JP3424009B2 - 試験紙による検体成分の分析装置 - Google Patents
試験紙による検体成分の分析装置Info
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Description
分析装置、詳しくは血液、尿等の生体体液中の特定成分
を試験紙を用いて分析する装置に関する。
の分析には試験紙が用いられている。この試験紙は、検
体の特定物質と反応して呈色する試薬を濾紙に含浸させ
た複数の試験片を合成樹脂製の細板に貼着したものであ
る。この種の試験紙による分析装置として、従来、特開
平6−94622号公報に示すように、カラーセンサを
用いたものが提案されている。この装置は、投光手段か
らの光を試験片に照射し、試験片からの反射光を赤
(R)、緑(G)、青(B)の3つのカラーフィルタを
介して3個の受光素子で受光し、該受光素子から出力さ
れるアナログ信号をデジタル信号に変換した後、該デジ
タル信号に基づいて反射光量を求めて、その反射光量か
ら検体中の特定成分の濃度を分析するものである。
来の装置は、試験紙を長手方向に移動させて各試験片毎
に光を照射して測定するため、煩雑で時間がかかる。ま
た、一項目を3個1組のみの受光素子で受光するため、
照射位置のずれや、試験片の周囲の色や汚れによって受
光量が変化し、測定誤差が生じる。一組のカラーセンサ
の各受光素子は、RGBの3色のフィルタによって分光
された光を受光するので、受光する光の波長に対する感
度が異なる。このため、呈色が異なる各試験片毎に受光
素子の感度の差が生じる。さらに、従来の装置は、投光
手段の雰囲気の温度や光量の減少によって影響を受けや
すい等の問題があった。
題とし、各項目を同時に測定して迅速かつ簡単に分析す
ることができるうえ、試験片周囲の状態に影響されず、
高精度で測定することができる試験片による検体成分の
分析装置を提供することを目的とする。また、各受光素
子の感度のばらつきがないうえ、蛍光管の周囲温度や光
量の低下に影響されず、高精度に測定することができる
試験片による検体成分の分析装置を提供することを目的
とする。
め、本発明は、分析項目毎に異なる試薬を含浸させた複
数の試験片を有する試験紙に測定光を照射する蛍光管
と、赤色、緑色、青色のフィルタを通して前記試験紙か
らの反射光量を測定する3種類の受光素子を多数交互に
列設したリニアカラーCCDと、該リニアカラーCCD
の各受光素子からの出力信号をデジタル信号値に変換す
るA/D変換器と、該A/D変換器からのデジタル信号
値に基づいて反射率を求め、該反射率を前記試験紙の各
試験片の領域において前記3色毎に平均して、この平均
値に基づいて予め定めた検量線より各項目の濃度値を求
める演算部とから構成している。そして、この構成にお
いて、前記3種類の各受光素子の相対感度がピークを示
す波長において前記蛍光管の発光強度がピークを示すよ
うに、前記蛍光管の蛍光物質が選択されている。
の呈色物質の吸収波長において前記蛍光管の発光強度が
ピークを示すように、前記蛍光管の蛍光物質が選択され
ていてもよい。
塩,ケイ酸塩系の組合わせ、全硫化物系の組合わせ、バ
ナデート希土類系の組合わせ、オキサイド希土類系の組
合わせ、あるいはオキシサルファイト希土類系の組合わ
せを用いることができる。そして、それらの組合わせ成
分の組成比を変えることにより、ピーク波長を調整する
ことができる。
囲気を一定温度に温度調節する温調手段を設けることが
できる。さらに、前記構成において、前記蛍光管の光量
を測定する光量測定手段を設けて、該光量測定手段から
の信号に基づいて前記検量線を補正するようにしてもよ
い。
光は、試験紙で反射してRGB3色のフィルタを通して
リニアカラーCCDの受光素子に受光される。リニアカ
ラーCCDの各受光素子からの出力信号はA/D変換器
によってデジタル信号値に変換される。次に、演算部に
よって、前記デジタル信号値に基づいて反射率が求めら
れ、反射率は前記試験紙の各試験片の領域において前記
3色毎に平均される。したがって、各項目毎の反射率は
3個の平均値でもって表される。この平均値に基づいて
検量線から各項目の濃度値が求められる。
明する。図1は、検体に浸漬された試験紙1の各試験片
2の呈色濃度を測定することによって検体中の特定成分
を分析する分析装置を示す。この分析装置は、図2に示
すように、試験紙1の全体に光を照射する蛍光管3と、
試験紙1からの反射光を集光するレンズ4と、該レンズ
