JP3408837B2 - 爆薬組成物の製造方法 - Google Patents

爆薬組成物の製造方法

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JP3408837B2 JP16730393A JP16730393A JP3408837B2 JP 3408837 B2 JP3408837 B2 JP 3408837B2 JP 16730393 A JP16730393 A JP 16730393A JP 16730393 A JP16730393 A JP 16730393A JP 3408837 B2 JP3408837 B2 JP 3408837B2
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    • C06B47/00Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase
    • C06B47/14Compositions in which the components are separately stored until the moment of burning or explosion, e.g. "Sprengel"-type explosives; Suspensions of solid component in a normally non-explosive liquid phase, including a thickened aqueous phase comprising a solid component and an aqueous phase

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は産業用爆薬に関するもの
であり、より詳しくは土木建設、採石、採炭、採鉱など
の鉱工業分野;排水、灌漑、開墾、抜根、伐採など農林
分野などにおける発破、破砕、掘削などに利用される爆
薬組成物である。 【0002】 【従来の技術】従来の主要な含爆薬にはスラリー爆薬、
エマルジョン爆薬がある。これらはいずれも酸化剤水溶
液、可燃物、鋭感剤からなる爆薬成分と気泡とを構造付
与剤の存在下に高濃度に安定に構造を保持するものであ
り、主として雷管により起爆される。スラリー爆薬にお
いては爆薬構造中に、気泡はフリー状態の巻き込み気泡
や化学泡を鋭感剤的機能を確保するために用いることが
多く、構造付与剤としてはグアガムなどを用いて水性ゲ
ルを構成している。エマルジョン爆薬においては、酸化
剤水溶液と可燃剤としての油類が構造付与剤としての界
面活性剤の存在下にW/O型エマルジョン構造を形成
し、気泡は巻き込み気泡の他主としてガラスや樹脂性マ
イクロバルーンの形をとっている。 【0003】更にこれらの含水爆薬の起爆性の改良や密
度調整などのために樹脂マイクロバルーンを用いる例
が、スラリー爆薬については米国特許第3,773,5
73号公報、特開昭54−92614号公報に、エマル
ジョン爆薬については特開昭56−100192号公
報、特開昭59−78994号公報に記載されている。
米国特許第3,773,573号公報にはスラリー爆薬
を含む広範囲の爆薬に樹脂マイクロバルーンを適用する
にあたって、爆薬製造工程中で未発泡の樹脂微小粒子の
存在下に該樹脂の発泡温度にほぼ等しい温度に加熱する
方法が記載されているが、スラリー爆薬の製造工程では
通常は加熱を必要としないため、製造工程中における樹
脂発泡は実用性がなかった。さらに製造工程中での加熱
発泡が例え必要であっても、特開昭54−92614号
公報における記載からも理解されるように、安全性の観
点から鋭感剤を含まない段階での加熱発泡を終了した
後、鋭感剤成分と混合する2段階方式を採用せざるを得
なかった。 【0004】これらの含水爆薬はダイナマイトにおける
ニトログリセリンのような高度に鋭感性の成分を含まず
して起爆性を維持するために爆薬成分とゲル構造やエマ
ルジョン構造との微妙な調整が必要であり、極めて高度
