JP3413480B2 - アゾベンゼン誘導体を包接した層状化合物およびその製 造方法 - Google Patents

アゾベンゼン誘導体を包接した層状化合物およびその製 造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、アゾベン
ゼン誘導体を包接した層状化合物およびその製造方法に
関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明
は、光照射によって駆動するマイクロアクチュエータの
構築、分子篩能・触媒能の光による制御等に有用なアゾ
ベンゼン誘導体を包接した層状化合物およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】以前より、アゾベンゼン及び
その誘導体の光照射による分子形状の可逆的な変化をマ
クロなレベルでの形状変化に応用する努力がなされてき
た。これにより、ポリマー、ゲルあるいは層状の無機物
など、ホスト化合物にアゾベンゼンおよび誘導体を結
合、包接することによって各種の高分子体、複合体が得
られている。また、粘土鉱物に代表される層状無機化合
物への包接については、イオン化させたアゾベンゼン類
をイオン交換により包接させたり、層間を親有機化した
粘土・雲母に包接させたり、あるいは、アゾベンゼン類
とホストとの固体間反応が試みられ、これらの方法によ
って、アゾベンゼン包接複合体が合成されてきた。
【0003】しかしながら、これら従来の方法において
は、光照射によるアゾベンゼンの分子形状の可逆的な変
化がマクロなレベルでの形状変化として観測されず、ま
た、形状の変化がごくわずか認められるものであって
も、その大きさの変化はアゾベンゼンの分子形状の変化
に直接対応したものでない等の問題点があった。これ
は、アゾベンゼンの変化をマクロなレベルでの形状変化
につなげるためのアゾベンゼンの配向性の制御、マクロ
なレベルでの形状変化を引き起こすのに必要な包接量の
問題、溶媒や歪みによるアゾベンゼンの分子形状の変化
の阻害など、ホスト化合物の選択、製造方法すなわち包
接反応条件に問題があった。
【0004】そこで、この出願の発明は、以上のとおり
の従来の技術の問題点を解消し、光照射による分子形状
の可逆的な変化がマクロなレベルでの形状変化となる最
適な組成や構造を有する複合体とその製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願の発明は、一般
式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)1-n
(Mgx Liy Si4 102 )・(C12102 m で示されるアゾベンゼンを包接した層状化合物。(ただ
し、j=12〜18、n=0〜1、m=0〜1、x=2
〜2.5、y=0〜1、Mは、一価陽イオン、R,
R′,R″は、H、CH3 もしくは、ベンジル基(C6
5 CH2 )、また、(C12102 )は、アゾベンゼ
ンを表す)で示されるアゾベンゼンを包接した層状化合
物(請求項1)、および、一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)x+y-n
・(Si4-y Al2-x+yMgx 10(OH)2 )・(C
12102 m (ただし、j=12〜18、n=0.2〜0.6、m=
0〜1、x=0.2〜0.5、y=0〜0.2、Mは、
一価陽イオン、R,R′,R″は、H、CH3 もしく
は、ベンジル基(C6 5 CH2 )、また、(C1210
2 )は、アゾベンゼンを表す)で示されるアゾベンゼ
ンを包接した層状化合物(請求項2)を提供する。
【0006】また、この発明は、一般式 C12102 で示されるアゾベンゼンを密閉容器で加熱、蒸発させ、
一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)1-n
(Mgx Liy Si4 102 ) (ただし、j=12〜18、n=0〜1、x=2〜2.