4で集光された光を受光するリニアカラーCCD5とか
らなっている。リニアカラーCCD5は、図1に示すよ
うに、多数の受光素子(以下、セルという。)6を長手
方向に一列に設けるとともに、各セル6の表面に順に赤
(R)、緑(G)、青(B)の塗料をフィルタ7として
塗布したものである。セル6の数は、本実施例では、一
色当たり約520個である。
CCD5の各セル6から出力されるアナログ信号をデジ
タル信号に変換するA/D変換器8と、該A/D変換器
8からのデジタル信号値を記憶する2ポートメモリ9
と、該2ポートメモリ9に記憶されたデジタル信号値に
基づいて各項目毎に濃度を演算する演算部10と、蛍光
管3の近傍に設けられた光量センサ11からの光量検出
信号に基づいて演算部10に記憶された検量線を補正す
る補正部12と、前記演算部10での結果を表示るプリ
ンタ13とからなっている。
の一面に開口部14を有するアルミニウム製の箱15に
収容されている。箱15の開口部14は透明なガラス1
6で覆われ、試験紙1の方向に向けられている。箱15
の底面にはヒータ17が設けられ、背面には箱15の外
面の温度を検出する温度センサ18が取り付けられてい
る。温調部19は、温度センサ18から出力される温度
検出信号に基づいてヒータ17への電源をオンオフする
ことにより、箱15の温度すなわち蛍光管3の雰囲気温
度を一定に維持するようになっている。なお、温度セン
サ18やヒータ17の取り付け位置は、前記位置に限定
されるものではなく、箱15の内部に設けてもよい。
に示すように、長手方向の3カ所に光量センサ11が設
けられている。この光量センサ11の光量検出信号は前
記補正部12に送られ、ここで光量の減少に応じて後述
する検量線が補正されるようになっている。光量センサ
11の取付け位置は、箱15の内部に限らず、試験紙1
の台に設けてもよい。また、蛍光管3は両端から光量が
低下する傾向にあるので、少なくとも、前記光量センサ
11は蛍光管3の両端にそれぞれ1個、中央に1個設け
るのが好ましい。
れる蛍光物質を適宜選択することによってピークを示す
波長を変更することができる。本実施例では、図6
(A)および図6(B)に示すように、その発光強度が
ピークを示す波長が、RGBの各セル6の相対感度がピ
ークを示す波長とほぼ一致するようにしてある。すなわ
ち、蛍光管3の発光強度の第1のピーク波長(435n
m)がBセルのピーク波長とほぼ一致し、第2のピーク
波長(545nm)がGセルのピーク波長とほぼ一致
し、さらに第3のピーク波長(610nm)がRセルの
ピーク波長とほぼ一致するようになっている。
は、蛍光管3の発光強度と、セル6の相対感度を乗じる
ことにより求められる。従来のように、蛍光管の発光強
度のピーク波長が各RGBのセルのピーク波長がずれて
いると、各セルの実感度が低下し、セル相互間でばらつ
きが生じる。本実施例では、前述のように、蛍光管3の
発光強度のピーク波長が各RGBのセル6のピーク波長
が一致しているので、図6(C)に示すように、蛍光管
3のピーク波長において各RGBのセル6の実感度が高
くなっている。したがって、RGBの各セル6間で感度
の差がなくなり、高い精度で反射率を測定することがで
きる。
用いることができる。 1.リン酸,ケイ酸塩系の組合わせ リン酸塩(赤); Zn3(PO4)2とMnの混合物 ケイ酸塩(緑); Zn2SiO4とMnの混合物 硫化物(青) ; ZnSとAgの混合物 2.全硫化物系の組合わせ; 硫化物(赤); ZnCdSとAgの混合物 硫化物(緑); ZnCdSとAgの混合物 硫化物(青); ZnSとAgの混合物 3.バナデート希土類系の組合わせ 希土類(赤); YVO4とEuの混合物 硫化物(緑); ZnCdSとAgの混合物 硫化物(青); ZnSとAgの混合物 4.オキサイド希土類系の組合わせ 希土類(赤); Y2O3とEuの混合物 硫化物(緑); ZnCdSとAgの混合物 硫化物(青); ZnSとAgの混合物 5.オキシサルファイト希土類系の組合わせ 希土類(赤); Y2O3とEuの混合物 硫化物(緑); ZnCdSとAgの混合物 硫化物(青); ZnSとAgの混合物
の各受光素子の相対感度がピークを示す波長において蛍
光管の発光強度がピークを示すように選択する代わり
に、試験紙の呈色物質の吸収波長において蛍光管の発光
強度がピークを示すように選択することができる。試験
紙の各項目の呈色は、一つの試験紙で1種類か2種類に
ほぼ決まっていることが多い。このため、その呈色物質
の吸収波長において、蛍光管の発光強度がピークを示す
