JP3416054B2 - 緊急遮断弁 - Google Patents

緊急遮断弁

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JP3416054B2 JP18073798A JP18073798A JP3416054B2 JP 3416054 B2 JP3416054 B2 JP 3416054B2 JP 18073798 A JP18073798 A JP 18073798A JP 18073798 A JP18073798 A JP 18073798A JP 3416054 B2 JP3416054 B2 JP 3416054B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地震等により配
管が破損した際、管路内を流れる流体の過流速を感知し
て管路を遮断する緊急遮断弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】地震や山崩れ等による水道配管の破損時
に管路を緊急遮断して水を確保する緊急遮断弁として、
図14に示すようなものが従来より実用化されている。
この緊急遮断弁は、管路を遮断する遮断機構50と、管
路内を流れる流体の過流速を感知して遮断機構50を制
御する過流速感知機構51とから成る。
【0003】遮断機構50は、バタフライ弁52の弁体
53をウェイト54の下降に伴い閉止方向に回転させる
ものであり、ウェイト54は、平常時には電磁ロック5
5aにより上昇位置に保持されている。また、管路の急
激な遮断によるウォーターハンマー現象を防止するた
め、ウェイト54の落下速度を調整するダンパ55bが
設けられている。
【0004】過流速感知機構51は、管路に設置したオ
リフィス56の前後の差圧を検出し、その差圧が設定値
を越えた場合、差圧スイッチ57により電磁ロック55
aを解除するものである。
【0005】この緊急遮断弁には、閉止したバタフライ
弁52を復帰させる場合や、作動確認試験等を行う場合
に使用する開閉装置58が設けられている。
【0006】なお、過流速感知機構51として、図15
に示すように、オリフィス56に代えて、感知レバー5
9で管路内の流速を感知して、流速が設定値を越えた場
合、制御装置60の指令によりバタフライ弁52を閉止
するようにしたものもある。
【0007】また、特開平10−9421号公報等にお
いては、管路内の流体圧をパイロット弁で検出して緊急
遮断弁を開閉する技術が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
バタフライ型緊急遮断弁では、バタフライ弁52の側方
にウェイト54など弁体53の駆動手段が張り出すこ
と、及びオリフィス56や感知レバー59の検出精度を
確保するためバタフライ弁52の前後に直管部分を設け
なければならないことから、非常に大きな据付スペース
を要するほか、電源を確保する必要もある。
【0009】また、パイロット弁型緊急遮断弁では、パ
イロット弁が外部に付設されるため、大型化するうえ
に、配管等も複雑化する。
【0010】この発明は、上記のような問題点に鑑み、
コンパクトであり、流体自身の作用で作動する緊急遮断
弁を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明は、まず、弁箱内にピストン型弁体を挿入
したシリンダ室を形成し、その弁体の上流側からの受圧
面積を前記シリンダ室の断面積より小さくし、前記シリ
ンダ室内に上流側から流体を流入自在とし、シリンダ室
内の下流側への開閉による前記弁体の上下流側両面の受
圧差により弁体を弁座に接離させて弁を開閉する緊急遮
断弁を採用したのである。
【0012】この緊急遮断弁は、シリンダ室内の下流側
への開閉を流体の動圧の変化によって行い、その動圧が
正常の場合(通常)、シリンダ室内を開放すれば、弁体
の上下流側両面の受圧は上流側が高くなって、弁体は流
体により下流側に押されて弁座から離れる。一方、動圧
が異常になると、シリンダ室内を閉じれば、シリンダ室
内も上流側の動圧となって同じになり、弁体の上下流側
両面の受圧は、弁体の上流側からの受圧面積がシリンダ
室の断面積より小さくなっているため、上流側より下流
側(シリンダ室内)が高くなり、その圧力差により、弁
体は上流側に動いて弁座に当接して弁を閉じる。