な製造技術が要求される。即ちこれらの構造の形成前後
を通してこれと接触混在する爆薬成分の品質挙動に左右
されるために、原材料の品質管理や製造条件の管理に多
大の時間と労力を費やさざるを得なかった。その結果し
ばしば実用的な貯蔵に耐えない劣悪な品質の爆薬が製造
されたり、長期の経時において爆発性能が著しく低下す
るなどの問題が発生することがあった。特に爆薬の密度
調整に用いられる化学泡や泡化剤の量が多くなると、目
的とする爆薬の初期性能を得ることが困難であるばかり
でなく、経時的にも爆発性能が低下するという問題が一
層顕著に表れた。 【0005】更にスラリー爆薬は特有のゲル弾性を有
し、可塑性に欠け、爆薬薬包とした場合薬包自身が柔ら
かく、腰がないために取り扱いにくく、また爆破孔への
挿入もしにくいので、爆破作業能率が低下したり、爆薬
の成形加工が困難であるために薬包を除いた裸薬の状態
で使用することが難しいなどの問題を惹起することがあ
った。またエマルジョン爆薬は急激に加圧されるとエマ
ルジョン構造が破壊されて爆発機能を喪失すること(死
圧現象と呼ばれる)があり、通常の爆破作業である段発
発破において、しばしば不発残留薬が発生し、その後の
処理に苦慮するという問題を惹起することがあった。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は従来の
含水爆薬におけるゲル構造やエマルジョン構造を利用す
ることなく、極めて安定した性能と良好な薬性を長期に
わたって保持しうるもので、基本的には酸化剤/水/有
機微小中空球体からなる爆薬組成物を提供することであ
る。また他の目的は取扱いが安全で、発破後の不発残留
が少なく、かつ発生ガスの有害度を低減し得る爆薬組成
物を提供することである。更に他の目的は従来の爆薬で
は困難であった低密度領域においても安定した爆発性能
を有する、低爆速の爆薬を提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
点を解決すべく鋭意研究を行った結果、本発明を完成す
るに至った。即ち、未発泡発泡性有機微小粒子2〜15
重量%、水3〜20重量%、酸化剤のみよりなる残余成
分を混合し、実質的に巻き込み気泡を含まない組成物を
調整し、次いで該組成物を加熱発砲させ、かつ有機微小
中空体間の距離が計算上20μm以下とすることよりな
る実質的に酸化剤、水、有機微小中空体からなる該有機
微小中空体を可燃成分とする爆薬組成物の製造方法に関
するものである。 【0008】本発明の爆薬組成物の微細構造は例えば顕
微鏡写真によって観察することができる。その代表的な
例は図1に示すように、有機微小中空体の周囲に高濃度
の酸化剤水溶液が付着した構造体が集合した形になって
いる。更に、これを概念的に図で説明すると、本発明の
爆薬組成物は図2に示すように、有機微小中空体が爆薬
組成物の構造の中心をなしているのに対し、スラリー爆
薬では図3に示すようにゲル化された酸化剤や鋭感剤の
相の中に巻込み気泡や中空体が分散している。また、エ
マルジョン爆薬では図4に示すようにエマルジョン化さ
れた酸化剤水溶液相の中にガラスマイクロバルーン等の
中空体が分散している。従って本発明の爆薬組成物と従
来のスラリー爆薬及びエマルジョン爆薬を比較すれば気
泡の形態、酸化剤水溶液の形態及び組成物の構造などが
全く異なることが明らかである。更に詳しくは、本発明
の組成物は従来のスラリー爆薬におけるゲル化剤を必要
とせず、気泡も主として可燃剤成分である有機微小中空
体に安定に取り込まれているのでその構成が全く異な
る。またエマルジョン爆薬に較べて、可燃剤としての油
相、エマルジョン形成のための界面活性剤、気泡保持の
ためのガラスマイクロバルーンなどは必要でなくその点
においても全く異なるものである。 【0009】従来のスラリー爆薬に樹脂マイクロバルー
ンを採用することは前述したように公知であるが、該発
泡体の量は爆薬組成物の安定性や爆発性能の観点から実
用的には高々2%程度であった。本発明において、驚く
