JP3441529B2 - アンモニアの定量方法 - Google Patents

アンモニアの定量方法

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JP3441529B2 JP23725394A JP23725394A JP3441529B2 JP 3441529 B2 JP3441529 B2 JP 3441529B2 JP 23725394 A JP23725394 A JP 23725394A JP 23725394 A JP23725394 A JP 23725394A JP 3441529 B2 JP3441529 B2 JP 3441529B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中のアンモニアの
比色定量方法に関する。更に詳しくは、本発明は、触媒
の存在下でアンモニアとフェノールを酸化剤で反応させ
て生成するインドフェノールを比色定量するインドフェ
ノール法(あるいはバースロット法とも言う)の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】水中のアンモニアは工場排水,下水,し
尿などの混入により生ずる場合が多く、しかも、その汚
染が過去の近い時点にあったことを疑わせるので、水質
汚濁を考察するための有力な指標となる。また、窒素と
して0.2mg/l程度以上の濃度になると富栄養化の
原因となること、アンモニアは魚介類に対する毒性があ
ることからも水中のアンモニアを簡便に定量することは
大きな意義がある。
【0003】特に、鑑賞魚の飼育水槽中のアンモニアの
簡易定量や河川、海洋中のアンモニアの簡易定量に於い
てはその測定場所が一般家庭や屋外であるため機器によ
る吸光度測定が困難であるため、標準比色紙(アンモニ
アの各濃度とその発色を表したもの)と比較するアンモ
ニアの目視判定比色定量が簡便に行えることは大きな意
義がある。
【0004】更に、使用した試薬や反応溶液の後処理を
考えると試薬類が毒物及び劇物に該当しないことは重要
な事となる。アンモニアの定量法は従来から種々の方法
が検討されており改良が重ねられてきた。比色定量法は
現在ネスラー法とインドフェノール法(バースロット
法)が広く用いられている。しかし、ネスラー法は反応
試薬としてヨウ化水銀を用いているため比色定量後の廃
液処理を怠ると新たな公害発生となること、つまり毒物
の使用という欠点がある。インドフェノール法(J.B
erthelot:Report chem. App
t 1, 284, 1859 あるいはJISK 0
101 36.2)はアンモニアとフェノールと例えば
次亜塩素酸塩などの酸化剤とを反応させて生じるインド
フェノールの青色を比色定量する方法であり、フェノー
ルの替わりにサリチル酸塩を用いる場合もある。通常ア
ルカリ性で青く発色するので、この反応溶液にはアルカ
リが添加されて、アルカリ性に保たれる。反応溶液はア
ルカリ性に保たれていればよく特に制限はないが通常p
H10程度以上のアルカリ性に保たれる事が好ましい。
このインドフェノール法は反応速度を速くし感度を良好
にするため触媒としてペンタシアノニトロシル鉄(III
)酸ナトリウム(ニトロプルシドナトリウム)という
シアン化合物を用いている。そのため比色定量後の廃液
処理を怠ると新たな公害発生となること、つまり毒物の
使用という欠点がある。
【0005】これらの欠点を改良する方法が検討されて
おり、特に、インドフェノール法におけるニトロプルシ
ドナトリウムに替わる触媒の報告がある。例えば、特公
昭58−11024号公報に示された方法は、インドフ
ェノール法の触媒としてニトロプルシドナトリウムの替
わりにピラゾールを使用するというものである。また、
特開昭61−38463号公報に示された方法は、イン
ドフェノール法の触媒としてニトロプルシドナトリウム
の替わりにイミダゾール又はイミダゾール誘導体を使用
するというものである。また、特開昭61−44351
号公報に示された方法は、インドフェノール法の触媒と
してニトロプルシドナトリウムの替わりに(A)ペルオ
キシダーゼ又は/及びカタラーゼ、(B)ペルオキシダ
ーゼ又は/及びカタラーゼとピラゾール又は/及びピラ
ゾール誘導体、或は(C)ペルオキシダーゼ又は/及び
カタラーゼとピラゾール又は/及びピラゾール誘導体と
金属キレートの存在下に行う方法である。
【0006】これらの3方法は毒物であるニトロプルシ
ドナトリウムを使用しないという点では評価されるが、
ニトロプルシドナトリウムを使用した場合に比べて発色
度(650nmに於ける吸光度値)が約1/4、或はそ
れ以下に低下してしまう。そのため、目視判定によるア
ンモニアの簡易比色定量に於いてはアンモニアの濃度の
違いが色の差となってあらわれにくくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したよう
な毒物を用いない液体中のアンモニアの比色定量法に於
ける問題点、すなわち毒物であるニトロプルシドナトリ
ウムを用いた発色に比べて発色度が低いために簡易にア