【0013】つぎに、この発明は、上記シリンダ室内の
下流側への開閉作用をなすために、そのシリンダ室にそ
の内部を下流側に開閉するパイロット弁を設け、弁体の
上流側に流体の動圧を受ける受圧板を設け、その受圧板
の流体圧による流れ方向の動きにより、前記パイロット
弁を開閉して、上記弁体の上下流側両面の流体動圧によ
る受圧差を得て、正常時の受圧板の上流側位置によって
前記パイロット弁を開放し、異常時の受圧板の下流側位
置によって前記パイロット弁を閉じるようにしたのであ
る。
【0014】このようにすれば、流体の動圧が正常であ
るときは、受圧板が上流側位置にあって、パイロット弁
が開放してシリンダ室内が下流側に通じて開放され、上
述のごとく、弁体の上下流側両面の受圧は上流側が高く
なり、流体により弁体が下流側に押されて弁が開放す
る。一方、流体の動圧が異常になると、受圧板が下流側
位置に動いてパイロット弁が閉じ、シリンダ室内が上流
側動圧と同じになって、上述のごとく弁体が上流側に動
いて弁が閉じる。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態としては、
弁箱内にピストン型弁体を挿入したシリンダ室を弁箱内
面との間に流路を形成して設けるとともに、その上流側
に弁座を形成し、前記弁体の上流側からの受圧面積を前
記シリンダ室の断面積より小さくし、前記弁体に小孔を
形成して前記シリンダ室内に上流側から流体を流入自在
とし、前記シリンダ室にその内部を下流側に開閉するパ
イロット弁を設け、弁体の上流側に流体の動圧を受ける
受圧板を設け、その受圧板をばねにより上流側に付勢
し、常時、そのばねにより、前記受圧板が上流側に付勢
されて上記パイロット弁が開放し、流体の動圧が異常に
なったとき、受圧板がばねに抗して下流側に動いてパイ
ロット弁を閉じる構成を採用し得る。
【0016】この構成において、上記弁体を、上流側か
ら流体圧を受ける弁体部と、その弁体部より受圧面積の
大きいピストン部に分割し、その弁体部とピストン部を
その軸方向相互に移動自在にばねを介して連結し、その
連結部は、ピストン部の上流側で弁体部の外側に流体が
流入可能にされて、弁体部が弁開放位置のときに前記ば
ねにより弁体部がピストン部に対し上流側に動かされて
その流入が自在で、弁体部が弁閉止位置のとき流体圧に
より前記ばねに抗してピストン部に対し下流側に動かさ
れて流入を阻止するようになっており、上記シリンダ室
には、前記ピストン部の上流側で弁体部の外側を弁箱外
部に開閉する弁を設け、この開閉弁は、弁体部が弁開放
位置でのみ閉じる構成とし得る。
【0017】このようにすれば、流体動圧が正常のと
き、弁体部とピストン部の連結部が流入可能で、ピスト
ン部の上流側で弁体部の外側に流体が流入してピストン
部の上下流側両面が同一受圧となり、パイロット弁が開
放していることにより、弁体は流体の動圧でもって下流
側に押されて弁座から離れて弁を開放する。この開放
時、ピストン部の上下流側両面に圧力差が殆んど生じな
いため、ピストン部は弁体を動かす作用をなさず、全開
状態が安定する。
【0018】一方、流体動圧が異常になると、その異常
圧により、パイロット弁が閉じるとともに、弁体部がそ
の連結ばねに抗して押され、上記開閉弁が開放してピス
トン部の上流側で弁体部の外側の流体が外部に流出可能
となる。すなわち、ピストン部の上下流側両面の受圧に
おいて、上流側の圧力が低下し、下流側が高くなってピ
ストン部が上流側に移動可能となる。また、パイロット
弁の閉止により、シリンダ室内が上流側動圧と同じとな
り、このため、上述のように、弁体が上流側に動いて弁
座に当接して、弁を閉じる。
【0019】この構成において、上記ピストン部の上流
側で弁体部の外側を弁箱外部に開放する常閉のポート又
は上記パイロット弁の下流側圧を弁箱外部に開放する常
閉のポートのいずれか一つを設けることができる。
【0020】このようにすれば、上記作用の正常時にお
いて、上記ピストン部の上流側のポートを開放すると、
上述と同一作用により、ピストン部の上流側で弁体部の
外側の流体が外部に流出して、ピストン部の下流側が上
流側より受圧が高くなる。このため、その受圧差によ
り、ピストン部は弁体部とともに上流側に動き、やが
て、弁体が弁座に当接して弁を閉じる。また、上記パイ
ロット弁の下流側のポートを開放すれば、パイロット弁
の下流側圧力が低下して、受圧板とその付勢ばねのバラ
ンスがくずれ、異常状態(過流速状態)と同じになっ
