの荷重に耐え
うる曲げ強度が必要とされ、部品数の増大や各部品の重
量増が避けられなかったが、本発明においては、前述の
ように、同一部材に回動支点を設けたために荷重が互い
に相殺し合い、また、植付部10の荷重自体は後車輪駆
動軸69で保持されるため、小さな曲げ強度の部材でも
リンク荷重を保持することができ、軽量・コンパクトな
フレームを実現することができるのである。また、単一
フレームで支持できるため、部品数が低減でき構造も簡
素化され組立精度も向上する。 【0091】また、前記車体フレーム4によるブレーキ
ペダル73、主クラッチペダル74の支持構造について
説明する。図5、図6に示すように、左右のブレーキペ
ダル73a・73bの基部は、右のサイドフレーム41
から右外側に突出された支点軸489上に枢支され、該
支点軸489は、側面視で、該前車輪軸66とフロント
アクスルケース37の前後方向中央とを結ぶ延長線の上
方に水平に配置されている。また、図16、図34に示
すように、主クラッチペダル74の基部も同様に、左の
サイドフレーム42から左外側に突出された支点軸59
に枢支され、該支点軸59も左側の前車輪軸66の上方
で前車輪軸66とフロントアクスルケース37の左右中
央の延長線上に配置されている。 【0092】このような構成において、前記ブレーキペ
ダル73や主クラッチペダル74を踏み込み、支点軸4
89、59を支点として回動させると、該支点軸48
9、59にはペダル踏力490、491がかかり、該ペ
ダル踏力490、491は左右のサイドフレーム42、
41からミッションケース6、フロントアクスルケース
37を介し、全て前車輪軸66にかかることになる。 【0093】したがって、従来は、これら前記ブレーキ
ペダル73や主クラッチペダル74の回動支点は前輪2
より後方の車体フレーム4上に設けられ、該車体フレー
ム4には前記ペダル踏力490、491による曲げやね
じり荷重がかかるため、これに耐えうるかなり高強度の
部材が必要であったが、本実施例においては、前車輪軸
上方近傍にペダル支点軸を設けたので、前記ペダル踏力
490、491は前車輪軸66で全て支えられ、低強度
のフレームでもたわみを防止することができ、軽量フレ
ームを適用することが可能となるのである。 【0094】次に、ミッションケース6について説明す
る。図23は昇降リンク機構部分の概略側面図、図24
はミッションケースの右側面図一部断面図、図25はミ
ッションケースの平面展開断面図、図26はミッション
ケース前部の変速ギア構成を示す平面展開断面図、図2
7はミッションケースの左側面図、図28はミッション
ケースの伝動別実施例を示す平面展開断面図、図29は
ミッションケース下部の別実施例を示す側面断面図、図
30はミッションケース下部の別実施例を有する田植機
の全体側面図、図31はミッションケース前側部の株間
変速のカバーの着脱構成を示す平面断面図、図32はミ
ッションケース前下部のデフ機構を示す部分正面断面
図、図33はミッションケース前部に配置する給油パイ
プの構成を示す側面図、図34はミッションケースへの
動力断接操作構成を示す側面図、図35はミッションケ
ースへの動力断接操作構成を示す平面図一部断面図、図
100はブレーキ組立構成を示す平面図一部断面図、図
101は別形態のブレーキ組立構成を示す平面図一部断
面図である。 【0095】ミッションケース6の内部機構について図
24〜図27を基に説明をする。ミッションケース6の
前部には走行変速機構が内設される変速室60が形成さ
れ、変速室60の左右両側面にフロントアクスルケース
37が一体的に固設されている。前記フロントアクスル
ケース37の左右端部より下方に向かって車軸ケースが
固設され、車軸ケースの下端部に前輪2を固設する前車
輪軸66が軸支されている。前記ミッションケース6の
後端部には軸芯を左右方向に持つ筒状のリアアクスルケ
ース38が一体的に形成され、リアアクスルケース38
内に後車輪駆動軸69が軸支されている。該後車輪駆動
軸69の左右両端部に後輪3が固設され、従来のような
ミッションケース、伝動ケース、リアアクスルケース等
を廃止した構成になっている。 【0096】このように、フロントアクスルケース37
とリアアクスルケース38をミッションケース6に一体
的に設けると、ミッションケース6で各車輪2・3を支
持することができ、前述のように機体強度補強部材とし
てのフレームの一部を担うことができるので、車体フレ
ーム4への負担を低減することができる。なお、ミッシ
ョンケース6の内面には複数のリブ6fが形成されて断
面係数が高められており、ミッションケース6は剛性の
あるケースとなっている。 【0097】ミッションケース6の上下方向に膨出した
前部には、前述のように、内部に変速機構やPTO軸6
5が配設される変速室60が形成されており、この上方
に膨出させた変速室60の上後部には前後方向に軸芯を
有するPTO軸65が軸支されている。このように、ミ
ッションケース6は後側が変速室60の後部より一段低
く、すなわち変速室60の上後部はミッションケース6
の後部側上面より上方に膨出した形状に形成され、その
膨出した変速室60の後面より後方に向かってPTO軸
65の後端部が突出している。また、ミッションケース
6の後部が、前述のように斜め下方に向かって傾斜して
配置されているので、PTO軸65に接続されるユニバ
ーサルジョイント部159を有するPTO伝動軸158
を通すスペースを広くとることができ、そのユニバーサ
ルジョイント部159及びPTO伝動軸158等を余裕
をもって配置することができる。さらには、該ユニバー
サルジョイント部159及びPTO伝動軸158等は、
ミッションケース6の上方に配置されていることより、
該ミッションケース6がカバーとして機能し、機体下方
からの泥水などに直接さらされない構成となっている。
そして、植付部9を昇降させたときにもそれらが干渉す
るようなことはなく、PTO軸65の動力を安定して植
付部9へ伝達することができる。 【0098】前記ミッションケース6の変速室60の上
部には、左右方向に入力軸56が軸支され、図16に示
すように、入力軸56の左端部が外側に突出されて従動
プーリ55が固設され、エンジン5の左側面より側方に
突出されている出力軸52に固設された駆動プーリ53
からの動力が、ベルト54を介してミッションケース6
内に入力されている。そして、このベルト54は、テン
ションアーム57の先端に取り付けられたテンションロ
ーラー58によって緊張されるように構成され、主クラ
ッチペダル74の踏み込み操作や苗継ぎレバー76のシ
フト操作に連動して動力の断接が行われるようになって
いる。また、エンジン5側の駆動プーリ53とミッショ
ンケース6側の従動プーリ56に巻回されているベルト
54と、ミッションケース6とは略直線上に配設されて
おり、前輪2及び後輪3に動力を伝達する動力伝達経路
が省スペースで効率のよい配置構成となっている。 【0099】図24乃至図26で示すように、入力軸5
6の前下方には主変速軸61が軸支され、主変速軸61
の前下方には前車輪駆動軸62が軸支され、入力軸56
に入力した動力が略前下方に伝達されるようになってい
る。そして、前輪2の前車輪軸66は前車輪駆動軸62
の鉛直方向下方に配置されており、入力軸56の動力を
直線状に鉛直方向下方へ伝達する動力伝達経路が構成さ
れている。このため、動力伝達経路を短くすることがで
き、動力損失の少ないシンプルな構成にすることができ
るとともに、車軸ケースの上下方向の長さを短くするこ
とができ、コストダウンを図ることができる。 【0100】そして、入力軸56の前方で主変速軸61
の上方には副変速軸63が軸支されており、入力軸56
と主変速軸61は側面視において副変速軸63を頂点と
する略二等辺三角形状に配置されており、ミッションケ
ース6内の構成がシンプルになっている。また、後輪3
を駆動する後車輪駆動軸69への駆動力は、入力軸56
と前車輪駆動軸62との間の主変速軸61からチェーン
70を介してミッションケース6後下方の後車軸駆動部
に伝達されており、ミッションケース6の配設方向であ
る前高後低方向に動力伝達経路が構成されている。 【0101】すなわち、このミッションケース6の後部
の後車軸駆動部には、ミッションケース6の配設方向に
沿った後下方向きに従動軸67、カウンター軸68、後
車輪駆動軸69が順に配設されており、チェーン70が
従動軸67に伝達され、カウンター軸68を介して後車
輪駆動軸69に動力が伝達されて、後車輪駆動軸69へ
の駆動伝達経路をミッションケース6の配設方向に合わ
せた前高後低の直線状に伝達し、シンプルかつ省スペー
スで効率のよい動力伝達経路の配置構成としている。 【0102】また、この動力伝達経路は最短経路になる
ため、チェーン70の長さを短くすることができてコス
トダウンを図ることができ、さらには後車輪駆動軸69
の高さ位置が車体フレーム4よりも下方位置になるた
め、後輪3の車輪を小径とすることができ、走行車両の
小型化が図れるようになっている。 【0103】なお、ここでは後車軸駆動部に動力を伝達
する構成としてチェーン70が用いられているが、動力
を伝達する構成としてはチェーン70のような無端体に
限定されるものではなく、図28に示すように伝動軸3
24を用いることもできる。この場合には、主変速軸6
1上にベベルギア325を固設して、ベベルギア326
を介して伝動軸324前部に動力を伝達し、伝動軸32
4後部と従動軸67とをベベルギア327・328を介
して連動連結させている。 【0104】前記伝動軸324を用いる構成において
は、チェーン70を用いて構成に比べてチェーン鳴り等
の異音を発生させることがなく、ミッションケース6の
中央部にチェーンにテンションを与えるガイド部材を配
置するといった必要もなくなるので、中央部分の設計の
自由度を向上することができ、さらには、伝動軸324
自身に剛性を持たせることができ、ミッションケース6
中央部分をさらに細くでき、その分に応じて操向輪であ
る前輪2の切れ角を大きくすることができ旋回性能が向
上され、ミッションケース6中央部分を上下方向にも細
くすることで軽量化をはかることができる。 【0105】さらに、図29に示すように、カウンター
軸68を後車輪駆動軸69の配置より高所位置に配置し
て、内ギア104の外周面の最下部の高さと、ギア10
6外周面の最下部との高さを同一高さとして、大径のギ
アである内ギア104によってミッションケース6の最
底部が低くなることがないようにし、最底部をギア10
6に合わせた形状とし、最低地上高を高めて藁屑等が引
っ掛かることがないようにし、畦越えをスムーズに行え
るようにしている。また、図30に示すように、ミッシ
ョンケース6の後下部の形状を、後述するセンターフロ
ート97の昇降軌跡と略同じ形状とすることによって、
全長を短くなるように構成している。 【0106】また、ミッションケース6の後部の後車軸
駆動部には、動力断接機構と制動機構が配設されてお
り、図25で示すように、従動軸67の左右中央部には
ボス部101が固設され、ボス部101の外周面上にス
プロケット100が固設されてチェーン70が巻回され
ている。ボス部101の左右両側の従動軸67には摺動
ギア102がスプライン嵌合されており、摺動ギア10
2とサイドクラッチ103とが歯数を同じにして一体成
形されて部品点数の削減が図られるとともに、組立がし
易いように構成されている。摺動ギア102にはカウン
ター軸68に枢支した内ギア104が噛合され、内ギア
104に一体的に形成した外ギア105には後車輪駆動
軸69に固設するギア106が噛合されている。 【0107】また、摺動ギア102にはミッションケー
ス6上面に枢支した操作軸107に固設するフォークが
嵌合され、操作軸107上部に固設するアーム108を
回動操作することで、操作軸107が回動し、摺動ギア
102が摺動される。摺動ギア102を内側に摺動させ
ると、摺動ギア102内側がボス部101内に係合され
て動力が伝達され、後車輪駆動軸69が駆動される。摺
動ギア102を外側に摺動させると、ボス部101と摺
動ギア102との係合が外れ、動力の伝達が離脱される
と同時に、摺動ギア102の外側端部に形設したパット
と挟持体によって構成されるブレーキ機構130が作動
し、摺動ギア102の回動が制動されて後車輪駆動軸6
9の回動が停止される。 【0108】ところで、ミッションケース6は左右二つ
割りに構成され、前記ブレーキ機構130は従動軸67
上の左右両側に配置され、その間に前記ベベルギヤ32
8が配置されている。このブレーキ機構130を組み立
てるには、通常、ミッションケース6を寝かせて、左右
一側の半割りミッションケース6にその側のブレーキ機
構を組み付け、ベベルギヤ328、他側のブレーキ機構
を組み付けてから他側の半割りミッションケースを被せ
て組み立てるが、左右のブレーキ機構はそれぞれその側
の半割りミッションケースの内側に装着されるため、組
み立てが大変面倒で難しかった。 【0109】そこで、本実施例では上側にある半割りの
ミッションケースに組み付けるブレーキ機構は次のよう
に組み立てている。図100に示すように、まず、係合
ボス510上に押圧板511、従動軸67に係合される
摩擦板512とミッションケース6に係合される摩擦板
513を交互に配置して挿入し、さらにその上に当て板
514を挿入する。そしてこの組み付けた係合ボス51
0を仮固定用ロッド508に差し込んで、解除バネ51
5を上から挿入し、この状態でミッションケース6の下
側から組み付け位置に挿入して、仮固定用ロッド508
を押圧して、はめ込み部508aをミッションケース6
内面にはめ込み仮固定する。なお、はめ込み部508a
とこれを挿入する凹部はしまり嵌めに構成している。 【0110】そして、予めミッションケース6にはアー
ム108を組み付け、操作軸107を支点として回動さ
せ、該アーム108の一端で前記ブレーキ機構130の
押圧板を押圧し制動状態とし、他端はミッションケース
6の外面に設けた固定具506に連結具507により張
設して制動が解除されないようにしておく。この状態
で、インパクトレンチなどを用いて、仮固定用ロッド5
