JP3404191B2 - Mri数値シミュレーション方法および装置 - Google Patents

Mri数値シミュレーション方法および装置

Info

Publication number
JP3404191B2
JP3404191B2 JP20423695A JP20423695A JP3404191B2 JP 3404191 B2 JP3404191 B2 JP 3404191B2 JP 20423695 A JP20423695 A JP 20423695A JP 20423695 A JP20423695 A JP 20423695A JP 3404191 B2 JP3404191 B2 JP 3404191B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
magnetization
information
pulse sequence
numerical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20423695A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0947442A (ja
Inventor
陽 谷口
健一 岡島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP20423695A priority Critical patent/JP3404191B2/ja
Publication of JPH0947442A publication Critical patent/JPH0947442A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3404191B2 publication Critical patent/JP3404191B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Medical Treatment And Welfare Office Work (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気共鳴イメージング
(MRI)装置の限界性能、装置特性の影響などを定量
的に調べることを可能にし、より高度なMRI装置を実
現するために用いられるMRI数値シミュレーション方
法およびその方法を実行するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング(MRI)装置
は、検査対象を横切る任意の平面内の原子に磁気共鳴を
起こさせ、発生する磁気共鳴信号から、その平面におけ
る断層像を得る医用画像診断装置である。これまでに種
々の撮影方法が開発されており、異なった撮影方法を用
いることにより、検査対象から得られる情報を選択した
り、画質、撮影時間を調整できる。検査対象から得られ
る情報には、例えば、プロトン密度分布、生体組織に固
有の磁気共鳴のパラメータである縦緩和時間と横緩和時
間の分布、温度分布などがある。
【0003】一般的な撮影方法は以下のとおりである。
まず、撮影したい平面を特定するスライス傾斜磁場を印
加すると同時に高周波磁場パルスを照射し、その平面内
の原子を励起して、励起された原子から発生する磁気共
鳴信号を計測する。その際、磁気共鳴信号に位置情報を
与えるため、励起パルス印加から磁気共鳴信号計測まで
の間に位相エンコード傾斜磁場とリードアウト傾斜磁場
を印加する。2次元の撮影を行うときには、計測した信
号を2次元のk空間と呼ばれる平面上に配置し、2次元
フーリエ変換を行なって画像を得る。高周波磁場パルス
や各傾斜磁場の印加強度や印加タイミングは、パルスシ
ーケンスと呼ばれるタイミングチャートで指定する。パ
ルスシーケンスを変更することにより、種々の撮影方法
を指定できる。
【0004】図1に代表的なパルスシーケンスであるス
ピンエコー法を示す。図1において、横軸は時間を表し
ている。スピンエコー法の撮影手順の概略は以下のとお
りである。静磁場中に検査対象を置き、スライス傾斜磁
場101の印加とともに磁化励起用高周波磁場(RF)
パルス102を照射し、対象物体内のあるスライス内に
磁気共鳴現象を誘起する。磁化に位相エンコード方向の
位置情報を付加するための位相エンコード傾斜磁場パル
ス104を印加し、180度パルス105を印加した
後、リードアウト方向の位置情報を付加するためのリー