て、パイロット弁が閉じ、上述の作用により、弁体が上
流側に動いて弁座に当接し、弁が閉じる。すなわち、各
ポートの開放により、強制閉弁操作がなされる。なお、
各ポートに地震検知信号によって開く開閉弁を設けれ
ば、地震発生時に管路を速やかに遮断することができる
(以上の作用の詳細はその一実施例を示す図5乃至図1
3及びその説明を参照のこと)。
【0021】上記ピストン部の上流側を開閉する開閉弁
は、その弁体作動杆の先端が上記弁体部の外周面に摺接
し、上記弁体部の開放位置でその外周面の凹部に前記作
動杆先端が嵌まって前記弁体が弁座に当接して閉じ、弁
体部が開放位置から動いて前記凹部から作動杆先端が離
れることにより、前記弁体が作動杆に押されて弁座から
離れて開放するものである構成を採用し得る。
【0022】このようにすれば、弁体(弁体部)の動き
と同時に、該開閉弁の開閉作用が行われ、その弁体の動
きを許容する。また、作動杆先端が弁体外周面凹部に嵌
まることにより、弁体部の動きが抑制されて、遮断弁の
全開時の維持がより安定化する。
【0023】上記ピストン型弁体の小孔には、流体の流
れ方向に徐々に細くなるニードルを挿入し、このニード
ルに対して前記弁体がスライドするようにすれば、弁体
の閉弁作用につれて、小孔の流通面積が徐々に減少する
ため、ゆっくり閉弁がなされる。すなわち、緩閉され
る。
【0024】また、上記弁箱を筒状として、その同一軸
心に上記シリンダ室及びピストン型弁体を設け、その弁
体の上記小孔を前記同一軸心上に形成して、その小孔を
通過する杆でもって上記受圧板とパイロット弁の弁体を
連結した構成にすれば、弁箱の軸心、すなわち流体の流
れ中心で、受圧板による受圧を行い、弁体の軸心(小
孔)でその中に流体を導き、パイロット弁もその軸心で
開閉作用を行うため、安定した開閉弁作用及び緊急遮断
作用をなし得る。
【0025】上記ばねによる受圧板への付勢力は調整で
きる構成とするとよく、このようにすれば、緊急遮断す
る過流速値を変更することができる。
【0026】
【実施例】一実施例を図1乃至図4に示し、この実施例
は、両端が開口した円筒状の弁箱1の内部に円筒状シリ
ンダ(シリンダ室)2と弁座3とが設けられている。シ
リンダ2はリブ4を介して弁箱1に支持され、弁箱1の
内面とシリンダ2との間には流路5が形成されている。
弁座3はシリンダ2の上流側に位置している。
【0027】シリンダ2の内側には、弁体6がスライド
自在に挿入されている。この弁体6は、先端壁7の後方
にスリーブ8を連設し、その後端にリング部(パッキン
グ部)9を設けた形状とされ、先端壁7の中央部には、
上流側からシリンダ2内に流体を導入する小孔10が設
けられている。リング部9の外径はシリンダ2の内径B
に一致しており、弁体6のスライドに伴い、スリーブ8
はシリンダ2の先端部内面に摺動し、先端壁7の周縁部
が弁座3に接離して、流路5を開閉する。図中、9aは
パッキングである。
【0028】弁体6の外径は、シリンダ2の内径Bより
小さく設定されており、弁体6の下流側の外径はリング
部9の外径、すなわちシリンダ2の内径Bとなるため、
弁体6の上流側受圧面積(A2 π/4)より下流側受圧
面積(B2 π/4、シリンダ2内の断面積)が広くな
り、弁体6の上下流側両面に同圧Pが働ければ、P×A
2 π/4<P×B2 π/4から、弁体6は弁座3に向か
って動く。
【0029】シリンダ2の後端には蓋11が取り付けら
れ、この蓋11の中央部には筒状のばねケース12が設
けられている。ばねケース12の先端部にはパイロット
弁箱13が設けられ、小孔10を介して、パイロット弁
箱13及びばねケース12には、流体の流れに対して進
退するニードル14が挿入されている。ニードル14
は、小孔10に流通可能な間隙をもって先端から流れ方
向にテーパ状に細くなっており、その先端部には、弁体
6の上流側において、流体の流れに対向して皿状に開い
た受圧板15が設けられている。
【0030】また、ニードル14には、パイロット弁箱
13内において、パイロット弁体16が設けられてい
る。一方、ばねケース12の先端にはパイロット弁座1
7が設けられており、パイロット弁体16がニードル1
4の進退に伴ってパイロット弁座17に接離するパイロ
ット弁18が構成されている。このパイロット弁18の
流通は、弁体16の透孔16aを介して行われる。
【0031】ばねケース12内において、ニードル14
