JP3426156B2 - 生活排水の敷地内地下浸透処理方法 - Google Patents

生活排水の敷地内地下浸透処理方法

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JP3426156B2
JP3426156B2 JP10593599A JP10593599A JP3426156B2 JP 3426156 B2 JP3426156 B2 JP 3426156B2 JP 10593599 A JP10593599 A JP 10593599A JP 10593599 A JP10593599 A JP 10593599A JP 3426156 B2 JP3426156 B2 JP 3426156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生活排水を一括集
水して排水中のBOD汚濁成分を主体に活性汚泥処理に
よって処理する敷地内地下浸透処理方法の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より下水道が完備されていない地域
において、一般家庭やレストラン又は集落等から排出さ
れる生活排水の排水処理は、敷地内地下浸透処理方法に
より処理されている。
【0003】この敷地内地下浸透処理方法は、生活排
水、即ち、厨房からの厨房排水、洗面所及び風呂場から
の洗面風呂排水、洗濯場からの洗濯排水、更にはトイレ
からのし尿を処理する単独浄化槽からの処理水等を一括
集水して、敷地内の地下に形成した一定容積のリアクタ
ー槽に導入し、排水中のBOD汚濁成分を主体に微生物
処理し、地下浸透を許容されるBOD排出基準値以下
(20ppm 以下)になるように処理した後、処理水を地
下浸透させるものである。
【0004】従来型の一般的なリアクター槽の構造は、
地中に埋め込み式に構成するものであり、その最上層を
厚さ20cm程度の覆土層で、最下層を厚さ20cm程度の
腐葉土層で、また、中間層を不定型の砕石を厚さ1.5
〜2m程度に積層して構成したものである。リアクター
槽の周側面は円筒形又は角筒形の非透水材で構成してあ
るものである。
【0005】また、リアクター槽の砕石層の上部には、
複数個の散水ノズルを具備した複数本の散水管を配設し
て、集水した生活排水をその中に平均に散水できるよう
にしてある。
【0006】更に、前記砕石には種菌として活性汚泥を
付着させて、生活排水を浄化する微生物を生息させてあ
る。
【0007】次に、その運転方法を説明すると、先ず、
集水した生活排水を散水管に導入し、その散水ノズルよ
りリアクター槽内の砕石の表面に均一に散水する。散水
した生活排水は、積層した砕石間を順次自然下降し、こ
の間の活性汚泥中の微生物と接触することにより、BO
D汚濁成分を主体に処理されて、最下層の腐葉土層を通
過するまでには、地下浸透が許容される排出基準値以下
となり、処理水として地下浸透によって排出されるもの
である。
【0008】しかしこのような従来型のリアクター槽に
よる処理に於いては、いくつかの問題が生じている。即
ち、使用を開始して半年あるいは1年程度の短期間に、
砕石が目詰まりを起こして、一度に多量の生活排水が流
入してきた時にオーバーフローを起こしたり、目詰まり
によってリアクター槽内が嫌気状態となり微生物の活動
が弱まって浄化能力が低下してきたり、腐敗した汚泥の
堆積やスライムの発生等によって悪臭が発生したり、ま
た、上記のような状態変化によって、生活排水が充分に
処理されないまま地下浸透してしまうことにより、地下
水の汚染を引き起こす等の性能上の問題である。
【0009】更にこのような問題に加えて、リアクター
槽内の微生物相の生息環境が悪いので、生活排水のBO
D汚濁負荷量の急激な変動や各種化学薬品の流入等によ
って、リアクター槽内に生息する微生物が急激なダメー
ジを受けると、BOD汚濁成分の除去率が大幅に低下し
てきたり、酷い時には前記微生物が死滅してしまって浄
化処理できなくなってしまうこととなり、益々状態が悪
化してしまう等の問題がある。
【0010】このような状態になった場合には、先ず、
生活排水の流入量を減少させて、前記リアクター槽にお
ける処理負荷を軽減させ微生物を養生させてやること
や、目詰まりを起こしたリアクター槽を清掃したり、砕
石を交換する等の処置が必要となってくるが、このよう
な作業にはかなりの手間と費用が掛かるものとなる。ま
た、往々にして、このような状態になっていることに気
が付かないでそのまま処理を続けていることが多いよう
である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来例
の不都合を解消し、原排水に急激な汚濁負荷変動が生じ
ても安定した処理ができる強靱な微生物相を保持し得、
目詰まりが起こり難く、手間が掛からず、処理水のサン
プリングが可能であり、かつ安価で安全に処理ができる
生活排水の敷地内地下浸透処理方法を提供することを解
決の課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の1は、厨房排
水、洗面風呂排水、洗濯排水又はトイレの浄化槽排水等
の全部又は一部からなる生活排水を集水して、濾過材で
構成したリアクター槽に導入し、該リアクター槽内を浸
透下降する間に、BOD汚濁成分を主体に活性汚泥処理
して、処理水を地下に浸透させる敷地内地下浸透処理方
