JP3418305B2 - オーディオ信号を符号化する方法および装置および知覚的に符号化されたオーディオ信号を処理する装置 - Google Patents

オーディオ信号を符号化する方法および装置および知覚的に符号化されたオーディオ信号を処理する装置

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ルーセント テクノロジーズ インコーポレーテッド
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号の処理に係
り、特に、サブバンド符号化スキーム、たとえば、知覚
オーディオコーディングを使用するオーディオ信号の符
号化に関する。
【0002】
【従来の技術】高品質のオーディオ信号を格納し、処理
し、および通信するための家庭用、産業用、スタジオ
用、および研究用機器が強く望まれている。非常に低い
ビットレートにおけるオーディオ信号の圧縮は、デジタ
ルオーディオテープ、コンパクトディスク、およびマル
チメディアアプリケーションのような多数の出現してく
るデジタルオーディオアプリケーションに対して、強く
望まれている。これらのディジタルアプリケーションに
使用される圧縮技術は、高品質の信号を処理することが
できる。しかし、そのような性能は、かなり大きなデー
タ記憶容量または伝送帯域幅の犠牲によって、しばしば
達成される。
【0003】デジタルオーディオ信号の符号化におい
て、データ記憶および伝送帯域幅の要求を低減するため
に、この圧縮分野で、かなり大量の労力が求められてき
た。1つのそのような圧縮技術は、人間の知覚系のモデ
ルを使用することにより、ソース信号中の無関係な情報
を取り除く。この知覚オーディオコーディング(以
下、”PAC”という。)技術は、たとえば、米国特許
第5,285,498号、J.D.Johnston,"Method and A
pparatus for Coding Audio Signals Based on Percept
ual Model"、1994年2月8日発行(以下、ジョンス
トン特許という。)に開示されている。
【0004】たとえば、このジョンストン特許に示され
た知覚オーディオコーディングは、オーディオ信号を表
現するために必要とされるビットレートまたはビットの
総数を低減する技術である。このPAC技術は、周波数
の関数としての短期間エネルギー分布を使用する。この
エネルギー分布から、目立つ雑音レベルを表す1組のし
きい値が計算できることが知られている。そして、とり
わけ、所望の信号の信号成分を表すために使用される量
子化の粗さが、そのコーディング自体によって誘導され
る量子化雑音が雑音しきい値を超えないように選択され
る。したがって、この誘導された雑音は、知覚プロセス
において、マスクされる。このマスキングは、人間の知
覚メカニズムが、(1つは、信号に属し、もう1つは、
雑音に属する)2つの信号成分を、同じスペクトル的、
時間的、および空間的位置において区別することができ
ないことにより起きる。
【0005】最近、128〜256kbps(すなわ
ち、6〜12の範囲の圧縮係数)の範囲におけるトラン
スペアレントな圧縮を提供する多数の知覚オーディオコ
ーダが開発されてきた。典型的に、そのようなコーダ
は、入力信号をその周波数成分に分割する分析フィルタ
バンクを使用する。そして、これらの成分は、上述した
ように、人間の聴力のマスキング特性に基づく知覚モデ
ルを使用して量子化される。たとえば、ジョンストン特
許において、信号を周波数成分に分割するために、修正
離散コサイン変換(以下、MDCTという。)フィルタ
バンクとして知られている高周波数分解能フィルタバン
クを使用するPACアプローチが示されている。たとえ
ば1024個のサブバンドまたは周波数ラインを有する
この高周波数分解能MDCTフィルタバンクは、いわゆ
る定常信号(たとえば、楽器音楽およびほとんどのボー
カル音楽)に対して、非常にコンパクトな表現を導く。
【0006】しかし、過渡現象または鋭いアタック(た
とえば、カスタネットまたはトライアングル)を含むい
わゆる非定常オーディオ信号は、高周波数分解能フィル
タバンクを使用してコンパクトに表現することはできな
い。これは、コンパクトな表現のために、より高い周波
数においてより高い分解能が要求されることによる。ま
た、非定常信号成分に対してMDCTを使用すること
は、符号化された信号の低い品質を導く。
【0007】非定常信号を符号化する場合に直面するフ
ィルタリング問題に対応する他の技術が開発されてい
る。たとえば、ジョンストン特許に示された1つのその
ような技術は、いわゆる「ウインドウ切換」スキームを
使用する。このPACスキームは、非定常信号の鋭いア
タックに対応するために、いわゆる「長い」および「短
い」MDCTウインドウを使用する。「ウインドウ切
換」において、信号の定常性が、2つのレベルにおいて
監視される。まず、長いMDCTウインドウ(たとえ
ば、1024個のサブバンドを有するウインドウ)が、
定常信号成分に対して使用され、そして、もし必要であ
れば、短いウインドウ(たとえば、128個のサブバン
ドを有するウインドウ)が、非定常性の期間の間使用さ
れる。
【0008】しかし、このアプローチの有利な点は、短
いMDCTウインドウがすべての周波数に対して均一に
時間分解能を増大させることである。言い換えると、よ
り高い周波数における所望の程度までこの時間分解能を
増大させるために、この技術は、より低い周波数におい
ても、時間分解能を増大させなければならない。
【0009】鋭いアタックをろ波するためのさらに望ま
しいフィルタバンクは、周波数軸のクリティカルなバン
ド分割にマッチするサブバンド(すなわち、このサブバ
ンドは、バルクスケール上で均一である)を有する不均
一な構造をもつものである。また、フィルタバンクの高
周波フィルタが比例して短いことが非常に望ましい。こ
れらの目的に合う1つのコーディングスキームは、ハイ
ブリッドまたはカスケード構造を使用する。
【0010】たとえば、K.Brandenburg et al.,"The IS
O-MPEG-Audio Codec: A Generic Standard for Coding
of High Quality Digital Audio", Journal of Audio E
ngineering Society, Vol.42, No.10,October,1994、お
よびJ.D.Johnston,"Audio Coding with Signal Adaptiv
