JP3441225B2 - 万引防止装置 - Google Patents

万引防止装置

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JP3441225B2
JP3441225B2 JP06763695A JP6763695A JP3441225B2 JP 3441225 B2 JP3441225 B2 JP 3441225B2 JP 06763695 A JP06763695 A JP 06763695A JP 6763695 A JP6763695 A JP 6763695A JP 3441225 B2 JP3441225 B2 JP 3441225B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、万引を防止するための
装置に関し、特に、被検出体として所定の共振周波数を
有する共振回路を予め商品等に取り付けておき、その共
振回路が出入口等の監視区域に存在することを電気的に
検出して、万引行為の発生を報知する万引防止装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の装置として、例えば
図書館や所定の商品を販売する商店等の出入口の両側
に、夫々送信アンテナと受信アンテナを設置すると共
に、貸出品や商品に予め取り付けた共振回路(被検出
体)の共振周波数と同じ周波数の検出信号を送信アンテ
ナから常時送出し、受信アンテナからの受信信号の信号
レベルを検出して、万引行為の発生を検知するようにし
たものが実用化されている。即ち、この種の装置では、
商品に取り付けた共振回路が共振して、送信信号のエネ
ルギを吸収・放出することに伴う受信信号のレベル変化
に基づき、送信アンテナと受信アンテナとの間(以下、
ゲートという)に商品が存在することを検知し、その存
在を検知した際にブザーを鳴らしたりランプを点灯させ
たりして万引行為の発生を報知するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常、
この種の万引防止装置では、商品に取り付ける共振回路
の共振周波数には製造上のバラツキがあるため、送信ア
ンテナから送出する検出信号の周波数を所定の周波数範
囲で掃引(スイープ)し、受信側では、その周波数範囲
全域の信号を受信して、その信号レベルを検出して、共
振回路の存在(万引)を確実に検出できるようにしてい
る。
【0004】従って、前記の万引防止装置では、送信ア
ンテナから送出される検出信号の周波数帯域内にて単発
ノイズ(ランダムノイズ)が発生しただけで、受信信号
の信号レベルが大きく変動してしまい、誰もゲートを通
過していないにもかかわらず、万引行為の発生を報知し
てしまう。
【0005】そこで、この万引防止装置に、ゲートを通
過する人を検知するセンサを更に設け、このセンサによ
って人が検知されたときにのみ商品の検知を行なうよう
にすると、前記のような単発ノイズが発生しても、ゲー
トを人が通過していない限り前記報知がなされない。
【0006】しかしながら、ノイズとして、前記のよう
な単発ノイズ(ランダムノイズ)の他にも、検出信号の
周波数帯域内にて電波が継続的に出ている場合がある。
こうした電波としては、例えば、短波放送の電波や、違
法電波等(以下、万引検知の障害となる、これらの継続
的な電波を単に妨害電波という)である。こうした妨害
電波が前記の周波数範囲内にあると、万引防止装置は妨
害電波を検出し、共振回路による受信信号の信号レベル
の変動と誤検出してしまう。
【0007】この結果、人がゲートを通って前記のセン
サに検知されると、万引行為の有無に関わらず、万引行
為の発生を報知してしまうという問題があった。本発明
は、こうした問題に鑑みなされたもので、ランダムノイ
ズや妨害電波の影響を受けることなく、万引行為の発生
を常に正確に検出して報知することができる万引防止装
置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
になされた請求項1に記載の本発明は、図1に実線で例
示する如く、所定間隔を空けて設置された送信アンテナ
及び受信アンテナと、前記送信アンテナから所定周波数
の検出信号を送出させる送信手段と、該送信手段に前記
検出信号の周波数を所定の周波数範囲内で周期的に変化
させる周波数制御手段と、前記受信アンテナの受信信号
の信号レベルに基づき、前記送信アンテナと当該受信ア
ンテナとの間に、共振周波数が前記周波数範囲内に設定
された共振回路を有する物品が存在することを検知する
物品検知手段と、該物品検知手段により前記物品の存在
が検知されたことを報知する報知手段と、を備えた万引
防止装置において、前記送信アンテナ及び受信アンテナ
に人が接近したことを検知するための対人センサを更に
設け、前記物品検知手段が、前記周波数制御手段により
前記検出信号の周波数が変化される周期と同一の検出周
期で、且つ当該各検出周期内にて所定の時間間隔毎に、
前記受信信号の信号レベルを検出するレベル検出手段
と、前記検出周期にして複数個分の時間として予め設定
されたノイズ判定期間の間、前記レベル検出手段が検出
した信号レベルを保持する過去データ保持手段と、該過
去データ保持手段に保持されている信号レベルを、予め
設定された判定レベルと比較し、前記検出周期において
同一ポイントの信号レベルが、保持されている前記ノイ
ズ判定期間の略全域に渡って前記判定レベルを越えてい
るポイントを抽出する抽出手段と、前記対人センサによ
って人の接近が検知されると、前記レベル検出手段によ
り検出された各ポイントの信号レベルの内、前記抽出手
段によって抽出されなかったポイントの信号レベルが前
記判定レベルを越えているときに、前記送信アンテナと
当該受信アンテナとの間に、共振周波数が前記周波数範
囲内に設定された共振回路を有する物品が存在すると判
定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】次に、請求項2に記載の発明は、図1に点
線で例示する如く、請求項1に記載の万引防止装置にお
いて、前記物品検知手段が、更に、前記レベル検出手段
によって検出された信号レベルを順次記憶する記憶手段
と、該記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベ
ルを読み出し、前記各検出周期において同一ポイントに
て検出された信号レベルの平均値を夫々算出する平均値
算出手段と、を備え、前記過去データ保持手段が、前記
レベル検出手段が検出した信号レベルとして、前記平均
値算出手段により算出された平均値、を保持し、前記抽
出手段が、前記過去データ保持手段に保持されている前
記平均値を、前記判定レベルと比較し、前記検出周期に
おいて同一ポイントの平均値が、ノイズ判定期間の略全
域に渡って前記判定レベルを越えているポイントを抽出
し、前記判定手段が、前記対人センサによって、人が接
近したと判断されると、前記平均値算出手段により算出
された各ポイントの平均値の内、前記抽出手段によって
抽出されなかったポイントの平均値が前記判定レベルを
越えているときに、前記送信アンテナと当該受信アンテ
ナとの間に、共振周波数が前記周波数範囲内に設定され
た共振回路を有する物品が存在すると判定することを特
徴とする。
【0010】また、請求項3に記載の発明は、図1に一
点鎖線で例示する如く、請求項2に記載の万引防止装置
において、前記物品検知手段が、更に、前記判定レベル
よりも小さな値として予め設定された下側判定レベル、
及び前記判定レベルを、前記平均値算出手段により算出
された平均値と比較し、該平均値が、該判定レベルを上
回るポイントの位置を示す上ポイントデータ及び該下側
判定レベルを下回るポイントの位置を示す下ポイントデ
ータを作成するポイントデータ作成手段を備え、前記過
去データ保持手段が、過去前記ノイズ判定期間分の信号
レベルとして、前記ポイントデータ作成手段により作成
された上ポイントデータ及び下ポイントデータを夫々保
持し、前記抽出手段が、前記過去データ保持手段に保持
されている上ポイントデータ及び下ポイントデータに基
づき、前記ノイズ判定期間の略全域に渡って判定レベル
を上回るポイント及び下側判定レベルを下回るポイント
を抽出し、前記判定手段が、前記対人センサによって、
人が接近したと判断されると、前記ポイントデータ作成
手段により作成された上ポイントデータ及び下ポイント
データから、前記抽出手段によって抽出されたポイント
を除外してなる、前記平均値の変化パターンに基づい
て、前記物品が存在するか否かを判定することを特徴と
する。
【0011】
【作用及び発明の効果】以上のように構成された請求項
1に記載の万引防止装置においては、送信アンテナと受
信アンテナが所定間隔を空けて設置されてゲートを構成
し、送信手段が、送信アンテナから所定周波数の検出信
号を送出させ、周波数制御手段が、送信手段に、検出信
号の周波数を所定の周波数範囲内で周期的に変化させ
る。そして、対人センサによって、ゲートに人が接近し
たことが検知されると、物品検知手段が、受信アンテナ
からの受信信号の信号レベルに基づき、ゲートに、共振
周波数が前記周波数範囲内に設定された共振回路を有す
る物品が存在するか否かを判定し、存在すると判定され
ると、報知手段が、物品の存在が検知されたことを報知