ンモニア量を目視判定できないという問題点を改善し、
(1)触媒として毒性の少ない触媒を用い、しかも発色
度が高く、測定感度の優れた液体中のアンモニアの比色
定量方法を提供することを目的とする。
【0008】また、そのほか後述する本発明の各好まし
い態様に於いては、前記目的のほかにそれぞれ更に次の
ような目的を有する。 (2)すなわち、更に本発明は、より発色度が大きく、
従って測定感度がより優れた液体中のアンモニアの比色
定量方法を提供することを目的とする。
【0009】(3)更に、本発明の別の目的は、毒性が
少なく、反応時間を短縮し、発色度を大きくする作用を
有する触媒を用いた液体中のアンモニアの比色定量方法
を提供することにある。
【0010】(4)更に、本発明の別の目的は、溶解性
が良好で、安価で酸化力が比較的強い酸化剤を用いた液
体中のアンモニアの比色定量方法を提供することにあ
る。 (5)更に、本発明の別の目的は、発色性がより優れた
フェノール誘導体を用いた液体中のアンモニアの比色定
量方法を提供することにある。
【0011】(6)更に、本発明の別の目的は、溶解度
が大きく、固体状態で用いたり、高濃度溶液を容易に調
製し得るエチレンジアミン四酢酸塩を用いた液体中のア
ンモニアの比色定量方法を提供することにある。
【0012】(7)更に、本発明の別の目的は、比色測
定に於ける吸光度を更に高くし得る液体中のアンモニア
の比色定量方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するた
め、本発明の液体中のアンモニアの比色定量方法は、次
の構成を有する。
【0014】(1)フェノール又はフェノール誘導体と
酸化剤及び触媒を用いるインドフェノール法による液体
中のアンモニアの比色定量法に於いて、触媒としてピラ
ゾール又はピラゾール誘導体から選ばれた少なくとも1
種を用い、且つ測定反応溶液中のエチレンジアミン四酢
酸塩の最終濃度を0.06mol/l以上にして比色測
定を行うことを特徴とする液体中のアンモニアの比色定
量方法。
【0015】(2)測定反応溶液中のエチレンジアミン
四酢酸塩の最終濃度が0.16mol/l以上である前
記(1)項に記載の液体中のアンモニアの比色定量方
法。 (3)触媒がピラゾール、3−メチルピラゾール、4−
メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾールから選
ばれた少くとも1種である前記(1)項または(2)項
のいずれかに記載の液体中のアンモニアの比色定量方
法。
【0016】(4)酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムであ
る前記(1)〜(3)項のいずれかに記載の液体中のア
ンモニアの比色定量方法。 (5)フェノール誘導体がサリチル酸ナトリウムである
前記(1)〜(4)項のいずれかに記載の液体中のアン
モニアの比色定量方法。
【0017】(6)エチレンジアミン四酢酸塩が、エチ
レンジアミン四酢酸三ナトリウム三水和物,エチレンジ
アミン四酢酸四ナトリウム四水和物,エチレンジアミン
四酢酸三カリウム二水和物から選ばれた少なくとも1種
である前記(1)〜(5)項のいずれかに記載の液体中
のアンモニアの比色定量方法。
【0018】(7)添加するエチレンジアミン四酢酸塩
が、固体または濃度1.4mol/l以上の濃度の濃厚
水溶液である前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の
液体中のアンモニアの比色定量方法。
【0019】本発明で用いられるエチレンジアミン四酢
酸塩がキレート剤であることは公知であるが、インドフ
ェノール法を用いたアンモニアの比色定量法、更には毒
物を用いない方法、具体的には、ピラゾール又は/及び
ピラゾール誘導体を触媒として用いた場合に通常キレー
ト剤の目的に使用するより遥かに多量のエチレンジアミ
ン四酢酸塩(通常使用量の約20倍程度、好ましくは約
50倍程度以上)を添加すれば、エチレンジアミン四酢
酸塩を使用しない場合、あるいは通常使用量の場合と比
べて発色強度が増強するか否かについてはこれまでに全
く知見がない。すなわちエチレンジアミン四酢酸塩の反
応液中の最終濃度については、JISK 0101 3
6.2の工場排水試験法(日本規格協会)においては
0.0027mol/lでの使用が、特開昭61−44
351号公報においては、0.00018mol/l濃
度での使用が、特公昭58−11024号公報において
は0.0021mol/l濃度での使用が示唆されてい
るが、本発明に於いてはかかる金属のキレート化による
捕捉に必要な通常使用されている量よりもはるかに多量
のエチレンジアミン四酢酸塩を用いる。反応液中のエチ
レンジアミン四酢酸塩の最終濃度を0.06mol/l
以上とすることにより、通常キレート剤の目的に使用す
る量を使用した場合、あるいはそれ以下の使用量の場合
に比べて発色度が向上し、より低い濃度範囲のアンモニ
アを測定することが可能な液体中のアンモニアの比色定
量法を提供し得るのである。さらに、より好ましくは、
反応液中のエチレンジアミン四酢酸塩の最終濃度を0.
