JP3418923B2 - 上層路盤の施工方法及び上層路盤材料並びに汚泥等の保管方法 - Google Patents

上層路盤の施工方法及び上層路盤材料並びに汚泥等の保管方法

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JP3418923B2 JP2000233440A JP2000233440A JP3418923B2 JP 3418923 B2 JP3418923 B2 JP 3418923B2 JP 2000233440 A JP2000233440 A JP 2000233440A JP 2000233440 A JP2000233440 A JP 2000233440A JP 3418923 B2 JP3418923 B2 JP 3418923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は道路の施工方法およ
び道路の構成材料並びに汚泥等の保管方法に関するもの
であり、特に自硬性汚泥と産業廃棄物の焼却灰を混用し
て、自硬性汚泥と産業廃棄物の焼却灰の処理を図ると共
に産業廃棄物中の有害成分の溶出を防止し、かつアスフ
ァルト廃材等の有効活用を図り得る上層路盤の施工方法
および上層路盤材料に関するものであり、また前記自硬
性汚泥に代えて一般汚泥とセメントとを使用するように
した上層路盤の施工方法および上層路盤材料に関するも
のであり、さらには汚泥の処理とは関係なく石炭灰の処
理を図り得る上層路盤の施工方法および上層路盤材料に
関するものであり、さらにまた、汚泥等の保管方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】建設工事において、例えば高圧噴射攪拌
工法やソイルセメント壁工法等を使用する場合には、セ
メントの混入した建設汚泥、いわゆる自硬性汚泥が生じ
る。自硬性汚泥は埋立て等により処理されるが、自硬性
汚泥は生成時には多くの水分を含み、どろどろしている
ので液洩れしない容器に入れて運搬しなければならず、
取扱いが困難であるため、しばらく放置しそれ自体に含
まれるセメントの作用により固結させてから処理をする
のが通例である。また、産業廃棄物の焼却灰の中には、
ダイオキシン等の有害成分を含むものがあり、埋立て等
により処理しようとすると、それらが溶出し、公害を引
き起こすおそれがあるので、埋立地の地中下方に不透水
性シートを配置して、有害成分の漏出を防止する手段等
が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、自硬性汚泥
は放置すると大きな塊に固結し、かつ硬くなるので、運
搬や埋立て処理が困難である等の問題点があった。ま
た、自硬性汚泥は、水分を多く含み取扱が困難である上
に、他に充分な処理技術がないため再利用があまり行わ
れていないという問題点があった。この点はセメントの
混入していない一般汚泥についても同様である。産業廃
棄物の焼却灰の埋立てによる処理は、地中下方に不透性
シートを配置ししても有害成分の漏出防止が完全かどう
かを確認することが困難であり、また、不透性シートが
破損した場合の補修が困難であるという問題点があっ
た。さらに、汚泥や産業廃棄物の焼却灰等は、所定の処
分場以外の場所に移動運搬して堆積したり、保管したり
することが法律で禁止されている場合があり、自由に移
動できないという問題点があった。本発明はこのような
事情を背景としてなされたものであり、本発明の目的
は、建設汚泥である自硬性汚泥と、産業廃棄物の焼却灰
の処理を図ると共に有害成分の漏出を防止し、かつ産業
廃棄物たるアスファルト廃材の有効活用を計り得る上層
路盤の施工方法および上層路盤材料を提供しようとする
ものである。また、自硬性汚泥以外の一般汚泥の処理を
図り得、あるいは汚泥の処理とは関係なく石炭灰の処理
を図り得る上層路盤の施工方法および上層路盤材料を提
供しようとするものである。さらに、汚泥や産業廃棄物
の焼却灰等の保管方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するためになされたものであり、本発明は下記のよう
に構成される。 A セメント等が混入しそれ自体で固結し得る自硬性汚
泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファルト乳剤とを少
なくとも使用し、適当な水を使用しあるいは水を使用し
ないで混合し、乾燥後破砕した粒径5mm程度以下の粒
状材料と、粒径が40mm以下のアスファルト廃材の破
砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セメント
が飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した混合用
のプラントを使用する中央プラント方式で混合してか