5、y=0〜1、Mは、一価陽イオン、R,R′,R″
は、H、CH3 もしくは、ベンジル基(C6 5
2 )を表す)で示される親油性層状化合物に包接させ
ることを特徴とする一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)1-n
(Mgx Liy Si4 102 )・(C12102 m (ただし、j=12〜18、n=0〜1、m=0〜1、
x=2〜2.5、y=0〜1、Mは、一価陽イオン、
R,R′,R″は、H、CH3 もしくは、ベンジル基
(C6 5 CH2 )、また、(C12102 )は、アゾ
ベンゼンを表す)で示されるアゾベンゼンを包接した層
状化合物の製造方法(請求項3)、および、一般式 C12102 で示されるアゾベンゼンを密閉容器で加熱、蒸発させ、
一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)x+y-n
・(Si4-y Al2-x+yMgx 10(OH)2 ) (ただし、j=12〜18、n=0.2〜0.6、x=
0.2〜0.5、y=0〜0.2、Mは、一価陽イオ
ン、R,R′,R″は、H、CH3 もしくは、ベンジル
基(C6 5 CH2 )を表す)で示される親油性層状化
合物に包接させることを特徴とする一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)x+y-n
・(Si4-y Al2-x+yMgx 10(OH)2 )・(C
12102 m (ただし、j=12〜18、n=0.2〜0.6、m=
0〜1、x=0.2〜0.5、y=0〜0.2、Mは、
一価陽イオン、R,R′,R″は、H、CH3 もしく
は、ベンジル基(C6 5 CH2 )、また、(C1210
2 )は、アゾベンゼンを表す)で示されるアゾベンゼ
ンを包接した層状化合物の製造方法(請求項4)をも提
供する。
【0007】
【発明の実施の形態】この出願の発明は、ホストとし
て、一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)1-n
(Mgx Liy Si4 102 ) (ただし、j=12〜18、n=0〜1、x=2〜2.
5、y=0〜1、Mは、一価陽イオン、R,R′,R″
は、H、CH3 もしくは、ベンジル基(C6 5
2 )を表す)並びに、一般式 (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)x+y-n
・(Si4-y Al2-x+yMgx 10(OH)2 ) (ただし、j=12〜18、n=0.2〜0.6、x=
0.2〜0.5、y=0〜0.2、Mは、一価陽イオ
ン、R,R′,R″は、H、CH3 もしくは、ベンジル
基(C6 5 CH2 )を表す)で表される親油性層状化
合物を用い、アゾベンゼンをホストと直接接触しない状
態で密閉したテフロン容器中で、加熱、保持することに
より、アゾベンゼンは気相を経由し、ホストに包接され
ること、また、このようにしてできた層状複合体が、紫
外線照射により底面間隔が収縮し、加熱、あるいは室温
での放置により膨張し、もとの値に回復するという知見
に基づいている。
【0008】そこで、以下に、発明の実施の形態とし
て、アゾベンゼンの層間への包接の方法、層状化合物の
構造、複合体の光応答性、ホスト並びにゲスト化合物に
ついて説明する。 (1)アゾベンゼンを層間に包接する方法 従来より、アゾベンゼンを層間に包接する方法として、
溶媒を用いたり、直接混合する方法が知られているが、
これら従来の方法では、溶媒が層間に入り込んだり、粉
体粒子がストレスを受けて構造が乱れる等の問題点があ
った。
【0009】そこで、この発明においては、気相を経由
し、ホストに包接するという新しい気相輸送法を用い
た。これにより、原理上、複合体は層間に溶媒や不純物
など、アゾベンゼン以外の分子は取り込まれないため、
層間に充分な量のアゾベンゼンが包接される。また、機
械的な力を加えないため、粉体粒子がストレスを受けた
り、構造が乱れることはない。
【0010】この発明の方法によって、生成物に歪みが
生じていないことは、走査電子顕微鏡による観察で、出
