JP3435053B2 - 光波形変換回路 - Google Patents

光波形変換回路

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JP3435053B2
JP3435053B2 JP05164198A JP5164198A JP3435053B2 JP 3435053 B2 JP3435053 B2 JP 3435053B2 JP 05164198 A JP05164198 A JP 05164198A JP 5164198 A JP5164198 A JP 5164198A JP 3435053 B2 JP3435053 B2 JP 3435053B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光波形変換回路に
関する。詳しくは、高速の光信号列から抽出された時間
幅の短い光フレームをもとに、低速な光クロックを生成
する用途や、光パルスのデューティ比拡大の用途に用い
られる光波形変換回路に関するものである。利用形態
は、信号波形成形、雑音抑圧、光シンセサイザ等広範囲
にわたる。
【0002】
【従来の技術】従来の信号処理技術においては、光信号
を直接用いたフレームやクロックの処理を行わず、電気
信号に変換してから、増幅、クロック周波数、閾値弁
別、ビット幅やタイミングの変更等の処理を行ってい
る。図10は光パルス信号列に対する従来のビットレー
ト変換回路である光電変換受光素子、高速電子識別回
路、LD駆動回路の構成例である。
【0003】図10において、ORはpinダイオード
からなる高速の受光電気変換器、Amp.は化合物半導
体の集積ICよりなる線形電圧増幅器、CLK.は電気
周波数共振回路よりなるタイミングクロック再生電気回
路、Thfesh.は電圧閾値弁別器、delayは信
号タイミング遅延回路、MIXはフリップフロップ素子
よりなるビット幅伸張回路、Driveは高周波増幅器
とDC電源よりなるレーザ駆動回路、OSはレーザとそ
の周辺回路よりなる電気光変換送信器である。
【0004】最近、光のままで、このような信号のメモ
リ・波形処理(データラッチ)機能を実現するため、光
双安定素子の開発が盛んに行われたが(特開平2−23
5034号)、その時間制御には、セット光のみなら
ず、リセットタイミング電気又は光パルスを別途必要と
するなど、光部品や電気信号の構成が複雑であった。ま
た、信号繰り返し速度に合わせて素子間信号のやりとり
のタイミングを変える必要があり融通性に乏しかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例は、光
信号のメモリ・波形処理機能を実現するための構成が複
雑で、信号速度への融通性も低い。光幹線系等の超高速
な光信号を取り扱う場合、多チャンネルの分岐挿入を必
要とする処理では、異なる信号系列に変換する場合、受
信、矩形成形、ビット幅変換、光送信等多数の回路を必
要とし、各々が高い周波数に応答する電気的設計を施す
必要があり、消費電力も大きい。
【0006】また、高速の電気信号に変換して処理する
ため、高速性と高帯域、低雑音性の両立は難しく、繰り
返し周期(ビットレート)の異なる信号への対応も困難
であった。光双安定素子を基本とした光のままで行う光
波形処理においても、その時間制御には、セット光のみ
ならず、リセットタイミング電気又は光パルスを別途必
要とするなど、光部品や電気信号の構成が複雑であっ
た。また、スイッチング時に大きな励起キャリアの変動
を伴うため、信号速度はキャリアの緩和時間の数分の1
に制限され、信号パターンの変動にも敏感であった。
【0007】本発明は、光情報処理や光交換システム等
に用いられる光信号の高速、超短パルスをもとに、利用
の容易な所望の時間幅(ビットレート)を有する矩形パ
ルス信号光を、複雑な光分岐遅延調整や、高速の電気制
御なしに簡便な構成で直接得る技術の実現を目的とす
る。即ち、複雑な光分岐遅延調整や、高速の電気制御を
用いずに、光情報処理や光交換システム等に用いられる
超短パルスの高速光信号をもとに、利用の容易な所望の
時間幅を有する矩形パルス信号光を簡便な構成で得る技
術の実現を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1に係る光波形変換回路は、入力された光短
パルスを、入力パルス幅以上の所望のパルス幅の光信号
に変換する光波形変換回路において、共振器内に、1つ