法において、前記リアクター槽内の積層構成として、多
孔質粒状物層と木粒層とを交互に複数段に積層した中段
層を、その上に生物共生菌を添加した覆土層を、前記中
段層の下に生物共生菌を添加した堆肥層を、それぞれ配
して構成しておき、前記中段層の間に、前記生活排水
を、これに前記生物共生菌を後記処理水の水質の分析結
果に応じて対応する量だけ添加した上で、散水管によっ
て平均に散水し、この生活排水を、これがリアクター槽
内を浸透下降する間に、その中の中段層の間及び中段槽
とその下段の堆肥層との間に配設した空気導入管から導
入する空気によって好気性状態を保持しつつ、BOD汚
濁成分を主体に活性汚泥処理し、こうして処理され、前
記リアクター槽の最下段の堆肥層から排出することとな
る処理水を地下に放流すると共に、その一部を該リアク
ター槽の底部の一画に付設したサンプリング手段により
採水してその水質を分析確認し、得られた水質データに
応じて、前記生物共生菌の添加量及び前記空気導入管に
よる空気の導入量を制御する生活排水の敷地内地下浸透
処理方法である。
【0013】従って本発明の1の生活排水の敷地内地下
浸透処理方法によれば、原排水の中及び前記リアクター
槽内には、生物共生菌が生息し、かつ、リアクター槽内
は、空気導入管で導入される空気により曝気されて、微
生物が活発に生息できる環境となっている。それ故、上
記生物共生菌が原排水中のBOD汚濁成分を好適に安定
して処理することができる。また、その結果として、処
理水のBODの値が低くなり、地下水の汚染を生ずるこ
とがない安定した処理水質が得られる。
【0014】原排水は、既述のように、リアクター槽の
中段層の間より導入するので、これが一度に多量に導入
された場合でも、該リアクター槽には、上部に余裕があ
り、該原排水のうち単位時間あたりの下降量を超えた分
は、一旦、該リアクター槽の上部に移行して保留される
こととなる。それ故、このような場合にも、リアクター
槽がオーバーフローを起こして新たなトラブルを発生す
るようなことはない。ここで一旦保留された該原排水
は、その後次第に下降しながら、前記同様に好気性状態
の下で活性汚泥処理される。
【0015】また、前記リアクター槽の中段層には、多
孔質粒状物層と木粒層とを交互に複数段に積層してある
ので、浸透性が良く、空隙に空気を充分に取り入れるこ
とができ、保温性も向上する。そのため、微生物の生息
活動が一層活発となって、安定した処理ができるように
なる。
【0016】そして、リアクター槽の内部は、その中段
層に多孔質粒状物層を備えていること及び空気導入管に
より空気を導入していることにより、常に好気性状態と
なっているので、腐敗汚泥の堆積やスライムの発生が無
く、目詰まり等による内部清掃の必要も発生せず、手間
やコストが削減できる。
【0017】また、前記生物共生菌による有機物の分解
作用は、その過程において悪臭ガスの発生がなく、二酸
化炭素と水とに効果的に分解されるので、汚泥の発生が
極めて少ないものとなって、長期間に渡って前記リアク
ター槽内の掃除の必要がなくなる。
【0018】更に、処理水を水中ポンプで汲み上げて採
水し、その水質を分析確認し、得られた水質データに応
じて、原排水である前記生活排水への生物共生菌の添加
量及びリアクター槽内の前記所定部位への空気の導入量
を適切に制御することとしたので、これによって、常
に、最適な条件の下で活性汚泥処理を遂行することがで
きる。一般に微生物処理の場合は、運転開始して数日間
は処理水質が安定しにくいので、サンプリングの回数を
多くして、早めにアクションを採るのが適切であり、こ
れが実行できる。
【0019】本発明の2は、本発明の1の生活排水の敷
地内地下浸透処理方法に於いて、前記生物共生菌とし
て、好気性菌60〜85%、通性嫌気性菌20〜5%、
嫌気性菌20〜5%の組成割合の菌群を採用したもので
ある。
【0020】従って、本発明の2の生活排水の敷地内地
下浸透処理方法によれば、原排水に異常がない場合に
は、前記リアクター槽内は、常に好気性の状態となって
いるので、前記生物共生菌としては好気性菌だけでも処
理できるものである。しかし、万一、例えば、トイレの
浄化槽に異常が発生してその排水が異常になった場合
や、リアクター槽の隅の方が疑似嫌気性になった場合等
を考慮して、より安全を見越して、前記生物共生菌とし
て好気性菌を主体に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共存さ
せたので、槽内が嫌気性になりかかっても充分に処理を
可能としたものである。
【0021】なお、このように、生物共生菌として、好
気性菌、嫌気性菌及び通性嫌気性菌の三種類の菌群を共
生させたのは、要処理水である生活排水中の有機物が膠
質物によって包まれるような状況が生じても、その分解
を良好に継続できるようにするためである。
【0022】本発明者の観察によれば、要処理水が、嫌
気性又は疑似嫌気性となってきた場合、例えば、導入さ
れた原排水中の有機物が膠質のようなもので包まれるよ
うな状況が発生している場合には、好気性菌だけの存在
下で曝気処理をしてもそれらの有機物は殆ど分解される
ことなく、単にリアクター槽内を下降移動するのみであ
り、いずれリアクター槽内の下方に沈殿堆積するように
なるに過ぎない。
【0023】これに対して、このような状況の槽内に、