べきことには、実質的に酸化剤水溶液と有機微小中空体
からなる組成物において該中空体の割合を高めて行った
場合にゲル化剤やワックス・界面活性剤がなくても安定
な起爆性能を有する組成物が得られることを見いだし
た。更に該中空体が可燃剤の役割も合わせて有するため
に、石炭粉末、アルミニウム粉末のような可燃剤や、有
機硝酸塩及び/又は無機硝酸塩を主体とする鋭感剤等を
必ずしも必要としないで、優れた性能の爆薬を提供する
ことができるようになった。 【0010】本発明の爆薬組成物は驚くべきことに、主
として酸化剤成分を構成する液相の分離や目視できる酸
化剤の結晶析出も殆どなく、安定な構造を保持すること
ができ、しかも雷管起爆できるものからブースターによ
って起爆できるものまで広範囲の爆薬組成物をカバーす
ることができる。特に有機微小中空体間の距離が計算上
約20μm以下になると一層安定した組成物が得られる
という傾向が認められる。 【0011】本発明に用いる酸化剤は火薬類の技術分野
で公知のものを用いることができ、例えば硝酸、塩素
酸、過塩素酸などの無機酸のアンモニウム塩、アルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩などであり、それらの単独
または組み合わせを選択することができる。中でも硝酸
アンモニウム(硝安)は、水に対する溶解度が高くしか
も容易に入手できることから優れた酸化剤である。本発
明では酸化剤の量は目的とする爆薬の設計仕様に合わせ
て決められ、通常、全組成に対して50〜90重量%程
度が採用される。この割合が小さ過ぎると可燃剤との酸
素バランスがマイナス側にくずれて発破後ガスの有害性
が増加するので好ましくない。 【0012】本発明に用いる水の量は通常、全組成に対
して3〜20重量%程度である。この割合が小さ過ぎる
と、爆薬組成物の固形成分が増大し、安定な爆発性能が
発揮されない恐れがあり、一方大き過ぎると起爆性が低
下するので好ましくない。 【0013】本発明に用いる有機微小中空体は有機高分
子化合物をベースとするものが好ましく、有機高分子化
合物としては例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド、マレ
イン酸樹脂、メラミン樹脂、セルローズ類などの他、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリ
ル酸、アクリル酸塩類、アクリル酸エステル類、メタク
リル酸、メタクリル酸塩類、メタクリル酸エステル類、
スチレン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、酢酸ビ
ニルなどの単独重合物または2種以上からなる共重合
物、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリアセター
ル、ポリアミド類、ポリエチレンオキサイド、ポリフェ
ニレンオキサイドなどがあり、それぞれ単独または2種
以上を混合して使用することができる。これら有機高分
子化合物の中で熱可塑性を有するもの、例えば塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル−メタアクリル酸化エステル共重合
体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体な
どは本発明の実施に当たってより好ましいものである。
特に、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体に低
沸点の炭化水素を内包した未発泡微粒子は加熱により容
易に微小中空体になるので、爆薬成分と混合した後に加
熱発泡して用いることもできる。 【0014】次に本発明の有機微小中空体の形状は、内
部が空洞でガスや空気を内包した球状のものや、中空体
の内部に独立または連続した空間を持つもの等特に限定
はされないが、爆薬組成物が起爆を開始するためのホッ
トスポットを効率よく形成するには、中空球体がより好
