JP3418157B2 - 画像領域分割装置および画像領域分割方法 - Google Patents

画像領域分割装置および画像領域分割方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像認識や画像通
信などにおいて用いられる画像を領域分割するための画
像領域分割装置および画像領域分割方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像認識においては、画像中の物体の輪
郭の抽出作業等のために当該画像中に含まれる領域を識
別する必要がある。一方、画像通信などにおいても、回
線により伝送されるべき画像は、カメラなどで撮影され
た画面中のすべての画像情報ではなく、その画像中の重
要な画像部分、たとえば、人物の画像部分に対応する画
像情報であることが多い。したがって、必要な画像部分
のみを自動的に抽出して随時伝送できれば、伝送情報量
を圧縮することが可能になる。この場合にも、画像中の
領域の認識、言いかえると、画像の領域分割の手法が必
要になる。
【0003】すなわち、しばしば「クラスタリング」と
も呼ばれる画像分割は、画像認識や、対象物抽出や、画
像圧縮や、画像分類等に対して用いられる基本的な方法
である。
【0004】今日までに、多くの統計的な画像分割の方
法が提案されている。これらの方法は、密度関数の形が
既知のものとして仮定するか否かに応じて、パラメトリ
ックな方法とノンパラメトリックな方法に二分される。
もしも、密度関数の形が既知であると仮定するならば、
パラメトリックな方法を採用することができる。
【0005】しかしながら、このような仮定の妥当性を
確認することは一般には困難な問題である。一方で、密
度関数の形が未知であるときは、ノンパラメトリックな
方法を適用することができる。ノンパラメトリックな方
法は、パーゼンウィンドウ法や、k−最近接法や、k−
平均法や、ヒストグラムに基づく方法などがある。
【0006】これらの技術内容については、文献1:E.
Parzen:“On Estimation of a Probability Density F
unction and Mode,”Annals Math. Statist., vol.33,
pp.1065-1076, Sept. 1962.、文献2:W.H. Equitz:“F
ast Algorithms for VectorQuantization Picture Codi
ng,”M.S. Thesis, MIT, June 1984.等に開示されてい
る。
【0007】パーゼンウィンドウ法は、密度関数を評価
するために用いられる。しかしながら、各観測データご
とにカーネル関数が必要とされるため、計算負荷が非常
に重くなるという問題がある。k−最近接法もk−平均
法も、ともにクラスタリング法である。しかしながら、
これらの方法は、サンプルデータや初期推定値、および
クラスタの数などは予め既知のものであると仮定してい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらに対して、古典
的なヒストグラム法は、簡単なものではあるが観測デー
タの解析を行なうためのノンパラメトリックな方法とし
ては有用である。そしてその最大の利点の1つは、乱数
初期化を行なう必要がないということである。他の方法
においては、この乱数初期化がしばしば用いられる。
【0009】古典的なヒストグラム法は、ノンパラメト
リックな方法としてこのような利点を有するものの、以
下のような問題点が存在する。
【0010】すなわち、古典的なヒストグラム法におい
て、観測データに基づいたヒストグラムを生成しようと
試みるということは、すなわちヒストグラムの幅を決定
するということである。単一の分布から得られたデータ
に対して、ヒストグラムの幅を決定するということに対
しては、すでにいくつかの方法が展開されてきてはいる
ものの、いくつかの分布が混合したものから得られたデ
ータに対する規則を規定することは困難である。ここ
で、単一データ分布に対する方法については、文献3:
D.W. Scott:“Multivariate Density Estimation Theor
y, Practice, andVisualization,”New York, John Wil
ey & Sons, Inc., 1992.に開示されている。
【0011】さらに、一般的には、ある画像中にどれだ
けの領域が含まれているかということを決定することは
困難であるために、領域の数、すなわちクラスタの数は
既知なものであるとして扱われる。ウォンやデリンら
は、文献4:C.S. Won and H.Derin:“Unsupervised Se
