JP3432133B2 - 歴青質乳化剤用液状アミン組成物 - Google Patents

歴青質乳化剤用液状アミン組成物

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JP3432133B2 JP08635798A JP8635798A JP3432133B2 JP 3432133 B2 JP3432133 B2 JP 3432133B2 JP 08635798 A JP08635798 A JP 08635798A JP 8635798 A JP8635798 A JP 8635798A JP 3432133 B2 JP3432133 B2 JP 3432133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、取扱い性の良好な
常温で液状の、歴青質乳化剤用のアミン組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アスフ
ァルト乳剤は、道路舗装材、防水材、被覆材及びルーフ
ィング材等の用途において、広く実用に供されている。
通常、道路舗装用に用いる場合、アスファルト乳剤は、
亀裂や窪みへの充填材として、また古い舗装と新しい舗
装との間の接着材及び耐水材として、さらに表面処理剤
として使用される。
【0003】粘度の低いアスファルト乳剤を表面処理用
途で用いると、道路の路肩や坂道などでは、散布したア
スファルト乳剤が流失して、次に散布される砕石等の骨
材との接着剤として作用する量が減少し、骨材を目的の
場所にしっかりと固定できなくなる。結果として道路の
耐久性を損ない、修繕や表面保護という本来の目標を達
成できないことになる。
【0004】アスファルト乳剤の粘度を高くする方法と
しては、アスファルト濃度を高めることや、水溶性高分
子化合物を添加する方法が知られている。しかし、アス
ファルト濃度を高める方法では、68〜70%も必要になる
場合があり、そのため乳剤コストも上昇する。一方、水
溶性高分子化合物を添加する方法は、米国特許第294189
3号明細書にアルキルヒドロキシメチルセルロース、米
国特許第4176102号明細書にヒドロキシエチルセルロー
ス、米国特許第4492781号明細書に加工ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロースそしてアク
リル酸ポリマーの使用例が開示されている。しかしこれ
らの例では、水溶性高分子化合物の添加量が0.1%以上
とかなり多く必要とされ、そのため表面処理用途で要求
される早い分解性が損なわれ、骨材との接着性が悪化す
る。しかもアスファルト濃度を低減した効果は、水溶性
高分子化合物を多く使用するため相殺されて、十分な経
済的効果が得られない。更に米国特許第4393155号明細
書は、乳剤の分解性と高粘度の両立のためにポリアクリ
ルアミドを使用することを開示しているが、0.3〜0.5%
とかなり高添加量であり、経済性に問題がある。
【0005】本発明は、表面処理剤として用いる場合の
アスファルト乳剤を製造するための乳化剤の前駆体であ
り、アスファルト濃度を高くすることなく乳剤の粘度を
高めることができ、液状という取扱い性の良さと、アス
ファルトと骨材との接着性を良くし、耐久性を向上させ
ることのできる組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素数8
〜22の脂肪族炭化水素基を有するアミン化合物と炭素数
4〜18の有機酸とを混合して得られる常温で液状の組成
物に、アニオン性基を有する多糖類の水溶液を混合した
液状アミン組成物から得た歴青質乳化剤を用いること
で、従来の水溶性高分子の添加量よりはるかに少ない量
で、アスファルト乳剤の粘度を高めることが可能である
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、 (A)炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を有するアミン
化合物 30〜80重量% (B)炭素数4〜18の有機酸 10〜50重量% (C)アニオン性基を有する多糖類 0.1〜10重量% (D)水 1〜50重量% からなる歴青質乳化剤用液状アミン組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる炭素数8〜22
の脂肪族炭化水素基を有するアミン化合物としては、脂
肪族モノアミン化合物と脂肪族ポリアミン化合物及びこ
れらのアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
【0009】具体的には、一般式R1R2R3Nで表される脂