ら、該混合物を施工個所に運搬し、施工するようにした
上層路盤の施工方法。 B A項記載の上層路盤の施工方法において、前記粒状
材料と、前記再生砕石または砕石と、前記アスファルト
廃材の破砕物との合計量に対する重量比は、前記粒状材
料が5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物が30
〜75%、前記再生砕石または砕石が5〜40%であ
り、前記セメントは前記粒状材料と、再生砕石または砕
石と、前記アスファルト廃材の破砕物との合計量に対す
る重量比が1〜5%であり、かつ前記アスファルト乳剤
は前記自硬性汚泥と前記焼却灰と前記アスファルト乳剤
との合計量に対する重量比が5〜50%である上層路盤
の施工方法。 C A項もしくはB項記載の上層路盤の施工方法におい
て、前記粒状材料には、製造時に自硬性汚泥と産業廃棄
物の焼却灰とアスファルト乳剤との他に少量のセメント
および/または石灰を加え混合するようにした上層路盤
の施工方法。 D A項〜C項のいずれか1項に記載の上層路盤の施工
方法において、前記粒状材料に使用する前記自硬性汚泥
と前記焼却灰との合計量に対する重量比は自硬性汚泥が
10〜50%で焼却灰が50〜90%である上層路盤の
施工方法。 E A項〜D項のいずれか1項に記載の上層路盤の施工
方法において、前記産業廃棄物の焼却灰は石炭灰である
上層路盤の施工方法。 F セメント等が混入しそれ自体で固結し得る自硬性汚
泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファルト乳剤とを少
なくとも使用し、適当な水を使用しあるいは水を使用し
ないで混合し、乾燥後破砕した粒径5mm程度以下の粒
状材料と、粒径が40mm以下のアスファルト廃材の破
砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セメント
が飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した混合用
のプラントを使用する中央プラント方式で混合してなる
上層路盤材料。 G F項記載の上層路盤材料において、前記粒状材料
と、前記再生砕石または砕石と、前記アスファルト廃材
の破砕物との合計量に対する重量比は前記粒状材料が5
〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物が30〜75
%、前記再生砕石または砕石が5〜40%であり、前記
セメントは前記粒状材料と、再生砕石または砕石と、前
記アスファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比
が1〜5%であり、かつ前記アスファルト乳剤は前記自
硬性汚泥と前記焼却灰と前記アスファルト乳剤との合計
量に対する重量比が5〜50%である上層路盤材料。 H F項もしくはG項記載の上層路盤材料において、前
記粒状材料には、製造時に自硬性汚泥と産業廃棄物の焼
却灰とアスファルト乳剤との他に少量のセメントおよび
/または石灰を加え混合するようにした上層路盤材料。 I F項〜H項のいずれか1項に記載の上層路盤材料に
おいて、前記粒状材料に使用する前記自硬性汚泥と前記
焼却灰との合計量に対する重量比は自硬性汚泥が10〜
50%で焼却灰が50〜90%である上層路盤材料。 J F項〜I項のいずれか1項に記載の上層路盤材料に
おいて、前記産業廃棄物の焼却灰は石炭灰である上層路
盤材料。 K セメント等が混入しそれ自体で固結し得る自硬性汚
泥と、石炭灰と、粒径が40mm以下のアスファルト廃
材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セ
メントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した
混合用のプラントを使用する中央プラント方式で混合し
てから、該混合物を施工個所に運搬し、施工するように
した上層路盤の施工方法。 L K項記載の上層路盤の施工方法において、前記自硬
性汚泥と石炭灰との合計と、前記再生砕石または砕石
と、前記アスファルト廃材の破砕物との総合計量に対す
る重量比は、前記自硬性汚泥と石炭灰との合計が5〜5
0%、前記アスファルト廃材の破砕物が30〜75%、
前記再生砕石または砕石が5〜40%であり、前記セメ
ントは前記自硬性汚泥と石炭灰との合計と、再生砕石ま
たは砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との総合計
量に対する重量比が1〜5%であり、かつ前記自硬性汚
泥と石炭灰との合計量に対する重量比は自硬性汚泥が1
0〜50%で石炭灰が50〜90%である上層路盤の施
工方法。 M セメント等が混入しそれ自体で固結し得る自硬性汚
泥と、石炭灰と、粒径が40mm以下のアスファルト廃