する。
【0012】ここで、物品検知手段にて行なわれる物品
存在の検知は、レベル検出手段が検出した受信信号の信
号レベルに基づき行なわれる。即ち、まず、レベル検出
手段が、周波数制御手段により検出信号の周波数が変化
される周期と同一の検出周期で、且つその各検出周期内
にて所定の時間間隔毎に、受信アンテナからの受信信号
の信号レベルを検出する。尚、レベル検出手段は、対人
センサによる人の検知の有無に関わらず常時、信号レベ
ルの検出を行なう。
【0013】この検出された各信号レベルは、過去デー
タ保持手段によって、予め設定されたノイズ判定期間の
間、保持される。このノイズ判定期間は、検出周期にし
て複数個分の時間として予め設定されたものである。こ
れにより、過去データ保持手段には、過去のノイズ判定
期間に渡って、レベル検出手段によって所定の時間間隔
毎に検出された信号レベルが保持される。
【0014】次に、抽出手段が、過去データ保持手段に
保持されている信号レベルを、予め設定された判定レベ
ルと比較し、前記検出周期において同一ポイント(つま
り同一周波数)の信号レベルが、保持されているノイズ
判定期間のほぼ全域に渡って前記判定レベルを越えてい
るポイントを抽出する。これにより、検出信号が変化さ
れる周波数範囲内に妨害電波が存在すると、その周波数
に対応するポイントがノイズ判定期間のほぼ全域に渡っ
て変化するので、妨害電波が検出される。尚、「ほぼ全
域」とは、ノイズ判定期間の全域に渡って妨害電波の信
号レベルが判定レベルを越えるとは限らないことを考慮
したものである。つまり、あるポイントの信号レベルが
ノイズ判定期間の全域の、例えば95%以上において判
定レベルを越えるときには「ほぼ全域」に渡って越えて
いると判断し、そのポイントを抽出することを意味して
いる。
【0015】そして対人センサによって人が検知される
と、判定手段が、レベル検出手段により検出された各ポ
イントの信号レベルの内、抽出手段によって抽出されな
かったポイントの信号レベルが判定レベルを越えている
ときに、前記送信アンテナと当該受信アンテナとの間
に、共振周波数が前記周波数範囲内に設定された共振回
路を有する物品が存在すると判定する。
【0016】つまり、本発明の万引防止装置では、検出
信号の周波数変化周期と同じ周期で、且つその各周期内
にて所定時間間隔毎に、受信信号の信号レベルを検出し
て、その検出した信号レベルを順次記憶していくことに
より、同一周波数の検出信号が送出された際の受信信号
の信号レベル(以下、単に受信レベルともいう)を複数
記憶し且つ各信号レベルをノイズ判定期間に渡って保持
するようにしている。そして、ノイズ判定期間のほぼ全
域に渡って判定レベルを越えている周波数を抽出する。
対人センサが人を検知すると、その時点で検出された一
検出周期分の信号レベルから、抽出手段によって抽出さ
れたポイントに対応する信号レベルを除いたいずれかの
信号レベルが、判定レベルを越えているときに、送信ア
ンテナと受信アンテナとの間に共振回路を備えた物品が
存在すると判定するようにしている。
【0017】従って、本発明の万引防止装置によれば、
検出信号の周波数が変化される周波数範囲内(検出信号
の周波数帯域内)で妨害電波が発生していると、ノイズ
判定期間のほぼ全域に渡って、信号レベルが判定レベル
を越えるため、抽出手段がそのポイント即ち信号レベル
が判定レベルを越える周波数を抽出し、判定手段がそれ
以外のポイントの信号レベルに基づいて判定を行なうの
で、妨害電波が発生していても、共振回路の存否を正確
に判定することがことができる。
【0018】尚、抽出手段が行なう処理、即ちノイズ判
定期間のほぼ全域に渡って前記判定レベルを越えている
ポイントの抽出、の時期は、過去データ保持手段が一つ
の信号レベルを取り込む毎でも、一検出周期分の信号レ
ベルを取り込む毎でも、若しくは対人センサによって人
の接近が検知された後、判定手段が動作するまでの間の
いずれでも良い。この順序にて、抽出手段が動作する頻
度が減少するため、人の接近が検知された後、判定手段
が動作するまでの間に行なえば、当該万引防止装置が行
なう全処理の量を少なくすることができる。
【0019】次に、請求項2に記載の万引防止装置で
は、記憶手段が、レベル検出手段により検出された信号
レベルを順次記憶する。この記憶は、過去データ保持手
段が行なう信号レベルの保持とは独立に行なわれる。そ
して、平均値算出手段が、記憶手段に記憶された所定検
出周期分の信号レベルを読み出すと共に、その各検出周
期において同一ポイントにて検出された信号レベルの平
均値を各ポイント毎に夫々算出し、この各平均値を過去
データ保持手段が、レベル検出手段により検出された信
号レベルの代わりに、ノイズ判定期間だけ保持する。つ
まり、請求項1に記載の万引防止装置のように信号レベ
ルをそのまま保持するのではなく、平均値算出という処
理を施した後に保持する。
【0020】また、抽出手段、判定手段も共に、信号レ
ベルに関して行なう処理を、平均値算出手段が算出した
各ポイント毎の平均値に関して行なう。従って、本発明
の万引防止装置によれば、検出信号の周波数が変化され
る周波数範囲内(検出信号の周波数帯域内)でランダム
ノイズが発生しても、算出される受信レベルの平均値に
は大きな影響が現れないのに対し、送受信アンテナ間に
共振回路が存在する場合には、同一周波数の検出信号に
対応する受信レベルが継続して大きく変動し、その平均
値も定常値から大きく変化するため、共振回路の存在だ
けを正確に検出することができる。よって、請求項2に
記載の万引防止装置によれば、請求項1に記載の発明に
よる効果に加え、人がゲートを通過しているときにラン
ダムノイズが発生しても、それを共振回路によるものと
誤判断することがなく、正確な報知動作を行なうことが
できる。
【0021】更に、請求項3に記載の万引防止装置で
は、ポイントデータ作成手段が、平均値算出手段により
算出された平均値を判定レベルと比較して、平均値が判
定レベルを上回るポイントの位置を示す上ポイントデー
タを作成すると共に、平均値を下側判定レベルと比較
し、平均値が下側判定レベルを下回るポイントの位置を
示す下ポイントデータを作成する。尚、下側判定レベル
は、判定レベルよりも小さな値として予め設定された値
である。
【0022】そして、過去データ保持手段が、平均値算
出手段により算出された平均値の代わりに、ポイントデ
ータ作成手段が作成した上ポイントデータ及び下ポイン
トデータをノイズ判定期間だけ保持する。つまり、請求
項2に記載の万引防止装置のように平均値をそのまま保
持するのではなく、平均値から上ポイントデータ及び下
ポイントデータを算出するという処理を施した後に保持
する。
【0023】また、抽出手段は、過去データ保持手段に
保持されている上ポイントデータに基づき、ノイズ判定
期間のほぼ全域に渡って判定レベルを上回るポイントを
抽出し、且つ保持されている下ポイントデータに基づ
き、ノイズ判定期間のほぼ全域に渡って下側判定レベル
を下回るポイントを抽出する。
【0024】そして対人センサによって人が検知される
と、判定手段が、ポイントデータ作成手段により作成さ
れた上ポイントデータから、抽出手段によって上ポイン
トデータに関して抽出されたポイントを除外すると共
に、ポイントデータ作成手段により作成された下ポイン
トデータから、抽出手段によって下ポイントデータに関
して抽出されたポイントを除外することにより、平均値
の変化パターンを作成する。そしてこの変化パターン
が、物品が存在するときに検出される変化パターンに該
当するかを調べることにより、物品が存在するか否かを
判定する。
【0025】つまり、請求項3に記載の万引防止装置に
おいては、ポイントデータ作成手段により作成された、
上ポイントデータ及び下ポイントデータから、信号レベ
ルの平均値の変化パターンを特定し、この変化パターン
に基づいて物品の存否を判定する。しかも、過去、ノイ
ズ判定期間に渡って発生した妨害電波の周波数は、過去
データ保持手段及び抽出手段によって検出された上、判
定手段によって判定の対象から除かれるので、信頼性の
高い変化パターンを得ることができる。
【0026】このようにして平均値の変化パターンを得
ることにより、たとえ妨害電波が、ノイズ判定期間の途
中から発生したことにより抽出手段がその妨害電波の周
波数に対応するポイントを抽出し損ねたとしても、判定
手段によって、平均値の変化パターンが共振回路による
特徴的な変化パターンに該当しない妨害電波は、万引の
発生によるものではないと判定されるため、正確な報知
動作を行なうことができる。また、妨害電波が、共振回
路による特徴的な変化パターンと偶然同じ変化パターン
を呈しても、ノイズ判定期間の間中、その妨害電波が出
ていれば、過去データ保持手段及び抽出手段によって妨
害電波として検知されるため、判定手段によって判定の
対象から除外され、正確な万引行為の検知及び報知動作
を行なうことができる。
【0027】
【実施例】以下に本発明が適用された実施例について図
面を用いて説明する。まず図2は、実施例の万引防止装
置の構成を表すブロック図である。図2に示すように、
本実施例の万引防止装置は、例えばビデオテープや音楽
用コンパクトディスク等を販売する商店において、所定
の共振周波数f0(本実施例ではf0=8.23MH
