JP3442470B2 - 画像処理方法及び画像処理装置 - Google Patents

画像処理方法及び画像処理装置

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JP3442470B2
JP3442470B2 JP09600194A JP9600194A JP3442470B2 JP 3442470 B2 JP3442470 B2 JP 3442470B2 JP 09600194 A JP09600194 A JP 09600194A JP 9600194 A JP9600194 A JP 9600194A JP 3442470 B2 JP3442470 B2 JP 3442470B2
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滋 松村
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ジーイー横河メディカルシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は画像処理方法及び画像処
理装置に関し、更に詳しくはCT画像,MR画像等の原
画像(オリジナル画像)から高周波領域におけるランダ
ムノイズを除去して見やすい医療診断用画像信号が得ら
れるようにした画像処理方法及び画像処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】CT画像,MR画像等の医療診断用画像
には通常、ノイズが重畳されている場合が多い。このノ
イズが、正確な医療診断を妨げる原因となる。このノイ
ズを除去するために、周知のようにノイズフィルタが用
いられる。このノイズフィルタの基本は、SN比(シグ
ナル/ノイズ比)をよくすることである。このため、ノ
イズフィルタは周波数領域において選択的にノイズを引
き下げる。そこで、ノイズフィルタ設計の本質は、可能
な限りシグナル(信号成分)とノイズ成分を分離するこ
とである。しかしながら、現実にはシグナル成分とノイ
ズ成分を完全に分離することは不可能である。
【0003】従って、フィルタをかけた後の画像は、エ
ッジ(被検体画像の縁)やテクスチャ(肌合い等)の画
像品質が低下する。現在、エッジ・テクスチャ部等の画
像品質の低下なしにノイズを除去するフィルタの研究が
行われている。エッジ部の画像品質の低下を起こすこと
のないフィルタとしては、メディアンフィルタが有名で
ある。このメディアンフィルタは、該当ピクセルの画素
値をカーネル(窓枠)内の中央値で置換するものであ
る。このメディアンフィルタは、該当ピクセルの画素値
を前記中央値で置換する結果、スパイクノイズに該当す
るピクセルの画素値が前記中央値で置換されて、スパイ
クノイズは除去されるという効果がある。しかしなが
ら、一般にSN比は改善されない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、CT画像,
MR画像等の画像信号には、高周波領域に重要なシグナ
ルが含まれていることが多い。図9はシグナルとランダ
ムノイズとの関係を示す図である。縦軸は振幅、横軸は
周波数である。図に示すように、シグナルは高周波領域
になると、その振幅が大幅に減少し、ノイズの中に埋も
れてしまう。一方、ランダムノイズの振幅は周波数に関
係なくほぼ一定である。従って、通常のフィルタをかけ
ると、ノイズの除去と共に、この高周波領域におけるシ
グナル成分も除去されてしまう。
【0005】本発明はこのような課題に鑑みてなされた
ものであって、第1に高周波領域におけるランダムノイ
ズを除去して見やすい医療診断用画像を得ることができ
る画像処理方法及び画像処理装置を提供することを目的
とし、第2に高周波領域におけるランダムノイズを除去
して見やすい医療診断用画像を得ることができ、かつ高
速で処理することができる画像処理方法及び画像処理装
置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
第1の発明は、原画像から高周波成分画像を抽出し、該
高周波成分画像からエッジ・テクスチャ成分を除去して
ランダムノイズ成分を抽出し、前記原画像からこのラン
ダムノイズ成分を差し引くことにより出力画像を得るよ
うにしたことを特徴とし、また、原画像をローパスフィ
ルタに通してマスクイメージ画像を生成し、原画像から
該マスクイメージ画像を差し引くことにより高周波成分
画像を生成し、該高周波成分画像を複数方向のラインフ
ィルタに通してエッジ・テクスチャ成分を除去してラン