gmentation of Noisy and Textured Images Using Mark
ov Random Fields,”CVGIP: Graphical Models and Ima
ge Processing, vol.54, no.4, pp.308-328, July 199
2.において、領域の数を決定する基準について提案して
いる。そこでは、いわゆる「赤池の情報量基準」が用い
られている。しかしながら、これらは、モデルに基づい
た方法であって、したがって、パラメトリックな方法に
対して適したものである。
【0012】したがって、従来は、ノンパラメトリック
な統計的画像分割法に対して、領域の数、すなわちクラ
スタの数を決定するための基準となるものが存在しない
という問題があった。
【0013】本発明の目的は、多次元ヒストグラムに基
づいて、カラー画像に対して、データから適切なヒスト
グラムの幅とクラスタの数を求める装置および方法を提
供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の画像領域
分割装置は、カラー画像データを記憶するための記憶手
段と、記憶手段中に格納されたカラー画像データを画像
カラー空間上に分布するデータとして表現した場合に、
予め定められたヒストグラム幅候補集合中から1つヒス
トグラム幅候補を選択する手段と、選択されたヒストグ
ラム幅候補に対応する幅で、画像カラー空間を複数の部
分空間に分割し、各部分空間に含まれる画像データ数に
応じて、複数の部分空間の順序付けを行うための空間分
割手段と、順序付けられた部分空間のうち、ヒストグラ
ム幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部分空間
を選択する処理を、複数の対象部分空間に含まれる画像
データ数に応じて増加し、かつ選択される対象部分空間
数に応じて減少する評価関数を極大化するとの条件の下
に行なう手段と、ヒストグラム幅候補のうちから、ヒス
トグラム幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部
分空間に含まれる画像データの数が最大となるヒストグ
ラム幅候補を最適ヒストグラム幅として選択する手段
と、最適ヒストグラム幅で分割された部分空間に基づい
て、カラー画像データに対応する領域数を決定する統合
手段とを備える。
【0015】請求項2記載の画像領域分割装置は、請求
項1記載の画像領域分割装置の構成に加えて、空間分割
手段は、予め定められたしきい値に基づいて、しきい値
以下の画像データ数を含む部分空間を順序付けの対象か
ら除外する手段を含む。
【0016】請求項3記載の画像領域分割装置は、請求
項2記載の画像領域分割装置の構成において、評価関数
は、順序付けの対象となった複数の対象部分空間に含ま
れる画像データの数に対する処理対象となる複数の対象
部分空間に含まれる画像データの数の割合と、順序付け
の対象となった複数の対象部分空間の数に対する処理対
象となる複数の対象部分空間の数の割合との差に対応す
る。
【0017】請求項4記載の画像領域分割方法は、カラ
ー画像データを画像カラー空間上に分布するデータとし
て表現した場合に、予め定められたヒストグラム幅候補
集合中から1つヒストグラム幅候補を選択するステップ
と、選択されたヒストグラム幅候補に対応する幅で、画
像カラー空間を複数の部分空間に分割し、各部分空間に
含まれる画像データ数に応じて、複数の部分空間を順序
付けるステップと、順序付けられた部分空間のうち、ヒ
ストグラム幅候補に対応して処理対象となる複数の対象
部分空間を選択する処理を、複数の対象部分空間に含ま
れる画像データ数に応じて増加し、かつ選択される対象
部分空間数に応じて減少する評価関数を極大化するとの
条件の下に行なうステップと、ヒストグラム幅候補のう
ちから、ヒストグラム幅候補に対応して処理対象となる
複数の対象部分空間に含まれる画像データの数が最大と
なるヒストグラム幅候補を最適ヒストグラム幅として選
択するステップと、最適ヒストグラム幅で分割された部
分空間に基づいて、カラー画像データに対応する領域数
を決定するステップとを備える。
【0018】請求項5記載の画像領域分割方法は、請求
項4記載の画像領域分割方法の構成に加えて、複数の部
分空間を順序付けるステップは、予め定められたしきい
値に基づいて、しきい値以下の画像データ数を含む部分
空間を順序付けの対象から除外するステップを含む。
【0019】請求項6記載の画像領域分割方法は、請求
項5記載の画像領域分割方法の構成において、評価関数
は、順序付けの対象となった複数の対象部分空間に含ま
れる画像データの数に対する処理対象となる複数の対象
部分空間に含まれる画像データの数の割合と、順序付け
の対象となった複数の対象部分空間の数に対する処理対