もしくは複数の光利得領域と、1つもしくは複数の可飽
和光損失領域とを有する光共振器構造と、該共振器構造
内の1つもしくは複数の光利得領域における利得の回復
時間を電流により制御する手段と、該光共振器構造内の
1つもしくは複数の可飽和光損失領域における損失の回
復時間を電流又は電圧により制御する手段を有し、光利
得領域もしくは該領域に導く光導波路構造を光短パルス
入力部とし、共振器を構成するミラーの一端を出力部と
することにより、可飽和光損失領域における損失の回復
時間は光利得領域における利得の回復時間より短く、光
利得領域の回復時間は入射光パルス列の繰り返し時間よ
り短く、共振器が発振状態にあるとき光パルスが入力さ
れ、光利得領域における利得の回復時間を制御する電流
を調節することにより出力光パルス幅と光出力強度を設
定することを特徴とする。
【0009】上記課題を解決する本発明の請求項2に係
る光波形変換回路は、請求項1において、前記光共振器
構造が光利得領域、可飽和光損失領域にそれぞれpin
構造の半導体光導波路を用い、損失の回復が利得の回復
より早い時定数をもつ半導体レーザであり、制御光であ
る光短パルス光が、発振状態にあるレーザ共振器に同軸
に入射することを特徴とする。
【0010】上記課題を解決する本発明の請求項3に係
る光波形変換回路は、請求項1において、前記共振器構
造にリング状の光導波路、光利得領域に半導体光増幅器
又はファイバ光増幅器、可飽和光損失領域に半導体又は
誘電体の光位相変調器を用い、該光位相変調器の損失の
回復時間が制御電源の給電値で容易に変更可能な多電極
構造を有するリングレーザであり、制御光である光短パ
ルス光を、発信状態にあるレーザ共振器に同軸に入射す
る光結合導波路を有することを特徴とする。
【0011】上記課題を解決する本発明の請求項4に係
る光波形変換回路は、請求項1において、前記光利得領
域に蛍光材料を用い、前記可飽和損失領域に光非線形結
を用い、利得領域の利得の回復時間を決定する励起手
段に電極よりの給電に代わり共振器と異なる方向からの
励起光を用いることを特徴とする。
【0012】上記課題を解決する本発明の請求項5に係
る光波形変換回路は、請求項1において、前記共振器内
に誘電体光非線形結晶を配置し、該誘電体光非線形結晶
で入射光により誘起される2次高調波光を、別途準備す
る受光器に入射し、前記可飽和光損失領域の回復を促す
制御電圧を発生させることを特徴とする。
【0013】
【0014】〔作用〕DC電流等で容易に制御可能な飽
和利得回復時間を持つ光利得領域と、可飽和光損失領域
を共振器内部に有する発振状態にある光素子に、時間幅
の短い、尖塔値の高い信号光を外部より入射する。この
短光パルスにより引き起こされる共振器内光利得の飽和
による発振の停止と、損失部の一層の飽和を同時に引き
起こす構成とする。
【0015】短パルス光の入射が終了した後は、利得部
はバイアス電流等で制御される時定数で光利得領域、可
飽和光損失領域ともに徐々に回復する。初期状態ではレ
ーザ発振しているため、可飽和光損失領域はすでに飽和
して、損失の少ない状態にある。短パルス光の入射によ
りさらに損失が低下するが、光利得領域の回復時間に比
べ十分早い回復速度を有するため、入射パルス終了後、
次のパルスが入射する前に初期状態よりも多くの損失
が、光利得領域の回復よりも早く増加する。
【0016】よって、共振器内の可飽和光損失領域の損
失が初期状態より大きいため、光利得領域が初期状態の
値まで回復しても、それだけでは再発振につながらな
い。このため、共振器内の光利得が損失領域の飽和を引
き起こすような閾値まで高まった時点ではじめて急激な
発振が起き、信号光入射時点から出力回復時点までの時
間幅に信号が伸張された反転符号が得られる。ピーク出
力が高く時間幅が短い入力光パルスは、十分なバイアス
電流で発振するレーザ共振器により、平均出力が大き
く、時間幅が所望の長さの光出力反転波形へと変換され
る。
【0017】
【発明の実施の形態】光を発生させる利得共振器(例え
ば、半導体レーザ、共振器型光増幅器)は、その共振器
内にある制御領域に結合する別の入射光で出力の制御を
行うことができる。従来の光双安定レーザのなどでは、
あらかじめ発振状態が共振器内に設置した可飽和吸収領
域での光損失のために抑圧されており、吸収の飽和を光
で引き起こすことにより発振の開始トリガとする。
【0018】この場合、光応答の感度はすぐれ、出力も
大きいが、瞬時に大きいキャリア数、光子数の変動を伴