発物質である親油性層状化合物の10〜100μmの粉
体が包接によって異常粒子成長等、形態の変化を示さな
かったことにより確認できた。また、気相輸送法を行う
ために、アゾベンゼン、もしくは、アゾベンゼン誘導体
を加熱するが、この加熱温度は、これらの有機化合物が
分解、変質しない温度で、充分な蒸気圧を持つ温度であ
る。化合物によって異なるが、70〜140℃までの間
の温度が適当である。 (2)この発明の層状化合物の構造 添付した図面の図1は、ゲスト分子が最長軸が層に垂直
になるよう包接された状態を示したものである。
【0011】アゾベンゼンの包接の前後の層間隔の変化
を粉末X線回折分析によって調べたところ、例えば、実
施例1で示したように、複合体の底面間隔(d001 )が
2.34nmから3.68nmへ1.34nm増加し
た。これは、アゾベンゼンの最長軸の長さの1.2nm
とほぼ一致しており、層間に最長軸を立てるように包接
された構造になっている。
【0012】これは、オクタデシルトリメチルアンモニ
ウムが親油性層状化合物中に擬三層構造で組み込まれ、
外来の分子が取り込まれる空間の表面が凹凸構造とな
り、図1に示したように、幾何学的な条件からゲスト分
子は、最長軸が層に垂直になるよう包接されたものと考
えられる。 (3)複合体の光応答性 親有機化合成雲母にアゾベンゼンを包接させた複合体
(10〜100μmの板状粉体)は、マクロなレベルの
光応答性を明瞭に示した。すなわち、この複合体は紫外
線照射により底面間隔が収縮し、加熱、あるいは室温で
の放置により膨張する。このような収縮−膨張の変化は
15サイクル以上可逆的に起こる。365nmを主成分
とする紫外線で複合体を1時間照射した直後にX線回折
分析を行ったところ、3本の底面反射ピークはいずれも
高角へシフトしているとの結果を得た。これより計算さ
れる底面間隔の縮みは0.17nmである。吸収スペク
トルの変化により、シス体への異性化割合は、約35%
であることがわかった。トランス体とシス体では、シス
体が長軸方向に短く、長さの差は0.48nmである。
異性化割合を考慮すると、照射による底面間隔の減少と
一致する。
【0013】このような親有機化合成雲母にアゾベンゼ
ンを包接させた層状複合体は、板状粉体で、基板に塗布
した場合、常に基板と層が平行になっているため、底面
間隔の変化は、基板に垂直な方向に大きさの変化として
あらわれる。 (4)ホストとして用いる化合物 ホストである (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)1-n
(Mgx Liy Si4 102 ) で表される親油性層状化合物は、合成雲母 Na−TSM(NaMg2.5 Si4 102 ) (M(Mgx Liy Si4 102 )で、x=2.5、
y=0、M=Naに対応する)もしくは合成雲母 Li−テニオライト(LiMg2 LiSi4 102 ) (M(Mgx Liy Si4 102 )で、x=2、y=
1、M=Liに対応する)にオクタデシルトリメチルア
ンモニウムクロライド(C1837(CH3 3 + Cl
- )やドデシルベンジルジメチルアンモニウムクロライ
ド(C1225(CH3 2 (C6 5 CH2 )N+ Cl
- )をイオン交換により、包接し、親有機化したもので
ある。
【0014】また、もう一種のホストである (Cj 2j+1(R,R′,R″)N)n ・(M)x+y-n
・(Si4-y Al2-x+y Mgx 10(OH)2 ) で表される親油性層状化合物は、モンモリロナイト (M)p ・(Si4 Al2-x Mgx 10(OH)2 ) (ただし、p=0.2〜0.5、x=0.2〜0.5、
Mは、一価陽イオンを表す)にオクタデシルトリメチル
アンモニウムクロライド(C1837(CH3 3 +
- )やドデシルベンジルジメチルアンモニウムクロラ
イド(C1225(CH3 2 (C6 5 CH2 )N+
- )をイオン交換により、包接し、親有機化したもの
である。
【0015】ホストとして親油性層状化合物を用いるの
は、アゾベンゼンが水に対して難溶性を示し、親油性の
層状化合物でない限り、層間に包接されないためであ
る。また、出発物質の雲母として工業的に合成されたF
