JP3429250B2 - マーキング装置 - Google Patents

マーキング装置

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JP3429250B2
JP3429250B2 JP2000156778A JP2000156778A JP3429250B2 JP 3429250 B2 JP3429250 B2 JP 3429250B2 JP 2000156778 A JP2000156778 A JP 2000156778A JP 2000156778 A JP2000156778 A JP 2000156778A JP 3429250 B2 JP3429250 B2 JP 3429250B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マーキング装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】多層構造物、特に超高層構造物を施工す
る際には、構造物のグランドレベル平面に鉛直基準点を
設定して、これに基づいてグランドレベルの階層を構築
する。そして、この階層の上に床スラブを架設して構築
する所定階層毎に、順次、鉛直基準点を盛り替え、それ
ぞれの鉛直基準点に基づいて各階層を構築する。
【0003】かように鉛直基準点を盛り替えるため、従
来、下げ振り、鉛直器、トランシットの求心装置あるい
はレーザーが用いられている。下げ振りを用いた鉛直基
準点の盛り替え方法では、上層階の床スラブに設けたダ
メ穴から下層階の鉛直基準点に向けて下げ振りを垂し、
上層階の鉛直基準点の位置出しを行うものである。
【0004】また、鉛直器を用いる方法では、上層階の
床スラブに設けたダメ穴の上に鉛直器を設置し、下層階
の床スラブの鉛直基準点を視準して、上層階の床スラブ
に鉛直基準点を位置出しする。これとは逆に、下層階の
鉛直基準点の上に鉛直器を設置して、上層階を視準して
上層階の鉛直基準点を位置出しすることも行われてい
る。
【0005】更に、トランシットの求心装置を用いる方
法では、上層の作業階に設けたダメ穴の上にトランシッ
トを据え付け、下層階のスラブに設けた鉛直基準点に求
心装置の十字カーソルを一致させて、下層階の鉛直基準
点を上層の作業階に盛り替える。
【0006】更にまた、レーザーを用いる方法では、地
上の鉛直基準点にレーザー発光器を設置し、このレーザ
ー発光器から鉛直上方に向けてレーザーを照射し、この
レーザーの指示箇所を上層作業階に盛り替える。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、マー
キング装置を提供することにあり、さらに詳細には、所
望の施工時点における多層構造物の最上階層に鉛直基準
点を盛り替える場合、盛り替えた鉛直基準点をマーキン
グするための装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、方位を指示
する装置であって、支持部材に枢支されたジャイロコン
パスと、このジャイロコンパスに設けられ、十字スリッ
トを備えた発光器と、前記ジャイロコンパスに接続さ
れ、ジャイロコンパスが示す方位角を検出する方位角検
出手段と、この方位角検出装置に接続され、前記ジャイ
ロコンパスの軸を真北に向けるように補正する回転駆動
手段とを備え、前記十字スリットは、前記ジャイロコン
パスの軸が真北に向けられると、十字スリットの一方向
が真北を指示するように設定されたものであるマーキン
グ装置が提供される。
【0009】また本発明では、ジャイロコンパスが支持
部材に枢支され、発光器が発光器移動手段を介してジャ
イロコンパスに設けられ、ジャイロコンパスが示す方位
角を検出する方位角検出装置が前記ジャイロコンパスに
接続され、前記ジャイロコンパスの方位角を補正する回