材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セ
メントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した
混合用のプラントを使用する中央プラント方式で混合し
てなる上層路盤材料。 N M項記載の上層路盤材料において、前記自硬性汚泥
と石炭灰との合計と、前記再生砕石または砕石と、前記
アスファルト廃材の破砕物との総合計量に対する重量比
は、前記自硬性汚泥と石炭灰との合計が5〜50%、前
記アスファルト廃材の破砕物が30〜75%、前記再生
砕石または砕石が5〜40%であり、前記セメントは前
記自硬性汚泥と石炭灰との合計と、再生砕石または砕石
と、前記アスファルト廃材の破砕物との総合計量に対す
る重量比が1〜5%であり、かつ前記自硬性汚泥と石炭
灰との合計量に対する重量比は自硬性汚泥が10〜50
%で石炭灰が50〜90%である上層路盤材料。 O A項〜E項5、K項およびL項12のいずれか1項
に記載の上層路盤の施工方法において、前記自硬性汚泥
に代えて一般汚泥とセメントとを使用するようにした上
層路盤の施工方法。 P F項〜J項、M項およびN項のいずれか1項に記載
の上層路盤材料において、前記自硬性汚泥に代えて一般
汚泥とセメントとを使用するようにした上層路盤材料。 Q 石炭灰と、粒径が40mm以下のアスファルト廃材
の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セメ
ントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した混
合用のプラントを使用する中央プラント方式で混合して
から、該混合物を施工個所に運搬し、施工するようにし
た上層路盤の施工方法。 R Q項記載の上層路盤の施工方法において、前記石炭
灰と、前記再生砕石または砕石と、前記アスファルト廃
材の破砕物との合計量に対する重量比は、前記石炭灰が
5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物が30〜7
5%、前記再生砕石または砕石が5〜40%であり、前
記セメントは前記石炭灰と、再生砕石または砕石と、前
記アスファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比
が1〜5%である上層路盤の施工方法。 S 石炭灰と、粒径が40mm以下のアスファルト廃材
の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメントと、セメ
ントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固設した混
合用のプラントを使用する中央プラント方式で混合して
なる上層路盤材料。 T S項記載の上層路盤材料において、前記石炭灰と、
前記再生砕石または砕石と、前記アスファルト廃材の破
砕物との合計量に対する重量比は、前記石炭灰が5〜5
0%、前記アスファルト廃材の破砕物が30〜75%、
前記再生砕石または砕石が5〜40%であり、前記セメ
ントは前記石炭灰と、再生砕石または砕石と、前記アス
ファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比が1〜
5%である上層路盤材料。 U A項〜T項のいずれか1項に記載の上層路盤の施工
方法で使用するプラントによる混合物もしくは上層路盤
材料を、路盤施工時に使用するトン程度の重量単位ある
いは立方メートル程度の体積単位の所定形状に成形する
ようにし、しかも成形されたものは易破砕性を有するも
のである上層路盤材料。 V O項記載の上層路盤の施工方法において、セメント
使用量は重量比で一般汚泥の5〜30%である上層路盤
の施工方法。 W P項記載の上層路盤材料において、セメント使用量
は重量比で一般汚泥の5〜30%である上層路盤材料。 X 一般汚泥と、産業廃棄物の焼却灰と、セメントと、
アスファルト乳剤とを少なくとも使用し、適当な水を使
用しあるいは水を使用しないで混合し、乾燥後破砕して
粒径5mm程度以下の粒状材料として保管するようにし
た汚泥等の保管方法。 Y セメント等が混入しそれ自体で固結し得る自硬性汚
泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファルト乳剤とを少
なくとも使用し、適当な水を使用しあるいは水を使用し
ないで混合し、乾燥後破砕して粒径5mm程度以下の粒
状材料として保管するようにした汚泥等の保管方法。こ
こに、「セメント」とはポルトランドセメント(高炉セ
メント)を意味する。「アスファルト廃材の破砕物」と
はアスファルト再生骨材といわれるものであり、「粒径
が40mm以下のアスファルト廃材の破砕物」とは、4
0mm角の篩目から落ちる程度の大きさのアスファルト