象となる複数の対象部分空間の数の割合との差に対応す
る。
【0020】
【発明の実施の形態】[システムの構成]図1は、本発
明の実施の形態の領域分割方法を実施するためのシステ
ムの構成を示す概略ブロック図である。
【0021】図1を参照して、領域分割処理システム
は、対象物体(図示せず)またはユーザ2自身の画像を
画像情報データに変換して取りこむためのカメラ10
と、カメラ10により取込まれた画像データに対して画
像の領域分割処理を行なうための画像処理部100と、
画像処理部100に対してユーザ2からの指示を与える
ための入力装置20と、画像処理部100からの出力を
画像として表示するための表示装置30とを備える。
【0022】画像処理部100は、カメラ10からの画
像データの取込みや入力装置20からの指示の取込みな
どを行なうためのデータ入出力インターフェース部10
2と、データ入出力インターフェース部102からのデ
ータに対して、画像の領域分割等の処理を行なうための
演算処理部110と、画像データ等を格納するためのデ
ータ記憶部104と、画像処理部100と他の装置との
間でデータの授受を行なうためのデータ通信部112と
を備える。
【0023】カメラ10から画像処理部100へのデー
タの伝送は、ケーブル等を介して行なうこととしても良
いし、無線伝送を用いることもできる。さらには、カメ
ラ10において、画像を記録する記録媒体、たとえばメ
モリカード等に記録した上で、この記録媒体を介して画
像処理部100が画像データを取りこむ構成としてもよ
い。
【0024】領域分割処理システムは、カメラ10から
取込んだ画像に対して、画像の輪郭抽出などの画像処理
をおこなって表示装置30に提示する構成としてもよい
し、また、さらに領域分割結果に応じて、画像中の重要
部分のみを抜き出して、データ通信部112を介して他
の装置との間で画像伝送をおこなってもよい。
【0025】さらに、一般的には、領域分割処理システ
ムにより画像の領域分割結果を用いて、ロボットの動作
制御を行なうシステムとして用いることも可能である。
【0026】[多次元ヒストグラムの方法]以下では、
カメラ10から取込まれたカラー画像を表現するための
赤(R)、緑(G)、青(B)の三原色にそれぞれ対応
するR−G−Bカラー画像データを、y=(y1,…,
yNp)と表わす。ここで、yi=(yiR,yiG,y
B)(i=1,…,Np)は、i番目のピクセルにお
いて観測される要素である。
【0027】また、Npは、ピクセルの総数であり、y
Xはi番目のピクセルにおいてX平面上で観測される
スカラー値である。ここで、Xは、R,GまたはBを表
わしている。また、yiXはGminからGmaxまで
の間の範囲を変化するものとする。なお、カラー画像デ
ータとしては、このような三原色信号による表現だけで
なく、輝度信号と色差信号との組合せで表現することも
可能である。
【0028】このようなカラー画像データに対して、多
次元のヒストグラムは以下のようにして形成される。
【0029】図2は、多次元ヒストグラムの構成を示す
図である。すなわち、まず、観測されたデータをR−G
−Bカラー空間に分布させる。次に、このカラー空間の
立方体([Gmin,Gmax]3)を幅hで均等に分
割することにより、互いに重なり合わないように空間を
仕切る。ここで、このように分割された個々の立方体を
「bin」で表わす。最後に、各立方体bin中におけ
る要素の個数をカウントする。なお、以下では、分割さ
れるカラー空間も、分割されたここの部分空間も立方体
であるものとして説明するが、より一般的には、直方体
でもよい。
【0030】図2では、Gmin=0の場合の多次元ヒ
ストグラムの構成を示している。ヒストグラムの幅h
が、重要なパラメータであり、これがデータ分布と関連
している。
【0031】データが単一の密度関数に対応している場
合は、上述のとおり、このヒストグラムの幅hを決定す
るためのいくつかの規則が提案されている。しかしなが
ら、これらのデータが複数の密度関数に対応しており、
密度関数の個数Ncが未知であるときは、このようなヒ
ストグラムの幅hを決定することは困難であった。カラ
ー画像データの多次元ヒストグラムはこの後者に属する
ものである。
【0032】[データからクラスタを導出する方法] (ヒストグラムの幅の決定)ヒストグラムの幅に関して
は、1組の候補値が予め存在しているものとする。すな
わち、この候補の集合はH=[h1,h2,…,hC]であ
る。
【0033】以下に説明するような方法で、本発明にお
いては、ヒストグラムの幅hおよびクラスタの個数Nc
を決定する。
【0034】図3は、本発明の領域分割の手続きを説明
するためのフローチャートである。図3を参照して、領
域分割処理が開始されると(ステップS100)、まず