16mol/l以上とすることにより、通常キレート剤
の目的に使用する量を使用した場合、あるいはそれ以下
の使用量の場合に比べて発色度が大幅に向上し、約2倍
の吸光度値を与える高感度化が可能となり、アンモニア
の濃度が更に低い濃度の試料の目視による判別に利用可
能な液体中のアンモニアの比色定量法を提供し得るので
ある。しかも全ての反応が室温下で5分以内に完了する
ことができる。尚、反応液中のエチレンジアミン四酢酸
塩の濃度の上限は特に制限はないが、用いるエチレンジ
アミン四酢酸塩の飽和濃度以下であることは当然であ
る。
【0020】本発明に用いるエチレンジアミン四酢酸塩
としてはそれぞれナトリウム塩,カリウム塩,リチウム
塩,及びそれらの複塩化合物が挙げられる。具体的には
エチレンジアミン四酢酸塩としてエチレンジアミン四酢
酸三ナトリウム三水和物,エチレンジアミン四酢酸四ナ
トリウム四水和物,エチレンジアミン四酢酸三カリウム
二水和物などが溶解度が比較的高く、固体のままで用い
たり、試薬として高濃度の試液を調製できる点で好まし
い。特に、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和
物が望ましい。
【0021】また、アンモニアの定量測定を行う場合
に、測定対象試料液体に試液であるエチレンジアミン四
酢酸塩溶液その他を添加して定量測定を行うのであるか
ら、用いるエチレンジアミン四酢酸塩溶液の濃度が稀薄
な場合には、一定濃度以上のエチレンジアミン四酢酸塩
濃度を保つため大量のエチレンジアミン四酢酸塩溶液を
添加する必要があるが、粉末や粒状その他の形状の固体
状態のエチレンジアミン四酢酸塩や濃度の高いエチレン
ジアミン四酢酸塩溶液を用いた場合には、より少量の添
加ですませることができ、したがって測定対象の最終反
応溶液全体が余り希釈されない。言い換えれば、より高
い濃度の試液あるいは固体であれば添加量を少なくする
ことができるので、測定試料溶液と試液との合計量から
なる最終反応溶液中のアンモニア濃度を高く保つことが
できるので、反応によって得られるインドフェノール化
合物の濃度を高く保つことができ、結果として発色度を
高くすることができ、この点からもより発色濃度が高く
なることになり、前記測定反応溶液中のエチレンジアミ
ン四酢酸塩の最終濃度を0.06mol/l以上にする
ことによる高感度化に加えて、試料の希釈が防止される
ので、その分だけ更に高感度とすることができるので好
ましい。この意味からは、添加試液として用いるエチレ
ンジアミン四酢酸塩の試薬の濃度が1.4mol/l以
上(エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物の場
合で換算すると約50wt/wt%以上の濃度に相当す
る)の試液を用いるか、粉末や粒状その他の形状の固体
状態のエチレンジアミン四酢酸塩を用いることが特に好
ましい。また、溶解性が特に良好であるエチレンジアミ
ン四酢酸四ナトリウム四水和物が特にこの点からも有効
である。
【0022】本発明で用いるフェノール又はフェノール
誘導体としてはフェノール、サリチル酸及びそのアルカ
リ金属塩などが用いられ、サリチル酸ナトリウムなどは
より発色性が良好なので好ましい。これらのフェノール
又はフェノール誘導体は最終反応液(最終呈色液)中1
0mmol/l以上存在すればよいが、通常は50〜5
00mmol/l程度が好ましく用いられる。
【0023】また、本発明で用いる酸化剤は次亜塩素酸
塩、塩化イソシアヌル、ジクロロイソシアヌル酸塩、p
−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム三水和物な
どの塩素系酸化剤が一般的に用いられるが、特に次亜塩
素酸ナトリウムが溶解度が良好で、また、安価に入手で
き、酸化力も比較的強いなどの点で好ましい。塩素系酸
化剤の濃度としては有効塩素濃度として最終呈色液中
0.01wt/wt%以上存在すればよいが、通常0.