肪族モノアミン化合物が挙げられる。ここでR1は炭素数
8〜22の直鎖炭化水素基、R2,R3は水素原子又は炭素数
8〜22の直鎖炭化水素基である。具体例としては、デシ
ルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチル
アミン、ステアリルアミン、ベヘニルアミン、牛脂アミ
ン、及び硬化牛脂アミン等のアルキルアミンがある。
【0010】また本発明で用いられるポリアミン化合物
としては、一般式R1R2N(ANH)pHで表される脂肪族ポリア
ミンが挙げられる。ここで式中のR1,R2,R3は上記と同
様であり、Aはエチレン基又はプロピレン基、pは1〜4
の数を示す。
【0011】具体例としては、上記のモノアミンをアク
リロニトリルと反応させ、水素添加して得られるジアミ
ン、例えばN-アミノプロピルデシルアミン、N-アミノプ
ロピルラウリルアミン、N-アミノプロピルミリスチルア
ミン、N-アミノプロピルセチルアミン、N-アミノプロピ
ルステアリルアミン、N-アミノプロピルベヘニルアミ
ン、N-アミノプロピル牛脂アミン、及びN-アミノプロピ
ル硬化牛脂アミン等のN-アミノプロピルアルキルアミン
が挙げられる。
【0012】また、さらに同じ工程を繰り返して得られ
るトリアミン、テトラミンを挙げることができる。トリ
アミンとしては、例えばN-デシルジプロピレントリアミ
ン、N-ラウリルジプロピレントリアミン、N-ミリスチル
ジプロピレントリアミン、N-セチルジプロピレントリア
ミン、N-ステアリルジプロピレントリアミン、N-ベヘニ
ルジプロピレントリアミン、N-牛脂ジプロピレントリア
ミン、及びN-硬化牛脂ジプロピレントリアミンなどのN-
アルキルジプロピレントリアミンがあり、テトラミンと
しては、例えばN-デシルトリプロピレンテトラミン、N-
ラウリルトリプロピレンテトラミン、N-ミリスチルトリ
プロピレンテトラミン、N-セチルトリプロピレンテトラ
ミン、N-ステアリルトリプロピレンテトラミン、N-ベヘ
ニルトリプロピレンテトラミン、N-牛脂トリプロピレン
テトラミン、及びN-硬化牛脂トリプロピレンテトラミン
などのN-アルキルトリプロピレンテトラミンがある。さ
らには、ハロゲン化炭化水素とエチレンジアミン、ジエ
チレントリアミンなどとの反応により得られるジアミン
やトリアミンが挙げられる。
【0013】以上のモノアミン及びポリアミンの中で
も、炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基が牛脂又は硬化牛
脂に由来することが好ましい態様である。また、組成物
の安定性が良好になることから、モノアミン又はポリア
ミンのアルキレンオキシド付加物を配合するのが好まし
い。(A)のアミン化合物中に占めるアミンのアルキレ
ンオキシド付加物の好ましい割合は20〜60重量%であ
る。60重量%を超えると乳化性能に悪影響を与える場合
があり、不都合である。
【0014】本発明で用いられる炭素数4〜18の有機酸
としては、炭素数4〜18のカルボン酸、炭素数4〜18の
酸性リン酸エステル、炭素数4〜18の硫黄酸化合物を挙
げることができる。
【0015】炭素数4〜18のカルボン酸の例としては、
脂肪族カルボン酸又はナフテン族カルボン酸があり、脂
肪族カルボン酸としてはイソ酪酸、2-メチル酪酸、3-メ
チル酪酸、2-メチル吉草酸、3-メチル吉草酸、4-メチル
吉草酸、2-エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカ
ン酸、イソトリデカン酸、イソテトラデカン酸、イソパ
ルミチン酸、イソステアリン酸などの分岐鎖飽和脂肪
酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、ミリストレ
イン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、
リノレン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。またオレ
フィンと一酸化炭素のKoch反応から得られる3級カルボ
ン酸も使用できる。ナフテン族カルボン酸としては、原
油からアルカリ抽出により得られるナフテン酸を用いる
ことができる。以上の中でも、炭素数4〜18の分岐脂肪
族カルボン酸が好ましく、特に2-エチルヘキサン酸が好
ましく用いられる。
【0016】また炭素数4〜18の酸性リン酸エステルと
しては、ブチルフォスフェート、ペンチルフォスフェー
ト、ヘキシルフォスフェート、オクチルフォスフェー
ト、2-エチルヘキシルフォスフェート、ノニルフォスフ
ェート、デシルフォスフェート、ウンデシルフォスフェ
ート、ドデシルフォスフェート、イソトリデシルフォス