好気性菌に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共生させた前記
生物共生菌が存在させることとすると、前記の膠質で包
まれた有機物の分解を行うことが可能となって、良好な
分解活動が継続し、BOD汚濁成分を所要レベルにまで
処理することができるようになるものである。
【0024】これは、上記のような状況の下で、好気性
菌に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共生させた前記生物共
生菌を存在させると、先ず初めに、嫌気性菌及び通性嫌
気性菌が働いて、前記有機物を包む膠質の膜を破ると共
に、内部の有機物の分解を開始させ、引き続いて好気性
菌が作用して有機物の分解を一層進めるようにするから
であると推定することができる。
【0025】また、各菌の割合は、繰り返し行った実験
の結果から得られたものであり、要処理水が前記のよう
な状況である場合には、好気性菌60〜85%、通性嫌
気性菌20〜5%、嫌気性菌20〜5%の組成割合が最
適であって、上記割合以外ではなかなか良好な結果は得
られない。
【0026】本発明の3は、本発明の1の生活排水の敷
地内地下浸透処理方法に於いて、前記生物共生菌とし
て、好気性菌を主体とする酵母菌、子嚢菌及びセルロー
ス分解菌と、通性嫌気性菌を主体とする蛋白質分解菌、
乳酸菌及び枯草菌と、嫌気性菌を主体とする光合成菌、
硝酸化成菌、窒素固定菌、酢酸菌及び酪酸菌とを含む菌
群を、キャリアに吸着固定させて共生させ、対象とする
生活排水の基質濃度に対応する菌濃度に培養した複合微
生物菌を採用したものである。
【0027】従って、本発明の3の生活排水の敷地内地
下浸透処理方法によれば、前記リアクター槽の中に、前
記好気性菌、通性嫌気性菌及び嫌気性菌の各菌群に属す
る菌が存在する前記生物共生菌を採用したので、前述の
ように、好気性の状態では基より、疑似嫌気性及び嫌気
性の状態となっても、より効率よく有機物の分解活動が
行うことができ、確実に安定した処理ができるようにな
る。
【0028】前記生物共生菌はキャリアに吸着固定させ
て用いるものであるが、原排水の基質の濃度が高い場合
には、添加する生物共生菌の割合も増加させる必要が生
じる。しかし、単に、その添加量を増加したのでは、キ
ャリアの添加量も同時に増加する問題が生じる。即ち、
キャリアもまた要分解対象となるものであり、これが必
要以上に増加するのは好ましくない。従って、前記生物
共生菌の力価、即ち、その濃度を基質の濃度に対応する
ものとしてキャリアに吸着固定させて用いるようにした
ものであり、こうすることによって、無用な要分解物を
増加させずに効率よく処理ができるものとなる。
【0029】また、前記菌群によって構成される生物共
生菌は、その安全性が確保できるものであり、前記リア
クター槽内で活動を開始すると、該リアクター槽内で新
たな生物共生菌を生体合成するので、該リアクター槽内
の微生物相は原排水の変動に対して耐性のある良好な状
態となる。
【0030】本発明の4は、本発明の1の生活排水の敷
地内地下浸透処理方法に於いて、前記サンプリング手段
を、前記リアクター槽の底部の一画から直立させ、その
上端を地上に表出させた案内管と、上記案内管の下端を
小孔を有する蓋で閉じて構成した処理水ピットと、上記
処理水ピットに接続した処理水集水管であって、前記リ
アクター槽の底部に平均に配した処理水集水管と、前記
処理水ピットの中に、前記案内管を通じて装入した水中
ポンプであって、上記処理水ピットに集水された処理水
を汲み上げ地上でサンプリングするための水中ポンプと
で構成したものである。
【0031】従って、本発明の4の生活排水の敷地内地
下浸透処理方法によれば、その構造が簡単で製作し易
く、壊れにくいものであり、また処理水のサンプリング
が容易にできるものとなる。
【0032】また、前記処理水ピットは、前記案内管の
下端を小孔を有する蓋で閉じて構成したものであるた
め、常に、前記処理水ピットに溜まってくる処理水を、
下から適量づつ地下に浸透放流させているので、新しい
処理水をリアルタイムに正確にサンプリングすることが
できる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しながら説明する。図面は、本発明の生活排水の
敷地内地下浸透処理方法を実施するための設備の一例を
示すもので、図1は、そのリアクター槽の縦断側面図、
図2は、そのリアクター槽中の配管構成を示した一部切
欠斜視図である。
【0034】初めに本発明に用いる設備に関して説明す
る。リアクター槽1は、図1に示すように、地中2に埋
め込み式に構成するもので、その最上層に生物共生菌を
添加した覆土層3を、最下層に上記生物共生菌を添加し
た堆肥層4を配し、その間に中段層を配して、側面を角
筒形の非透水材5で囲ったものである。ここで非透水材
5としては塩化ビニルやポリエステル又はABS等のプ
ラスチック材や、コンクリート材等が好ましく用いられ
る。
【0035】リアクター槽1の大きさは、処理する生活
排水、即ち、原排水の導入量によって決定すべきである
が、平均的な家族4人構成の一般家庭から排出される総
排水量が0.5〜0.6m3/日程度で、そのBOD汚
濁濃度が250〜500ppm程度である場合には、縦2
m×横2m×深さ2m前後の容積、即ち、8m3程度の
大きさが適当である。
【0036】前記リアクター槽1の中段層は、粒径4〜