再生骨材を意味する。また、「再生砕石」とは路盤の破
砕物であり、路盤再生骨材といわれるものである。「砕
石」とは、自然石の破砕物である。また、「再生砕石ま
たは砕石」とは、再生砕石と砕石のいずれか一方の場合
に限らず、両方を使用する場合も含むものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施した例に基づい
て発明の実施の形態を説明する。先ず、自硬性汚泥に産
業廃棄物の焼却灰を加えて汚泥中の水分を吸収させると
共にアスファルト乳剤を加え、必要に応じて適量の水を
加えよく混合し、これを潰すことができる程度に乾燥
し、乾燥後摺り潰しあるいはその他の方法により破砕し
てから、5mm目程度のフルイで篩分けして粒状材料を
製造する。すなわち、フルイを通過して下に落ちたもの
が粒状材料である。焼却灰は大形の焼却残渣等が混じっ
ている場合には、あらかじめ除いておくことが望まし
い。また、焼却灰は、有害成分が廃棄物処理関連の法律
で許容された範囲内であることが望ましい。以下産業廃
棄物の焼却灰として石炭灰を使用した実施例を説明す
る。石炭灰としては、例えば火力発電所で燃料として使
用した石炭の灰等がある。
【0006】自硬性汚泥に石炭灰が混じると、石炭灰は
汚泥中の余分な水分を吸収し、汚泥の取扱を容易にする
と共に、汚泥の乾燥を容易にする。しかし、石炭灰の使
用量が多すぎると石炭灰のまま残り汚泥との混合が不十
分となる。石炭灰の使用量は汚泥と石炭灰との合計量に
対する重量比で50〜90%である。自硬性汚泥はもと
もとセメントを含み放置すれば固結するが、石炭灰は固
結する作用を弱めるので、石炭灰の使用量によってはセ
メントを付加することもある。セメントの使用量は、汚
泥と石炭灰との合計量に対する重量比で1〜5%であ
る。アスファルト乳剤は、有害成分の溶出防止のために
は多いほどよいが、汚泥と石炭灰とアスファルト乳剤と
の合計量に対するアスファルト乳剤の重量比が50%よ
り大きくなると、団子状となり摺り潰しにくく粒状にし
にくいので、50%を越えない範囲にとどめる。
【0007】粒状材料製造時において、汚泥はもともと
多くの水を含んでおり扱いが困難であるが、石炭灰を加
え混ぜ合わすことによって吸着され、取り扱いが容易に
なる。しかし、石炭灰の使用量が多くなると、石炭灰が
そのまま残り混合しにくくなる。そこで、適当な水を加
えると混合し易くなる。水の量は、多くなると乾燥時間
が長くなるので、このことを勘案して決定する。なお、
汚泥中の水分や石炭灰の使用量等によっては、水を加え
なくてもよい場合もある。また、粒状材料の製造時に
は、必要に応じて、上記材料に少量(重量比で1〜5
%)のセメントや石灰等を加えることもある。混ぜ合わ
せた材料の乾燥に要する期間は、汚泥の量やアスファル
ト乳剤の量、加えた水の量、混合物全体の量によっても
異なるが、自然乾燥で数日程度である。通風乾燥等の手
段も考えられる。このようにして製造した粒状材料は、
保存することができる。なお、石炭灰の場合は含有成分
が判っているので、溶出試験をするまでもないが、他の
産業廃棄物の焼却灰の場合は、有害成分の溶出試験をす
ることが必要である。従って、他の産業廃棄物の焼却灰
の場合は、粒状材料としてその試験結果が判るまで保管
することができ、便利である。また、汚泥や焼却灰等を
粒状材料とすれば、中央プラントまで運搬する際便利で
あるという利点がある。さらに、汚泥や産業廃棄物の焼
却灰等をそのまま所定の処分場以外の場所に移動運搬し
て堆積したり保管したりすることが法律で禁止されてい
る場合があるが、粒状材料としておけばその使用先や処
分先が決まるまで、法律に触れないで保管できるという
利点がある。
【0008】上記粒状材料と、粒径が40mm以下のア
スファルト廃材の破砕物(アスファルト再生骨材)と、
再生砕石(路盤再生骨材)または砕石と、セメントと、
セメントが飛散しない程度の水とを、中央プラント方式
で混合すると、本発明の上層路盤材料となり、該混合物
を施工現場に運搬して施工すれば、本発明の上層路盤の
施工方法となる。各材料の混合比は、粒状材料とアスフ
ァルト廃材の破砕物と再生砕石(又は砕石)との合計量
に対する重量比は、粒状材料が5〜50%、アスファル
ト廃材の破砕物が30〜75%、再生砕石(または砕
石)が5〜40%の範囲内である。セメントの使用量
は、前記粒状材料と前記アスファルト廃材の破砕物と前
記再生砕石(又は砕石)との合計量に対する重量比で1
〜5%の範囲である。なお、中央プラント方式とは所定
場所に固定して設けた混合用のプラントを使用して行う
方式であり、施工現場にて混合する路上混合方式に対す
る方式である。
【0009】
【実施例】自硬性汚泥10、焼却灰10、アスファルト
乳剤4の重量比でよく混ぜ合わせてから6日間自然乾燥
させ、これを摺り潰してから篩別し、5mm目程度のフ
ルイを通過した粒状材料と、アスファルト再生骨材と、