うため、信号のレベルの揺らぎが大きく、入力パターン
効果の抑圧も困難である。一方、半導体光導波路中の光
利得の線形なクェンチィングによる出力の抑圧は信号の
ピークパワーが数ミリワット以上必要で、信号の回復時
間、形状は消費キャリアとバイアス電流の供給量により
緩やかで遅延を持った鈍化した波形となるためデジタル
的信号処理には適さなかった。
【0019】本発明の実施の形態に係る光波形変換回路
を図1に示す。この光波形変換回路は、可飽和損失部を
有するレーザ共振器に、入射した光短パルスをトリガと
して、入力パルス幅より大きい所望のパルス幅をDCバ
イアスで設定し出力、又は反転信号を出力するようにし
たものである。図1において、R1,R2は光共振器を
構成する相対するミラー、G1は光利得領域、ABS1
は可飽和光損失領域、E1,E2はバイアス制御電極、
inは入射光短パルス、Pout は出力信号光である。
【0020】本発明によれば、利得共振器内に通常の発
振状態では共振器内の光強度で飽和している可飽和光損
失領域ABS1を設ける。そこに、時間幅が短く、ピー
ク値は大きい光短パルス(1パルスあたりのエネルギー
としては小さい)が入射することにより、レーザ発振中
の共振器の光利得は急激に消費され、発振は停止する。
発振が停止すると、可飽和光損失領域ABS1の飽和が
時定数τ2で速やかに回復し、損失が増加するので、次
の発振開始には利得領域の光利得は初期状態以上の十分
な回復を待たなければならない。
【0021】よって、バイアスにより設定した利得回復
速度τ1と、可飽和光損失領域ABS1の一例である可
飽和吸収領域の飽和閾値レベルで決定される遅延時間に
達するまで発振は回復しない。回復するまでは初期のト
リガパルス以外の外的擾乱は無いので、パターン揺らぎ
は生じない。発振の回復時は損失領域が急激に飽和する
ので、10ps程度の十分高速な信号の立ち上がりが得
られ、デジタル的な矩形のギガビット光信号を得ること
が可能である。
【0022】一旦発振が回復すると共振器内キャリア密
度は一定値に固定されるので、次の信号に対し応答する
場合、パターン効果は生じにくいという大きな利点を持
っている。この原理を請求項2の半導体レーザの場合を
例に取り、バイアス電流(DC-bais-Current)、入力光
強度(Input-Optical Power)、利得部キャリア密度(O
ptical Gain Carrier Density)、可飽和部損失係数(A
bsorption Coefficent)、出力光強度(LD-Output)の
各時間における関係を図2に示す。
【0023】図2中、0ビット目のようにCWレーザ発
振しているときは、共振器内のキャリア密度はクランプ
されている。1ビット目の初期に入射するパルス光利得
が入射パルスでクェンチングした後、時定数τ1で利得
が回復する。しかし、発振中は飽和していた損失が発振
停止によりτ2で回復する。この損失を再び飽和させる
レベルまで光利得が増加したときはじめて再度の発振が
得られる。
【0024】その際の発振立ち上がりはキャリア密度が
高い状態で行われるので、急峻である。τ2がτ1や1
ビット幅より短時間であれば、バイアスで容易に制御可
能な可飽和吸収差Δαと利得回復速度で出力信号幅を自
由に変更できる。従って、単純な構成で信号速度への融
通性も高く、クロックパルスも不要で、信号パターン効
果の影響も小さいパルス波形、強度変換が可能となる。
【0025】〔実施例1〕本発明の第1の実施例につい
て、図3を参照して説明する。図3に示すように、光共
振器には分布帰還型共振器(DFB)構造を有する半導
体レーザ導波路、光利得領域にはpin構成のダイオー
ド特性部に順方向に電流Igainを流すことによりバイア
スを与えている。また、可飽和光損失領域の一例とし
て、逆方向電圧Vabs をダイオードに与えることによっ
て可飽和吸収領域を形成している。
【0026】よって、レーザ素子は制御電極が複数個あ
る多電極DFBレーザであり、その電気的条件を変える
ことによりτ1,τ2,Δαは自由に設定できる(ただ
し、Δαに関しては材料の特性、利用波長により設定範
囲が制限される)。尚、図3において、パルス幅tは、
τ1,τ2の関数fで与えられ、出力強度Pは、Δα,
gain,Vabs の関数gで与えられる。
【0027】従って、上述した構成の多電極DFBレー
ザにより決定されるレーザの出力波長と異なる波長の光
パルス信号を入射すると、利得電流により得られた反転
分布が入射信号に対して誘導放出を受け、発振は停止す