転駆動手段が前記ジャイロコンパスに接続され、前記発
光器の移動量を入力する入力手段とを備え、前記発光器
移動手段は、直線状に延びるY軸軌道と、該Y軸軌道に
直交する方向に直線状に延びるX軸軌道とを備え、前記
発光器はX軸軌道に沿って走行移動可能に設けられ、前
記X軸軌道はY軸軌道に沿って直交方向に走行移動可能
に設けられ、前記回転駆動手段により、ジャイロコンパ
スの方位角を補正するとX軸軌道の材軸が真北に向くよ
うに設定され、前記入力手段で移動量が入力されると、
X軸軌道はY軸軌道に沿って走行移動すると共に発光器
はX軸軌道に沿って走行移動して発光器を所定位置に移
動させるものであるマーキング装置が提供される。
【0010】本発明にかかるマーキング装置は、構造物
の鉛直基準点盛り替えシステムに適用することができる
ものであって、該システムは、施工中の構造物において
所定階層毎に鉛直基準点を盛り替えるシステムであっ
て、所望の施工時点における構造物最上層に移動自在に
設けた第一のGPS受信手段と、前記構造物周囲の地上
の一以上の所定位置に設けた第二のGPS受信手段と、
前記第一及び第二のGPS受信手段により得られた受信
データを解析する演算手段と、前記第一及び第二のGP
S受信手段から前記演算手段へ前記受信データを送信す
る送信手段と、前記演算手段により得られた鉛直基準点
をマーキングするマーキング手段とから構成される。
【0011】かかる鉛直基準点盛り替えシステムでは、
第一のGPS受信手段を構造物最上層に移動自在に設け
たので、第一のGPS受信手段を移動しながら、第二の
GPS受信手段の何れか一台とで、第一のGPS受信手
段の位置を実測して第一のGPS受信手段を、数cm程度
の誤差でほぼ鉛直基準点に設置することができる。した
がって、その後に、第一および第二のGPS受信手段を
合計で三台以上使用して、第一のGPS受信手段の位置
を実測して鉛直基準点の真の位置を求めれば、誤差補正
のための移動量を減少させることができて、鉛直基準点
を精度良くマーキングすることができる。
【0012】また前記鉛直基準点盛り替えシステムで
は、第一のGPS受信手段を構造物最上層に移動自在に
設け、第二のGPS受信手段を構造物周囲の地上の一以
上の所定位置に設け、人工衛星から直接に電波を受信す
るため、地上階から最上階までの途中の階層に、鉛直方
向に連続した障害物の無い空間を設ける必要が無い。
【0013】さらに、前記鉛直基準点盛り替えシステム
では、構造物の鉛直基準点の盛り替えにGPS受信手段
を使用しているため、天候に左右されずに計測すること
ができ、さらに、第一及び第二のGPS受信手段を用い
ているため、高精度の計測、つまり1mm単位の精度で計
測することを可能にした。
【0014】前記構造物の鉛直基準点盛り替えシステム
において、施工時における構造物最上層とは、各階層を
次々と下層から上層に積層して構築する多層構造物にお
いて、所望の時点における最上層であり、全階層の積層
が完了して多層構造物が完成した後の最上層も含まれる
ものの、この最上層のみを意味するものではない。
【0015】また構造物の鉛直基準点盛り替えシステム
において、GPS受信手段とは、Global Positioning S
ystem(汎地球測位システム)のために打ち上げられた
人工衛星からの電波を受信する受信機である。
【0016】さらに、構造物の鉛直基準点盛り替えシス
テムにおいて、第二のGPS受信手段は、前記構造物周
囲の地上の二か所に設けても良い。第二のGPS受信手
段を二か所に設けた場合、各施工時点における構造物の
最上層に設けた第一のGPS受信手段と、第二のGPS
受信手段との間には測量基線を3本設定でき、この3本
の測量基線から基線解析を行うことによって、測量基線
が1本の場合、すなわち第二のGPS受信手段を一か所
のみに設けた場合に比較して、格段に高精度で前記基準
位置の実測値を求めることができる。