7mm程度の多孔質粒状物を厚さ25cm程度に敷詰めた多
孔質粒状質層6と、粒径3〜10mm程度の木粒を厚さ2
5cm程度に敷詰めた木粒層7とを交互に複数段(6〜7
段)に積層して構成する。
【0037】ここで、多孔質粒状物の材質としては、ポ
リスチレン、ポリエステル、ポリエチレン又はポリプロ
ピレン等を発泡させて表面積を大きくしたもの、あるい
は、ゼオライトやセラミック等が好ましく用いられる。
【0038】また、木粒としては、粒状のおが屑や小形
のチップ状の木片が好ましく用いられる。
【0039】また、前記覆土層3は厚さ25cm程度に、
前記堆肥層4は厚さ25cm程度に、それぞれ構成するこ
ととし、各層には生物共生菌をキャリア共々1〜1.5
Kg程度に敷込んでおく。
【0040】前記リアクター槽1の槽内の中段層を構成
する多孔質粒状質層6と木粒層7との間には、図1及び
図2に示すように、非透水性の口径30〜50mm程度の
管体を用いて、中段層の層間で枝分かれさせた複数本の
散水管8を配設し、該散水管8に配した複数個の散水ノ
ズル9から原排水を平均に散水できるようする。また上
記各散水ノズル9には、目詰まり防止のために目開き2
〜3mmの網を被せておくことが好ましい。
【0041】また前記リアクター槽1の中段層を構成す
る木粒層7と多孔質粒状質層6との間及び多孔質粒状質
層6とその下方の堆肥層4との間には、非透水性で口径
30〜40mm程度の管体を用いて、それらの層間で枝分
かれさせた複数本の空気導入管10を配設する。これら
の空気導入管10には複数個の噴出孔11を配して、平
均に空気を導入できるようにする。更に上記空気導入管
10の他方の端部は図示しない送風装置に接続する。
【0042】前記リアクター槽1の底部の一画には、前
記サンプリング手段を構成する。前記サンプリング手段
は、処理水集水管12と、処理水ピット15と、水中ポ
ンプ13と、水中ポンプ13をセットする案内管14と
からなるものである。
【0043】前記案内管14は、非透水性の直径200
〜300mm程度、長さ2600〜2800mm程度の直管
を用いて、これを前記リアクター槽1の底部の一画に直
立させ、その上端を地上に表出し、下端は小孔をあけた
底蓋で閉じる。
【0044】上記小孔は、現時点の処理水をリアルタイ
ムで正確にサンプリングできるようにするために、先に
集水し、下の方に残っている処理水を少しづつ地下に浸
透させて、常に処理水を更新するようにするためのもの
である。
【0045】前記案内管14の底部の一画はピット状に
約550mm程度に掘っておき、これに砕石を50mm程度
の厚さに敷込み、その上に前記案内管14を立ち上げ
る。前記案内管14の蓋で閉じられた下端部が処理水を
貯留する処理水ピット15となる。また前記蓋が、上記
処理水ピット15の底になり、これには、前記のよう
に、小孔が形成してあるので、前記のように、集水され
た処理水を常時適量づつ地下に浸透させることができ
る。
【0046】前記処理水集水管12は、非透水性の口径
100mm程度の管体を用いて、複数の分岐を有するもの
に構成し、これらを、前記堆肥槽5の下方に、前記処理
水の一部を平均して集水できるように設置し、それぞれ
が集中結合した基部の端部を前記処理水ピット15の上
部に接続する。
【0047】また前記処理水集水管12には、前記処理
水を受けるための口径50mm程度の穴を等間隔で複数あ
けておき、それらの穴には網を掛けて堆肥等の異物が入
らないようにしておく。これによって前記処理水の一部
が、常時、前記処理水ピット15に導入されるようにな
る。
【0048】更にまた前記処理水ピット15の中には、
前記案内管14を通じて地上から水中ポンプ13を装入
し、該処理水ピット15に導入された処理水を地上で採
水できるようにする。これによって、随時、前記処理水
を分析し水質確認し、得られた水質データに応じて、導
入する生活排水への前記生物共生菌の添加量や中段層等
への導入空気量を制御することにより、排水の処理状態
を適切に管理し、地下水の汚染を未然に防止する。
【0049】また、採水した前記処理水は、必要によ
り、原排水の中に返送することによって、原排水の中の
微生物の生息がより活発となり、一層安定した処理が可
能となる。
【0050】ここで前記生物共生菌について説明する。
前記生物共生菌は、自然界に存在する無数の微生物群の
中から、浄化に有効な好気性菌、通性嫌気性菌及び嫌気
性菌の菌群を厳選したものであって、対象となる原排水
の温度に応じて、例えば、原排水の温度が25〜35℃
の範囲であれば中温菌の中から、温度が25℃以下であ
れば低温菌の中から、更に、温度が10℃を下回る低温
の場合には低温菌の中でも一層低温を好む好冷菌を選択
して用いるものである。
【0051】これらの菌群としては、主として好気性菌
群を含む酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌等と、主
として通性嫌気性菌群を含む蛋白質分解菌、乳酸菌及び
枯草菌等と、主として嫌気性菌群を含む光合成菌、硝酸
化成菌、窒素固定菌、酢酸菌及び酪酸菌等とを共生させ
た複合微生物菌群を採用することができる。
【0052】これらの菌群は、好気性菌群が60〜85
%程度、通性嫌気性菌群が20〜5%程度、嫌気性菌群
が20〜5%程度に含まれるものが有効である。
【0053】これらの複合微生物菌群は、共生培養し、