路盤再生骨材(再生砕石)とを中央プラント方式で混合
し、一定の基準(日本道路協会の路上再生路盤工法技術
指針)により再生セメント瀝青安定処理を行った。すな
わち、粒状材料とアスファルト再生骨材(アスファルト
廃材の破砕物)と路盤再生骨材(再生砕石)とセメント
との合計重量に対する各材料の重量比は、粒状材料が1
0または20%、アスファルト再生骨材が70%、路盤
再生骨材が17.2または6.7%、セメントが2.8
または3.3%として試験を行った。表1は試験に係る
路盤材料の構成比を示す。表2はアスファルト再生骨
材,路盤再生骨材の性状等を示し、表3はその試験結果
を示す。なお、表3には、最適含水比を決定するための
突き固め試験の結果と、最適添加材量を併記する。
【0010】上記試験に使用した路盤材料の構成比を表
1に示す。
【表1】
【0011】前記試験に使用したアスファルト再生骨材
と路盤再生骨材の性状等を表2に示す。
【表2】
【0012】上記試験結果を表3に示す。
【表3】 表3から判るように粒状材料10%混入、20%混入の
いずれの場合も一軸圧縮強さ、残留強度率は、再生セメ
ント瀝青安定処理の基準値を満足し、たわみ性があり、
経済的な再生セメント瀝青安定処理混合物の製造が可能
である。
【0013】上記実施例において、粒状材料は製造時に
汚泥、石炭灰、アスファルト乳剤の他にさらに1〜5%
程度の石灰もしくはセメントを混合する場合もある。上
層路盤に占める焼却灰の割合が大きい場合には、一軸圧
縮強さが低下する傾向があるが、石灰やセメントを混合
することによって、これを改善することができる。
【0014】上記実施例では、自硬性汚泥と石炭灰等と
を混合して粒状材料を形成したが、粒状材料をつくる工
程を省略して、直接アスファルト廃材の破砕物、再生砕
石等と混合するようにしてもよい。かかる工程の省略に
より製造コストの軽減を図ることができる。前述のよう
に、石炭灰は成分が既知であり、溶出試験をしなくても
よいので、必ずしも粒状材料とする必要がないからであ
る。
【0015】前記実施例では、産業廃棄物の焼却灰とし
て石炭灰を使用したが、他の産業廃棄物の焼却灰を使用
することも可能である。本発明に使用する産業廃棄物の
焼却灰は、有害成分が廃棄物処理関連の法律により許容
された範囲内であることが望ましい。産業廃棄物の焼却
灰に含まれる有害成分等は事前にアスファルト乳剤によ
り被覆されるため、溶出しにくいので、再生セメント瀝
青安定処理混合物が環境に及ぼす影響は少ないと考えら
れる。なお、粒状材料は上層路盤に使用する前に有害成
分の溶出試験し、廃棄物処理関連の法律に規定された許
容値を満足するかどうか確認することが必要であるが、
前述のように粒状材料は溶出試験までそのまま保管でき
るので、その点便利である。
【0016】前記各実施例では、自硬性汚泥を使用して
いるが、これに代えて一般汚泥を使用することも可能で
ある。一般汚泥は自硬性汚泥のようにセメントが混入し
ていないので、自硬性汚泥に含まれる程度のセメントを
加えることが必要である。セメント使用量は、重量比で
一般汚泥の5〜30%である。
【0017】前記各実施例では、汚泥の処理と焼却灰の
処理を同時に行い得るものであるが、汚泥の処理を目的
としない場合には、汚泥の使用を中止し、他は前記実施
例と同様な要領で実施することも可能である。但し、石
炭灰を使用する場合には、石炭灰は粒状材料を形成する
工程を経ずに、直接アスファルト廃材の破砕物、再生砕
石または砕石、セメント、アスファルト乳剤等と混合し
て実施する。前記工程を省略することによりコスト軽減
を図ることができる。石炭灰の場合、有害成分の溶出試
験をしなくてもよいので、試験結果が判るまで、粒状材
料として保存する必要はないからである。
【0018】前記各実施例の中央プラントの混合物や上
層路盤材料は、所定形状に成形し路盤施工時に使用する
トン程度の重量単位あるいは立方メートル程度の体積単
位としておけば、路盤施工時の使用材料の計算が容易に
なるという利点があり、また、ばら積みの混合物に比し
運搬を容易に行い得るという利点がある。なお、上記
混合物や上層路盤材料はフォークリフト、トラック等で
運搬できる程度の成形性を有するが、少し力を加えると
容易にばらばらに破砕することができるという易砕性が
あるので、使用上差し支えることはない。また、上記成
形物は棒材等で適宜孔を明けておけば、破砕がさらに容
易に行い得る利点がある。以上本発明の実施例について
説明したが、本発明はこのような実施例に何等限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲におい
て種々なる態様で実施し得ることはもちろんである。
【0019】
【発明の効果】本発明は上述の通り構成されているの
で、次に記載する効果を奏する。従来廃棄処分が困難で
あった建設汚泥である自硬性汚泥や一般汚泥と産業廃棄
物の焼却灰の大量処分を図ることができる。焼却灰はア