ダムノイズ成分を抽出し、前記原画像からこのランダム
ノイズ成分を差し引くことにより出力画像を得るように
したことを特徴とし、また、前記マスクイメージ画像を
得る過程において、N×N(Nは整数)のカーネルを用
いた移動平均演算法を用いたことを特徴とし、また、前
記ランダムノイズ成分を抽出する過程において、高周波
成分画像のエッジ又はテクスチャに沿って複数方向のラ
インフィルタを用意し、これらラインフィルタを通した
後の画像データと画素値の中心値との差の絶対値が最大
となるものを選択し、絶対値を除いたものをその点の補
正値(ランダムノイズ)として選択し、これら補正値の
画像全面の集合をランダムノイズ成分として抽出するよ
うにしたことを特徴とし、更に、前記補正値をある基準
閾値と比較することにより、基準閾値よりも小さいもの
をランダムノイズ成分として抽出するようにしたことを
特徴としている。
【0007】第2の発明は、原画像から高周波成分画像
を抽出する高周波成分抽出手段と、該高周波成分抽出手
段の出力を受けて、高周波成分画像からエッジ・テクス
チャ成分を除去してランダムノイズ成分を抽出するラン
ダムノイズ抽出手段と、前記原画像から該ランダムノイ
ズ抽出手段の出力であるランダムノイズ成分を差し引く
ことにより出力画像を得る演算手段とにより構成された
ことを特徴とし、また、前記マスクイメージ画像を生成
する場合において、N×N(Nは整数)のカーネルを用
いた移動平均演算を用いるものであることを特徴とし、
また、前記エッジ・テクスチャ成分除去手段でランダム
ノイズ成分を抽出する場合において、複数方向のライン
フィルタを用意し、これらのラインフィルタを通した後
の画像データと画素値の中心値との差の絶対値が最大と
なるものを選択し、絶対値を除いたものをその点の補正
値(ランダムノイズ)として選択し、これら補正値の画
像全面の集合をランダムノイズ成分として抽出するもの
であることを特徴とし、更に、前記補正値をある基準閾
値と比較することにより、基準閾値よりも小さいものを
ランダムノイズ成分として抽出するものであることを特
徴としている。
【0008】
【作用】
(第1の発明)原画像信号から高周波成分画像を抽出
し、この抽出した高周波成分画像から複数方向のライン
フィルタを用いてエッジ・テクスチャ成分を除去し、高
周波領域におけるランダムノイズを抽出する。高周波領
域におけるランダムノイズが抽出できれば、原画像信号
からこのランダムノイズを差し引いてやることにより、
高周波領域におけるランダムノイズが除去された見やす
い医療診断用画像信号が得られる。また、本発明は原画
像信号からマスクイメージ画像を得る過程において、移
動平均によるローパスフィルタを用い、またエッジ・テ
クスチャ成分除去に用いられる複数方向のラインフィル
タの数を制限することにより演算時間を短くし、高速で
処理することができる。
【0009】(第2の発明)高周波成分抽出手段で原画
像信号から高周波成分画像を抽出し、エッジ・テクスチ
ャ成分除去手段で、この抽出した高周波成分画像から複
数方向のラインフィルタを用いてエッジ・テクスチャ成
分を除去し、高周波領域におけるランダムノイズを抽出
する。高周波領域におけるランダムノイズが抽出できれ
ば、差分演算手段で原画像信号からこのランダムノイズ
を差し引いてやることにより、高周波領域におけるラン
ダムノイズが除去された見やすい医療診断用画像信号が
得られる。また、本発明は高周波成分除去手段で原画像
信号からマスクイメージ画像を得る場合ににおいて、移
動平均によるローパスフィルタを用い、またエッジ・テ
クスチャ成分除去手段でエッジ・テクスチャ成分を除去
する場合に用いる複数方向のラインフィルタの数を制限
することにより演算時間を短くし、高速で処理すること
ができる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明実施例を詳細に
説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成ブロック
図である。図において、1は原画像信号をローパスフィ
ルタに通してマスクイメージ画像を生成し、原画像信号
から該マスクイメージ画像を差し引くことにより高周波
成分画像を生成する高周波成分抽出手段、2は該高周波
成分抽出処理手段1の出力を受けて高周波成分画像を複
数方向のラインフィルタに通してエッジ・テクスチャ成
分を除去し、ランダムノイズ成分を抽出するエッジ・テ
クスチャ成分除去手段、3は前記原画像信号から該エッ
ジ・テクスチャ成分除去手段の出力であランダムノイズ
