JP3434759B2 - 充放電制御回路と充電式電源装置 - Google Patents

充放電制御回路と充電式電源装置

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JP3434759B2
JP3434759B2 JP35710199A JP35710199A JP3434759B2 JP 3434759 B2 JP3434759 B2 JP 3434759B2 JP 35710199 A JP35710199 A JP 35710199A JP 35710199 A JP35710199 A JP 35710199A JP 3434759 B2 JP3434759 B2 JP 3434759B2
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貞之 下田
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、二次電池の充放電を
制御することができる充放電制御回路とその回路を利用
した充電式電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の二次電池からなる充電式電源装置
としては、図2の回路ブロック図に示されるような電源
装置が知られていた。例えば、特開平4−75430号
「充電式の電源装置」に開示されている。即ち、外部端
子−VO又は+VOにスイッチ回路103を介して二次
電池101が接続されている。さらに、二次電池101
に並列に接続して充放電制御回路102が設けられてい
る。充放電制御回路102は、二次電池101の電圧を
検出する機能を備えている。そして、二次電池101の
電圧が過充電状態(電圧が所定の高電圧値より高い状
態)、または過放電状態(電圧が所定の低い電圧値より
低い状態)のいずれかの場合は、スイッチ回路103を
OFFするように充放電制御回路102から信号が出
る。従って、過充電状態の場合は、スイッチ回路103
がOFFして、外部端子−VO、+VOに接続している
一次電源から二次電池101への充電をストップさせ
る。過放電状態の場合は、スイッチ回路103が同様に
OFFして外部端子−VO、+VOに接続している負荷
(例えば二次電池動作の携帯電話等)へのエネルギー供
給をストップする。即ち、充放電制御回路102は、二
次電池101と外部端子との間のスイッチ回路103を
制御することにより、外部端子からの必要以上の二次電
池101への充電を防止するとともに、二次電池101
から外部端子に接続した負荷へのエネルギー供給による
二次電池101の過渡の蓄電能力低下を防いでいる。
【0003】また他の実施例としては図30の回路ブロ
ック図に示されるような充電式電源装置が知られてい
る。図30において、外部端子−VOまたは+VOにス
イッチ回路103、電流センス用抵抗104を介して二
次電池101が接続されている。さらに二次電池101
に並列に接続して充放電制御回路102、および過電流
検出回路105が設けられている。充放電制御回路10
2は、二次電池101の電圧を検出する機能を備え、1
01の電圧が過充電状態、または過放電状態のいずれか
の場合は、スイッチ回路103をOFFするように充放
電制御回路102から信号が出る。また負荷に異常が起
こり、過電流状態となった時は、電流センス用抵抗10
4の電圧をコンパレータ21がモニターし、基準電圧回
路106の電圧と比較する。
【0004】仮に、基準電圧回路106の電圧値を、V
REF〔V〕、電流センス用抵抗104の抵抗値をR
〔Ω〕(この時、スイッチ回路103のON抵抗は、R
より十分小さいものとする)、そこに流れる電流をI
〔A〕とすれば、 I≧VREF /R〔A〕 …(1) の時、コンパレータ回路21の出力が“H”→“L”と
なり、トランジスタ107がOFFし、定電流源108
によってコンデンサ109が充電され、ある遅延時間の
のちに、コンパレータ回路302の出力が“H”→
“L”となり、スイッチ回路103をOFFする。すな
わち、定電流源108とコンデンサ109とトランジス
タ107は、コンパレータ回路302の出力を遅延する
ための遅延回路を構成している。その遅延された信号
は、基準電圧回路106の信号とともにコンパレータ回
路302に入力される。コンパレータ回路302で比較
処理されてその出力はスイッチ回路103をOFFする
ように動作する構成となっている。
【0005】更に、従来の二次電池と充放電制御回路と
を用いた充電式電源装置としては、図37の回路ブロッ
ク図に示されるような電源装置が知られている。例え
ば、特開平4−75430号公報「充電式の電源装置」
に開示されている。即ち、外部端子+V、−Vにスイッ
チトランジスタ372及び373を介して、二次電池2
4及び充放電制御用IC21が各々並列に設けられてい
る。充放電制御用IC21は、二次電池24の電圧を検
出するとともに、検出電圧レベルに応じてスイッチトラ
ンジスタ372及び373のインピーダンスを制御する
機能を有している。
【0006】例えば、二次電池24の電圧が外部端子+
V、−Vに接続された充電電源により過充電電圧以上に
なると、スイッチトランジスタ372をONからOFF
に切り換えることにより外部端子から二次電池24への
充電をストップさせる。逆に、外部端子にビデオカメラ
などの携帯機器が接続されて、二次電池24から携帯機
器に電気が供給されることにより、二次電池の電圧が低
下して過放電電圧以下に低下すると、スイッチトランジ
スタ373のONからOFFにして放電を防止する。ト
ランジスタ372とトランジスタ373は一方がトラン
ジスタとして機能して、他の一方がダイオードとして機
能するように構成されている。充電時と放電時にトラン
ジスタとしての機能できるように、各々のトランジスタ
の基板は各々のソースに接続している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図2に示した
従来の充放電制御回路では、それ自体での消費電流が大
きいために、そのエネルギー供給源の二次電池の寿命を
短くしてしまうという課題を有していた。その結果、二
次電池で駆動される機器の使用時間を短くしてしまうと
いう課題があった。さらに二次電池の蓄電能力が低下し
ている過放電状態になった時は、スイッチ回路で二次電
池から外部機器へのエネルギー供給をストップしている
にもかかわらず、電源装置内に設けられている充放電制
御回路自体の消費電流により、一層の過放電を助長し、
電池の劣化及び寿命の短縮を加速するという課題を有し
ていた。
【0008】そこで、本発明の目的は、従来のこのよう
な課題を解決するために、充放電制御回路の消費電流を
低減することにより、寿命の長い二次電池からなる充電
式電源装置を得ることを目的としている。また、図30
に示した従来例では次のような種々の欠点がある。即
ち、外部から端子−VO、+VOに充電器を接続して、
二次電池101を充電している状態において、二次電池
が満充電状態になった時にスイッチ回路103をOFF
する。OFFすることにより、二次電池101の両端の
電位が低下し、再び充電状態、即ち、スイッチ回路10
3をONしてしまう。このような充電完了前後の電圧に
おいて、満充電の検出が不安定に発振してしまうことが
あった。
【0009】従来の技術で説明したように、二次電池へ
の充電中に過充電状態になると充放電制御回路が動作し
て二次電池への充電を制御するスイッチ回路をOFFす
る。しかしながら、前記充放電制御回路が二次電池と並
列に接続されているため、動作時に消費する電流は二次
電池より供給される。二次電池は電流を供給することで
電圧降下が発生し、過充電検出電圧以下になりスイッチ
回路はONになってしまう。このため(充電により二次
電池の電圧上昇→過充電電圧まで上昇→充放電制御回路
動作で二次電池の電圧低下→充電により再度二次電池の
電圧上昇)となり、同じ動作を繰り返し過充電状態へ移
行できなくなる課題を有していた。また過放電状態の電
池を充電中に過放電状態が解除される時も同じ課題を有
している。
【0010】また、充電制御回路を初めて二次電池へ接
続するときにスイッチ回路の論理が確定していなけれ
ば、初期状態は不安定となってしまい、二次電池の電圧
値が正常であっても過充電あるいは過放電状態になって
しまう課題も有する。二次電池の過放電が進み、その電
圧値が充放電制御回路の中の電圧検出回路や制御回路の
動作する最低電圧以下に下がってしまった時には、該電
圧検出回路や制御回路の出力は不定状態となる。すなわ
ち、二次電池が過放電状態からさらに電圧が低下してい
るため、一次電源から充電を行おうとしても、充放電制
御用回路がスイッチ回路を正常に動作させることができ
ないため、充電が不可能となる。つまり、一度でも二次
電池の電圧が充放電制御回路の最低電圧以下になってし
まうと、充電ができなくなるため、二次電池でありなが
ら再度の使用が不可能である。
【0011】また、従来例の他の問題としては、二次電
池の両端に充電器を接続し、二次電池を充電する場合に
おいて、該充電器の極性と二次電池の極性を異ならせて
充放電制御回路に接続いわゆる逆接続をした場合に、充
放電制御回路を構成するCMOSICがラッチアップす
ることによって、充放電制御回路が誤動作し、二次電池
に大きな電流を流して劣化させてしまうという問題点が
あった。
【0012】更に他の問題として、二次電池の両端に接
続される負荷に異常が起こった場合に、二次電池から過
大な電流が流れると、過電流検出回路により、スイッチ
回路103をOFFするか、このスイッチ回路をOFF
することによって、二次電池の電圧が急激に上昇し、こ
れによって過電流検出回路の基準電圧値が上昇し、再び
スイッチ回路103を閉じて、発振してしまうという課
題があった。
【0013】そこで、本発明の目的は、従来のこのよう
な課題を解決するために、誤動作しない充放電制御回路
を供給することである。更に、2個の二次電池を直列接
続して用いた場合、従来例では次のような欠点がある。
即ち、2個の二次電池はその寿命により、片ベリを生じ
てくる。しかし、その場合でも2個の電圧の和がある電
圧以上あれば、使用しても問題ない。従来例では各電池
電圧をモニターしているために和の電圧をモニターする
ことができず、使用できる電池であるにもかかわらず、
使用を中止せざるを得なくなるため、機器の使用時間が
著しく短くなってしまう。また、片ベリが生じてまた電
池を他方の正常な電池同様に充電すると、より一層片ベ
リを助長し、電池の寿命を著しく短くしてしまう。
【0014】また、従来の充電式電源装置においては図
37のように、外部端子と二次電池との間に設けたスイ
ッチトランジスタを二つ設ける構成になっており、さら
に、各々の基板を外部端子側のトランジスタ及び二次電
池側のトランジスタのソース電極の電位にする構成にな
っているために、充放電制御用ICと別々に組み立てら
れ、その結果、電池の小型化が困難であり、組み立てコ
