JP3430253B2 - 磁石配置方法及び磁気誘導方法 - Google Patents
磁石配置方法及び磁気誘導方法Info
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Description
磁気誘導方法に関し、さらに詳しくは、医療機器、電子
機器、及びリニアモーターカーなどの磁気浮上システム
などにおいて、好適に使用することのできる磁石配置方
法及び磁気誘導方法に関する。
する担体に薬剤を担持させ、これを磁力によって所定の
空間に非接触で誘導する薬剤標的療法が提案されてい
る。前記磁力は、所定の医療機器に取り付けられた磁石
によって生ぜしめられるものである。
れた磁石の配置を示す図である。図1に示す磁石配置で
は、薬剤1を中心として、これを挟むようにして磁石1
及び2が配置されている。磁力は磁束密度の空間変化に
よって発生し、その方向は磁束密度の低い方から高い方
へ向かう。したがって、前記磁力は磁石の表面に向かっ
てのみ発生する。このため、図1に示すような磁石配置
においては、薬剤1は磁石2又は3に向かってのみ移動
する。
の一つとしてリニアモーターカーが研究開発されてい
る。このリニアモーターカーの磁気浮上システムには、
「超伝導磁気浮上式」と「常伝導磁気浮上式」の2つが
現在提案されている。「超伝導磁気浮上式」は車両下部
に取り付けられた超伝導磁石が、ガイドレールに取り付
けられた電磁石と反発することによって、車両を浮上さ
せるものである。これに対し、「常伝導磁気浮上システ
ム」は、車両下部に取り付けられた浮上用マグネットが
下方からガイドレールを吸引して車両を浮上させるもの
である。
の磁石を具えた医療機器を用いる前記薬剤標的療法にお
いては、上記のような薬剤移動を利用した治療に適用さ
れるのみであった。具体的には、薬剤1を人体の表面に
埋設して、この薬剤1を人体外部に配置した磁石2又は
3から発生した磁力によって、遠隔誘導する表面療法に
限定されるものであった。
の深部に存在する場合もある。この場合においても、薬
剤1を人体深部に埋設し、これを人体外部に配置された
磁石2又は3から発生した磁力によって遠隔誘導する療
法が考えられる。しかしながら、図1に示すような磁石
配置においては、磁石表面からの距離が大きくなると磁
力が急激に低下してしまう。このため、薬剤を人体の奥
深くに埋設した場合、前記薬剤に対して人体外部に配置
した磁石から十分大きな磁力を及ぼすことができなくな
る。したがって、従来の薬剤標的療法は人体の表面的治
療に限定されるのみで、広範な治療に対して用いること
ができないという問題があった。
導磁気浮上式」においては、浮上用の磁石を最低2つ用
意する必要があり、これら磁石より発生する磁力をバラ
ンスさせたりする点などにおいて困難を伴う。また、
「常伝導磁気浮上式」においては、磁石とガイドレール
の間隔を測るギャップセンサーが必要となり、システム
が複雑になるという問題があった。
ても、磁気に感応する物体を非接触で所定の場所に遠隔
移動することを可能にしたり、リニアモーターカーなど
における技術において、上記「超伝導磁気浮上式」及び
「常伝導磁気浮上式」に代わるような新規な磁石配置方
法及びこれを用いた磁気誘導方法を提供することを目的
とする。
は、空間中心に対し上下対称となるようにして、同一の
極性方向を有する複数の第1の磁石を配置する工程と、
前記空間中心に対し左右対称となるようにして、前記第
1の磁石の極性方向と同一の極性方向を有する複数の第
2の磁石を配置する工程と、前記空間中心に対し前後対
称となるようにして、前記第1の磁石及び前記第2の磁
石の極性方向と反対の極性方向を有する複数の第3の磁
石を配置する工程とを具え、前記第2の磁石は、前記空
間中心を通る水平線に対して上下対称となるように配置
した一対の磁石から構成し、前記第1の磁石、前記第2
の磁石、及び前記第3の磁石は、同一の保磁力及び同一
の残留磁化を有し、前記空間中心において磁束密度が極
大となるようにしたことを特徴とする。
明の磁石配置方法を基準として、空間中心に対し上下対
称となるようにして、同一の極性方向を有する複数の第
1の磁石を配置する工程と、前記空間中心に対し左右対
称となるようにして、前記第1の磁石の極性方向と同一
の極性方向を有する複数の第2の磁石を配置する工程
と、前記空間中心に対し前後対称となるようにして、前
記第1の磁石及び前記第2の磁石の極性方向と反対の極
性方向を有する複数の第3の磁石を配置する工程とを具
え、前記第2の磁石は、前記空間中心を通る水平線に対
して上下対称となるように配置した一対の磁石から構成
し、前記第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の
磁石は、同一の保磁力及び同一の残留磁化を有し、前記
第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石によ
って囲まれる空間内に磁気感応物質を配置し、前記第1
の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石によって
生成された磁気力によって、前記磁気感応物質を前記空
間中心に移動させるようにすることを特徴とする。
た複数の磁石で囲まれた中心部分の磁束密度が最大とな
るようにしている。そして、本発明の磁気誘導方法にお
いては、このような中心部分近傍に磁気感応物質を配置