その際のキャリアとして、玄米の粉、米糠、ふすま及び
繊維素類の1種又は複数種を組み合わせたものと、プロ
ティン、コーン粉末、窒素無機物、ビタミン類及びミネ
ラル類の1種又は複数種を組み合わせたものとを混合し
て構成したものを採用することができる。
【0054】上記キャリア中の菌群の濃度(力価)は、
適用対象となる原排水の基質濃度に応じて調節すること
とし、これは主としてキャリアに菌を植えつける際の菌
原液の濃度を調節することによって行う。植え付ける際
の菌の濃度を高くすれば、培養完了時の菌濃度も必ずし
も比例して高くなるとまでは言えないが、それに応じて
高くなるものである。原排水の基質濃度に応じた適切な
菌の濃度は実験的に定めることができる。
【0055】また、この複合微生物菌群は、自然界に存
在する浄化に有効に働く菌であって、いずれにしても安
全な菌群を選択するものである
【0056】以上の生物共生菌による浄化メカニズム
は、自然界で行われている微生物群の働きによる有効な
浄化作用を見いだし、これを人工的に効果的に行わしめ
るものである。本発明者の知見によれば、各種有機物
は、好気性の下では好気性菌群による酸化分解が行わ
れ、嫌気性及び疑似嫌気性の下では、嫌気性菌群及び通
性嫌気性菌群による還元分解によって、それぞれ役割分
担されて分解処理されるものである。そこで本発明で
は、リアクター槽中の全部又は一部が嫌気性又は疑似嫌
気性となった場合のために3種類の菌群を共存させたも
のである。なお、前記生物共生菌は、このような分解活
動に伴って、新たに生体合成が行われ、増殖が繰り返さ
れ、安定した浄化作用が継続することとなるものであ
る。
【0057】なおまた前記生物共生菌による効果的な活
動が行われるためには、環境設定因子として、温度、p
H、溶存酸素量、栄養塩バランス、微量元素及び酵素等
が適したものであることが必要である。
【0058】しかして本発明においては、前述のよう
に、対象となる原排水の温度によって用いる菌を選択す
る。原排水が生活排水の場合には、夏場は中温菌の中か
ら、冬場は低温菌又は好冷菌の中から選択して用いるこ
とが好ましい。
【0059】pHは5.5〜8.5程度が好ましいが、生
活排水のpHは、通常は、ほぼこの範囲に納まっているの
で好適である。また、溶存酸素量は1〜1.5ppm程度
が好適な条件であるが、これはリアクター槽内に配した
空気導入管10により空気が導入されていることから確
保できる。
【0060】一方、栄養塩バランスとしては適量の窒素
及び燐の塩類が好気性の下における酸化分解に必要であ
る。また、微量元素としてはカリウム、ナトリウム、カ
ルシウム及びマグネシウム等の元素が、微生物の生育と
代謝において外部の環境変化に対し生体内浸透圧を一定
に保つ浸透圧調整作用や酵素を活性化する触媒作用に必
要である。更に、重炭酸塩や燐酸塩等も生体内のpHを一
定に保つ緩衝作用を付与することから必要となる。ま
た、酵素も各種菌の好気性の下における酸化分解等に重
要な役割を担っている。
【0061】しかし、幸いなことに、原排水が生活排水
の場合には、これら各成分は、いずれも適量に含まれて
いるので、各種有機物の酸化分解を効果的に行わせるこ
とができるものである。
【0062】また、前記生物共生菌による有機物の分解
作用は、その過程において悪臭ガスの発生がなく、二酸
化炭素と水とに効果的に分解されるので、汚泥の発生が
極めて少ないことも特徴となっている。
【0063】前記生物共生菌の原排水への添加量は、B
OD汚濁負荷量(g/日)に対して3〜4%程度となる
キャリア共々10g/日前後が好ましい。
【0064】次に、本発明の生活排水の敷地内地下浸透
処理方法について説明する。先ず、前記リアクター槽1
内の中段層の層間及び中段槽と下段層との間に配設した
空気導入管10に送風装置からの空気を導入し、それら
の噴出孔11より放出させて、前記リアクター槽1の内
部を好気性状態とする。
【0065】他方、厨房排水、洗面風呂排水、洗濯排水
及びトイレの浄化槽排水等からなる生活排水を、フィル
ターを通して粗大異物を除去した後、原排水として、一
旦、角枡に受けた後に、前記リアクター槽1の中段層の
層間より導入し、前記散水管8に配設した前記散水ノズ
ル9より槽内に平均に散水する。
【0066】ここで、原排水を、前記リアクター槽1の
中段層の層間より導入するのは、万一、該原排水が一度
に多量に排水され、単位時間あたりの下降水量を超えて
いる場合でも、越えた分が一旦前記リアクター槽1の上
部に移行して保留され、リアクター槽1からオバーフロ
ーを起こして新たなトラブルを発生することがないよう
にしたものである。
【0067】また、前記原排水には、原則として、厨房
において前記生物共生菌を1日当たりキヤリア共々10
g程度を毎日添加する。なお運転開始時に於いては、前
記生物共生菌の添加量は通常の2〜3倍程度とするのが
好ましい。
【0068】散水された前記原排水は、次第に、リアク
ター槽内の前記木粒層7及び前記多孔質粒状質層6を下
降する。この間に、前記原排水は、好気性状態の下で前
記生物共生菌と接触し、BOD汚濁成分を主体に処理さ
れて、最下層の前記堆肥層4を通過するまでには、処理
水として地下浸透処理が許容されるBOD濃度となる。
そして上記処理水は、前記リアクター槽1の直下の地下
に浸透処理によって放流するものである。
【0069】また、前記処理水の一部は、その水質を確