ストも高いという課題を有していた。
【0015】そこで、この発明の目的は、小型で安く、
かつ高信頼性の充電式電池装置及び充電式電源装置用の
充放電制御回路を得ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】(手段1)図2に示した
従来技術の上記課題を解決するために、この発明は充放
電制御回路において、二次電池の電圧をモニタするため
の電源電圧検出回路に消費電流を制限するためのスイッ
チ手段を設ける構成とした。より詳しくは、電源電圧検
出回路の一部である電圧分割回路に消費電流を制限する
スイッチ手段を設ける構成とした。
【0017】また、この発明は、誤差増幅器に流れる全
体の消費電流を制限する電流制限手段により消費電流を
抑えた。例えば、この発明は過充電検出回路の誤差増幅
器に、電流制限手段としてパワーON/OFF機能を付
加し、過放電検出回路の信号で、誤差増幅器のON/O
FFを制御し、過放電時のバッテリーの消費電流を抑え
るようにした。
【0018】また、この発明は充放電制御回路におい
て、二次電池を構成している各電池の接続点の電位を外
部出力するためのバッファ回路に消費電流を制御するた
めのスイッチ手段を設ける構成とした。このスイッチ手
段は、充放電制御回路に設けられている制御回路によっ
て制御される構成とした。特に、二次電池の能力が低下
した過放電状態に限って、バッファ回路のスイッチ手段
をONするように制御回路でコントロールする構成とし
た。
【0019】また、この発明は充放電制御回路におい
て、二次電池の電圧をモニタする各々の過充電用電圧検
出回路と過放電用電圧検出回路の基準電圧源を一つで兼
ねる構成とした。さらに、二次電池が複数の電池が直列
接続している場合には、各々の電池の電圧をモニタする
過充電用電圧検出回路と過放電用電圧検出回路とが構成
されている。この各々の電池の電圧をモニタするための
電圧検出回路の異なる基準電圧を一つの基準電圧発生回
路で供給する構成とした。
【0020】また、この発明は充放電制御回路におい
て、二次電池の過充電検出用の分割電圧を得るための過
充電検出用電圧分割回路と過放電検出用の分割電圧を得
るための過放電検出用電圧分割回路との両方の機能を一
つの過放電・過充電検出用電圧分割回路で構成した。
【0021】(手段2)図30に示した従来技術の上記
課題を解決するために、この発明は充放電制御回路にお
いて、二次電池に設定された過充電または過放電を電圧
検出回路が検出した後に、その設定した電圧より過充電
・過放電に検出しやすい電圧に再設定するとともに、再
設定後にスイッチ回路をOFFするように信号のタイミ
ングを設定した。
【0022】また、本発明は充放電制御回路において、
電圧検出用コンパレータと制御回路の間に遅延回路を設
けるような構成とした。また、遅延回路は二次電池の接
続時に一定期間、論理を確定することでスイッチ回路を
ONして、充電式電源装置が初期からも使用が可能にな
る構成としている。
【0023】また、本発明は充放電制御回路に電源装置
の外部端子の電圧を入力すると共に、二次電池の電圧が
充放電制御回路の最低動作電圧以下となっても充電器が
電源装置に接続された時には、スイッチ回路を制御でき
るような回路構成とした。また、この発明は充放電制御
回路において、二次電池が逆接続した場合に制御回路の
出力信号がスイッチ回路をOFFする信号を常に出力す
る構成とした。さらに具体的には、制御回路の出力を決
めている電圧検出回路の出力が常にスイッチ回路がOF
Fするような構成とした。さらに具体的には、電圧検出
回路の出力にかかわる定電圧回路の出力をスイッチ回路
がOFFするような構成とした。
【0024】また更に、この発明は充放電制御回路にお
いて過電流検出回路にラッチ機能を設け、一度過電流を
検出したら負荷をはずさない限り、ラッチを解除しない
構成とした。 (手段3)図37に示した従来の上記課題を解決するた
めに、この発明は充放電制御回路において、2つの二次
電池のそれぞれの電圧をモニターし、そのモニター電圧
値に応じて、他方の電圧検出値を切り換える構成とし
た。
【0025】また、この発明は2個の電池の和の電圧を
モニターすることができるように、該和の電圧が出力さ
れる端子間に抵抗を設け、電圧検出回路を構成した。ま
た、この発明は、外部端子と二次電池との間に直列接続
するトランジスタを1個にする構成とした。1個のトラ
ンジスタにするために、そのトランジスタの基板をスイ
ッチングするトランジスタのソース電極とドレイン電極
との間に各々設ける構成とした。
【0026】さらに、この発明はトランジスタの基板を
自由に制御できる絶縁膜上に設けられた半導体膜を有す
る半導体基板(以下SOI基板と呼ぶ。SOIはSilico
nOn Insulator の略である)を用いた充放電制御用半
導体集積回路装置の構成とした。
【0027】
【作用】手段1のように構成された充放電制御回路にお
いては、電圧検出回路に設けられた消費電流制限用スイ
ッチ手段により、消費電流が低減される。上記のように
構成されたバッテリー充放電制御回路においては、特に
バッテリーが過放電状態の時は、過充電検出回路の消費
電流をカットするので、バッテリーが過放電状態での電
力消費を小さく抑えることができ、バッテリーの劣化を
防ぐことになる。
【0028】また、複数個の誤差増幅器を1つの複数入
力タイプの誤差増幅器としたため、チップ面積が著しく
縮小できた。このような構成にすることにより、バッフ
ァ回路の消費電流を必要最小限に減少することにより、
消費電流の少ない充放電制御回路、さらに、寿命の長い
充電式電源装置を得ることができる。
【0029】上記のように構成された充放電制御回路に
おいては、基準電圧源が半分より少ない数で構成できる
ので、その分の消費電流の削減及び部品数(集積回路の
場合はチップサイズ)の削減ができる。上記のように構
成された充放電制御回路においては、電圧検出用の電圧
分割回路が原理的に半分で構成される。従って、そこに
流れる電流も別々に電圧分割回路を構成した充放電制御
回路に比べ、半分の値まで減少する。
【0030】また、過充電電圧検出用と過放電電圧検出
用との電圧分割回路を兼ねて構成するために部品数の削
減ができる。集積回路として形成した場合には、部品数
の削減によりチップサイズの削減ができる。手段2のよ
うに構成された充放電制御回路において、過充電または
過放電を検出後、過充電または過放電状態の検出電圧を
より過充電または過放電と検出されるレベルに再設定す
る。さらに、その後、スイッチ回路をOFFすることに
より、スイッチ回路OFFによる二次電池の電圧変動に
より電圧検出回路が反転誤動作しないようにした。
【0031】また、電圧検出用コンパレータが動作して
から、ある時間の遅延期間をおいて、制御回路が動作す
るため、一度に過度の貫通電流が流れず、二次電池の電
圧降下を防ぐことができる。また、たとえば充電時にお
いては、二次電池の電圧が遅延期間中も上昇するため検
出動作はより確実となる。更に、遅延回路は二次電池の
初期接続時に一定期間論理を確定するため、制御回路は
スイッチ回路をONすることになり、二次電池の初期接
続時から充電式電源装置は使用可能となる。
【0032】また、二次電池の電圧値が充放電制御回路
の最低動作電圧以下になってもスイッチ回路を確実に制
御できることになり、二次電池の電圧が極端に低くなっ
ても充電が確実に行われる。また、逆接続した場合、常
にスイッチ回路をOFFする構成としたので、充電器と
二次電池とが電気的に分離される。したがって二次電池
は充電器の逆接続状態に全く影響されない。
【0033】また、過電流検出回路に設けられたラッチ
機能により、過電流検出時の発振を回避することができ
るなどの作用を有するものである。上記の手段3のよう
に構成された充放電制御回路においては、和の電圧が出
力される端子間に抵抗を設け、これにより電圧検出を行
うことができる。
【0034】また、一方の電池電圧値に応じて、他方の
過充電検出電圧を切り換えることにより、両者の電圧値
の差が小さい充放電制御ができる。さらに、基板電位を
各々のトランジスタにおいて独立して設定できる。さら
に、トランジスタの面積を小さくすることができる。
【0035】
【実施例】(実施例1)以下に、この発明の実施例1を
図面に基づいて説明する。図1は、本発明の手段1にお
ける充放電制御回路の実施例1回路ブロック図である。
この充放電制御回路は、電源装置に応用した場合には、
その二次電池を電源として動作する。即ち、二次電池が
電源端子−VB、+VBに接続して電源と供給する。
【0036】電源には、電源電圧を分割する電源電圧分
割手段の抵抗1と、電源電圧分割手段の二つの出力電圧
を各々電圧検出する電圧検出回路2及び3と、各々の電
圧検出回路2及び3の出力信号により最終的な制御信号
VSを出力する制御回路4とが互いに並列に接続されて
いる。
【0037】電圧検出回路2及び3は、具体的には図3
に示したような電源端子−VBに対する基準電圧源42
と電圧分割抵抗の出力とを入力とするコンパレータ回路
41とから形成されている。電圧検出回路2が過充電検
出用であり、電圧検出回路3が過放電検出回路である。
電源電圧分割回路1と電圧検出回路2とにより、電源で
ある二次電池の過充電を検出する過充電電圧検出回路を
構成している。また、電源電圧分割回路1と電圧検出回
路3とにより電源である二次電池の過放電を検出する過
放電電圧検出回路を構成している。本発明の場合、各々
の電圧検出回路に入力される電源分割回路は別々に設け
られてもよい。図1の場合は、電圧分割回路1は、互い
の電圧検出回路に共通に設けられている充放電制御回路
の例である。制御回路4は、各々の電圧検出回路2及び
3から二次電池の過充電及び過放電に関する信号を入力
して、電源装置のスイッチ回路をONまたはOFFする
ための信号VSを出力する。
【0038】また、制御回路4は電圧分割抵抗1に流れ
る電流を制限するために設けられたスイッチ素子5も制
御する。電源電圧分割回路である電圧分割抵抗は単純に
抵抗が複数直列に接続しただけの回路である。したがっ
て、単純に電圧分割抵抗に電源ライン−VB、+VBを
直接接続すると直流の大きな電流が流れてくる。スイッ
チ素子5は電源ライン−VBと電圧分割抵抗1との間に
挿入して、制御回路4からの信号または、他の回路から
作られた信号により制御される。
【0039】電圧分割抵抗1に直列接続しているスイッ
チ素子5の抵抗は、小さいほど好ましい。電圧分割抵抗
1の抵抗値に比べ充分小さい値に設定しないと、電圧分
割抵抗1の出力がスイッチ素子の抵抗値により影響され
るからである。したがって、図1のように電圧分割抵抗
1の中間に設けるよりは、電圧分割抵抗1の端に直接に
電源ラインと接続して設けることが好ましい。
【0040】図1のように、スイッチ素子が絶縁ゲート
型電界効果トランジスタである場合には、トランジスタ
のソースとゲート電極間の電圧を電源電圧レベルに設定