ましい。有機小中空体の中に保持される気体は空気の
他、低沸点の炭化水素その他の加熱性ガス、及びそれら
の混合物であってもよい。有機微小中空体の好ましい粒
径の例はおよそ1,000μm以下程度であり、それを
超えると起爆を開始するためのホットスポットの数が減
少して安定した爆発性を確保することが困難となる。よ
り好ましくは20〜200μmの有機微小中空体が爆轟
速度を低下させることなく、安定した爆発性能を得るこ
とができる。有機微小中空体を構成する膜の厚みは、爆
発組成物を構成するための空間を与える強度があれば良
く、通常0.1〜5μmのものが用いられる。また、有
機微小中空体を形成する有機高分子化合物が熱可塑性を
有するものは、爆薬組成物中で加熱発泡可能なものが要
求されるため、発泡した状態の膜の厚みが約0.1〜2
μmのものが用いられる。爆薬組成物中の有機微小中空
体は、通常乾燥状態で測定する嵩密度にして約0.01
〜0.3程度である。有機微小中空体の量は全組成に対
して通常おおむね2〜15重量%程度が用いられ、有機
微小中空体量の量によっても爆薬組成物の密度が調整さ
れる。一般的に有機微小中空体の割合が少な過ぎると起
爆性が低下するばかりでなく、長期にわたって安定した
爆発性能を維持することが困難になり、また一方、割合
が大き過ぎると爆発の威力が低下し発破の信頼性が得に
くい傾向がある。 【0015】本発明による爆薬組成物は主として有機微
小中空体の調整により密度0.2〜1.4g/cm3
ものが安定に得られる。爆速としては通常1,500〜
5,500m/sec程度の性能を有している。本発明
の爆薬組成物を製造する方法の一例としては、酸化剤と
水の混合物を殆ど溶解する程度以上に加熱しておいて、
有機微小中空体と均一に混合する方法がとられる。 【0016】次に、発泡性有機微小粒子を用いて加熱発
泡する方法は特に限定されるものではないが、具体的な
例を挙げると、酸化剤と水と発泡性有機微小粒子をほ
ぼ均一に混合できる程度の温度に加熱して混合溶液とし
たのち、該混合溶液の液滴や飛翔を該発泡性有機微小粒
子が発泡を開始する温度以上に温調した加熱板上又は雰
囲気中に滴下又は噴射して該混合溶液に含まれる発泡性
有機微小粒子を発泡させる方法、酸化剤と水と発泡性
有機微小粒子をほぼ均一に混合できる程度の温度に加熱
して混合溶液としたのち、該混合溶液を該発泡性有機微
小粒子が発泡を開始する温度以上に温調した金属管内に
注入し該金属管内で該混合溶液に含まれる該発泡性有機
微小粒子を発泡させる方法、酸化剤と水と発泡性有機
微小粒子の混合溶液を容器に入れ該発泡性有機微小粒子
が発泡を開始する温度以上の外浴にて該容器を加熱し、
該混合溶液に含まれる該発泡性有機微小粒子を発泡させ
る方法、酸化剤と水と発泡性有機微小粒子を均一に混
合してほぼ均一に混合できる程度の温度に加熱して混合
溶液としたのち、該混合溶液の体積膨張を見込んだ量を
耐熱性のフィルムチューブに充填し、該フィルムチュー
ブ内の空気を除去して密閉したのち該発泡性有機微小粒
子が発泡を開始する温度以上に温調した加温バス又は油
浴中にて該混合溶液に含まれる該発泡性有機微小粒子を
発泡させる方法、酸化剤と水の混合物に熱を加え酸化
剤等の固形塩類の大半を溶解した該発泡性有機微小粒子
が発泡を開始する温度以上の高濃度塩溶液と未発泡の有
機微小粒子とを混合する方法などがある。これらの製造
方法の内、組成物より水が蒸発する場合には、予め水の
蒸発量を予測して目的とする爆薬組成物となるように過
剰の水を加えておくこともできる。また、本発明の爆薬
組成物を製造する方法によれば、温度を調整することに
よって任意に発泡状態を変えることができ、ブースター
によって起爆できるものから雷管1本で起爆できるもの
まで目的に応じた爆薬の設計が可能である。未発泡の有
機微小粒子は加熱することによって、内部の圧力が上昇
し有機高分子の膜が軟化し始める温度くらいから発泡を
開始するもので、体積の比率で約20〜100倍の範囲
に膨張される。ただし、必要以上に加熱して有機微小中