するようにしている。したがって、上記のような薬剤標
的療法において、磁気に感応する担体に担持させた薬剤
を人体の深部に埋設した場合においても、前記人体の周
囲において前記薬剤を中心として複数の磁石を3次元的
に配置することにより、前記薬剤の埋設位置近傍の磁束
密度を極大にすることができる。
を作用させることが可能となり、前記複数の磁石を所定
方向に移動させることにより、この移動方向に前記薬剤
を移動させることが可能となる。したがって、人体の深
部に患部がある場合においても、薬剤標的療法によって
治療することが可能となる。
も、磁気感応物質をガイドレールから構成し、本発明の
磁石配置にしたがった所定の磁石を車両下部に取り付け
る。これによって、前記ガイドレールがこれら磁石配置
によって形成された空間の中心に移動するような磁力が
前記車両に作用し、前記車両が浮上する。すなわち、本
発明の磁石配置方法及び磁気誘導方法を用いれば、従来
の「超伝導磁気浮上式」や「常伝導磁気浮上式」に代わ
る新規な磁気浮上システムを提供することができる。
に基づいて詳細に説明する。図2〜4は、本発明の磁石
配置方法における好ましい磁石配置を示す図である。図
2及び3は、好ましい磁石配置の正面図及び側面図であ
り、図4は、好ましい磁石配置の上面図である。
方向に第1の磁石13及び14が配置され、左右方向の
それぞれに2組の第2の磁石11及び12、並びに15
及び16が配置され、前後方向に第3の磁石17及び1
8が配置されている。そして、これら磁石11〜18
は、これら磁石によって形成される空間中心Oに対し
て、それぞれ対称となるように形成されている。また、
左右方向に配置された2組の磁石11及び12、並びに
15及び16は、空間中心Oを通る水平線Hに対して対
称となるように形成されている。さらに、磁石11〜1
6は、上側がN極、下側がS極となっており、磁石17
及び18は、上側がS極、下側がN極となっている。
て、空間中心Oを通る垂直線Lに沿って磁束密度を定し
た際の、磁束密度分布を示す図である。図5から明らか
なように、図2〜4に示す磁石配置によれば、磁石13
下面のL1から空間中心Oに向かうにしたがって、磁束
密度は一端減少して極小を示した後再び上昇し、空間中
心Oにおいて極大を示す。そして、磁石14の上面のL
2に向かうにしたがって、磁束密度は減少して極小を示
した後L2に向けて増大する。
置方法によれば、複数の磁石で囲まれた空間中心で磁束
密度が極大となる。このため、これら複数の磁石で形成
された空間の任意の位置に磁気感応物質を配置すること
により、磁束密度が極大となる方向に向けて大きな磁力
が作用する。したがって、前記空間の任意の位置に配置
された磁気感応物質は常に前記空間中心に向けて移動す
る。
薬剤を人体の深部に埋設した場合においても、この薬剤
を図2〜4に示す配置にしたがって、これら磁石で囲ま
れる空間内に位置するように配置することにより、前記
薬剤に対し空間中心へ向かう大きな磁力を及ぼすことが
可能となる。したがって、人体の深部に患部が存在する
場合においても、上述した薬剤標的療法を用いることが
できる。同様に、図2〜4に示す配置の磁石を車両下部
に取り付け、磁気感応物質をガイドレールから構成する
ことにより、リニアモーターカーにおける磁気浮上シス
テムとしても使用することができる。
複数の磁石によって囲まれた部分の磁束密度が極大とな
るものであれば、図2〜4に示す磁石配置に限定される
ものではない。しかしながら、図2〜4に示すように、
複数の磁石を上下方向、左右方向、及び前後方向に配置
し、さらに前後方向に配置した磁石17及び18に極性
方向を、上下方向及び左右方向に配置した磁石11〜1
6の極性方向と逆向きに配置することにより、図5に示
すような、空間中心Oで極大となるような磁束密度分布
を容易に形成することができる。また、これによって、
磁気感応物質の移動を容易に行うことができる。
〜18を空間中心Oに対して対称となるように配置する
ことにより、図5に示すように、空間中心Oに対して対
称な磁束密度分布を得ることができる。したがって、磁
気感応物質の移動制御を容易に行うことができる。
の左右方向に配置する磁石を、2組の磁石11及び1
2、並びに磁石15及び16から構成することにより、
空間中心における磁束密度の極大値をさらに大きくする
ことができる。
石11及び12、並びに15及び16を、空間中心Oを
通る水平線Hに対して上下対称となるように配置するこ
とにより、空間中心Oに対して対称な磁束密度分布を得
ることができる。
は、磁石を構成する磁性材料、薬剤を担持する磁気感応
物質の種類、及び所望する磁束密度の大きさなどによっ
て異なる。例えば、磁石11〜18を残留磁化11k
G、保磁力7kOe、直径30cm、長さ50cmの円
形状Nd磁石から構成し、空間中心Oにおいて1000
G程度の磁束密度を得ようとする場合は、上下方向の磁
石13及び14の間隔d1を1mとし、左右方向の磁石
11及び12、並びに15及び16の間隔d2を50c
mとし、前後方向の磁石17及び18の間隔d3を80
cmとする。さらに、左右方向において、2組の磁石1
1及び12と、同じく2組の磁石15及び16との間隔
d4を50cmとし、これら2組みの磁石と上下方向に
配置した磁石13及び14との間隔d5を10cmとす
る。
態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は
