JP3431488B2 - 電力変換装置および直流連系システム - Google Patents
電力変換装置および直流連系システムInfo
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Description
置を用いた直流連系システムに関し、特に変換器の交流
側端子にコンデンサが直列接続される電力変換装置の制
御方式に関する。
て、変換器の交流側端子と変換用変圧器間にコンデンサ
を直列接続すると、種々の利点が得られることが知られ
ている。図8に示すように、特開平8−228480号
の直流連系用電力変換システムでは、サイリスタ変換器
3の交流端子と変換用変圧器T間に、コンデンサ5を直
列に接続した回路が開示されている。
り充電され、これが変換器の転流電圧に加わる。点弧角
は、交流系統電圧7に対して設定されるため、順変換動
作を行う変換器では小さな点弧角αで、逆変換動作を行
う変換器では大きな点弧角αでの運転が可能となる。
量の低減を意味する。他の利点として、何らかの原因で
交流系統電圧7が過渡的に低下した場合でも、コンデン
サ電圧により転流電圧の低下が抑制されるので、転流電
圧を維持でき、転流失敗を防ぐことができる。
コンデンサを備えた従来の直流連系システムでは、各相
のコンデンサ電圧に直流分が発生した場合の考慮がされ
ていない。
が発生した場合と、そうでない場合の変換器交流端子間
電圧波形を示す。サイリスタ変換器3は通常交流系統電
圧7を基準にした所定の位相で転流を行う。本例では矢
印の時点で転流を行うものとすると、サイリスタに逆電
圧が印加する期間である余裕角は、直流分のない実線の
波形ではγとなるのに対し、直流分がある破線の波形で
はγ'となり、余裕角が減少する。このように、コンデ
ンサ5に直流分が発生した場合にはサイリスタの余裕角
が減少するため、直流量が甚だしく大きい場合には必要
な余裕角を確保できずに転流失敗が発生し、正常な変換
動作が行えない恐れがある。
が生じた場合にこれを低減して、サイリスタの転流余裕
角を確保できる電力変換装置と、直列コンデンサを備え
利点を享受し、かつ安定運転の可能な直流連系システム
を提供することにある。
め、本発明ではコンデンサ電圧の直流分を検出する手段
を設けると同時に、直流分検出値にしたがって変換器各
バルブの点弧角を変える手段を設けている。
りコンデンサ電圧の直流分を検出し、変換器各バルブの
点弧角を制御する手段によりコンデンサ電圧が大きい相
の通流幅を減少し、小さい相の通流幅を増加するので、
コンデンサ電圧の直流分を低減し各バルブの転流電圧の
不平衡を低減できる。
従って詳細に説明する。図1に、一実施例による電力変
換装置の構成を示す。点弧角指令に従って動作し、直流
を三相交流にあるいは三相交流を直流に変換するサイリ
スタ変換器3の各相の交流端子と交流電源7を、直列コ
ンデンサCu,Cv,Cwを介して接続している。変換
器3の制御回路には、交流各相の位相検出回路12の位相
信号に従って、点弧パルスを変換器3の各バルブに供給
する位相制御回路11を備えている。
検出する電圧検出器91〜93、検出した電圧から直流分を
検知する直流分検出回路14、この直流分に基づいて各バ
ルブ毎に点弧角指令を補正する点弧角補正回路13を具備
している。点弧角補正回路13は、検出した直流分に応じ
て各バルブ毎に点弧角の補正量を決定し、点弧角指令に
その補正量を加算あるいは減算する。位相制御回路11は
バルブ毎に交流電源7の系統電圧の位相を基準に補正点
弧角に従ってバルブの点弧パルスを発生する。
変化を図2により説明する。図は変換器3のあるバルブ
の点弧角発生過程を示しており、実線が従来技術での点
弧パルス発生過程であり、破線が本実施例による点弧パ
ルスの発生過程である。従来型では点弧角指令,本実施
例では補正点弧角を、交流電源7の系統電圧に同期した
位相信号と比較し、点弧角指令あるいは補正点弧角が位
相信号より大きくなった時点で点弧パルスを発生する。
ており、補正点弧角は点弧角指令より大きくなり、点弧
パルス発生位相は遅れる。一方補正量を減ずる場合に
は、点弧パルス発生位相は進む。
流分低減の動作を説明する。図3に、電力変換装置の動
作の説明図を示す。コンデンサCu,Cv,Cwの電
圧,電流波形を示し、電流は図1の矢印方向が正方向、
電圧は図1の+側が正極性を示し、直流分低減動作を破
線により示す。
テムでは、三相量の瞬時値の総和は零になる。したがっ
て、コンデンサ電圧に直流分が発生した場合には、少な
