JP3426006B2 - 真のｉビーム断面を有するｉビーム針 - Google Patents

真のｉビーム断面を有するｉビーム針

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JP3426006B2
JP3426006B2 JP27591393A JP27591393A JP3426006B2 JP 3426006 B2 JP3426006 B2 JP 3426006B2 JP 27591393 A JP27591393 A JP 27591393A JP 27591393 A JP27591393 A JP 27591393A JP 3426006 B2 JP3426006 B2 JP 3426006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は外科用縫合針に関する。
【０００２】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】医療
および外科分野において外科用縫合針が縫糸を用いて切
開、引き裂き、切り傷などの組織を縫合するのに使用さ
れることは長い間知られている。通常の外科用縫合針は
典型的に遠位にとがった穿孔用先端を有するシャフト部
材および外科用縫糸の端を取付けるためのキャビティを
有する近端部からなる。外科用縫合針は直線状の針およ
び曲線状の針などの種々の形態をとることが知られてい
る。
【０００３】外科用縫合針は種々の性能を有することが
要求される。外科用縫合針は侵入の容易さが良好であ
り、また組織から引き抜く際の抵抗が最小でなければな
らない。さらに、外科医が針を組織に挿入した時に針の
シャフトが座屈または曲げに対して抵抗性のあることが
重要である。一般的に言えば、針を組織に押し通すのに
必要な力は特定の種類の組織、例えば皮膚，筋肉，動
脈，静脈，内部器官，腱，軟骨などに応じて変わる。外
科用縫合針は刃のない先端(blunt tips)，穿孔用先端(p
iercing tips) ，刃のある先端(cutting tips) または
穿孔用先端，刃のある先端の組合せを有してもよい。
【０００４】外科用縫合針を使用する時に、外科医また
は医師は通常の針ホルダーを用いて針をつかむのが慣例
である。通常の針ホルダーは典型的に、一対のハンドル
に連結された一対の向き合った可動性の伸びたジョーを
有する。これらのジョーはＪ番付けにされ、互いに移動
可能であり、そしてその動きはハンドルの動きによりコ
ントロールされる。針をつかむ時、外科医が針を組織に
侵入させ、または組織から引き抜くことを試みている間
に針が針ホルダーのジョーの中に滑らないことが重要で
ある。例えば、米国特許第４，７９９，４８４号には針
ホルダーでつかんだ時の滑りおよびひねりに優れた抵抗
性を示す形状を有する、侵入しやすさのすぐれた針が開
示されている。この特許で開示された針は「Ｉビーム」
と呼ばれる形状を有するが、針の断面は実のところ長方
形である。
【０００５】当該技術分野において、針を組織に押し入
れたり、または押し進めたりする時の針の抵抗を減少す
るのに望ましい形状を保持しながら、曲げまたは座屈に
対して改善された抵抗性を有する針について絶えず研究
されている。
【０００６】したがって、本発明の目的は真のＩビーム
形状を有する外科用縫合針を提供することである。
【０００７】本発明の別の目的は、針を組織から引き抜
くのに必要な摩擦力を増加しないで曲げおよび座屈に対
して改善された抵抗性を示す形状を有する外科用縫合針
を提供することである。
【０００８】さらに、本発明の目的はつかみやすく、ま
た通常の針ホルダーでしっかりと保持することのできる
外科用縫合針を提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】したがって、Ｉビーム形
状を有する外科用縫合針を開示する。本発明の外科用縫
合針は遠端部および近端部を有する細長い部材からな
る。穿孔用先端は遠端部から伸びており、一方、その中