【0017】更にまた、構造物の鉛直基準点盛り替えシ
ステムにおいて、第一のGPS受信手段は、構造物を一
層構築する毎に上方の階層すなわち最上層へ移設しても
良く、また構造物を所定階層構築する毎、例えば5階層
あるいは10階層等を構築する毎に最上層に移設しても
良い。さらに第一のGPS受信手段をできるだけ迅速に
所定位置に誘導するために、第一のGPS受信手段をG
PS受信機に加えて運搬用治具、誘導方向指示装置およ
び軽量GPS電波受信アンテナといった構成の可搬型G
PS受信機としても良い。ただし、最終的には可搬型G
PS受信機を所定位置に固定して、精度良く基準点を盛
り替える。
【0018】また構造物の鉛直基準点盛り替えシステム
において、演算手段は、第一及び第二のGPS受信手段
により得られた受信データを解析して基準位置の実測値
を求める演算装置としての機能に加えて、システムのそ
れぞれの機器間を全体的に制御する制御装置としての機
能を兼ね備えた構成としても良い。この制御装置として
の機能とは、例えば、システム全てのGPS受信手段
が、同時にGPS電波を受信するように制御したり、ま
た、後述する送信手段によるデータの送信タイミング等
を制御する機能である。
【0019】さらに、構造物の鉛直基準点盛り替えシス
テムにおいて、前記第一及び第二のGPS受信手段から
前記演算手段へ前記受信データを送信する送信手段と
は、それぞれのGPS受信手段から演算手段へデータ送
信可能に配された有線のデータ通信回線とするか、ある
いはそれぞれのGPS受信手段に無線データ発信装置を
設け、演算手段に無線データ受信装置を設けてなる無線
データ送受信手段とすることができる。
【0020】また、施工中の構造物において所定階層毎
に鉛直基準点を盛り替える方法としては、所望の施工時
点における構造物最上層の所定位置でGPS電波を受信
し、前記構造物周囲の地上の一以上の所定位置でGPS
電波を受信し、これらGPS電波を演算手段に送信し、
この演算手段で前記GPS電波を解析して前記構造物最
上層の所定位置の実測値を求め、この実測値と下方階層
の鉛直基準点とのずれ量から、施工時における構造物最
上層に鉛直基準点を設定する方法がある。
【0021】前記構造物の鉛直基準点盛り替え方法にお
いて、演算手段は、前記鉛直基準点盛り替えシステムに
おける演算手段と同様の構成としても良い。
【0022】また構造物の鉛直基準点盛り替え方法にお
いて、GPS電波とは、Global Positioning System
(汎地球測位システム)のために打ち上げられた人工衛
星から発信されている、人工衛星の識別情報や軌道情報
を含む電波である。
【0023】さらに、構造物の鉛直基準点盛り替え方法
において、構造物を一層構築する毎にGPS電波を受信
して施工時における最上層の鉛直基準位置を盛り替えて
も良く、あるいは構造物を所定階層構築する毎、例えば
5階層または10階層等を構築する毎にGPS電波を受
信して鉛直基準点を盛り替えても良い。
【0024】
【作用】本発明のマーキング装置を適用する基準点盛り
替えシステムにおいて、最初に、施工する構造物のグラ
ンドレベル平面の適当な位置に基準点を定め、また、構
造物の周囲のグランドレベルの適当な一以上の地点を定
め、これら地点と基準点との正確な位置を測量し、相互
の位置と関係を予め求めておく。
【0025】そして、構造物が所定階層まで構築された
ら、前記グランドレベルの一以上の地点にGPS受信手
段を各一台づつ設置し、一方、所定階層のスラブ上に自
由に移動できる可搬型のGPS受信手段を一台設置し、
これらGPS受信手段と演算手段との間を送信手段で接
続する。
【0026】かようなシステムの設置が終わったら、最
上階層のGPS受信手段と、前記グランドレベルの何れ
かの一地点に設置したGPS受信手段との二台のGPS
受信手段によって、GPS電波を受信して、演算手段に
よりGPS電波を解析して、最上階層スラブ上のGPS