ドアウト傾斜磁場パルス106を印加しながら磁気共鳴
信号(エコー信号)103が計測される。エコー信号の
サンプリング点数は通常64から512である。通常、
このサンプリング点数がリードアウト方向の画素数に一
致する。また、励起からエコー信号の計測終了まで、通
常、数百ミリ秒である。1枚の画像を得るのに必要なデ
ータを計測するため、以上の手順を、位相エンコード傾
斜磁場パルス104の印加量を変化させながら複数回繰
り返し、複数個のエコー信号を計測する。このとき、一
度励起された磁化が平衡状態に戻るのに数秒を要するた
め、エコー信号の計測終了から次の励起までには、待ち
時間が必要である。また、繰り返し回数は、通常、位相
エンコード方向の画素数に一致し、64から256が一
般的である。
【0005】計測終了後、エコー信号は、k空間と呼ば
れる2次元平面上に並べられ、2次元逆フーリエ変換に
より画像再構成され、断層像が得られる。画素数は、通
常、(1個のエコーのサンプリング点数)×(エコー
数)になる。
【0006】撮影中の検査対象内の磁気共鳴現象は、単
位体積中の磁気モーメントの総和である磁化M=(M
x、My、Mz)のふるまいに基づき、ブロッホ(Bl
och)の方程式(数1)と呼ばれる時変係数の3元連
立常微分方程式で記述される(例えば、ファラー・ベッ
カー、パルスおよびフーリエ変換NMR、吉岡書店)。
【0007】
【数1】 (数1)において、H=H0+Gx・x+Gy・y+G
z・z+ω/γであり、H0は静磁場強度、Gx、G
y、Gzはそれぞれ添え字の軸方向の傾斜磁場、H1は
高周波磁場、γは磁気回転比で元素に固有の定数、ωは
回転座標系の角周波数、M0は熱平衡磁化、T1とT2
はそれぞれ縦緩和時間と横緩和時間で組織に固有の定数
である。
【0008】MRI数値シミュレーションでは、パルス
シーケンスに応じて、検査対象内のすべての磁化毎にブ
ロッホ方程式を解き、任意の時刻の磁化分布を求めるこ
とができる。また、磁気共鳴信号は、横磁化成分(M
x、My)のベクトル和として求める。ただし、検査対
象に連続的に分布している磁化を計算機内部で離散的に
扱う必要があるため、図2に示すように検査対象のモデ
ル201を格子に分割し、各格子に配置した磁化203
について、ブロッホの方程式を解く。十分な計算精度を
得るために必要な磁化の数は、通常のシミュレーション
では、画素数の4×4倍以上であり、例えば256×2
56の画像では、約10の6乗個になる。なお、磁化と
して与えるパラメータは、(M、T1、T2)の組であ
る。
【0009】ブロッホ方程式の解法としては、高周波磁
場パルスが印加されていない場合には解析解が用いられ
るが、高周波磁場が印加されている場合には解析解が求
められていないため、ルンゲ−クッタ(Runge−K
utta)法、ルンゲ−クッタ−ギル(Runge−K
utta−Gill)法、ミルン(Milne)法、ギ
ア(Gear)法などの数値解法(例えば、大野他監
修、数値計算ハンドブック、オーム社)が用いられる。
ところが、数値解法を用いてMRIの数値シミュレーシ
ョンを行なう場合には、格子上に配置したすべての磁化
についてパルスシーケンス上の任意の時刻における解を
求めなければならないため、膨大な計算時間と累積する
計算誤差の問題があった。
【0010】これに対し、MRIの数値シミュレーショ
ンを高速に行なう方法として、遷移行列を用いた方法
(例えば、谷口他、遷移行列法と磁化の周期性を利用し
たMRI高速画像シミュレータ、電子情報通信学会論文
誌D−II、pp.566−572、Vol.J77−
D−II、No.3、1994年3月)が考案されてい
る。この方法は、ブロッホの方程式が線形であり、ま
た、繰り返し印加される高周波磁場パルスがすべて等し
いというMRI撮影の特徴を利用して演算量を減らした
計算方法である。ブロッホの方程式が線形であることか
ら、高周波磁場パルス印加前後の磁化の関係を遷移行列
と呼ばれる行列で表すことができる。この遷移行列をあ
らかじめ求めておけば、高周波磁場パルス印加部分の計
算を1回の行列演算で済ませることができる。遷移行列
を求めるためには数値解法を4回用いなければならない
が、繰り返し印加される高周波磁場パルスがすべて等し
いため、遷移行列を求めるのは1回だけでよい。従っ
て、例えば、256回繰り返す撮影では演算量を4/2
56に減らすことができる。
【0011】一方、パルスシーケンスの各種パラメータ
の入力方法に関して、従来のMRI数値シミュレーショ
ン装置においては、キーボードを用いて数値にて入力す