フェートなどが挙げられる。
【0017】炭素数4〜18の硫黄酸化合物としては、炭
素数4〜18のアルファオレフィンのスルフォン化物、ア
ルキル炭素数4〜12のアルキルベンゼンのスルフォン化
物、アルキル炭素数4〜12のアルキルフェノールのスル
フォン化物等のスルフォン酸化合物や、炭素数4〜18の
アルコール類の酸性硫酸エステルを挙げることができ
る。
【0018】本発明では、カルボキシル基、硫酸基及び
リン酸基などのアニオン性基を導入した各種多糖類が用
いられる。多糖類とは、二糖、三糖、四糖などのオリゴ
糖を含めて、加水分解によって2分子以上の単糖を生ず
る全ての炭水化物をさす。具体的には、各種でんぷん類
(かんしょ、ばれいしょ、タピオカ、小麦、とうもろこ
し)、グリコーゲン、セルロース、キチン、各種植物ガ
ム(ザンタン、グアー、ローカストビーン)、アルギン
酸が例示できる。多糖類としては、セルロース及びその
誘導体が好ましく、特にセルロース誘導体が好ましい。
また、これら多糖類の重量平均分子量は、500〜2,000,0
00が好ましく、より好ましくは500〜500,000である。さ
らにこれらの多糖類を各種エーテル化剤でエーテル化し
たものも含まれる。エーテル化剤としては、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸などの無機酸エステル、メチルクロラ
イドなどのアルキルハライド、エチレンオキシドなどの
アルキレンオキシドが、またグリシジルアルキルエーテ
ルが使用できる。
【0019】これら多糖類及びエーテル化誘導体を原料
として、アニオン性基を導入する方法は、従来公知の方
法が適用できる。即ち、モノクロル酢酸Naによるカルボ
キシルメチル化反応、又硫酸基は、DMF(ジメチルホル
ムアミド)中N2O4により亜硝酸エステル化により溶解
後、SO3/DMFを滴下して硫酸エステル化反応を行い、Na
OH中和する方法を用いることができる。SO3の代わりにN
OSO4H、Na2SO3、Na2S2O5、ClSO3Hを用いることができ
る。同様に、POCl3/DMFを用いてリン酸エステル化反応
をすることで、リン酸基の導入ができる。
【0020】本発明によれば、(A)炭素数8〜22の脂
肪族炭化水素基を有するアミン化合物の含有量は30〜80
重量%、(B)炭素数4〜18の有機酸の含有量は10〜50
重量%、(C)アニオン性基を有する多糖類の含有量は
0.1〜10重量%、(D)水の含有量は1〜50重量%であ
る。より好ましくは、(A)の含有量は40〜70重量%、
(B)の含有量は20〜30重量%、(C)の含有量は0.5
〜5重量%、(D)の含有量は10〜30重量%である。こ
れらの量は用いられるアミンの種類等に応じて適宜調節
可能である。
【0021】本発明の液状アミン組成物を調製する方法
は、(A)アミンと(B)有機酸を混合して得られる液
状のアミン組成物に、(C)多糖類を(D)水に完全に
溶解させて得られる多糖類水溶液を添加して、均一にな
るまで攪拌混合を行うのが好ましい。
【0022】アニオン性基を有する多糖類(C)の含有
量はあまり多くても少なくても組成物に濁りを生じる場
合があり、長期貯蔵中に沈殿物を生成する場合がある、
この沈殿物の生成のしやすさは、用いる原料アミンの種
類、脂肪酸の種類と使用量によって影響される。したが
って水の添加量は、沈殿物の生成によって系が分離しな
い程度に調整する必要がある。つまり多糖類の水溶液濃
度は高すぎても、低すぎても最終的なアミン組成物に濁
りを生じ、貯蔵中に分離、沈殿するという不都合が生じ
る。好ましい多糖類の水溶液濃度は1〜12重量%であ
る。最終アミン組成物中の(C)多糖類の割合が0.1〜
5重量%の場合、多糖類の水溶液濃度は1〜7重量%に
調製するのが好ましい。
【0023】本発明によれば、液状アミン組成物は、さ
らに(A)アミン及び(B)有機酸の合計量100重量部
に対し、(5)1価又は多価アルコールの少なくとも1
種以上を2〜50重量部含有することができる。アルコー
ルは液状アミン組成物の低粘度化に資するものであり、
例としてはメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、メチル
ペンタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、
イソデシルアルコール、イソトリデシルアルコール、オ
レイルアルコールなどの1価アルコールや、エチレング
リコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグ
リセリン、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールを
挙げることができる。
【0024】本発明の液状アミン組成物を瀝青質乳化剤
として用いてアスファルト等の乳剤を得る方法について
は特に限定されるものではない。しかし一例としては、
一塩基酸を用いて本発明の液状アミン組成物をpH3以下
の水溶液とし、これを30〜50℃に昇温した後に、120〜1
80℃に加熱して溶融したアスファルトと混合し、必要に
応じて攪拌剪断して乳化物とする。本発明の液状アミン
組成物の含有量は、アスファルト乳剤中に0.1〜10重量
%、好適には0.2〜3重量%であり、またアスファルト
などの瀝青質の量は乳剤中の50〜80重量%、より一般的
には60〜75重量%の範囲内にある。一塩基酸としては塩
酸、硝酸、蟻酸、酢酸、モノクロル酢酸などを用いるこ
とができ、その量は使用する液状アミン組成物の中和当
量以上、より一般的には中和当量の1.2〜1.8倍程度であ
る。
【0025】
【実施例】液状アミン組成物の調製 適当な容器にカルボキシメチルセルロース CMC 1105
(ダイセル化学工業(株)製、分子量12,000)2.5gを
とり、これに水を加えて25gとし、50〜60℃に加温し
て、激しく攪拌混合して溶解させる。牛脂モノアミン5
g、牛脂ジアミン25g及び牛脂ジアミンのエチレンオキ
シド付加物(牛脂ジアミンEO付加物)20gを別の容器に
秤り取り、50℃に加熱溶融し、2−エチルヘキサン酸25
gを攪拌しながら添加する。2−エチルヘキサン酸を添
加すると、中和により発熱するが、混合物の温度を80℃
以下になるように、2−エチルヘキサン酸の添加速度を
調節する。温度が100℃を超えると、アミド化反応が起
き、乳化性能が悪化する。均一になった後、先に調製し
たCMC 1105水溶液25g全量を加えて、50℃で均一になる
まで攪拌混合する。これにより、表1に示すアミン組成
物1を調製した。同じ方法で、表1に示すアミン組成物
を調製した。
【0026】また、液状アミン組成物の固化温度を、JI
S K 2269に準拠して、流動性を1℃刻みで評価すること
で測定した。更に粘度を東京計器製B型回転粘度計を用
いて測定した。結果を表1に示す。なお、用いたアミン
の構造を表2に示す。
【0027】
【表1】
【0028】(注) *1 CMC 1102:カルボキシメチルセルロース(ダイセ
ル化学工業株式会社、分子量800) *2 CMC 1105:カルボキシメチルセルロース(ダイセ
ル化学工業株式会社、分子量12,000) *3 CMC 1109:カルボキシメチルセルロース(ダイセ
ル化学工業株式会社、分子量180,000) *4 硫酸化HEC:ヒドロキシエチルセルロース(ダイ
セル化学工業株式会社、分子量8万)をSO3/ジメチル
ホルムアミドで直接硫酸エステルとし、NaOH中和したも
の。
【0029】
【表2】
【0030】アスファルト乳剤の調製 表1に示すアミン組成物を、塩酸塩の形で水溶液にし
た。すなわち、表3、4に示す量のアミン組成物に水を
加え、濃塩酸にてpHが2.0になるように調整して表
3、4の量のアミン塩水溶液を調製した。このアミン塩
水溶液を45℃に加温し、145℃に加熱溶融した針入度80
〜100のストレートアスファルトと共に、ハレル型ホモ
ジナイサーに同時に通して、アスファルト乳剤を得た
(実施例14〜26)。アミン組成物、その塩酸塩水溶液及
びアスファルトの各使用量は、表3、4に示した。
【0031】また、比較例2〜5では、予め表4に示す
水溶性高分子の約1%水溶液を調製しておき、アミン組
成物Rをアミン塩酸塩水溶液にした後に添加して、アス
ファルト乳剤の調製に用いた。
【0032】調製したアスファルト乳剤を用いて、蒸発
残留物、50℃におけるセイボルト粘度及び乳化安定性
を、ASTM D-244-86に準じて測定した。また下記の方法
で乳剤の分解時間、接着強度及びレオロジー特性を評価
した。
【0033】<試験法>分解時間 直径2〜3cmの砕石7個を針金で縛り、吊り下げられる
様にする。これらの砕石を下半分だけ、試験するアスフ
ァルト乳剤に30秒間浸漬した後、室温で吊り下げて乳剤
を分解させる。一定時間毎に、砕石を水に漬けて、1秒
間に1回程度の速さで上下に動かして洗う。砕石上のア
スファルト乳剤は、分解していないと、洗浄した水の方
に落ちて、濁るので分解したかどうか判定できる。洗浄
した水が濁らなくなった時間を分解時間とした。
【0034】接着強度 ガラス板の上に、内径5cm、高さ5mmの鋼製リングを置
き、その中に試験するアスファルト乳剤2.5gを秤取
り、均一に広げる。その乳剤の上に、周囲に針金を巻き
付けて、長さ方向に引っ張れるようにした直径1cm、長
さ5cmのガラス棒を7本立てる。室温に15時間放置した
後、引っ張りゲージを用いて、7本のガラス棒を垂直に