03〜0.3wt/wt%程度が好ましく用いられる。
【0024】更に、本発明においては触媒としてピラゾ
ール又はピラゾール誘導体から選ばれた少なくとも1種
を用いるが、具体例としては、ピラゾール、3−メチル
ピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチル
ピラゾールなどが良好な触媒機能を発揮でき、好まし
い。なお、これらの触媒はアンモニアとフェノールまた
はその誘導体と酸化剤とを反応させてインドフェノール
を生成させる反応時間を短縮し、また、発色度を大きく
する機能が特にすぐれており、しかも毒性も少なく好ま
しい。
【0025】これらの触媒の濃度は最終呈色液中、1m
mol/l以上あれば十分であるが、通常1〜100m
mol/l程度が好ましく用いられる。また、最終反応
液は青色に発色させるためには、アルカリ性に保たれて
いればよい。特に限定するものではないが、pHが10
以上程度のアルカリ性に保たれることが好ましい。用い
るアルカリとしては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などが用いられる。
【0026】
【作用】
(1)本発明の液体中のアンモニアの比色定量方法は、
フェノール又はフェノール誘導体と酸化剤及び触媒を用
いるインドフェノール法による液体中のアンモニアの比
色定量法に於いて、触媒としてピラゾール又はピラゾー
ル誘導体から選ばれた少なくとも1種を用い、且つ測定
反応溶液中のエチレンジアミン四酢酸塩の最終濃度を
0.06mol/l以上にして比色測定を行うことによ
り、毒性がなく、しかも、発色度が向上し、より低い濃
度範囲のアンモニアを測定することが可能な液体中のア
ンモニアの比色定量法を提供し得る。
【0027】(2)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、測定反応溶液中のエチレンジ
アミン四酢酸塩の最終濃度が0.16mol/l以上で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、発色度が
大幅に向上し、約2倍の吸光度値を与える高感度化が可
能となり、アンモニアの濃度が更に低い濃度の試料の目
視による判別に利用可能な液体中のアンモニアの比色定
量法を提供し得る。
【0028】(3)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、触媒がピラゾール、3−メチ
ルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチ
ルピラゾールから選ばれた少くとも1種である本発明の
好ましい態様とすることにより、これらの化合物は毒性
が少なく、毒性が少ない触媒の中でも触媒機能が特にす
ぐれており、高感度の液体中のアンモニアの比色定量方
法を提供し得る。
【0029】(4)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、酸化剤が次亜塩素酸ナトリウ
ムである本発明の好ましい態様とすることにより、酸化
剤の溶解度が良好で、また、安価に入手でき、比較的酸
化力も強い酸化剤であり、したがって容易で、安価なア
ンモニアの比色定量方法を提供し得る。
【0030】(5)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、フェノール誘導体がサリチル
酸ナトリウムである本発明の好ましい態様とすることに
より、発色度が更に良好なアンモニアの比色定量方法を
提供し得る。
【0031】(6)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、エチレンジアミン四酢酸塩
が、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム三水和物,エ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物,エチレン
ジアミン四酢酸三カリウム二水和物から選ばれた少なく
とも1種である本発明の好ましい態様とすることによ
り、これらのエチレンジアミン四酢酸塩は溶解度が比較
的高く、高濃度の試液を調製でき、また固体状態で用い
ることもできる。したがって試液がコンパクトにし得る
ので、現場への持ち運びに便利であり、現場での測定を
容易にすることができるアンモニアの比色定量方法を提
供し得る。
【0032】(7)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、添加するエチレンジアミン四
酢酸塩が、固体または濃度1.4mol/l以上の濃度
の濃厚水溶液である本発明の好ましい態様とすることに
より、固体状態のまたは濃度の高いエチレンジアミン四
酢酸塩溶液を用いるので、測定対象試料液への添加量が
より少量の添加で、最終呈色液中に所定濃度のエチレン
ジアミン四酢酸塩を存在させることができる。したがっ
て反応最終呈色液全体が余り希釈されない。言い換えれ
ば、測定試料液へ添加するエチレンジアミン四酢酸塩を
粉末、粒状、その他の形状の固体状態で用いるか、前述
のような高い濃度の試液を用いることにより添加量を少
なくすることができるので、測定試料液と試液との合計
量からなる最終反応溶液中のアンモニア濃度を高く保つ
ことができるので、反応によって得られるインドフェノ
ール化合物の濃度を高く保つことができ、結果として発
色度を高くすることができ、この点からもより発色濃度
が高くなることになり、その分だけ更に高感度なアンモ
ニアの比色定量方法を提供し得る。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
以下の実施例に於いては、水は全て脱イオン処理純水を
使用した。
【0034】実施例1 (3−メチルピラゾール触媒を用いた場合) (1)試薬 第一試液 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物 1,000g 水を1L加えて溶解する。 (EDTA濃度:1.47mol/l) 尚、EDTAはエチレンジアミン四酢酸塩を意味する。
【0035】 第二試液 サリチル酸ナトリウム 234g 3−メチルピラゾール 20g(0.24mol) 水に溶解し、全量を1Lとする。
【0036】 第三試液 次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素10%) 110ml 水酸化ナトリウム 50g 水に溶解し、全量を1Lとする。
【0037】 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 塩化アンモニウム 2.97g 水に溶解し、全量を1Lとする。
【0038】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0039】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図3の直線1に示される
