JP3413231B2 - 弗化水素酸とスルホンを含む混合物から結合したポリマー状副生物を分離する方法 - Google Patents

弗化水素酸とスルホンを含む混合物から結合したポリマー状副生物を分離する方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接触アルキル化に関す
る。更に詳しくは本発明は液体アルキル化触媒およびイ
ソパラフィン:オレフィンアルキル化法に関する。特に
本発明は濃弗化水素酸に伴う安全およひ環境上の関心の
多くを回避する液体アルキル化触媒組成物を提供する。
【0002】
【従来の技術】アルキル化はアルキル基が有機分子に付
加する反応である。従ってイソパラフィンはオレフィン
と反応して高分子量のイソパラフィンを与えることがで
きる。工業的に、この概念は、いわゆるアルキレートを
生成する酸性触媒の存在下でのC〜Cオレフィンと
イソブタンとの反応に依存する。このアルキレートは、
その高オクタン価によるのみならずそのオクタン価に富
む添加物への感度のためにも、ガソリンの製造における
価値あるブレンド用成分である。
【0003】工業的アルキル化法は歴史的に、比較的低
い温度条件下で濃弗化水素酸または硫酸触媒を使用し
た。酸強度は新鮮な酸の連続添加と廃酸の連続抜出しに
よって88〜94重量%に保つのが好ましい。ここに使
用する「濃弗化水素酸」なる用語は少なくとも約85重
量%のHFを含む実質的に無水の液体のことをいう。
【0004】弗化水素酸および硫酸によるアルキル化法
は、環境および安全上の心配、酸消費、およびスラシジ
廃棄を包含する固有の欠点を分ち合ってきた。硫酸によ
るアルキル化の一般討議については、L.F. Alb
rightらによる3つの文献のシリーズ“Alkyl
ation of Isobutane withC
Olefins”,27 Ind. Ing. Ch
em. Res.,381−387(1988)参照。
弗化水素酸触媒によるアルキル化の討議については、1
−Handbook of Petroleum Re
finingProcesses 23−28(R.
A. Meyers, ed. 1986)参照。
【0005】弗化水素、または弗化水素酸(HF)は非
常に毒性があり腐食性である。然しながら、それは異性
化、縮合、重合および加水分解の反応における触媒とし
て使用される。石油工業は無水弗化水素を主としてガソ
リンのオクタン価を増大させるためのアルキレートを生
産するオレフィン系炭化水素のアルキル化の液体触媒と
して使用した。その製造および使用における多年の経験
は、危険が認識され、注意が払われるならばHFは安全
に操作しうるということを示した。洩れを防ぐための多
くの安全上の注意が払われたけれども、過度の又は著し
い洩れは、無水HFは逃げる際に煙霧となって蒸気を発
生し、これがある距離のあいだ散布されうるために、主
として恐れられた。この分野での従来の研究は、放出後
のHFの曇りを中和するという観点からこの問題に着手
した。
【0006】米国特許第4,938,935号および同
第4,985,220号(発明者AudehおよびGr
eco)ならびに米国特許第4,938,936号(発
明者 Yan)は偶発的な放出後のHF酸の曇りを含有
および/または中和する種々の方法を開示している。
【0007】イソパラフィン:オレフィンアルキル化触
媒としてのその活性を妥協することなしにHFの曇り形
成傾向を減少させる添加物を提供することは特に望まし
いことである。弗化水素酸用の溶媒および錯化剤は次の
文献にみられるように過去に種々の目的のために開示さ
れた。
【0008】米国特許第2,615,908号(発明者
Mc Canlay)にはチオエーテル−HF−銅錯
化合物およびその製造法が記載されている。このチオエ
ーテル−HF−銅組成物の有力な用途は第6欄55行〜
第8欄3行に記載されている。この方法は工業的HFア
ルキル化プラントからのHF含有廃ガスの精製に有用で
あるといわれている。第7欄10〜24行参照。
【0009】米国特許第3,531,546号(発明者
Hervert)にはアルキル化ならびにオレフィン
異性化に有用であるといわれているHF−CO触媒組
成物が記載されている。
【0010】米国特許第3,795,712号(発明者
Torckら)にはルイス酸、ブレンステッド酸、お
よび式R−SO−R′(RとR′はそれぞれ独立に1