スファルト乳剤で被覆することにより、有害成分の溶出
を防止することができる。焼却灰は自硬性汚泥や一般汚
泥中の過剰な水分を吸収し、粒状材料製造時の作業を容
易にする利点がある。さらに、産業廃棄物たるアスファ
ルト廃材の有効活用を図ることができる。また、汚泥、
焼却灰をアスファルト乳剤等で固めた前記粒状材料は、
その状態で保管できるので、有害成分の溶出試験の結果
がでるまで保管したり、中央プラントまで運搬すること
ができ好都合である。上層路盤に占める焼却灰の割合が
大きい場合には、一軸圧縮強さが低下する傾向がある
が、粒状材料の製造時に石灰やセメントを混合すること
によって、これを改善することができる。産業廃棄物の
焼却灰として石炭灰を使用する場合は、粒状材料を形成
する工程を省略することができ、コスト軽減を図ること
が出きる。汚泥の処理を伴わないで石炭灰の処理を図る
場合には、上記同様に粒状材料を形成する工程を省略
し、コスト軽減を図ることができる。中央プラントによ
る混合物や上層路盤材料を、トン程度の重量単位や立方
メートル程度の体積単位に成形しておけば、路盤施工時
の使用材料の計算が容易になるという利点がある。ま
た、汚泥と産業廃棄物の焼却灰とをアスファルト乳剤等
で固めて粒状材料として保管するようにすれば、汚泥や
産業廃棄物の焼却灰等をそのまま所定の処分地以外の場
所に運搬して堆積や保管することが法律で禁止されてい
る場合においても、合法的に移動、運搬することができ
るので、その用途が決まるまで保管できるという利点が
ある。

Claims (25)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント等が混入しそれ自体で固結し得
    る自硬性汚泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファルト
    乳剤とを少なくとも使用し、適当な水を使用しあるいは
    水を使用しないで混合し、乾燥後破砕した粒径5mm程
    度以下の粒状材料と、粒径が40mm以下のアスファル
    ト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメント
    と、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固
    設した混合用のプラントを使用する中央プラント方式で
    混合してから、該混合物を施工個所に運搬し、施工する
    ようにした上層路盤の施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の上層路盤の施工方法にお
    いて、前記粒状材料と、前記再生砕石または砕石と、前
    記アスファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比
    は、前記粒状材料が5〜50%、前記アスファルト廃材
    の破砕物が30〜75%、前記再生砕石または砕石が5
    〜40%であり、前記セメントは前記粒状材料と、再生
    砕石または砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との
    合計量に対する重量比が1〜5%であり、かつ前記アス
    ファルト乳剤は前記自硬性汚泥と前記焼却灰と前記アス
    ファルト乳剤との合計量に対する重量比が5〜50%で
    ある上層路盤の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは請求項2記載の上層路
    盤の施工方法において、前記粒状材料には、製造時に自
    硬性汚泥と産業廃棄物の焼却灰とアスファルト乳剤との
    他に少量のセメントおよび/または石灰を加え混合する
    ようにした上層路盤の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記
    載の上層路盤の施工方法において、前記粒状材料に使用
    する前記自硬性汚泥と前記焼却灰との合計量に対する重
    量比は自硬性汚泥が10〜50%で焼却灰が50〜90
    %である上層路盤の施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記
    載の上層路盤の施工方法において、前記産業廃棄物の焼
    却灰は石炭灰である上層路盤の施工方法。
  6. 【請求項6】 セメント等が混入しそれ自体で固結し得
    る自硬性汚泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファルト
    乳剤とを少なくとも使用し、適当な水を使用しあるいは
    水を使用しないで混合し、乾燥後破砕した粒径5mm程
    度以下の粒状材料と、粒径が40mm以下のアスファル