受信手段の位置を求める。この最上階層のGPS受信手
段の設置位置がグランドレベルの鉛直基準点とほぼ同じ
になるように、最上階層の可搬型GPS受信手段を数回
移動して計測を繰り返し、ほぼ同じになったら、その受
信地点にGPS受信手段を固定する。
【0027】以上のようにしてGPS受信手段を固定し
たら、各GPS受信手段でGPS電波を受信し、演算手
段によって最上階層の第一のGPS受信手段の設置位置
を求める。この設置位置と、構造物のグランドレベル平
面の基準点とのずれ量を求め、このずれ量を補正するこ
とで、基準点の鉛直線上に正確に鉛直基準位置を盛り替
えてマーキングする。
【0028】ここで、本発明のマーキング装置は、最上
階層の第一のGPS受信手段の設置位置に固定する。す
ると、ジャイロコンパスは、設置された時点でのジャイ
ロコンパスの軸が、真北から何度ずれているかを検知
し、この検知信号から方位角検出装置は真北からの方位
角を求め、更に、この方位角を回転駆動装置に送信す
る。回転駆動手段は方位角信号に基づいてジャイロコン
パスの軸を真北に向けるように回転する。ジャイロコン
パスの軸が真北を向くと、発光器の十字スリットの一方
向も真北を向き、最上階層の床スラブ上には東西南北の
方向がレーザー光により描きだされる。この床スラブ上
に描きだされた東西南北と、前記ずれ量とに基づいて、
前記グランドレベルの基準点の鉛直線上の点を最上階層
の床スラブ上にマーキングすることができる。
【0029】また本発明の別のマーキング装置は、最上
階層の第一のGPS受信手段の設置位置に固定する。す
ると、ジャイロコンパス、方位角検出装置、回転駆動手
段が、上記マーキング装置と同様に作用して、ジャイロ
コンパスの軸を真北、すなわち発光器移動手段の所定の
軸を真北に向けるように回転する。
【0030】この所定の軸が真北に向いたら、発光器の
移動量、すなわち第一のGPS受信手段の設置位置と、
前記グランドレベルの鉛直基準点との差(ずれ量)を入
力手段から入力する。これら入力された移動量に応じ
て、発光器が移動した後、発光器が指示する床スラブ上
の点は、構造物のグランドレベル平面の鉛直基準点の鉛
直線上に位置するので、この点を最上階層の鉛直基準点
としてマーキングする。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づい
て詳細に説明する。図1は構造物の鉛直基準点盛り替え
システムを、超高層建築物に適用した場合の簡略説明図
である。本実施例において本発明のマーキング装置は、
この鉛直基準点盛り替えシステムに適用する。構造物の
鉛直基準点盛り替えシステムは、所望の施工時点におけ
る超高層建築物50の最上層に移動自在に設けた第一の
GPS受信手段としてのGPS受信機51と、超高層建
築物50の周囲の地上A地点と地上B地点とに、それぞ
れ設置した第二のGPS受信手段としてのGPS受信機
52およびGPS受信機53と、GPS受信機51,5
2,53により得られた受信データを解析して施工時に
おける超高層建築物の最上層の鉛直基準点O’の実測値
すなわち(X,Y,Z)の座標値を求める演算手段とし
ての解析用計算機55と、GPS受信機51,52,5
3から解析用計算機55へGPS受信データを送信する
送信手段としてのデータ通信回線54a,54b,54
cと、解析用計算機55によって得られた鉛直基準点を
マーキングするマーキング装置60またはマーキング装
置70とを備える。
【0032】ここで解析用計算機55は、システムを構
成するそれぞれの機器間を全体的に制御する制御手段と
しての機能も兼ね備えた構成とし、設置場所は、施工時
における超高層建築物50の最上階層、あるいはGPS
受信機52,53と同様に、超高層建築物50の周囲の
地上とする。
【0033】また、GPS受信機51は、GPS受信機
に加えて、運搬用治具、誘導方向指示装置および軽量G