認するために、前記処理水集水管12によって前記処理
水ピット15に集水され、前記水中ポンプ13によって
汲み上げられて採水される。そしてこれを分析して得ら
れた水質データに応じて、処理条件にフィードバック
し、前記生物共生菌の添加量や曝気の空気量を最適に制
御するものである。
【0070】
【実施例】次に実施例によって本発明を具体的に説明す
るが、これは本発明の効果を説明するためのものであっ
て、これによって本発明が限定されるものではない。
【0071】<実施例>家族4人構成の一般家庭の各所
から排出されるBOD汚濁濃度が平均480ppm 、排水
量が平均0.6m3/日である生活排水を原排水とし
て、本発明の生活排水の敷地内地下浸透処理方法によっ
て処理することにした。
【0072】先ず、初めに前記リアクター槽1を構成す
る準備とし、前記リアクター槽1の外枠として、厚さ7
mmの塩化ビニル樹脂板を用いて縦1.8m×横2m×深
さ2.2mの大きさの天地を開放した枠を作成し、これ
を地中2に上記外枠とほぼ同じ大きさの穴を掘って、上
記外枠の上部が地表面と同レベルとなるように埋め込ん
だ。
【0073】次いで、前記外枠の中の底部隅の一画に、
前記サンプリング手段を構成することとした。先ず、前
記案内管14として、外径264mm、内径250mm、長
さ2700mmの塩化ビニル樹脂管を用いて、前記リアク
ター槽1の底部隅の一画に直立させ、その上端を地上に
表出させ、下端には、直径264mm、厚さ7mmの塩化ビ
ニル樹脂板に口径3mmの小孔を2個空けた底蓋を取り付
けた。
【0074】次いで、前記リアクター槽1底部隅の一画
に、直径270mm程度、深さが550mm程度のピット状
の穴を掘り、その底に砕石を50mm程度の厚さに敷込ん
だ。そしてこの穴の中に前記案内管14の底蓋をした下
端部を置き、ピット状に掘ったレベルまで掘り起こした
土で埋め込み、案内管14の埋め込んだ部分を前記処理
水ピット15とした。
【0075】次いで、前記リアクター槽1の底部の前記
堆肥槽5の下方に、前記処理水の一部を平均して集水で
きるように、内径80mmの塩化ビニル樹脂管を用いた前
記処理水集水管12を3本平行に分岐させ、3本が集ま
った基部の端部を前記処理水ピット15の上部に接続し
た。また、前記処理水集水管12には口径50mmの穴を
複数個、等間隔にあけ、かつ該穴には口径3mmの金網を
掛けて異物が入らないようにした。
【0076】前記処理水ピット15の中には、前記案内
管14を通じて、地上から小型の水中ポンプ13を装入
し、そこに導入された処理水を地上で採水できるように
した。
【0077】また、前記外枠の中にはリアクター槽1の
最下層として堆肥を厚さ20cm程度に敷詰めて、その内
部に下記組成の生物共生菌のキャリア共々1Kgを全体に
平均にばらまくように添加して堆肥層4を形成した。
【0078】<生物共生菌の組成>好気性菌として酵母
菌、子嚢菌及びセルロース分解菌の中から、通性嫌気性
菌として蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌の中から、嫌
気性菌として光合成菌、硝酸化成菌、窒素固定菌、酢酸
菌及び酪酸菌の中から、中温菌に属するものと低温菌に
属するものとを半々でそれぞれ菌群を選定し、好気性菌
群70%、通性嫌気性菌群20%及び嫌気性菌群10%
の割合で配合した。そしてこれらの菌群を共生させて、
菌を植えつける際の原液添加量は通常量として培養し、
キャリアとして玄米の粉、ふすま並びにプロティン、コ
ーン粉末、ビタミン類及びミネラル類を混合したものに
吸着固定させた。上記生物共生菌については、実施例の
処理に先立って、魚類のヒメダカによる急性毒性試験及
びマウスによる経口急性毒性試験によって安全であるこ
とを確認した。
【0079】また、最下層の前記堆肥層4の上面及びリ
アクター槽内の中段層を構成する前記多孔質粒状質層6
の上面には、それぞれに内径30mmの塩化ビニル樹脂管
を用いた前記空気導入管10を4本、平行に枝分かれさ
せて配設した。更に前記空気導入管10には、複数の噴
出孔11を横向きに形成して、槽内に空気を平均に送り
込めるようにした。
【0080】前記空気導入管10の上に、平均粒径6mm
の発泡ポリスチレンを厚さ25cm程度に敷詰めて前記多
孔質粒状質層6を構成し、その上に平均粒径4mmのおが
粒を厚さ25cm程度に敷詰めて前記木粒層7を構成し、
これを3回繰り返し積層して6層とし、この上にもう1
層、前記多孔質粒状質層6を構成した。
【0081】次いで、前記多孔質粒状質層6の上面に、
内径35mmの塩化ビニル樹脂管を用いた前記散水管8を
4本、平行に枝分かれさせて配設した。また、前記散水
管8には複数の前記散水ノズル9を付設して前記原排水
を槽内に均一に散水できるようにした。また、前記散水
ノズル9には、目詰まり防止のために目開き3mmの金網
を被せて異物が入らないようにした。
【0082】最後に、前記散水管8の上に覆土を厚さ2
0cm程度に被せて前記覆土層3を構成し地表面と同じレ
ベルとなるようにした。また、前記覆土層3の内部に
は、前記組成の生物共生菌を全体に平均にばらまくよう
に、キャリア共々1Kgを添加してリアクター槽1の準備
を完了した。
【0083】また、各所から排出してくる生活排水は、
50メッシュの金網を通過させて、粗大異物を除去した
後、一旦、市販の角枡に受けた後に、原排水として前記