08のはめ込み部508aをミッションケース6から抜
き、仮固定用ロッド508のみを外し、このミッション
ケースを既に組み付けてある他側のミッションケースの
上に被せて、前記ブレーキ機構130は他側に組み付け
てある従動軸67を挿入して、前記連結具507の張力
を解除すれば組み立てが完了する。 【0111】また別の方法として、図101において、
前記仮固定用ロッド508の代わりに仮固定用ねじ50
9を用いる場合を示す。該仮固定用ねじ509の後端に
は把持部509を設け、先端にはねじ部509aを設
け、ミッションケース6内面の従動軸67の支持部には
雌ネジを形成している。そして、前記同様に係合ボス5
10上に押圧板511、摩擦板512、摩擦板513、
当て板514を挿入して、この組み付けた係合ボス51
0を仮固定用ロッド509に差し込んで、解除バネ51
5を上から挿入し、この状態でミッションケース6の内
面に挿入して把持部509を回動させてねじ部509a
をねじ込むことにより、ブレーキ機構130を作動状態
として、前記同様に固定具506に連結具507により
張設して制動が解除されないようにして、仮固定用ロッ
ド509を逆方向に回転させて外し、下側のミッション
ケース6に組み付け固定する。 【0112】従来はブレーキ機構130を、ミッション
ケース6の内部及び外部から組み立てができるよう別ケ
ースが設けてあったため、部品点数が増加し、コストア
ップや機体重量の増加が避けられなかった。しかし、前
述のように、ミッションケース6の少なくとも左右いず
れかのケースに、前記仮固定用ロッド508、仮固定用
ねじ509などのブレーキ機構仮固定用具を用いて、ブ
レーキ機構130を仮止めし、その後、アーム108を
回動して前記ブレーキ機構130近傍に設けた固定具5
06に係止してブレーキ作動状態を保持することによ
り、そのままミッションケース6の他方のケースに重ね
ることができ、容易にブレーキを組み込めるため、生産
性が大きく向上し、メンテナンスでの分解・組立も容易
にできるのである。 【0113】ところで、図26に示すように、入力軸5
6の後方にはPTO入力軸64が軸支されており、その
PTO入力軸64からベベルギア64a・65aを介し
て前後方向に軸芯を有する伝達軸65bに動力を伝達
し、PTOクラッチ109を介してPTO軸65に動力
を伝達しており、入力軸56より水平方向後方に向けて
動力を伝達し、後方の植付部9に動力を伝達するように
している。また、PTO軸65への動力の断接を行うP
TOクラッチ109にはギア式クラッチが用いられてお
り、伝達軸65bには前後方向中央部に筒体65cが遊
嵌され、筒体65cが遊嵌されていない伝達軸65bの
前部にクラッチギア110が固設され、筒体65cの前
部に摺動クラッチギア111がスプライン嵌合されてい
る。 【0114】前記摺動クラッチギア111にはミッショ
ンケース6側面に軸支される操作軸112に固設するフ
ォークが嵌合され、操作軸112が運転席7の近傍位置
に配置されるPTOクラッチレバーを兼用する植付昇降
レバー77に連動連結されており、植付昇降レバー77
を操作することによりクラッチギア110と摺動クラッ
チギア111とが噛合され、伝達軸65bの動力が後方
のPTO軸65に伝達されるようになっている。なお、
筒体65c後部にはギア式クラッチの摺動クラッチギア
113が摺動自在にスプライン嵌合され、圧縮バネ11
4によってPTO軸65の前部に固設するクラッチギア
115に噛合する方向に付勢されており、PTO軸65
に動力を伝達する安全クラッチ116が形成されてい
る。この安全クラッチ116は植付部9側の動力伝達機
構に負荷がかかった場合に、ミッションケース6側で動
力伝達を離脱するようになっており、植付部9の構成が
シンプルになるようにしている。 【0115】前記入力軸56には後進用ギア117が回
設され、副変速軸63には走行用の第1変速ギア118
と第2変速ギア119が固設されている。前記PTO軸
65への動力は、入力軸56の動力が株間変速される変
速機構を介して伝達されており、従来の植付ミッション
ケースが廃止されている。すなわち、入力軸56の端部
に回設した後進用ギア117側方には株間変速を行う第
1減速ギア121が着脱自在に固設されるとともに、P
TO入力軸64の端部にもミッションケース6の側面よ
り側方に突出して株間変速を行う第2減速ギア122が
着脱自在に固設され、第2減速ギア122と第1減速ギ
ア121とを噛合させることで株間変速が行われ、PT
O軸65への動力を伝達している。 【0116】また、前記PTO入力軸64が入力軸56
の後方に配置され、第2減速ギア122と第1減速ギア
121とがミッションケース6の上方に位置され、この
株間変速を行う第1減速ギア121と第2減速ギア12
2の側面は着脱自在にカバー123で被装され、このカ
バー123の位置が図27に示すように上方となってい
る。該カバー123を外すことで容易に第1減速ギア1
21と第2減速ギア122を組み替えることができ、仕
様に合わせた株間変速が行えるようになっている。この
ようにミッションケース内に植付部9の変速機構を配置
すると、植付部9の構成をよりシンプルな構成にするこ
とができる。 【0117】本実施例において、前記カバー123は、
ミッションケース6側面に嵌め込み式とし、取付け容易
な構成としている。すなわち図31に示すように、ミッ
ションケース6の側面にカバー123の外周形状に合わ
せて、段差320を形成しており、カバー123ー側面
である外周部を合わせて容易に嵌め込むことができ、該
カバー123をミッションケース6と一体化させること
ができる。 【0118】さらに、前記カバー123に孔123aを
開口して、孔123aに蝶ボルト321を挿入してミッ
ションケース6の側面に螺合させてミッションケースに
カバー123を確実に固定することができ、前記段差3
20への嵌め込み後の固定を確実とし、内部に組み込ん
だ第1減速ギア121と第2減速ギア122を完全にシ
ールすることができる。さらには、該カバー123内側
面に凸部123b・123cを設けてて減速ギア121
・122の抜け止めとすることができ、機能的なカバー
123構成としている。また、図27に示すように、前
記蝶ボルト321の取付位置は、前輪2の外側であり、
サイドフレーム41の下方となっており、機体の側方よ
り蝶ボルト321を容易に取り外すことができ、カバー
123を取り外して内部の第1減速ギア121と第2減
速ギア122の交換作業を容易に行うことができるよう
にし、メンテナンス性を向上している。 【0119】また、図26に示すように、入力軸56の
前下方に配置した主変速軸61には軸芯方向に摺動され
る走行変速ギア124がスプライン嵌合されており、走
行変速ギア124は大径ギア125と小径ギア126と
を横方向に一体的に固設するギアで構成されるととも
に、主変速レバー75の操作に連動して左右方向に摺動
するフォーク329に嵌合されている。前記主変速軸6
1のミッションケース前後方向左側にはスプロケットと
ギアが一体となった動力分岐ギア127が固設されてお
り、この動力分岐ギア127には、図25、図32に示
すように、左右の前車輪駆動軸62を駆動する差動装置
128のリングギア305が噛合され、動力分岐ギア1
27を用いて動力を2方向に分岐している。 【0120】そして、前記主変速レバー75を中立位置
より前方に回動させると、シフトフォーク329を介し
て走行変速ギア124がミッションケース前後方向左側
に摺動され、小径ギア126と副変速軸63上の第2変
速ギア119とが噛合されて主変速軸61を高速回転さ
せることにより、各車輪2・3を高速で回動させる通常
走行が行われる。また、前記主変速レバー75を中立位
置より1段階後方に回動すると、走行変速ギア124が
ミッションケース前後方向右側に摺動されて、大径ギア
125と副変速軸63上の第1変速ギア113とが噛合
され、主変速軸61が低速回転されて各車輪2・3を作
業速度で駆動するとともに、前進側に2段階の変速が行
われる。 【0121】また、前記主変速レバー75を後方に回動
すると、走行変速ギア124がミッションケース前後方
向右側にさらに摺動され、入力軸56上の後進用ギア1
17が主変速軸61上のギアと噛合され、主変速軸61
が逆転回動されて、各車輪2・3を後進回動させてい
る。このように、入力軸56を後進変速用のギアを有す
るカウンター軸として使用し、ミッションケース内の変
速機構をPTO側への入力軸であるPTOカウンター軸
を省いたシンプルな変速機構に構成しても、通常走行、
作業走行、後進走行といった必要最小限の走行変速を行
うことができるようになっている。 【0122】また、前記差動装置128の側部には、デ
フロック機構129が配置されている。すなわち、前記
差動装置128のリングギア305の側端部にはロック
用のギア305aが形成され、該ギア305aに前車輪
駆動軸62上にスプライン係合されているロック体30
6側面の噛合歯306aが係合可能となっている。前記
ロック体306はバネ304によって外側に付勢され、
前車輪駆動軸62の段差部に当接するように付勢されて
いる。この位置では、リングギア305のギア305a
とロック体306側面の噛合歯306aとが係合されな
い非係合位置となっており、左右の前車輪駆動軸62・
62が差動される。 【0123】また、前記ロック体306外周面の外側に
は溝306bが形成され、ミッションケース6下面に枢
支したロック操作ピン307上部が係合される。ロック
操作ピン307上部は片側を半円状に当接部307aを
形成し、逆側を凹状部307bとしてる。前記ミッショ
ンケース6下面より下方に突設したロック操作ピン30
7下部には左右にアーム308・309が突設されてい
る。該アーム308・309を左右に向けた状態で、ロ
ック操作ピン307上部の凹状部307bがロック体3
06の溝306bに位置し、ロック体306をリングギ
ア305に対して非係合位置に位置させている。そし
て、前記アーム309が図2に示すデフロック操作レバ
ー349に連動して回動されたり、前記アーム308・
309が、後述する操向ハンドル8の操向操作に応じて
設定角度以上回動されると、引っ張られてロック操作ピ
ン307が左右何方向に回転されると、当接部307a
でロック体306を押して、噛合歯306aとギア30
5aとが係合される。この係合によって、リングギア3
05がロック体306を介して前車輪駆動軸62に係合
された、いわゆる差動装置128のロック状態となり、
左右の前車輪駆動軸62・62が差動されることがない
のである。 【0124】また、このような変速機構を有するミッシ
ョンケース6において、図24、図25で示すように、
油圧式昇降シリンダー15側へ潤滑油を吸引させるため
のサクション管157がミッションケース6の後部側の
側面に配置され、また、ミッションケース6内に油を戻
すための戻り油管156がミッションケース6前部の変
速室60上部に設けられ、ミッションケース6を潤滑油
用のタンクとして兼用される。 【0125】前記油圧式昇降シリンダー15側より戻り
油管156を介して戻された潤滑油は、変速室60上部
に送り込まれてこの部分の変速ギアにかけて潤滑を行っ
ており、変速室60内の変速ギア等が浸るまでミッショ
ンケース6内の潤滑油の液面を高くする必要がなくな
り、潤滑油量を減らすことができ、コストダウンを図る
とともに軽量化を実現することができるのである。 【0126】また、前記サクション管157は、前記操
作軸107の直前方に介装した筒状のサクションフィル
ター330側部に連通されている。前記サクション管1
57のミッションケース6への連通位置(サクションフ
ィルター330の配置)は、できる限り後車輪駆動軸6
9に近づけた操作軸107の直前方に配置され、ミッシ
ョンケース6の低所に設けることができ、ミッションケ
ース6の下部から、ミッションケース6の上途中部まで
の領域に潤滑油を貯留可能としたタンクが形成されるの
である。そして、ミッションケース6下部の潤滑油をサ
クションフィルター330を介してサクション管157
に送り、ミッションケース6内の変速用のギアの噛合に
より欠けたり削れたりした屑等を除去した潤滑油を前記
油圧式昇降シリンダー15内に送り込むのである。 【0127】また、前記サクション管157がミッショ
ンケース6の後方側に取付けられ、戻り油管156との
前後距離が長くなり、ミッションケース6前部から後部
へ循環する間にミッションケース6側面より温められた
潤滑油の熱を放熱することができ、冷却効率を向上して
いる。さらに、戻り油管156とサクション管157と
がチェーン70を挟んで対向するように配設されている
と、サクション管157からミッションケース6内に戻
される高温の油をチェーン70の駆動によって攪拌する
ことができるようになり、ミッションケース6内を対流
する間に十分に冷却することができ、ミッションケース
6内の油の温度をほぼ均一にすることができる。 【0128】また、前記ミッションケース6の底部の形
状を側面視で円弧部6gを形成した流線型とし、植付け
作業時に圃場内の水に浸されながら走行させても抵抗が
大きくならず、この部分の水の流れをスムーズとしてい
る。そして、このミッションケース6の底部が水に浸さ
れることで、この部分の放熱性能が良くなり、ミッショ
ンケース6を前後に長く形成して放熱面積を広くしたこ
とと合わせて内部の潤滑油を冷却して、完全に冷却され
た潤滑油をミッションケース6下部のサクション管15
7より吸引して油圧式昇降シリンダー15等の作業機に
送油することができ、油圧パルス駆動方式の油圧式昇降
シリンダー15の駆動性能を高く保つことができ、植付
部9を圃場の凹凸の合わせて確実に昇降させることがで
きるのである。 【0129】また、図33に示すように、前記ミッショ
ンケース6前上部の一側側面には、給油パイプ331が
接続され、該給油パイプ331を前上方のエンジン5側
に延設し、給油パイプ331上部をサイドフレーム41
・42の上方で後上方に屈曲させて、運転席7側に向け
て突出させている。前記給油パイプ331上部にはブリ
ーザ332が設けられ、ミッションケース6内部の潤滑