z)を有するL−C共振回路Maが予め取り付けられた
商品Mが、特定の出入口付近を通過したことを検出し
て、万引行為の発生を報知するものであり、その出入口
に所定間隔(例えば1.8m)を空けて設置された1対
の送信アンテナ1及び受信アンテナ5と、共振回路Ma
の共振周波数f0を含む所定周波数範囲f1〜f2(本
実施例ではf1=7.38MHz〜f2=9.07MH
z)で掃引される検出信号を、送信アンテナ1から送出
させる送信装置3と、受信アンテナ5からの受信信号に
基づき万引行為の発生を検出して報知する受信装置7
と、から構成されている。尚、共振回路Maは、タグと
呼ばれる専用の札、或いは商品の値札等に形成された上
で、商品Mに取り付けられている。
【0028】送信装置3は、CPU,ROM,RAM等
を備えたマイクロコンピュータ(以下、単にCPUとい
う)9と、CPU9から出力される周波数データ(デジ
タルデータ)に応じて、所定周波数範囲(f1〜f2)
の正弦波信号を出力するダイレクト・デジタル・シンセ
サイザ(以下、単にDDSという)11と、DDS11
の出力信号から不要な高調波成分を除去するローパスフ
ィルタ(LPF)13と、ローパスフィルタ13から出
力される信号のレベルを減衰させる可変減衰器15と、
可変減衰器15の出力信号を増幅して送信アンテナ1か
ら検出信号として送出させる増幅器(AMP)17と、
当該送信装置3の起動中、常時光を発する投光器19a
と、を備えている。尚、可変減衰器15での減衰値は、
送信アンテナ1から送出される検出信号の出力レベル
が、所定の規定値以内に収まるように設定されている。
【0029】一方、受信装置7は、CPU,ROM,R
AM等を備えたマイクロコンピュータ(以下、単にCP
Uという)21と、受信アンテナ5からの受信信号を入
力して、受信帯域(f1〜f2)以外の周波数成分を減
衰させるバンドパスフィルタ(BPF)23と、バンド
パスフィルタ23からの受信信号を増幅する増幅器(A
MP)25と、この増幅された受信信号レベルを外部か
らの制御電圧に応じて減衰させる可変減衰器27と、C
PU21から出力される周波数データ(デジタルデー
タ)に応じて、所定周波数範囲(本実施例では、検出信
号の周波数よりも10.7MHzだけ高い18.08〜
19.77MHz)の正弦波信号を出力する、発振器と
してのダイレクト・デジタル・シンセサイザ(以下、単
にDDSという)29と、DDS29からの出力信号を
増幅する増幅器(AMP)31と、増幅器31の出力信
号を入力して必要な周波数成分(18.08〜19.7
7MHz)だけを通過させるバンドパスフィルタ(BP
F)33と、バンドパスフィルタ33からの出力信号と
可変減衰器27からの受信信号とを混合して、受信信号
を10MHz帯(本実施例では中間周波数fi=10.
7MHz)の信号に変換するミキサ35と、ミキサ35
からの受信信号を入力して、中間周波数fi以外の周波
数成分を減衰させるIFバンドパスフィルタ(IF−B
PF)37と、IFバンドパスフィルタ37からの出力
信号を増幅するIF増幅器(IF−AMP)39と、こ
の増幅された受信信号を検波する検波器41と、検波器
41から出力される検波電圧信号を波形整形するハイパ
スフィルタ(HPF)43及びローパスフィルタ(LP
F)45と、ローパスフィルタ45から出力された波形
整形後の検波電圧信号を、デジタル信号に変換してCP
U21に出力するA/D変換器47と、IF増幅器39
から検波器41へ出力される10.7MHzの受信信号
を検波するダイオード49と、ダイオード49からの検
波電圧が常に所定の基準電圧Vとなるように可変減衰器
27へ制御電圧を出力して、検波器41に入力される受
信信号のレベルを一定に保つ自動利得制御回路51と、
ダイオード49からの検波電圧が所定値以下になったか
否かを検出し、その電圧が所定値以下になるとCPU2
1へLow レベルの信号STを出力する比較器53と、万
引行為の発生を報知するための報知手段としてのランプ
55及びブザー57と、投光器19aに対向する位置に
設置され、投光器19aからの光を検出すると、その明
るさに応じた電圧レベルに変換した上、CPU21に対
して出力する受光器19bと、を備えている。
【0030】尚、可変減衰器27,ダイオード49,及
び自動利得制御回路51からなる制御ループは、IF増
幅器39から検波器41に入力される受信信号の全体的
なレベルを、検波器41にて検波可能なレベルに安定さ
せるためのものであり、受信信号の急峻なレベル変化
(例えば1kHz以上の変化)には追従しないように設
定されている。
【0031】また、受光器19bは、前記のような作用
をすることにより、投光器19aと当該受光器19bと
の間を走る光軸を遮断するものの有無を検出することが
できる。従い、人がこの光軸を遮ると、CPU21への
出力信号を変化させることから、投光器19a及び受光
器19bは、本発明の対人センサに相当する。また、受
光器19bは、光軸が遮断されると、それによって変化
させた出力電圧を、光軸が再解放されてもこれに関わら
ず所定時間(例えば500ms)保持するものとする。
【0032】このように構成された本実施例の万引防止
装置においては、送信装置3のCPU9が、後述する掃
引処理(図3)を実行することにより、送信アンテナ1
からf1=7.38MHz〜f2=9.07MHzの検
出信号を掃引して送出させる。そして、受信装置7のC
PU21が、後述する物品検知処理(図4)を実行する
ことにより、受信アンテナ5からの受信信号の信号レベ
ルを検出し、その信号レベルに基づいて万引行為の有無
を検知する。
【0033】そこでまず、送信装置3のCPU9が実行
する周波数制御手段としての掃引処理について、図3を
用いて説明する。尚、この掃引処理は、送信装置3に電
源が投入されると、常時繰り返して実行される。図3に
示す如く、掃引処理の実行が開始されると、まずステッ
プ(以下、単にSと記す)110にて、0.1msだけ
待ち、続くS120にて、DDS11へ出力する周波数
データを初期設定して、掃引範囲の最小値であるf1
(=7.38MHz)を表す周波数データを1.5ms
の間出力する。すると、DDS11からは7.38MH
zの正弦波信号が1.5msの間出力され、この正弦波
信号が、ローパスフィルタ13,可変減衰器15及び増
幅器17を介して、送信アンテナ1から検出信号として
送出される。尚、本実施例では、DDS11,ローパス
フィルタ13,可変減衰器15及び増幅器17が、送信
手段に相当する。
【0034】そして、1.5msが経過すると、続くS
130にて、次の周波数データを設定してDDS11に
出力する。本実施例では、検出信号の周波数を、f1=
7.38MHzからf2=9.07MHzまで、1.6
msの時間をかけて80段階で上昇させるようにしてお
り、S130で出力する次の周波数データは、現在送出
している検出信号の周波数に、その1段階当りの周波数
△f(△f=(f2−f1)/79=21.392kH
z)を加算した周波数を表すデータである。
【0035】次に、続くS140では、検出信号の周波
数を変化させる1段階当りの時間△t(△t=1.6m
s/79=20.253μs)が経過するのを待ち、時
間△tが経過すると、S150にて、DDS11に現在
出力している周波数データが、掃引範囲の最大値である
f2(=9.07MHz)を表す値に達したか否かを判
定する。そして、S150にて、周波数データがf2を
表す値に達していないと判定した場合には、S130に
戻って、DDS11への周波数データの更新(S13
0)及び1段階当りの時間△t待ち(S140)を繰り
返す。
【0036】一方、S150にて、現在出力中の周波数
データがf2を表す値に達したと判定した場合には、S
160に進んで、周波数データの出力を停止し、その
後、前記S110に戻る。すると、DDS11は、S1
10で待機される時間(0.1ms)だけ、正弦波信号
の出力を停止することとなり、検出信号の送出が0.1
msだけ停止される。そして、0.1msが経過する
と、再びS120からS160までの処理が実行され
て、検出信号の周波数が、1.5msの間f1に保持さ
れた後、△t(=20.253μs)が経過する毎に△
f(=21.392kHz)づつ増加されて再びf2ま
で上昇される。
【0037】つまり、この掃引処理の実行によって、検
出信号は、図8(A)に示すように、0.1msの送出
停止期間(S110,S160),7.38MHzで出
力される1.5msの一定周波数期間(S120),及
び7.38MHzから9.07MHzまで80段階で周
波数が増加される1.6msの掃引期間(S130〜S
150)、からなる合計3.2msを1周期(以下、掃
引周期という)として、送信アンテナ1から送出され
る。即ち、前記掃引処理では、検出信号の周波数を、
1.5msの間7.38MHzに維持した後、1.6m
sの時間をかけて7.38MHzから9.07MHzま
で80段階で増加(掃引)させる度に、0.1msの間
だけ検出信号の送出を停止するようにしている。
【0038】次に、受信装置7のCPU21が実行する
物品検知手段としての物品検知処理について、図4を用
いて説明する。尚、この物品検知処理も、受信装置7に
電源が投入されると、常時繰り返して実行される。図4
に示す如く、物品検知処理の実行が開始されると、まず