することにより、トランジスタのON抵抗を小さくする
ことができる。電圧分割抵抗1は、そこに流れる電流を
小さくするために、シート抵抗が約10kΩ/□の高抵
抗多結晶膜が用いられている。電圧分割抵抗1の抵抗値
は、10MΩ程度の高抵抗値に設計している。スイッチ
素子5のON抵抗は、高々数kΩの低い抵抗値に設計
し、電圧分割抵抗1の抵抗値に比べ1/1000程度以
下にしている。ON抵抗を小さくして電圧検出回路のず
れを防いでいる。トランジスタ5のOFF抵抗は、電圧
分割抵抗1の抵抗値に比べ充分大きいので、OFFの時
にはほとんど電流の消費を防ぐことができる。
【0041】図4、は本発明の充放電制御回路におい
て、電圧分割抵抗21に直列に電源端子+VB との間に
P型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを挿入した回
路ブロック図である。過充電検出用電圧検出器22、過
放電検出用電圧検出器23及び制御回路24は、図1の
実施例と同じように設計されている。但し、スイッチ素
子25がP型絶縁ゲート型トランジスタであるので、ス
イッチ素子25をOFFしたい場合は、+VBが端子2
6からスイッチ素子のゲートに入力され、ONしたい場
合は−VBが端子26に入力される。ON抵抗は、トラ
ンジスタ25のゲート電圧に−VBが印加されるので充
分低くなる。
【0042】図5は、スイッチ素子を電圧分割抵抗の両
側に挿入した場合の本発明の充放電制御回路の回路ブロ
ック図である。電圧分割抵抗31の両端にN型絶縁ゲー
ト型電界効果トランジスタ35とP型トランジスタ36
とが形成されている。過充電用電圧検出回路32、過放
電用電圧検出回路33及び制御回路34は、図1及び図
4の実施例と同様に形成されている。図5のように電源
側に各々両方スイッチ素子35及び36を挿入すること
により、速く電源電圧分割回路を動作することができ
る。また、分割回路にほぼ対等に挿入されるので、スイ
ッチ素子のON抵抗が電圧分割回路の出力に影響しにく
くする効果がある。
【0043】本発明の充放電制御回路は、電圧分割抵抗
1の分割電圧のバラツキの少ない同一半導体基板上に設
けられた集積回路に適している。 (実施例2)以下に、この発明の実施例2を図面に基づ
いて説明する。
【0044】図6において、基準電圧回路11の電圧値
をVrefとすれば、バッテリーの電圧が式(2)の過放
電検出電圧VKAH以下になると、端子16の電圧が、
“Low”レベルになり、バッテリーが過放電状態であ
ることを示し、式(3)の過充電検出電圧VKAJ以上
になると、端子17の電圧が“High”レベルにな
り、バッテリーが過充電状態であることを示す。
【0045】 VKAH=(R1+R2+R3 )×Vref/(R2+R3 ) ・・・(2) VKAJ=(R1+R2+R3 )×Vref/(R3 ) ・・・(3) すなわち、電池の特性に合うように、R1 〜R3 の値、
及びVrefの値を設定することで、VKAH、VKAJ
は任意に設定することが可能である。過充電検出回路の
誤差増幅器13は、パワーON/OFF機能を持ち、過
放電検出回路の誤差増幅器12の出力が、“Low”レ
ベルの時、パワーOFFとなり、“High”レベルの
時、パワーONとなる。パワーOFF時は誤差増幅器1
3は、動作させずに消費電流をカットし、出力端子17
は“Low”レベルに固定する。すなわち、誤差増幅器
13は、誤差増幅器12の出力によって動作を制御され
ている。
【0046】過放電検出電圧VKAHと過充電検出電圧
VKAJは、式(2)、(3)より、式(4)の関係が
ある。 VKAH < VKAJ ・・・(4) すなわち、過放電を検出している状態では、必らず過充
電状態ではなく、過充電検出回路の誤差増幅器13を動
作させる必要はない。従って、本発明が可能となる。
【0047】図7にパワーON/OFF機能を有する誤
差増幅器の回路例を示す。入力端子61、62に各々、
分割電圧と基準電圧が入力される。動作制御端子63に
“High”レベルの電圧が入力された期間中、誤差増
幅の動作を実行する構成となっている。過放電状態とな
ることで、端子16の電圧が“Low”レベルとなり、
トランジスタM1、M2がOFFして、消費電流がカッ
トされ、かつ、トランジスタM3、M4がONして出力
端子17を“Low”レベルに固定する。
【0048】次に、図8を用いて本発明の別の実施例を
説明する。バッテリー接続端子14、15に対して、基
準電圧発生回路11と、第1の誤差増幅器(M11、M
12、M13及びM14から構成)と、第2の誤差増幅
器(M16、M17、M18及びM19から構成)とト
ランジスタM15から構成されている。第1及び第2の
誤差増幅器には入力として基準電圧発生回路11からの
出力が各々トランジスタM14,M18に入っている。
また、図8には記載されていないが、分割電圧手段より
得られたバッテリーの分割電圧が同様にトランジスタM
13とM19に入力b、dとして入っている。バッテリ
ー充放電状態を示す信号は各々の誤差増幅器の出力aと
cより出力されている。
【0049】図8においては、第1及び第2の誤差増幅
器の両方の消費電流を制限するために、電流制限手段と
して電流制限トランジスタM15が各々の誤差増幅器に
対して直列接続されている。この電流制限トランジスタ
M15によって、第1及び第2の誤差増幅器の消費電流
の合計は、1個の誤差増幅器の消費電流並みに減少でき
る効果がある。
【0050】次に、図9を用いて複数個の誤差増幅器を
1個の多入力タイプの誤差増幅器に集約する実施例を説
明する。図10に2個のバッテリーを直列に接続した時
のバッテリー充電制御回路図を示す。バッテリー18、
19に対してそれぞれ図6の回路が配置されている。図
8に示した誤差増幅器を構成しているトランジスタM1
2、M14と次段の誤差増幅器を構成しているトランジ
スタM16、M18の対は、同一構成の増幅回路なので
一方のトランジスタ対を省略すると、図9に示す回路と
なる。図9は、誤差増幅手段として2入力タイプの誤差
増幅器の回路及び基準電圧回路の図である。
【0051】図9においては、N1、N2、N3、N
4、N5に着目すると、N5が定電流源N1、N2がア
クティブブロード、N3、N4がソースカップルドペア
になっている誤差増幅器であり、N3ゲート入力電圧
(b)とN4ゲート入力電圧(基準電圧)を比較(又は
増幅)して出力をaに得ることができる。
【0052】N1、N2のゲート、ソース間電圧が同じ
ことからN1、N2に流れる電流、すなわち、N3、N
4に流れる電流はいつでも同じであると考えられる。し
たがって、N4のゲート入力電圧(基準電圧)よりN3
のゲート入力電圧(b)が高ければ、N3はN4よりも
よりONし、N3の抵抗成分が減少し、出力aはLow
側に下がる。又、N4のゲート入力電圧(基準電圧)よ
りN3のゲート入力電圧(b)が低ければ、N3はN4
よりもよりOFFし、N3の抵抗成分が増し、出力aは
High側に上がる。
【0053】同様にして、N2、N6、N4、N7、N
5に着目すると、N5が定電流源、N2、N6がアクテ
ィブロード、N4、N7がソースカップルドペアになっ
ている従来の誤差増幅器であり、N7ゲート入力電圧
(d)とN4ゲート入力電圧(基準電圧)を比較(又は
増幅)して出力をcに得ることができる。
【0054】N2、N6のゲート、ソース間電圧が同じ
ことからN2、N6に流れる電流、すなわち、N4、N
7に流れる電流はいつでも同じであると考えられる。し
たって、N4のゲート入力電圧(基準電圧)よりN7の
ゲート入力電圧(d)が高ければ、N4はN4よりもよ
りONし、N7の抵抗成分が減少し、出力cはLow側
に下がる。又、N4のゲート入力電圧(基準電圧)より
N7のゲート入力電圧(d)が低ければ、N7はN4よ
りもよりOFFし、N7の抵抗成分が増加し、出力cは
High側に上がる。
【0055】したがって、同一基準電圧に対し異なる電
圧を比較(又は増幅)する場合、基準電圧をN4のゲー
トに、他の電圧をそれぞれN3、N7のゲートに入力す
ることにより基準電圧を比較(又は増幅)した出力をそ
れぞれa、cに得ることができる。
【0056】また、誤差増幅器の消費電流を決めている
電流制限トランジスタであるN5のトランジスタは共通
に使用されるため、2個の誤差増幅器の働きを有する誤
差増幅手段に対して1個分の誤差増幅器の消費電流で駆
動することができる。本発明はNchトランジスタ入力
タイプの誤差増幅器で説明したが、Pchトランジスタ
入力タイプの誤差増幅器でも適用できる。
【0057】(実施例3)以下に、本発明の実施例3を
図面に基づいて説明する。図11は、本発明の充放電制
御回路の回路ブロック図である。二次電池として2本の
電池111と112が充放電制御回路の電源端子+VB
と−VBとの間に直列に挿入されている。電池111の
電圧は電圧分割回路113により分割され、その分割電
圧を過充電及び過放電用電圧検出回路115で検出して
いる。電圧検出回路115の出力は制御回路117に入
力されている。制御回路117は各々の電池が過充電状
態または過放電状態の時に、二次電池と電源の外部端子
との間をOFFする信号VSを出力する。したがって、
制御回路117は、論理回路だけで構成されている。ま
た電池112に対しても同様に電圧分割回路114と電
圧検出回路116により過充電状態及び過放電状態を検
出する構成になっている。その検出結果はディジタル信
号で制御回路117に同様に入力されている。したがっ
て、制御回路117は電池111及び112のいずれか
一つの電池が過充電または過放電状態になると電池と外
部電源との電気接続を切って過充電及び過放電の進行を
止める働きをする。二つの電池の充電特性および放電特
性は全く同じでないので、別々に過充電・過放電を検出
制御する必要がある。
【0058】バッファ118は、各々の電池の接続中、
電位VIを外部に信号Bとして出力するための回路であ
る。電池間の充放電のバランス状態を信号Bにより検出
できる。バッファ回路118は接続点の電位VIから外
部に電流が消費しないように設けられている。バッファ
回路のさらに具体的な回路図を図12に示す。バッファ
回路は二次電池+VB,−VB両方から電源供給されて
いる。バッファ回路は、その構成要素である演算増幅器
に、接続点電位VIがトランジスタ92と93に入力さ
れる。この接続点電位VIはほぼ二次電池電源全体の中
間の電位となる。したがってトランジスタ92及び93
には大きな電流が流れる。そこで、トランジスタ92及
び93に直列に電流カット用のスイッチトランジスタ9
1を接続してある。この電流カット用トランジスタ91
は、過放電状態にOFFするように制御回路からゲート
電極95を介して制御されている。定電流回路94はバ
ッファ回路の安定動作のために挿入されている。
【0059】以上説明したように、過放電状態にある時
に中間電位を入力としたバッファ回路を動作静止するこ
とで、充放電制御回路の消費電流を減少できる。また、