くとも2つの相のコンデンサに直流分が生じ、その極性
は逆になる。図3では、Cuの電圧が正の直流分で最大
の絶対値を持ち、Cv,Cwの電圧がCuの直流分より
絶対値の小さい負の直流分を持っている例を示してい
る。
直流分が最大のコンデンサとその直流分の極性を判定
し、その結果にしたがって、表1に示す該当のバルブの
点弧角を補正する。
場合、バルブV1の点弧角を増加するように補正する。
その結果、バルブV1の点弧バルスは、破線のように点
弧位相が遅れる。この結果、Cuの電流はのように正
側の幅が短くなる。一方、負側の電流幅はのように変
化しない。これにより、電流の積分値である電圧波形は
負側にシフトし、正の直流分は破線のように低減する。
また、V1の点弧バルスの位相変化はCwの電流にも影
響を与え、のように電流は正側の幅が長くなる。この
とき、負側の電流幅はのように変化しないので、正側
の幅が長くなった分、電圧波形は正側にシフトし負の直
流分は破線のように低減する。
により、2つの相のコンデンサ電圧の直流分を低減でき
る。これ以降は図示を省略するが、各コンデンサ電圧の
直流分は、順次低減される。
を低減できるので、転流電圧不平衡による転流失敗の発
生を防止できる。
の別の制御動作の説明図である。この例では、点弧角補
正回路が直流分の検出値に応じて2つのバルブの点弧角
を補正する。図3の場合と同様に、Cuの電圧が正の直
流分で最大の絶対値を持ち、Cv,Cwの電圧がCuの
直流分より絶対値の小さい負の直流分を持っている。
が最大のコンデンサとその直流分の極性を判定し、その
結果にしたがって、表2に示すように2つのバルブの点
弧角を補正する。
ブV1の点弧角を増加し、バルブV3の点弧角を減少す
るように補正する。その結果、バルブV1の点弧パルス
は点弧位相が遅れ、バルブV3の点弧パルスは点弧位相
が進む。そうすると、Cuの電流はのように正側の幅
が短くなり、Cv,Cwの電流は,のように正側の
幅が長くなる。これにより、図3に示した実施例と同様
にCu,Cv,Cwの電圧波形が破線のようにシフト
し、直流分が減少する。本実施例では、図3の実施例に
比べ、各相の電流幅を変化できるので、コンデンサ電圧
の直流分をより速やかに低減できる。
本実施例は、従来の制御回路に直流分検知回路14と点弧
パルスを遅延する遅延回路15を追加している。遅延回路
15は、検出した直流分から直流分が最大のコンデンサと
その直流分の極性を判定し、その結果に従って、表3に
示すよう点弧パルスを選択的に遅延する。
場合と同じ効果を実現できる。すなわち、Cuの正の直
流分が最も大きくなる場合、バルブV1の点弧パルスを
遅延し、点弧角を増加するように補正する。
す。本実施例は、図1の実施例の直流分検出信号に不感
帯を設ける不感帯回路16を追加したものである。これに
より、検出した直流分が所定値以下の場合は点弧角補正
を行わない。
の間隔を不等間隔にするので、交流側に不要な高調波を
発生する恐れがある。そこで、本実施例のように、直流
分が小さいところで点弧角補正しないようにすること
で、不要な高調波の発生を抑える効果がある。
構成図を示す。2つの交流系統7,8間を直流により連
系するシステムであり、2つのサイリスタ変換器3,4
を備え、各変換器の交流側はそれぞれの系統に変換用変
圧器T1,T2を介して接続され、直流側は共通の直流
線路で接続され、各変換器は同じ構成の制御回路1,2
により制御される。
は順変換器、他方は逆変換器として動作する。変換器
3,4の制御回路1,2は、順変換動作を行う変換器で
は電流制御が選択され、直流電流が設定値となるよう点
弧角が制御される。一方、逆変換動作を行う変換器では
電圧制御が選択され、直流電圧が設定値となるよう点弧
角が制御される。また、逆変換動作を行う変換器では、
余裕角が設定値以下にならないよう点弧角が制御され
る。
ンサ電圧の直流分検出回路14と点弧角補正回路13に
よる直流分の低減手段が含まれる。従って、コンデンサ
電圧の直流分を低減し、転流余裕角を確保できるので、
高信頼の直流連系システムを実現できる。
て、コンデンサ電圧の直流分をコンデンサ端子間電圧か
ら検出する例を示したが、コンデンサ電流を検出し、そ
の積分値から直流分を評価するなど、他の公知の技術を
適用できることは自明である。
分を低減し各相の転流電圧の不平衡を低減でき、安定な
転流動作を実現できる電力変換システムを提供できる。
図。
説明図。
説明図。
装置の部分図。
制御装置の部分図。
を示す説明図。