成分を差し引くことにより出力画像信号を得る差分演算
手段である。このように構成された装置の動作を図2の
フローチャートを参照して説明すれば、以下のとおりで
ある。
【0011】高周波成分抽出手段1は、先ず原画像信号
を内部のローパスフィルタ(詳細後述)に通してマスク
イメージ画像を生成する(S1)。ローパスフィルタは
原画像信号から低周波成分のみを抽出するので、該ロー
パスフィルタの出力はぼけた画像(マスクイメージ画
像)となる。
【0012】次に、高周波成分抽出手段1は、内部の演
算手段により原画像信号からマスクイメージ画像を差し
引くことにより高周波成分画像を生成する(S2)。マ
スクイメージ画像は、低周波成分のみからなっているの
で、原画像信号からマスクイメージ画像を差し引くと、
高周波成分画像のみ残ることになる。
【0013】高周波成分抽出手段1で抽出された高周波
成分画像は、エッジ・テクスチャ成分除去手段2に送ら
れる。エッジ・テクスチャ成分除去手段2では、入力し
た高周波成分画像を内部の複数方向のラインフィルタ
(詳細後述)に通してエッジ・テクスチャ成分を除去
し、ランダムノイズ成分を抽出する(S3)。複数方向
の向きを持つラインフィルタは、モルフォグラフィック
フィルタ(morpho−graphic filte
r)と呼ばれ、それぞれの向きに働くローパスフィルタ
の集まりである。ここで、モルフォグラフィックとは、
物体の形状に適合してカーネルの形を変化させるという
意味である。従って、モルフォグラフィックフィルタは
種々の形状のものを取り得るが、ここでは複数方向のラ
インフィルタを用いている。
【0014】エッジ・テクスチャ成分除去手段2に入力
される高周波成分画像は、高周波領域におけるノイズ
(ランダムノイズ)と、エッジ・テクスチャ成分からな
っている。従って、複数方向の向きを持つラインフィル
タによりエッジ・テクスチャ成分を除去すると、ランダ
ムノイズ成分のみ残ることになる。
【0015】エッジ・テクスチャ成分除去手段2から出
力されるランダムノイズは、差分演算手段3に補正値と
して入力される。差分演算手段3には、原画像信号が入
力されており、該差分演算手段3は、原画像信号からラ
ンダムノイズを差し引き、出力画像信号を得る(S
4)。この結果、出力画像信号は高周波領域におけるラ
ンダムノイズが除去されたものとなり、見やすい医療診
断用画像信号が得られる。また、高周波成分除去手段1
で原画像信号からマスクイメージ画像を得る場合ににお
いて、移動平均によるローパスフィルタを用い、またエ
ッジ・テクスチャ成分除去手段2でエッジ・テクスチャ
成分を除去する場合に用いる複数方向のラインフィルタ
の数を制限することにより演算時間を短くし、高速で処
理することができる(詳細後述)。
【0016】次に、移動平均演算法の詳細について説明
する。高周波成分抽出手段1内には、低周波成分を抽出
するためのローパスフィルタが内蔵されている。ここで
は、このローパスフィルタとして、移動平均演算法を用
いる。マスクイメージ画像を得るために、ここでは5×
5のカーネルを用いた移動平均演算が用いられる。この
移動平均演算は、1個のピクセルの画素値を4回の加算
で計算できることから用いられる。演算回数は、カーネ
ルのサイズによらずに4回で済む。
【0017】移動平均画素値Si,j は次式で表される。
【0018】
【数1】
【0019】図3に移動平均による演算の様子を示す。
1個の演算を終了する度に、カーネルは1画素ずつ右方
向に移動していく。そして、移動した点で中心画素の値
をしの周辺の画素の単純な加算或いは重み付け加算によ
り求めていく。ここでは、カーネルとして5×5の場合
を例示している。
【0020】図4は移動平均演算の説明図である。
(1)式に対する基本的なカーネルは図4の(a)であ
る。(1)式において、Si,j はカーネルの中心の画素
値、Iは5×5のカーネル内のそれぞれの画素値であ
る。(1)式において、Lはカーネルの半分の高さを、
Kはカーネルの半分の幅をそれぞれ示している。従っ
て、5×5のカーネルを用いた場合には、L=2,K=
2となる。(1)式をそのまま忠実に演算していくと時
間がかかるので、ここではもっと簡単な演算により高速
化を図っている。
【0021】行又は列方向の加算演算を行なう場合に
は、(1)式は単純な以下のような循環公式で表され
る。 Si,j =Si-1,j −Ci-3,j +Ci+2,j (2) (2)式を図示したものが、図4の(b)である。
(2)式は、図4の(b)に示すように、目標画素S