る。入射パルスにより消費された反転分布が回復して、
かつ可飽和吸収領域を飽和させるレベルに達するまでは
入射パルスが無くても発振は再開しない。
【0028】その矩形の出力波形の時間幅はτ1,τ2
をパラメータとする発振回復時間で決まるため前述した
ように、DC電気バイアス条件を変更するだけで容易に
変更できる。出力信号の強度レベルはレーザのCW発振
時の光強度と同値であるので、利得を与えるIgain、損
失を与えるVabs ,Δαをパラメータとするレート方程
式で与えられる値となる。
【0029】レーザ活性層の可飽和損失Δαは活性層材
料と使用波長により制限もあるが、Igain,Vabs によ
り所望の出力強度を得ることは容易である。発振前後の
損失差を与える入力光と出力光は波長も異なり、互いの
可干渉性も小さいので波長フィルタで容易に分離でき
る。また、本実施例の光波形変換回路は定常時はレーザ
発振で内部キャリア密度が固定されるため、消費される
キャリア変動は過去の履歴を引きずらない。よってラン
ダムパターンの信号に対しても安定に応答する。
【0030】〔実施例2〕本発明の第2の実施例につい
て、図4を参照して説明する。本実施例は、回路の光学
的入出力端子数を簡便化のため1つにするため、光サー
キュレータを用いたものである。このような波形成形機
能を実現すると、例えば、図3に示した入力信号の様に
離散的な繰り返しパルスからはデイユーティ比1/2の
矩形クロックパルスや所望の時間幅の光ゲート光が得ら
れる。
【0031】一般に高速の給電により駆動するレーザな
どの光素子は、光の入出力結合部を増やすと、実装形
態、配置の複雑性のため作成が困難でかつ高価となる
が、本実施例では簡便で安価に機能を実現できる。
【0032】このビット幅にも、パターンにも柔軟な特
性を利用すると、例えば、図5に示す様に、光短パルス
を用いて時間的に多重された100Gbit/sの超高
速パルス列(Optical Time Division Multiplex)か
ら、ゲートにより分離(DEMUX)されたNRZ(No
n Return Zero)光信号列が10Gbit/sでも、
2.5Gbit/sでも、それ以外でも光フィルタや光
経路分岐装置など部品構成的な変更なしに対応可能で、
所望のビットレートのNRZ光信号を得ることができ
る。
【0033】本発明の第1の実施例の構成では、信号が
無い場合にレーザ発振しているという単安定動作では反
転論理になったり、波長が変わったりする。上記のよう
な利用では、論理の反転や波長の非保存が不都合な場合
もある。しかし、図6に示した第3の実施例の構成の様
に、光アンプのクロスゲインモジュレーションなどを用
いると、容易に正論理に変換することができるし、波長
も自由に変えられる。
【0034】本実施例では、波形変換された反転論理出
力を、半導体光アンプ(SOA)の変調光として用い
る。別途設けた所望の波長λ1を有するCW基準レーザ
(LD)光を入射すると、基準光出力の増幅率が変調光
により抑圧される。よって一旦、反転論理で本発明の波
形変換を行った信号は波形を変えずに正論理となる。半
導体光アンプを用いたこの反転変換は共振器を組まない
ため、5Gbit/s以上の比較的高速の信号にも応答
する。
【0035】〔実施例3〕本発明の請求項3,4のに基
づく第3の実施例について、図7を参照して説明する。
本実施例は、図7に示すように、YAG結晶、非線形結
晶、リング共振器により構成したものである。本実施例
においても、光波形の処理の原理は同じであるが、回路
に利得や損失を与える手段は、電気的に限られない。
【0036】図7に示すように、CW光励起により、反
転分布が得られるような蛍光材料、例えば、YAGなど
の固体結晶や色素、不純物ドープされたファイバ、もち
ろん半導体でも利得領域として用いることができる。損
失領域にもLN導波路の様な3次の光非線形材料の導波
路を用いれば、屈折率変化による伝搬損失の変化で、可
飽和損失の効果を得ることができる。
【0037】例えば、信号パワーが小さいときは散乱や
放射のため導波路損失が大きいが、入射信号パワーが大
きいと自己焦点化現象により単一導波路条件となり損失
の少ない導波路とすることは導波路コアとクラッドの設
計により可能である。すると短パルス信号が入射した地
点で、ランプ励起の光利得は消費されるが、入射パルス
が終了した後は、非線形導波路の発散損失が増加し、利
得領域の回復は第1の実施例と同じように初期状態以上