S210にて、CPU21内部の初期化を行なうと共
に、DDS29へ、周波数変化範囲の最大値である1
9.77MHz(=f2+fi)を表す周波数データを
出力する。そして、続くS220にて、送信装置3側で
の検出信号の掃引周期に同期してDDS29の発信周波
数を変化させることにより、受信アンテナ5からの受信
信号の周波数を中間周波数fiに変換し、その周波数変
換後の信号レベルを検出する、データ取込処理を実行す
る。
【0039】このデータ取込処理は、図5に示す如く実
行される。即ち、このデータ取込処理が開始されると、
まず、S410にて、比較器53からの信号STがHigh
レベルからLow レベルに変化したか否か、換言するなら
ば、信号STに立ち下がり変化があったか否かを判定す
る。
【0040】ここで、比較器53から出力される信号S
Tについて説明する。まず、受信装置7では、検出信号
よりもfi(=10.7MHz)だけ周波数の高い正弦
波信号をDDS29から出力させ、その正弦波信号と受
信アンテナ5(可変減衰器27)からの受信信号とをミ
キサ35により混合して、受信信号の周波数を中間周波
数fiに変換し、その周波数変換後の受信信号を、fi
以外の周波数成分を減衰させる狭帯域のIFバンドパス
フィルタ37及びIF増幅器39を介して、検波器41
及びダイオード49に入力する。また、受信装置7に電
源が投入された直後には、前記S210の処理により、
DDS29から19.77MHz(=f2+fi)の正
弦波信号を一定で出力する。よって、受信装置7への電
源投入後には、送信アンテナ1から送出される検出信号
の周波数が、f2(=9.07MHz)になって初め
て、IF増幅器39から所定レベルの信号が出力され、
延いては、ダイオード49からの検波電圧が所定値以上
となって、比較器53からの信号STがHighレベルにな
る。そして、その後、既述したように検出信号の送出が
停止されると、ダイオード49の検波電圧が所定値以下
(ほぼ0V)となり、比較器53からの信号STがLow
レベルに変化する。
【0041】つまり、本実施例では、受信装置7への電
源投入後、送信アンテナ1からの検出信号の送出が最初
に停止されたタイミングで、比較器53からの信号ST
に立ち下がり変化が発生するように構成されており、デ
ータ取込処理のS410では、このタイミングを検出す
るのである。
【0042】そして、S410にて、信号STに立ち下
がり変化があったと判定すると、S420に進んで、D
DS29へ出力する周波数データを初期設定して、周波
数変化範囲の最小値である18.08MHz(=f1+
fi)を表す周波数データを出力し、続くS430に
て、検出信号の送信停止期間(0.1ms)と一定周波
数期間(1.5ms)とを加算した分の時間(1.6m
s)だけ待つ。
【0043】すると、DDS29からは、18.08M
Hzの正弦波信号が1.6msの間出力され、この正弦
波信号が、増幅器31及びバンドパスフィルタ33を介
してミキサ35に入力される。このとき、送信アンテナ
1からは7.38MHzの検出信号が送出されているた
め、受信装置7において、受信アンテナ5からの受信信
号は、ミキサ35により10.7MHzの信号に周波数
変換された後、IFバンドパスフィルタ37及びIF増
幅器39を介して検波器41に入力され、検波器41か
らの検波電圧が、ハイパスフィルタ43及びローパスフ
ィルタ45にて波形整形された後、A/D変換器47を
介してCPU21に入力される。
【0044】そして、CPU21は、続くS440に
て、A/D変換器47からのデジタルデータ(以下、レ
ベルデータという)を取り込んでRAMに格納し、続く
S450にて、次の周波数データを設定してDDS29
へ出力する。尚、S450で設定される次の周波数デー
タも、送信装置3側で実行される掃引処理のS130と
全く同様に、DDS29が現在出力している正弦波信号
の周波数に、掃引処理での1段階当りの周波数△f(=
21.392kHz)を加算した周波数を表すデータで
ある。
【0045】そして、続くS460にて、レベルデータ
を80個取り込んだか否か、即ちS440の処理を80
回実行したか否かを判定し、レベルデータを80個取り
込んでいないと判定した場合には、続くS470にて、
掃引処理により検出信号の周波数が変化される1段階当
りの時間△t(=20.253μs)だけ待った後、S
440へ戻ってS440〜S470の処理を繰り返す。
一方、S460にて、レベルデータを80個取り込んだ
と判定した場合には、当該データ取込処理を終了する。
【0046】つまり、データ取込処理では、比較器53
からの信号STが立ち下がったことを検出することによ
り、検出信号の送出が一旦停止されたことを検出し(S
410)、その検出タイミングを起点として、1.6m
sの間は、DDS29の発信周波数を18.08MHz
(=f1+fi)に保持し(S420,S430)、そ
の後は、送信装置3側と全く同様に、DDS29の発信
周波数を、△t(=20.253μs)が経過する毎に
△f(=21.392kHz)づつ増加させて、最終的
に80段階で19.77MHz(=f2+fi)まで上
昇させる(S450〜S470)。よって、DDS29
からは、常に検出信号よりもfi(=10.7MHz)
だけ周波数の高い正弦波信号が出力されることとなり、
延いては、受信アンテナ5からの受信信号が、常に中間
周波数fi=10.7MHzの信号に変換されて検波器
41へ入力されることとなる。
【0047】また更にデータ取込処理では、DDS29
の発信周波数を△fだけ増加させる直前毎に、検波器4
1にて検波された受信信号の信号レベル(検波電圧)
を、A/D変換器47を介してレベルデータとして取り
込み、その各レベルデータをRAMに順次格納する(S
440)。尚、本実施例においては、S440がレベル
検出手段及び記憶手段に相当する。
【0048】従って、電源投入後にデータ取込処理が1
回実行されると、RAMには、図8(B)の最上段に示
すように、80個のレベルデータD1・1 ,D1・2 ,…,
D1・79,D1・80が格納されることとなる。尚、図8
(B)において、D1・n は、送信アンテナ1から送出さ
れた検出信号の周波数が「(f1+(n−1)・△
f):但し、nは1〜80の整数」であるときのレベル
データを表している。
【0049】次に、CPU21は、このようなデータ取
込処理の実行を終了すると、図4に示すS230にて、
データ取込処理を16回実行したか否かを判定し、16
回実行していないと判定した場合には、S220へ戻っ
て、S220,S230の処理を繰り返す。
【0050】尚、上述したように、データ取込処理のS
420以降の処理が実行されると、その後は、DDS2
9から検出信号よりもfiだけ周波数の高い正弦波信号
が出力されて、IF増幅器39からは10.7MHzに
周波数変換された所定レベルの受信信号が出力されるた
め、図8(A)に示すように、比較器53からの信号S
Tは、送信装置3側にて検出信号の送出が停止される時
にだけLow レベルとなる。従って、受信装置7に電源が
投入された後、データ取込処理が2回目以降に実行され
る場合には、そのS410にて信号STに立ち下がり変
化があったと判定されたタイミング、即ち検出信号の送
出が一旦停止されたタイミングに再同期して、S420
〜S470の実質的な処理が実行されることとなる。そ
して、S230にて、データ取込処理を16回実行した
と判定すると、S240に進む。よって、S240に進
むときには、図8(B)に示すように、合計1280
(=80×16)個のレベルデータがRAMに格納され
ていることになる。尚、図8(B)において、Dm・n
は、m回目(m掃引目)のデータ取込処理を実行した際
に、n番目に取り込んだレベルデータを表している。
【0051】次いで、S240では、カウンタnを0に
リセットし、続くS250にて、カウンタnを1増加さ
せる。そして、S260では、上述のように16回実行
した各データ取込処理にて夫々n番目にRAMに格納し
たレベルデータDm・n (m=1〜16)の平均値Dnを
算出する、平均値算出手段としての処理を実行する。
【0052】そして、続くS270にて、カウンタnの
値が80になったか否か、即ち、1番目から80番目の
全てのレベルデータについて平均値の算出が終了したか
否かを判定し、カウンタnの値が未だ80ではないと判
定した場合には、S250に戻ってS250〜S270
の処理を繰り返す。そして、S270にて、カウンタn
の値が80になったと判定した場合には、S280に進
んで、S260で算出した全ての平均値D1 〜D80をR
AMに格納する。
【0053】この結果、RAMには、図8(B)の最下
段に示すように、16回の各データ取込処理にて同じタ
イミングで検出したレベルデータ(即ち、同一周波数の
検出信号が送出された際の受信レベル)を平均化した8
0個の平均値D1 〜D80(以下、アベレージデータDA
という)が格納される。即ち、本実施例では、例えば、
検出信号の掃引周波数範囲内(f1〜f2)でパルスノ
イズが発生し、図9(A)に示すように、受信装置7に
おいてA/D変換器47からCPU21に入力されるレ
ベルデータに、大きなレベル変化が生じるような場合で
あっても、RAMには、アベレージデータDA(D1 〜
D80)として、図9(B)に示すように、パルスノイズ