i,j の左側のSi-1,j から左端のCi-3,j を減算し、そ
れに右端のCi+2,j を加算することにより簡単に計算さ
れる。図の斜線領域を予め値として持っておくことによ
り演算が加速される。
【0022】ここで、Ci,j は次式で表される。
【0023】
【数2】
【0024】(3)式は更に以下のような簡単な循環公
式に展開することできる。 Ci,j =Ci,j-l −Ii,j-3 +Ii,j+2 (4) (4)式を図示したものが、図4の(c)である。つま
り、Ci,j はCi,j-l からIi,j-3 を減算し、次にI
i,j+2 を加算することにより求めることができる。この
ように、基本的に(1)式で表される移動平均公式を、
(2)〜(4)式のように簡略化した循環公式に変形す
ることにより、(1)式の演算を高速に演算することが
できるようになる。この方法によれば、移動平均演算
は、2個のカラムと2個の領域の4回の加算により実現
できる。このことは、画像処理に要する時間を高速化す
ることができることを示している。
【0025】次にローテーティングラインフィルタ(r
otating line filter)の動作につ
いて説明する。ローテーティングラインフィルタは、前
述したように複数の方向を持ったライン状のフィルタ
で、モルフォグラフィックフィルタとも呼ばれる。この
ラインフィルタについてもその方向が例えば4方向に制
限される場合には循環公式を用いて処理の高速化を図る
ことができる。
【0026】図5は本発明で用いた4個のラインフィル
タの形状を示している。図の(a)〜(d)が4種類の
ラインフィルタを示している。4個のラインフィルタを
用いると、4方向の演算ができることになる。これらラ
インフィルタのカーネルサイズとしては、5個のピクセ
ルが用いられる。5×5のカーネルを想定すると、8方
向のものが用いられるべきであるが、8個の場合と4個
の場合とで実用上差異がないので、ラインフィルタの数
は図5に示す4個を用いた。カーネルサイズを5個にし
た理由は経験的なものであり、たいていの場合にノイズ
グレイン(微小)サイズが2画素以下であるという理由
に基づく。ラインフィルタの方向を制限することによ
り、演算回数が減り、その分高速の演算処理が可能とな
る。
【0027】次に、このラインフィルタを高周波画像に
どのように適用させていくかについて説明する。図6は
ラインフィルタによるエッジ追跡の様子を示す図であ
る。図に示すようなエッジ5があるものとする。ライン
フィルタは、これらエッジに沿って図5に示した4個の
ラインフィルタを用いてフィルタ演算処理を行なう。エ
ッジに沿った方向のフィルタを用いるとそのフィルタ演
算値は小さく、エッジに垂直方向のフィルタを用いた場
合がそのフィルタ演算値が大きい。
【0028】そこで、図6に示すエッジのピクセル毎
に、図5に示す4個のラインフィルタを用いて演算を行
ない、その内のフィルタ演算値が最小のものをその点の
ピクセルに対するフィルタと決定する。図6の10がそ
れぞれのピクセル値に適用されるラインフィルタを示し
ている。
【0029】ラインフィルタの方向は、図5に示すよう
に4方向をとるため、ある点のピクセルの座標はx,y
方向の2次元で表されるが、ここでは簡単のためにそれ
ぞれの方向におけるピクセルの番号を順に−2,−1,
0,1,2とする。そこで、ある点のピクセルにライン
フィルタを用いた時の演算値をRとすると、Rは次式で
表される。
【0030】
【数3】
【0031】ここで、Iは5個のピクセルの画素値であ
る。このように、ある点のピクセル値は5個の画素の平
均値で表される。ここで、このピクセル値から画素値の
中心値Io を差し引き、その絶対値をとるとその値Cは
次式で表される。
【0032】 C=|R−Io | (6) (6)式の演算を残りの3個のラインフィルタについて
も行ない、絶対値Cが最も小さいものをそのピクセル点
に適用するラインフィルタとする。つまり、ある点のラ
インフィルタ演算値から画素値の中心値を差し引いた値
の絶対値が最小のものを、ラインフィルタとして用いる
と、図6に示すように適用されるラインフィルタがエッ
ジに沿って決定される。これらラインフィルタは、いず
れもエッジ・テクスチャのラインの向きに配置されてい
ることが分かる。
【0033】このようにしてその絶対値が最小のものを
とるラインフィルタが決定されると、その点のランダム
ノイズ成分信号C*(補正成分)は次式で表される。 C*=Io −R (7) となる。
【0034】次に、ノイズ成分の具体的抽出過程を説明
する。図7はローテーティングラインフィルタによるラ