の増加が必要となる。以後は図2で示した前述の実施例
と同じ原理である。
【0038】この動作では吸収の少ない波長域で、光の
伝搬の強度変化による屈折率等光学常数の変化を利用で
き、一般に吸収の飽和動作より早い応答速度を持つの
で、よりいっそうの高速対応も期待できる。利得領域の
場合、電気的接続を必要としないので、オーミックコン
タクト等が作成上難しい材料でも利用することができ、
利用できる材料、ひいては波長が自由に選べる。
【0039】発光スペクトルが広ければ、異なる波長で
の変調も容易であり、例えば、YAG結晶を用いた場
合、励起光にアークランプ、出力光に1.06μm、制
御パルスに1.31μmを用いることができる。これに
より、医療用や加工、化学変化用のレーザの照射時間と
冷却時間の比などを半導体レーザで瞬時に、自由に変更
することもできる。もちろん共振器構成としては、ファ
ブリーペロー型やDFB型に限らずリング型等も可能で
あり、その方が制御光や出力光の挿入・取り出し点が多
く、入力と出力を方向で分離が容易なことはことは言う
までもない。
【0040】〔実施例4〕本発明の第5の請求項に基づ
く第4の実施例について、図8を参照して説明する。本
実施例では、可飽和吸収領域の制御に入力信号の光セン
サを用い、本回路のタイミング制御に用いるものであ
る。
【0041】図8にその1例を示すように、入射するパ
ルス光は、信号ピークパワーとしては大きいし、共振器
内でそのパワーは増強される。共振器内にSHG結晶の
ような光パワーに対応して信号を出すような素子を挿入
しておくと、入射信号に対応したモニタ信号光を効率的
に取り出すことができる。
【0042】この信号を受光器(Optical Detector)で
電力に変え、タイミング抽出回路を経て、可飽和吸収
(Saturable Loss)領域の制御電圧に用いると、光利得
の回復が損失部の飽和域に達する以前に強制的に損失量
域が飽和する。この受光器と制御電極の間にクロック再
生回路を挿入すると、リタイミングも可能となり、出力
信号のジッタ等の品質もさらに向上する。
【0043】例えば、もともと入射する信号が信号強度
やパルスタイミングにジッタを持つ場合でも、図9に示
す入出力信号の関係の様に信号列の平均から算出したタ
イミングパルスを電気的又は光学的に可飽和損失部に挿
入してやる。すると、クロック信号を入れない場合、利
得キャリア密度の回復のタイミング自身が入力ジッタに
伴ってずれてしまっていた。
【0044】本実施例ではこのビットの立ち上りタイミ
ングが整え、リタイミングの構成を可能とする。受信器
と制御部の間は高周波電気配線が必要であるが、外部か
ら高速の電気信号を入射する必要はないので、構成の複
雑さはそれほど増大しない。もちろん、一連の入射信号
モニタの機能を入射信号自身を分岐することによっても
利用きるが、光パワーの利用効率や、消費電力、回路構
成の簡略化には課題がある。
【0045】また、生成するクロックには電気信号ばか
りではなく、光信号を前述の可飽和損失部の制御に用い
ることも可能である。尚、上述した実施例においては、
可飽和光損失領域として、可飽和吸収領域を一例にあげ
て説明したが、吸収以外の他の損失による場合でも、本
発明を適用できるものである。
【0046】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明によれば、共振器中に利得領域と可飽
和光損失領域を有し、その回復時間がバイアス値で制御
可能な光回路に、光短パルスを入射する構成によって、
電気的高周波を付与することなく光信号の波形を所望の
時間幅に制御でき、デジタル的な光信号処理に必須な矩
形のクロックやゲート、信号ビット幅変換等を実現し
た。従って、従来このような処理に必須であった光電気
変換やその後の信号処理系での高周波電気信号利用のた
めの実装や、配置の複雑さを解決した。また、従来の回
路に比べ、構成も簡単でビットレートや信号パターンの
変化にも柔軟であるため、様々な信号にもハード的構成
変更なしに対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示すブロック図である。
【図2】本発明の信号処理時の信号、素子内各パラメー
タ、出力の時間的関係を示すグラフである。
【図3】本発明の第1の実施例に係る光回路及びその入
出力信号を示す構成図である。
【図4】本発明の第2の実施例に係る光回路の構成図で
ある。
【図5】本発明に係る光回路の利用形態の説明図であ
る。