に縫糸を受け入れるためのキャビティを有する円筒部分
は近端部から伸びている。針は曲線状または直線状であ
ってよい。穿孔用先端は場合によっては刃先を有しても
よい。細長い部材の断面は真のＩビーム形状を有し、２
つの向き合った平行なフランジ部材が垂直なウェブ部材
により連結されている。
【００１０】本発明の別の局面は外科用縫糸と上記の外
科用縫合針の組合せである。
【００１１】また、本発明の別の局面は少なくとも１つ
の針の通路が針により組織中に形成され、そして縫糸が
それぞれの針の通路を通って移動することからなる、上
記の外科用縫合針を使用して哺乳動物の組織を縫合する
方法である。
【００１２】本発明のＩビーム形状の外科用縫合針は曲
げおよび座屈に対して改善された抵抗性を有する。驚く
べきことに、従来の断面を有する針と比較して、Ｉビー
ム形状の針は組織を通して押したりまたは引いたりする
時に抵抗が増加しない。さらに、針の細長い部材部分は
従来の針ホルダーで容易につかむことができる。Ｉビー
ム形状は従来の針ホルダーのジョーにかみ合わされた
時、ひねりまたは回転に抵抗する。本発明の前述および
他の特徴，利点は次の記載および添付図面からより明ら
かになるであろう。
【００１３】米国特許第４，７９９，４８４号を参考文
献として引用する。図１に言及すると、本発明の外科用
縫合針１０は遠端部４０および近端部３０を有する細長
い部材２０を中央に有することがわかる。遠端部４０か
ら伸びているのは穿孔用先端である。近端部３０から伸
びているのはその中に同心の内部取付キャビティ６５を
有する円筒部材部分６０である。図１に示された針１０
は曲線状であるが、針１０は直線状、または直線状およ
び曲線状の組合せを含む他の従来の形状を有しうること
は当業者ならば理解しえよう。
【００１４】図２に言及すると、針１０は真のＩビーム
の断面を有することがわかる。細長い部材２０は垂直な
ウェブ部材１２０により連結された一対の向き合った平
行なフランジ部材１００を有することがわかる。好まし
くは、部材２０の種々の寸法は部材２０の全長に従って
変動し、針１０の遠端部４０が近づくにつれて最大寸法
から最小寸法まで変わるであろう。しかしながら、この
変化は存在しないこともあり、または刃先のデザインで
有意に減少されるであろう。部材２０の種々の寸法はま
た、近端部３０および管状部材部分６０が近づくにつれ
て最大寸法から最小寸法まで変わりうる。
【００１５】図２に言及すると、ウェブ部材１２０およ
びフランジ部材１００の寸法、角Ａ0 の大きさ、針１０
の断面の高さは針１０を製造するために使用される材料
の種類に応じて変わり、また特定の組織への適用に応じ
て針が設計されることは当業者ならば理解しえよう。ウ
ェブ部材１２０およびフランジ部材１００の寸法、角Ａ
0 の大きさ、針１０の断面の高さは有効な曲げ抵抗性を
付与するのに十分なものである。
【００１６】特定の適用および針１０の構成材料に応じ
て、パラメーターを選択することは当業者の権限の範囲
内である。例えば、本発明の針１０は典型的に０．１５
ｍｍ〜約１．５ｍｍの原径（すなわち、Ｉビーム断面を
形成する前の針の直径）を有する。針の長さは約６ｍｍ
〜約６５ｍｍの範囲内である。針の直径は特定の適用に
応じて変わり、それに適した針が設計される。例えば、
針１０の直径は眼に使用する場合０．１５ｍｍ〜約０．
５ｍｍであり、心臓血管に使用する場合約０．１５ｍｍ
〜約１．５ｍｍである。針断面の全高は約０．１４ｍｍ
〜約１．４ｍｍである。フランジ部材１００の全幅は典
型的に約０．１２ｍｍ〜約１．２ｍｍである。フランジ
部材の厚さは約０．０５ｍｍ〜約０．５ｍｍである。ウ
ェブ部材１２０の厚さは中心線で測定して約０．０７ｍ
ｍ〜約０．８０ｍｍである。ウェブ部材１２０の高さは
その最大部で測定して約０．０４ｍｍ〜約０．４ｍｍで
ある。図２の角Ａ0 は約０°〜約９０°の範囲内であ
る。Ａ0 はフランジとウェブ部材１２０の間の傾斜角と
して定義される。半径ｒ１８０およびＲ１９０は角を丸
めるために施されている。
【００１７】針の先端５０はテーパー先端，テーパーカ