ンダムノイズ成分抽出の説明図である。(a)はランダ
ムノイズ成分抽出過程を示すフローチャート、(b)は
実際の高周波画像の一部である例を示す。図(b)に示
すような高周波画像の一部があるものとする。図5に示
す4方向について(5)式を演算すると、図5の(a)
方向が(3+3+2+3+3)/5=2.8となる。図
5の(b)〜(d)方向はいずれも(0+0+2+0+
0)/5=0.4となる。以上の値を(6)式に代入す
ると、それぞれ |2.8−2|=0.8 |0.4−2|=1.6 となる。(6)式の値が最小値をとる方向のラインフィ
ルタが用いるべきラインフィルタとなるので、ここでは
(5)式が最小値0.8をとる図5の(a)のフィルタ
(図7の(b)の太枠)を用いる。この時のエッジ・テ
クスチャ成分Rは2.8となる。この場合の補正信号C
*は、(7)式より 2−2.8=−0.8 となる。この−0.8が補正信号C*(ノイズ成分)で
あり、原画像から差し引く分である。つまり、原画像の
画素値−(−0.8)が最終画像の画素値となる。
【0035】このようにして求めたノイズ成分信号C*
を、例えば図6に示すエッジ全面にわたって集めると、
高周波成分画像からエッジ成分を抽出した後のノイズ成
分が得られる。
【0036】以上の説明では、エッジに沿ってラインフ
ィルタをかける場合について説明した。同様の手法は、
テクスチャ領域についても行われる。つまり、テクスチ
ャの模様に対して4個のフィルタを適用し、画素値の中
心値との偏差が最小となるフィルタを選んでいく。実際
には、画像全面に対してローテーティングラインフィル
タをかけるので、画像全面に対してエッジ・テクスチャ
成分が除去されたノイズ成分が補正信号として得られ
る。
【0037】補正信号が得られたら、差分演算手段3で
原画像信号からこの補正信号C*を差し引いてやること
により、ノイズのない見やすい画像が得られることにな
る。なお、エッジ・テクスチャ成分除去手段2で得られ
たランダムノイズには、図8に示すように例えば鉄のよ
うな金属ピン等が含まれることがある。このような場合
としては、例えば被検者が誤ってピンを飲み込んでしま
った場合等が考えられる。この情報は必ず検出する必要
がある。図の10がピン、11がランダムノイズ(例え
ばスパイクノイズ)である。このピンは、信号成分(シ
グナル成分)として重要なものであるからこのピンをラ
ンダムノイズとして抽出したら困る。そこで、(7)式
の偏差C*をある基準閾値と比較することにより、その
基準閾値よりも小さいものをランダムノイズとして抽出
するようにする。このようにすれば、ピン情報は基準閾
値よりも大きいので除去されないで残り、最終的な出力
画像にも含まれることになる。
【0038】本発明で用いた画像処理方法及び画像処理
装置を用いて出力画像を得る実験を行った。この結果、
美しい画像はより美しく、そうでない画像もそれなりに
良くなった。また、高周波領域のランダムノイズ成分が
除去されているので、医療画像診断画像として見やすい
画像が得られた。特にSN比は、空間分解能を低下させ
ることなく改良された。また、移動平均演算を用いるの
で、高速の処理が可能となった。
【0039】上述の実施例では、マスク画像を得るため
のローパスフィルタに5×5のカーネルを用いた移動平
均演算を用いたが、本発明はこれに限るものではない。
低域通過させる機能を持ったフィルタであれば、どのよ
うな種類のものであってもよい。また、モルフォグラフ
ィックフィルタで用いた複数方向のラインフィルタの種
類も実施例の4個に限るものではなく、8個のラインフ
ィルタを用いることもできる。またフィルタを構成する
ピクセルの数も実施例で用いた5個に限るものではな
い。任意の数のものを用いることができる。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば原画像信号から高周波成分画像を抽出し、該高周
波成分画像からランダムノイズ成分を抽出し、この抽出
したランダムノイズ成分を原画像信号の補正値として原
画像信号から差し引くことにより、第1に高周波領域に
おけるランダムノイズを除去して見やすい医療診断用画
像を得ることができる画像処理方法及び画像処理装置を
提供することができ、第2に高周波領域におけるランダ
ムノイズを除去して見やすい医療診断用画像を得ること
ができ、かつ高速で処理することができる画像処理方法
及び画像処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。
【図2】本発明方法の一実施例を示すフローチャートで