e Filterbanks", In proceedings of IEEE,ICASSP,Detr
oit,1995を参照のこと。このコーディング技術は、均一
または不均一のフィルタバンクを有する第1段からな
る。サブバンドのそれぞれは、均一フィルタバンクを使
用して、さらに分割されうる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、MDCTフィ
ルタバンクとの比較でのこのアプローチの不都合な点
は、遅い周波数応答及び増大するコストを導くハイブリ
ッド/カスケード構造を、定常及び非定常信号に対して
使用しなければならないことである。したがって、サブ
バンドコーディングにおける非定常信号の処理の対する
従来技術によるフィルタリング装置の不都合を克服する
必要がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の原理による信号
圧縮技術は、オーディオ信号を知覚オーディオコーディ
ングまたは同様のサブバンドタイプコーディングを使用
して符号化するために、第1のフィルタバンクとウェー
ブレット(wavelet)フィルタバンクとを切り換える。
【0013】本発明の好ましい実施形態において、2つ
のフィルタバンク間の切換は、信号の時間変化特性、好
ましくはその知覚エントロピーレベルに基づく。また、
この好ましい実施形態において、第1のフィルタバンク
は、高周波数分解能MDCTフィルタバンクである。通
常、高周波数分解能MDCTフィルタバンクが、入力信
号をろ波するために使用されるが、非定常信号の場合、
ウェーブレットフィルタバンクが使用される。好都合な
ことに、本発明は、非定常成分を含む場合に、信号のさ
らにコンパクトな表現を達成する。この好ましい実施形
態において、ウェーブレットフィルタバンクは、不均一
のツリー構造フィルタバンクである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明によるオーディオ信号圧縮
技術は、知覚オーディオコーディングまたは同様のサブ
バンドタイプコーディングを使用して符号化された非定
常信号を処理するために、第1のフィルタバンク(好ま
しくは、高周波数分解能MDCTフィルタバンク)とウ
ェーブレットフィルタバンクとの間で切り換える信号適
合型切換フィルタバンクを使用する。
【0015】本発明の実施形態は、説明の明瞭さのため
に機能ブロックで表現される。これらのブロックが表す
機能は、ソフトウエアを実行できるハードウエアを含む
がこれに限定されない共用または専用のハードウエアの
いずれかの使用により提供されうる。さらに、「プロセ
ッサ」という用語の使用は、ソフトウエアを実行可能な
ハードウエアを排他的に指すものと解釈されるべきでな
い。いくつかの実施形態は、AT&T社のDSP16ま
たはDSP32のようなデジタルシグナルプロセッサ
(以下、DSPという。)および以下に説明する動作を
実行するためのソフトウエアを含みうる。本発明の超大
規模集積(以下、VLSIという。)ハードウエアによ
る実施例と同様にハイブリッドDSP/VLSIによる
実施例も提供可能である。
【0016】図1は、本発明が具現化されるシステムの
全体的ブロック図である。図1において、アナログオー
ディオ信号101が、プリプロセッサ102に与えら
れ、通常の方法で、典型的には48kHzでサンプリン
グされ、リード線103上で、16ビット/サンプルの
デジタルパルス符号変調(以下、PCMという。)に変
換される。PCM信号は、知覚オーディオコーダ200
に与えられ、知覚オーディオコーダ200は、このPC
M信号を圧縮し、通信チャネルまたは記憶媒体106の
いずれかへのリード線105上へ圧縮されたPAC信号
を出力する。
【0017】後者は、たとえば、磁気テープ、コンパク
トディスクまたは他の記憶媒体であり得る。通信チャネ
ルまたは記憶媒体から、リード線107上の圧縮された
PAC符号化された信号が知覚オーディオデコーダ10
8に与えられる。知覚オーディオデコーダ108は、圧
縮されたPAC符号化された信号を復元し、オリジナル
のオーディオ信号101のデジタル表現であるPCM信
号をリード線109上に出力する。知覚オーディオデコ
ーダから、リード線109上のPCM信号が、信号のア
ナログ表現をつくるポストプロセッサ110に与えられ
る。
【0018】知覚オーディオコーダ200の一実施形態
が、図2のブロック図に示されている。知覚オーディオ
コーダ200は、好都合に、信号適合型切換フィルタバ
ンク202,知覚モデルプロセッサ210,クオンタイ
ザ/レートループプロセッサ212,およびエントロピ
ーコーダ214を含む。信号適合型切換フィルタバンク
202,知覚モデルプロセッサ210,クオンタイザ/
レートループプロセッサ212,およびエントロピーコ
ーダ214の構造及び動作は、オーディオ信号を処理す
るためのジョンストン特許中の構成要素とほぼ同様の構
造及び動作であり、本発明に必要なものを除いて詳細に
は説明しない。
【0019】しかし、信号適合型切換フィルタバンク2
02は、第1のフィルタバンク(好ましくは、高周波数
分解能MDCTフィルタバンク)とウェーブレットフィ
ルタバンクとの間の切換に関して、詳細に説明する。こ
れは、切換フィルタバンク202の特徴であり、図2の
他の要素との組み合わせで、本発明の効果を提供する。
【0020】図2において、信号適合型切換フィルタバ
ンク202は、たとえば、ここで説明する所定の方法で
信号の符号化の間に、2つのフィルタバンク間でのスイ
ッチング206に使用するための高周波数分解能MDC
Tフィルタバンク204およびウェーブレットフィルタ
バンク208を含む。上述したように、高周波数分解能
MDCT(たとえば、PACにおける1024個のサブ
バンドまたは周波数ライン)を符号化プロセスに使用す
ることは、MDCTが定常信号に対する非常にコンパク
トな表現を導くことに有用である。
【0021】PACのために、MDCTは、以下を含む
特徴を提供する。(i)クリティカルサンプリング特性
(すなわち、フィルタバンクへのすべてのn個のサンプ
ルに対して、n個のサンプルが得られる)。(ii)MD
CTが典型的に半分のオーバーラップを提供する。(す
なわち、変換長は、フィルタバンク中にシフトされるサ
ンプル数nの長さのちょうど2倍である)これは、フィ
ルタバンクに独立に導入された雑音の制御を取り扱う良
い方法を提供する。(iii)MDCTは、サンプルの積分
値の遅れのみを受ける入力サンプルの正確な復元を提供
する。
【0022】よく知られたMDCTが、たとえば、J.P.