の外側にはコイルばね19が設けられている。ばねケー
ス12の後端にはキャップ20が被せられ、ばね19の
一端はキャップ20にねじ込まれたばね受21に、他端
はニードル14に設けられたフランジ22にそれぞれ当
接している。受圧板15は、ばね19により上流側に付
勢されており、この付勢力は、キャップ20に対してば
ね受21を回転させてねじ結合によって進退させること
により調整することができる。ばね受21には貫通孔2
3が形成され、この貫通孔23にニードル14の末端部
が挿入されている。
【0032】蓋11には、下流側に延びて弁箱1を貫通
する導圧管24が接続され、弁箱1の外部において、導
圧管24には手動復帰弁25が設けられている。この手
動復帰弁25は、通常、閉じておく。
【0033】この実施例の緊急遮断弁Vを管路に介在さ
せると、流速が通常の範囲内であれば、図1に示すよう
に、受圧板15がばね19の付勢力により上流側に位置
し、パイロット弁18は開放されている。このため、弁
体6の上流側から小孔10を介してシリンダ2内に流入
した流体は、パイロット弁18及びばねケース12を経
て下流側へ流出する。この下流側への流出により、弁体
6の上流側圧力よりもシリンダ2内(弁体6の下流側)
の圧力は低くなり、弁体6は下流側に押されて弁座3か
ら離れ、大部分の流体は流路5を経て下流側へ流れてい
る。
【0034】この状態で、管路の破損等により過流速と
なると、図3から図4に示すように、受圧板15に作用
する流体の押圧力がばね19の付勢力に勝って受圧板1
5が下流側へ押され、パイロット弁18が閉止される。
このため、シリンダ2から下流側への流体Pの流出が阻
止され、シリンダ2内の圧力、すなわち弁体6の下流側
圧力が上流側圧力と等しくなり、上述の〔シリンダ2の
内径B>弁体6の外径A〕の関係から、弁体6は上流側
に移動して弁座3に当接し、流路5が閉止されて、管路
は完全に遮断される。
【0035】このとき、ニードル14が流れ方向にテー
パ形状となっていることから、弁体6の上流側への移動
に伴って小孔10の開口面積(流通面積)が次第に小さ
くなり、シリンダ2内への流体Pの流入量が漸減し、弁
体6の移動速度が徐々に遅くなるので、ウォーターハン
マー現象が防止される。
【0036】上記流体圧(流速)が通常に戻れば、受圧
板15がばね19により復帰してパイロット弁18が開
き、弁体6内の流体圧が降下し、弁体6が下流側に移行
して弁座3から離れ、開弁が行われる。なお、上記の遮
断状態から通常状態に強制的に復帰させるには、手動復
帰弁25を開放し、シリンダ2の内圧を低下させて弁体
6を弁座3から離反させ、流路5を開通させる。その
後、手動復帰弁25を再び閉止する。
【0037】図5乃至図11に他の実施例を示し、この
実施例は、上述の実施例において、弁体6を、先端壁7
とスリーブ8から成る弁体部6aと、リング部9からな
るピストン部6bに分割した点が大きく異なり、他の同
一符号は、形状・大きさが変化した以外、その作用は同
一である。
【0038】ピストン部6bは、シリンダ2の内面にパ
ッキング30を介して水密に摺動するピストン輪31と
その輪31と一体となったばね受32とから成り、ばね
ケース12に流通可能の間隙をもって移動する。ばね受
32と弁体部6a(先端壁7)との間にはばね33が設
けられて、ピストン部6bに対し弁体部6aを上流側に
付勢している。弁体部6aのスリーブ8はばね受33に
パッキング33aを介し水密に移動自在に嵌まり、スリ
ーブ8の端内面は欠如されてパッキング33aが対応し
ても流通可能となる(図5参照)。
【0039】ピストン部6bの上流側及び下流側にそれ
ぞれリブ4を貫通して外部に通じるポート34、35が
形成されて、このポート34、35はビス34a、35
bによって常時は閉じられている。弁体部6aのスリー
ブ8の外面全周には溝36が形成され、その溝36に臨
むように、弁箱1、リブ4及びシリンダ2を貫通した開
閉弁40が設けられている。
【0040】この開閉弁40は、図11に示すように、
ねじ付スリーブ41内に球状弁体42を挿入し、その弁
体42をばね受43a、43bを介してばね44により
弁座45に圧接したものである。一方のばね受43bは
中空のねじ軸となっており、そのねじ込み量により、弁
体42の弁座45への圧接力を調整する。スリーブ41
の先端には球状押圧子46が抜出し不能に挿入されてお