の影響を受けない安定した波形のレベルデータが格納さ
れることになる。
【0054】こうして、アベレージデータDAが格納さ
れると、アベレージデータDA、予め設定された判定レ
ベルとしての上側スレッショルド及び下側判定レベルと
しての下側スレッショルドに基づいて、上ポイントデー
タ及び下ポイントデータを作成する、ポイントデータ作
成手段としての処理を、夫々S290及びS300にて
行なう。即ち、S290では、RAMに格納されたアベ
レージデータDAと判定レベルとを各周波数毎に比較
し、判定レベル以上の周波数は”1”、未満の周波数
は”0”で表した計80個の”1”、”0”からなる上
ポイントデータDHを作成する。また、S300では、
RAMに格納されたアベレージデータDAと下側スレッ
ショルドとを各周波数毎に比較し、下側スレッショルド
以下の周波数は”1”、上回る周波数は”0”で表した
下ポイントデータDLを作成する。この様子を図10を
用いて説明する。
【0055】即ち、図10に示すように、S290にて
作成されたアベレージデータDAを上側スレッショルド
VHと比較し、D40及びD41のみが上側スレッショルド
VHを越えている場合は、DH1・40,DH1・41のみが”
1”である上ポイントデータDH1 が作成される。尚、
DH1・40 においてDHに付けられた添字1は、1回目
のループにて作成された上ポイントデータであることを
意味し、添字40は、その上ポイントデータの内で周波数
の低い方から40番目に取り込んだポイントであることを
意味している。下ポイントデータについても同様に、ア
ベレージデータDAを下側スレッショルドVLと比較
し、この図のようにD44のみが下側スレッショルドVL
を下回っている場合は、DL1・44のみが”1”である下
ポイントデータDL1 が作成される。
【0056】ここで、図10のアベレージデータDAの
変化パターンについて補足しておく。この変化パターン
において、上ポイントデータに示された上側スレッショ
ルドVHを越えているポイントD1・40,D1・41は、受信
アンテナ5により受信されてしまった短波放送の電波で
あり、また下ポイントデータに示された下側スレッショ
ルドVLを越えているポイントD1・44は、このレベルデ
ータ検出時に偶然発生し、しかもその後3.2ms以上
に渡って発生し続けたためにアベレージングしても平滑
しきれなかった原因不明のノイズであるという、隠れた
事実によるものとする。
【0057】こうして上ポイントデータDH及び下ポイ
ントデータDL(以下、両ポイントデータをまとめて単
にポイントデータDH,DLともいう)が作成される
と、S310にて、受光器19bが投光器19aからの
光を検出したか否かを判定し、検出している場合、即ち
人がゲートを通っていない場合はS320に進み、過去
データ作成手段としての処理である、過去データ作成処
理を行なう。
【0058】この過去データ作成処理は、図6に示す如
く実行される。即ち、まずS510にてポイントデータ
DH,DLをRAMに格納し、続いてS520にて、所
定期間(ノイズ判定期間)分のポイントデータDH,D
LがRAMに蓄積されたか否かを判定する。まだ蓄積さ
れていないと判定されると、当該処理を終了し、蓄積さ
れたと判定されると、ノイズ判定期間分のポイントデー
タDH,DLから、上側判定データDHX 及び下側判定
データDLX を作成する処理(S530〜S590)を
行なう。ここで、上側判定データDHX 及び下側判定デ
ータDLX とは、ノイズ判定期間分、蓄積されたポイン
トデータDH,DLから妨害電波による信号レベルの変
化を呈したポイントとして抽出された周波数を格納して
おくためのデータであり、従って、ポイントデータD
H,DLに対応してその周波数に応じて80個に分割さ
れている。尚、上側判定データDHX 及び下側判定デー
タDLX の初期値は夫々80個全ての周波数についてゼ
ロとする。尚、本実施例では、ノイズ判定期間を960
msとする。
【0059】ここで、ポイントデータDH,DLがノイ
ズ判定期間分、RAMに蓄積される過程を説明するため
に、当該過去データ作成処理が終了した後の流れを簡単
に説明する。即ち、当該過去データ作成処理が終了する
と、図4のS340,S350を経て、S240に戻
り、以下、S240〜S350のループ処理を繰り返
す。そして、受光器19bが投光器19aからの光を検
出し続けると、S310からS320に進み、このルー
プを1回行なう毎に、過去データ作成処理を1回行な
い、その中でS510の処理を1回ずつ行なうことにな
る。以上のようにして、ポイントデータDH,DLは、
RAMに蓄積されていく。
【0060】尚、1回のループに掛かる時間は、S35
0にて、S220と同じデータ取込処理を行なうため、
少なくとも信号STの一周期分、つまり3.2ms掛か
る。ループ処理の内、データ取込処理以外の処理を、信
号STがLow になっている0.1msの間に完了すれ
ば、ポイントデータDH,DLを1組作成し格納する処
理は3.2msを周期として行なわれる。その組数は、
ノイズ判定期間は960msであるから、960/3.
2=300組となる。
【0061】以上の説明から、RAMに蓄積されたノイ
ズ判定期間分のポイントデータDH,DLを表すと図1
1(A)のようになる。即ち、1回目のループ処理にて
DH1 ,DL1 が作成され、2回目のループ処理にてD
H2 ,DL2 が作成され、以下、DH300 ,DL300 ま
でのポイントデータが作成されRAMに蓄積されてい
る。この300組のポイントデータDH,DLは、任意
の時点から過去960ms分のアベレージデータDAの
掃引周波数f1〜f2に渡る変化パターンを表している
ことから、以下、過去データともいう。
【0062】この過去データを見ると、1掃引周期にお
いて40番目と41番目のデータは300個全てのポイ
ントDH1・40,DH1・41〜DH300・40,DH300・41につ
いて”1”がセットされていることから、上記短波放送
の電波を960msに渡って受信してしまったことが判
る。また、DL1 において”1”であった44番目のポ
イントは、以降のDL2・44〜DL300・44においては”
0”となっていることから、ループ処理の1回目でのみ
受信され、以降は検知されなかったことが判る。
【0063】尚、後述するがノイズ判定期間以上の時間
が経過すると、新たなポイントデータDH,DLを格納
するために、最も古いポイントデータDH1 ,DL1 が
消され、以下、DH2 をDH1 と、DH3 をDH2 と、
一つずつ繰り上げて呼び替えるものとする。
【0064】図6に戻り、以上のようにして過去データ
がRAMに蓄積されると、S530に進み、カウンタm
をクリアする。そしてS540にてmを1増加させた
後、S550にて、ノイズ判定期間分の上ポイントデー
タDHn・m が、ほぼ全てのnに対して”1”になってい
るか否かを調べる。ここで「ほぼ全てのnに対して”
1”」とは、「一つのmに対して300個ある上ポイン
トデータDHn・m (n=1〜300)の内、297個以
上のDHn・m が”1”であること」とする。これは図1
1(A)のDHn・m について縦1列を観察し、ほぼ全て
1になっているかどうかを調べることである。そして、
S550の判定がYESのときにはS560に進み、上
側判定データDHX・m に”1”をセットしS570に行
く。S550の判定がNOのときにはS560を跳ばし
てS570に直接行く。
【0065】続くS570及びS580においては、S
550及びS560において上ポイントデータに対して
行なった処理を下ポイントデータに対しても行ない、m
に対応する周波数についての下側判定データDLX・m を
作成する。即ち、ノイズ判定期間分の下ポイントデータ
DLn・m が、ほぼ全てのnに対して”1”になっている
場合は、S580に進み下側判定データDLX・m に”
1”をセットしS590に行く。下ポイントデータDL
n・m が”1”であるポイントが297個未満のときはS
580を跳ばしてS590に直接進む。
【0066】S590では、カウンタmが80であるか
否かを判定して、80でないときはS540に戻って以
下S580までの処理をカウンタmが80になるまで繰
り返す。このS540〜S580の処理を1回行なう毎
にカウンタmが一つずつ増加される(S540)ことに
より、図11(A)において観察する過去データの縦1
列を、一つずつ右へ移動させて行く。即ち、カウンタm
を一つずつ増加しつつS540〜S580の処理を80
回繰り返すと、図11(A)に示す上ポイントデータD
Hについてノイズ判定期間の略全域に渡って上側スレッ
ショルドVHを越える周波数を示す上側判定データDH
X と、図11(A)に示す下ポイントデータDLについ
てノイズ判定期間の略全域に渡って下側スレッショルド
VLを下回る周波数を示す下側判定データDLX と、が
作成される。つまり、S530〜S590は、抽出手段
としての処理に相当する。そして、S590にてカウン
タmが80であると判定されると、当該過去データ作成
処理を終了する。
【0067】こうして図11(A)の過去データに基づ
いて作成された上側判定データDHX ,下側判定データ
DLX を図11(B)に示す。この図で判るように、図
11(A)のDHn・40及びDHn・41が、全てのnに関し