る方法をとっていた。(例えば、アール.エム.サマー
ズ(R.M.Sumers)他、マグネティック レゾ
ナンス イン メディスン(Magn.Reson.M
ed.)、Vol.3、pp.363−376、198
6)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】シミュレーションを開
始する前にすべての磁化について遷移行列を求める上記
従来技術のMRI数値シミュレーション方法は、必ずし
も効率的であるとはいえない。なぜなら、遷移行列は磁
化の緩和時間と磁化の置かれている位置の磁場強度に依
存し、かつ、検査対象内には緩和時間や磁場強度の等し
い磁化が、通常無数に存在するからである。緩和時間は
検査対象の組織に固有の定数であるので高々数種類しか
存在せず、また、検査対象の存在する空間の磁場強度
は、静磁場不均一が存在しない場合には一定であり、静
磁場不均一が存在する場合にも緩やかに変化する。従来
の遷移行列を用いた方法では、同じ等磁場線上にある同
じ緩和時間を持った磁化については、同じ計算を行なっ
ていることになる。また、キーボードを用いてパルスシ
ーケンスのパラメータを入力していた従来のMRI数値
シミュレーション装置では、複雑なパルスシーケンスを
シミュレートする場合、その入力に多大な労力を要して
いた。
【0013】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたものであり、本発明の目的は、より効率良く計算を
行い、処理時間を短縮したMRI数値シミュレーション
方法を提供することにある。本発明の他の目的は、この
労力を低減し、使い勝手の良いMRI数値シミュレーシ
ョン装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のうち代表的な構
成の概要を簡単に説明すれば以下のとおりである。即
ち、本発明によるMRI数値シミュレーション方法は、
検査対象のモデルとして与えられた磁化の集合を、複数
のグループに分割するステップを有することに特徴があ
り、そのステップは、静磁場の強度が等しい磁化のグル
ープを構成する。また、磁化を複数のグループに分割す
るステップには、静磁場の強度が等しい等磁場領域を探
索するステップを有する。そして、パルスシーケンス中
の高周波磁場が印加されている時間領域において、磁気
共鳴現象を記述する方程式の遷移行列を磁化のグループ
1個につき1個だけ求める。
【0015】また、パルスシーケンス入力部として、各
種入力装置とグラフィックディスプレイ装置を用いてパ
ルスシーケンスのパラメータをグラフィックで画面上で
対話的に入力する手段(例えば、特開平3−37044
号公報)を設ける。
【0016】
【作用】本発明のMRI数値シミュレーション方法で
は、探索された各等磁場領域内に存在する複数の磁化に
対して遷移行列を1個だけ求めている。従って、従来の
ように1つ1つの磁化のすべて対して遷移行列を求める
必要がないため、演算のむだを省いて効率良くシミュレ
ーションを行なうことができる。
【0017】また、グラフィック画面を用いた対話的な
パルスシーケンス入力部を設けることにより、複雑なパ
ルスシーケンスでも効率良くパラメータの入力ができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明のMRI数値シミュレーション
方法を図を参照して詳細に説明する。図3は、本発明に
よるMRI数値シミュレーション装置の一実施例の構成
の概略を示す図である。図3で、101はキーボードや
マウスなどから構成される入力部、102は記憶装置、
103はディスプレイ、104はメモリでありそれぞれ
制御部105に接続している。また、制御部105に
は、パルスシーケンス情報生成部106、装置特性情報
生成部107、検査対象情報生成部108が接続されて
いる。パルスシーケンス情報生成部106と装置特性情
報生成部107、検査対象情報生成部108は、それぞ
れ、入力部101から入力されたパルスシーケンス情
報、装置特性情報、検査対象情報を内部データに変換
し、メモリ104に格納する。パルスシーケンス情報と
は、高周波磁場H1や傾斜磁場Gx、Gy、Gzの波
形、強度、印加時間等の情報である。装置特性情報は、
静磁場H0、高周波磁場H1、傾斜磁場Gx、Gy、G
z等の空間的な分布、傾斜磁場ではさらに渦電流等によ
る時間的な波形歪特性等の情報からなる。検査対象情報