PS電波受信アンテナによって移動自在に構成された可
搬型GPS受信機を兼ねたものとする。
【0034】本発明にかかるマーキング装置60は、図
2に示すように、ジャイロコンパス1と、レーザー発光
器3と、ジャイロコンパス1の方位角を検出する方位角
検出装置10と、ジャイロコンパス1の方位角を補正す
る回転駆動手段としての歯車駆動装置12および歯車1
3,14とを主要部として備え、これらの主要部がケー
シング15の内部に配置される。
【0035】このケーシング15は下部に開口部15b
が設けられ、開口部15bの廻りには脚部15aが配置
される。また、ケーシング15の内部には、半球形状の
凹部が形成された支持片2bが固定され、更に、この支
持片2bの中央部には開口2a’が設けられ、支持片2
bの半球形状の凹部にはベアリング2aが配置される。
このベアリング2aの上に、下部が半球形状に形成され
たジャイロコンパス1を載置して枢支する。この時、ジ
ャイロコンパス1の下部には、後述するように、レーザ
ー発光器3が固定されているので、このレーザー発光器
3が支持片の開口2a’に嵌挿するように、ジャイロコ
ンパス1を支持片2bに載置する。
【0036】前記ジャイロコンパス1の下部には、下端
にレーザー発光部4を有するレーザー発光器3が固定さ
れており、このレーザー発光器3の下方にはスリット盤
支持棒5によって、十字スリット6aを有するスリット
盤6が、ケーシングの開口部15bの上方に固定されて
いる。ここで、スリット盤6は、ジャイロコンパス1と
連動したときに、十字スリット6aが指示する何れか一
方向が真北を指示するように設定する。したがって、レ
ーザー発光器3のレーザー発光部4から照射されたレー
ザー光は、スリット盤6の十字スリット6aを介して、
ケーシングの開口部15bを通過し、床スラブ等のレー
ザー被照射物に十字に交差する座標軸すなわちX軸およ
びY軸を描きだすことができる。また、ジャイロコンパ
ス1の上部外表面には歯車が形成されている。なお、こ
の歯車14に替えて、別部材の歯車をジャイロコンパス
1の上に固定しても良い。
【0037】前記方位角検出装置10は、ケーブル9を
介してジャイロコンパス1に接続されており、さらに、
ケーブル11を介して歯車駆動装置12に接続されてい
る。また、歯車駆動装置12は前記支持片2bに固定さ
れており、上方に延びる軸8を有し、この軸8の上端に
は、前記ジャイロコンパス上部の歯車14と噛み合う、
歯車13が設けられている。
【0038】次に、上述のシステムを用いた構造物の鉛
直基準点盛り替え方法について説明する。最初に、施工
中の超高層建築物50のグランドレベル平面の適当な位
置にO地点を定め、また、超高層建築物50の周囲のグ
ランドレベルの適当な位置にA地点とB地点とを定め
る。ここで、これらA、B、O地点のそれぞれは、トラ
ンシットまたはセオドライトといった従来の測量機器を
用いて正確な位置を測量し、相互の位置関係を予め求め
ておく。
【0039】そして、超高層建築物50が所定階層、例
えば10階まで構築されたら、A地点、B地点に、それ
ぞれGPS受信機52,53を各一台設置し、一方、こ
の施工時点において最上層である10階には、スラブ上
を自由に移動できる可搬型のGPS受信機1を一台設置
し、これらGPS受信機51,52,53をそれぞれデ
ータ通信回線54a,54b,54cを介して解析用計
算機55に接続する。
【0040】以上のシステム設置が終わったら、解析用
計算機55によりGPS受信機52,53のうち何れか
一方と、GPS受信機51とを制御して同時にGPS電
波を受信し、これら二台のGPS受信機によって受信さ
れたGPS電波をデータ通信回線54a,54b,54
cを介して、順次、解析用計算機55に送信する。この
解析用計算機55には、予めA地点、B地点の(X,
Y,Z)座標値が初期値として入力されており、この初