り、この押圧子46と弁体42の間に作動杆47が介設
されている。このため、図11(a)に示すように、開
閉弁40が弁体部スリーブ8の溝36に対応して押圧子
46が溝36に嵌まると、ばね44により弁体42が弁
座45に当接して開閉弁40が閉じ、同図(b)、
(c)に示すように、溝36からずれると、押圧子46
により弁体42が押されて弁座45から離れ、開閉弁4
0が開放する。なお、作動杆47及びばね押え43a
は、スリーブ41内面と流体が流通可能な間隙が形成さ
れたり、又は貫通孔が形成されて、流体が外部に円滑に
流れ出るようになっている。
【0041】この実施例の緊急遮断弁Vを管路に介在さ
せると、通水当初は、流体Pが受圧板15に当って、図
6に示すようにパイロット弁18が閉じ、この状態で、
ビス34aを緩めたり、取り外してピストン部6bの下
流側bの空気を抜くと、それにつれて、又は前後して弁
体6が後退する。空気を抜き終れば、ビス34aをねじ
込んでポート34を閉じる。
【0042】この図6の状態から、管路内に流体が充満
すると、小孔10を通して流体Pがシリンダ2内(弁体
6内)に流入し、シリンダ2内圧(弁体6の下流側圧)
が上昇し、図5に示すように、弁体部6aは上流側に移
動し、ばね33の付勢力とその下流圧の和が上流圧と均
り合ったところで停止し、弁開放状態となる。この弁体
6の移動により、ピストン部6bと弁体部6aの連結部
(スリーブ8端とパッキング33aの間)に空隙が生じ
てピストン部6bの上流側で弁体部6aの外側(符号a
部分)に流体が流れ込む。このとき、開閉弁40は図1
1(b)から(a)の状態に移行して、閉止状態となる
ため、その部分aは密封となって流体が充填された状態
となる。この状態は、ピストン部6bの上下流側両面
(a部分とb部分)の受圧が同一となるため、ピストン
部6bは動かず、弁体6を動かす作用は行わない。この
ため、この緊急遮断弁Vが閉弁されることもなく、シリ
ンダ2内が減圧されることもない。一方、受圧板15
は、ばねケース12内が流体Pにより充填されて、その
圧の上昇により、その圧とばね19の付勢力により、上
流側に位置してパイロット弁18は開放する。
【0043】この状態で、過流速になると、受圧板15
がばね19の付勢力に勝って後退してパイロット弁18
を閉じるとともに、図6に示すように、弁体部6aがば
ね33に抗し後退してピストン部6bに押し付けられ
る。このとき、パッキング33aが弁体部6aの後部に
当接してピストン部6bの上流側aが閉じられるととも
に、弁体部6aの後退により、開閉弁40が図11
(b)のごとく溝36から外れて開放するため、ピスト
ン部6bの上流側aに流体Pの流入が阻止されるととも
にその中の流体Pを開放する。この作用と同時に、パイ
ロット弁18が閉じたことにより、シリンダ2内(弁体
6内)の流体圧が上昇し、弁体6の上下流側両面の流体
圧が同じになると、〔弁体6の外径A<シリンダ2の内
径B〕から、弁体6は上流側に動いて弁座3に当接して
弁を閉じる。このとき、開閉弁40は、図11(b)→
(a)→(c)の状態を経るが、その(a)の状態は瞬
時のため、a部分からの流体排出作用は維持されて、弁
体6の作用に支障はない。また、ニードル14により、
小孔10の流通面積が徐々に減少されて、その閉弁作用
もゆるやかになされて、ウォータハンマーは生じない。
【0044】流体圧(流速)が通常に戻れば、受圧板1
5がばね19により復帰してパイロット弁18が開き、
弁体6内の流体圧が降下し、弁体6が下流側に動いて弁
座3から離れ、開弁が行われる。なお、遮断状態から通
常状態に強制的に復帰させるには、ポート34のビス3
4aを外してピストン部6bの下流側bを開放すれば、
ピストン部6bの下流側bが減圧となって弁体6が下流
側に動いて開弁される。開弁後、ポート34は閉じる。
【0045】この実施例において、図5の通常状態で閉
弁するには、図9矢印のごとく、ポート35のビス35
aを外して、ピストン部6bの上流側(a部分)を開放
すると、同図のごとく弁体部6a内が減圧されて弁体部
6aが後退し、ピストン部6bの上流側aを弁体部6a
内から閉じて、図10のごとく、ピストン部6bの上下
流側a、bに受圧差が生じ、その差により、ピストン部
6b、すなわち弁体6が上流側に動いて弁座3に当接し
て閉弁がなされる。すなわち、強制閉弁操作がなされ
る。
【0046】その強制閉弁操作の他例を図12及び図1