空体が破裂すると、爆薬としての性能を得ることが難し
くなるので、好ましくは過発泡になる前の温度に止める
のが良い。 【0017】本発明による爆薬組成物は粉末状、フレー
ク状、ペースト状などの形態をとり、それぞれの形態、
性状、用途分野などを考慮して従来公知の包装材料例え
ば紙、ラミネート紙、プラスチックフィルム、ラミネー
トプラスチックフィルム、紙筒、プラスチック筒などを
用いて包装品とすることができる。 【0018】本発明の爆薬組成物は、爆薬としての要件
を十分に満足しているが、さらに付加的に性能を向上さ
せるために必要に応じて低級飽和脂肪族アミンの如き有
機硝酸塩や硝酸ヒドラジンの如き無機硝酸塩等を鋭感剤
として加え、特に寒い地域での用途に対応することも可
能である。またトンネルや地下鉱山等での発破後のガス
を考慮して、石炭粉末、アルミニウム粉末のような固体
可燃物を補足することもできる。その他リン酸エステル
などの活性剤;尿素などの分解抑制剤などを添加しても
何ら差し支えない。上記の有機硝酸塩の例としては低級
飽和脂肪族アミンの硝酸塩、硝酸エタノールアミン、硝
酸尿素、硝酸グアニジン、二硝酸エチレンジアミンな
ど、無機硝酸塩の例としては硝酸ヒドラジン、二硝酸ヒ
ドラジン、過塩素酸ヒドラジンなどが挙げられ、それぞ
れ単独または2種以上を混合して使用することができ
る。これらは爆薬組成物に対し安定した起爆性を付与す
るのに有効であるが、硝酸モノメチルアミン、硝酸モノ
エタノールアミン、硝酸ヒドラジンなどは爆薬の調整が
容易で好ましいものである。 【0019】本発明の爆薬組成物及びその製造方法によ
れば、ブースター起爆の爆薬から雷管起爆の爆薬、また
広い爆薬の密度範囲の爆薬が得られ、従来の爆薬のほと
んどをカバーし得るものである。また、エマルジョン爆
薬等に見られる耐死圧性能も向上しており、不発残留の
減少により消費現場の安全性を更に向上させることがで
きる。製造方法については、従来のスラリー爆薬やエマ
ルジョン爆薬のような高度な製造技術を必要とせず、簡
単でしかも安全に製造することができるものである。 【0020】本発明による爆薬組成物は通常、電気雷
管、工業雷管、導火管付き雷管、ガス導火管付き雷管、
電磁起爆方式雷管、レーザー起爆方式雷管、無線起爆方
式雷管、導火線、導爆線などの公知の方法を用いて起爆
することができるが、場合によりブースターを用いて起
爆させることもできる。 【0021】 【実施例】以下、実施例において本発明の更に詳細な態
様を述べるが、本発明は特許請求の範囲内においてこれ
らに限定されるものではない。なお、雷管起爆性、ブー
スター起爆性、爆轟速度、鋼管内薬包伝爆性及び砂中死
圧性能の測定は下記の方法で行った。 【0022】雷管起爆性の測定予めポリエチレンラミネ
ート紙筒又はナイロン66フィルムチューブ(薬包径2
0mm又は30mm、薬長約200mm)に密充填した
爆薬包を約−30℃の冷凍庫に約15時間貯蔵したの
ち、爆薬包の温度を調整しながら6号雷管にて起爆し、
爆薬包が完爆するときの温度を測定した。なお、経時性
能評価のため製造1年後を追加測定した。ブースター起
爆性の測定予め長手方向の片側を密閉した鋼管(JIS
G 3452 32A;内径約36mmφ、長さ350
mm)に充填した試験爆薬をブースター(6号雷管を装
着した2号榎ダイナマイト50g)にて起爆し、鋼管の
破壊状況より完爆したか否かを目視で測定した。なお、
経時性能評価のため製造1年後を追加測定した。薬包充
填品の爆轟速度の測定予めポリエチレンラミネート紙筒
又はナイロン66フィルムチューブ(薬包径20mm又
は30mm、薬長約300mm)に充填した爆薬包を6
号雷管にて起爆し、イオンギャップ法にて爆轟速度を測
定した。なお、経時性能評価のため製造1年後を追加測
定した。 【0023】鋼管充填品の爆轟速度の測定予め鋼管(J
IS G 3452 32A;内径約36mmφ、長さ3
50mm)に充填した爆薬をブースター(6号雷管を装
着した2号榎ダイナマイト50g)にて起爆し、イオン
ギャップ法にて爆轟速度を測定した。なお、経時性能評