油が熱で膨張しても、内部の空気を排出するようにして
いる。この給油パイプ331上部は、前記ステアリング
コラム150によって被装され、潤滑油の臭いを運転席
7側に流れ込まないように遮断させて作業環境を良好に
保つ構成としている。そして、ステアリングコラム15
0をワンタッチで取り外して給油パイプ331より潤滑
油を補充することができ、運転席7側よりこの作業がで
き作業性の優れたものとなっている。 【0130】また、図5に示すように、ミッションケー
ス6の前部下端部より内方側、すなわち変速室60の下
部には左右のブレーキロッド131を作動させるブレー
キシャフト132を通す貫通孔133が穿設されてお
り、ミッションケース6でブレーキ機構を支持するよう
になっている。したがって、別途支持部材を設ける必要
がなく、その部分のスペースをコンパクトに設計でき
る。また、本実施例において、前記貫通孔133の開口
位置をミッションケース6の前下部に配置させている
が、ブレーキシャフト132に連結するブレーキロッド
131が後述する如くミッションケース6側方を通過さ
せており、ミッションケース6前下部の構成がシンプル
となり、この部分に藁や草等がひっかかたり、泥等が付
着して腐食させることがないのである。 【0131】ブレーキ機構としてはブレーキペダルを2
本とする2ブレーキ機構が用いられており、図5、図6
で示すように、左右に分かれたブレーキペダル73a・
73bのどちらか一方を踏み込み操作すると、それに連
動して2重の筒体で構成されたブレーキシャフト132
のどちらか一方の筒体が回動するようになっており、そ
れぞれの筒体に連動連結された左右のブレーキロッド1
31が別々に作動するようになって、ブレーキロッド1
31後端部に連動連結されているアーム108が回動
し、前述した摺動ギア102が外側に摺動して動力伝達
が離脱されると同時に、ブレーキ機構130が作動して
踏み込み操作した側の後車輪駆動軸69が制動され、他
方の後車輪駆動軸69のみが駆動して走行車両1を急旋
回させるようになっている。路上走行時等において両方
同時にブレーキをかけたいときには、左右のブレーキペ
ダル73を連結する連結具135を用いるようになって
いる。 【0132】従来においては、図36に示すように、前
記後車輪駆動軸69・69の制動を操作するアーム10
8・108がミッションケース6後部の下方に配置さ
れ、該アーム108・108とブレーキシャフト132
と連動させるブレーキロッド131が、植付作業時に底
所となるミッションケース6の下方に配置され、泥等が
付着されやすく、藁屑や草等が絡みつき易いものとなっ
ており、畦越え時にはこのブレーキロッド131を打ち
付けて損傷し易い配置構成となっていた。 【0133】本実施例においては、前記後車輪駆動軸6
9・69の制動を操作するアーム108・108をミッ
ションケース6後部の上方に配置され、アーム108・
108外端部をミッションケース6左右側面より外側に
突設させられており、ブレーキシャフト132と連動さ
せるブレーキロッド131が、ミッションケース6の左
右側方を通過して連結されている。よって、作業時の底
所となるミッションケース6の下方に、操作連動部であ
るアーム108・108やブレーキロッド131・13
1等を配置する構成となっていないので、前述した如
く、泥等が付着することがなく、藁屑や草等が引っ掛か
る等の不具合を生じることがなく、畦越え時にも打ち付
けることがないのである。 【0134】次に、ステアリング駆動部を説明する。図
37はステアリングシャフト下部の側面図、図38は操
向操作とデフロック機構との連動構成を示す平面図、図
87はステアリング切れ角規制手段を示す平面図、図8
8は同じくA−A側面一部断面図、図89はステアリン
グ切れ角規制手段の動作説明図、図90は走行操作系レ
バーのレバーガイドを示す説明図である。図9、図3
7、図38に示すように、エンジン5の後方で、かつミ
ッションケース6の前方には、操向ハンドル8のステア
リングシャフト81が配置されており、このステアリン
グシャフト81は直状に形成されている。そして、ステ
アリングシャフト81の下端に配設されているステアリ
ング駆動部80がエンジン5の下方に位置するように配
設され、側面視及び平面視においてエンジン5とオーバ
ーラップしている。 【0135】また、図9に示すように、側面視におい
て、直状のステアリングシャフト81の傾斜角度と同角
度に、すなわちステアリングシャフト81と略平行にな
るようにミッションケース6の前上面6e が傾斜形成さ
れており、ミッションケース6とステアリングシャフト
81とが互いに干渉するのを回避できるようになってい
る。 【0136】このように、エンジン5とミッションケー
ス6が前後に並んで配置され、その間に直状のステアリ
ングシャフト81が配設可能に構成されていると、従来
のようなステアリングギアケース等のジョイント部を設
ける必要がなくなり、部品点数を削減することができ
る。したがって、ミッションケース6の簡素化や省スペ
ース化が実現でき、その部分におけるスペースの有効利
用を図ることができる。また、ステアリング駆動部80
が平面視でエンジン5とオーバーラップしていると、従
来に比べて機体全長を短くすることができ、かつ、エン
ジン5下方の空間部を有効利用できるので、ステアリン
グ駆動部80の設計の自由度を向上させることができ
る。そしてさらに、エンジン5を車体フレーム4よりも
下方に突出させて配置しているので、ステアリング駆動
部80も下方側に配設されることになり、低重心で作業
性のよい転倒角の優れた田植機を実現することができ
る。また、圃場などに出入りする際、特に後進時におい
てはミッションケース6の膨出した前下部が泥除けにな
って、ステアリング駆動部80に泥が付着するのを極力
防止することができる。 【0137】また、ステアリング駆動部80のステアリ
ングギア82は、操向ハンドル8のステアリングシャフ
ト81の下端部に設けられているギア83と噛合してお
り、操向ハンドル8の回動操作によって回動軸84を中
心に回動し、ステアリングギア82の前部両側に連結さ
れている左右一対のステアリングロッド85を作動させ
て前輪2の向きを変えるように構成されている。なお、
ステアリングギア82のほぼ中央には操作軸86が挿通
される左右方向に長い開孔部82aが穿設されており、
ステアリングギア82の回動範囲をその操作軸86で規
制するようにしている。 【0138】また、ステアリングギア82のユニット
は、図37で示すように、ボルト208・208・・・
によって下方から取付部材51に取り付けられており、
取付部材51の上方に締結用工具を入れる空間が不要と
なり、組み立てや分解が簡単に行うことができ、エンジ
ン5の載置高さをさらに低くして、低重心化を図ること
ができるように構成されている。 【0139】ここで、前記ステアリング切れ角の規制に
ついて説明する。前述のように、ステアリングギア82
の略中央部に左右方向に長い略扇形の開孔部82aを穿
設し、該開孔部82aに操作軸86を挿通することによ
り、ステアリング切れ角規制手段が構成され、該手段に
よって、ステアリングギア82の回動可能範囲は適度な
大きさに制限されて、異常な急旋回を防止できる。 【0140】これをさらに改善し、運転場所などの作業
条件に応じた適正な旋回操作を可能とするステアリング
切れ角規制手段について述べる。図87、図88に示す
ように、前記取付部材51の略中央部にストッパ軸47
1を軸支し、該ストッパ軸471の下部には楕円柱状の
ストッパ472の中心部を固設し、該ストッパ472を
前記開孔部82a内に挿設する。一方、ストッパ軸47
1の上端には、前記ストッパ472と平面視で特定の回
動角476を有する連結アーム473の一端が固定さ
れ、該連結アーム473の他端には連結ロッド474が
回動可能に連結されている。該連結ロッド474は前記
主変速レバー75に連結連動されている。また、前記連
結アーム473と連結ロッド474との連結部近傍に
は、コイルバネ477の一端が掛止され、該コイルバネ
477の他端は取付部材51の前部に固定されている。 【0141】このように構成して、圃場で植付けや後進
をする場合には、主変速レバー75を植付け位置478
b又は後進位置478c変速すると、図89に示すよう
に、前記連結アーム473はコイルバネ477によって
前方へ引っ張られた状態のままであり、前記楕円柱状の
ストッパ472は長径が車体前後方向を向き、回動軸8
4の半径方向と一致して、ステアリングギア82の回動
方向に対してストッパ472の幅は狭くなる。つまり、
開孔部82aの側辺82bとストッパ472の側部47
2bとの間に形成する回動可能範囲は広くなるのであ
る。一方、路上を高速走行する場合には、図90に示す
ように、主変速レバー75を植付け位置478b又は後
進位置478cから走行位置478aまで回動させる
と、この回動操作により該主変速レバー75の下端に連
結された連結ロッド474は後方に引っ張られ、該連結
ロッド474を介して連結アーム473も後方に引っ張
られる。このようにして、連結アーム473に一体的に
固設されたストッパ472はストッパ軸471を中心に
回動し、ストッパ472の短径が車体前後方向を向き、
長径が車体左右方向を向いてステアリングギア82の回
動方向に対してストッパ472の幅は長くなる。つま
り、開孔部82aの側辺82bとストッパ472の突端
部472aとの間に形成する回動可能範囲は狭くなるの
である。よって、植付けや後進時に比較して、ステアリ
ングギア82の回動可能範囲を小さく制限できるのであ
る。 【0142】従って、操向ハンドル8を回動操作して車
体を旋回する場合、植付けや後進時には、ステアリング
ギア82の回動可能範囲は大きくなり旋回半径を小さく
することができ、逆に、路上での高速走行時には、操向
ハンドル8をいくら回動させようとしても、ステアリン
グギアの回動はストッパ472の突端部472aが側辺
82bに当たって阻止され、それ以上旋回半径を小さく
できず、急ハンドルは切れないのである。なお、非作業
時で、圃場での走行速度を上げる場合には、ステアリン
グギア82の回動可能範囲を小さくすることが好ましい
が、それには、前記回動角度476を変更することなど
によって簡単に対応することが可能である。 【0143】ここで、前記連結ロッド474は主変速レ
バー75ではなく、前記アクセルレバー78に連結連動
させてもよい。この場合、無段変速であればストッパ4
72の回動も無段階となるため、回動可能範囲をより細
かく変化させることができ、ステアリング切れ角の微妙
な制御を可能にすることができる。また、本実施例では
構造を簡単にするためストッパ472の形状を楕円とし
たが、必要に応じて碁盤型などの他の形状に置き換える
ことも可能である。 【0144】さて、前述したデフロック機構129の操
作は、図2に示すように、運転席7の右側方のデフロッ
ク操作レバー349によって行われている。作業時に圃
場のぬかるみにはまり前輪2がスリップした場合に、デ
フロック操作レバー349を上方に引き上げる操作を行
うことによって、この操作に連動して前記アーム309
が回動され、前述した如く、差動装置128のロック状
態となり、左右の前車輪駆動軸62・62が差動される
ことがなくなり、前輪2がスリップすることなく、ぬか
るみより機体を脱出させることができる。 【0145】また、前述したデフロック機構129を操
向ハンドル8の回動操作に連動させることもできる。図
38に示すように、前記アーム308・309の各端部
より前方にデフロックロッド310・310を突設し、
その前端部にガイドプレート311・311を形成し、
前記ステアリングギア82に長孔311aと連動アーム
312を介して連動連結され連動手段を構成し、操向ハ
ンドル8の一定角度以上の回動操作によって差動装置1
28をロックするようにしている。 【0146】すなわち、図32、図38で示すように、
ステアリングギア82の下部に操作軸86に枢支された
連動アーム312を設けるとともに、連動アーム312
の左右両端部に突設されたピン88をガイドプレート3
11先端の長孔311aに挿通して取り付け、ステアリ
ングギア82の開孔部82a後方の下面に突設された係
合部89を、操向ハンドル8の設定角度以上の回動で、
ステアリングギア82が回動することによって連動アー
ム312に当接させて、その連動アーム312を回動さ
せるとともに、その回動範囲によって長孔311aに挿
通されているピン88を介して左右どちらかのガイドプ
レート311及びデフロックロッド310を作動させ、
デフロックロッド310に連動連結されているアーム3
08(若しくはアーム309)を介して、ロック操作ピ
ン307を回動しロック体306をリングギア305と
係合してデフロック機構129を作動させるのである。
また、前記連動アーム312は、平面視で「へ」字状に
形成し、連動アーム312の左右端部のピン88・88
をリングギア305の左右終端より内側位置に配置して
いる。 【0147】このような構成とすることによって、操向
ハンドル8を回動操作して係合部89が連動アーム31
2に当接してデフロック機構129が作動される作動開
始時期を、操向ハンドル8の最大操作時(前輪2の切れ
角度の最大時)より前としている。したがって、前記操
向ハンドル8を最大に操作して旋回方向の内側の前輪2
へ伝達すべき駆動力が外側の前輪2へ伝達されて動力が
過剰となって空転される前に、デフロック機構129を
作動させ、左右両前輪2・2に均等に動力を伝達して空
転を抑えて正確に旋回操向をさせるのである。なお、前
記連動アーム312は図示せぬトグルバネ等によって中
立位置(連動アーム312の左右向き)に付勢して、操
向ハンドル8を中立側に操作すると、連動アーム312
が中立に戻ってデフロック機構129の作動を中止する
ようにしている。 【0148】また、前記デフロックロッド310前部を
ガイドプレート311後面に前後に摺動自在に挿入し、
デフロックロッド310前部とガイドプレート311後
面との間にコイルバネ313を介装し、前記のように連
動アーム312、ピン88を介してガイドプレート31