電流カット用トランジスタ91の挿入により、バッファ
回路が動作してない時には端子Bから独立の信号を出す
ことができる。例えば、B端子から過放電状態、通常状
態または過充電状態を知らせる信号を出すことができ
る。通常状態では、二つの電池の接続電位が出力され
る。過放電または過充電状態には、B端子をプルアップ
またはプルダウン接続しておくことにより、その状態を
+VBまたは−VBのディジタル信号レベルで出力する
ことができる。すなわち、バッファ回路に挿入した電流
カット用トランジスタはバッファ回路の電流をカットす
るだけでなく、端子Bから異なる種類の信号を出力させ
る機能を有している。
【0060】(実施例4)以下に、本発明の実施例4を
図面に基づいて説明する。図13は、本発明の充放電制
御回路の回路ブロック図である。充電される二次電池が
電源端子−VBと+VBに接続する。電源端子−VB、
+VBには、二次電池の電圧を分割する電圧分割回路で
ある電圧分割抵抗1と、電圧分割抵抗1の分割電圧を検
出する電圧検出回路であるコンパレータ52、53と、
コンパレータ52及び53の出力信号を受けて最終的な
制御信号VS を出力する制御回路4とがそれぞれ並列に
接続されている。
【0061】電圧検出回路は、過充電用電圧検出回路と
過放電用電圧検出回路との2つの電圧検出回路から構成
されている。過充電用電圧検出回路は基準電圧源VRと
抵抗R1とR2との間の分割電圧とを入力とするコンパ
レータ回路52で構成されている。過放電用電圧検出回
路は、基準電圧源VRと抵抗R2とR3との間の分割電
圧とを入力とするコンパレータ回路53で構成されてい
る。電圧分割抵抗1のR1、R2、R3の抵抗値は、過
充電の時にコンパレータ52の出力が反転し、過放電の
時にはコンパレータ回路53の出力が反転するように基
準電圧源VRと関係して設計されている。過充電領域又
は過放電領域に二次電池の電圧がなると各々のコンパレ
ータ回路の出力が反転して制御回路4に入力される。制
御回路4は、そのコンパレータ回路52及び53からの
信号を受けて、過充電又は過放電がさらに進まないよう
に、電源装置のスイッチ回路をOFFするような出力V
Sをスイッチ回路へ出力する。図13のように基準電圧
VRは過充電用及び過放電用コンパレータ回路の両方に
用いられている。
【0062】図14は、基準電圧源の回路図である。電
圧が変動する二次電池を電源として、例えば、エンハン
スタイプのN型絶縁ゲート型電界効果トランジスタ61
とディプレィションタイプのN型絶縁ゲート型電界効果
トランジスタ62とが直列に接続している。互いのゲー
ト電極は互いの接続ターミナルに接続している。接続タ
ーミナルから−VBを基準にして各々のトランジスタの
閾値電圧差に対応する二次電池電圧変動に依存しない一
定電圧Vrefが出力される。基準電圧源は図14の例に
限らず、二次電池のエネルギーを消費する。従って、図
13のように基準電圧源を両方の電圧検出回路で兼ねて
用いることにより、別々に基準電圧源を設けた回路に対
して、部品数の削減だけでなく消費電流を削減できる。
充放電制御回路の消費電流は二次電池の寿命を決める重
要なパラメータである。特に、二次電池の電圧が低下し
た過放電状態の場合には、二次電池の電圧は消費エネル
ギーとともに急に寿命が低下してしまう。従って、充放
電制御回路を最低限の電流で機能させることが寿命の長
い充電式電源装置をつくるポイントであった。
【0063】図15は、二次電池が2つの電池71と7
2とが直列接続して用いられる場合の充放電制御回路の
回路ブロックを示している。図15に示す実施例のよう
に、二次電池が複数の電池から構成されている場合は、
各々の電池の電圧を独立に電圧検出するとともに充放電
圧制御する回路にする必要がある。一般に電池の電圧
は、電池の構成物質の物質で決まる。従って、電源で機
能する機器が高い電圧を必要とする場合には、図15の
ように電池を直列接続して高電圧化を図ることが多い。
図15のように、互いの電池71及び72に対して、図
13に示した充放電制御回路が接続されている。共通の
回路である制御回路79は、コンパレータ75、76、
77及び78からの信号を受けて、スイッチ回路制御用
の信号VSを出力する。
【0064】図15の回路において、各々の電池71と
72は、グランド電圧レベルGに対して正電圧側+VB
と負電圧側−VBの電圧となっている。従って、図15
に示すように2つの電池71と72を直列接続した場合
は、各々の電圧検出を+VB及び−VBからの電圧で検
出することが好ましい。電池71の電圧検出回路である
コンパレータ75、76には、+VBを基準とする基準
電圧源VR1が入力されている。一方、電池72の電圧
検出回路であるコンパレータ77、78には、−VBを
基準とする基準電圧源VBが入力されている。基準電圧
源VR1及びVR2は、その基準が+VB、−VBと異
なっている。一般的には、電池の充放電制御を目的とす
る場合、その過充電及び過放電の電圧は同じである。従
って、基準は異なるが、その各々の基準に対しては同じ
値を得る基準電圧源を必要とする。
【0065】図16は、+VB及び−VBから等しい一
定電圧を出力する基準電圧回路の例である。図14に示
した基準電圧回路に、さらにもう1つのエンハンス型絶
縁ゲート電界効果トランジスタを直列に接続した回路で
ある。即ち、図16のトランジスタ82と83の結線
は、図14の基準電圧回路と同じになって、さらに、ト
ランジスタ81が追加接続されている。この回路におい
ては、各々のトランジスタの接続点からVR1及びVR
2が出力される。VR1は+VBに対して一定電圧Vre
fを出力する。また、VR2は−VBに対して同じ一定
電圧Vrefを出力する。従って、図16の基準電圧回路
は、消費電流を増加せずに2つの一定電圧を出力するこ
とができる。図16のような1つの基準電圧回路(電流
通路が+VBと−VBとの間に1通りしかない)で、図
15のVR1及びVR2を形成すれば、二次電池が複数
の電池で構成されている場合でも充放電制御回路の消費
電流を増加させないで形成できる。
【0066】以上、説明したように本発明は今まで電圧
検出用のコンパレータ回路の数必要としていた基準電圧
源を1つの回路で兼ねた構成とした。本発明の充放電制
御回路は、その構成上コンパレータ回路が複数個必要で
あり、さらに、二次電池の寿命向上のために低消費電流
化が最も重要なパラメータである。従って、本発明は簡
略した充放電制御回路から発明され、その効果も大きい
ものである。
【0067】また、本発明に用いた共通の定電圧回路に
電流カット用のトランジスタを直列に接続し、そのトラ
ンジスタを制御回路から制御して電流カットすれば、さ
らに低消費電流化を達成できる。この場合も定電流回路
が1つであるために回路を複雑にせずに達成できる。
【0068】(実施例5)図17は、本発明の充放電制
御回路の手段2における実施例1の回路ブロック図であ
る。この充放電制御回路は、電源装置に応用した場合に
は、その二次電池を電源として動作する。即ち、二次電
池が電源端子−VB、+VBに接続して電源を供給す
る。
【0069】電源には、電源電圧を分割する電源電圧分
割手段の電圧分割抵抗1と、電源電圧分割手段の二つの
出力電圧を各々電圧検出する電圧検出回路2及び3と、
各々の電圧検出回路2及び3の出力信号により最終的な
制御信号VSを出力する制御回路4とが互いに並列に接
続されている。
【0070】電圧検出回路2及び3は、具体的には図3
に示したような電源端子−VBに対する基準電圧源42
と電圧分割抵抗の出力とを入力とするコンパレータ回路
41とから形成されている。電圧検出回路2が過充電検
出用であり、電圧検出回路3が過放電検出回路である。
電源電圧分割回路1と電圧検出回路2とにより、電源で
ある二次電池の過充電を検出する過充電電圧検出回路を
構成している。また、電源電圧分割回路1と電圧検出回
路3とにより電源である二次電池の過放電を検出する過
放電電圧検出回路を構成している。本発明の場合、各々
の電圧検出回路に入力される電源分割回路1は別々に設
けられてもよい。図17の場合は、電源分割回路1は、
互いの電圧検出回路に共通に設けられている充放電制御
回路の例である。制御回路4は、各々の電圧検出回路2
及び3から二次電池の過充電及び過放電に関する信号を
入力して、電源装置のスイッチ回路をONまたはOFF
するための信号VSを出力する。
【0071】例えば、端子−VBと+VBとの間に接続
されている二次電池にスイッチ回路を介して充電電源が
接続されて、二次電池が充電されている場合について説
明する。充電状態においては、二次電池の両端の電圧−
VB、+VBは少しずつ増加する。二次電池が過充電状
態になると過充電用電圧検出回路2の出力信号が反転す
る。この過充電状態を認識する電圧は二次電池によって
異なる。例えば、リチウムイオン電池の場合は、4.3
Vと設定されている。即ち、過充電用電圧検出回路2の
出力は、電圧分割回路1の分割回路とから二次電池の電
圧が4.3Vにまで充電されると反転するように設計さ
れている。電圧検出回路2から出力された反転信号は、
電圧分割回路1にフィードバックされている。即ち、電
圧検出回路2の信号は、電圧分割回路1の分割電圧を制
御する分圧制御トランジスタ175のゲート電極に入力
されている。電圧検出回路2の反転した出力信号によ
り、すぐに分圧制御トランジスタ175がONして分割
電圧をさらに大きくして安定して電圧検出回路2が反転
信号を出力できるように動作する。分圧制御トランジス
タ175がONすることにより、二次電池の電圧が例え
ば、4.0Vと低く変動しても、抵抗R1の電圧は電圧
検出回路2が充分反転するレベルになっている。
【0072】以上説明したように、電圧分割回路1と過
充電用電圧検出回路とから構成されている過充電検出回
路において、過充電を検出後、その検出信号で過充電検
出電圧を低い値に再設定することにより安定した過充電
検出を行う構成となっている。低い値に再設定した後
に、制御回路4からスイッチ回路をOFFする信号VS
を出力する。スイッチ回路をOFFすることにより、二
次電池の電圧は充電電流とその電池の内部抵抗との積に
対応した電圧だけ減少し、リチウムイオン電池固有の化
学ポテンシャルによって生ずる電圧のみとなる。すなわ
ち、内部抵抗による電圧降下分減少する。しかし、その
前に過充電検出電圧は、4.3Vから4.0Vへの減少
再設定しているために電圧検出回路2の出力は過充電を
検出したままとなる。したがって、過充電再設定の減少
電圧0.3V(4.3V−4.0V)は、充電時の二次
電池の内部抵抗による電圧降下より大きく設定しておく
必要がある。一般的には初期設定電圧と再設定電圧の差
の電圧は、0.2Vから0.5Vの間である。0.5V
以上に設定すると過充電範囲が広くなり、通常状態での
使用範囲が狭くなる。即ち、寿命が短くなってしまう。
【0073】図18は、各回路の信号のタイミングを示
した図である。過充電の検出電圧aは、過充電電圧4.