て”1”になっているため、DHX・40及びDHX・41が”
1”になっている。一方、図11(A)ではDL1・44
が”1”がセットされているが、DL2・44〜DL300・44
は”0”であるためにDLX・44は”0”になっている。
【0068】ここで図4に戻り、S310にて受光器1
9bが投光器19aからの光を検出していない場合、即
ち、人がゲートに接近して投光器19a,受光器19b
間の光軸を遮断した場合にはS330に進み、図7に示
す判定手段としての処理であるタグ信号判別・警報処理
を行なう。
【0069】図7に示す如く、この処理が開始される
と、まずS610にて、当該処理の直前に作成された上
ポイントデータDHを上側判定データDHX に基づいて
補正する。この様子を説明するために、図12に補正対
象となる上ポイントデータDHを示す。尚、この上ポイ
ントデータDHは、過去データ作成処理にて処理の対象
になった上ポイントデータと同じく、図4のS290に
て作成されたものであり且つ過去データ作成処理によっ
てRAMに格納された300個の上ポイントデータDH
1 〜DH300 に続くものであることからDH301 と表
す。
【0070】即ち、人がゲートに接近して、光軸を遮っ
た際に(正確には、「遮った瞬間の少なくとも前後1掃
引周期、つまり計6.4msの時間帯の内の3.2ms
において」であるが、人がタグの検出範囲を通過するの
に掛かる時間に比べて充分短い時間帯であることから、
単に「人が光軸を遮った時点」等という)、S280に
てRAMに格納されたアベレージデータDAが、図12
のような変化パターンをしていたとする。この変化パタ
ーンについて補足しておくと、上側スレッショルドVH
を越えているポイント(40番目と41番目)は、この
時点に置いても受信された上記短波放送の電波によるも
のであり、また下側スレッショルドVLを越えているポ
イント(38番目)は、人が光軸を遮った瞬間に偶然発
生し、しかもその後3.2ms以上に渡って発生し続け
たためにアベレージングしても平滑しきれなかった原因
不明のノイズによるものとする。つまり、光軸を遮った
人は、共振回路Maを携えておらず万引行為をしていな
いものとする。
【0071】このようなアベレージデータDAの変化パ
ターンに対応しS290にて上ポイントデータDH301
が作成される。この上ポイントデータDH301 に対し
て、上側判定データDHX を用いて次のような補正を行
なう。即ち、上ポイントデータDH301 において”1”
となっているポイント(図12ではDH301・40及びDH
301・41)の内、上側判定データDHX においても”1”
となっているポイントを”0”にする、という補正を行
なう。上側判定データDHX においては図11(B)に
示すようにDHX・40及びDHX・41が”1”となっている
ため、DH301・40及びDH301・41は共に”0”に補正さ
れる。
【0072】この補正が終了すると、S620に進み、
下ポイントデータDL301 に対しても上ポイントデータ
DH301 と同様の補正を行なう。即ち、下ポイントデー
タDL301 において”1”となっているポイント(図1
1ではDL301・38のみ)の内、下側判定データDLX に
おいても”1”となっているポイントを”0”にする、
という補正を行なう。下側判定データDLX において”
1”になっているポイントは図11(B)に示すように
存在しないため、DL301・38は”1”のままになる。
【0073】以上のS610及びS620にて行なわれ
た補正は次のようなことを意図したものである。即ち、
上側判定データDHX 及び下側判定データDLX は、S
330の当該処理が行なわれている時点から、ノイズ判
定期間である960msだけ過去にさかのぼった時間帯
において、ほぼ一貫して夫々上側スレッショルドVHを
上回るポイント及び下側スレッショルドVLを下回るポ
イントを、共に”1”にて示している。一方、共振回路
Maによって発生される信号レベルの変化は、送信アン
テナと受信アンテナの間にある所定範囲の検出領域に、
共振回路Ma、即ち商品が入りこんできて初めて生じる
ものであり、少なくとも、人が検知された時点より96
0msも前から継続的に信号レベルの変化が生じるとは
通常、考えられない。
【0074】つまり、上側判定データDHX におい
て、”1”にて示されているポイントは、上側スレッシ
ョルドVHを上回ってはいるものの、共振回路Maによ
る信号レベルの変化ではなく、例えば短波放送や違法電
波等の妨害電波によるものと判定する。このポイント
を、上ポイントデータDH301 から除外するという前記
補正をすることにより上ポイントデータDH301 を、妨
害電波による信号変化を含まない、信頼性の高いものに
修正し、下ポイントデータDL301 についてもS620
における処理によって同様に、妨害電波による信号変化
を含まない、信頼性の高いものに修正している。
【0075】こうして、妨害電波による信号変化成分が
除去された上ポイントデータDH301 及び下ポイントデ
ータDL301 が、共振回路Maによる信号レベル変化を
しているか否かの判定を、以下のS630〜S780か
らなる処理により行なう。まず、S630では、以降の
処理で使用するカウンタn,i,及びフラグFを初期化
(リセット)し、前記各ポイントデータDH301 ,DL
301 に基づき、アベレージデータDAから得られる一掃
引周期内での受信信号レベルの変化パターンがタグ信号
による変動パターン(タグパターン)と一致しているか
否かを判定する、タグ信号の判定動作を開始する。
【0076】即ち、まずS640にて、カウンタnの値
は、ポイントデータDH,DLの全ポイント(n:1〜
80)に対する判定動作が終了したことを表わす80に
なっているか否かを判断し、カウンタnの値が80にな
っていれば、当該処理を終了する。一方、カウンタnの
値が80になっていなければ、S650にて、カウンタ
nを1増加させて、S660に移行し、前記作成した各
ポイントデータDH301 ,DL301 のうち、カウンタn
の値に対応したポイントnのポイントデータDH301・n
,DL301・n は共に0であるか否か、換言すればその
ポイントnのアベレージデータDnは上・下のスレッシ
ョルドVH,VLの間にあるか否かを判断する。そし
て、ポイントデータDH301・n ,DL301・n が共に0で
あれば、S670に移行して、カウンタiを1増加し、
S680にて、フラグFはセット(1)されているか否
かを判断し、フラグFがリセット(0)状態であれば、
再度S640に移行する。
【0077】一方、前記S660にて、ポイントデータ
DH301・n ,DL301・n は共に0ではなく、ポイントデ
ータDH301・n ,DL301・n のいずれかが1であると判
断された場合には、S690にて、カウンタiの値は3
以上であるか否かを判断する。そして、カウンタiの値
が3以上であれば、S700にて、後述の判定ブロック
の始点を表わす始点データj1にカウンタnの値をセッ
トし、S610にて、フラグFをセット(1)し、S7
20にて、カウンタiを初期化(i=0)した後、再度
S740に移行する。また、逆にカウンタiの値が3に
達していなければ、そのままS720に移行し、カウン
タiを初期化(i=0)して、S640に戻る。
【0078】ここで、カウンタiは、ポイントデータD
H301・n ,DL301・n が共に0となっているときに1増
加され(S670)、ポイントデータDH301・n ,DL
301・n のいずれかが1になった場合に初期化される(S
720)。これは、アベレージデータDAをなす点列の
内、上・下のスレッショルドVH,VLの間にあるポイ
ントが連続するポイント数を計数するためであり、この
カウンタiの値から受信信号が安定している周波数領域
を知ることができる。
【0079】また、ポイントデータDH301・n ,DL30
1・n のいずれかが1である場合、このカウンタiの値が
3以上かどうかを判定する(S690)が、これは、ア
ベレージデータDAが上・下のスレッショルドVH,V
Lの間の安定領域からずれたポイントより周波数が低い
3ポイント分以上の周波数領域において、アベレージデ
ータDAが上・下のスレッショルドVH,VLの間の安
定領域に入っていたかどうかを判定するためである。
【0080】次に、S680にて、フラグFがセットさ
れていると判断された場合には、S730に移行し、前
記S790と同様、カウンタiの値は3以上であるか否
かを判断する。そして、カウンタiの値が3以上であれ
ば、S740にて、判定ブロックの終点を表わす終点デ
ータj2に、現在のカウンタnの値から3を減じた値
(n−3)をセットし、S750にて、前記各ポイント
データDH,DLにおける、前記始点データj1に対応
したポイントn(=j1)のポイントデータDH301・j
1,DL301・j1から、終点データj2に対応したポイン
トn(j2)のポイントデータDH301・j2,DL301・j2
までの領域を判定ブロックとして設定する。
【0081】つまり、本実施例では、特徴的なレベル変
化を示す変化パターンとして上・下のスレッショルドV
H,VLの間の安定領域に収まらない変化パターンを、
アベレージデータDAの中から判定ブロックとして取り