1を前方に回動させた際に、コイルバネ313を介し
て、デフロックロッド310を前方に引っ張るようにし
て緩衝部材を構成している。よって、操向ハンドル8の
操作をある一定の範囲より大きく操作してデフロック機
構129を作動させることができ、またデフロック機構
129を作動させながらさらに操向ハンドル8を回動操
作することができる。この時、差動装置128をロック
する抵抗が緩衝部材であるコイルバネ313に吸収さ
れ、操向ハンドル8側にその抵抗の伝達が抑えられるの
で良好な操作性を得ることができる。また、デフロック
機構129を構成するリングギア305のギア305a
とロック体306側面の噛合歯306aとの噛み合い位
置が合うまでロック体306が待機させることができ、
歯こぼれ等を生じることがないのである。 【0149】なお、前記緩衝部材はデフロックロッド3
10を前後に二分割して摺動自在に連結する構成とする
こともできる。また、前記緩衝部材を設けることによっ
て、圃場以外の操向時には、アーム308(若しくはア
ーム309)の回動を強制的に固定して操向ハンドル8
の切れ角が最大に操作されてもデフロック機構129の
作動されることがないようにすることもできる。 【0150】また、前記操向ハンドル8の回動操作量に
対して長孔311aの大きさを調整したり、大きさを調
整して、旋回角度が最大となる前に、デフロック129
を作動させるようになっている。 【0151】また、図16、図34に示すように、機体
進行方向に向かって左側に配設される主クラッチペダル
74の近傍には苗継ぎレバー76が設けられ、主クラッ
チペダル74や苗継ぎレバー76の操作により、エンジ
ン5からミッションケース6内へ動力を伝達するベルト
54のテンションを「切」状態にできるように構成され
ている。そして、それらの操作系において、一方の操作
具を操作しても、他方の操作具には影響を与えないよう
に、融通機構が設けられている。この融通機構は、例え
ば図34の側面視で示すように、苗継ぎレバー76の回
動支軸141に設けられたブラケット142に枢支され
ている連動ロッド140に長孔140aを穿設して構成
するもので、ベルトテンションを「入」「切」するテン
ションアーム57に突設されたピンなどの嵌入部材14
3をその長孔140aに挿通して構成している。 【0152】したがって、苗継ぎレバー76を後方に向
けて図34の矢印方向に回動操作すると、連動ロッド1
40が下方に向かって移動し、長孔140aに挿通され
た嵌入部材143を介してテンションアーム57を下方
に回動して、テンションアーム57に取り付けられてい
るテンションローラー58をベルト54から離し、ベル
トテンションを「切」状態にするようになっている。一
方、主クラッチペダル74を踏み込むと、図34、図3
5で示すように、ペダルの支柱に固設されたL字型ブラ
ケット144に取り付けられたピンなどの押圧部材14
5が、テンションアーム57の回動軸59に固定された
カム146を押してテンションアーム57を下方に回動
させるようになっており、これによってベルトテンショ
ンを「切」状態にするようになっている。このため、主
クラッチペダル74を踏み込んでもテンションアーム5
7の嵌入部材143が連動ロッド140に穿設された長
孔140a内を移動するだけで苗継ぎレバー76には何
の影響も与えないし、苗継ぎレバー76を操作しても主
クラッチペダル74に影響を与えないのは言うまでもな
い。 【0153】何れにしても、全動力を停止させる同一操
作となる手動操作具である苗継ぎレバー76と足動操作
具である主クラッチペダル74の2つを設けたので、機
体に乗ったまま又は降りたままでもそれらの操作が可能
となり、また、手動操作具であるレバーと足動操作具で
あるペダルなので、両者を識別して操作することが容易
になって誤操作がない。そしてさらに、ベルトテンショ
ンを「切」状態にする機構にはワイヤー等を使用してい
ないため、操作力が軽くて耐久性がよく、メンテナンス
も容易にできる。その他、苗継ぎレバー76の「切」の
位置にのみエンジン始動可能となる電気的なスイッチが
設けられており、主クラッチペダル74を踏み込まなく
てもリコイルスターター153を用いてエンジン5を始
動させることができるようになっている。 【0154】また、テンションアーム57には、図1
5、図34、図35で示すように、ミッションケース6
側の従動プーリ55の回転を停止させるブレーキ部材1
47が固設され、このブレーキ部材147は、テンショ
ンアーム57が下方に向かって回動することによって従
動プーリ55を押圧するように構成されている。すなわ
ち、前記テンションアーム57のミッションケース6側
にスライド支持板301を突設し、該スライド支持板3
01下面に側面視「コ」字状の支持体303を配置し、
該支持体303の前後側面に前後に摺動自在にブレーキ
部材147を支持し、該ブレーキ部材147前部をゴム
などの弾性体149で構成し、該弾性体149と支持体
303との間にバネ148が介装され、ブレーキ部材1
47を従動プーリ55側に向けて付勢している。 【0155】したがって、前記ベルト54のテンション
を「切」とするとともに、弾性体149を従動プーリ5
5のプーリ溝内に押圧することによって回転を停止さ
せ、機体全体にブレーキがかかるように構成することが
でき、走行車両1をトラックの荷台に積込み若しくは積
下ろしするためにアユミ板上を走行させたり、圃場への
出入りの際の畦越え時に走行車両1を降車した作業者が
苗継ぎレバー76を操作することで、走行車両1を停止
させることができ、操作性が非常に優れたものになって
いる。 【0156】また、圃場外での走行時に主クラッチペダ
ル74の踏み込み操作をしても、テンションアーム57
を回動される量が少なく、ブレーキ部材147を従動プ
ーリ55に当接させることがないので、従動プーリ55
を制動させることがない。また、前記弾性体149は摩
耗したときのために交換可能に構成されており、メンテ
ナンスが容易にできるようになっている。そしてさら
に、その弾性体149を芯金に焼き付けすれば、耐久性
を向上させることができる。 【0157】また、前記スライド支持板301には、進
行方向に対して左右に長い長穴301a・301aが左
右に開口されている。該長穴301a・301aの上方
より挿入されるボルト302・302に側面視「コ」字
状の支持体303の閉塞面を螺合して、スライド支持板
301に対して支持体303及びブレーキ部材147を
左右にスライド自在に支持される。よって、ブレーキ部
材147先端部の弾性体149を従動プーリ55のプー
リ溝に対し直角であり、精度良く押圧するように調整す
ることができる。 【0158】したがって、従動プーリ55を制動させた
ときに、異音が発生することなく確実に制動させること
ができる。また、前記ブレーキ部材147を「コ」字状
の支持体303の前後の側面を用いて二箇所で支持で
き、従動プーリ55の回転方向に対する支持剛性を高め
て、ブレーキ部材147端部の弾性体149を従動プー
リ55のプーリ溝に力強く押圧することができ、制動動
作の信頼性を向上している。さらに、前記ボルト302
・302の螺合を外すことで、支持体303が取り外さ
れ、ブレーキ部材147端部の弾性体149の交換作業
を容易に行うことができる。 【0159】このような苗継ぎレバー76の操作でベル
ト54のテンションを「切」とすると同時にブレーキを
かける機構において、ブレーキをより確実なものとする
構造について説明する。図99に示すように、ミッショ
ンケース6の前部に軸支された主変速軸61より左方に
ブレーキ軸部61aを延出し、該ブレーキ軸部61aの
先端にブレーキ輪61bを固設し、該ブレーキ輪61b
の前方にはブレーキ部材147を配置する。該ブレーキ
部材147の前部は前記ブレーキ輪61bを摩擦接触可
能な凹状ゴムなどの弾性体149からなり、該弾性体1
49と支持部材147との間にはバネ148が介装さ
れ、該バネ148によりブレーキ部材147はブレーキ
輪61b側に向けて付勢されている。 【0160】主変速レバー75が中立位置にある場合
は、前述したように従動プーリ55にブレーキをかけて
も、主変速軸61は回動可能な状態にあるため、前輪
2、後輪3とも自由に回動して走行車両1を停止できな
いが、このように、制動対象を走行変速ギア124より
も車輪側に近い主変速軸61に変更することにより、ブ
レーキをかけることができるようになり、しかも、該主
変速軸61は前輪2と後輪3への動力伝達が分岐する軸
でもあるため、四輪とも同時にロックすることができる
のである。すなわち、このような構成とすることによ
り、途中で変速しても車輪を完全にロックすることがで
き、しかも、四輪とも同時にロックすることができるた
め、苗継ぎレバー76によるブレーキを常に有効とする
ことができる。 【0161】ここで、これまで述べたような従動プーリ
55のサブブレーキ機構とは異なり、テンションアーム
57の回動とは独立した動作を行うサブブレーキ機構、
及び、そのブレーキを無効とする解除機構の構成につい
て説明する。図93はミッションケースへの動力の断接
機構と従動プーリのサブブレーキ機構との連動構成を示
す側面図、図94は従動プーリのサブブレーキ機構を無
効可能な解除機構を示す平面図一部断面図である。 【0162】まず、サブブレーキ機構について説明す
る。図93に示すように、苗継ぎレバー76の回動支軸
141に設けられたブラケット142の前下部に突部4
92を設け、該突部492には連結ロッド493の一端
を枢支し、該連結ロッド493の他端は後方の連結アー
ム494の上端に枢結されている。該連結アーム494
は、その略中央部が前記回動軸59に枢支され、連結ア
ーム494の下方にはブレーキ部材497が設けられ、
該ブレーキ部材497は支持部材498に摺動自在に内
挿され、該支持部材498の連結部498aは前記連結
アーム494の下端に枢結されている。前記ブレーキ部
材497の前部はゴムなどの弾性体495からなり、該
弾性体495と支持部材498との間にはバネ496が
介装され、該バネ496によりブレーキ部材497は従
動プーリ55側に向けて付勢されている。なお、ブレー
キ部材497を支持する支持部材498は、図94に示
すように、その固定部498bを固定フレーム500を
介してサイドフレーム42に固設しており、ブレーキ部
材497の支持剛性を向上させ、制動の信頼性を高めて
いる。 【0163】このように構成することにより、苗継ぎレ
バー76を後方に向けて図93の矢印方向に回動操作す
ると、前述のように、テンションローラ58がベルト5
4から離されてベルトテンションが「切」状態になると
同時に、連結ロッド493が前方に引っ張られ、連結ア
ーム494の回動によりブレーキ部材497の弾性体4
95が従動プーリ55のプーリ溝内に押圧され、従動プ
ーリ55の回転が停止される。すなわち、本サブブレー
キ機構は、前述のサブブレーキ機構のようにテンション
アーム57の回動とは連動せず独立しているため、高速
となる移動走行時に、前記主クラッチペダル74を踏み
込んだ際のテンションアーム57の僅かな回動により、
従動プーリ55が制動され急ブレーキがかかるといった
事態も完全に回避することができるのである。 【0164】次に、このサブブレーキ機構を、高速とな
る移動走行時には無効化する解除機構について説明す
る。前記主変速レバー75のディテントアーム軸499
をミッションケース6の変速室60内から左外側に延出
し、該ディテントアーム軸499の左方には屈曲部を回
動軸501で軸支したL型アーム502を設けている。
該L型アーム502の両端には長孔502a・502b
を穿設し、前記ディテントアーム軸499の左端と前記
ブレーキ部材497の後部にはピンなどの嵌入部材50
3・504を突設し、前記長孔502a・502bにそ
れぞれ挿通している。 【0165】従って、主変速レバー75を操作して移動
走行位置にすると、ディテントアーム軸499が左方に
摺動されL型アーム502が矢印方向に回動し、前記ブ
レーキ部材497が引っ張られて、弾性体495が従動
プーリ55のプーリ溝から離れた位置まで移動して保持
される。このため、たとえ誤って苗継ぎレバー76を操
作し、支持部材498が従動プーリ55側に移動して
も、苗継ぎレバー76の操作による移動距離は移動走行
位置への操作による移動距離より短いためブレーキがか
からない構成となっている。本実施例では、解除機構を
主変速レバー75のディテントアーム499に連動させ
たが、主変速レバー75自体やアクセルレバー78、あ
るいは、主クラッチペダル74の操作に連動した構成と
してもよく、解除機構の連動方法は特に限定されない。 【0166】このように、他の動力伝達系とは独立した
サブブレーキ機構と、高速となる移動走行時には該サブ
ブレーキ機構を無効とする解除機構とを設けたことによ
り、移動走行中に苗継ぎレバーなどを操作しても、急ブ
レーキがかかることがなく、又その衝撃によるギアの破
損も防止することができるのである。 【0167】次に、植付部9を説明する。図39は植付
伝動フレーム92の平面断面図、図40は連結部材の側
面図一部断面図、図41はヒッチの側面図、図42は同
じく後面図、図43は苗載台下部のヒッチ部分の側面
図、図44はヒッチの斜視図、図45は苗載台の裏面か
ら見た図、図46は苗載台の側面図である。 【0168】植付伝動フレーム92は後述する左右平行
に前後方向に配置した伝動パイプ164・165と、十
字型管継ぎ手167a・167bを介して連結する横連
結パイプ166からなり、該植付伝動フレーム92には
駆動ケース172やクランク機構171、苗載台支持フ
レーム190が付設されており、植付伝動フレーム92
を構成する左側伝動パイプ165の前部に配置する十字
型管継ぎ手167a・167bの側面には、前上方向き
に支持プレート174が突設されるとともに、横連結パ
イプ166の右側前部より前上方向きに支持プレート1
75が支持プレート174と平行に突設され、さらに横
連結パイプ166の左右中央部より前方にローリング支
点軸176を嵌合する連結部材260が配設されてい
る。 【0169】すなわち、ローリング支点の構成は、図3