期値に基づいてGPS電波を解析して、10階のスラブ
上のGPS受信機51の実測値すなわち(X,Y,Z)
座標値を求める。次いで、このGPS受信機51の
(X,Y)座標値がグランドレベルのO地点での(X,
Y)座標値とほぼ同じになるように、最上層の可搬型G
PS受信機51を数回移動して計測を繰り返し、これら
の(X,Y)座標値がほぼ同じになったら、その受信地
点(以下、O’地点という。)にGPS受信機51を固
定する。かように地上と最上層との合計二台のGPS受
信機によって、O’地点を求めると、A地点、B地点お
よび最上層において三台のGPS受信機を使用した場合
よりも短時間の数分でO’地点を求めることができ、そ
の時のO’地点の実測(X,Y)座標値は、真値に比べ
て数cmの誤差で指示できる。
【0041】以上のようにして定めたO’地点にGPS
受信機51を固定したら、解析用計算機55により各G
PS受信機51,52,53を制御して同時にGPS電
波を受信し、これらGPS電波をデータ通信回線54
a,54b,54cを介して、順次、解析用計算機55
に送信する。そして、A地点、B地点の(X,Y,Z)
座標値に基づいてGPS電波を解析して、O’地点の
(X,Y,Z)座標値を求める。
【0042】この時、超高層建築物50のグランドレベ
ル平面のO地点の鉛直線上にO’地点があれば、それぞ
れの(X,Y)座標値は一致するはずである。したがっ
て、GPS受信機で求めたO’地点の(X,Y)座標値
と、O地点の(X,Y)座標値との差(ずれ量)を求
め、このずれ量を補正するようにO’地点を移動するこ
とで、O地点の鉛直線上に正確に鉛直基準位置を盛り替
えてマーキングすることができる。なお、GPS受信機
によって求めたO’地点の(X,Y,Z)座標値のう
ち、X座標方向が真北を指示している。
【0043】次に、本発明に係るマーキング装置60を
使用し、O’地点の(X,Y)座標値と、O地点の
(X,Y)座標値とずれ量に基づいて、鉛直基準位置を
盛り替えてマーキングする方法について説明する。
【0044】最初に、マーキング装置60を図4に示す
ような三脚61の上に固定し、この三脚61をO’地点
に設置する。設置すると同時に、ジャイロコンパス1
は、設置された時点でのジャイロコンパス1の軸が、真
北から何度ずれているかを検知し、検知信号を、ケーブ
ル9を介して方位角検出装置10に送信する。方位角検
出装置10は、受信した検知信号から演算して、真北か
らの方位角を求め、更に、この方位角信号を、ケーブル
11を介して歯車駆動装置12に送信する。歯車駆動装
置12は方位角信号に基づいて歯車13を回転すると、
歯車13はジャイロコンパスの上部に設けられた歯車1
4と噛み合って、ジャイロコンパス1の軸を真北に向け
るように回転する。ジャイロコンパス1の軸が真北を向
くと、十字スリット6aの一方向も真北を向き、最上階
層の床スラブ上には、O’地点を中心として東西南北の
方向がレーザー光により描きだされる。この時、O’地
点の実測値のX座標方向が真北となるので、床スラブ上
に描きだされた東西南北と、前記ずれ量とに基づいて、
O地点の鉛直線上の点を最上階層の床スラブ上にマーキ
ングすることができる。
【0045】更にこの上に、例えば10階層を構築する
毎に、10階層の鉛直基準点O’と同様にして、その施
工時点での最上層に鉛直基準点を盛り替えれば、超高層
建築物50の鉛直方向の施工誤差(傾き)を修正しなが
ら、超高層建築物50を構築することができる。なお、
この鉛直基準点を盛り替えと修正を短い階層毎、例えば
一階層ごとに繰り返せば、さらに鉛直方向の施工精度を
向上させることができる。
【0046】さらに次に、上記マーキング装置60と同
様に、鉛直基準点盛り替えシステムおよび盛り替え方法
に適用することができるものの、マーキング装置60と
は異なる構成のマーキング装置70について説明する。
なお、図5の断面図に示したマーキング装置70におい