価のため製造1年後を追加測定した。鋼管内薬包伝爆性
の測定予めポリエチレンラミネート紙筒又はナイロン6
6フィルムチューブ(薬包径約20φmm、薬長150
mm)に充填した爆薬包を鋼管(JIS G 3452
40A;内径約41.6mmφ、管長3000mm)内
の長手方向に変形しないように約20本並べて装薬した
のち端部の爆薬包を6号雷管にて起爆し、破壊された鋼
管長を測定して鋼管内伝爆性とした。なお、経時性能評
価のため製造1年後を追加測定した。 【0024】砂中死圧性能の測定予めポリエチレンラミ
ネート紙筒又はナイロン66フィルムチューブ(薬包径
30mm、薬長約150mm)に充填した爆薬包2本を
用意し、片方の爆薬包に瞬発6号電気雷管を、もう片方
の爆薬包には10ms段発電気雷管を装着して、砂中8
0cmの深さに平行に並べて埋め、双方の電気雷管を直
列結線し、発破する。この試験を5回繰り返して行い、
10ms段発電気雷管を装着した爆薬包が完爆したか否
かを測定して砂中死圧性能とした。なお、経時性能評価
のため製造1年後を追加測定した。 【0025】 【0026】実施例 硝酸アンモニウム1608g、水310g及び未発泡有
機微小粒子(塩化ビニリデンとアクリロニトリルとメタ
クリル酸エステルとの共重合物(松本油脂(株)商品
名;ミクロパールF−30)82gを金属容器に入れ、
約80℃外浴にて撹拌を加え混合し、約70℃の混合物
を得る。一方、約100〜150℃に加熱した金属板を
用意する。次いで、前記の金属板の表面上に前記混合物
を少量ずつ滴下し、極めて短時間で粗粒状の爆薬組成物
を得た。 【0027】この爆薬組成物を小分けして、20mm
φ、30mmφのポリエチレンラミネート紙筒約30g
〜40gずつ充填し爆薬包とし、爆発性能を調べた。前
記の30mmφ爆薬包の密度は0.35g/cm3であ
り、薬温−10℃において6号雷管で起爆することがで
き、薬温5℃における爆速は1900m/sであった。
又、上記の20mmφの爆薬包を内径41.6mmφの
長さ3mの鋼管に前記の爆薬包を3mの長さにあわせて
装薬し、片方から6号雷管で起爆したところ装薬した全
ての爆薬包が完爆し、破壊された鋼管長は3mであっ
た。更に、前記の30mmφ爆薬包2本を80cmの砂
中に15cmの距離をおいて平行に埋め、片方には瞬発
の6号雷管を、もう片方には10msの段発電気雷管を
装着して起爆する砂中死圧テストを5回実施したとこ
ろ、全てが両方とも完爆した。更に又、製造1年後にも
上記と同様なテストを行ったところ同様な性能を示し
た。これに対し、従来のスラリー爆薬とエマルジョン爆
薬を一般的な製法に従って、爆薬密度を調整し、同様な
テストを実施したところ、いずれも薬温℃以下では6号
雷管で起爆せず、また、鋼管内での爆薬包伝爆テストで
も1.2m近傍で爆轟が中断し、破壊された鋼管長も約
1.2mであった。更に、砂中死圧テストでは10ms
の段発電気雷管を装着した爆薬包が各々2本完爆せずに
回収された。更に又、製造1年後にも同様なテストを行
ったが、いずれも6号雷管で起爆ができないまで性能が
劣化していた。 【0028】実施例2,3,4 実施例1と同様にして、次の爆薬組成物を製造し、それ
ぞれ爆発性能を調べた。 【表1】 【0029】なお、未発泡有機微小粒子1は実施例
用いたものと同一であり、未発泡有機微小粒子2はアク
リロニトリルとメチルメタクリルレート共重合物(エク
スパンセル社商品名;053WU)であり、未発泡有機
微小粒子3はアクリロニトリルとアクリル酸エステルと
の共重合物(松本油脂(株)商品名;ミクロパールF−
50)である。 【0030】上記の3つの爆薬組成物の20mmφ、3
0mmφ爆薬包密度は、それぞれ0.23,0.30,
0.40であり、薬温−10℃の30mmφ爆薬包は6
号雷管で起爆することができ、薬温5℃における爆速は
1900m/s、2000m/s,2200m/sであ
った。又、20mmφ爆薬包を内径41.6mmφの長
さ3mの鋼管に前記の爆薬包を3mの長さにあわせて装