含有雲母であるNa−TSMやテニオライトを用いたの
は、合成雲母が天然の雲母とは異なり、純度が高く、均
一な組成および構造を有しており、また、これから導か
れる親油性層状化合物も均一な構造を有しているため、
合成条件を制御しやすいためである。さらに、天然の水
酸基を含むモンモリロナイトでも同様に光応答性を示す
化合物が生成される。
【0016】添付した図面の図2は、ゲスト分子の最長
軸が層に垂直になるよう包接されない状態を示したもの
である。親油性層状化合物中に組み込まれているアルキ
ルアンモニウムは、アルキル基がC−18のオクタデシ
ルトリメチルアンモニウム以外に、Cの数が異なるアル
キル基を持ったものも合成雲母中に含まれるが、テニオ
ライトの場合、C−16、C−14では、擬三層構造を
とらず、また、C−12は、擬三層構造をとるが、図2
に示したように、凹凸の表面構造のピッチが小さいた
め、ゲスト分子は、最長軸が層に垂直になるよう包接さ
れない。これは、ホストとゲストの種類によって多少異
なり、ドデシルベンジルジメチルアンモニウムの場合、
C−12のアルキル基であっても、アミノ基にベンジル
基がついている場合、擬三層構造をとり、アゾベンゼン
は、垂直に配向している。さらにまた、Cの数の少ない
アルキル基を持つものは、やや親水性も示すため、水分
子が同時に包接され、アゾベンゼンの配向に影響がある
ことがわかった。
【0017】以上のことから、親油性層状化合物ならポ
ストとしてすべて利用できるのでなく、微細な構造によ
り、ゲスト分子の配列を制御する必要がある。アルキル
アミンのアルキル基が、C=12〜18の場合におおよ
そこの構造をつくる条件を満たすものである。 (5)ゲスト光応答性分子として用いる化合物 光応答性分子として、いくつかの有機化合物のグループ
があるが、その内からゲスト光応答性分子としてアゾベ
ンゼンを選択した。アゾベンゼンおよびその誘導体は、
有機溶媒中で、通常、トランス体の構造をなすが、紫外
線の照射によってシス体に構造が変化し、さらに加熱も
しくは、常温での可視光照射によってトランス体に可逆
的に戻る。これは、異性化反応と呼ばれる可逆的な構造
変化であり、トランス体とシス体では、シス体が長軸方
向に短く、長さの差は0.48nmである。
【0018】この発明において、ゲストにアゾベンゼン
を選択したのは、シス体への異性化反応率が高いこと、
異性化反応による形態の変化が大きいためである。ま
た、アゾベンゼンのベンゼン核にいろいろな官能基を導
入することによって、異性化反応という光応答を引き起
こす光の波長を変化させることができるため、入射する
光の波長によって光応答に最適な構造を選択できること
などの特長がある。それゆえ、ゲストとして一般的に
は、アゾベンゼンのみならずアゾベンゼンのベンゼン核
に官能基を導入したアゾベンゼン誘導体を用いることが
できる。
【0019】
【実施例】実施例1 合成雲母、Na−TSM(NaMg2.5 Si4
102 )にOctadecyltrimethylammonium Chloride (C
1837(CH3 3 + Cl- )をイオン交換により包
接し、親有機化したものをホストに(請求項1、一般式
でj=18、n=0.5、x=2.5、y=0に相
当)、アゾベンゼン(Merck gmbh)をゲストに用いた。包
接反応は、耐熱・耐圧性の分解反応容器を用いて行っ
た。内部容器がテフロン、外側がSUS304ステンレ
ス容器である。ホスト100mgにアゾベンゼン20m
gを用いた。計量の精度を上げるためアゾベンゼンはガ
ラス容器に入れ、ホストと直接接触しない状態でテフロ
ン容器に入れた。100℃で48時間保持するとガラス
容器中のアゾベンゼンは全てホストに包接する。この気
相を経由した包接法で生成した複合体は、ホスト同様、
10〜100μmの粉体で異常粒子成長は認められな
い。
【0020】粉末X線回折分析により、アゾベンゼンを
包接した複合体では底面間隔(d001 )は、ホストの
2.34nmから3.68nmへ1.34nm増加して
いた。365nmのバンドパスフィルター(BP−36
5−W1:Kenko )を付けた100W高圧水銀灯で、複