    ト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメント
    と、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場所に固
    設した混合用のプラントを使用する中央プラント方式で
    混合してなる上層路盤材料。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の上層路盤材料において、
    前記粒状材料と、前記再生砕石または砕石と、前記アス
    ファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比は前記
    粒状材料が5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物
    が30〜75%、前記再生砕石または砕石が5〜40%
    であり、前記セメントは前記粒状材料と、再生砕石また
    は砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との合計量に
    対する重量比が1〜5%であり、かつ前記アスファルト
    乳剤は前記自硬性汚泥と前記焼却灰と前記アスファルト
    乳剤との合計量に対する重量比が5〜50%である上層
    路盤材料。
  8. 【請求項8】 請求項6もしくは請求項7記載の上層路
    盤材料において、前記粒状材料には、製造時に自硬性汚
    泥と産業廃棄物の焼却灰とアスファルト乳剤との他に少
    量のセメントおよび/または石灰を加え混合するように
    した上層路盤材料。
  9. 【請求項9】 請求項6〜請求項8のいずれか1項に記
    載の上層路盤材料において、前記粒状材料に使用する前
    記自硬性汚泥と前記焼却灰との合計量に対する重量比は
    自硬性汚泥が10〜50%で焼却灰が50〜90%であ
    る上層路盤材料。
  10. 【請求項10】 請求項6〜請求項9のいずれか1項に
    記載の上層路盤材料において、前記産業廃棄物の焼却灰
    は石炭灰である上層路盤材料。
  11. 【請求項11】 セメント等が混入しそれ自体で固結し
    得る自硬性汚泥と、石炭灰と、粒径が40mm以下のア
    スファルト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セ
    メントと、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場
    所に固設した混合用のプラントを使用する中央プラント
    方式で混合してから、該混合物を施工個所に運搬し、施
    工するようにした上層路盤の施工方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の上層路盤の施工方法
    において、前記自硬性汚泥と石炭灰との合計と、前記再
    生砕石または砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物と
    の総合計量に対する重量比は、前記自硬性汚泥と石炭灰
    との合計が5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物
    が30〜75%、前記再生砕石または砕石が5〜40%
    であり、前記セメントは前記自硬性汚泥と石炭灰との合
    計と、再生砕石または砕石と、前記アスファルト廃材の
    破砕物との総合計量に対する重量比が1〜5%であり、
    かつ前記自硬性汚泥と石炭灰との合計量に対する重量比
    は自硬性汚泥が10〜50%で石炭灰が50〜90%で
    ある上層路盤の施工方法。
  13. 【請求項13】 セメント等が混入しそれ自体で固結し
    得る自硬性汚泥と、石炭灰と、粒径が40mm以下のア
    スファルト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セ
    メントと、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場
    所に固設した混合用のプラントを使用する中央プラント
    方式で混合してなる上層路盤材料。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の上層路盤材料におい
    て、前記自硬性汚泥と石炭灰との合計と、前記再生砕石
    または砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との総合
    計量に対する重量比は、前記自硬性汚泥と石炭灰との合