PrincenおよびA.B.Bradley,"Analysis/Synthesis Filte
r Bank Design Based on Time Domain Aliasing Cancel
lation,"IEEE Trans. ASSP,Vol.34,No.5,October 1986
に示されている。PACに使用するためのMDCTのよ
く知られた適応および高周波数分解能MDCTフィルタ
バンク204により実行される機能が、たとえばジョン
ストン特許に記載されている。
【0023】しかし、高周波数分解能MDCTフィルタ
バンク204は、定常信号の表現における使用に非常に
有効であるが、上述したように、このMDCTフィルタ
バンクは、非定常信号(すなわち、一時的なまたは鋭い
アタックを含む信号)のコンパクトな表現を提供しな
い。しかし、我々は、知覚オーディオコーダ200のオ
ーディオ圧縮特性を向上させると同時に、高周波数分解
能MDCTフィルタバンク204を使用する利点を発展
させた技術を実現した。
【0024】本発明によれば、信号適合型切換フィルタ
バンク202は、たとえばオーディオ信号101を符号
化するために、高周波数分解能MDCTフィルタバンク
204とウェーブレットフィルタバンク208の両方を
使用する。本発明の好ましい一実施形態において、高周
波数分解能MDCTフィルタバンク204は、符号化の
ために、高周波数分解能MDCTを使用する。すなわ
ち、高周波数分解能MDCTフィルタバンク204は、
非定常信号と出会った場合、いわゆる長いウインドウ
(すなわち、1024個のサブバンド)のみを使用し、
いわゆる短いウインドウ(すなわち、1024個のサブ
バンドに対して、128個のサブバンド)へ切り換えな
い。もちろん、これは、上述した従来技術によるウイン
ドウ切換技術であり、ジョンストン特許に示されてい
る。本発明によれば、短いMDCTウインドウへの切換
ではなく、信号適合型切換フィルタバンク202は、そ
のような非定常性の期間の間、ウェーブレットフィルタ
バンク208を使用する。
【0025】より具体的には、ウェーブレットフィルタ
バンク208は、非定常成分を有する入力信号を有効に
フィルタリングするために、ウェーブレット変換を使用
する。ウェーブレットは、その様々な平行移動および相
似変換特性により、有限エネルギー信号の空間に対する
完全な直交主成分を提供する関数である。最適化された
ウェーブレット変換を使用するオーディオ信号の一般的
なコーディングは、たとえば、D.SinhaおよびA.H.Tewfi
k, "Low Bit Rate Transparent Audio Compression usi
ng Asapted Wavelets",IEEE Transactions on Signal P
rocessing, Vol.41,No.12,pp.3463-3479,Dec.1993に示
されている。本発明の一実施形態により、我々は、この
ウェーブレット変換を、PACが基づく心理音響学モデ
ルと一緒の使用および例示的ウェーブレットフィルタバ
ンクの設計における主な規準としての所定の周波数及び
時間的特性の使用に適合させた。
【0026】心理音響学的分析の時間−周波数分解能
が、聴覚系の時間−周波数分解能にマッチしなければな
らないことが、よく知られている。これらの分解能特性
は、クリティカルなバンドスケールにおいて反映されて
おり、これは、心理音響学的モデルにおける周波数分解
能は、低周波数における100Hzから高周波数におけ
る約4kHzまで(すなわち、分解能における40:1
の変化)変化しなければならないことを示す。これは、
PACコーダにおける時間的分解能が、約40:1のフ
ァクターにより、低周波数から高周波数まで増加しなけ
ればならないことを示唆している。
【0027】ほとんどの心理音響学的モデルが、非常に
低い均一な時間的分解能を使用することが知られてい
る。高周波数における時間的分解能がないことは、定常
信号に対して計算されたしきい値にほとんど効果を持た
ない。しかし、非定常信号に対して計算されたしきい値
は、不正確となり、聞き取れるひずみを導きうる。この
ふるまいは、本発明の信号適合型交換フィルタバンクを
使用することにより補正することができる。
【0028】非定常信号セグメントまたは過渡現象のコ
ーディングのために、本発明の信号適合型切換フィルタ
バンクを使用することは、従来技術に対していくつかの
利点を提供する。たとえば、非定常信号成分のよりコン
パクトな表現を導く。また、信号の非定常セグメントの
間の、より正確な心理音響学的モデリングを導く。これ
らの特徴は、過渡現象を表現するための全体のビットレ
ート要求を著しく節約することになる。さらに、本発明
による信号適合型切換フィルタバンクの使用は、定常信
号セグメントの圧縮に対する高周波数分解能MDCTフ
ィルタバンクのよく知られた性能の利点を維持する。
【0029】より具体的には、本発明の好ましい実施形
態によれば、ツリー構造のウェーブレットフィルタバン
クが使用される。上述したように、使用される周波数分
割が周波数軸のクリティカルなバンク分割をよく近似す
ることが、心理音響学的モデルの正確さにとって重要で
ある。ウェーブレットフィルタバンクは、良好な周波数
選択性(すなわち、隣接するサブバンドの周波数応答間
の小さなオーバーラップ)を提供する。さらに、ウェー
ブレットフィルタバンクは良好な時間的特性を提供し、
より高い周波数サブバンドのインパルス応答が急速に減
衰し、コンパクトに集中させられる。コンパクトに集中
させられるより高い周波数サブバンドは、非定常信号セ
グメントの効率的な表現を導く。本発明の好ましい実施
形態において使用されるツリー構造は、これらの上述し
た望ましいウェーブレットフィルタバンク特性を提供す
ることを助ける。
【0030】このツリー構造は、クリティカルバンドが
より高い周波数においてより広く、所望の周波数分解能
を達成するために、ツリー構造全体におけるより少ない