ように蛍光物質を選択すれば、より高精度で測定を行え
る。
ーチャートに従って説明する。まず、ステップ101
で、0−100測定を行う。ここでは、白板と黒板に蛍
光管3の光を照射し、白板の反射率を100%、黒板の
反射率を0%とみなしてそのデジタル信号値を記憶す
る。そして、ステップ102では、検体に浸漬された試
験紙1に蛍光管3の光を照射して測定を開始する。試験
紙1の各試験片2は、その中に含浸された試薬が検体中
の特定成分と反応して、その特定成分の濃度に応じた色
に呈色している。試験紙1で反射した光はレンズ4で集
光されてリニアカラーCCD5の各セル6に受光され
る。各セル6からパラレルに出力されるアナログ信号
は、A/D変換器8でデジタル信号値に変換された後、
2ポートメモリ9に記憶される。
値が順に記憶される。
たA/D値のグラフである。これによると、各項目内に
おいても、RGBそれぞれのA/D値に変動があること
が分かる。また、各項目毎に、RGBのA/D値に差が
あり、これは各項目の試験片の呈色が異なることを意味
する。
9に記憶されたA/D値を読み取って、リニアカラーC
CD5の各セル6毎に、その位置での反射率rを次式に
より計算する。
ける白板および黒板のA/D読取値、試験紙のA/D読
取値である。
位置が測定毎に異なるので試験紙1の位置を検出する。
具体的には、試験紙台が黒で試験紙1が白であるので、
反射率を先頭のセル6から順に調べて反射率が最初に急
に上昇するところのセル6の位置でもって試験紙1の先
端位置とする。そして、ステップ105で、各試験片2
毎すなわち各項目毎に反射率を計算する。各試験片2の
位置は試験紙1の先端からの距離で定まるので、図7
(B)に示すように、各試験片2の範囲内に含まれるセ
ル6(本実施例では約520個)が特定される。各試験
片2すなわち各項目に含まれるセル6について、RGB
毎に反射率を平均してこれを各項目に対するRGBそれ
ぞれの反射率とする。
たRGBの反射率を検量線に従って濃度に換算する。検
量線は、各項目毎に実際に測定された濃度とRGBの反
射率との関係より予め設定されている。この検量線は次
式で表される。
bはBの反射率である。この式に、前記ステップ105
で求めた反射率を代入して濃度を求める。
正される。すなわち、予め光量の低下に対する補正係数
αを定めておき、式2の代わりに次の式3を使用する。
めた濃度をプリンタにより印字して出力する。同時に、
ホストコンピュータに濃度データを転送して記憶するよ
うにしてもよい。
毎の濃度が同時に求められるので、試験紙を長手方向に
ずらして各試験片毎に光を当てる必要はなく、測定が迅
速かつ容易に行える。また、各項目毎に多数の受光素子
を用いて反射率を求めるので、照射位置や試験片の周囲
の色の影響を受けず、高精度で測定を行える。
ば、RGB3種類の各受光素子の相対感度がピークを示
す波長と蛍光管の発光強度がピークを示す波長とが合致
しているので、RGBの各受光素子の実感度が高くな
り、測定精度が向上する。
色物質の吸収波長と蛍光管の発光強度がピークを示す波
長とが合致しているので、試験紙の各項目の呈色色が1
種類や2種類に決まっている場合により高い精度で測定
することができる。
管の雰囲気が温調されるので、気温の変化等により周囲
温度が変化しても、測定精度に影響しない。
光管の光量の低下があっても、これに応じて検量線が補
正されるので、測定精度は光量の変化に影響しない。し
たがって、一つの蛍光管を長期間使用することができ、
取り替え頻度が減少する。
る。
子の相対感度、(C)蛍光管の光に対する受光素子の実
感度を示すグラフである。
験紙の試験片とリニアカラーCCDの受光素子との対応
を示す図である。
光管、 5…リニアカラーCCD、
6…受光素子、 7…フィルタ、8…
A/D変換器、 10…演算部、11…光量
センサ、 17…ヒータ、18…温度セン
サ、 19…温調部。
Claims (8)
- 【請求項1】 分析項目毎に異なる試薬を含浸させた複
数の試験片を有する試験紙に測定光を照射する蛍光管
と、 赤色、緑色、青色のフィルタを通して前記試験紙からの
反射光量を測定する3種類の受光素子を多数交互に列設
したリニアカラーCCDと、 該リニアカラーCCDの各受光素子からの出力信号をデ
ジタル信号値に変換するA/D変換器と、 該A/D変換器からのデジタル信号値に基づいて反射率
を求め、該反射率を前記試験紙の各試験片の領域におい
て前記3色毎に平均して、この平均値に基づいて予め定