3Vに二次電池が充電されるとともに、4.2Vに減少
再設定される。4.3Vから4.2Vに減少するため
に、分割電圧制御トランジスタ175が設けられてい
る。分割電圧制御トランジスタ175のゲート電圧に
は、電圧検出回路2の出力がフィードバックされてい
る。即ち、二次電池の電圧が4.3Vになると、電圧検
出回路2の出力は+VBから−VBに反転する。分圧制
御トランジスタ175に−VBの電圧が入力される。分
圧制御トランジスタ175はONし、ブリーダ抵抗の分
割比が変化して、過充電検出ポイントの電圧が4.3V
から4.2Vへと低い値に再設定される。制御回路4の
出力信号Vs は、再設定後Δtの時間を過ぎて+VBか
ら0Vと変化することによりスイッチ回路をONからO
FFに変更する信号を出力する。Δtを形成するために
は、電圧検出回路2の出力を遅延回路によって信号を遅
くずらすことによって可能となる。
【0074】以上、過充電検出において説明した。過放
電においても同様な構成にすることによって安定動作す
ることができる。過放電の場合には再設定レベルを過充
電とは逆に増加させる方向に設定する。 (実施例6)以下に、本発明の手段2における実施例2
を図面に基づいて説明する。
【0075】図19は、本発明の充放電制御回路の手段
2における実施例2回路ブロック図である。この充放電
制御回路は、電源装置の場合に応用した場合には、その
二次電池を電源として動作する。即ち、二次電池が電源
端子−VB、+VBに接続して電源を供給する。電源に
は電源電圧を分割する電源電圧分割手段の抵抗1と、電
源電圧分割手段の二つの出力電圧を各々電圧検出する電
圧検出回路2及び3と、各々の電圧検出回路2及び3の
出力信号を時間的に遅延させる遅延回路191及び19
2と、遅延回路191及び192の出力信号により最終
的な制御信号VBを出力する制御回路4とが互いに並列
に接続されている。
【0076】電圧検出回路2及び3は、具体的には図3
に示したような電源端子−VBに対する基準電圧源42
と電圧分割抵抗1の出力とを入力するコンパレータ回路
41とから形成されている。電圧検出回路2が過充電検
出用であり、電圧検出回路3が過放電検出回路である。
電圧分割抵抗1と電圧検出回路2とにより、電源である
二次電池の過充電を検出する過充電電圧検出回路を構成
している。また、電圧分割抵抗1と電圧検出回路3とに
より電源である二次電池の過放電を検出する過放電電圧
検出回路を構成している。本発明の場合、各々の電圧検
出回路に入力される電圧分割抵抗は別々に設けられても
よい。
【0077】図19の場合は、電圧分割抵抗1は各々の
電圧検出回路に共通に設けられている充放電制御回路の
例である。遅延回路191及び192は、前記電圧検出
回路2及び3が過充電あるいは過放電を検出し、出力信
号が反転した際に、時間的な遅延を発生させるための回
路である。制御回路4は、各々の遅延回路191及び1
92から、二次電池の過充電及び過放電に関する信号が
入力され、電源装置のスイッチ回路をONまたはOFF
するための信号VSを出力する。このため、制御回路4
は論理回路で構成されている。また信号VSにより、電
源装置のスイッチ回路をONまたはOFFするのである
が、スイッチ回路の入力端子に容量あるいは抵抗成分等
があっても信号VSを一定時間内に変化させる必要があ
るため、制御回路4の出力端子VSは低インピーダンス
にする必要がある。制御回路4を例えばMOSFET
(Metal-Oxide-Semiconductor-Field-Effect-Transisto
r)で実現する場合、論理回路を構成するためトランジス
タ素子数が多くなると共に、出力端子VSを低インピー
ダンスにするため最終出力段はサイズを大きくする必要
がある。このため、制御回路4が信号VSをONあるい
はOFFする際には、貫通電流を消費することになる。
制御信号4だけでなく電圧検出回路2及び3も出力反転
時には貫通電流を発生する。これらの貫通電流により、
並列接続された二次電池の電圧を降下させることもあ
る。
【0078】また、制御回路4は、遅延回路191及び
192の信号を受けて信号VSの論理を確定している。
しかし、初期の電池接続時に遅延回路191及び192
の論理が不確定であると制御回路4から出力される信号
VSは二次電池の電圧が正しく検出された論理となら
ず、スイッチ回路103が誤動作してしまう。これらの
現象が発生すると、正常な電圧値を示す二次電池を充放
電制御回路に接続しても、充電あるいは放電が強制的に
制御されてしまう。
【0079】これらの誤動作を防止するために設けられ
たのが遅延回路191及び192である。つまり、電圧
検出回路2あるいは3の信号が反転したあとに時間的遅
延を作り、制御回路4に信号を入力しているため、電圧
検出時に電圧検出回路2あるいは3と制御回路4の貫通
電流が同時に発生するのを防いでいる。また、時間的遅
延があるため、例えば充電時には、二次電池が過充電電
圧となり、電圧検出回路3が動作した後も制御回路4の
信号VSが反転するまで二次電池への充電は続けられる
ため、検出の動作はより確実となる。
【0080】さらに遅延回路は初期電源投入時の論理も
一定期間確保する構成としている。具体的には図20に
示したように電源端子+VBと−VB間でCMOSFE
Tによるインバータを形成して出力端子VOUTと電源
端子−VB間に容量205を接続している。この場合、
容量205により、入力端子VINに+VBから−VB
へ変化する信号が入力された時、出力端子VOUTに−
VBから+VBに変化する反転信号が出力されるまでに
容量205とPchトランジスタ203のインピーダン
スにより、CR回路が成立して遅延が発生する。また、
初期の電源投入時(二次電池接続の際)にも出力端子V
OUTの電圧は、容量205により+VB電圧になるま
で遅延が発生する。すなわち、初期的には−VB電圧が
一定期間保たれることになる。
【0081】図20では、入力端子VINに+VBから
−VBへ変化する際に遅延を実現しているが、入力端子
VINが−VBから+VBへ変化する際に遅延が必要な
場合は、図21のように出力端子VOUTと電源端子+
VB間に容量205を接続すればよい。遅延回路を実現
するには、図22のように定電流回路226とPchト
ランジスタ203および容量205で構成しても、図2
0の回路と同様の効果が得られる。
【0082】図22は、出力端子VOUTが+VBから
−VBへ変化する際に遅延を作る回路であり、初期電源
投入時は−VBを一定期間保っている。図23のように
すると、出力端子VOUTが−VBから+VBへ変化す
る際の遅延を発生させることが可能となる。以上のよう
に遅延回路は回路の構成により、遅延させるタイミング
と初期投入時の論理は自由に設定することができる。ま
た、遅延回路は便宜上MOSFETで記述したが、その
他の素子で実現できることは明らかである。また、これ
ら遅延回路は一例であり、他の回路を用いても課題の解
決は可能である。
【0083】本発明の充放電制御回路は電圧分割抵抗の
分割電圧のバラツキの少ない同一半導体基板上に設けら
れた集積回路に適している。 (実施例7)以下に本発明の手段2における実施例3を
図面に基づいて説明する。
【0084】図24は、本発明の充電式の電源装置の回
路ブロック図である。従来の電源装置の回路と異なるの
は、端子−VBOの電圧が充放電制御回路102に加え
られた点である。図25が本発明の充放電制御回路の回
路ブロック図である。この充放電制御回路は、電源装置
に応用した場合には、その二次電池を電源として動作す
る。即ち、二次電池が電源端子−VB、+VBに接続し
て電源を供給する。また本発明で新たに用意した端子V
eは、電源装置の外部端子−VOに接続される。電源に
は電源電圧を分割する電源電圧分割手段の電圧分割抵抗
1と、電源電圧分割手段の二つの出力電圧を各々電圧検
出する電圧検出回路2及び3と、電圧検出回路2及び3
の出力信号により最終的な制御信号VSを出力する制御
回路4とが互いに並列に接続されている。
【0085】本発明の場合、各々の電圧検出回路に入力
される分割電圧を発生するための電圧分割抵抗は別々に
設けられてもよい。図25の場合は電圧分割回路1は、
各々の電圧検出回路に共通に設けられている充放電制御
回路の例である。制御回路4は、各々の電圧検出回路2
及び3から二次電池の過充電及び過放電に関する信号と
電源装置の端子−VOの信号がVeより入力されてお
り、各々の信号により電源装置のスイッチ回路をONま
たはOFFするための信号VSを出力する。すなわち、
制御回路4は、論理回路で構成されており、電源は二次
電池となっているため二次電池が過放電状態からさらに
電圧が下がると、該制御回路4の信号VSは不安定な状
態となる。例えば、制御回路4の出力部をC−MOS(C
omplementary-Metal-Oxide-Semiconductor) インバータ
で構成した場合、+VB〜−VB間に回路を動作させる
ために充分な電圧が与えられており、入力端子VINに
−VBと同じ電位が印加されていれば出力端子VSに
は、−VBの電圧が出力される。+VB〜−VB間の電
圧がインバータの最低動作電圧以下になると出力端子V
Sは、−VBの電圧が出力されなくなる。制御回路の出
力端子VSは、電源装置のスイッチ回路に接続されるた
め、制御回路の最低動作電圧以下では、電源装置の充放
電の制御が不可能である。この場合には、次のような不
都合が生じる。
【0086】つまり、図2のような電源装置で二次電池
101が充放電状態となり、スイッチ回路103をOF
Fして外部負荷へのエネルギー供給をストップさせる。
しかし、二次電池101は充放電制御回路102に接続
されているため、該充放電制御回路102の消費電流分
だけは消費することになり、過放電状態へ移行した後か
なりの時間を経過してから二次電池は制御回路4の最低
動作電圧以下となり、図25に示された制御信号VSは
不安定となる。電源装置が一度この状態になってしまう
と一次電源から充電を試みても、スイッチ回路は不安定
動作であるため、最悪の場合充電が不可能となる。そこ
で、これを解決するために本発明では、図25の制御回
路4の出力部を図26のような構成とした。C−MOS
インバータの電源は+VB〜Ve間の電圧であり、端子
−VBの電位によっても出力端子VSの電圧が制御され
る構成となっている。
【0087】図24に示したように端子+VBは、二次
電池の+端子、端子−VBは二次電池の−端子、端子V
eは電源装置の外部端子−VOに各々接続されている。
電源装置が放電を行っている際は、図24においてスイ
ッチ回路103がONしているため、端子Aと端子−V
Oの電位は、ほぼ等しくなる。これは図26の出力回路
では、+VB〜Ve間に二次電池の電圧が印加されてお
り、端子−VBには端子Veとほぼ同じ電位が加えられ
ており、Nchトランジスタ269又はカットオフされ
ており、出力端子VSの出力は端子VINの電圧により
制御されることになり、従来のCMOSインバータと同
じ動作をする。二次電池の電圧が低下して図26の回路
の最低動作電圧以下になると出力端子VSの信号は不安
定になるが、一次電源から充電する際には安定した動作
を示す。充電を行う際は図24の端子+VO〜−VO間
に二次電池の電圧より大きな電圧が印加される。この時
二次電池の+端子Bと充電器の+電圧が印加される外部