リアクター槽1に導入するようにした。なお、上記生活
排水の厨房排水には、運転開始から5日間は、前記組成
の生物共生菌をキャリア共々20g /日(1日のBOD
汚濁負荷量に対して7%相当)を毎日添加することと
し、その後はキャリア共々10g /日(1日のBOD汚
濁負荷量に対して3.5%相当)を毎日添加することと
した。
【0084】以上の準備が完了したところで、本発明に
よる生活排水の敷地内地下浸透処理方法により生活排水
の処理を開始した。そして3日後、10日後、1ケ月
後、以後毎月1回13ケ月に渡って処理水を採水して、
その処理状況を、次に示す測定項目及び測定方法により
データーを採取しその結果を表1にまとめた。
【0085】<測定項目及び測定方法> 1.pHの測定 JIS K0102 12.1に基づき測定する。 2.BODの測定 JIS K0102 21に基づき測定する。 3.処理水の臭いの判定 処理水の臭いを嗅覚によって嗅ぎ分け表現する。
【0086】
【表1】
【0087】表1に示した水質試験の結果からも分かる
ように、運転開始して3日後において処理水の臭いに弱
い下水臭を感じたが、pHの値は6.8、BODの値は2
0ppm となっており、地下浸透処理の許容される値とな
っていた。更に、その後10日後から以降経過するに従
って、処理は一層安定してきて処理水の臭いは感じない
ものとなり、BODの値も1桁前後の水質となってい
た。
【0088】また、この間、リアクター槽の状態も全く
安定していて、リアクター槽内に目詰まりを起こして原
排水の導入に支障を来すこともなく、悪臭の発生やスラ
イムの発生を見ることもなく、四季を通じ安定した状態
で処理することができた。
【0089】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の1の生活排
水の敷地内地下浸透処理方法によれば、原排水中及びリ
アクター槽内には、生物共生菌が生息し、かつ、リアク
ター槽内は、空気導入管から送られてくる空気により曝
気されて、微生物が活発に生息できる環境となっている
ので、上記生物共生菌が原排水中のBOD汚濁成分を好
適に安定して処理することができる。その結果として、
処理水のBODの値は低くなり、地下水の汚染を生ずる
ことがない安定した処理水質が得られる。
【0090】そして、原排水は、リアクター槽の中段層
の層間より導入するので、原排水が一度に多量に排水さ
れた場合でも、該原排水は、一旦、リアクター槽の上部
に移行して保留され、リアクター槽からオバーフローを
起こして新たなトラブルを発生することがない。ここで
一旦保留した該原排水は、その後次第に下降しながら、
前記同様に好気性状態の下で活性汚泥処理される。
【0091】また、前記リアクター槽の中段層には、多
孔質粒状物層と木粒層とを交互に複数段に積層して使用
するので、浸透性が良く、空隙に空気を充分に取り入れ
ることができ、保温性も向上するので、微生物の生息活
動が一層活発となって、安定した処理ができるようにな
る。
【0092】また、リアクター槽の内部は、常に、好気
性状態となっているので、腐敗汚泥の堆積やスライムの
発生が無く、目詰まり等による内部清掃の必要も無くな
り手間やコストの削減となる。
【0093】また、前記生物共生菌による有機物の分解
作用は、その過程において悪臭ガスの発生がなく、二酸
化炭素と水とに効果的に分解されるので、汚泥の発生が
極めて少ないものとなって、長期間に渡って前記リアク
ター槽内の掃除の必要がなくなる。
【0094】更に、処理水を水中ポンプで汲み上げて採
水し、その水質を分析し、得られた水質データに応じ
て、前記生物共生菌の添加量や空気の送風量を適量に制
御することとしたので、最適な条件の下で運転をするこ
とができる。一般に微生物処理の場合は、運転開始して
数日間は処理水質が安定しにくいので、サンプリングの
回数を多くすることにより、早めにアクションをとるこ
とができるようになる。
【0095】本発明の2の生活排水の敷地内地下浸透処
理方法によれば、前記リアクター槽内が、嫌気性状態又
は疑似嫌気性状態となってしまっても、リアクター槽内
に、好気性菌に通性嫌気性菌及び嫌気性菌を共生させた
前記生物共生菌が存在するので、前記状態で膠質で包ま
れた有機物などが導入されても、その分解を行うことが
可能となって、良好な分解活動が継続し、BOD及びC
OD汚濁成分を所要レベルにまで処理することができ
る。
【0096】この理由は、好気性菌に通性嫌気性菌及び
嫌気性菌を共生させた前記生物共生菌が存在すると、先
ず初めに、嫌気性菌及び通性嫌気性菌が働いて前記有機
物を包む膠質の膜を破ると共に、内部の有機物の分解を
開始させ、引き続いて好気性菌が作用して有機物の分解
を一層進めるようになると推定することができる。
【0097】また、以上のような嫌気性又は疑似嫌気性
状態で有効に作用する各菌の割合は、繰り返し行った実
験の結果から得られたものであるが、好気性菌60〜8
5%、通性嫌気性菌20〜5%、嫌気性菌20〜5%の
組成割合が最適であって、上記割合外では良好な結果は
得られないものである。
【0098】本発明の3の生活排水の敷地内地下浸透処
理方法によれば、前記リアクター槽の中に、前記好気性
菌、通性嫌気性菌及び嫌気性菌の各菌群に属する菌が存
在する前記生物共生菌を採用したので、前述のように、
好気性の状態では基より、疑似嫌気性及び嫌気性の状態
となっても、より効率よく有機物の分解活動が行うこと