段階を必要とするので、より高い周波数サブバンドのた
めのフィルタは比例してより短いという利点を提供す
る。さらに、ツリー構造フィルタバンクの時間的特性の
制御がモーメントコンディションにより提供される。モ
ーメントコンディション及びその使用については、以下
に説明する。ツリー構造がクリティカルなバンド分割に
ぴったりとマッチすることを確かにするために、好まし
い実施形態のツリー構造ウェーブレットフィルタバンク
は、3組のフィルタバンクを使用する。1組のフィルタ
バンクは、4個のサブバンドスプリットを提供し、他の
2組は、それぞれ2個のサブバンドスプリットを提供す
る。
【0031】図3は、信号適合型切換フィルタバンク2
02において使用されるツリー構造ウェーブレットフィ
ルタバンクについての例示的な分解ツリー300を示
す。好ましい実施形態によれば、ウェーブレットフィル
タバンク208の例示的なツリー構造に使用される3組
のフィルタバンクが、このツリー構造がクリティカルな
バンド区分をしっかりと近似することを保証するため
に、十分な設計の柔軟性を提供する。特に、第1のフィ
ルタバンクセット310は、信号の4個のバンドスプリ
ット(すなわち、311〜314)を提供する。この4
個のバンドフィルタスプリットは、フィルタ311から
314へ周波数が増加し、各フィルタは、64のサポー
ト(長さ)を有する。第2のフィルタバンク320は、
40のサポートを有する2個のバンドスプリット(すな
わち、321および322)を提供し、第3のフィルタ
バンク330は、20のサポートを有する2個のバンド
スプリット(すなわち、331および332)を有す
る。
【0032】当業者に理解されるように、分解ツリー3
00のいずれかのノードにおけるフィルタバンク310
の適用は、4のファクターによるくじ引きを必要とす
る。同様に、フィルタバンク320および330の適用
は、2のファクターによるくじ引きを必要とする。N個
のサンプルの入力ブロックで、サブバンド331は、N
/64にフィルタリングされたサンプルを有し、サブバ
ンド322は、N/4にフィルタリングされたサンプル
を有する。
【0033】ウェーブレットフィルタバンク208によ
り使用される3個のフィルタバンクは、たとえば、よく
知られたパラメータ化されたパラユニティフィルタバン
クの使用および標準最適化ツールの適用により最適化さ
れる。ウェーブレットフィルタバンク208を最適化す
るために使用される最適化規準は、よく知られた重みづ
けストップバンドエネルギー規準に基づく。たとえば、
P.P.Vaidyanathan,"Multirate Digital Filters, Filte
rbanks, Polyphase Networks, and Applications: A Tu
torial," Proceedings of the IEEE, Vol.78,No.1,pp.5
6-92,January 1990を参照のこと。上述したツリー構造
フィルタバンクにより提供される最適化は、ツリーバン
クのそれぞれおよびフィルタバンク全体それ自体が良好
な周波数選択性を提供することを保証する。
【0034】好ましい実施形態において、モーメントコ
ンディションは、高周波数フィルタ(すなわち、高周波
数を含む分解ツリー300中のサブバンドに対応するフ
ィルタ)の望ましい時間的特性を達成する上で重要な役
割を果たす。このモーメントコンディションは、中心周
波数により近いより高いサブバンド周波数応答のなめら
かさ(すなわち、微分可能性の次数)を決定する。以下
に説明するように、中心周波数に接近したこの非常なな
めらかさは、コンパクトに集中化された対応するインパ
ルス応答を導く。より具体的には、サブバンドフィルタ
{Hi=1toM}を有するMバンドパラユニティフィルタバ
ンクは、i=2,3,…Mに対するHi(eiw)がw=
0においてP次のゼロを有する場合、P次モーメントコ
ンディションを満足するといわれる。
【0035】そして、このフィルタは、Pバニシングモ
ーメントを有するといわれる。ウェーブレットフィルタ
バンク208設計において、所与のサポートKに対して
P>1を必要とするフィルタは、「有効」サポートが増
加するPを低減させるフィルタをもたらす。言い換える
と、KTがより高いPに対してより小さい場合、ほとん
どのエネルギーは、間隔KT中に集中化される。
【0036】フィルタの時間応答における改良が、典型
的に、振幅周波数応答における増加した過渡現象バンド
にあることがよく知られている。たとえば、P.Vaidyana
than,"Multirate Digital Filters, FilterBanks, Poly
phase Networks, and Applications: A Tutorial,"Proc
eedings of the IEEE, Vol.78,No.1,pp.56-92,January,
1990を参照のこと。ツリー構造フィルタバンクは、フィ
ルタの時間的特性における望ましい集中を達成するため
に、好ましくは、3組のフィルタバンクのそれぞれに対
して2つのバニシングモーメント(すなわち、P=2)
を有する。たとえば、ウェーブレットフィルタバンク2
08の最高周波数サブバンド(たとえば、図3に示され
た314)のインパルス応答410が、比較のために、
同様の周波数特性を有するコサイン変調されたフィルタ
バンクのフィルタの応答420とともに、図4に示され
ている。
【0037】本発明の好ましい実施形態により構成され
たウェーブレットフィルタバンクの応答410は、時間
的に優れた集中化を提供することが、高周波数ウェーブ
レットフィルタ314のインパルス応答410により証
明されている。この高周波数ウェーブレットフィルタ3
14は、そのエネルギーが、n=10からn=40の間
に集中化されている。比較において、コサイン変調され
たフィルタバンクの応答420は、n=1からn=64