第1に行なう処理としては、この集合Hのうちから、ヒ
ストグラムの幅の候補hj(j=1,…,C)を選び出
す(ステップS102)。幅hjでヒストグラムを生成
し、このヒストグラム中において少なくとも1つの要素
を有する立方体binを選ぶ。続いて、立方体ごとにそ
れに含まれる要素の数の順序に従ってこれら立方体bi
nを並べ替える(ステップS104)。並び替えられた
立方体binは、含まれる要素の数の順序に従って、b
1 j,b2 j,…,bnz jというふうに番号づけられる。こ
こで、bnz jは、少なくとも1つの要素を有する立方体
binの個数である。
【0035】図4は、このようにして並べ替えられた立
方体binの分布を示す図である。図4において、k番
目の立方体bk jは、nk j個の要素を有している。
【0036】再び図3を参照して、第2に行なう処理と
しては、もしも、nk j<ncut jのときは、bk jを取除く
処理を行なうことにより立方体binの足きり処理を行
なう(ステップS106)。ここで、しきい値n
cut jは、以下のようにして計算される。
【0037】
【数1】
【0038】ここで、αhjは、制御パラメータであっ
て、実験的に各hjに対して決定されているものであ
る。
【0039】ncutは、重要でない立方体binを識別
するためのしきい値である。最終的に、bcut j個の立方
体が残ることになる。
【0040】第3に行なう処理としては、最も重要な立
方体binとして上からbsig j個の立方体をbcut j個の
立方体から抽出する(ステップS108)。ここで、抽
出される重要な立方体の個数bsig jは、以下のようにし
て決定される。
【0041】
【数2】
【0042】ここで、Crsig(k)は、選択される立
方体の個数を抑制することを考慮して、最も多くの要素
を含むように選択された重要な立方体を決定するための
基準である。
【0043】すなわち、基準Crsig(k)の表式中、
第1項は、bcut jまでの立方体に含まれる画素数に対す
る、bsig jまでの立方体に含まれる画素数の割合を示
し、この値は、画像データに含まれる情報を有効に利用
するという観点からは、なるべく大きいことが望まし
い。一方で、基準Crsig(k)の表式中、第2項は、
いくつの立方体を重要な立方体として選択したかに対応
しており、この値は、領域分割数を不必要に多くしない
ためには、小さくなることがのぞましい。つまり、基準
Crsig(k)は、この両者のトレードオフにより決定
されることになる。
【0044】第4に行なう処理としては、すべてのヒス
トグラム幅の候補hjごとに、対応するbsig jを計算し
たときには(ステップS110)、次のステップS11
2に進み、そうでなければ、ステップS102に復帰し
て、個数bsig jがまだ計算されていないヒストグラムの
候補を抽出することを行なう。
【0045】ステップS112では、最適なヒストグラ
ム幅h*を以下のようにして計算する。
【0046】
【数3】
【0047】ここで、個数bsig jは、ヒストグラム幅h
jに対応しており、最適なヒストグラム幅h*に対応する
個数bsig jは、bsig *で表わされる。
【0048】結果として、最適ヒストグラム幅h*が、
分布の統計を計算するために、最も多くの重要な要素を
抽出するという観点から、最適なヒストグラム幅として
集合Hから選択される。
【0049】[クラスタ数の決定]以上のような手続に
より、重要なbsig *個の立方体が予め決定されることに
なる。続いて、最終的なクラスタ数Ncを決定するため
に、同一の密度関数に属すると考えられる隣接する立方
体を統合する処理を行なう(ステップS114)。
【0050】このようなクラスタ数を求めるための基準
は以下のとおりである。まず、k番目の立方体(k=
1,…,bsig *)に対して、それに含まれる要素の平均
値(μk R,μk G,μk B)と標準偏差(σk R,σk G
σk B)を計算する。
【0051】続いて、すべてのbsig *個の立方体から、
任意の2つの立方体、たとえばblとbmを選び出す。
【0052】ここで、以下の条件が満たされるときは、
2つの立方体は同一のクラスタに属しているものとす
る。
【0053】
【数4】
【0054】なお、ここで係数βはパラメータである。
最終的に、bsig *個の立方体がNc個のクラスタにまと
められて処理が終了する(ステップS120)。
【0055】なお、ここで、βを決定するにあたって
は、母集団が正規分布に従うという仮定の下で、その標
準偏差が未知のときに平均値に関する仮説を標本標準偏
差を用いて検定する方法としてスチューデントの平均差
テストと呼ばれる方法を用いる。βの値としては、この
ようなスチューデントのt分布を用いた検定により求め