3に示し、この実施例は、ばね受21をばねケース12
にねじ結合した密封型として、このばね受21から開閉
弁49を介して弁箱1の外部に通じる管(ポート)48
を設けたものである。開閉弁49は、図13に示すよう
に、T字状の管内に球状弁体49aが挿入され、常時
は、この弁体49aが実線のごとく弁座49bから離れ
てピン49cに支えられて、パイロット弁18の下流側
(ばねケース12内)は管路内に開放されている。この
開放状態では、弁体6は上述の作用を行う。
【0047】一方、管48の先にも開閉弁48aが設け
られており、この弁48aは常時は閉じて上述の弁体4
9aの実線の状態を維持する。この弁48aを開放する
と、パイロット弁18の下流側(ばねケース12内)が
弁箱1の外部に連通して開放されるため、弁体49a
は、管路内(弁箱1内)の流圧により、鎖線のごとく上
昇して弁座49bに当接して弁49を閉じる。この閉弁
は、弁48aが開放されているかぎり維持され、このた
め、パイロット弁18の下流側は減圧され、過流速状態
と同じになるため、受圧板15が後退してパイロット弁
18が閉じ、上述の作用によって閉弁作用が行われる。
すなわち、強制閉弁操作が行われる。
【0048】上記両強制閉弁操作は、ポート(管)3
5、48を閉じることにより解消されて、上述の開弁作
用(図5、6)に移行して、緊急遮断弁Vは開弁する。
なお、ポート35に電磁弁を設けたり、弁48aを電磁
弁として、地震検知信号により、その各電磁弁を開放す
るようにすれば、地震時の緊急遮断作用を行い得る。
【0049】
【発明の効果】この発明は、以上のように、流体の動圧
変化に応じて自動的に弁の開閉が行われ、その機構も弁
箱内に組み込めるため、弁箱の外部に大きく突出する付
加物を取り付ける必要がなく、非常にコンパクトなもの
となる。又、シリンダ室内における流体の圧力変化で作
動するため、外部から電力等を供給する必要もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の開放状態を示す切断正面図
【図2】同実施例の切断左側面図
【図3】同実施例の閉止作用説明用切断正面図
【図4】同実施例の閉止状態を示す切断正面図
【図5】他の実施例の開放作用説明用切断正面図
【図6】同実施例の開放状態を示す切断正面図
【図7】同実施例の閉止作用説明用切断正面図
【図8】同実施例の閉止状態を示す切断正面図
【図9】同実施例の緊急遮断作用説明用切断正面図
【図10】同実施例の緊急遮断作用説明用切断正面図
【図11】同実施例の部分作用説明図
【図12】他の実施例の切断正面図
【図13】同実施例の要部断面図
【図14】従来の緊急遮断弁の一例を示す斜視図
【図15】同上の他の例を示す概略断面図
【符号の説明】
1 弁箱 2 シリンダ(シリンダ室) 3 弁座 5 流路 6 弁体 6a 弁体部 6b ピストン部 10 小孔 14 ニードル 15 受圧板 18 パイロット弁 19、33 ばね 34、35 ポート 36 溝 40、48a 開閉弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−132821(JP,A) 特開 昭61−195413(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16K 17/18 - 17/34

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弁箱1内にピストン型弁体6を挿入した
    シリンダ室2を形成し、その弁体6の上流側からの受圧
    面積を前記シリンダ室2の断面積より小さくし、前記シ
    リンダ室2内に上流側から流体Pを流入自在とし、シリ
    ンダ室2内の下流側への開閉による前記弁体6の上下流
    側両面の受圧差により弁体6を弁座3に接離させて弁を
    開閉する緊急遮断弁Vであって、 上記シリンダ室2にその内部を下流側に開閉するパイロ
    ット弁18を設け、弁体6の上流側に流体Pの動圧を受
    ける受圧板15を設け、その受圧板15の流体圧による
    流れ方向の動きにより、前記パイロット弁18を開閉し
    て、上記弁体6の上下流側両面の流体動圧による受圧差
    を得て、正常時の受圧板15の上流側位置によって前記
    パイロット弁18を開放し、異常時の受圧板15の下流
    側位置によって前記パイロット弁18を閉じるようにし