は、検査対象モデルの対象核種の種類(例えばプロト
ン)、熱平衡磁化分布、磁気回転比、緩和時間(T1、
T2)分布等の情報からなる。
【0019】検査対象情報生成部108での情報変換は
以下のとおりである。即ち、入力された検査対象情報の
磁化分布等を格子状に分割し、各格子に分布に応じた大
きさや緩和時間を持つ磁化を配置する。この一例を、図
2に示す。図2に示した検査対象のモデル201は、熱
平衡磁化M0が大きさ1の均質な矩形形状である。パル
スシーケンスによって得られる画素数の4×4倍以上の
格子に視野202を分割した後、検査対象モデルの存在
する領域にある各格子それぞれに検査対象のモデルの磁
化分布に応じた大きさ(ここでは1)と緩和時間の磁化
203を1個ずつ配置する。装置特性情報生成部107
でも検査対象情報生成部と同じ大きさの格子状に視野を
分割し、各格子での磁場強度等を求めて内部データとす
る。
【0020】パルスシーケンス情報は、キーボードを用
いて数値にて入力するのではなく、入力部101と表示
部102を用いてグラフィック画面上で対話的に入力し
た方がよい。例えば、特開平3−37044号公報に示
されるパルスシーケンス情報入力ツールを用いると、複
雑なパルスシーケンスも容易に入力できる。このツール
の入力画面の一例を図10に示す。MRI数値シミュレ
ーションは、このツールを用いてパルスシーケンス情報
を入力した後、実行される。こうした構成をとることに
より、複雑なパルスシーケンスであっても効率良くMR
I数値シミュレーションを行なうことが可能になる。な
お、入力したパルスシーケンス情報を中間ファイルとし
て記憶装置102に蓄えておけば、その後何度でも同じ
パルスシーケンスをシミュレートすることも可能であ
る。パルスシーケンス情報生成部では、例えば、入力さ
れたパルスシーケンスの様々なパルスを時系列に並べた
リスト構造にする等して、取り扱いやすい形の内部デー
タに変換する。
【0021】一方、装置特性情報や検査対象情報は、空
間的な情報を持っているので、キーボードを用いた入力
ではなく、パルスシーケンス情報の入力と同様に入力部
101と表示部102を用いてグラフィック画面上で対
話的に入力した方がよい。こうすることにより、情報の
入力が容易になる。さらに、装置特性情報の入力には、
すでに公知の装置特性解析装置の出力を用いることもで
きる。例えば、高周波磁場H1の空間分布情報として
は、特願平3−261823号に示されるアンテナの解
析支援装置の出力が利用できる。これにより、MRI装
置特性を実測しなくてもMRI装置全体の数値シミュレ
ーションが可能になる。
【0022】入力部101から入力された各情報は、記
憶装置102に蓄えておき、次回のシミュレーション実
行時に用いてもよい。また、検査対象情報生成部や装置
特性情報生成部、パルスシーケンス情報生成部で変換さ
れた結果を同様に記憶装置102に蓄えておき、次回の
シミュレーション実行時に用いてもよい。これにより、
パルスシーケンス等の各種データを入力する手間や変換
処理を省略できる。
【0023】なお、パルスシーケンス情報入力部の出力
を、パルスシーケンス情報生成部だけでなくMRI装置
の制御装置にも接続する構成をとれば、本発明のMRI
数値シミュレーション装置にて評価、調整を行なったパ
ルスシーケンスをそのままMRI装置に渡し、実際の撮
影に用いることが可能となり、パルスシーケンスの開発
がさらに容易となる。
【0024】制御部105には、この他に磁化グループ
生成部109、数値演算部110、データ処理部111
が接続している。磁化グループ生成部109では、検査
対象情報生成部108と装置特性情報生成部107によ
って格子状に分割された磁化情報と装置特性内部データ
とをメモリから読み込み、検査対象を等磁場領域に分割
し、磁化の置かれている位置の磁場強度が等しいもの同
士が同じグループに含まれるようにして、磁化を複数の
グループに分け、結果をメモリ104に格納する。グル
ープ分けの操作は、図5に示すように各等磁場線501
のそれぞれについて、その上にある磁化の集合を生成す
ることに相当する。
【0025】グループ分けの操作の手順の一例を図6に
示す。まず、全ての磁化n個をその位置の磁場強度にて
昇順あるいは降順にソート(ステップ601)した後、
磁化番号iとグループ番号jを1にセットして(ステッ
プ602)1番目の磁化M1をグループG1に入れる
(ステップ603)。そして、i=2からnまで以下の
ステップを繰り返す。即ち、i番目の磁化Miが(i−