薬し、片方から6号雷管で起爆したところ装薬した全て
の爆薬包が完爆し、破壊された鋼管長は3mであった。
更に製造1年後にも上記と同様なテストを行ったところ
同様な性能を示した。これに対し、従来のスラリー爆薬
とエマルジョン爆薬を一般的な製法に従って、爆薬密度
を調整し、同様なテストを実施したところ、いずれも薬
温0℃以下では6号雷管で起爆せず、また、鋼管内での
爆薬包伝爆テストでも0.8〜1.6m近傍で爆轟が中
断し、破壊された鋼管長も約0.8〜1.6mであっ
た。更に製造1年後にも同様なテストを行ったが、いず
れも6号雷管で起爆ができないまで性能が劣化してい
た。 【0031】実施例 硝酸アンモニウム1608g、水310g及び未発泡有
機微小粒子(塩化ビニリデンとアクリロニトリルとメタ
クリル酸エステルとの共重合物(松本油脂(株)商品
名;ミクロパールF−30)82gを金属容器に入れ、
約70℃水浴中にて撹拌を加え混合し、約70℃の混合
物を得た。前記の混合物を約100〜150℃に加熱し
た20mmφ金属管(管内壁はテフロン加工)の片方よ
り加圧注入し、もう片方より連続発泡した紐状の爆薬組
成物を得た。 【0032】この爆薬組成物を小分けして爆薬包とし、
爆発性能をしらべた。20mmφ爆薬包の密度は0.4
5g/cm3であり、薬温−5℃において6号雷管で起
爆することができ、薬温5℃における爆速は1900m
/sであった。又、爆薬包を内径41.6mmφの長さ
3mの鋼管に前記の爆薬包を3mの長さにあわせて装薬
し、片方から6号雷管で起爆したところ装薬した全ての
爆薬包が完爆し、破壊された鋼管長は3mであった。更
に前記の30mmφ爆薬包2本を80cmの砂中に15
cmの距離をおいて平行に埋め、片方には6号瞬発の雷
管を、もう片方には10msの段発電気雷管を装着して
起爆する砂中死圧テストを5回実施したところ、全てが
両方とも完爆した。更に又、製造1年後にも上記と同様
なテストを行ったところ同様な性能を示した。 【0033】 【0034】 【0035】 【0036】 【0037】 【0038】 【0039】 【0040】 【0041】 【0042】 【0043】 【0044】 【0045】 【0046】 【0047】 【0048】 【0049】 【発明の効果】本発明に係る爆薬組成物は近接する微小
球体の表面及び/又は隙間に実質的に酸化剤と水からな
る相を連続して保持された構造体とすることにより、従
来の含水爆薬組成物の品質保全上に不可欠とされた増粘
剤を実質的に必要とせず、品質を長期に保全できるばか
りでなく、従来の含水爆薬では実用化が困難とされてい
た低比重品の実用化を可能にした。そして、低比重化に
よって爆破の際の騒音、振動を顕著に低減することがで
きる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本願発明に係る爆薬組成物の微細構造の顕微鏡
写真を示す。 【図2】図1を模式的に示した図面。 【図3】従来技術に係る火薬、組成物模式的に示した図
面。 【図4】同上。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−198081(JP,A) 特公 平1−47440(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C06B 47/00 - 47/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】未発泡発泡性有機微小粒子2〜15重量
    %、水3〜20重量%、酸化剤のみよりなる残余成分を
    混合し、実質的に巻き込み気泡を含まない組成物を調整
    し、次いで該組成物を加熱発砲させ、かつ有機微小中空
    体間の距離が計算上20μm以下とすることよりなる実
    質的に酸化剤、水、有機微小中空体からなる該有機微小
    中空体を可燃成分とする爆薬組成物の製造方法。
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