ることが可能である。
【0056】[シミュレーション結果]以下では、以上
説明したようなクラスタ数の導出方法の有効性を計算機
シミュレーションにより示す。
【0057】シミュレーションにおいては、データの組
は、Ng個の3変数正規分布から生成されている。
【0058】(パラメータの決定)まず、平均値が同一
である2つの立方体を統合するということに関し、以下
のコンピュータシミュレーションでは、自由度が100
で99.5%の有意水準によるスチューデントのt分布
検定によって、βの値は2.63と決定されている。
【0059】続いて、パラメータαhjを決定するための
予備的な実験を行なった。この実験においては、Ngは
3とし、6個のパターンのデータの組が生成された。各
パターンに対する平均値と分散は互いに異なっており、
各分布は1000個の要素を有している。
【0060】図5は、このようなシミュレーション実験
のためのパターンのうちの1つのデータの組についての
分布を示す図である。
【0061】上述したようなアルゴリズムで最適なヒス
トグラム幅h*とクラスタの数Ncを各パターンについ
て計算した。ここで、ヒストグラム幅の候補の集合H
は、H=[4,8,16,32]である。
【0062】αhjの値としては、α4=1.0,α8
0.7,α16=0.35,α32=0.05と決定され
た。
【0063】図6は、各パターンに対して、最終的に得
られた最適ヒストグラム幅h*と、最終的な立方体個数
sigと、立方体統合による最終的なクラスタ数Ncと
を示す図である。
【0064】[種々の条件下におけるクラスタ数の決
定]パラメータを決定した後に、Ng個の正規分布の混
合したものから得られた18個のパターンについてクラ
スタ個数を求める実験を行なった。ここで、個数Ng
は、4から6まで変化させている。図7、図8および図
9は、それぞれクラスタ数が4個、5個、6個の場合に
ついてのシミュレーション結果を示す図である。
【0065】図7〜図9を参照して、クラスタ数が6個
の場合のパターン1においてクラスタ数の同定に失敗し
ているものの、その他の場合には正しくクラスタ数が同
定されていることがわかる。
【0066】同定に失敗したパターンに関していえば、
2つあるいはそれ以上の近接する分布の平均値が非常に
類似しているという理由で、あるいは非常に大きな分散
を有する異なった分布はノイズとみなされてしまうとい
う理由により、正しくクラスタを同定するということは
困難であったと言える。その結果、クラスタの個数Nc
は、過小評価されたりあるいは過大評価されたりしてし
まうことになる。
【0067】しかしながら、このような問題は、候補の
集合Hをより大きな集合とするか、あるいはパラメータ
のαまたはβの値を適切に選択することによって緩和す
ることが可能である。
【0068】[実データへの適用]以下では、上述した
ようなアルゴリズムを実際の画像データに適用した結果
について説明する。
【0069】図10は、実際の画像データの「バラを持
った女性」の原画像のうちの1つを示す図である。
【0070】図10に示す原画像は、480×480ピ
クセルのデータであって、RGBカラー空間において規
定されるものである。
【0071】ヒストグラム幅の候補の組およびパラメー
タαhjの値は、上述したコンピュータシミュレーション
と同一の値とされている。この実験においてはβの値は
0とされている。すなわち、これはクラスタを統合化す
る過程を省略したことに相当する。
【0072】結果として、ヒストグラムの幅は32と決
定され、クラスタの数は6とされた。さらに、正規分布
に従うとの前提の下に、各クラスタについての統計量が
計算され、最短距離分類法および最尤法によって、画像
が領域分割された。
【0073】図11は、図10についての最終結果に対
して3×3のモードフィルタリング処理を行なった結果
を示す図である。また、図12は、図11についての結
果の平均値および最終的な割合の評価結果を示す図であ
る。
【0074】図11および図12を参照すると、大雑把
に言って、バラは肌の部分と同一であるものと同定され
ている。また、肌の部分の一部はシャツの部分と同一で
あると同定されている。青いセーターは他の部分からは
分離されている。黒い髪は灰色の背景と同一であるもの
と同定されている。すなわち、髪の毛の部分を除いて
は、バラを持った女性は背景から抽出されていることに
なる。
【0075】さらに、提案したアルゴリズムを、他の実
画像データに適用した結果について以下に説明する。
【0076】図13は、「ピーマン」の原画像のうちの
1つを示す図である。また、図14は、図13中の各ピ
ーマンの特徴をまとめた図である。
【0077】この画像は248×248ピクセルであ
り、YUV色空間で規定されている。ヒストグラム幅の