の範囲全体に広がったエネルギーを有する。
【0038】本発明の原理によれば、高周波数分解能M
DCTフィルタバンク204が、定常信号を符号化する
ために使用され、ウェーブレットフィルタバンク208
が、非定常信号を符号化するために使用される。この2
つのフィルタバンクを使用することの有効性に対してク
リティカルなことは、特定の信号要求(すなわち、定常
対非定常)に基づいてこれらの間を切り換えるためのメ
カニズムである。
【0039】この目的のために、MDCTがオーバラッ
プした直交変換であることを実現しなければならない。
すなわち、従来のブロック変換と異なり、隣接するブロ
ック間に50パーセントのオーバラップがある。したが
って、高周波数分解能MDCTフィルタバンク204と
ウェーブレットフィルタバンク208との間の切換は、
MDCTブロックとウェーブレットブロックとの間のオ
ーバラップ領域における直交化を必要とする。一般的直
交化問題を設計する方法は良く知られている(たとえ
ば、C.Herley et al.,"Tiling of the Time-Frequency
Plane: Construction of Arbitrary Orthogonal Bases
and Fast Tiling Algorithm, IEEE Transaction on Sig
nal Processing, Vol.41,No.12, December, 1993)。し
かし、そのような設計における不都合な点は、得られる
変換マトリクスが具現化の観点から非効率的であること
である。すなわち、結果として得られるフィルタにいか
なる構造もないことは、ウェーブレット変換の高速演算
を非常に困難にする。
【0040】従って、2N個のサンプルの1ブロックに
ついてのMDCT操作が、ウインドウ化されたデータ
(すなわち、ウインドウのいずれか一方の端部からの外
部のN/2個のサンプルが、そのウインドウの内部のN
/2個のサンプル中に折りたたまれている)における対
称的操作およびその後に行われるこれらN個のサンプル
についてのN点直交ブロック変換と等価であることに注
目することによって、直交化アルゴリズムにおける単純
化が実現できる。信号の完全な復元が、特定のブロック
直交変換Qと無関係に保証される。従って、Qは、1つ
のブロックに対するMDCTおよび次のブロックに対す
るウェーブレット変換でありうる。MDCTに対応する
行列Qは、よく知られており、さらに説明することはし
ない。ウェーブレットフィルタバンク208において使
用される行列Qについて、説明する。
【0041】ウェーブレット変換を使用する場合、直交
行列Qフィルタバンク(以下、QWF Bという。)は、上
述したツリー構造ウェーブレットの3個のフィルタバン
クに基づくN×N行列である。この行列QWFBは、いく
つかのブロックからなり、各ブロックは、図3の分解ツ
リー300における葉ノード(すなわち、サブバンド)
に対応する。当業者に理解されるように、分解ツリー3
00についての行列は、3個のフィルタバンク310,
320および330中のフィルタおよび有限ブロックサ
イズ(すなわち、境界条件)を取り扱うためのストラテ
ジィにより、完全に識別される。説明の明瞭さのため
に、図3に示された分解ツリー300の4バンドスプリ
ット310に関連して、好ましい実施形態において、境
界条件の取り扱いを説明する。それから全体のツリー構
造への拡張は、当業者にとって明らかであろう。
【0042】図3に示された4バンドスプリット310
に対して、対応する変換行列Qは、N/4×Nのサイズ
の4個のサブブロックからなり、1つのブロックは、各
フィルタ311,312,313および314にそれぞ
れ対応する。たとえば、これらのフィルタの長さをKと
定義し、さらに別の定数K1=(K/4)−1を定義す
る。4個のサブブロックのそれぞれに対して、サブブロ
ックのN/4−K1行以外のすべてが、それぞれのサブ
バンドフィルタ自体(たとえば、311)に対応し、
(N/4−K1−1)は、サブバンドフィルタを平行移
動させる。円形の渦巻きを避けるために、サブブロック
の残りのK1行は、ブロックのエッジ近くで動作するよ
うに設計された過渡現象フィルタである。これらの過渡
現象フィルタは、好ましくは、成分完了ストラテジィを
使用して設計される。
【0043】より具体的には、Q1,Q2,Q3および
Q4は、4個のサブバンドの識別されない行に対応する
K1×N行列である。次に、Q1〜Q4は、これらの行
列が、集合的に、それ自体がすでに定義されたQの4×
(N/4−K1)行と直交するサブスペースに対する直
交成分を形成するように選ばれる。また、Q1〜Q4
は、以下の形式を有するコスト関数を最大化するために
選ばれる。コスト=Trace(Q1WTD1+Q2WTD2
WQ2T+Q3WTD3WQ3T+Q4WTD4WQ4T)。ここ
で、Wは、N×Nフーリエ変換行列、D1〜D4は、ゼロ
ではなく1に等しいN/4個のN対角線要素を有する対
角線マトリクスである。特定のサブバンドに対するN/
4個の非ゼロ要素は、周波数軸上の特定のサブバンドの
位置に対応する。当業者に理解されるように、これは、
たとえば、標準的最適化ツールを使用することにより解
決されうるサブスペース抑制最適化問題である。サブバ
ンドのそれぞれに対して、過渡現象フィルタは、サブバ
ンド係数が正確な時間的解釈を有するように、増加する
グループ遅れの順序でQWFB中に配置される。
【0044】上述した直交化アプローチが、ウェーブレ
ットフィルタを時間的に拡張し、および/またはウェー
ブレットフィルタ自体における不連続性を招く効果を有
する可能性があることがわかった。ウェーブレットフィ
ルタバンク208のそのようなあり得る損傷は、以下に
より軽減される。(i)たとえば、ジョンストン特許に
記載されているような高周波数分解能MDCTフィルタ
バンク204およびウェーブレットフィルタバンク20
8の使用間の遷移として使用される一時的STARTお