ように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性
を示している。(EDTA最終濃度:0.16mol/
l) 本発明方法の発色の波長吸収曲線(アンモニア濃度が5
ppmの場合)は図1に示すとおりで650nmに最大
吸収を示している。また、その時の発色反応の反応時間
と吸光度値の関係を図2に示した。図2より、発色反応
は試液添加後3分以内に完了していることがわかる。
尚、本実施例においてはアンモニアの濃度が0.1pp
mの場合においても、容易に目視判別可能であった。
【0040】参考例1の1の1 (実施例1において第一試液の代わりに水を用いる場
合) (1)試薬 第二試液 実施例1に同じ。
【0041】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0042】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液の代わり
に水を400μl加えてよく撹拌し、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0043】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図3の直線2に示されるように、原
点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示してい
る。しかし、吸光度値は実施例1の約1/2であり、本
参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppmの
場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図3
のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であること
が分かる。
【0044】参考例1の1の2 (実施例1において第一試液を使用しない場合) (1)試薬 第二試液 実施例1に同じ。
【0045】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0046】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0047】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図3の直線3に示されるように、原
点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示してい
る。しかし、吸光度値は実施例1の約1/2であり、本
参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppmの
場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図3
のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であること
が分かる。
【0048】参考例1の2 実施例1において第一試薬としてエチレンジアミン四酢
酸四ナトリウム四水和物の代わりに通常キレートの目的
のために用いられるエチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム二水和物を用い、その反応溶液中のEDTA濃度が従
来例のごとく小さい場合 (1)試薬 第一試液 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム二水和物 10g 水に溶解し、全量を1Lとする。 (EDTA濃度:0.027mol /l) 第二試液 実施例1に同じ。
【0049】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0050】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0051】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図4の直線4に示される
ように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性
を示している。
【0052】しかし、吸光度値は実施例1の約1/2で
あり、図4から参考例1の1の1のエチレンジアミン四
酢酸塩無添加の場合とほとんど差はなく、このような通
常キレート剤の目的で使用するエチレンジアミン四酢酸
塩量では吸光度の高感度化効果はないことを確認した。
また、本参考例においては、アンモニアの濃度が0.1
ppmの場合には、目視判別がかなり困難であった。
【0053】(EDTA最終濃度:0.0029mol
/l) 実施例2 (1)試薬 第一試液 エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物 300g 水を1L加えて溶解する。 (EDTA濃度:0.57mol/l) 第二試液 実施例1に同じ。
【0054】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0055】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0056】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図5の直線5に示される
ように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性
を示している。(EDTA最終濃度:0.06mol/
l)。
【0057】尚、本実施例においてはアンモニアの濃度
が0.1ppmの場合においても、目視判別可能であっ
た。 参考例2 (実施例2において第一試液の代わりに水を用いる場
合) (1)試薬 第二試液 実施例2に同じ。
【0058】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0059】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液の代わり
に水を400μl加えてよく撹拌し、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0060】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図5の直線6に示されるように、原
点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示してい
る。しかし、吸光度値は実施例2の約5/7であり、本
参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppmの
場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図5
のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であること
が分かる。
【0061】実施例3 (ピラゾール触媒を用いた場合) (1)試薬 第一試液 実施例1に同じ。
【0062】第二試液 実施例1に於いて3−メチルピラゾール20gをピラゾ
ール16g(0.24mol)に代えた溶液。
【0063】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0064】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0065】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図6の直線7に示される
ように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性
を示している。尚、本実施例においてはアンモニアの濃
度が0.1ppmの場合においても、容易に目視判別可
能であった。
【0066】参考例3の1 (実施例3において第一試液の代わりに水を用いる場
合) (1)試薬 第二試液 実施例3に同じ。
【0067】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0068】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液の代わり
に水を400μl加えてよく撹拌し、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0069】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図6の直線8に示されるように、原
点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示してい
る。しかし、吸光度値は実施例3の約1/2であり、本
参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppmの
場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図6
のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であること
が分かる。
【0070】参考例3の2 (実施例3において第一試液を使用しない場合) (1)試薬 第二試液 実施例3に同じ。
【0071】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0072】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0073】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図6の直線9に示されるように、原
点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示してい
る。しかし、吸光度値は実施例3の約1/2であり、本
参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppmの
場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図6
のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であること
が分かる。
【0074】実施例4 (4−メチルピラゾール触媒を用いた場合) (1)試薬 第一試液 実施例1に同じ。
【0075】第二試液 実施例1の3−メチルピラゾール20gを4−メチルピ
ラゾール20g(0.24mol)に代えた溶液。
【0076】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0077】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0078】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図7の直線10に示され
るように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量
性を示している。尚、本実施例においてはアンモニアの
濃度が0.1ppmの場合においても、容易に目視判別
可能であった。
【0079】参考例4の1 (実施例4において第一試液の代わりに水を用いる場
合) (1)試薬 第二試液 実施例4に同じ。
【0080】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0081】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液の代わり
に水を400μl加えてよく撹拌し、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0082】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図7の直線11に示されるように、
原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示して
いる。しかし、吸光度値は実施例4の約1/2であり、
本参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppm
の場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図
7のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩
の最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であるこ
とが分かる。
【0083】参考例4の2 (実施例4において第一試液を使用しない場合) (1)試薬 第二試液 実施例4に同じ。
【0084】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0085】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0086】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図7の直線12に示されるように、
原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示して
いる。しかし、吸光度値は実施例4の約1/2であり、