て、マーキング装置60と同じ構成については同じ参照
番号を用いた。
【0047】マーキング装置70は、図5の断面図に示
すように、ジャイロコンパス1と、レーザー発光器3
と、ジャイロコンパス1の方位角を検出する方位角検出
装置10と、ジャイロコンパス1の方位角を補正する回
転駆動手段としての歯車駆動装置12および歯車13,
14と、入力手段としての移動量入力パネル21及び移
動量信号変換器22と、レーザー移動部30を主要部と
して備え、これらの主要部がケーシング15に配置され
る。
【0048】このケーシング15には、図2に示したマ
ーキング装置60と同様に、開口部15b、脚部15
a、支持片2bおよびベアリング2aが設けられ、同様
に、ベアリング2aの上にジャイロコンパス1を載置し
て枢支する。この時、ジャイロコンパス1の下部の凸部
1aが支持片の開口2a’に嵌挿するように、ジャイロ
コンパス1を支持片2bに載置する。
【0049】支持片2bに載置されたジャイロコンパス
1の下部の凸部1aには、レーザー移動部支持棒5によ
ってレーザー移動部30が固定され、レーザー移動部3
0はケーシングの開口部15bの上方に配置される。
【0050】このレーザー移動部30は、図6のレーザ
ー移動部30の拡大平面図に示すように、補強棒31に
よって離隔して平行に保持された二本のレールすなわち
Y軸軌道32と、この二本のY軸軌道32に架け渡され
て、これに沿って直交する方向に移動する一本のレール
すなわちX軸軌道33と、このX軸軌道33の両端部で
それぞれ接続棒35により連結された走行輪34(図7
の走行輪34近傍の部分側面図を参照)と、このX軸軌
道33がY軸軌道上を走行するのを制御する制御装置2
4とからなる。
【0051】前記レーザー発光器3は、下端部にレーザ
ー発光部4を備え、接続棒37により走行輪36(図8
の走行輪36近傍の部分側面図を参照)に連結され、こ
の走行輪36のX軸軌道上の走行を制御する制御装置2
5とを備える。
【0052】前記移動量入力パネル21は、移動量信号
変換器22と一体に形成し、これら入力手段を、ケーシ
ング15の表面に形成した開口に嵌め込んで設け、さら
に、移動量信号変換器22は、ケーブル20を介して前
記制御装置24に接続すると共に、ケーブル23を介し
て前記制御装置25に接続する。なお、方位角検出装置
10、歯車駆動装置12、軸8および歯車13,14
は、図2に示したマーキング装置60と同様に設ける。
【0053】次に、本発明に係るマーキング装置70を
使用し、上記マーキング装置60と同様に、O’地点の
(X,Y)座標値と、O地点の(X,Y)座標値とのず
れ量に基づいて、鉛直基準点を盛り替えてマーキングす
る方法について説明する。
【0054】最初に、図4に示すような三脚61の上に
固定されたマーキング装置70をO’地点に設置する。
この時、ジャイロコンパス1、方位角検出装置10、歯
車駆動装置12および歯車13,14が、マーキング装
置60と同様に作用して、ジャイロコンパス1の軸を真
北、すなわちレーザー移動部30のX軸軌道33を真北
に向けるように回転する。
【0055】X軸軌道33が真北に向いたら、レーザー
発光部4の移動量、すなわちGPS受信機で求めたO’
地点の(X,Y)座標値と、O地点の(X,Y)座標値
との差(ずれ量)を、移動量入力パネルからそれぞれX
座標およびY座標毎に入力する。これら入力された移動
量は移動量信号変換器22を介し、X座標の移動量は、
ケーブル23を通って制御装置25に送信され、Y座標
の移動量は、ケーブル20を通って制御装置24に送信
される。そして、制御装置24,25が、それぞれX座
標およびY座標の移動量に基づいて、X軸軌道33をY
軸方向に移動すると共に、レーザー発光器3をX軸方向
に移動する。
【0056】かようにしてX軸軌道33とレーザー発光
器3とが移動した後、レーザー発光部4が指示する床ス