1)番目の磁化M(i−1)と磁場強度が等しいかどう
かの判定を行い(ステップ604)、等しければMiを
Gjに入れ(ステップ603)、等しくなければjをj
+1に置き換えてから(ステップ605)MiをGjに
入れる(ステップ603)。
【0026】一方、数値演算部110では、メモリから
読み込まれたパルスシーケンス内部データと装置特性内
部データ、磁化分布、磁化のグループ情報に基づいてブ
ロッホの式(数1)が解かれ、磁気共鳴信号あるいは磁
化分布が出力され、メモリへ格納される。磁気共鳴信号
は直接、あるいはデータ処理部111による画像再構成
処理(例えばフーリエ変換)によって検査対象の像に変
換され、ディスプレイ103に表示される。また、磁化
分布は直接あるいは座標変換等が行われた後、ディスプ
レイ103に表示される。
【0027】数値演算部110には、少なくとも図4に
示すような処理部(解析演算部301、遷移行列演算部
302、遷移行列作成部303、数値計算部304)が
組み込まれている。解析解演算部301は、高周波磁場
が印加されていない場合に解析解を用いてブロッホの式
を解き、遷移行列演算部302は高周波磁場印加部分の
ブロッホの式の解を遷移行列を用いて求める。遷移行列
生成部303は、遷移行列演算部302で用いる遷移行
列を求める。このとき、数値計算部304が数値解法を
用いて求めた解を用いる。磁気共鳴信号は、磁気共鳴信
号計算部(図4では省略)が磁化分布の総和をとり求め
られる。
【0028】遷移行列生成部303が遷移行列を求める
際には、各磁化それぞれについて遷移行列を求めるので
はなく、等磁場強度の磁化のグループ1個につき1個の
遷移行列を求める。これにともない、遷移行列演算部3
02では、各磁化に対してブロッホの式の解を求める
際、その磁化の属するグループの遷移行列を用いる。こ
うすれば、数値解法を用いた計算負荷の高い演算の回数
を減らすことができ、処理時間を大幅に短縮できる。
【0029】数値演算部110は、図7に示すようにk
個の数値演算部P1、P2、……、Pkから構成されて
いてもよい。各数値演算部ではブロッホの式を解くため
の演算を分担して行なう。この場合、磁化グループ生成
部109では、n個の磁化をk個のグループに均等に分
割し、各数値演算部はそれぞれn/k個の磁化からなる
グループ1個を担当する。この場合、各数値演算部には
少なくとも図8に示すような処理部(磁化グループ生成
部305、解析演算部301、遷移行列演算部302、
遷移行列作成部303、数値計算部304)が組み込ま
れている。各数値演算部内では、磁化グループ生成部3
05で図6に示した手順で磁化のグループ化を行い、グ
ループ1個につき1個の遷移行列を求め、ブロッホの式
を解く。このような構成では、1個の演算部だけで処理
を行なうより演算部1個あたりの負荷が軽くなり、より
高速にシミュレーションを行なうことができる。
【0030】各数値演算部に磁化を割り当てる方法とし
て、磁化グループ生成部109が図6の手順で生成した
磁化グループG1、G2、……を各数値演算部への割り
当てグループ数が均等になるようにしてもよい。即ち、
グループ数をm、演算部の数をkとしたとき、m/k個
のグループを各数値演算部に割り当てる。こうすれば、
各数値演算部ごとに同じ遷移行列を求めることがなく、
各数値演算部の負荷を均等にできる。この場合、各数値
演算部には少なくとも図4に示す処理部(解析演算部3
01、遷移行列演算部302、遷移行列作成部303、
数値計算部304)が含まれている。
【0031】各グループに含まれる磁化の個数に大きな
差がある場合、この割り当て方法では各数値演算部の担
当する磁化の個数にばらつきが生じるため、各数値演算
部の負荷が均等にならない。その様な場合には、磁化グ
ループ生成部109は図9に示す手順でグループ化を行
なう。まず、全ての磁化n個をその位置の磁場強度にて
昇順あるいは降順にソートし(ステップ901)、k個
の演算部にそれぞれ先頭から順にn/k個ずつ磁化を割
り当てる(ステップ902)。以上の処理は、磁化グル
ープ生成部109が行なう。各数値演算部は少なくとも
図8に示す処理部(磁化グループ生成部305、解析演
算部301、遷移行列演算部302、遷移行列作成部3
03、数値計算部304)をもち、それぞれ磁化グルー
プ生成部305で図6の処理を行なった後、シミュレー
ション演算を行なう。この構成によれば、各数値演算部
の負荷を均等にでき、処理時間を最小にできる。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明によるMRI数