端子+VOは共通であるため、二次電池の−端子Aより
も外部端子−VOは低くなる。この状態になると図26
において+VB〜Ve間に充電器から電圧が印加され、
+VB〜−VB間の電圧差が小さいため、Nchトラン
ジスタ269がONしてC電位は端子Veの電位と同じ
くなり、出力端子VSの信号は+VBと等しくなる。こ
れは、充電器を接続した際に二次電池の電圧が低くても
制御回路の出力端子VSは、+VB電位と同じくなるこ
とになり、スイッチ回路の制御は確実に行われる。
【0088】制御回路4の出力部のC−MOSインバー
は充電器の電圧(+VBB〜Ve間電圧)に比べて二
次電池の電圧(+VB〜−VB間電圧)が小さいとNc
hトランジスタ269をONする働きをしている。イン
バータ回路266のしきい値電圧(反転電圧)は、Pc
hトランジスタあるいはNchトランジスタのサイズ等
により変更が可能であり、これを制御回路4の最低動作
電圧以上に設定することで今まで説明してきた動作は確
実に行われる。
【0089】本発明の制御回路の出力部を便宜上CMO
Sで記述したが、その他の素子でも実現できることは明
らかである。また出力部の回路は他の回路を用いても課
題の解決は可能である。本発明の充放電制御回路は電圧
分割抵抗の分割電圧のバラツキの少ない同一半導体基板
上に設けられた集積回路に適している。
【0090】(実施例8)以下に、この発明手段2にお
ける実施例4を図面に基づいて説明する。図27は、本
発明の充放電制御回路の実施例4の回路ブロック図であ
る。この充放電制御回路は、電源装置の場合に応用した
場合には、その二次電池を電源として動作する。即ち、
二次電池が電源端子−VB、+VBに接続して電源を供
給する。
【0091】電源には、電源電圧を分割する電源電圧分
割手段の電圧分割抵抗1と、電源電圧分割手段の二つの
出力電圧を各々電圧検出する電圧検出回路2及び3と、
各々の電圧検出回路2及び3の出力信号により最終的な
制御信号VSを出力する制御回路4とが互いに並列に接
続されている。電圧検出回路2が過充電検出用であり、
電圧検出回路3が過放電検出回路である。電圧分割抵抗
1と電圧検出回路2とにより、電源である二次電池の過
充電を検出する過充電電圧検出回路を構成している。ま
た、電圧分割抵抗1と電圧検出回路3とにより電源であ
る二次電池の過放電を検出する過放電電圧検出回路を構
成している。本発明の場合、各々の電圧検出回路に入力
される電圧分割抵抗1は別々に設けられてもよい。図2
7の場合は、電圧分割抵抗1は、互いの電圧検出回路に
共通に設けられている充放電制御回路の例である。制御
回路4は、各々の電圧検出回路2及び3から二次電池の
過充電及び過放電に関する信号を入力して、電源装置の
スイッチ回路をONまたはOFFするための信号VSを
出力する。
【0092】図28は、電圧検出回路2または3のコン
パレータ回路に入力される基準電圧を発生する基準電圧
回路の回路図である。二次電池の電圧が基準電圧回路の
両端に印加されている。基準電圧回路はトランジスタ2
01とトランジスタ202との接続点から二次電池の電
圧変動に依存しない基準電圧VRを出力する回路であ
る。トランジスタ201はディプリッション型のMOS
電界効果トランジスタであり、トランジスタ202はエ
ンハンスタイプのMOS電界効果トランジスタである。
トランジスタ201及び202共に同じ導電型のN型ト
ランジスタである。基準電圧出力端子に両方のゲート電
極が接続されている。
【0093】さらに充放電制御回路を構成している半導
体集積回路がCMOS回路で形成されている場合、電源
にプラス・マイナス逆接続されると充放電制御回路がラ
ッチアップしてしまう。ラッチアップした時に、基準電
圧回路の出力を二次電池の中間電位に設定する手段とし
て、基準電圧出力端子VRに中間電位設定手段を設けて
ある。図28の実施例においては、電圧分割抵抗の中間
分圧出力IN2をダイオード283を介して接続してあ
る。中間分割出力IN2 は、二次電池+VB、−VB
の間のほぼ中間の値に設定されている。従って、充放電
制御回路がラッチアップしてしまった時に、基準電圧出
力は中間分圧出力IN2からダイオード283の順方向
電圧である約0.6V減少した値となる。この値は、ほ
ぼ二次電池の電圧の中間電圧であるために、電圧検出回
路は、制御回路4を介してスイッチ回路がOFFするよ
うに信号を出力する。
【0094】図28に示した実施例の場合は、電圧検出
回路の基準電圧回路の出力を中間電位に設定する手段を
設けることにより、ラッチアップによるスイッチ回路の
誤動作を防止した例である。ラッチアップによってスイ
ッチ回路がOFFすれば暴走を防ぐことができる。した
がって、制御回路4の出力そのものがラッチアップした
時にスイッチ回路がOFFするように構成されてもよ
い。
【0095】本発明は、電源が逆接続した時にラッチア
ップにより誤動作してしまうCMOSICにとって必要
不可欠である。 (実施例9)以下に、この発明の手段2における実施例
5を図面に基づいて説明する。図29は、本発明の手段
2における充放電制御回路の実施例5回路ブロック図で
ある。図29において、外部端子−VO、+VO、スイ
ッチ回路103、電流センス用抵抗104、二次電池1
01、基準電圧回路106、トランジスタ107、定電
流源108、コンデンサ109、プルダウン用高抵抗1
11は図30と同様である。
【0096】コンパレータ21は、図30と同様に前述
の(1)式で示される電流を超えると、出力は“H”→
“L”となり、トランジスタ107をOFFし、定電流
源108によってコンデンサ109を充電する。コンデ
ンサ109の電圧が基準電圧106の電圧値VREF より
も高くなると、コンパレータ22の出力は“H”→
“L”になり、スイッチ回路103をOFFする。この
時、コンパレータ22は、ラッチ機能があり、コンパレ
ータ22の出力が“L”になることによって、この状態
を保持する。
【0097】また、このラッチ機能はコンパレータ21
の出力によって解除される。図31に、ラッチ機能付コ
ンパレータの回路図を示す。プラスの入力端子313よ
りも、マイナスの入力端子314の電圧が高くなると、
出力端子315の電圧は“L”となる。この時、インバ
ータ317の出力が“H”となり、マイナス側の入力を
“H”にする。これによって、プラスの入力端子の電圧
が多少変動してもラッチ機能付コンパレータ22の出力
は“L”にラッチされる。
【0098】負荷が接続されている間は、スイッチ回路
103がOFFするため、コンパレータ21のマイナス
側の入力端子は、ビデオなどの電子機器に接続されてい
る負荷によって+VOにプルアップされ、過電流状態が
保持される。その後、負荷がはずされるとプルダウン用
高抵抗111によって、コンパレータ21のマイナス入
力電圧は“L”に下げられるので、コンパレータ21の
出力は “H”となる。この“H”の出力でラッチ機能
付コンパレータ22のラッチ解除端子316を“H”に
するため、ラッチ機能付コンパレータ22の出力は
“H”となり、ラッチは解除される。
【0099】図29おいては、過電流検出回路は、外部
端子−VOとスイッチ回路103との間に設けられた過
電流検出用抵抗104の両端の電圧を検出するための電
圧検出器と、その電圧検出器の出力を時間的に遅延する
ための遅延回路と、その遅延回路の出力を電圧検出する
ラッチアップ機能付電圧検出回路から構成されている。
電圧検出回路は、基準電圧発生回路106とコンパレー
タ回路21により構成されている。遅延回路は、定電流
源108とコンデンサ109とトランジスタ107とに
より構成されている。今までの説明では、充放電制御回
路102と過電流検出回路105とを別々に構成したも
のとして説明した。
【0100】しかし、充放電制御回路が、本発明の実施
例で説明した充放電制御回路102と過電流検出回路1
05とを両方含む構成になっているということもでき
る。 (実施例10)図32は、本発明の充放電制御回路の手
段3における実施例1を示す回路ブロック図である。こ
の充放電制御回路は、電源装置に応用した場合には、そ
の二次電池を電源として動作する。即ち、二次電池が電
源端子−VB、+VBに2個直列に接続され、電源とし
て供給される。電源には、電源電圧を分割する電源電圧
分割手段の電圧分割抵抗1と、電源電圧分割手段の出力
電圧を電圧検出する電圧検出回路2が接続されている。
【0101】電圧検出回路2は、具体的には図34に示
したような電源端子−VBに対する基準電圧源43と電
圧分割抵抗1の出力とを入力とするコンパレータ回路4
4とから形成されている。電圧分割抵抗1と電圧検出回
路2とにより、電源である二次電池の和電圧を検出する
回路を構成している。電圧検出回路2は、電源装置のス
イッチ回路をONまたはOFFするための信号VSを出
力する。
【0102】本発明の充放電制御回路は、電圧分割抵抗
1の分割電圧のバラツキの少ない同一半導体基板上に設
けられた集積回路に適している。また、本発明は3個以
上直列にされた二次電池の場合にも適用できることは明
白である。以上説明したように、二次電池で構成する各
々の電池の和の電圧を各々検出することにより、各々の
電池の電圧が片ベリが生じた状態においても最適な充放
電制御が可能になる。そのために、二次電池の寿命の向
上を図ることができる。
【0103】(実施例11)以下に、この発明の手段3
における実施例2を図面に基づいて説明する。図33
は、本発明の手段3における実施例2の充放電制御回路
の回路ブロック図である。電圧検出回路3は二次電池6
の過充電検出電圧V1を、電圧検出回路5は二次電池7
の過充電検出電圧V2をそれぞれ検出し制御回路8によ
って出力信号VSとして出力される。これと同時に電圧
検出回路2により二次電池6の電圧を検出するが、この
検出電圧V3は、前記過充電検出電圧V1より小さい電
圧とする。また同様に、電圧検出回路4により、二次電
池7の電圧を検出するが、この検出電圧V4は前記過充
電検出電圧V2より小さい電圧とする。これらの電圧検
出回路2と4の出力信号は、前記電圧検出回路5と3に
それぞれ入力され、電圧検出回路5と3の過充電検出電
圧V2とV1の電圧値を変化させるものである。
【0104】具体的には、端子+VBと−VBに外部よ
り充電器が接続され、二次電池6と7を充電する場合に
おいて、電圧検出回路3と5の本来の過充電検出電圧V
1及びV2を4.2Vとする。しかし、仮に二次電池6
に異常が起こり、その充電性能が著しく劣化した場合に
は二次電池7だけが充電され、両者の電圧値の差が大き
くなる。これを防止するため、電圧検出回路2の検出電
圧V3を3.2V程度に設定しておくと、二次電池6の
電圧が劣化により3.2Vを超えない場合には電圧検出
回路5の検出電圧V2を4.2Vより低い値にし、超え
た場合には本来の検出電圧値4.2Vに設定する。この
設定を電圧検出回路2の出力信号により行うものであ
る。
【0105】同様に、電圧検出回路4の出力信号によ
り、二次電池7の劣化をモニターし、二次電池7の電圧
が劣化により3.2Vを超えない場合には、電圧検出回
路3の検出電圧V1を4.2Vより低い値にし、超えた
場合には本来の検出電圧値4.2Vに設定する。この設
定を電圧検出回路4の出力信号により行うものである。
【0106】なお、説明において、3.2Vと4.2V