〜8個の炭素原子を含む1価の基であるか、あるいは一
緒になって3〜12個の炭素原子をもつ2価の基を形成
する)のスルホン、からなる酸触媒が記載されている。
【0011】米国特許第3,856,764号(発明者
Throckmortonら)には(1)少なくとも
1種の有機アルミニウム化合物、(2)カルボン酸ニッ
ケル塩、ニッケルまたはニッケルテトラカーボニルの有
機錯体化合物、からえらばれた少なくとも1種のニッケ
ル化合物、および(3)弗化水素をケトン、エーテル、
エステル、アルコール、ニトリルおよび水から成るクラ
スの一員で錯化することによって製造した弗化水素錯
体、から成るオレフィン重合触媒が記載されている。
【0012】米国特許第4,025,577号および第
4,099,924号(発明者 Siskinら)には
HF、金属ハライドおよびスルホランを含むアルキル化
触媒組成物の使用が記載されている。米国特許(発明者
Olah)にはHFの発煙傾向を減少させる添加配合
物が記載されている。
【0013】アルコール、チオール、水、エーテル、チ
オエーテル、スルホン酸およびカルボン酸のようなプロ
モータを、HF、フルオロスルホン酸およびトリハロメ
タンスルホン酸のような強いブレンシュテッド酸と組合
せて使用することは、米国特許第3,778,489号
(発明者 Parkerら)に記載されている。これら
のプロモータはアルキル化用の強いブレンステッド酸の
酸性を変性するといわれる。
【0014】前記の文献(特許)類には、イソパラフィ
ン:オレフィンアルキル化用の液体ブレンシテッド酸
(たとえばHF)の望ましさ、ならびに液体ブレンシュ
テッド酸を金属ハライドとくに金属フルオライドと組合
せて使用することが記載されている。
【0015】PCT/US92/05152には、比較
的高濃度のスルホランを含むHF/スルホラン触媒を使
用するイソパラフィン−オレフィンアルキル化法が記載
されており、スルホランに富むHF触媒によるイソパラ
フィン−オレフィンアルキル化の詳細が引用によってく
み入れられている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明はオレフィンを
用いるアルキル化の際に使用されるHFの危険性を減少
させた新規な方法を提供しようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は結合したポリマ
ー類、スルホラン、および弗化水素酸を含む混合物から
結合したポリマー類、およびスルホランを分離する方法
であって、該混合物から弗化水素酸を分離して約30重
量%未満の弗化水素酸を含む中間流を与える工程、およ
び該中間流をスルホランに富む流れと結合ポリマーに富
む流れに重力的に分離する工程の連続工程から成ること
を特徴とする。この方法はイソパラフィン−オレフィン
アルキル化法に使用されるHF/スルホラン触媒から結
合ポリマーを分離してHF/スルホラン触媒を再生する
のに特に有用である。混合物の弗化水素酸濃度は好まし
くはストリッピングによって減少される。いづれの好適
な不活性ストリッピング流体を使用することができるけ
れども、イソパラフィンが好ましく、とくにイソパラフ
ィン−オレフィンのアルキル化に好適なイソパラフィン
たとえばイソブタンが更になお好ましい。スルホラン/
結合ポリマー相は弗化水素酸の濃度が減少するにつれて
分離が更に容易になると思われるので、2つの順次のス
トリッピング工程を使用することができる。2段階スト
リッピング工程を使用する場合、窒素のような第2の不
活性ストリッピング流体が好ましい。
【0018】重力分離前の混合物からの弗化水素酸の順
次のストリッピングの驚異的効果は、混合物が約30重
量%未満の弗化水素酸水準にまでストリッピングされる
ときに起こる。分離は弗化水素酸含量が減少するにつれ
て改良され、中間流の弗化水素酸濃度は好ましくは25
重量%以下、更に好ましくは10重量%以下、そして最
も好ましくは5重量%以下である。
【0019】
【比較例および実施例】
比較例 弗化水素酸、スルホランおよび結合ポリマー副生物(こ
の結合ポリマー副生物はブテンによるイソブタンの接触
アルキル化から発生し、以後可溶性油またはASOと呼
ぶ)の混合物であって、約65重量%の弗化水素酸と3
0重量%のスルホランと約5重量%のASOを含む混合
物を室温および混合物を液相に保つに十分な圧力でデカ
ンテーション槽に入れる。この混合物を約24時間放置