候補の組とαhjの値とはコンピュータシミュレーション
と同一の値とされている。この実験においては、βの値
は2.58に設定している。この値は、自由度無限大
で、有意水準99.5%としてスチューデントt分布検
定により求められた。最終的には、ヒストグラム幅は3
2とされ、クラスタの数は6とされている。図10に示
した「バラを持った女性」の画像と同様にして、最短距
離分類法と最尤法および3×3モードフィルタリングを
行なった。
【0078】図15は、図13の原画像に対する最終的
な領域分割の結果を示す図である。また、図16は、図
15についての最終的な平均値および割合の評価結果を
示す図である。
【0079】図14〜図16を参照して、反射と影の効
果を除いては左下の最も大きなピーマンは左側の上のピ
ーマンから分離されている。右下のピーマンは左上のも
のと同一のものと同定されている。右上のピーマンは、
左下のものと同一であると同定され、事実上これらは同
一の種類のものである。右側の中央部のピーマンは他の
ピーマンからは分離されている。
【0080】以上説明したとおり、本願発明により、実
際の観測された画像データに対して画像の領域分割した
結果のクラスタの個数を求めることが可能となる。
【0081】本発明においては、画像データは多変数分
布の混合から得られるものとし、ヒストグラムの幅とク
ラスタの数を決定するための基準が与えられる。これら
の基準はデータに適合したヒストグラムを生成し、クラ
スタの数を選択した上で、従来から知られているような
最尤法やk−平均法と組合わせて用いられることが可能
である。
【0082】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0083】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
ノンパラメトリックな統計的画像分割法において、多次
元ヒストグラムに基づいて、カラー画像に対して、デー
タからクラスタの個数を求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の領域分割方法を実施す
るためのシステムの構成を示す概略ブロック図である。
【図2】 Gmin=0の場合の多次元ヒストグラムの
構成を示す図である。
【図3】 本発明の領域分割の手続きを説明するための
フローチャートである。
【図4】 並べ替えられた立方体binの分布を示す図
である。
【図5】 シミュレーション実験のためのパターンのう
ちの1つのデータの組についての分布を示す図である。
【図6】 最終的に得られた最適ヒストグラム幅h
*と、最終的な立方体個数bsigと、立方体統合による最
終的なクラスタ数Ncとを示す図である。
【図7】 クラスタ数が4個の場合についてのシミュレ
ーション結果を示す図である。
【図8】 クラスタ数が5個の場合についてのシミュレ
ーション結果を示す図である。
【図9】 クラスタ数が6個の場合についてのシミュレ
ーション結果を示す図である。
【図10】 「バラを持った女性」の原画像のうちの1
つを示す図である。
【図11】 図10についての最終結果に対して3×3
のフィルタリング処理を行なった結果を示す図である。
【図12】 図11についての結果の平均値および最終
的な割合の評価結果を示す図である。
【図13】 「ピーマン」に基づいた原画像のうちの1
つを示す図である。
【図14】 図13中の各ピーマンの特徴をまとめた図
である。
【図15】 図13の原画像に対する最終的な領域分割
の結果を示す図である。
【図16】 図15についての最終的な平均値および割
合の評価結果を示す図である。
【符号の説明】
2 ユーザ、10 カメラ、20 入力装置、30 表
示装置、100 画像処理部、102 データ入出力イ
ンターフェース部、104 データ記憶部、110 演
算処理部、112 データ通信部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 山崎達也,多次元ヒストグラムを用い たカラー画像領域分割手法の一提案,電 子情報通信学会技術研究報告,日本,電 子情報通信学会,2000年10月17日,Vo l.100 No.281,pp.9−14 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06T 7/00 H04N 1/40 H04N 1/46 H04N 1/60 JICSTファイル(JOIS)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カラー画像データを記憶するための記憶
    手段と、 前記記憶手段中に格納されたカラー画像データを画像カ
    ラー空間上に分布するデータとして表現した場合に、予