を例に用いたが、これらの値は電池特性に依存し、当然
この値に限定されるものではない。図35に、図33の
ブロック図を実現するための具体的回路を示す。電圧検
出回路4の出力は、抵抗R3の一部に並列に接続された
トランジスタ9のゲートに入力され、このトランジスタ
9をONまたはOFFすることにより、電圧検出回路3
の過充電検出電圧値V1を変化させることができる。
【0107】同様に電圧検出回路2の出力は、二次電池
7に並列に接続されている抵抗の一部に並列に接続され
ているトランジスタ10をONまたはOFFすることに
より、電圧検出回路5の過充電検出電圧V2を変化させ
ることができる。 (実施例12)以下に、この発明の手段3における実施
例3を図面に基づいて説明する。
【0108】図36は、本発明の充電式電源装置とその
ための充放電制御回路のブロック図を示す。外部端子+
V、−Vに対して二次電池101、二次電池の電圧を検
出するための電圧検出回路2及びスイッチ回路5のイン
ピーダンスを制御するための制御回路3が各々並列に接
続されている。二次電池101と外部端子−Vとの間に
はスイッチ回路5が直列接続されており、外部端子と二
次電池101との電気接続を電気的制御によって行って
いる。制御回路3は電圧検出回路2の出力を入力論理処
理してスイッチング回路5をON又はOFFする信号を
出力する。
【0109】例えば、外部端子に充電するための電源が
接続されて、その電源から二次電池101を充電してい
る場合、二次電池101の電圧が過充電電圧レベル以上
になると、電圧検出回路2の信号が反転して制御回路3
に入力される。制御回路3からスイッチ回路5がOFF
する信号が出力されて充電を停止させる。逆に、外部端
子+V、−Vにビデオカメラ等の電力を消費する電子機
器が接続されて、二次電池101から電力が電子機器に
供給されている場合、二次電池101の電圧が過放電電
圧レベル以下に低下すると、電圧検出回路2の信号が通
常電圧範囲と逆の信号に反転する。すると、制御回路3
よりスイッチ回路5がOFFするような信号が出力され
て放電をストップさせる。通常電圧範囲とは、過充電レ
ベルと過放電レベルの中間状態をいう。
【0110】以上説明した充電式電源装置において、電
圧検出回路2と制御回路3とスイッチ回路5とは同一基
板上に配置された半導体集積回路で構成できる。図38
は、本発明の充放電制御回路に用いたスイッチ回路の実
施例の回路図である。外部端子−Vと二次電池のマイナ
ス端子34との間にスイッチ回路が設けられている。ス
イッチ回路は、外部端子−Vと二次電池のマイナス端子
34との間にN型絶縁ゲート電界効果トランジスタ(以
下N型MISFETと呼ぶ)31が設けられ、そのN型
MISFETの基板と外部端子−V及び二次電池のマイ
ナス端子34との間に各々N型MISFET32とN型
MISFET33とが設けられている。3つのN型MI
SFETのゲート電極31G、32G及び33Gは制御
回路によって制御されている。
【0111】例えば、外部端子に充電するための電源が
接続されて、二次電池を充電している場合は、トランジ
スタ31及び32はONし、トランジスタ33はOFF
している。充電が過充電状態になると、電圧検出回路の
出力が反転して、制御回路よりスイッチ回路がOFFす
るような信号が出力される。即ち、トランジスタ31及
び33がOFFしてトランジスタ32のみONを維持す
る。
【0112】外部端子にビデオカメラ等の携帯機器が接
続されて、二次電池から携帯機器へ電力が供給されてい
る場合には、図38のスイッチ回路はONするように制
御されている。即ち、トランジスタ31及び33はON
し、トランジスタ32がOFFしている。電力を供給す
ることにより、過放電状態になると、電圧検出回路の出
力信号が反転し、制御回路からスイッチ回路がOFFす
る信号が出力される。即ち、トランジスタ31及び32
はOFFし、トランジスタ33のみON状態となる。
【0113】通常状態において、充電状態または放電状
態のいずれかに動作しているかを検出するためには、外
部端子−Vと二次電池のマイナス端子34との電圧比較
を行うことにより可能となる。充電状態及び放電状態を
検出してトランジスタ32と33のインピーダンスを制
御回路により制御する。即ち、制御回路は、充電または
放電を検出する機能を有している。
【0114】以上説明した図38のスイッチ回路におい
ては、電池が流れるトランジスタはトランジスタ31の
1個だけである。従って、一般的にスイッチ回路での電
圧降下を減少するために電流駆動能力の大きなトランジ
スタが従来の半分で形成できる。本発明の充放電制御用
ICのスイッチ回路のトランジスタ32と33は電流駆
動用トランジスタ31の基板を外部端子又は二次電池の
マイナス端子のいずれか一方を選択的に接続するための
スイッチングトランジスタである。従って、その基板電
位スイッチング用トランジスタ32及び33の電流駆動
能力は小さくて良い。トランジスタ31の電流駆動能力
は一般的に数A必要であるのに対して、トランジスタ3
2及び33の電流駆動能力は、その1/1000以下と
小さく、集積化した場合は、トランジスタ32及び33
の面積は無視できる程小さい。
【0115】以上説明したように、図38に示したよう
なスイッチング回路にすることにより、電流駆動用トラ
ンジスタの電流駆動能力を従来のほぼ2倍に高めること
ができるので、同一の電流駆動能力に対して、トランジ
スタ面積を半分程度に縮小することができ、小型化を容
易にすることができる。また、各々のトランジスタの基
板の電位はNウェルで電気的に分離できる。従って、容
易に同一半導体基板に設けることができるようになる。
但し、トランジスタ31、32及び33は個別トランジ
スタで構成してもその動作には変わりなく機能する。
【0116】図39は、本発明の充放電制御用ICのト
ランジスタの断面図である。トランジスタは、シリコン
基板51の上に形成された絶縁膜52の上に形成された
単結晶シリコン膜53、54及び55を用いて形成され
ている。このように、絶縁膜の上に設けられた単結晶シ
リコン膜を有する基板を一般的にSOI基板という。S
OI基板を用いて図39のような断面図のトランジスタ
を形成する。即ち、チャネル形成領域54の両側にN型
ソース領域53とN型ドレイン領域55を設け、チャネ
ル形成領域54の上にゲート絶縁膜56を介してゲート
電極57が設けられている。図39のような構造のトラ
ンジスタにすることにより、トランジスタの基板でもあ
るチャネル形成領域54の電位を同一基板上に設けられ
たトランジスタと電気的に独立して形成することができ
る。即ち、トランジスタの基板電位を互いに電気的に分
離して形成できるので容易にスイッチ回路を有する充放
電制御用ICを実現できる。
【0117】図40は、基板であるチャネル形成領域の
電位をソース領域の電位と同電位にしたトランジスタの
平面図を示している。絶縁膜上に設けられた単結晶シリ
コン半導体膜71にN型ソース領域73とドレイン領域
72及びその間のチャネル形成領域が形成され、そのチ
ャネル形成領域の上にゲート絶縁膜を介してゲート電極
77が設けられている。ソース領域73の一部にP型ソ
ース領域74が設けられており、ソース電極75により
ソース領域73とチャネル形成領域との電位を同電位に
設定している。
【0118】図41は、図40のA−A’線に沿った断
面図である。シリコン基板61の上に絶縁膜68を介し
て単結晶シリコン半導体膜71が設けられている。単結
晶シリコン半導体膜71は、P型ソース領域64とP型
チャネル形成領域69とN型ドレイン領域62が形成さ
れている。チャネル形成領域69の上にはゲート絶縁膜
63を介してゲート電極67が設けられている。P型ソ
ース領域64及びN型ソース領域はソース電極65に接
続されている。N型ドレイン領域62はドレイン電極6
6に接続されている。
【0119】図42は、図41に示したようなトランジ
スタ構造MISFETを用いて構成した本発明の充放電
制御用ICのスイッチ回路の回路図である。外部端子−
Vと二次電池のマイナス端子80との間にSOI基板を
用いたN型MISFET81と82とが直列接続されて
いる。トランジスタ81と82の各々の基板はそれぞれ
外部端子と二次電池の端子と同電位になるように接続さ
れている。SOI基板を用いることにより、基板の電位
を各々別の電位に設定することができる。
【0120】以上のように、スイッチ回路を同一基板上
に配置した充放電制御回路を実現することができる。
【0121】
【発明の効果】本発明の充放電制御回路は、その内部に
設けられている過充電及び過放電検出回路の電圧分割抵
抗に消費電流低減用スイッチ素子を有する構成としたこ
とにより、低消費電流化を図る効果を有する。また、こ
の充放電制御回路と二次電池とスイッチ回路とにより寿
命の長い電源装置を供給できる。
【0122】また、過放電状態の時、過充電検出回路の
誤差増幅器の消費電流をカットするので、過放電状態で
のバッテリーの電力消費を小さく抑えることができ、バ
ッテリーの劣化を防ぐことができるという効果がある。
また、過充電検出回路の誤差増幅器の消費電流をカット
するので、過放電状態でのバッテリーの電力消費を小さ
く抑えることができ、バッテリーの劣化を防ぐことがで
きるという効果がある。
【0123】また、複数個のコンパレータ回路を集約す
ることができるために、ICチップサイズの縮小及び消
費電流が低減でき、安価で高性能なバッテリー充放電制
御回路を実現できるという効果がある。また、内部に設
けられている二次電池の電池間電圧検出用バッファ回路
に電流カット用トランジスタを直列接続した構成とした
ことにより、低消費電流化を図る効果を有する。特に、
二次電池の能力が急激に低下する過放電状態での消費電
流の減少を図る効果を有する。さらにこの電流カット用
トランジスタの挿入により、バッファ回路の出力端子で
ある接続した電池間電圧検出端子に、過充電・過放電及
び通常状態を示す信号を出力することができ効果があ
る。
【0124】また、内部に設けられている二次電池の過
充電検出用と過放電検出用の基準電圧源を兼ねる構成と
することにより、充放電制御回路を部品数少なく構成し
て安価に作れるだけでなく、機能的に重要な消費電流の
低減を可能にする効果がある。充放電制御回路の消費電
流の低減により、充電式電源装置の寿命の向上を図る効
果がある。また、本発明は二次電池が複数の電池で形成
される場合においても、各々の電池の電圧検出のための
基準電圧源を1つの回路で構成しているために、同様に
充放電制御回路の消費電流を低減し、充電式電源装置の
寿命向上を図る効果を有する。
【0125】また、内部に設けられている二次電池電圧
検出用の電圧分割抵抗を過充電圧検出用と過放電圧検出
用と兼ねた構成としたことにより、二次電池に並列接続
する回路を減らして消費電流の削減をする効果を有す
る。また充放電制御回路の消費電流の削減により、二次
電池の寿命の向上を図る効果を有する。また電圧分割抵
抗を過充電用と過放電用と兼ねた構成としたので、充放
電制御回路を集積化した場合、チップサイズを小さく、
安く提供できる効果がある。
【0126】この発明は、以上説明したように充放電制
御回路において、過充電または過放電を電圧検出回路が
検出するやいなや、その検出信号をフィードバックして
過充電または過放電検出レベルをより過充電または過放