【図6】論理を反転させる構成の説明図である。
【図7】YAG結晶と非線形結晶、リング共振器に係る
実施例の構成図である。
【図8】共振器内に2次非線形素子と、光センサ、クロ
ックトリガ回路を付与した実施例に係る構成図である。
【図9】信号にジッタがある場合の第3の実施例による
タイミング成形の原理を示すグラフである。
【図10】光パルス信号列に対する従来のビットレート
変換回路の構成図である。
【符号の説明】
R1,R2 ミラー G1 光利得領域 ABS1 可飽和光損失領域 E1,E2 バイアス制御電極 Pin 入射光短パルス Pout 出力信号光 OR 受光電気変換器 Amp. 線形電圧増幅器 CLK. クロック抽出回路 Thfesh. 信号識別回路 delay 信号タイミング遅延回路 MIX デジタルタイミング整頓回路 Drive レーザ駆動回路 OS 電気光変換送信器
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−162492(JP,A) 特開 平9−171202(JP,A) 特開 平9−167870(JP,A) 特開 平8−87037(JP,A) 特開 平8−146364(JP,A) 特開 平7−221706(JP,A) 特開 平9−237929(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/00 - 3/30

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された光短パルスを、入力パルス幅
    以上の所望のパルス幅の光信号に変換する光波形変換回
    路において、共振器内に、1つもしくは複数の光利得領
    域と、1つもしくは複数の可飽和光損失領域とを有する
    光共振器構造と、該共振器構造内の1つもしくは複数の
    光利得領域における利得の回復時間を電流により制御す
    る手段と、該光共振器構造内の1つもしくは複数の可飽
    和光損失領域における損失の回復時間を電流又は電圧に
    より制御する手段を有し、光利得領域もしくは該領域に
    導く光導波路構造を光短パルス入力部とし、共振器を構
    成するミラーの一端を出力部とすることにより、可飽和
    光損失領域における損失の回復時間は光利得領域におけ
    る利得の回復時間より短く、光利得領域の回復時間は入
    射光パルス列の繰り返し時間より短く、共振器が発振状
    態にあるとき光パルスが入力され、光利得領域における
    利得の回復時間を制御する電流を調節することにより出
    力光パルス幅と光出力強度を設定することを特徴とする
    光波形変換回路。
  2. 【請求項2】 前記光共振器構造が光利得領域、可飽和
    光損失領域にそれぞれpin構造の半導体光導波路を用
    い、損失の回復が利得の回復より早い時定数をもつ半導
    体レーザであり、制御光である光短パルス光が、発振状
    態にあるレーザ共振器に同軸に入射することを特徴とす
    る請求項1記載の光波形変換回路。
  3. 【請求項3】 前記共振器構造にリング状の光導波路、
    光利得領域に半導体光増幅器又はファイバ光増幅器、可
    飽和光損失領域に半導体又は誘電体の光位相変調器を用
    い、該光位相変調器の損失の回復時間が制御電源の給電
    値で容易に変更可能な多電極構造を有するリングレーザ
    であり、制御光である光短パルス光を、発信状態にある
    レーザ共振器に同軸に入射する光結合導波路を有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の光波形変換回路。
  4. 【請求項4】 前記光利得領域に蛍光材料を用い、前記
    可飽和損失領域に光非線形結晶を用い、利得領域の利得
    の回復時間を決定する励起手段に電極よりの給電に代わ
    り共振器と異なる方向からの励起光を用いることを特徴
    とする請求項1記載の光波形変換回路。
  5. 【請求項5】 前記共振器内に誘電体光非線形結晶を配
    置し、該誘電体光非線形結晶で入射光により誘起される
    2次高調波光を、別途準備する受光器に入射し、前記可
    飽和光損失領域の回復を促す制御電圧を発生させること
    を特徴とする請求項1記載の光波形変換回路。
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