ある。
【図3】移動平均演算の様子を示す図である。
【図4】移動平均演算の説明図である。
【図5】ラインフィルタの種類を示す図である。
【図6】ラインフィルタによるエッジ追跡の様子を示す
図である。
【図7】ランダムノイズ成分抽出の説明図である。
【図8】ランダムノイズ処理の説明図である。
【図9】シグナルとランダムノイズの関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 高周波成分抽出手段 2 エッジ・テクスチャ成分除去手段 3 差分演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−91367(JP,A) 特開 平5−103226(JP,A) 特開 平4−105467(JP,A) 特開 平5−252421(JP,A) 特開 平5−183924(JP,A) 特開 平3−133433(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/14 - 5/217 A61B 5/00 G06T 1/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原画像をローパスフィルタに通してマス
    クイメージ画像を生成し、 前記原画像から前記マスクイメージ画像を差し引くこと
    により前記原画像から高周波成分画像を抽出し、 前記高周波成分画像をローテーティングラインフィルタ
    に通してエッジ・テクスチャ成分を除去してランダムノ
    イズ成分を抽出し、 前記原画像から前記ランダムノイズ成分を差し引くこと
    により出力画像を得ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 原画像をローパスフィルタに通してマス
    クイメージ画像を生成し、該原画像から該マスクイメー
    ジ画像を差し引くことにより該原画像から高周波成分画
    像を抽出する高周波成分画像抽出手段と、 前記高周波成分画像をローテーティングラインフィルタ
    に通してエッジ・テクスチャ成分を除去してランダムノ
    イズ成分を抽出するエッジ・テクスチャ成分除去手段
    と、 前記原画像から前記ランダムノイズ成分を差し引くこと
    により出力画像を得る差分演算手段とを備えたことを特
    徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記ローテーティングラインフィルタ
    は、前記高周波成分画像における1ピクセルを中心とし
    た5個のピクセルを用いた4方向のラインフィルタであ
    り、該5個のピクセルの値の平均値から該中心としたピ
    クセルの値を引いた絶対値が最も小さくなる方向のライ
    ンフィルタを選択して、該中心としたピクセルの値から
    該平均値を引くことによりランダムノイズ成分を抽出す
    ることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記中心としたピクセルの値から平均値
    を引いた値を基準閾値と比較し、該基準閾値よりも小さ
    い算出値をランダムノイズ成分として抽出することを特
    徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記原画像をローパスフィルタに通して
    マスクイメージ画像を生成するのに、5×5のカーネル
    を用いた移動平均演算を用いることを特徴とする請求項
    2から請求項4のうちのいずれかに記載の画像処理装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の画像処理装置におい
    て、原画像のピクセルにおける横の位置をi、縦の位置
    jと表し、位置i,jを中心とする前記5×5のカーネ
    ルに一致するピクセルの総和をSij、位置i−1,jを
    中心とする前記5×5のカーネルに一致するピクセルの
    総和をSi-1,jと表し、前記5×5のカーネルに対応す
    る位置i−3における縦5個のピクセルの総和をCi-3,
    j、前記5×5のカーネルに対応する位置i+2におけ
    る縦5個のピクセルの総和をCi+2,jと表すとき、 Sij=Si-1,j−Ci-3,j+Ci+2,j なる循環公式を用いることを特徴とする画像処理装置。
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