9、図40に示すように、植付伝動フレーム92の連結
パイプ166には、左右方向で中央に連結部材260が
挿嵌固定されており、該連結部材260は連結パイプ1
66より前方に延出し、前方部分は左右方向の幅が広く
なり、前方部分上部には側面視で略門型状に形成され
て、後述するヒッチ94の下部に嵌合されるブラケット
260aが形成されている。また、ブラケット260a
の前後の壁にはパイプ260bが前後方向に挿入固定さ
れている。 【0170】一方、前記昇降リンク機構10の後部のヒ
ッチ94は、図41及び図42で示すように、側面視で
下方が幅広となるテーパー形状をしており、その断面は
平面視で略コ字状に形成され、その開放部を後方に向け
て、後面下部はプレートによって固定して閉じられてい
る。このように植付部9を固定することにより、最も力
の加わるヒッチ94の下側の強度が高くなるよう効率的
な形状としているのである。そして、前記ヒッチ94の
両側面の上部と下部にはそれぞれトップリンク枢支パイ
プ94iとロワーリンク枢支パイプ94jが固設されて
おり、トップリンク11が上部左右両側に枢支軸によっ
て枢支され、ロワーリンク12が下部左右両側に枢支軸
によって枢支されている。 【0171】また、前記ヒッチ94の下部には下方向に
開放する側面視略門型状のブラケット94aを形成して
おり、前記ブラケット260aを丁度外嵌できる大きさ
として、該ブラケット94aの前後の壁には接合孔94
b・94bが前記パイプ260bの位置に合わせて穿設
されている。そして、前記ブラケット260aの上方か
ら前記ブラケット94aを嵌合し、前記パイプ260b
・260b及び接合孔94b・94bの中心を合わせて
図43で示すローリング支点軸176を挿嵌して、該ロ
ーリング支点軸176に固定したストッパー板176a
をヒッチ94の前面下部にねじ等の固定手段で固定して
いる。このようにして、該植付伝動フレーム92をヒッ
チ94に枢支連結している。このような構成で、植付部
9を本機にローリング可能に連結しているので、従来使
用していたベアリング等ヒッチ台の部品が必要なくな
り、またローリング支点軸176も従来のローリング軸
より小さな部品で良く、焼入れも研磨も不要でコストダ
ウンが図れるのである。 【0172】また、前記ヒッチ94の両側側面上部には
フック孔94c・94c・・・が上下方向に数箇所に穿
設されており、該フック孔94cに苗載台91が傾斜し
た時に水平方向へ戻すようにするローリング補正バネ2
62の一端が引掛けられている。そして、該ローリング
補正バネ262の他方の一端が、図45で示すように、
苗載台91の裏面のガイドレール96に穿設されたフッ
ク孔96b・96b・・・に掛けられている。 【0173】このようにフック孔94cをヒッチ94の
側面に設けたので、ローリング補正バネ262を掛ける
作業が、従来のようにヒッチ上面にフック孔を設けた場
合に比べてフック孔94cがローリング補正バネ262
のフックに対して略垂直に位置するため容易に行うこと
ができる。このフック孔94cを上下方向に配列し、フ
ック位置を調整することで苗載台91の回転方向に対し
て効率的な補正を行うことができる構造となっている。
そして、他方のフック孔96bをガイドレール96に直
接穿設したので、バネステーを必要としないシンプルな
構成となるばかりでなく、ローリング補正バネ262が
苗載台91のより近い位置であり、なおかつ、ローリン
グ補正バネ262がガイドレール96(苗載台9の左右
回動平面)と略平行となり、苗載台9の左右の傾き(ロ
ーリング)を強制的に修正するように、ばね力が効率よ
く働くよう構成されているのである。 【0174】また、図44に示すように、前記ローリン
グ補正バネ262は両端部のフック部によって掛止する
方向が180°位相をずらしたものが用いられ、また少
なくとも一方のフック部をコイル部の円周外方に設けて
いるので、図45に示すように、ガイドレール96前面
のフック孔96bに前側よりローリング補正バネ262
のフック部を掛止し、他方のフック部を、図44に示す
ように、ヒッチ94後部の開放面よりフック孔94cに
掛止し易くなっており、ローリング補正バネ262の組
み付けが簡単となるのである。さらには前記ローリング
補正バネ262の組み付け後、該ローリング補正バネ2
62とガイドレール96との干渉を防止してローリング
補正バネ262による弾性力を効率よく伝えるよう構成
されている。さらに、該フック孔96bはガイドレール
96の左右方向複数個所に穿設されており、フック位置
を変えることによって、ばね力を調整できるようになっ
ている。また、該フック孔94cが穿設されているヒッ
チ94の上部側では、高い強度が要求されていないた
め、前壁に切り抜き孔94dを設け、ヒッチ94前方か
らヒッチ94の内方を確認しやすく組立性の向上をはか
るとともに、軽量化をはかった構成としている。 【0175】一方、前記ヒッチ94の上下方向で途中部
分の両側面にはマーカー引き上げ用のワイヤーブラケッ
ト94e・94eが外方に向けて突出するよう装着され
ている。該ワイヤーブラケット94eは側面視で略L字
状の板で形成されており、側壁には、ワイヤー溝94f
・94gが設けられ、上壁には補正バネ263用のフッ
ク孔94hが穿設されている。このように、従来補正バ
ネ用に取付けられていたブラケットを無くして、ワイヤ
ーブラケット94eは左右兼用することで、部品点数の
削減を行い、コストダウンを図っている。そして、図4
4の如く該フック孔94hに掛けられた補正バネ263
の他方の一端を、連結部材260の前部に装着されてい
るフック孔260cに掛止することで、植付部9のロー
リングを補正するのである。 【0176】また、センターフロートに配設されている
植え深さ制御用の補正アームが機体中心位置から、左右
方向にずれている場合があり、この場合、マーカー引き
上げワイヤ266と補正アームの干渉を避ける必要があ
る。そこで、補正アームの位置が機体中心から図42に
おいて右方向に偏心している場合、該ワイヤーブラケッ
ト94eにおいては、ワイヤー溝94fの溝の奥行き
が、ワイヤー溝94gの奥行きよりも深くなるよう形成
している。そして、図42において左側のワイヤーブラ
ケット94eにおいては、ワイヤー溝94fでマーカー
引き上げワイヤ266を支持し、右側のワイヤーブラケ
ット94eにおいては、ワイヤー溝94gでマーカー引
き上げワイヤ266を支持している。このようにして、
マーカー引き上げワイヤ266・266の経路中心を機
体中心より図42において右側に偏心させることで、補
正アームとの干渉を防いでいるのである。 【0177】また、両側のワイヤーブラケット94e・
94eには、それぞれワイヤー溝94f・94gの両方
が設けられた部材を装着している。これにより、ワイヤ
ーブラケット94eは左右両側で同一の部品を利用する
ことが可能となり、部品の製造工程におけるコストダウ
ンを可能としている。本実施例においては、左右方向の
長さの等しいワイヤーブラケット94eに溝の深さを変
えることによって、マーカー引き上げワイヤ266の経
路を調整しているが、左右のワイヤーブラケット94e
を違う長さのものを用意して、マーカー引き上げワイヤ
266の経路を調整することも可能である。 【0178】次に、図45及び図46より、ワイヤーハ
ーネス264の支持構造について説明する。苗載台91
裏側のレール91aには左右方向で中央にハーネス支持
部材91cが装着されている。そしてワイヤーハーネス
264が該ハーネス支持部材91cに設けられた支持孔
91dを上方から通過して係止され、苗載台91の下方
へと延出されている。前記ハーネス支持部材91cに
は、支持孔91dの後部近傍にガイドロッド265が水
平方向に回動自在となるよう軸支されている。 【0179】そして、該ガイドロッド265は、螺旋状
の形状をしており、その螺旋部においてワイヤーハーネ
ス264を内包するようにガイドし、ヒッチ94の上部
からさらに前方まで延出している。このような構成で、
ワイヤーハーネス264をガイドすることにより、ワイ
ヤーハーネス264が垂れ下がったり、振れたりせず、
補正バネフック262やヒッチ94と干渉したり絡まっ
たりすることを防ぐのである。そして、前記ガイドロッ
ド265は螺旋部においてワイヤーハーネス264をク
ランプするので、従来のワイヤーハーネス途中部のガイ
ドを行うクランプ用の別部材を必要とせず、部品点数の
削減を可能としている。また、前記ガイドロッド265
は、水平方向に回動可能であるので、苗載台91が左右
移動してもワイヤーハーネス264の撓みを防止できる
のである。 【0180】図47は苗載台支持フレーム190の平面
図、図48はフロート支持部の平面図、図49は同じく
側面図、図50は苗載台駆動ケースの後面断面図、図5
1は苗載台裏側の連結体部分を示す図、図52は同じく
従来の連結体を示す図、図53は連結体の斜視図、図5
4は植付フレーム前部の左側面図、図55は縦送りロー
ラーの正面断面図、図56は縦送りローラーの側面図、
図57は苗台シューを左側によせて配置した苗載台の概
略図、図58は苗台シューを右側によせて配置した苗載
台の概略図、図59は苗載台の上下調節部分の斜視図で
ある。 【0181】図43、図47、図48に示すように、植
付伝動フレーム92には一体的に苗載台支持フレーム1
90が溶接等で固設されており、該苗載台支持フレーム
190は後面視門型に構成されて、左下端は前記支持プ
レート174の内側に固設され、苗載台駆動ケース17
2の剛性を高めて強度をアップし、右側は前側に配置し
た十字型管継ぎ手167aに固設されている。したがっ
て、パイプ体を連結したシンプルな構成であるととも
に、空間に余裕のある植付伝動フレーム92と一体的に
構成されて、クランク機構171、苗載台駆動ケース1
72、横送り軸180の支持部が強固に固設され、振動
や衝撃に強くて耐久性のある支持部が構成できる。 【0182】そして、苗載台支持フレーム190の横フ
レーム190aの右側より前下方に苗取量調節レバーの
レバーガイド178が突設され、横フレーム190aの
左側より前下方に植深さ調節レバー79のレバーガイド
179が突設されている。前記苗載台支持フレーム19
0の両側上に苗載台91の裏側の上下中途部に設けたガ
イドレール96に嵌合するローラー部材199を配置し
ている。 【0183】次に、植付伝動フレーム92について説明
する。図39で示す植付部は、4条植用であるため、植
付爪93が4本設けられており、植付爪93に駆動力を
伝達する伝動パイプ164・165が左右に1本ずつ配
設されている。該伝動パイプ164・165の前部が横
連結パイプ166で連結され、平面視門型の植付伝動フ
レーム92が一体的に形成されるとともに、門型の開放
側が後方に向けられて、左右の開放側端部の左右両側に
植付爪93が配置されている。なお、この伝動パイプ1
64・165と横連結パイプ166の内部には伝動軸が
軸支されている。このように植付伝動フレーム92を構
成することによって、製造コストが低くて済み、剛性が
高いわりには軽量化されるので植付部9全体の重量を低
減することができ、昇降リンク機構10や車体フレーム
4への負担を低減することができる。 【0184】また、前記植付伝動フレーム92の伝動パ
イプ164・165と横連結パイプ166は棒状の鋼管
で形成されており、伝動パイプ164・165と横連結
パイプ166は平面視十字型形状の十字型管継ぎ手16
7a・167bによって連結されている。前記伝動パイ
プ164・165及び十字型管継ぎ手167a・167
bは市販のものを使用してコスト低減化を図っており、
該十字型管継ぎ手167の開口部の径はその中に配置す
る伝動パイプ164・165等の動力伝達部材やその支
持部材であるブッシュやベベルギヤ等よりも大きく構成
して、挿入したり、組み立てたり、メンテナンスを容易
としている。前記十字型管継ぎ手167a・167bは
十字型に突出した部分の一つは短く切断してその部分の
開口部は蓋体168を装着して閉じるように挿入口とな
り、この部分から軸を挿入して組み立てたり、ギアの交
換や注油等のメンテナンスができるようにしている。 【0185】また、前記横連結パイプ166の右側に固
設した十字型管継ぎ手167aは右開口部に伝動軸18
7を挿入して蓋体168を嵌挿固定し、該伝動軸187
の右端はブッシュ170を介して十字型管継ぎ手167
aの左開口部に支持し、該伝動軸187の端部にベベル
ギア187aを固定している。前記十字型管継ぎ手16
7aの前開口部は植付入力軸185が挿入されて、ベア
リング400aによって植付入力軸185が回転自在に
支持され、十字型管継ぎ手167a内でベベルギア18
5bを固設して、前記ベベルギア187aと噛合してい
る。後開口部に伝動パイプ164の前端を挿入固定して
いる。 【0186】前記左十字型管継ぎ手167bは、右開口
部に横連結パイプ166を挿入固定し、左開口部では前
記伝動軸187の左側をベアリング400bで回転自在
に支持し、左十字型管継ぎ手167b内の伝動軸187
上にベベルギア187bを固設し、その左開口部端には
支持プレート174を固定し、該支持プレート174に
苗載台駆動ケース172を固定し、該苗載台駆動ケース
172内に伝動軸187を挿入している。前記左十字型
管継ぎ手167bの前開口部からは、伝動軸186を挿
入して蓋体168で嵌挿固定し、伝動軸186の前部は
ブッシュ170で後開口部に支持し、伝動軸186前端
にはベベルギア186bを固設し、前記ベベルギア18
7bと噛合し、左十字型管継ぎ手167bの後開口部に
伝動パイプ165の前端を挿入固定している。 【0187】前記左右の伝動パイプ164・165の後
端にそれぞれ後十字型管継ぎ手169・169が外嵌固
定され、該後十字型管継ぎ手169は前記十字型管継ぎ
手167と略同じ構成としており、該後十字型管継ぎ手
169・169の前開口部は伝動パイプ164・165
を嵌挿固定して、前記伝動軸185・186の後部をブ
ッシュ170・170で支持して、軸後端にそれぞれベ
ベルギア185a・186aを固定している。後開口部
は蓋体168・168を固定して蓋し、左右の開口部に