本参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppm
の場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図
7のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩
の最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であるこ
とが分かる。
【0087】実施例5 (3,5−ジメチルピラゾール触媒を用いた場合) (1)試薬 第一試液 実施例1に同じ。
【0088】第二試液 実施例1の3−メチルピラゾール20gを3,5−ジメ
チルピラゾール23g(0.24mol)に代えた溶
液。
【0089】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0090】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液400μ
lを加えてよく撹拌し、第二試液400μlを加えてよ
く撹拌し、最後に第三試液400μlを加えてよく撹拌
し、室温下に5分間放置する。
【0091】試液ブランクを対照として650nmに於
ける吸光度を測定した。各アンモニア濃度に対してプロ
ットした吸光度を結ぶ検量線は図8の直線13に示され
るように、原点を通る直線となり、検量線は良好な定量
性を示している。尚、本実施例においてはアンモニアの
濃度が0.1ppmの場合においても、容易に目視判別
可能であった。
【0092】参考例5の1 (実施例5において第一試液の代わりに水を用いる場
合) (1)試薬 第二試液 実施例5に同じ。
【0093】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0094】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第一試液の代わり
に水を400μl加えてよく撹拌し、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0095】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図8の直線14に示されるように、
原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示して
いる。しかし、吸光度値は実施例5の約1/2であり、
本参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppm
の場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図
8のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩
の最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であるこ
とが分かる。
【0096】参考例5の2 (実施例5において第一試液を使用しない場合) (1)試薬 第二試液 実施例5に同じ。
【0097】第三試液 実施例1に同じ。 アンモニア標準溶液 (1mg/ml) 実施例1に同じ。
【0098】(2)測定方法 アンモニア標準溶液と水を混合し、アンモニアの濃度が
0.1ppm、0.25ppm、0.5ppm、1pp
m、2.5ppm、5ppmの測定用標準液を調製し、
それぞれ2.5mlを試験管にとり、第二試液400μ
lを加えてよく撹拌し、最後に第三試液400μlを加
えてよく撹拌し、室温下に5分間放置する。試液ブラン
クを対照として650nmに於ける吸光度を測定した。
【0099】各アンモニア濃度に対してプロットした吸
光度を結ぶ検量線は図8の直線15に示されるように、
原点を通る直線となり、検量線は良好な定量性を示して
いる。しかし、吸光度値は実施例5の約1/2であり、
本参考例においては、アンモニアの濃度が0.1ppm
の場合には、目視判別がかなり困難であった。以上、図
8のデータからも第一試液(エチレンジアミン四酢酸塩
の最終濃度を高くすること)が高感度化に有効であるこ
とが分かる。
【0100】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0101】(1)本発明の液体中のアンモニアの比色
定量方法は、フェノール又はフェノール誘導体と酸化剤
及び触媒を用いるインドフェノール法による液体中のア
ンモニアの比色定量法に於いて、触媒としてピラゾール
又はピラゾール誘導体から選ばれた少なくとも1種を用
い、且つ測定反応溶液中のエチレンジアミン四酢酸塩の
最終濃度を0.06mol/l以上にして比色測定を行
うことにより、毒性がなく、しかも、発色度が向上し、
より低い濃度範囲のアンモニアを測定することが可能な
液体中のアンモニアの比色定量法を提供し得る。
【0102】(2)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、測定反応溶液中のエチレンジ
アミン四酢酸塩の最終濃度が0.16mol/l以上で
ある本発明の好ましい態様とすることにより、発色度が
大幅に向上し、約2倍の吸光度値を与える高感度化が可
能となり、アンモニアの濃度が更に低い濃度の試料の目
視による判別に利用可能な液体中のアンモニアの比色定
量法を提供し得る。
【0103】(3)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、触媒がピラゾール、3−メチ
ルピラゾール、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチ
ルピラゾールから選ばれた少くとも1種である本発明の
好ましい態様とすることにより、これらの化合物は毒性
が少なく、毒性が少ない触媒の中でも触媒機能が非常に
優れており、非常に高感度の液体中のアンモニアの比色
定量方法を提供し得る。
【0104】(4)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、酸化剤が次亜塩素酸ナトリウ
ムである本発明の好ましい態様とすることにより、酸化
剤の溶解度が良好で、また、安価に入手でき、酸化力が
比較的強い酸化剤であり、したがって容易で、安価なア
ンモニアの比色定量方法を提供し得る。
【0105】(5)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、フェノール誘導体がサリチル
酸ナトリウムである本発明の好ましい態様とすることに
より、発色度が更に良好なアンモニアの比色定量方法を
提供し得る。
【0106】(6)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、エチレンジアミン四酢酸塩
が、エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム三水和物,エ