ット，刃のない先端，刃先およびへら状のものを含む種
々の従来の形状の先端であってよい。
【００１８】種々の従来の縫糸を本発明の針１０と一緒
に使用することができる。縫糸の例としては天然および
合成の吸収性縫糸および非吸収性縫糸、例えばシルク，
スチールおよびポリプロピレンが挙げられる。縫糸の直
径は約１１／０（ＵＳＰ眼科）〜約７（ＵＳＰ胸骨切開
術）の範囲内である。
【００１９】本発明の針１０を製造するために使用され
る材料の例としては、オーステナイト，マルテンサイト
または沈殿硬化ステンレス鋼あるいはニッケルでめっき
された炭素鋼が挙げられる。ＡＩＳＩ型３０２，４２０
および４５５のような従来のステンレス鋼を使用するこ
とが特に好ましい。
【００２０】本発明の針１０は従来の針製造技術を用い
て次の様にして製造される。丸い線材が出発原料として
用いられ、線材はまっすぐにされ、そして針ブランクに
切断される。次に、先端５０が従来の技術および装置を
用いて研削，プレスまたは成形され遠端部４０とされ
る。細長い部材２０は所望の形状に造形される。針ブラ
ンクを動かないように保持しながらＩビーム形状を形成
して針１０の側面，上部および下部とするダイを有する
従来の機械プレスで針ブランクを加工することにより、
針１０にＩビーム形状が付与される。孔があけられ、ま
たは溝がプレスされて管状部材６０とされ、取付キャビ
ティ６５が形成される。曲線状の形状が所望ならば、針
は曲げられる。必要に応じて、針は熱処理および電解研
磨される。
【００２１】これらに限定されないが一般的な傷の縫
合，内視鏡手術，成形術，顕微手術，血臓血管および眼
の手術、並びにこれらと同等の手術を含む従来の操作で
組織を縫合するために、本発明の針１０を使用すること
ができる。
【００２２】針１０は従来のようにして使用される。適
当なサイズ，形および針の先端により組織に一定の孔を
あけ、取付けられた縫糸が通れるようにしなければなら
ない。針１０は典型的には従来の針保持具を用いて細長
い部材２０に添ってつかむ。先端５０が現われ出るまで
先端５０を組織中に押し通す。次に、針を放し、再びつ
かんで針１０および取付けられた縫糸を組織から引き抜
く。この操作を必要に応じて繰り返して傷または切り口
を縫合または閉じる。
【００２３】本発明の原理および実施は次の実施例によ
り詳しく説明されるが、本発明はこれらに限定されな
い。
【００２４】
【実施例】
［実施例１］ 図１に示される本発明の外科用縫合針１
０を４５５型ステンレス鋼合金から製造した。針１０の
形状は従来の曲線状である。Ｉビーム断面の製造前の針
１０の原径は０．４６ｍｍであった。最終的なＩビーム
形状において、Ｉビーム断面の全高は約０．５１ｍｍで
ある。Ｉビームの全幅は約０．４１ｍｍである。ウェブ
部材１２０の高さはその最大部で測定して約０．１８ｍ
ｍである。ウェブ部材１２０の幅は中心線で測定して約
０．１１ｍｍである。フランジの角Ａ0 は約１４°であ
る。
【００２５】針１０を曲げるのに必要な力を測定する試
験を行なった。０．３７ｍｍの厚さおよび０．１４ｍｍ
の高さを有する長方形に造形された直径０．４６ｍｍの
針とこれを比較した。長方形の針と比較して、針１０は
それを曲げるのに必要な力において４１％の増加を示し
た。
【００２６】［実施例２］ 実施例１の針１０を使用し
て、最初に従来の針ホルダーでその中心の細長い部材２
０をつかむことにより哺乳動物の組織の傷を縫合する。
縫糸はEthicon 社製のサイズ５／０の Ethibond （登録
商標）シルクまたは、Prolene（登録商標）縫糸であ
る。先端５０を傷の片側の組織に挿入し、先端５０が傷
のもう片方の側の組織から出てくるまで組織中に押し通
す。針１０を針ホルダーから放し、次いで針ホルダーで
先端５０の近くをつかみ、組織から引き抜いて、それに
より縫糸部分が組織中の針により形成された通路の中に
残るようにする。針１０は組織に挿入された時に曲がっ
たり、または座屈したりせず、また従来の形状を有する
従来の外科用縫合針と同様の侵入抵抗性を有する。細長