よびSTOPウインドウ、および(ii)いわゆるスムー
スウインドウのファミリーを適用することにより、遷移
ウインドウとウェーブレットウインドウとの間の有効な
オーバラップを低減すること。
【0045】前述した技術を使用する高周波数分解能M
DCTフィルタバンク204とウェーブレットフィルタ
バンク208との間の例示的な切換シーケンスが、図5
に示されている。図5に示されているように、STAR
Tウインドウ502が、高周波数分解能MDCTフィル
タバンクウインドウ501とウェーブレットフィルタバ
ンクウインドウ503との間の遷移において使用され
る。さらに、STOPウインドウ504が、ウェーブレ
ットフィルタバンクウインドウ503と高周波数分解能
MDCTフィルタバンクウインドウ505との間の遷移
において使用される。
【0046】いわゆるスムースウインドウは、STAR
Tウインドウ502とウェーブレットフィルタバンクウ
インドウ503との間のオーバラップ領域において使用
され、そしてウェーブレットフィルタバンクウインドウ
503と、STOPウインドウ504との間のオーバラ
ップ領域においても使用される。これらのスムースウイ
ンドウは、ベースバンドフィルタとして有用であり、時
間的にコンパクトに集中化される。すなわち、ウインド
ウ中のほとんどのエネルギーは、中心付近に集中化され
る。このスムースウインドウは、式:h(n)=h
(t)|t=(n+1/2)(1/ N),n=0,1‥‥N-1を使用して生成
される。ここで、h(t)は、区間[0,1]において
非ゼロであり、外側でゼロである。
【0047】図2において、知覚モデルプロセッサ21
0は、信号適合型切換フィルタバンク202中の様々な
信号成分の知覚的重要性および雑音マスキング特性の推
定値を計算するために心理音響学的分析を使用する。知
覚モデルプロセッサ210中で行われる心理音響学的分
析は、よく知られており、たとえば、ジョンストン特
許、およびJ.D.Johnston,"Transform Coding of Audio
Signals Using Perceptual Noise Criteria,"IEEE Jour
nal on Selected Areas in Communication,"Vol.6,pp.3
19-323,February, 1988に記載されている。MDCTブ
ロックにおける係数の量子化のためのしきい値が、心理
音響学的分析からすでに知られた方法で直接的に得られ
るが、ウェーブレットブロックにより使用されるしきい
値は、さらなる処理を必要とする。
【0048】ウェーブレット係数の量子化のためのしき
い値は、PACにおけるように、各サブバンドにおける
時間的に変化する分布エネルギーの推定値および推定さ
れた調性量に基づく。この分布エネルギーは、周波数お
よび時間についてのマスキングの分布を顧慮することに
より計算される。言い換えると、周波数間および時間的
な分布関数が使用される。これらの分布関数の形は、た
とえば、J.B.Allen,"The ASA edition of Speech Heari
ng in Communications," Acoustical Societyof Americ
a, New York, 1995に記載されたようなChochlearフィル
タから得られる。マスキングの時間的分布は、周波数に
依存し、特定の周波数におけるChochlearフィルタの帯
域幅の逆数により近似的に決定される。
【0049】好ましくは、1つの固定時間分布関数が、
周波数のある範囲すなわちサブバンドについて使用され
る。したがって、分布関数の形は、より高い周波数にお
いて、ますます狭くなる。サブバンドにおける係数は、
コーダバンド内でグループ化され、量子化において、コ
ーダバンド当たり1つのしきい値が使用される。たとえ
ば、コーダバンドのスパンは、最低周波数サブバンドに
おける10ミリ秒から最高周波数サブバンドにおける約
2.5ミリ秒の範囲にある。
【0050】ジョンストン特許に記載されているよう
に、クオンタイザ/レートループプロセッサ212は、
信号適合型切換フィルタバンク202および知覚モデル
プロセッサ210からの出力を得て、ビットおよび雑音
を割り当て、所与の用途に必要とされるビットレートに
合致するように、他のシステムパラメータを制御する。
エントロピーデコーダ214は、クオンタイザ/レート
ループプロセッサ212と共同して、さらなるノイズレ
ス圧縮を達成するために使用される。たとえば、ジョン
ストン特許に記載されているように、エントロピーコー
ダ214は、クオンタイザ/レートループプロセッサ2
12から量子化されたオーディオ信号を受け取る。そし
て、エントロピーコーダ214は、たとえばよく知られ
た最小冗長度ハフマン(Huffman)コーディング
技術を使用して、量子化されたオーディオ信号について
の無損失エンコーディングを実行する。
【0051】ハフマンコードは、たとえは、D.A.Huffma
n,"A Method for the Constructionof Minimum Redunda
ncy Codes," Roc.IRE,40:1090-1101,1952およびT.M.Cov
erand J.A.Yhomas,"Elements of Information Theory,"
pp.92-101,1991に記載されている。さらに、ジョンス
トン特許は、エントロピーコーダ214のPACに関す
るハフマンコーディングの使用を開示している。当業者
は、よく知られたLempel−ZiV圧縮方法を含む
他のノイズレスデータ圧縮技術を使用して、エントロピ
ーコーダ214の代替的な実施例をどのように具現化す
るかを容易に理解するであろう。
【0052】最終的に、切換規準206が、高周波数分
解能MDCTフィルタバンク204とウェーブレットフ
ィルタバンク208との間の有効な切換をさらに容易に
するために使用される。有効にするために、規準は、い