    計が5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕物が30
    〜75%、前記再生砕石または砕石が5〜40%であ
    り、前記セメントは前記自硬性汚泥と石炭灰との合計
    と、再生砕石または砕石と、前記アスファルト廃材の破
    砕物との総合計量に対する重量比が1〜5%であり、か
    つ前記自硬性汚泥と石炭灰との合計量に対する重量比は
    自硬性汚泥が10〜50%で石炭灰が50〜90%であ
    る上層路盤材料。
  15. 【請求項15】 請求項1〜請求項5、請求項11およ
    び請求項12のいずれか1項に記載の上層路盤の施工方
    法において、前記自硬性汚泥に代えて一般汚泥とセメン
    トとを使用するようにした上層路盤の施工方法。
  16. 【請求項16】 請求項6〜請求項10、請求項13お
    よび請求項14のいずれか1項に記載の上層路盤材料に
    おいて、前記自硬性汚泥に代えて一般汚泥とセメントと
    を使用するようにした上層路盤材料。
  17. 【請求項17】 石炭灰と、粒径が40mm以下のアス
    ファルト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメ
    ントと、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場所
    に固設した混合用のプラントを使用する中央プラント方
    式で混合してから、該混合物を施工個所に運搬し、施工
    するようにした上層路盤の施工方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の上層路盤の施工方法
    において、前記石炭灰と、前記再生砕石または砕石と、
    前記アスファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量
    比は、前記石炭灰が5〜50%、前記アスファルト廃材
    の破砕物が30〜75%、前記再生砕石または砕石が5
    〜40%であり、前記セメントは前記石炭灰と、再生砕
    石または砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との合
    計量に対する重量比が1〜5%である上層路盤の施工方
    法。
  19. 【請求項19】 石炭灰と、粒径が40mm以下のアス
    ファルト廃材の破砕物と、再生砕石または砕石と、セメ
    ントと、セメントが飛散しない程度の水とを、所定場所
    に固設した混合用のプラントを使用する中央プラント方
    式で混合してなる上層路盤材料。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の上層路盤材料におい
    て、前記石炭灰と、前記再生砕石または砕石と、前記ア
    スファルト廃材の破砕物との合計量に対する重量比は、
    前記石炭灰が5〜50%、前記アスファルト廃材の破砕
    物が30〜75%、前記再生砕石または砕石が5〜40
    %であり、前記セメントは前記石炭灰と、再生砕石また
    は砕石と、前記アスファルト廃材の破砕物との合計量に
    対する重量比が1〜5%である上層路盤材料。
  21. 【請求項21】 請求項1〜請求項20のいずれか1項
    に記載の上層路盤の施工方法で使用するプラントによる
    混合物もしくは上層路盤材料を、路盤施工時に使用する
    トン程度の重量単位あるいは立方メートル程度の体積単
    位の所定形状に成形するようにし、しかも成形されたも
    のは易破砕性を有するものである上層路盤材料。
  22. 【請求項22】 請求項15記載の上層路盤の施工方法
    において、セメント使用量は重量比で一般汚泥の5〜3
    0%である上層路盤の施工方法。
  23. 【請求項23】 請求項16記載の上層路盤材料におい
    て、セメント使用量は重量比で一般汚泥の5〜30%で
    ある上層路盤材料。
  24. 【請求項24】 一般汚泥と、産業廃棄物の焼却灰と、
    セメントと、アスファルト乳剤とを少なくとも使用し、
    適当な水を使用しあるいは水を使用しないで混合し、乾
    燥後破砕して粒径5mm程度以下の粒状材料として保管
    するようにした汚泥等の保管方法。
  25. 【請求項25】 セメント等が混入しそれ自体で固結し
    得る自硬性汚泥と、産業廃棄物の焼却灰と、アスファル
    ト乳剤とを少なくとも使用し、適当な水を使用しあるい
    は水を使用しないで混合し、乾燥後破砕して粒径5mm
    程度以下の粒状材料として保管するようにした汚泥等の
    保管方法。
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