出している。そして判定ブロックの境界は、その両端の
前後3ポイントが安定領域に入っていることにより設定
している。この判定ブロックについて、図11を用いて
説明すると、図11におけるアベレージデータDAは、
D38〜D41にかけて安定領域内にある。且つその両側の
3ポイント、即ちD35〜D37及びD42〜D45にかけては
安定領域にあるため、このアベレージデータDAに基づ
くと、αで示された範囲が判定ブロックとして取り出さ
れる。
【0082】しかしながら、判定ブロックの設定は、ア
ベレージデータDAの変化パターンそのものに基づいて
行なうのではなく、その変化パターンを表すポイントデ
ータDH301 ,DL301 にS610及びS620におけ
る補正を施したポイントデータに基づいて行なう。この
補正を受けた後の下ポイントデータは図11に示したも
のと同じであるが、上ポイントデータはDH301・40及び
DH301・41のポイントは前記したようにS610にて”
0”にリセットされている。従い、ポイントデータDH
301 ,DL301 は共に、アベレージデータD39〜D41に
対応する3ポイントが”0”になり、判定部ブロックは
βで示された範囲になる。
【0083】そして、このように判定ブロックが設定さ
れると、S760に移行して、この判定ブロック内にて
ポイントデータDH301 ,DL301 の値が1となったポ
イントの数及びその配列状態から、判定ブロック内での
アベレージデータDAの変化パターン(換言すれば受信
信号の波形)を認識(パターンチェック)し、続くS7
70にて、その変化パターンが、予め設定されたタグパ
ターンと一致しているか否かを判断する、パターン判定
手段としての処理を行なう。
【0084】即ち、送信アンテナ1と受信アンテナ5と
の間に商品Mが存在し、その商品Mに付されたタグの共
振回路Maが検出信号と共振すると、受信信号レベル
は、図12に示すように、その共振周波数領域において
上下に大きく変動するため、前記判定ブロックとして設
定された周波数領域において、アベレージデータDAが
この変動パターンに沿って変動しているか否かを判断す
るのである。
【0085】尚、本実施例では、前記判定ブロック内
で、 (1) 上ポイントデータDH301 において1となるポイン
トが2〜4個連続し、上ポイントデータDH301 及び下
ポイントデータDL301 共に、それ以外のポイントは全
て0になっているとき。換言すれば、アベレージデータ
DAが図13(a)に示すように変動しているとき。
【0086】(2) 上ポイントデータDH301 において1
となるポイントが2〜4個連続し、更にこのポイントよ
り周波数が低い領域或は周波数が高い領域のいずれか、
又はその両方に、下ポイントデータDL301 において1
となるポイントが1〜5個連続しているとき。換言すれ
ば、アベレージデータDAが図13(b)〜図13
(d)に示すように変動しているとき。
【0087】に判定ブロック内のアベレージデータDA
の変化パターンはタグパターンと一致していると判断
し、それ以外の場合は、全てタグパターンとは一致して
いないと判断する。図12のアベレージデータDA、即
ち、万引を行なっていないにもかかわらず不運にして上
記短波放送の電波及び原因不明のノイズによってアベレ
ージデータDAが上側スレッショルドを越えるような変
化パターンを呈した場合に対してこの判定を試みる。す
ると、αにて示される範囲においては、アベレージデー
タDAが図13(c)に似通った変化パターンを示すた
め、タグパターンと一致していると判断されてしまう
が、前記したように、タグパターンか否かの判定は、範
囲αではなく、S610,S620の補正を受けたポイ
ントデータDH301 ,DL301 に基づいて設定された判
定ブロック、即ちβにて示された範囲に対して行なわれ
る。この範囲βの変化パターンは前記(1) ,(2) のいず
れの変動パターンにも一致しないため、タグパターンと
は判定されない。従い、光軸を遮り、ゲートを通過中に
図12のようなアベレージデータDAが検出された人に
対して、万引を犯していると報知することはない。
【0088】そして、S770にて、判定ブロック内の
アベレージデータDAの変化パターンはタグパターンと
一致していないと判断されると、S780にて、次の判
定ブロックを設定するために、フラグFをリセットし
て、再度S740に移行し、S770にて、判定ブロッ
ク内のアベレージデータDAの変化パターンはタグパタ
ーンと一致していると判断されると、S790にて、ラ
ンプ55及びブザー57を1秒間駆動して、送信アンテ
ナ1と受信アンテナ5との間に商品Mが存在することを
報知(警報)し、当該処理を一旦終了する。
【0089】そして、このタグ信号判別・警報処理(S
330)を起動した後は、S340に移行して、RAM
に格納したレベルデータのうち、最も古い1掃引周期分
のデータ、即ち1回目のデータ取込処理にて格納した8
0個のレベルデータD1・1 〜D1・80を消去し、更に、m
回目のデータ取込処理にて格納した各レベルデータDm・
1 〜Dm・80を、(m−1)回目のデータ取込処理にて格
納したレベルデータD(m-1)・1 〜D(m-1)・80としてRA
Mに格納し直し、またポイントデータDH,DLについ
ても同様に、最も古い1掃引周期分のポイントデータ、
即ち1回目の過去データ作成処理にて格納した80組の
ポイントデータDH1・1 ,DL1・1 〜DH1・80,DL1・
80を消去し、更に、m回目のデータ取込処理にて格納し
た各ポイントデータDHm・1 ,DLm・1 〜DHm・80,D
Lm・80を、夫々(m−1)回目のデータ取込処理にて格
納したポイントデータDH(m-1)・1 ,DL(m-1)・80〜D
H(m-1)・80,DL(m-1)・80としてRAMに格納し直す。
【0090】続くS320にて、S220の場合と全く
同様に、図5に示したデータ取込処理を実行する。尚、
このS320で実行されるデータ取込処理にてRAMに
格納される80個のレベルデータは、最新のレベルデー
タD16・1〜D16・80 としてRAMに格納される。
【0091】そして、S320にてデータ取込処理の実
行が終了すると、再び前記S240に戻って、S240
〜S320の処理を繰り返し、これにより、その後は、
1掃引周期分の80個のレベルデータを取り込む毎に、
その回のレベルデータと、その直前の15掃引周期分の
レベルデータとからなる合計16掃引周期分のレベルデ
ータを用いて、アベレージデータDAを算出し、更にそ
のアベレージデータDAを用いてポイントデータDH30
0 ,DL300 を作成し、更にまたそのポイントデータD
H300 ,DL300 をポイントデータDH1 ,DL1 〜D
H299 ,DL299 に加えてなる過去データから判定デー
タDHX ,DLX を作成し、その判定データDHX ,D
LX とアベレージデータDAとを用いて商品Mの有無
(万引発生の有無)を逐次判定する。
【0092】以上説明したように、本実施例の万引防止
装置においては、送信アンテナ1から送信される検出信
号の掃引周期と同じ周期で、且つその各送信周期内にお
ける掃引期間にて所定の時間△t毎に、受信アンテナか
らの受信信号の信号レベルをレベルデータとして順次取
り込み、RAMに格納し、その格納した複数掃引周期分
(具体的には16周期分)のレベルデータを、各周波数
毎に平均化することにより、アベレージデータDA(D
1 〜D80)を生成する。このアベレージデータDAから
上・下スレッショルドを越えているポイントを示すポイ
ントデータDH,DLを作成し、このポイントデータD
H,DLからノイズ判定期間(具体的には960ms)
に渡って上・下スレッショルドを越えているポイントを
示す判定データDHX ,DLX を作成する。受光器19
bによって人が検知されると、そのときのポイントデー
タDH301 ,DL301 から判定データDHX ,DLX に
示されたポイントを除いたデータの示す変化パターン
が、アンテナ間に商品Mを配置したときのタグパターン
と一致しているか否かを判断することにより、商品Mの
存在,換言すれば万引行為を判定する。
【0093】このため、本実施例の万引防止装置によれ
ば、人が通過していないときに発生したパルスノイズや
他の通信装置からの送信信号等、検出信号の周波数範囲
(f1〜f2)内の信号によって、報知動作を行なうこ
とがない。また、人が通過しているときに、パルスノイ
ズが発生したとしても、所定掃引周期分(16周期)の
信号レベルを周波数毎に平均したアベレージデータDA
に基づいて判定を行なうため、単発のパルスノイズは平
滑化されて検知されない。従い、こうしたパルスノイズ
や送信信号に影響されることなく、万引行為の発生を極
めて正確に検知することができる。
【0094】また、本実施例では、アベレージデータD
Aに基づく判定を行なうに当たって、過去、ノイズ判定
期間(960ms)におけるアベレージデータDAの変
化パターン(ポイントデータDH,DL)に鑑み、この
期間のほぼ全域に渡って上側スレッショルドVHを越え
ている周波数及び下側スレッショルドVLを下回るポイ
ント(周波数)のアベレージデータDn を除外する。従
って、パルスノイズや送信信号だけでなく、継続的に検
出されてしまう短波放送の電波や違法電波等の妨害電波