    め定められたヒストグラム幅候補集合中から1つヒスト
    グラム幅候補を選択する手段と、 選択された前記ヒストグラム幅候補に対応する幅で、前
    記画像カラー空間を複数の部分空間に分割し、各部分空
    間に含まれる前記画像データ数に応じて、前記複数の部
    分空間の順序付けを行うための空間分割手段と、 前記順序付けられた部分空間のうち、前記ヒストグラム
    幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部分空間を
    選択する処理を、前記複数の対象部分空間に含まれる前
    記画像データ数に応じて増加し、かつ選択される対象部
    分空間数に応じて減少する評価関数を極大化するとの条
    件の下に行なう手段と、 前記ヒストグラム幅候補のうちから、前記ヒストグラム
    幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部分空間に
    含まれる前記画像データの数が最大となる前記ヒストグ
    ラム幅候補を最適ヒストグラム幅として選択する手段
    と、 前記最適ヒストグラム幅で分割された部分空間に基づい
    て、前記カラー画像データに対応する領域数を決定する
    統合手段とを備える、画像領域分割装置。
  2. 【請求項2】 前記空間分割手段は、予め定められたし
    きい値に基づいて、前記しきい値以下の前記画像データ
    数を含む部分空間を順序付けの対象から除外する手段を
    含む、請求項1記載の画像領域分割装置。
  3. 【請求項3】 前記評価関数は、 前記順序付けの対象となった複数の対象部分空間に含ま
    れる前記画像データの数に対する前記処理対象となる複
    数の対象部分空間に含まれる前記画像データの数の割合
    と、前記順序付けの対象となった複数の対象部分空間の
    数に対する前記処理対象となる複数の対象部分空間の数
    の割合との差に対応する、請求項2記載の画像領域分割
    装置。
  4. 【請求項4】 カラー画像データを画像カラー空間上に
    分布するデータとして表現した場合に、予め定められた
    ヒストグラム幅候補集合中から1つヒストグラム幅候補
    を選択するステップと、 選択された前記ヒストグラム幅候補に対応する幅で、前
    記画像カラー空間を複数の部分空間に分割し、各部分空
    間に含まれる前記画像データ数に応じて、前記複数の部
    分空間を順序付けるステップと、 前記順序付けられた部分空間のうち、前記ヒストグラム
    幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部分空間を
    選択する処理を、前記複数の対象部分空間に含まれる前
    記画像データ数に応じて増加し、かつ選択される対象部
    分空間数に応じて減少する評価関数を極大化するとの条
    件の下に行なうステップと、 前記ヒストグラム幅候補のうちから、前記ヒストグラム
    幅候補に対応して処理対象となる複数の対象部分空間に
    含まれる前記画像データの数が最大となる前記ヒストグ
    ラム幅候補を最適ヒストグラム幅として選択するステッ
    プと、 前記最適ヒストグラム幅で分割された部分空間に基づい
    て、前記カラー画像データに対応する領域数を決定する
    ステップとを備える、画像領域分割方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の部分空間を順序付けるステッ
    プは、予め定められたしきい値に基づいて、前記しきい
    値以下の前記画像データ数を含む部分空間を順序付け
    対象から除外するステップを含む、請求項4記載の画像
    領域分割方法。
  6. 【請求項6】 前記評価関数は、 前記順序付けの対象となった複数の対象部分空間に含ま
    れる前記画像データの数に対する前記処理対象となる複
    数の対象部分空間に含まれる前記画像データの数の割合
    と、前記順序付けの対象となった複数の対象部分空間の
    数に対する前記処理対象となる複数の対象部分空間の数
    の割合との差に対応する、請求項5記載の画像領域分割
    方法。
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山崎達也,多次元ヒストグラムを用いたカラー画像領域分割手法の一提案,電子情報通信学会技術研究報告,日本,電子情報通信学会,2000年10月17日,Vol.100 No.281,pp.9−14

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