はベアリング400c・400cを介して植付爪駆動軸
184を回転自在に支持し、その両側に配置するクラン
ク機構171に動力を伝達するようになっている。 【0188】また、伝動パイプ164・165の後部に
配置した後十字型管継ぎ手169・169の後部には、
後上方向きにクランク支持アーム173が突設され、該
クランク支持アーム173の後部には、図39、図49
で示すように、枢支部181が形成されており、枢支部
181にはクランク機構171のリンク401基部を枢
支するピン182が固設されている。また、左右の枢支
部181の間は、平面視門型の補強体183によって補
強され、クランク機構171を強固に枢支することがで
きるようになっている。なお、クランク支持アーム17
3の後部を2方向に分岐し、平面視略Y字型形状に形成
して枢支部181を構成してもよい。 【0189】前記クランク支持アーム173の後端部の
左右両側には、各々クランク機構171のリンク401
が枢支され、該リンク401の他端に植付爪93を取り
付けた揺動アーム402の基部が枢支され、一方、伝動
パイプ164・165後部の後十字型管継ぎ手169・
169に軸支する植付爪駆動軸184の両端部に回動ア
ーム403が固設され、該回動アーム403の他端が前
記揺動アーム402の中途部に枢支され、前記回動アー
ム403を回転駆動することによって、植付爪93をク
ランク運動させている。 【0190】また、前記入力軸185は、前右側の十字
型管継ぎ手167aの横方向から前方に突出する部分
に、ユニバーサルジョイント部159を介してPTO伝
動軸158の一端が連結され、前述したPTO軸65か
らの動力がPTO伝動軸158及びユニバーサルジョイ
ント部159を介して伝達される。したがって、伝動が
簡略であり、部品点数を削減でき、コストダウンを図る
ことができる。 【0191】前記入力軸185の後端部にはベベルギア
185aが固設され、植付爪駆動軸184の中途部に固
設するベベルギア184aに噛合されて植付爪駆動軸1
84を駆動している。また前記入力軸185の前部側に
はベベルギア185bが固設され、連結パイプ166の
伝動軸187の端部に固設するベベルギア187aに噛
合されて伝動軸187に動力を伝達している。該伝動軸
187の左側にはベベルギア187bが固設され、左側
の伝動パイプ165内の伝動軸186の前部に固設する
ベベルギア186aに噛合されて伝動軸186に伝動さ
れ、伝動軸186の後端部に固設するベベルギア186
b及びベベルギア184aを介して植付爪駆動軸184
が駆動され、伝動パイプ164・165の後部側方に配
置するクランク機構171を駆動して植付爪93を図4
9で示す軌跡を描くように回転せしめて、苗の植え付け
を行うようになっている。したがって、動力損失のな
い、効率のよいシンプルな動力伝達機構が実現できてい
る。 【0192】次に、横送り軸180等の苗載台への動力
伝達機構について説明する。前記支持プレート174の
外側面には苗載台駆動ケース172が固設され、この支
持プレート174と苗載台駆動ケース172の嵌合部は
パッキンが不要で水等が浸入せず、組み立ても容易にで
きるように、図50に示すように、苗載台駆動ケース1
72の外周に合わせた支持プレート174の周囲に段差
174aが形成されている。 【0193】そして、前記支持プレート174前部と前
記横連結パイプ166の右側に固設した支持プレート1
75前部に、それぞれベアリング405、ボス406を
介して横送り軸180が軸支されている。該横送り軸1
80が支持プレート174・175の間にガタつくこと
なく正確に組み付けられるように、前記ボス406と支
持プレート174・175の間にはシム407・407
が介装されて、隙間調節が容易にできるようにしてい
る。前記横送り軸180の左端部が苗載台駆動ケース1
72内に挿入されている。横送り軸180は連結パイプ
166と平行状に配置され、側面視において、横送り軸
180がローリング支点軸176の上方に配置されてお
り、横送り軸180の支持構成がシンプルになって、効
率のよい配置構成となっている。 【0194】また、連結パイプ166内の伝動軸187
の左端部も苗載台駆動ケース172内に挿入されて、端
部にギア188が固設され、前記苗載台駆動ケース17
2に挿入された横送り軸180の左端部にもギア189
が固設され、ギア188とギア189が噛み合うことに
より、横送り軸180に動力を伝達する苗載台駆動機構
が構成されている。前記横送り軸180上には滑り子摺
動用の溝180aが形設されており、横送り軸180の
外周面上に滑り子受け191が遊嵌され、滑り子受け1
91内に付設されている滑り子192が溝180aに嵌
入されて、横送り軸180の回動に伴われて溝180a
内を摺動し、滑り子受け191が横送り軸180上を左
右に往復動する。 【0195】前記滑り子受け191の後部は苗載台91
の裏側に設けた連結体410に嵌合固定されている。従
来の連結体410’は、図52に示すように、U字状に
構成されて、前記滑り子受け191を上方より連結体4
10’に挿入後に平頭ピン411を連結体410’上部
に挿入して抜けとめとしていたが、部品点数が多く、苗
載台を組んだ後に平頭ピン411を通すので面倒な作業
となっていた。そこで、本実施例では、図51、図53
に示すように、連結体410を正面視「ロ」状に板金加
工して、連結体410の前部上は組付け完了時に上方に
抜けない程度に切欠き410aを設けて、組み立てを容
易にできるようにしている。このようにして苗載台91
が連結され、横送り軸180の回動によって苗載台91
が正確に左右往復動される。 【0196】また、図39、図54の示すように、側面
視において、横送り軸180の右側端部で人力軸185
の上方位置には縦送りカム193が突設され、従来の縦
送りカム193駆動用の縦送り軸をなくし、横送り軸1
80が縦送り軸として兼用されるようになっている。し
たがって、部品点数が削減され、コストダウンとなって
いる。前記縦送りカム193の外側(右側)には、図5
4に示すように、カムカバー412が設けられて、縦送
りカム193が回転する周囲における従動カム(カムフ
ォロア)413(図46)と当接する位置以外の側方を
覆う構成とし、オペレーターが手を突っ込んでけがをし
たり、ワイヤーハーネス等が絡みついたりすることを防
止している。 【0197】前記縦送りカム193は苗載台91の裏側
(前面)下部に設けられている従動カム413と当接可
能に配設され、該従動カム413は左右に2本突設され
ており、従動カム413の間隔は横送りによる苗載台9
1の移動距離と等しく構成され、苗載台91の横送り往
復動の終端位置において、縦送りカム193と一方の従
動カム413とが当接されるようにしている。該従動カ
ム413の基部はワンウェイクラッチを介して縦送り軸
414に連結され、該縦送り軸414は苗載台91の下
部に回転自在に横架され、図45に示すように、その上
方に縦送り従動軸415が平行に回転自在に支持され、
該縦送り軸414及び縦送り従動軸415上にはそれぞ
れ各条毎に縦送りローラー194・194・・・が二つ
ずつ外嵌固定され、該縦送りローラー194・194・
・・の表側は苗載台91に設けた開口部より突出させ
て、上下の縦送りローラー194・194間に縦送りベ
ルト195が巻回されている。 【0198】このようにして、横送り軸180が駆動さ
れて苗載台91が左右に往復摺動されて、右端または左
端に至ると、縦送りカム193の回転によってその先端
が従動カム413に当接して従動カム413が回動さ
れ、該従動カム413の回動によってワンウェイクラッ
チを介して縦送り軸414が回動されて、縦送りベルト
195が回動されて苗マットが正確に下方へ縦送りされ
る。そして、縦送りカム193が従動カム413より離
れると、従動カム413は戻しバネによって元の位置に
戻るのである。 【0199】前記縦送りローラー194の構成は、従来
において外周形状が複雑であり、縦送りローラー194
を成形するための金型が、縦送りローラー194の円周
方向に4分割した4個の金型が必要となっていた。本実
施例においては図55、図56に示すように、外周の左
右中央部に縦送りベルト195が横ずれしないように山
部195a・195a・・・が一定間隔をおいて、か
つ、千鳥状に配置されて、左右の割り型で容易に製作で
きるうようにしている。つまり、金型の数を減らしてコ
スト低減化を図っている。 【0200】また、図2に示すように、前記従動カム4
13が位置する苗載台91の苗マットを載せる部分を左
右に区切るリブ91aには開口部91bが形成され、通
常は蓋で閉じられているが、メンテナンスを行う場合に
は、蓋を開けて縦送り軸414との回転部に注油等がで
きるようにしている。 【0201】また、苗載台91の下部には、図43に示
すように、下部レール95上をスムースに摺動できるよ
うに苗台シュー416・416・416が三つ配置され
ており、該苗台シュー416は、従来図45に示すよう
に、四つ等間隔で配置されていたが、小型、特に4条植
えの田植機においては三つでも十分支えることができ耐
久性もある。そこで、本実施例では、苗台シュー416
を左右両側下部と中央付近の三カ所に位置する構成とし
ている。そして、前記従動カム413を戻すためのバネ
力が大きい場合には、図57に示すように、中央の苗台
シュー416を従動カム413が位置する側に寄せて配
置し、従動カム413が戻る時に受ける力が中央及び左
側の苗台シュー416で受けるようにしている。また、
前記バネ力が弱く戻る時のショックが殆どない場合に
は、図58に示すように、中央の苗台シュー416を右
側に寄せて配置し、縦送りカム193が駆動されて従動
カム413が受ける力によって生じるモーメントを中央
と右側の苗台シュー416で受けるようにしている。こ
のようにして苗台シュー416を一つ削減することによ
っても、軽量化とコスト低減化を図っている。 【0202】前記苗載台91は下部レール95上に左右
摺動自在に載置され、図43、図47、図59に示すよ
うに、該下部レール95の両側はステー420・420
上に固定され、該ステー420は後面視逆L字状に構成
されて、該ステー420の上面には逆U字状に構成した
フック421が固定され、ステー420下面にはガイド
ロッド422が突設されている。一方、前記植付伝動フ
レーム92の伝動パイプ164・165の前部側面にコ
字状に構成したガイドステー423・423が固設さ
れ、該ガイドステー423・423に、前記ステー42
0の側面とガイドロッド422・422が昇降時にガイ
ドされるようにしている。 【0203】そして、苗取量設定レバー196の基部が
左右方向に設けた支点軸424の右側に固設され、該支
点軸424の左右両側には係合板425・425が後方
に突設され、該係合板425・425の先端に形成した
凹部を前記フック421・421に挿入係合している。
そして、支点軸424の右端は前記十字型管継ぎ手16
7aに固設したブラケット426に枢支され、左端は前
記支持プレート174に枢支されている。但し、支点軸
424の左端は十字型管継ぎ手167bにブラケット4
26を固設して枢支することも可能てある。そして、苗
取量設定レバー196の上部は前記レバーガイド178
に挿入されて前上方へ突出されている。 【0204】次に、苗載台91の構成について説明す
る。図60は苗載台の底面図、図61は苗載台の側面
図、図62は苗マット押えの正面図、図63は苗マット
押えの分解斜視図、図64は支持部材の側面図、図65
は全条一体形成された苗マット押えの底面図、図66は
従来の苗マット押えの装着図、図67は従来の条止めの
装着図である。 【0205】苗載台91は、前述のとおり横送り軸18
0上を左右に往復運動する滑り子受け191の前部に連
結されており、横送り軸180の回動によって苗載台9
1が左右往復するよう装着されている。そして、本実施
例における苗載台91は4条植えとしている。該苗載台
91は前高後低となるよう装着されており、その後端の
上部側面にはパイプにて形成された苗マット押え250
及び苗押え棒251が装着されている。 【0206】前記苗マット押え250及び苗押え棒25
1は、図60及び図61の如く、左右方向に2条分の幅
をもつ部品より構成され、4条植えの苗載台91の下部
に2対の苗マット押え250及び苗押え棒251を配置
する構成としている。そして、該苗マット押え250
は、平面視略U字状のパイプで形成される外フレーム2
50aと、外フレーム250aの開放側に左右方向に固
定された補強フレーム250bが一体的に形成され、さ
らに、側面視で略L字状のパイプで形成された押えフレ
ーム250c・250c・・・の苗送り方向と平行に伸
延するパイプが、苗載台91の後面(苗マット載せ面)
に一定の間隔をおいて配置され、苗マットを載置した時
にずれたり落下したりしないようにしている。 【0207】前記押えフレーム250c・250c・・
・の他端が外フレーム250aの左右方向のパイプの下
部に取付けている。また前記押えフレーム250cは、
外フレーム250aの左右方向のパイプに1条幅に対し
て2本、つまり本実施例においては、外フレーム250
a上に2対4本の押えフレーム250c・250c・・
・が取り付けられている。そして、側面視で該押えフレ
ーム250c・250c・・・の下部は補強フレーム2
50bの上面側に固設して(または当接して)支えるよ
う構成しているので、簡易な構成でもって、充分な強度
を確保できる。 【0208】また、前記苗押え棒251は平面視で略U
字状のパイプにて形成されている。苗載台91の下部側
面に、苗載台91に対して略垂直方向に端部の支持部材
としてフレーム支持板252・252が突出され、左右
中央のリブ上にもフレーム支持板252Mが突設され
て、苗載台91下端の左右両側と中央の3個所に装着さ
れている。そして、該フレーム支持板252の上部に取
付板252aが固定されて、該取付板252aの上面に
苗マット押え250の外フレーム250aの両側端部が
クランプ253aで固定され、下面側からは苗押え棒2
51の両側がクランプ253bで固定されている。よっ