上方へ引き、最大荷重を測定した。7本のうちの最小値
と最大値を除いた残り5本の平均値を求め、接着強度
(g/cm2)とした。
【0035】レオロジー特性 ハーケ社製回転粘度計RV-12型を用いて、せん断速度を
変化させながら粘度を測定した。 ・測定条件 測定頭:M 150 ロータ:MV1-ST 測定温度:25℃ 最高シェア:100s-1(1min保持) せん断速度変化率:0〜100s-1/3min その結果を図1に示す。図1では、ずり速度が大きくな
る方向(高せん断域)はアスファルト乳剤の散布直前に
相当し、ずり速度が小さくなる方向(低せん断域)はア
スファルト乳剤の散布直後に相当する。アスファルト乳
剤は、道路に散布する比較的高せん断域では、低粘度を
示し、散布後のせん断のかからない条件で高粘度を示す
のが、路肩への流失がなく理想的である。図1から、実
施例のアミン組成物No.1で調製した乳剤No.14は、比較
例1のものと比べ、低せん断域でより高粘度を示し、高
せん断域では低粘度であることがわかる。この特性は、
アスファルト濃度を上げて乳剤No.14と同じセイボルト
粘度のものを調製しても得られない。本発明では、アル
キルアミンとアニオン性多糖類水溶液を予め混合し高濃
度の状態で液としているため、カチオン性乳化剤水溶液
を調製したときに、アルキルアミンとアニオン性多糖類
との複合体が生成する。この複合体が、乳化されたアス
ファルト粒子表面に吸着し、乳化物に対して図1に示す
ような構造粘性を与える。従来のアルキルアミンと水溶
性高分子を別々に添加してカチオン性乳化剤水溶液を調
製する方法ではこの複合体は生成しないため、本発明の
効果は発現しない。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】(注) *5 PVA 217:ポリビニルアルコール(株式会社クラレ
製、鹸化度88モル%、4%水溶液粘度22.5cP、分子量約
80,000) *6 HEC QP09L:ヒドロキシエチルセルロース(ユニオ
ンカーバイド社製、分子量約70,000)
【0039】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明による液状アミン組成物から得た乳化剤は、アスフ
ァルト乳剤等の瀝青質乳化物に対して、従来の液状品に
はない優れた乳化安定性と骨材付着性を付与することが
できる。また本発明の液状アミン組成物は、取り扱い性
の点においてもさらに優れた効果を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例14と比較例1で得たアスファルト乳剤及
び比較例1と同じアミン組成物を用いてアスファルト濃
度を68.5重量%としたもののレオロジー特性を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5:17) C08K 5:42 (C08K 5/00 5:521 5:42 C08L 1:08 5:17) (C08K 5/00 5:521 5:17) (C08L 95/00 1:08) (72)発明者 小▲柳▼ 幸司 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭48−10120(JP,A) 特開 昭57−42763(JP,A) 国際公開97/020891(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08K 5/00 - 5/59 E01C 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)炭素数8〜22の脂肪族炭化水素基を
    有するアミン化合物 30〜80重量% (B)炭素数4〜18の分岐鎖飽和脂肪酸、炭素数4〜18
    の不飽和脂肪酸、炭素数5〜18の3級カルボン酸、炭素
    数4〜18の酸性リン酸エステル、及び炭素数4〜18の硫
    黄酸化合物から選ばれる有機酸 10〜50重量% (C)アニオン性基を有する多糖類 0.1〜10重量% (D)水 1〜50重量%からなる歴青質乳化剤用液状ア
    ミン組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の液状アミン組成物に酸を添加
    し、pHが3以下になるように調節して得た水溶液を、
    歴青質を乳化するのに用いる方法。
JP08635798A 1998-03-31 1998-03-31 歴青質乳化剤用液状アミン組成物 Expired - Lifetime JP3432133B2 (ja)

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