かなる誤警報またアタック失敗なしに正確にアタックを
検出しなければならない。たとえば、高周波数分解能M
DCTフィルタバンク204を使用して符号化された場
合、検出されないアタックは、特に低ビットレートにお
いて、信号の知覚的ひずみとなる。対照的に、ウェーブ
レットフィルタバンク208で比較的定常的な信号をコ
ーディングすることは、出力ビットおよび処理能力のか
なり大きな浪費となる。
【0053】したがって、本発明の好ましい実施形態に
よれば、知覚エントロピー規準が使用される。上述した
ように、知覚エントロピーは、特定の変換セグメントを
トランスペアレントに符号化するためのサンプル当たり
のビットの理論的下限を提供する信号の特定の変換セグ
メントの量である。1つのセグメントから次のセグメン
トへの知覚エントロピーにおけるかなり大きな増加は、
信号の強い非定常性(たとえば、アタック)の良い表示
である。図2の実施形態によれば、このタイプの知覚エ
ントロピー変化は、高周波数分解能MDCTフィルタバ
ンク204からウェーブレットフィルタバンク208へ
の切換規準206をトリガーするために、信号適合型切
換フィルタバンク202により使用される。たとえば、
25ミリ秒ごとに一度、高周波数分解能MDCTフィル
タバンク204とウェーブレットフィルタバンク208
との間の切換に関する決定がなされる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、非
定常信号を含む場合にも、信号をコンパクトに表現する
ことが可能なオーディオ信号コーディングに使用するた
めの交換フィルタバンクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるシステムの一例を示すブロ
ック図。
【図2】本発明の信号適合型切換フィルタバンクを使用
する図1のシステムにおいて使用される知覚オーディオ
コーダの一実施形態を示すブロック図。
【図3】図2の信号適合型切換フィルタバンクにおいて
使用されるツリー構造ウェーブレットフィルタバンクの
一実施形態を示す図。
【図4】コサイン変調フィルタと図2の信号適合型切換
フィルタバンクにおいて使用されるウェーブレットフィ
ルタとの比較を示す図。
【図5】図2の信号適合型切換フィルタバンクを使用し
て生成されるフィルタバンク切換シーケンスの一例を示
す図。
【符号の説明】
101 アナログオーディオ信号 102 プリプロセッサ 106 通信チャネル/記憶媒体 108 知覚オーディオデコーダ 110 ポストプロセッサ 200 知覚オーディオコーダ 202 信号適合型切換フィルタバンク 204 高周波数分解能MDCTフィルタバンク 206 切換規準 208 ウェーブレットフィルタバンク 210 知覚モデルプロセッサ 212 クオンタイザ/レートループプロセッサ 214 エントロピーエンコーダ 300 分解ツリー 310 フィルタバンクセット 311,312,313,314 フィルタ 320,330 フィルタバンク 321,322,331 バンドスプリット 410 ウェーブレットフィルタ 420 コサイン変調フィルタ 501 高周波数分解能MDCTフィルタバンクウィ
ンドゥ 502 スタート(START)ウィンドゥ 503 ウェーブレットフィルタバンクウィンドゥ 504 ストップ(STOP)ウィンドゥ 505 高周波数分解能MDCTフィルタバンクウィ
ンドゥ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ディーペン シンバ アメリカ合衆国、07928 ニュージャー ジー、チェイサン、ノー アベニュー 169 (56)参考文献 特開 平7−221650(JP,A) 特開 平7−225596(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/02

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) オーディオ信号をサンプリング
    するステップと、 (B) ろ波された信号を生成するために、第1のフィ
    ルタバンクとウェーブレットフィルタバンクとを切り換
    えることにより、前記サンプリングされたオーディオ信
    号を交互にろ波するステップと、 (C) 圧縮された出力信号を提供するために、前記フ
    ィルタリングされた信号を符号化するステップとを有す
    ることを特徴とするオーディオ信号を符号化する方法。
  2. 【請求項2】 前記第1のフィルタバンクは、高周波数
    分解能MDCTフィルタバンクであることを特徴とする
    請求項1記載のオーディオ信号を符号化する方法。
  3. 【請求項3】 前記(B)ろ波するステップにおいて、
    前記切換が、前記オーディオ信号の定常性の関数として
    行われることを特徴とする請求項2記載のオーディオ信
    号を符号化する方法。
  4. 【請求項4】 前記(B)ろ波するステップにおいて、
    前記高周波数分解能MDCTフィルタバンクが、前記オ
    ーディオ信号の定常成分をろ波するために使用され、前
    記ウェーブレットフィルタバンクが、前記オーディオ信
    号の非定常成分をろ波するために使用されることを特徴
    とする請求項2記載のオーディオ信号を符号化する方
    法。
  5. 【請求項5】 前記(C)符号化するステップは、知覚
    オーディオコーディングを含むことを特徴とする請求項
    1記載のオーディオ信号を符号化する方法。
  6. 【請求項6】 (A)複数の雑音しきい値をオーディオ
    信号の周波数特性の関数として生成するステップと、 (B) ろ波された信号を生成するために、第1のフィ
    ルタバンクとウェーブレットフィルタバンクとを切り換
    えることにより、前記オーディオ信号を交互にろ波する
    ステップと、 (C) 前記雑音しきい値により決定される粗さで、前