て、一つの支持部材(クランプ253a・253b)で
苗マット押え250及び苗押え棒251を支持すること
ができ、部品点数の削減によるコストダウンを可能とし
ている。また、図62、図63で示すように、苗マット
押え250を固定しているクランプ253aは、上部か
ら固定ねじ254にて締結され、固定ねじ254を弛め
ることにより該苗マット押え250の着脱したり、高さ
を調節したりすることを可能としている。前記固定ねじ
254は上部に屈曲したアーム部が構成されており、容
易に回動できて苗マット押え250の着脱作業の操作性
を優れたものとしている。 【0209】また、前記外フレーム250a及び補強フ
レーム250bには各条毎に条止め256が装着されて
おり、該条止め256は両側より下方にアーム257を
突出し、側面視でL字状に一体的に構成して、該アーム
257の先端に係合部257aを設けて、前記補強フレ
ーム250b上で回動自在に軸支され、着脱可能として
いる。また前記条止め256の後端にフック256aを
形成し、該フック256aは前記外フレーム250aに
係止可能としている。 【0210】このようにして、条止めを行わない場合に
は、前記条止め256を上方に回動し、フック256a
を前記外フレーム250aに係止することで係合固定
し、条止めを行う時にはフック256aの係合を解除し
て係合部257a中心に下方へ回動して条止め256先
端を苗載台91に当接させて苗マットが下方へ滑り落ち
ることを防止するようにしている。このような構成とす
ることで、従来のように条止め256を軸支するための
新たな部品を必要とせず、苗マット押え250を支持部
材に兼用して利用可能な構成としている。 【0211】また、前記苗マット押え250及び苗押え
棒251は左右二つで一つの苗載台に配置しているが、
図65に示すように、一組の苗マット押え250及び苗
押え棒251で構成することが可能である。この場合、
左右方向に長くなるために、中央部がその重量で撓んで
しまうので、その左右方向で中央付近には側面視で略L
字状に構成した中央近傍の支持部材255が、苗載台9
1の中央のリブ上に固定装着されている。そして、図6
4で示すように、該支持部材255の短辺側の上方へ突
出した部分は略三角形に形成され、短辺部上辺には、苗
マット押え250の補強フレーム250bを支持する長
溝255aが穿設され、その中央部には苗押え棒251
を挿入支持する長孔255bが穿設されている。 【0212】このようにして、左右方向で中央付近に撓
みの力が加わる、苗マット押え250及び苗押え棒25
1を支持部材255で下部側から支持し、簡易な構成で
もって充分な補強の役割を成している。さらに、該補強
フレーム250bを長溝250a内で、また該苗押え棒
251を長孔255b内で、それぞれ適切な位置に移動
させ、前記クランプ253により固定することにより、
該苗マット押え250及び苗押え棒251の高さ調整を
可能とし、最大に撓んでも、長溝250a及び長孔25
5bで規制されて外れたりすることがない。 【0213】以上のように苗マット押え250及び苗押
え棒251を構成することにより、従来の1条ごとに取
り付けられていた苗マットの押え構造と比較すると、部
品点数が大幅に削減されるばかりでなく、組立て構成が
簡易になるためメンテナンス性に優れている。よって部
品点数削減、組立て工程の簡易化による製造コストの低
減も実現されるのである。また、苗マット押え250及
び苗押え棒251の高さ調整を、簡易な構成である支持
部材255にて実現しているので、操作性が優れてお
り、また、複数の苗マット押え250及び、苗押え棒2
51が一体構造となっているため、複数条分の高さを同
時に同じ高さに調整可能となり、簡易な構成でもって、
確実な苗マットの押えを可能としている。 【0214】また、本実施例においては、4条植えの苗
載台91に対して2条用の苗マット押え250及び苗押
え棒251を2対装着しているが、6条植えの田植機の
おいては、3条用のものを2対、または2条用のものを
3対装着する等、その組み合わせは適宜調整される。ま
た、前述のように、全条一体化した苗マット押え250
及び苗押え棒251を装着することも可能である。この
ような構成をとることで、苗マット押え250及び、苗
押え棒251の高さ調整を全条一度に同じ高さとなるよ
う調整可能であり、また、さらなる部品点数の削減と組
み立て工程の簡易化を図ることができ、田植機の軽量化
及び、コスト削減を実現するのである。 【0215】次に、植付部9を一定の高さに保持する均
平用のセンターフロート97とサイドフロート98・9
9との支持構成について説明する。図1、図48、図4
9で示すように、植付部9の動力伝達部である植付伝動
フレーム92の下部に支点軸161が左右のサイドフロ
ート98・99の幅に合わせて横設され、該支点軸16
1は両側をU字状に構成した取付プレート430・43
0の凹部に嵌合させて、該取付プレート430・430
の上端が前記支持プレート174・175の下部にボル
ト等で固定され、支点軸161が植付伝動フレーム92
に支持されている。 【0216】前記支点軸161より前方に操作アーム1
63が突出され、操作アーム163の後端部より上方に
向かって植深さ設定レバー79が設けられている。よっ
て、オペレーターが植深さ設定レバー79を操作し易
く、容易に調整することができるようになっている。ま
た、前記支点軸161の適所位置より後下方の各フロー
トの後部に向けて支持アーム162・162・・・が突
設され、該支持アーム162・162・・・の後部に各
フロートの後部が枢支されている。 【0217】そして、前記センターフロート97の前部
上には植付部と田面間の距離を検知するためのセンサー
リンク431が配置され、操作アーム163と支持され
ている。前記センターフロート97の前端はミッション
ケース6の後端に位置する後車輪駆動軸69の下方に位
置するようにしている。このような配置構成とするため
に、前記昇降リンク機構10のトップリンク11とロワ
ーリンク12の長さは従来よりも短く構成している。そ
して、図30に示すように、ミッションケース6の後下
部の形状は、前記センターフロート97の昇降軌跡xと
略同じ形状としている。 【0218】このように構成することによって、植付部
9を昇降した時にはセンターフロート97前端はミッシ
ョンケース6を回避してその後部に沿う如く昇降するこ
とになり、センターフロート97とミッションケース6
が干渉することがなく、昇降されるのである。そして、
田植機の全長は短くなり、運転席7と植付部9との間の
距離が短くなり、苗継ぎが容易に行える。また、植付部
9を前方に設けることができて、重量バランスを改善で
きる。 【0219】次に、植付作業時に植付部9を支持するサ
イドフロート98・99の支持構成について説明する。
図68はサイドフロート支持部の側面図、図69は同じ
く平面図、図70は支点軸側部の線引きマーカー取付部
の平面図、図71は同じく側面図である。 【0220】図48、図49、図68、図69におい
て、前記支点軸161の左右両側の適所位置より後下方
の両サイドフロート98・99の後部に向けて一対ずつ
支持アーム162・162・・・を突設している。一
方、サイドフロート98・99の後上面には、正面視で
略L字形状に折り曲げられた支持板270が取り付けら
れている。該支持板270の側板270aは、側面視で
略三角形状に形成されており、該側板270aには支持
ピン270bを挿嵌するためのピン孔270cが穿設さ
れている。そして、前記支持軸161から後下方に突設
している支持アーム162は、正面視で断面が略逆U字
形状をしており、下方向に開放した略U字形状の先端を
該支持板270の側板270aの上方から嵌合させ、該
支持ピン270bにより回動自在に軸支されている。 【0221】本実施例においては、左右それぞれのサイ
ドフロート98・99はそれぞれ、2本の支持アーム1
62により支持されている。そして、それぞれ図69に
おいて左側の支持アーム162を枢支する前記支持ピン
270bの外周にはコイルバネ271が巻かれ、該コイ
ルバネ271の一端のフック部271aは前記左側の支
持アーム162の途中部分に掛止され、該コイルバネ2
71の他端は前記支持板270の底面上へ延出し、サイ
ドフロートの上面を押圧するようにして、サイドフロー
トの前部が持ち上げられて水平に保つように付勢してい
る。但し、前記コイルバネ271は弾性体であればよ
く、板バネやゴム等で水平に付勢するものであれば限定
するものではない。 【0222】また、支持アーム162の後部下面の支持
板270上面と当接する部分は、図68に示すように、
支持ピン270bによる枢支位置下方より後方に斜め後
上方にカットして下げストッパー面162aを形成し、
支持ピン270bの枢支位置下方より前方に斜め前上方
にカットして上げストッパー面162bとしている。こ
のように支持アーム162の後下部にストッパー面16
2a・162bを構成することにより、該コイルバネ2
71の弾性力によりサイドフロート98・99の上下方
向の揺れを吸収するとともに、植付部9を持ち上げた時
や植付作業時に凹凸のある耕盤上を通過する時に下げス
トッパー面162aによってサイドフロート98・99
が所定角度以上回動して他の部材を損傷したりすること
を防止して、回動量を規制している。また、サイドフロ
ート98・99による均平作業時にサイドフロート98
・99前部が急激に持ち上げられても、前記上げストッ
パー面162bによってその回動量を規制して、他の部
材と干渉されることがない。 【0223】また、前記支点軸161より前上方に植深
さ設定レバー79が突設され、先端部をレバーガイド1
79を挿通して運転席後方へ突出している。このため、
オペレーターが植深さ設定レバー79を操作し易く、容
易に調整することができるようになっている。そして、
この植深さ設定レバー79を操作すると、支持アーム1
62の後端が支点軸161を中心に上下動し、各フロー
トと植付伝動フレーム92との間の間隔が調整されて、
植付爪93によって切り取った苗を植え付ける深さを調
整できるようになっている。 【0224】このような構成で、サイドフロート98・
99を支持しているので、サイドフロート98・99の
前方部分には、従来のような支持部材が必要なくなり、
前方部分の空間が開放されるため、横送り機構を配置す
ることが可能となり、植付部9、苗載台91を前方に配
置することが可能となり、全長を短く構成できる。ま
た、支点軸161の前方でサイドフロート99の上方空
間に、植付伝動機構を収納する苗載台駆動ケース172
を配置したので、植付部9がコンパクトな構成となっ
た。これにより、植付部9、苗載台91を後輪3のすぐ
後ろの位置に配置することが可能となるため、田植機全
長を短縮することができ、前輪2のバランス改善にもな
る。そして、サイドフロート98・99の前部に従来設
けられていた支持部材をなくすことができたので、部品
点数の削減となり、コストダウンを図ることができる。 【0225】また、前記支点軸161両側に線引きマー
カー272・272を取り付けている。すなわち図70
及び図71の如く、該線引きマーカー272は、その基
端部をマーカーブラケット273に固定されており、該
マーカーブラケット273は側面視逆U字状に構成され
て、上下中途部をピン275によって前記支点軸161
の両側に上下方向に回動自在となるよう枢支されてい
る。前記マーカーブラケット273の下端部は第一マー
カー付勢バネ276の一端に係止され、該第一マーカー
付勢バネ276の他端は支点軸161に固定したステー
277に係止され、線引きマーカー272の先端が下方
へ回動するように付勢している。前記マーカーブラケッ
ト273の上側には係止ピン288が横架され、該係止
ピン288の一端に線引きマーカー272の引き上げ用
のワイヤー278が連結されている。 【0226】また、前記マーカーブラケット273の左
右方向中央側の支点軸161上にマーカーフック274
の下部がピン279によって枢支され、前記マーカーフ
ック274の下端が第二マーカー付勢バネ268の一端
が係止され、該第二マーカー付勢バネ268の他端は前
記ステー277に係止されている。前記マーカーフック
274の中途部にはロック解除用のワイヤー267が係
止され、マーカーフック274の先端がフック部として
前記係止ピン288を係止できるようにしている。 【0227】このような構成において、植付部9を上昇
させると引き上げ用のワイヤー278が引っ張られて、
線引きマーカー272が上昇回転して引き上げられる
(図70における一点破線で示す線引きマーカー27
2’及びマーカーブラケット273’)。そして、上昇
端位置でマーカーブラケット273の係止ピン288が
マーカーフック274に係止されて、線引きマーカー2
72を上昇位置に保持する。また、線引きマーカー27
2を下げて圃場に線を引く場合には、ロック解除用のワ
イヤー267を引っ張ることによって、マーカーフック
274と係止ピン288の係合が外れて、マーカーブラ
ケット273が第一マーカー付勢バネ276の付勢力に
よって引っ張られて、線引きマーカー272を側方へ回
動する。そしてさらに、ワイヤー267の操作を止める
と、マーカーフック274は第二マーカー付勢バネ26
8の付勢力によって先端が下方へ回動するように付勢さ
れて、該マーカーフック274先端面274aが係止ピ
ン288に当接し、これにより線引きマーカー272を
下方へ回動するように押して、二つの付勢バネ276・
268で線引きマーカー272を押し、線引きマーカー
272が浮き上がることなく、常に圃場に突っ込んで確
実に線を引くようにしているのである。 【0228】次に、植付部への動力伝達構成を説明す
る。図72は植付部への動力伝達構成を示す側面図、図
73は植付部への動力伝達構成を示す平面図、図74は
別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図、図75
は別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面図であ