上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸
脱しない限りにおいて、あらゆる変形や変更が可能であ
る。
方法及び磁気誘導方法によれば、3次元的に配置した複
数の磁石で形成される空間の中心部で磁束密度が最大と
なる。このため、この空間内の任意の位置に磁気感応物
質を配置することにより、この磁気感応物質に空間中心
へ向けて常に大きな磁力を作用させることが可能とな
る。したがって、前記磁気感応物質の遠隔的な移動操作
が可能となり、人体深部に患部が存在する場合などにお
いても、薬剤標的療法を用いて簡易に治療を行うことが
できる。また、リニアモーターカーなどにおける新規な
磁気浮上システムを提供することもできる。
を示す図である。
例を示す正面図である。
る。
る。
一例を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 空間中心に対し上下対称となるようにし
て、同一の極性方向を有する複数の第1の磁石を配置す
る工程と、 前記空間中心に対し左右対称となるようにして、前記第
1の磁石の極性方向と同一の極性方向を有する複数の第
2の磁石を配置する工程と、 前記空間中心に対し前後対称となるようにして、前記第
1の磁石及び前記第2の磁石の極性方向と反対の極性方
向を有する複数の第3の磁石を配置する工程とを具え、 前記第2の磁石は、前記空間中心を通る水平線に対して
上下対称となるように配置した一対の磁石から構成し、 前記第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石
は、同一の保磁力及び同一の残留磁化を有し、 前記空間中心において磁束密度が極大となるようにした
ことを特徴とする、磁石配置方法。 - 【請求項2】 空間中心に対し上下対称となるようにし
て、同一の極性方向を有する複数の第1の磁石を配置す
る工程と、 前記空間中心に対し左右対称となるようにして、前記第
1の磁石の極性方向と同一の極性方向を有する複数の第
2の磁石を配置する工程と、 前記空間中心に対し前後対称となるようにして、前記第
1の磁石及び前記第2の磁石の極性方向と反対の極性方
向を有する複数の第3の磁石を配置する工程とを具え、 前記第2の磁石は、前記空間中心を通る水平線に対して
上下対称となるように配置した一対の磁石から構成し、 前記第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石
は、同一の保磁力及び同一の残留磁化を有し、 前記第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石
によって囲まれる空間内に磁気感応物質を配置し、前記
第1の磁石、前記第2の磁石、及び前記第3の磁石によ
って生成された磁気力によって、前記磁気感応物質を前
記空間中心に移動させるようにすることを特徴とする、
磁気誘導方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の磁石配置方法によって
配置した複数の磁石を具えることを特徴とする、磁石配
置構造。 - 【請求項4】 請求項3に記載の磁石配置構造を具える
ことを特徴とする、医療機器。 - 【請求項5】 請求項3に記載の磁石配置構造を具える
ことを特徴とする、磁気浮上システム。 - 【請求項6】 請求項2に記載の磁気誘導方法を用いる
ことを特徴とする、薬剤標的療法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000060138A JP3430253B2 (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | 磁石配置方法及び磁気誘導方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000060138A JP3430253B2 (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | 磁石配置方法及び磁気誘導方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001250715A JP2001250715A (ja) | 2001-09-14 |
JP3430253B2 true JP3430253B2 (ja) | 2003-07-28 |
Family
ID=18580494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000060138A Expired - Lifetime JP3430253B2 (ja) | 2000-03-06 | 2000-03-06 | 磁石配置方法及び磁気誘導方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3430253B2 (ja) |
-
2000
- 2000-03-06 JP JP2000060138A patent/JP3430253B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP2001250715A (ja) | 2001-09-14 |
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