い部材２０は針ホルダーにより容易に保持され、針ホル
ダーの中にある間ねじれたりしない。
【００２７】本発明をその詳細な態様に関して図示し、
また説明したが、本発明の精神および範囲を離脱するこ
となくこれらの形態および詳細に種々の変形を加えるこ
とができることは当業者ならば容易に理解しえよう。
【００２８】以下、この発明の実施態様について説明す
る。 （１）曲線状の部材である請求項１記載の針。 （２）直線状の部材である請求項１記載の針 （３）穿孔用先端が刃のない先端である請求項１記載の
針。 （４）穿孔用先端が刃のある先端である請求項１記載の
針。 （５）穿孔用先端付近のＩビーム断面の少なくとも１つ
の寸法が最大から最小まで変化する請求項１記載の針。 （６）円筒状の取付部分付近のＩビーム断面の少なくと
も１つの寸法が最大から最小まで変化する請求項１記載
の針。 （７）曲線状の部材である請求項２記載の針。 （８）直線状の部材である請求項２記載の針。 （９）穿孔用先端が刃のない先端である請求項２記載の
針。 （１０）穿孔用先端が刃のある先端である請求項２記載
の針。 （１１）遠端用先端付近のＩビーム断面の少なくとも１
つの寸法が最大から最小まで変化する請求項２記載の
針。 （１２）円筒状の取付部分付近のＩビーム断面の少なく
とも１つの寸法が最大から最小まで変化する請求項２記
載の針。
【００２９】
【発明の効果】本発明によれば、曲げおよび座屈に対す
る抵抗性のすぐれたＩビーム形状を有する外科用縫合針
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の外科用縫合針の斜視図である。
【図２】図１のビューライン２−２の断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・ジェイ・パリシ アメリカ合衆国、07430 ニュージャー ジー州、マワ、スカイトップ・ドライブ 73 (72)発明者 レスター・イー・シャイブル アメリカ合衆国、08876 ニュージャー ジー州、サマービル、ブルーバード・ド ライブ 112 ３ビー (72)発明者 ローレンス・ピー・トゥロッゾ アメリカ合衆国、08876 ニュージャー ジー州、ヒルズボロウ、ディーンナ・ド ライブ 45 アパートメント 91 (72)発明者 マシュウ・エル・ヴォルチンスキ アメリカ合衆国、08828 ニュージャー ジー州、ハイ・ブリッジ、ファイン・ロ ード 58シー (56)参考文献 特開 昭63−38441（ＪＰ，Ａ) 特開 昭64−2638（ＪＰ，Ａ) 特公 昭43−15511（ＪＰ，Ｂ１) 米国特許2240330（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 17/06 310

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 近端部および遠端部を有する中央に位置
    する細長い部材と、細長い部材の遠端部から伸びている
    穿孔用先端と、細長い部材の近端部から伸びており、そ
    の中に縫糸の端を受け入れるためのキャビティを含有す
    る円筒状の取付部分とを備え、細長い部材が垂直なウェ
    ブ部材により連結された２つの向き合った平行なフラン
    ジ部材からなるＩビーム断面を有する外科用縫合針。
  2. 【請求項２】 外科用縫合針と外科用縫糸とを有する組
    合せであって、前記外科用縫合針が、近端部および遠端
    部を有する中央に位置する細長い部材と、細長い部材の
    遠端部から伸びている穿孔用先端と、細長い部材の近端
    部から伸びており、その中に縫糸の端を受け入れるため
    のキャビティを含有する円筒状の取付部分とを備え、細
    長い部材が垂直なウェブ部材により連結された２つの向
    き合った平行なフランジ部材からなるＩビーム断面を有
    する組合せ。
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