6,51〜53…コンデンサ、7…交流電源、9,10,91〜
93…電圧検出器、11…位相制御回路、12…位相検出回
路、13…点弧角補正回路、14…直流分検出回路。
Claims (5)
- 【請求項1】 点弧角指令にしたがって動作し、直流を
三相交流にあるいは三相交流を直流に変換するサイリス
タ変換器と該サイリスタ変換器の交流端子を直列コンデ
ンサを介して交流電源に接続される電力変換装置におい
て、 前記直列コンデンサの電圧の直流分を検出する直流分検
出手段を具備し、前記直流分検出手段によって検出され
た直流分検出値にしたがって、前記サイリスタ変換器を
構成するバルブ毎に前記点弧角指令を補正する点弧角補
正手段を具備したことを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項2】 請求項1において、前記直流分検出値 を判定する手段を具備し、前記直流分
検出値が所定値以下の場合には点弧角の補正を行わない
ようにしたことを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項3】 請求項2において、 前記点弧角補正手段は、前記直列コンデンサの電圧の直
流分が最大の相のバルブに対して前記点弧角指令を補正
することを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項4】 直流を三相交流にあるいは三相交流を直
流に変換するサイリスタ変換器と該サイリスタ変換器の
交流端子を直列コンデンサを介して交流電源に接続する
電力変換装置において、 前記直列コンデンサの電圧の直流分を検出する直流分検
出手段を具備し、前記直流分検出手段によって検出され
た直流分検出値にしたがって、前記サイリスタ変換器を
構成するバルブの点弧パルスを遅延する手段を具備する
ことを特徴とする電力変換装置。 - 【請求項5】 一つの三相交流系統から他の三相交流系
統間を直流で連系する直流連系システムであって、直流
側を共有し点弧角指令にしたがって動作する少なくとも
二組のサイリスタ変換器を有し、そのうち少なくとも逆
変換動作を行う前記サイリスタ変換器の交流側端子と前
記三相交流系統間に直列に接続された直列コンデンサを
各相毎に有した直流連系システムにおいて、 前記直列コンデンサの電圧の直流分を検出する直流分検
出手段を具備し、前記直流分検出手段によって検出され
た直流分検出値にしたがって、前記サイリスタ変換器を
構成するバルブ毎に前記点弧角指令を補正する点弧角補
正手段を具備したことを特徴とする直流連系システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06836098A JP3431488B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 電力変換装置および直流連系システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06836098A JP3431488B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 電力変換装置および直流連系システム |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11266539A JPH11266539A (ja) | 1999-09-28 |
JP3431488B2 true JP3431488B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=13371563
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP06836098A Expired - Fee Related JP3431488B2 (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 電力変換装置および直流連系システム |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3431488B2 (ja) |
-
1998
- 1998-03-18 JP JP06836098A patent/JP3431488B2/ja not_active Expired - Fee Related
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