チレンジアミン四酢酸四ナトリウム四水和物,エチレン
ジアミン四酢酸三カリウム二水和物から選ばれた少なく
とも1種である本発明の好ましい態様とすることによ
り、これらのエチレンジアミン四酢酸塩は溶解度が比較
的高く、高濃度の試液を調製でき、また固体状態で用い
ることもできる。したがって試液がコンパクトにし得る
ので、現場への持ち運びに便利であり、現場での測定を
容易にすることができるアンモニアの比色定量方法を提
供し得る。
【0107】(7)また、本発明の液体中のアンモニア
の比色定量方法において、添加するエチレンジアミン四
酢酸塩が、固体または濃度1.4mol/l以上の濃度
の濃厚液である本発明の好ましい態様とすることによ
り、固体状態のまたは濃度の高いエチレンジアミン四酢
酸塩溶液を用いるので、測定対象試料液への添加量がよ
り少量の添加で、最終呈色液中に所定濃度のエチレンジ
アミン四酢酸塩を存在させることができる。したがって
反応最終呈色液全体が余り希釈されず、測定試料液と試
液との合計量からなる最終反応溶液中のアンモニア濃度
を高く保つことができるので、反応によって得られるイ
ンドフェノール化合物の濃度を高く保つことができ、結
果として発色度を高くすることができる。したがって更
に高感度なアンモニアの比色定量方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施例1のアンモニア濃度が5p
pmでの発色の波長吸収曲線を示す。
【図2】本発明方法の実施例1のアンモニア濃度が5p
pmでの発色反応の反応時間と吸光度値の関係を示すグ
ラフである。
【図3】実施例1、参考例1の1の1および参考例1の
1の2に於ける試料中のアンモニアの濃度と波長650
nmに於ける吸光度の関係を示す検量線である。
【図4】実施例1及び参考例1の2に於ける試料中のア
ンモニアの濃度と波長650nmに於ける吸光度の関係
を示す検量線である。
【図5】実施例2及び参考例2に於ける試料中のアンモ
ニアの濃度と波長650nmに於ける吸光度の関係を示
す検量線である。
【図6】実施例3、参考例3の1及び参考例3の2に於
ける試料中のアンモニアの濃度と波長650nmに於け
る吸光度の関係を示す検量線である。
【図7】実施例4、参考例4の1及び参考例4の2に於
ける試料中のアンモニアの濃度と波長650nmに於け
る吸光度の関係を示す検量線である。
【図8】実施例5、参考例5の1及び参考例5の2に於
ける試料中のアンモニアの濃度と波長650nmに於け
る吸光度の関係を示す検量線である。
【符号の説明】
1 実施例1に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係を
示す検量線 2 参考例1の1の1に於けるアンモニア濃度と吸光度
の関係を示す検量線 3 参考例1の1の2に於けるアンモニア濃度と吸光度
の関係を示す検量線 4 参考例1の2に於けるアンモニア濃度と吸光度の関
係を示す検量線 5 実施例2に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係を
示す検量線 6 参考例2に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係を
示す検量線 7 実施例3に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係を
示す検量線 8 参考例3の1に於けるアンモニア濃度と吸光度の関
係を示す検量線 9 参考例3の2に於けるアンモニア濃度と吸光度の関
係を示す検量線 10 実施例4に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係
を示す検量線 11 参考例4の1に於けるアンモニア濃度と吸光度の
関係を示す検量線 12 参考例4の2に於けるアンモニア濃度と吸光度の
関係を示す検量線 13 実施例5に於けるアンモニア濃度と吸光度の関係
を示す検量線 14 参考例5の1に於けるアンモニア濃度と吸光度の
関係を示す検量線 15 参考例5の2に於けるアンモニア濃度と吸光度の
関係を示す検量線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−74799(JP,A) 特開 平1−320461(JP,A) 特開 昭61−138162(JP,A) 特開 平3−152445(JP,A) 特開 平5−79986(JP,A) 特公 昭58−11024(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 31/00 G01N 31/10 G01N 33/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール又はフェノール誘導体と酸化
    剤及び触媒を用いるインドフェノール法による液体中の
    アンモニアの比色定量法に於いて、触媒としてピラゾー
    ル又はピラゾール誘導体から選ばれた少なくとも1種を
    用い、且つ測定反応溶液中のエチレンジアミン四酢酸塩
    の最終濃度を0.06mol/l以上にして比色測定を
    行うことを特徴とする液体中のアンモニアの比色定量方
    法。
  2. 【請求項2】 測定反応溶液中のエチレンジアミン四酢
    酸塩の最終濃度が0.16mol/l以上である請求項
    1に記載の液体中のアンモニアの比色定量方法。
  3. 【請求項3】 触媒がピラゾール、3−メチルピラゾー
    ル、4−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾー
    ルから選ばれた少くとも1種である請求項1または2の
    いずれかに記載の液体中のアンモニアの比色定量方法。
  4. 【請求項4】 酸化剤が次亜塩素酸ナトリウムである請
    求項1〜3のいずれかに記載の液体中のアンモニアの比
    色定量方法。
  5. 【請求項5】 フェノール誘導体がサリチル酸ナトリウ
    ムである請求項1〜4のいずれかに記載の液体中のアン
    モニアの比色定量方法。
  6. 【請求項6】 エチレンジアミン四酢酸塩が、エチレン
    ジアミン四酢酸三ナトリウム三水和物,エチレンジアミ
    ン四酢酸四ナトリウム四水和物,エチレンジアミン四酢
    酸三カリウム二水和物から選ばれた少なくとも1種であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載の液体中のアンモニア
    の比色定量方法。
  7. 【請求項7】 添加するエチレンジアミン四酢酸塩が、
    固体または濃度1.4mol/l以上の濃度の濃厚水溶
    液である請求項1〜6のいずれかに記載の液体中のアン
    モニアの比色定量方法。
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