る。 【0229】前述した如く、植付部9の植付伝動フレー
ム92内には、ユニバーサルジョイント部159を介し
て、ミッションケース6側に軸支したPTO軸65に連
動連結されている。具体的には、図72、図73に示す
ように、前記PTO軸65は、半割り形状のミッション
ケース6の合わせ面に設けた開口より突出され、PTO
軸65に連動連結したPTO伝動軸158を合わせ面に
沿ってその上方に配置されている。前記PTO伝動軸1
58は、ミッションケース6の後上部に立設した支持部
材160に枢支されている。このミッションケース6の
合わせ面は、走行車両1の左右中央部となっており、P
TO軸65及びPTO伝動軸158も同じ左右中央部に
配置されている。 【0230】そして、前記PTO軸65より動力を植付
伝動フレーム92に伝達する構成としては、前後に直線
状に伝達することが動力伝達経路が短くなるという観点
より望ましいが、植付伝動フレーム92の左右中央部の
前方にはセンターフロート97前部が前上方に反り上げ
られており、植付部9を上昇させた場合に、センターフ
ロート97前部が動力伝達経路上に重なるため、植付伝
動フレーム92の左右中央部に動力を入力することがで
きないものであった。 【0231】そこで、前述した如く、植付伝動フレーム
92の右側の伝動パイプ164に入力軸185を軸支
し、センターフロート97の側方より動力を取り入れる
構成としている。この入力軸185前部とPTO伝動軸
158とを、傾斜状に配置するユニバーサルジョイント
部159を用いて連動連結し、平面視でセンターフロー
ト97を迂回して配置されている。このユニバーサルジ
ョイント部159は、前後端部にユニバーサルジョイン
トが形成されているので、PTO伝動軸158に対して
この入力軸185の軸芯が右側にずれ、さらに昇降リン
ク機構10の昇降駆動によって上下に平行に移動されて
も、動力を伝達することができる。 【0232】よって、前記昇降リンク機構10の昇降駆
動によって、図72中の二点鎖線のように植付部9を上
昇させても、センターフロート97とユニバーサルジョ
イント部159とが干渉されることがなく、植付部9を
下降させてもユニバーサルジョイント部159の前部側
がミッションケース6後部の側方を通過されるので、ミ
ッションケース6とも干渉されることがなくなってお
り、植付部9の昇降ストロークを長くすることができ
る。さらには植付部9を昇降可能に吊設する昇降リンク
機構10の前後長さを短くしても、上下の昇降ストロー
クを大きくすることができるのでき、機体全長を短くし
たコンパクトな田植機を実現することができる。 【0233】また、入力軸185を軸支した伝動パイプ
164は、図73に示すように、前後方向に配置され、
PTO伝動軸158と入力軸185とが平面視において
平行となっている。さらには図72に示す如く、PTO
伝動軸158に対して伝動パイプ164が平行に配置さ
れているので、側面視においてPTO伝動軸158と入
力軸185とが平行となっており、PTO伝動軸158
からユニバーサルジョイント部159への動力伝達と、
ユニバーサルジョイント部159から入力軸185への
動力伝達とが等しくなっており、入力軸185へ伝達す
る回転数が増減変動することがなく、ミッションケース
6で株間変速した動力が正確に伝達される。したがっ
て、植付け駆動に悪影響を及ぼすことがなく植付性能が
高く維持されている。 【0234】また、図74に示すように、前上方に反り
上がった前記センターフロート97前部の左右中央部に
凹部97aを形成し、PTO伝動軸158後端部から後
方へ直線状にユニバーサルジョイント部159’を突設
して、植付伝動フレーム92の左右中央部に動力を伝達
する構成とすることもできる。この構成において、昇降
リンク機構10を用いて植付部9を上昇させても、ユニ
バーサルジョイント部159’の途中部を凹部97a内
に配置されるので、センターフロート97に干渉される
ことがない動力伝達経路を構成することができる。な
お、この場合には、センターフロート97前部に配置す
るセンサーリンク431を左右に位置をずらして配置し
てユニバーサルジョイント部159’と干渉することが
ないようにする必要がある。 【0235】また、図75に示すように、ミッションケ
ース6’を走行車両1の左右中央部より左右一方にずら
して配置し、ミッションケース6’の合わせ面の上方で
あるPTO伝動軸158をセンターフロート97の側前
方に配置し、PTO伝動軸158より後方に直線状にユ
ニバーサルジョイント部159”を突設し、センターフ
ロート97の反り上がった部分を迂回して植付伝動フレ
ーム92内に動力を伝達する構成とすることができる。
この場合にも、植付部9を上昇させても、センターフロ
ート97とユニバーサルジョイント部159”とが干渉
されることがなく、動力伝達経路を短くすることができ
る。 【0236】以上、何れにしても本実施例の田植機は、
車輪等の支持構造やミッションケース内における動力伝
達構成等がシンプルであり、走行車両全体の構成も簡略
化されているので、組立作業も容易であり、剛性を損な
うことなく軽量化・小型化されているので、全体として
コストがかからず、安価に製造することができる。そし
て、各種レバー類も機能別に集中配置されて操作性が非
常に長く、安全性の高い田植機が実現できる。 【0237】 【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏する。運転席に備える座席シートを、ブ
ロー成形法により一体的に成形し、該座席シートを着座
部と背もたれ部とで構成し、前記着座部450bの後端
から背もたれ部450aを立設し、該背もたれ部の上部
に孔450dを開口したので、ブロー成形により運転席
の軽量化が図れ、組立に必要な素材コスト・加工コスト
も低減することができる。そして、背もたれ部の上部の
孔の周囲は、手すり部として、乗降時や苗継ぎ時などの
手置き場所または作業補助部材に使用することができる
のである。 【0238】また、背もたれ部の上部に、表裏面を圧着
・接合させたコンプレッション部を設け、該コンプレッ
ション部に孔450dを開口したので、背もたれ部はコ
ンプレッション部により剛性が向上する。
【図面の簡単な説明】 【図1】小型乗用田植機の概略側面図である。 【図2】同じく概略平面図である。 【図3】予備苗載台を機体の内側に向けて取り付けた際
の全体平面図である。 【図4】進行方向右側の予備苗載台を機体の内側に向く
ように取り付けた際の小型乗用田植機の全体斜視図であ
る。 【図5】車体フレームとミッションケースの概略側面図
である。 【図6】同じく概略平面図である。 【図7】ボンネットを外した状態の斜視図である。 【図8】ボンネットと燃料タンクを分解した状態の斜視
図である。 【図9】田植機前部の側面図である。 【図10】車体カバーと車体フレームの平面図である。 【図11】後部カバーの平面図である。 【図12】前部カバーの平面図である。 【図13】滑り止め部材の斜視図である。 【図14】同じく正面図である。 【図15】エンジン及びエンジンカバー部分の側面図で
ある。 【図16】同じく平面図一部断面図である。 【図17】操向ハンドルと各種操作レバー類との位置関
係を示す概略斜視図である。 【図18】運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作
レバー類、及び油量計を示す概略平面図である。 【図19】運転席から操向ハンドル越しに見た各種操作
レバー類、及び油量計を示す概略平面図である。 【図20】油量計を付設した燃料タンクの概略側面図で
ある。 【図21】油量計を付設した燃料タンクの概略側面図で
ある。 【図22】外周の一部に直線部を設けた操向ハンドルを
示す概略斜視図である。 【図23】昇降リンク機構部分の概略側面図である。 【図24】ミッションケースの右側面図一部断面図であ
る。 【図25】ミッションケースの平面展開断面図である。 【図26】ミッションケース前部の変速ギア構成を示す
平面展開断面図である。 【図27】ミッションケースの左側面図である。 【図28】ミッションケースの伝動別実施例を示す平面
展開断面図である。 【図29】ミッションケース下部の別実施例を示す側面
断面図である。 【図30】ミッションケース下部の別実施例を有する田
植機の全体側面図である 。 【図31】ミッションケース前側部の株間変速のカバー
の着脱構成を示す平面断面図である。 【図32】ミッションケース前下部のデフ機構を示す部
分正面断面図である。 【図33】ミッションケース前部に配置する給油パイプ
の構成を示す側面図である。 【図34】ミッションケースへの動力断接操作構成を示
す側面図である。 【図35】ミッションケースへの動力断接操作構成を示
す平面図一部断面図である。 【図36】従来のブレーキロッドの配置構成を示すミッ
ションケースの側面図である。 【図37】ステアリングシャフト下部の側面図である。 【図38】操向操作とデフロック機構との連動構成を示
す平面図である。 【図39】植付伝動フレーム92の平面断面図である。 【図40】連結部材の側面図一部断面図である。 【図41】ヒッチの側面図である。 【図42】同じく後面図である。 【図43】苗載台下部のヒッチ部分の側面図である。 【図44】ヒッチの斜視図である。 【図45】苗載台の裏面から見た図である。 【図46】苗載台の側面図である。 【図47】苗載台支持フレームの平面図である。 【図48】フロート支持部の平面図である。 【図49】同じく側面図である。 【図50】駆動ケースの後面断面図である。 【図51】苗載台裏側の連結体部分を示す図である。 【図52】同じく従来の連結体を示す図である。 【図53】連結体の斜視図である。 【図54】植付フレーム前部の左側面図である。 【図55】縦送りローラーの正面断面図である。 【図56】縦送りローラーの側面図である。 【図57】苗台シューを左側によせて配置した苗載台の
概略図である。 【図58】苗台シューを右側によせて配置した苗載台の
概略図である。 【図59】苗載台の上下調節部分の斜視図である。 【図60】苗載台の底面図である。 【図61】苗載台の側面図である。 【図62】苗マット押えの正面図である。 【図63】苗マット押えの分解斜視図である。 【図64】支持部材の側面図である。 【図65】全条一体形成された苗マット押えの底面図で
ある。 【図66】従来の苗マット押えの装着図である。 【図67】従来の条止めの装着図である。 【図68】サイドフロート支持部の側面図である。 【図69】同じく平面図である。 【図70】支点軸側部の線引きマーカー取付部の平面図
である。 【図71】同じく側面図である。 【図72】植付部への動力伝達構成を示す側面図であ
る。 【図73】植付部への動力伝達構成を示す平面図であ
る。 【図74】別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面
図である。 【図75】別形態の植付部への動力伝達構成を示す平面
図である。 【図76】機体の内側向きに取り付け可能とした予備苗
載台の正面図である。 【図77】別形態のボンネットと燃料タンクを分解した
状態の斜視図である。 【図78】座席シートの概略斜視図である。 【図79】座席シートの背面図である。 【図80】座席シートの平面図である。 【図81】座席シートのA−A側面断面図である。 【図82】座席シートのB−B側面断面図である。 【図83】操向ハンドルの防振構造を示すステアリング
コラム上部の部分側面断面図である。 【図84】操向ハンドルの防振構造を示すステアリング
コラム下部の部分側面断面図である。 【図85】操向ハンドルの別形態の防振構造を示すステ
アリングコラム上部の部分側面断面図である。 【図86】エンジン固定の構成を示す側面図である。 【図87】ステアリング切れ角規制手段を示す平面図で
ある。 【図88】同じくA−A側面一部断面図である。 【図89】ステアリング切れ角規制手段の動作説明図で
ある。 【図90】走行操作系レバーのレバーガイドを示す説明
図である。 【図91】機体後部でカバー類を外した状態の背面図で
ある。 【図92】ミッションケース及びその周辺の概略側面図
である。 【図93】ミッションケースへの動力の断接機構と従動
プーリのサブブレーキ機構との連動構成を示す側面図で
ある。 【図94】従動プーリのサブブレーキ機構を無効可能な
解除機構を示す平面図一部断面図である。 【図95】前部カバーの一部拡大側面図である。 【図96】補助ステップの拡大平面図である。 【図97】別形態の取付部を有する燃料タンクの側面図
である。 【図98】エンジンのガイド板付き支持部材の斜視図で
ある。 【図99】ブレーキ構成を示すミッションケース前部の
平面展開断面図である。 【図100】ブレーキ組立構成を示す平面図一部断面図
である。 【図101】別形態のブレーキ組立構成を示す平面図一
部断面図である。 【符号の説明】 450 座席シート 450a 背もたれ部 450b 着座部 450d 孔 450q コンプレッション部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 A01C 11/02 311 A47C 5/12 A47C 7/40 - 7/48 B62D 49/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 運転席7に備える座席シート450を、
    着座部450bと背もたれ部450aとで構成し、前記
    着座部450bの後端から背もたれ部450aを立設
    し、該着座部450bと背もたれ部450aをブロー成
    形法により一体的に成形し、該背もたれ部450aの上
    部に、座席シート450の表裏面を圧着・接合させたコ
    ンプレッション部450qを設け、該コンプレッション
    部450qに孔450dを開口し、該孔450dの周囲
    の部材は、手すり部450eとしたことを特徴とする乗
    用農作業機の座席シート。
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