めた検量線より各項目の濃度値を求める演算部とからな
り、 前記3種類の各受光素子の相対感度がピークを示す波長
において前記蛍光管の発光強度がピークを示すように、
前記蛍光管の蛍光物質が選択されていることを特徴とす
る試験紙による検体成分の分析装置。 - 【請求項2】 分析項目毎に異なる試薬を含浸させた複
数の試験片を有する試験紙に測定光を照射する蛍光管
と、 赤色、緑色、青色のフィルタを通して前記試験紙からの
反射光量を測定する3種類の受光素子を多数交互に列設
したリニアカラーCCDと、 該リニアカラーCCDの各受光素子からの出力信号をデ
ジタル信号値に変換するA/D変換器と、 該A/D変換器からのデジタル信号値に基づいて反射率
を求め、該反射率を前記試験紙の各試験片の領域におい
て前記3色毎に平均して、この平均値に基づいて予め定
めた検量線より各項目の濃度値を求める演算部とからな
り、 前記試験紙の呈色物質の吸収波長において前記蛍光管の
発光強度がピークを示すように、前記蛍光管の蛍光物質
が選択されていることを特徴とする試験紙による検体成
分の分析装置。 - 【請求項3】 分析項目毎に異なる試薬を含浸させた複
数の試験片を有する試験紙に測定光を照射する蛍光管
と、 赤色、緑色、青色のフィルタを通して前記試験紙からの
反射光量を測定する3種類の受光素子を多数交互に列設
したリニアカラーCCDと、 該リニアカラーCCDの各受光素子からの出力信号をデ
ジタル信号値に変換するA/D変換器と、 該A/D変換器からのデジタル信号値に基づいて反射率
を求め、該反射率を前記試験紙の各試験片の領域におい
て前記3色毎に平均して、この平均値に基づいて予め定
めた検量線より各項目の濃度値を求める演算部とからな
り、 前記蛍光管の雰囲気を一定温度に温度調節する温調手段
とを設けたことを特徴とする試験紙による検体成分の分
析装置。 - 【請求項4】 分析項目毎に異なる試薬を含浸させた複
数の試験片を有する試験紙に測定光を照射する蛍光管
と、 赤色、緑色、青色のフィルタを通して前記試験紙からの
反射光量を測定する3種類の受光素子を多数交互に列設
したリニアカラーCCDと、 該リニアカラーCCDの各受光素子からの出力信号をデ
ジタル信号値に変換するA/D変換器と、 該A/D変換器からのデジタル信号値に基づいて反射率
を求め、該反射率を前記試験紙の各試験片の領域におい
て前記3色毎に平均して、この平均値に基づいて予め定
めた検量線より各項目の濃度値を求める演算部とからな
り、 前記蛍光管の光量を測定する光量測定手段を設けて、該
光量測定手段からの信号に基づいて前記検量線を補正す
るようにしたことを特徴とする試験紙による検体成分の
分析装置。 - 【請求項5】 前記3種類の各受光素子の相対感度がピ
ークを示す波長において前記蛍光管の発光強度がピーク
を示すように、前記蛍光管の蛍光物質が選択されている
ことを特徴とする請求項3または4に記載の分析装置。 - 【請求項6】 前記試験紙の呈色物質の吸収波長におい
て前記蛍光管の発光強度がピークを示すように、前記蛍
光管の蛍光物質が選択されていることを特徴とする請求
項3から5のいずれかに記載の分析装置。 - 【請求項7】 前記蛍光管の雰囲気を一定温度に温度調
節する温調手段を設けたことを特徴とする請求項1、
2、4のいずれかに記載の分析装置。 - 【請求項8】 前記蛍光管の光量を測定する光量測定手
段を設けて、該光量測定手段からの信号に基づいて前記
検量線を補正するようにしたことを特徴とする請求項
1、2、3のいずれかに記載の分析装置。
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JP18113694A JP3424009B2 (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 試験紙による検体成分の分析装置 |
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JP18113694A JP3424009B2 (ja) | 1994-08-02 | 1994-08-02 | 試験紙による検体成分の分析装置 |
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JPH0843387A JPH0843387A (ja) | 1996-02-16 |
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