    たことを特徴とする緊急遮断弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の緊急遮断弁Vにおい
    て、上記弁箱1内面との間に流路5を形成して前記シリ
    ンダ室2を設けるとともに、その上流側に上記弁座3を
    形成し、前記弁体6には上流側からシリンダ室2内に流
    体Pを導入する小孔10を形成し、上記受圧板15をば
    ね19により上流側に付勢し、常時、そのばね19によ
    り、前記受圧板15が上流側に付勢されて上記パイロッ
    ト弁18が開放し、流体Pの動圧が異常になったとき、
    受圧板15がばね19に抗して下流側に動いてパイロッ
    ト弁18を閉じることを特徴とする緊急遮断弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の緊急遮断弁Vにおい
    て、上記弁体6を、上流側から流体圧を受ける弁体部6
    aと、その弁体部6aより受圧面積の大きいピストン部
    6bに分割し、その弁体部6aとピストン部6bをその
    軸方向相互に移動自在にばね33を介して連結し、その
    連結部は、ピストン部6bの上流側で弁体部6aの外側
    aに流体Pが流入可能にされて、弁体部6bが弁開放位
    置のときに前記ばね33により弁体部6aがピストン部
    6bに対し上流側に動かされてその流入が自在で、弁体
    部6aが弁閉止位置のとき流体圧により前記ばね33に
    抗してピストン部6bに対し下流側に動かされて流入を
    阻止するようになっており、上記シリンダ室2には、前
    記ピストン部6bの上流側で弁体部6aの外側aを弁箱
    1外部に開閉する弁40を設け、その開閉弁40は、弁
    体部6aが弁開放位置でのみ閉じることを特徴とする緊
    急遮断弁。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の緊急遮断弁Vにおい
    て、上記ピストン部6bの上流側で弁体部6aの外側a
    を弁箱1外部に開放する常閉のポート35、又は上記パ
    イロット弁18の下流側圧を弁箱1外部に開放する常閉
    のポート48のいずれか一つを設けたことを特徴とする
    緊急遮断弁。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の緊急遮断弁Vにおい
    て、上記ポート35又はポート48に地震検知信号によ
    って開く開閉弁48aを設けたことを特徴とする緊急遮
    断弁。
  6. 【請求項6】 上記ピストン部6bの上流側aを開閉す
    る開閉弁40は、その弁体42の作動杆47の先端46
    が上記弁体部6aの外周面に摺接し、上記弁体部6aの
    開放位置でその外周面の凹部36に前記作動杆先端46
    が嵌まって前記弁体42が弁座45に当接して閉じ、弁
    体部6aが開放位置から動いて前記凹部36から作動杆
    先端46が離れることにより、前記弁体42が作動杆4
    7に押されて弁座45から離れて開放するものであるこ
    とを特徴とする請求項3乃至5のいずれか一つに記載の
    緊急遮断弁。
  7. 【請求項7】 上記ピストン型弁体6の小孔10に、流
    体の流れ方向に徐々に細くなるニードル14を挿入し、
    このニードル14に対して前記弁体6がスライドするよ
    うにしたことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一
    つに記載の緊急遮断弁。
  8. 【請求項8】 上記弁箱1を筒状として、その同一軸心
    に上記シリンダ室2及びピストン型弁体6を設け、その
    弁体6の上記小孔10を前記同一軸心上に形成して、そ
    の小孔10を通過する杆14でもって上記受圧板15と
    パイロット弁18の弁体16を連結したことを特徴とす
    る請求項2乃至7のいずれか一つに記載の緊急遮断弁。
  9. 【請求項9】 上記ばね19による受圧板15への付勢
    力を調整できるようにしたことを特徴とする請求項2乃
    至8のいずれか一つに記載の緊急遮断弁。
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