合体を1時間照射した直後にX線回折分析を行ったとこ
ろ、3本の底面反射ピークはいずれも高角へシフトして
いるとの結果を得た。3つのピークの移動を示す底面間
隔の縮みは0.17nmである。この試料を室温で保持
し、50℃に暖めた後のパターンより、0.15nm増
加し、底面間隔(d001 )が回復することがわかった。
同様な縮みと回復は15回以上繰り返した。このような
可逆的な底面間隔の変化は可視光線の照射、温度変化、
湿度変化等では起こらず、確かに、光応答性を有してい
ることがわかった。実施例2 天然粘土鉱物モンモリロナイトNa0.33Si4 Al1.67
Mg0.3310(OH)2 の陽イオン交換能(CEC)に
対し、水溶液中で0.5〜2.0の割合で塩化ドデシル
ベンジルジメチルアンモニウム(Dodecylbenzyldimethy
lammonium Chloride, C1225(C6 5 CH2 )(C
3 2 + Cl- )を包接し、親有機化した粘土をホ
ストとして用い(請求項2、一般式で、j=12、n=
0.3、m=0.35、p=0.3に相当)、アゾベン
ゼン(Merck gmbh)をゲストに用い実施例1と同様な方法
で包接を行った。
【0021】粉末X線回折分析により、包接前の親有機
化した雲母の底面間隔(d001 )は、1.83nmで、
擬三層構造であることを示している。アゾベンゼン包接
により、底面間隔(d001 )は、1.83nmから3.
2nmへ約1.4nm増加した。これは、アゾベンゼン
が、層間に最長軸を立てるように包接された構造になっ
ているためであると考えられる。365nmのバンドパ
スフィルター(BP−365−W1:Kenko )を付けた
100W高圧水銀灯で複合体を1時間照射した直後にX
線回折分析を行ったところ、3本の底面反射ピークはい
ずれも高角へシフトしているとの結果を得た。ピークの
移動を示す底面間隔の縮みは最大で0.19nmであっ
た。この試料を室温で保持し、50℃に暖めることによ
り、もとの底面間隔(d001 )に回復する。この例で
も、収縮と回復を繰り返すことが確認できた。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この出願の
発明によって、紫外線照射により底面間隔が収縮し、加
熱、あるいは室温での放置により膨張する無機物を骨格
とした光応答性を有するアゾベンゼン複合体が提供され
る。また、この出願の発明は、光照射によって駆動する
マイクロアクチュエータの構築、分子篩能・触媒能の光
による制御等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゲスト分子が最長軸が層に垂直になるよう包接
されている状態を示したものである。
【図2】ゲスト分子が最長軸が層に垂直になるよう包接
されない状態を示したものである。
【符号の説明】
1 ゲスト分子 2 ホスト層状化合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F03G 7/00 F03G 7/00 Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 245/08 B01J 20/22,31/02,35/02 CAS ONLINE

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成雲母のNa−TSMまたはLi−テ
    ニオライトにオクタデシルトリメチルアンモニウムクロ
    ライドが包接されている親油性層状化合物に、アゾベン
    ゼンがその最長軸を立てるように層間に包接されている
    ことを特徴とするアゾベンゼン包接層状化合物。
  2. 【請求項2】 モンモリロナイトにオクタデシルトリメ
    チルアンモニウムクロライドまたはドデシルベンジルジ
    メチルアンモニウムクロライドが包括されている親油性
    層状化合物に、アゾベンゼンがその最長軸を立てるよう
    に層間に包接されていることを特徴とするアゾベンゼン
    包接層状化合物。
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