電と検出するように再設定することにより、誤動作をな
くす効果がある。また、再設定後、二次電池と充電電源
との間のスイッチ回路を切り換えることにより、スイッ
チ回路のインピーダンス変更による二次電池の電圧変動
による電圧検出回路の不安定な発振を防ぐ効果がある。
【0127】また、その内部に設けられている過充電及
び過放電検出回路と制御回路の間に遅延回路を有する構
成としたことにより、検出時の誤動作を防止する効果を
有する。また、二次電池の初期接続時の誤動作をも防止
する効果を有する。この充放電制御回路と二次電池とス
イッチ回路により動作の安定した電源装置を供給でき
る。
【0128】また本発明の充放電制御回路には、電源装
置の外部端子の電圧を入力するようにして、充放電制御
回路の電源となる二次電池の電圧が、該充放電制御回路
の最低動作電圧以下となっても充電器が接続された時に
は、スイッチ回路を制御することが可能となり、二次電
池の電圧によらず確実な充電が行える電源装置を供給で
きる。
【0129】またこの発明は、以上説明したように、C
MOSICで構成された充放電制御回路において、充放
電制御回路に通常とは逆の電圧が印加された時に、制御
回路の出力がスイッチ回路をOFFするように構成する
ことにより、二次電池への電流暴走を防ぐ効果がある。
【0130】また本発明の充放電制御回路は、過電流検
出回路にラッチ機能を設けることにより、過電流検出時
の発振現象を確実に防止できるという効果がある。本発
明の充放電制御回路は、2個以上直列接続された二次電
池の和電圧が出力される端子間に電圧分割抵抗と電圧検
出回路を設けることにより、寿命の長い電源装置を供給
できる。
【0131】また、二次電池を2ケ直列接続して、充電
する場合、片方の電池に異常が起こり充電性能が著しく
劣化した場合でも、正常な電池のみが充電され、両者の
電圧値の差が大きくなるということを防ぐことができ
る。さらに、本発明の充電式電源装置及び充放電制御回
路は、スイッチ回路を含む集積回路として構成したの
で、以下に示す効果を有する (1)組み立てコストを削減できる。 (2)小型化できる。 (3)装置としての信頼性向上。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の充放電制御回路の実施例1の回路ブロ
ック図である。
【図2】従来の充電式の電源装置の回路ブロック図であ
る。
【図3】電圧検出器の回路図である。
【図4】本発明の充放電制御回路の他の実施例の回路ブ
ロック図である。
【図5】本発明の充放電制御回路の他の実施例の回路ブ
ロック図である。
【図6】本発明の実施例2のバッテリー充放電制御回路
図である。
【図7】パワーON/OFF機能を有する誤差増幅器の
回路例である。
【図8】本発明の別の実施例を示すバッテリー充放電制
御回路図である。
【図9】本発明の別の実施例を示すバッテリー充放電制
御回路図である。
【図10】本発明の別の実施例を示すバッテリー充放電
制御回路図である。電圧検出器の回路図である。
【図11】本発明の実施例3の充放電制御回路の回路ブ
ロック図である。
【図12】バッファ回路を示す回路図である。
【図13】本発明の実施例4の充放電制御回路の回路ブ
ロック図である。
【図14】基準電圧回路の回路図である。
【図15】二次電池が2本の電池の場合の充放電制御回
路の回路ブロック図である。
【図16】図15のVR1、VR2の回路図である。
【図17】本発明の手段2における実施例1の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図18】本発明の手段2における実施例1の充放電制
御回路の信号のタイミングチャート図である。
【図19】本発明の手段2における実施例2の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図20】本発明の手段2における実施例2の遅延回路
の回路図である。
【図21】本発明の手段2における実施例2の遅延回路
の回路図である。
【図22】本発明の手段2における実施例2の遅延回路
の回路図である。
【図23】本発明の手段2における実施例2の遅延回路
の回路図である。
【図24】本発明の手段2における実施例3の充電式の
電源装置の回路ブロック図である。
【図25】本発明の手段2における実施例3の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図26】本発明の制御回路出力部の一例である。
【図27】本発明の手段2における実施例4の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図28】本発明の手段2における実施例4の基準電圧
回路の回路図である。
【図29】本発明の手段2における実施例5の充電式制
御回路図である。
【図30】従来の充電式制御回路図である。
【図31】本発明のラッチ機能付コンパレータの回路図
である。
【図32】本発明の手段3における実施例1の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図33】本発明の手段3における実施例2の充放電制
御回路の回路ブロック図である。
【図34】電圧検出器の回路図である。
【図35】本発明の手段3における実施例2の充放電制
御回路の他の実施例の回路ブロック図である。
【図36】本発明に係る充電式電源装置及び充放電制御
回路の手段3における実施例3の回路ブロック図であ
る。
【図37】従来の充電式電源装置の回路ブロック図であ
る。
【図38】本発明の手段3における充放電制御回路のス
イッチ回路の回路図である。
【図39】本発明の手段3における充放電制御回路に用
いたトランジスタの断面図である。
【図40】本発明の手段3における充放電制御回路に用
いたトランジスタの平面図である。
【図41】図35のトランジスタのA−A’線に沿った
断面図である。
【図42】本発明の手段3における充放電制御回路のス
イッチ回路の回路図である。
【符号の説明】
1 電圧分割回路 2、3 電圧検出回路 4 制御回路 5 スイッチ素子 11 基準電圧回路 12 2’過放電検出回路の誤差増幅器 13 3’過充電検出回路の誤差増幅器 14 バッテリー接続端子 15 バッテリー接続端子 16 過放電検出回路出力端子 17 過充電検出回路出力端子 18、19 バッテリー 52、53 コンパレータ回路 21 コンパレータ 22 ラッチ機能付コンパレータ 23 ラッチ機能付コンパレータのプラス入力端子 24 ラッチ機能付コンパレータのマイナス入力端子 25 ラッチ機能付コンパレータの出力端子 26 ラッチ機能付コンパレータのラッチ解除信号入力
端子 101 二次電池 102 充放電制御回路 103 スイッチ回路 104 電流センス用抵抗 106 基準電圧回路 111、112 電池 113、114 電圧分割回路 115、116 電圧検出回路 117 制御回路 118 バッファ回路 175 分圧値制御トランジスタ 191、192 遅延回路 203 Pchトランジスタ 204 Nchトランジスタ 205 容量 226 定電流回路 266 インバータ回路 267 最終出力段Pchトランジスタ 268 最終出力段Nchトランジスタ 269 出力制御用Nchトランジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H02J 7/10 H02J 7/10 B (56)参考文献 特開 平5−49181(JP,A) 特開 平5−91679(JP,A) 特開 平6−105458(JP,A) 特開 平4−217823(JP,A) 特開 平4−121020(JP,A) 特開 平4−67735(JP,A) 実開 昭60−108147(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/00 G01R 19/165 G01R 31/36 H02J 7/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源である二次電池の電圧が供給される
    第1電源端子と第2電源端子間の電圧を分割するための
    電圧分割回路と、 前記電圧分割回路の出力である分割電圧を検出するため
    の電圧検出回路と、 前記電源が過充電であることを検出し前記電圧検出回路
    の出力信号が反転した場合に、前記出力信号を遅延する
    ための第1の遅延回路と、前記電源が過放電であることを検出し前記電圧検出回路
    の出力信号が反転した場合に、前記出力信号を遅延する
    ための第2の遅延回路と、 前記第1及び第2の遅延回路からの信号を入力処理し
    て、前記電源の充放電を制御する信号を出力する論理回
    路で構成された制御回路と、を有し、前記電圧分割回路と、前記電圧検出回路と、前記第1及
    び第2の遅延回路と、前記制御回路と、は前記第1電源
    端子と前記第2電源端子の間に並列に接続されており、 前記第1及び第2の遅延回路は、初期電源の投入時の論
    理が一定期間確保されていること を特徴とする充放電制
    御回路。
  2. 【請求項2】 外部電源端子にスイッチ回路を介して接
    続した二次電池と、前記スイッチ回路を制御するため
    、第1電源端子と第2電源端子の間に前記二次電池と
    並列に接続した充放電制御回路と、を有する充電式電源
    装置において、 前記充放電制御回路が、第1電源端子と第2電源端子間の 電圧を分割するための
    電圧分割回路と、 前記二次電池の充放電状態を検出するための電圧検出回
    路と、 前記電源が過充電であることを検出し前記電圧検出回路
    の出力信号が反転した場合に、前記出力信号を遅延する
    ための第1の遅延回路と、前記電源が過放電であることを検出し前記電圧検出回路
    の出力信号が反転した場合に、前記出力信号を遅延する
    ための第2の遅延回路と、 前記第1及び第2の遅延回路からの信号を入力処理し
    て、前記電源の充放電を制御する信号を出力する論理回
    路で構成された制御回路と、を有し、 前記電圧分割回路と、前記電圧検出回路と、前記第1及
    び第2の遅延回路と、前記制御回路と、は前記第1電源
    端子と前記第2電源端子の間に並列に接続され ており、 前記第1および第2の遅延回路は、初期電源の投入時の
    論理が一定期間確保されていること を特徴とする充電式
    電源装置。
  3. 【請求項3】 前記電源をプラス・マイナス逆接続した
    時に、前記制御回路が常に前記電源の充放電を停止する
    ための信号を出力する機能を有することを特徴とする請
    求項1に記載の充放電制御回路。
  4. 【請求項4】 外部電源端子にスイッチ回路を介して接
    続した二次電池と、前記スイッチ回路を制御するために
    前記二次電池と並列に接続した充放電制御回路とからな
    る充電式電源装置において、 前記充放電制御回路に前記二次電池が通常とは逆の極性
    に接続した時に前記充放電制御回路が前記スイッチ回路
    をオフするための信号を出力する機能を有していること
    を特徴とする請求項2に記載の充電式電源装置。
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