にも影響されることなく、万引行為の発生を更に正確に
検知することができる。
【0095】更に、この妨害電波の除外されたアベレー
ジデータDAを、例えば所定個数のポイントDn が上側
スレッショルドを越えたら判定するというように各ポイ
ントDn 毎に判定するのではなく、変化のパターン(ポ
イントデータDH301 ,DL301 )を評価して判定する
ため、たとえ、上側スレッショルドを越えたり下側スレ
ッショルドを下回ったりしても、その変化の様子がタグ
パターンに一致していない限り、タグによる信号レベル
の変化と判定しないため、より信頼性の高い正確な判定
を行なうことができる。
【0096】しかも、ポイントデータDH301 ,DL30
1 の変化パターンがタグパターンと一致しているかどう
かを判定するに当たって、まず、アベレージデータDA
の各値D1 〜D80が上側スレッショルドVHを越えたポ
イントを表わす上ポイントデータDH301 と、同じくア
ベレージデータDAの各値D1 〜D80が下側スレッショ
ルドVLより小さいポイントを表わす下ポイントデータ
DL301 と、を作成し、その作成したポイントデータD
H301 ,DL301 の全周波数領域(f1〜f2)の中か
ら、アベレージデータDAが上ポイントデータDH301
と下ポイントデータDL301 との間の安定領域にあるポ
イントが3個以上連続する領域に挟まれた周波数領域を
判定ブロックとして抽出し、この判定ブロック毎に、そ
の変化パターンがタグパターンと一致しているか否かを
判断する。
【0097】従って、本実施例によれば、ポイントデー
タDH301 ,DL301 の変化パターンがタグパターンと
一致しているか否かを判定するに当たって、アベレージ
データDAの変化パターンを一掃引周期内の全周波数領
域に亙って解析する必要がなく、しかも各ポイントデー
タDH301 ,DL301 において”1”となったポイント
数を計数するだけでパターン判定を行なうことができる
ため、万引行為を高速且つ高精度に判定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の構成を例示するブロック図である。
【図2】 実施例の万引防止装置の構成を表すブロック
図である。
【図3】 送信装置側で実行される掃引処理を表すフロ
ーチャートである。
【図4】 受信装置側で実行される物品検知処理を表す
フローチャートである。
【図5】 物品検知処理内で実行されるデータ取込処理
を表すフローチャートである。
【図6】 物品検知処理内で実行される過去データ作成
処理を表わすフローチャートである。
【図7】 物品検知処理内で実行されるタグ信号判別・
警報処理を表わすフローチャートである。
【図8】 検出信号の送信手順及びこれに対応したアベ
レージデータの生成手順を表わす説明図である。
【図9】 検出信号波形とこの検出信号を受けて生成さ
れたアベレージデータの変化特性を表わす説明図であ
る。
【図10】 ポイントデータの作成手順を説明する説明
図である。
【図11】 ノイズ判定期間分、蓄積されたポイントデ
ータ及び判定データを説明する説明図である。
【図12】 変化パターンを評価するためのポイントデ
ータ及びその判定ブロックを説明する説明図である。
【図13】 タグパターンとして認識されるアベレージ
データの変化パターンの一例を表わす説明図である。
【符号の説明】
1…送信アンテナ 3…送信装置 5…受信アンテ
ナ 7…受信装置 9,21…マイクロコンピュータ(CPU) 11,29…ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(D
DS) 13,45…ローパスフィルタ 15,27…可変減
衰器 17,25,31…増幅器 19a…投光器 19b
…受光器 23,33…バンドパスフィルタ 35…ミキサ 37…IFバンドパスフィルタ 3
9…IF増幅器 41…検波器 43…ハイパスフィルタ 47…A
/D変換器 49…ダイオード 51…自動利得制御回路 53
…比較器 55…ランプ 57…ブザー M…商品 Ma…
L−C共振回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定間隔を空けて設置された送信アンテ
    ナ及び受信アンテナと、 前記送信アンテナから所定周波数の検出信号を送出させ
    る送信手段と、 該送信手段に前記検出信号の周波数を所定の周波数範囲
    内で周期的に変化させる周波数制御手段と、 前記受信アンテナの受信信号の信号レベルに基づき、前
    記送信アンテナと当該受信アンテナとの間に、共振周波
    数が前記周波数範囲内に設定された共振回路を有する物
    品が存在することを検知する物品検知手段と、 該物品検知手段により前記物品の存在が検知されたこと
    を報知する報知手段と、 を備えた万引防止装置において、 前記送信アンテナ及び受信アンテナに人が接近したこと
    を検知するための対人センサを更に設け、 前記物品検知手段が、 前記周波数制御手段により前記検出信号の周波数が変化
    される周期と同一の検出周期で、且つ当該各検出周期内
    にて所定の時間間隔毎に、前記受信信号の信号レベルを
    検出するレベル検出手段と、 前記検出周期にして複数個分の時間として予め設定され
    たノイズ判定期間の間、前記レベル検出手段が検出した
    信号レベルを保持する過去データ保持手段と、 該過去データ保持手段に保持されている信号レベルを、
    予め設定された判定レベルと比較し、前記検出周期にお
    いて同一ポイントの信号レベルが、保持されている前記
    ノイズ判定期間の略全域に渡って前記判定レベルを越え
    ているポイントを抽出する抽出手段と、 前記対人センサによって人の接近が検知されると、前記
    レベル検出手段により検出された各ポイントの信号レベ
    ルの内、前記抽出手段によって抽出されなかったポイン
    トの信号レベルが前記判定レベルを越えているときに、
    前記送信アンテナと当該受信アンテナとの間に、共振周
    波数が前記周波数範囲内に設定された共振回路を有する
    物品が存在すると判定する判定手段と、 を備えたことを特徴とする万引防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の万引防止装置におい
    て、 前記物品検知手段が、更に、 前記レベル検出手段によって検出された信号レベルを順
    次記憶する記憶手段と、 該記憶手段に記憶された所定検出周期分の信号レベルを
    読み出し、前記各検出周期において同一ポイントにて検
    出された信号レベルの平均値を夫々算出する平均値算出
    手段と、 を備え、 前記過去データ保持手段が、前記レベル検出手段が検出
    した信号レベルとして、前記平均値算出手段により算出
    された平均値、を保持し、 前記抽出手段が、前記過去データ保持手段に保持されて
    いる前記平均値を、前記判定レベルと比較し、前記検出
    周期において同一ポイントの平均値が、ノイズ判定期間
    の略全域に渡って前記判定レベルを越えているポイント
    を抽出し、 前記判定手段が、前記対人センサによって、人が接近し
    たと判断されると、前記平均値算出手段により算出され
    た各ポイントの平均値の内、前記抽出手段によって抽出
    されなかったポイントの平均値が前記判定レベルを越え
    ているときに、前記送信アンテナと当該受信アンテナと
    の間に、共振周波数が前記周波数範囲内に設定された共
    振回路を有する物品が存在すると判定することを特徴と
    する万引防止装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の万引防止装置におい
    て、 前記物品検知手段が、更に、 前記判定レベルよりも小さな値として予め設定された下
    側判定レベル、及び前記判定レベルを、前記平均値算出
    手段により算出された平均値と比較し、該平均値が、該
    判定レベルを上回るポイントの位置を示す上ポイントデ
    ータ及び該下側判定レベルを下回るポイントの位置を示
    す下ポイントデータを作成するポイントデータ作成手段
    を備え、 前記過去データ保持手段が、過去前記ノイズ判定期間分
    の信号レベルとして、前記ポイントデータ作成手段によ
    り作成された上ポイントデータ及び下ポイントデータを
    夫々保持し、 前記抽出手段が、前記過去データ保持手段に保持されて
    いる上ポイントデータ及び下ポイントデータに基づき、
    前記ノイズ判定期間の略全域に渡って判定レベルを上回
    るポイント及び下側判定レベルを下回るポイントを抽出
    し、 前記判定手段が、前記対人センサによって、人が接近し
    たと判断されると、前記ポイントデータ作成手段により
    作成された上ポイントデータ及び下ポイントデータか
    ら、前記抽出手段によって抽出されたポイントを除外し
    てなる、前記平均値の変化パターンに基づいて、前記物
    品が存在するか否かを判定することを特徴とする万引防
    止装置。
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