    記ろ波された信号を量子化するステップと、 (D) 前記量子化された信号を知覚的に符号化するス
    テップとを有することを特徴とするオーディオ信号を符
    号化する方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のフィルタバンクは、高周波数
    分解能MDCTフィルタバンクであることを特徴とする
    請求項6記載のオーディオ信号を符号化する方法。
  8. 【請求項8】 前記(B)ろ波するステップにおいて、
    前記切換が、前記オーディオ信号の定常性に応じて行わ
    れることを特徴とする請求項7記載のオーディオ信号を
    符号化する方法。
  9. 【請求項9】 前記(B)ろ波するステップにおいて、 前記高周波数分解能MDCTフィルタバンクが、前記オ
    ーディオ信号の定常成分をろ波するために使用され、 前記ウェーブレットフィルタバンクが、前記オーディオ
    信号の非定常成分をろ波するために使用されることを特
    徴とする請求項7記載のオーディオ信号を符号化する方
    法。
  10. 【請求項10】 前記オーディオ信号の定常性は、知覚
    エントロピーを使用して決定されることを特徴とする請
    求項8記載のオーディオ信号を符号化する方法。
  11. 【請求項11】 前記ウェーブレットフィルタバンク
    は、1セットの不均一フィルタバンクを有するツリー構
    造フィルタバンクであることを特徴とする請求項6記載
    のオーディオ信号を符号化する方法。
  12. 【請求項12】 前記セットのうちの第1の不均一フィ
    ルタバンクは、前記オーディオ信号の4バンドスプリッ
    トを提供し、第2の不均一フィルタバンクは、前記オー
    ディオ信号の2バンドスプリットを提供することを特徴
    とする請求項11記載のオーディオ信号を符号化する方
    法。
  13. 【請求項13】 (A) 複数の雑音しきい値をデジタ
    ル信号の周波数特性の関数として生成するステップと、 (B) ろ波された信号を生成するために、第1のフィ
    ルタバンクとウェーブレットフィルタバンクとを切り換
    えることにより、前記デジタル信号を交互にろ波するス
    テップと、 (C) 圧縮された出力信号を提供するために、前記ろ
    波された信号を知覚的に符号化するステップとを有する
    ことを特徴とする圧縮された出力信号を生成するために
    オーディオ信号を符号化する方法。
  14. 【請求項14】 前記第1のフィルタバンクは、高周波
    数分解能MDCTフィルタバンクであることを特徴とす
    る請求項13記載のオーディオ信号を符号化する方法。
  15. 【請求項15】 オーディオ信号をサンプリングする手
    段と、 ろ波された信号を生成するために、第1のフィルタバン
    クとウェーブレットフィルタバンクとを切り換えること
    により、前記サンプリングされたオーディオ信号を交互
    にろ波する手段と、 圧縮された出力信号を生成するために、前記ろ波された
    信号を符号化する手段とを有することを特徴とするオー
    ディオ信号を符号化する装置。
  16. 【請求項16】 前記第1のフィルタバンクは、高周波
    数分解能MDCTフィルタバンクであることを特徴とす
    る請求項15記載のオーディオ信号を符号化する装置。
  17. 【請求項17】 前記ろ波する手段において、前記切換
    は、前記オーディオ信号の知覚エントロピーの関数とし
    て起こることを特徴とする請求項16記載のオーディオ
    信号を符号化する方法。
  18. 【請求項18】 (A) 複数の雑音しきい値をオーデ
    ィオ信号の周波数特性の関数として生成する手段と、 (B) ろ波された信号を生成するために、第1のフィ
    ルタバンクとウェーブレットフィルタバンクとを切り換
    えることにより、前記サンプリングされたオーディオ信
    号を交互にろ波する手段と、 (C) 前記雑音しきい値により制御される粗さで、前
    記ろ波された信号を量子化する手段と、 (D) 前記量子化された信号を知覚的に符号化する手
    段とを有することを特徴とするオーディオ信号を符号化
    する装置。
  19. 【請求項19】 知覚的に符号化されたオーディオ信号
    を処理する装置であって、前記知覚的に符号化されたオ
    ーディオ信号が、 複数の雑音しきい値を入力信号の周波数特性の関数とし
    て生成し、 前記入力信号をサンプリングし、 ろ波された信号を生成するために、第1のフィルタバン
    クとウェーブレットフィルタバンクとを切り換えること
    により、前記サンプリングされた信号を交互にろ波し、 前記雑音しきい値により決定される粗さで、前記ろ波さ
    れた信号を量子化し、 前記知覚的に符号化されたオーディオ信号を生成するた
    めに、前記量子化された信号を知覚的に符号化し、 前記知覚的に符号化されたオーディオ信号を通信チャネ
    ルに与えることにより生成されるものであり、 前記知覚的に符号化されたオーディオ信号を前記通信チ
    ャネルから受信するための手段と、 前記受信された知覚的に符号化されたオーディオ信号を
    復号化する手段と、 前記符号化されたオーディオ信号から前記入力信号を復
    元する手段とを有することを特徴とする装置。
  20. 【請求項20】 前記第1のフィルタバンクは、高周波
    数分解能MDCTフィルタバンクであることを特徴とす
    る請求項19記載の装置。
  21. 【請求項21】 前記切換は、前記入力信号の知覚エン
    トロピーのレベルの関数として起こることを特徴とする
    請求項20記載の装置。
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