ラブ上の点は、超高層建築物50のグランドレベル平面
のO地点の鉛直線上に位置するので、この点をマーキン
グ装置設置階層の鉛直基準点としてマーキングする。
【0057】
【発明の効果】本発明のマーキング装置では、鉛直基準
位置のマーキングのためにジャイロコンパスとレーザー
発光部とを備えるので、座標軸すなわち東西南北の方位
軸を正確に設定することができて、レーザー光線により
鉛直基準点を指示することができる。したがって、マー
キングの精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーキング装置を使用する鉛直基準点
の盛り替えシステムを、超高層建築物に適用した場合の
簡略説明図である。
【図2】本発明に係るマーキング装置の断面図である。
【図3】図2のマーキング装置のスリット盤の平面図で
ある。
【図4】マーキング装置を三脚に設置した際の斜視図で
ある。
【図5】図2とは異なる本発明のマーキング装置の断面
図である。
【図6】図5のマーキング装置におけるレーザー移動部
を下方から見た平面図である
【図7】図6のレーザー移動部における走行輪近傍を矢
印VII方向から見た側面図である。
【図8】図6のレーザー移動部における走行輪近傍を矢
印VIII方向から見た側面図である。
【符号の説明】
1 ジャイロコンパス 3 レーザー発光器(発光器) 4 レーザー発光部(発光部) 6 スリット盤(十字スリット) 10 方位角検出装置(方位角検出手段) 12 歯車駆動装置(回転駆動手段) 13,14 歯車(回転駆動手段) 21 移動量入力パネル(入力手段) 30 レーザー移動部(発光器移動手段) 60,70 マーキング装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 15/00 102 B25H 7/04 G01C 19/00 - 19/72 G01S 5/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方位を指示する装置であって、 支持部材に枢支されたジャイロコンパスと、このジャイ
    ロコンパスに設けられ、十字スリットを備えた発光器
    と、前記ジャイロコンパスに接続され、ジャイロコンパ
    スが示す方位角を検出する方位角検出手段と、この方位
    角検出装置に接続され、前記ジャイロコンパスの軸を真
    北に向けるように補正する回転駆動手段とを備え、前記
    十字スリットは、前記ジャイロコンパスの軸が真北に向
    けられると、十字スリットの一方向が真北を指示するよ
    うに設定されたものであるマーキング装置。
  2. 【請求項2】 ジャイロコンパスが支持部材に枢支さ
    れ、発光器が発光器移動手段を介してジャイロコンパス
    に設けられ、ジャイロコンパスが示す方位角を検出する
    方位角検出装置が前記ジャイロコンパスに接続され、前
    記ジャイロコンパスの方位角を補正する回転駆動手段が
    前記ジャイロコンパスに接続され、前記発光器の移動量
    を入力する入力手段とを備え、 前記発光器移動手段は、直線状に延びるY軸軌道と、該
    Y軸軌道に直交する方向に直線状に延びるX軸軌道とを
    備え、前記発光器はX軸軌道に沿って走行移動可能に設
    けられ、前記X軸軌道はY軸軌道に沿って直交方向に走
    行移動可能に設けられ、 前記回転駆動手段により、ジャイロコンパスの方位角を
    補正するとX軸軌道の材軸が真北に向くように設定さ
    れ、前記入力手段で移動量が入力されると、X軸軌道は
    Y軸軌道に沿って走行移動すると共に発光器はX軸軌道
    に沿って走行移動して発光器を所定位置に移動させるも
    のである マーキング装置。
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