ができ、確実に安定した処理ができるようになる。
【0099】前記生物共生菌はキャリアに吸着固定させ
て用いるものであるが、原排水の基質の濃度が高い場合
には、添加する生物共生菌の割合も増加させる必要が生
じる。しかし、単に、その添加量を増加したのでは、キ
ャリアの添加量も同時に増加する問題が生じる。即ち、
キャリアもまた要分解対象となるものであり、これが必
要以上に増加するのは好ましくないことである。従っ
て、前記生物共生菌の力価、即ち、その濃度を基質の濃
度に対応するものとしてキャリアに吸着固定させて用い
るようにしたものであり、こうすることによって、無用
な要分解物を増加させずに効率よく処理ができるものと
なる。
【0100】また、前記菌群によって構成される生物共
生菌は、その安全性が確保できるものであり、前記リア
クター槽内で活動を開始すると、該リアクター槽内で新
たな生物共生菌を生体合成するので、該リアクター槽内
の微生物相は原排水の変動に対して耐性のある良好な状
態となる。
【0101】本発明の4の生活排水の敷地内地下浸透処
理方法によれば、その構造が簡単で製作し易く、壊れに
くいものであり、また、サンプリングが容易にできるも
のとなる。
【0102】また、前記処理水ピットの底には小孔があ
けてあるので、前記処理水ピットにピット溜まってくる
処理水を、常時、適量づつ地下に浸透放流させているの
で、現時点の導入処理水をリアルタイムに正確にサンプ
リングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生活排水の敷地内地下浸透処理方法を
実施するためのリアクター槽の一実施形態の縦断側面
図。
【図2】本発明の生活排水の敷地内地下浸透処理方法を
実施するためのリアクター槽の配管構成を示した一部切
欠斜視図。
【符号の説明】
1 リアクター層 2 地中 3 覆土層 4 堆肥層 5 非透水材 6 多孔質粒状物層 7 木粒層 8 散水管 9 散水ノズル 10 空気導入管 11 噴出孔 12 処理水集水管 13 水中ポンプ 14 案内管 15 処理水ピット

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厨房排水、洗面風呂排水、洗濯排水又は
    トイレの浄化槽排水等の全部又は一部からなる生活排水
    を集水して、濾過材で構成したリアクター槽に導入し、
    該リアクター槽内を浸透下降する間に、BOD汚濁成分
    を主体に活性汚泥処理して、処理水を地下に浸透させる
    敷地内地下浸透処理方法において、 前記リアクター槽内の積層構成として、多孔質粒状物層
    と木粒層とを交互に複数段に積層した中段層を、その上
    に生物共生菌を添加した覆土層を、前記中段層の下に生
    物共生菌を添加した堆肥層を、それぞれ配して構成して
    おき、前記中段層の間に、前記生活排水を、これに前記
    生物共生菌を後記処理水の水質の分析結果に応じて対応
    する量だけ添加した上で、散水管によって平均に散水
    し、 この生活排水を、これがリアクター槽内を浸透下降する
    間に、その中の中段層の間及び中段槽とその下段の堆肥
    層との間に配設した空気導入管から導入する空気によっ
    て好気性状態を保持しつつ、BOD汚濁成分を主体に活
    性汚泥処理し、 こうして処理され、前記リアクター槽の最下段の堆肥層
    から排出することとなる処理水を地下に放流すると共
    に、その一部を該リアクター槽の底部の一画に付設した
    サンプリング手段により採水してその水質を分析確認
    し、得られた水質データに応じて、前記生物共生菌の添
    加量及び前記空気導入管による空気の導入量を制御する
    生活排水の敷地内地下浸透処理方法。
  2. 【請求項2】 前記生物共生菌として、好気性菌60〜
    85%、通性嫌気性菌20〜5%、嫌気性菌20〜5%
    の組成割合の菌群を採用した請求項1の生活排水の敷地
    内地下浸透処理方法。
  3. 【請求項3】 前記生物共生菌として、好気性菌を主体
    とする酵母菌、子嚢菌及びセルロース分解菌と、通性嫌
    気性菌を主体とする蛋白質分解菌、乳酸菌及び枯草菌
    と、嫌気性菌を主体とする光合成菌、硝酸化成菌、窒素
    固定菌、酢酸菌及び酪酸菌とを含む菌群を、キャリアに
    吸着固定させて共生させ、対象とする生活排水の基質濃
    度に対応する菌濃度に培養した複合微生物菌を採用した
    請求項1又は2の生活排水の敷地内地下浸透処理方法。
  4. 【請求項4】 前記サンプリング手段を、前記リアクタ
    ー槽の底部の一画から直立させ、その上端を地上に表出
    させた案内管と、上記案内管の下端を小孔を有する蓋で
    閉じて構成した処理水ピットと、上記処理水ピットに接
    続した処理水集水管であって、前記リアクター槽の底部
    に平均に配した処理水集水管と、前記処理水ピットの中
    に、前記案内管を通じて装入した水中ポンプであって、
    上記処理水ピットに集水された処理水を汲み上げ地上で
    サンプリングするための水中ポンプとで構成した請求項
    1、2又は3の生活排水の敷地内地下浸透処理方法。
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