する。相分離は観察されなかった。
【0020】実施例1 (上記の比較例の混合物と同じ組成をもつ)弗化水素酸
とスルホランとASOの混合物を理論段数3のストリッ
ピング塔に充てんした。イソブタンを、液体(HF/ス
ルホラン/ASO)充てん点の高さより低い水準で、こ
の塔に導入し、イソブタンおよび混合物の充てん速度を
制御して、塔のララッディング点より下で操作しなが
ら、HPのストリッピングを最大にした。ストリッピン
グした液を塔のボトムから抜き出し、HFに富むイソブ
タンの流れを塔の頂部から抜き出した。ストリッピング
した液は約30重量%未満の弗化水素酸を含む。次い
で、ストリッピングした液をデカンテーション槽に充て
んし、約24時間放置する。混合物は2つの区別される
相に分離し、上層は密度の小さいASOに富む相であ
り、下層は密度の大きいスルホランに富む相である。
【0021】実施例2〜4 弗化水素酸とスルホランとASOの混合物(比較例の混
合物と同じ組成をもつ)をイソブタンでストリッピング
して弗化水素酸の含量をそれぞれ25重量%、10重量
%、および5重量%にする。低い濃度の弗化水素酸を含
むストリッピングした混合物は、30重量%の弗化水素
酸を含むストリッピングした混合物よりも迅速に2つの
別個の相に分離する。
【0022】実施例5 実施例5のHF/スルホラン試料は次の組成をもつ。 HF 62重量% スルホラン 27重量% イソブタン 4重量% 水 1〜2重量% ASO 3重量% 100%までの残余は他の炭化水素類である。この混合
物は32℃(90°F)および930kPa(120p
si)において単一液相である。この試料を大気圧およ
び室温にもたらし、軽質炭化水素の部分およびHFの一
部を排気する。これらの条件で、試料は約50重量%の
HFを含む単一液相である。次いで室温および大気圧に
おいて混合物に窒素をバブリングして混合物からHFを
ストリッピングする。混合物がHFに欠乏するにつれ
て、混合物は2相に分離する。実施例5において、HF
濃度が約2重量%に達する数分内にこの2相が現れる。
両相を分離したところ、密な相(比重約1.26)は8
3.2重量%のスルホラン、2.2重量%のASO、お
よび残余の水、塩、およびスラッジを含む。約1未満の
密度をもつ軽質相は82.8重量%のASO、13.3
重量%のスルホラン、および残余%の塩を含む。
フロントページの続き (72)発明者 トーマス ロドルフ メリー アメリカ合衆国ニュージャージー州 08080 スエル サドルブロック ドラ イブ 64 (72)発明者 セルゲイ ユアチャック アメリカ合衆国ペンシルベニア州 19063 アッパー プロビデンス タウ ンシップ チンバー ジャンプ レーン 211 (56)参考文献 特開 昭57−142925(JP,A) 特公 昭50−15763(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 2/62 C07C 9/22 C07D 333/48 C07B 61/00 300

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ化水素酸/スルホラン触媒を用いる
    イソパラフィンのオレフィンによるアルキル化反応で生
    成した結合したポリマー類、スルホラン、および弗化水
    素酸を含む混合物から結合したポリマー類およびスルホ
    ランを分離する方法であって、 該混合物から弗化水素酸を分離して30重量%未満の弗
    化水素酸を含む中間流を与える工程、および該中間流を
    スルホランに富む流れと結合ポリマーに富む流れに重力
    的に分離する工程の連続工程から成ることを特徴とする
    方法。
  2. 【請求項2】 弗化水素酸をストリッピングによって混
    合物から分離する請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 ストリッピング用流体がイソパラフィン
    を含む請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 ストリッピング工程が順次にイソパラフ
    ィンで混合物をストリッピングし次いで該混合物を窒素
    でストリッピングすることからなる請求項2の方法。
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