値シミュレーション方法及びその方法を実施するMRI
数値シミュレーション装置によれば、等磁場領域内にお
ける複数の磁化に対する同じ計算を1回で済ませること
ができ、演算の効率を向上し、処理時間を大幅に短縮で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の代表的なスピンエコー法のパルスシ
ーケンス。
【図2】検査対象、視野、磁化の関係を示す図。
【図3】本発明によるMRI数値シミュレーション装置
の一実施例の構成の概略を示す図。
【図4】本発明の一実施例の数値演算部の構成を示す
図。
【図5】本発明の等磁場線のそれぞれの上にある磁化の
集合を説明する図。
【図6】本発明の磁化のグループ分けの操作の手順の一
例を示すフロー図。
【図7】本発明の、複数の数値演算部から構成される数
値演算部の例を示す図。
【図8】本発明の数値演算部の構成例を示す図。
【図9】本発明のグループ生成部での磁化のグループ化
を行なう手順を示す図。
【図10】パルスシーケンス情報入力ツールの入力画面
の一例を示す図。
【符号の説明】
101…スライス傾斜磁場パルス、102…磁化励起用
高周波磁場パルス、103…エコー信号、104…位相
エンコード傾斜磁場パルス、105…180度パルス、
106…リードアウト傾斜磁場パルス。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−98878(JP,A) 特開 平7−23918(JP,A) 谷口陽 他,高速MRIシミュレータ の開発,電気情報通信学会大会講演論文 集,日本,1992年,1992年秋季大会,6 −87(D−87) 田口順一 他,空間パタン解析を取り 入れた磁気共鳴診断装置(MRI)にお ける高速シミュレーション手法,情報処 理学会論文誌,日本,1994年,Vol. 35,No.1,p11−p19 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検査対象のモデルとして与えられた格子状
    の磁化の集合を磁場強度が等しい前記磁化をもつ複数の
    グループに分割して数値解法を用いて,高周波磁場の印
    加の前後の磁化の関係を表わす遷移行列を1つの前記磁
    化のグループに対して1つ求め,前記高周波磁場が印加
    されていない場合に解析解を用いて核磁気共鳴現象を記
    述するブロッホの式を解き,前記高周波磁場が印加され
    ている場合に,前記各磁化に対してその磁化の属する前
    記グループに対して求められている前記遷移行列を用い
    て前記ブロッホの式を解いて,MRI装置で使用するパ
    ルスシーケンスに応じて,前記格子上に配置した前記磁
    化について前記パルスシーケンスの任意の時間における
    前記ブロッホの式の解を求めることを特徴とするMRI
    数値シミュレーション方法。
  2. 【請求項2】高周波磁場及び傾斜磁場の波形,強度,印
    加時間に関する情報を含むパルスシーケンス情報と,静
    磁場,前記高周波磁場及び前記傾斜磁場の空間的な分布
    に関する情報を含む装置特性情報と,検査対象のモデル
    の対象核種とその磁気回転比,熱平衡磁化分布及び緩和
    時間の分布に関する情報を含む検査対象情報とを入力
    し,前記熱平衡磁化分布を複数の格子に分割して各格子
    に前記熱平衡磁化分布に応じた大きさと前記緩和時間の
    磁化を配置して格子状に分割された磁化分布情報を作成
    し,前記格子と同じ大きさの格子に視野を分割して前記
    各格子での磁場強度を求め格子状に分割された装置特性
    データを作成し,前記パルスシーケンス情報のパルスを
    時系列に変換したパルスシーケンスデータを作成し,前
    記磁化が配置されている位置の磁場強度が等しい磁化を
    同じグループに含むように,前記モデルとして与えられ
    た前記磁化の集合を複数のグループに分割して磁化のグ
    ループ情報を作成し,前記パルスシーケンスデータと,
    前記装置特性データと,前記磁化分布情報と,前記磁化
    のグループ情報とに基づいて,核磁気共鳴現象を記述す
    るブロッホの式を解いて磁気共鳴信号あるいは磁化分布
    を求め,前記磁気共鳴信号を画像再構成処理して前記検
    査対象の像に変換し,前記磁気共鳴信号,あるいは前記
    検査対象の像をディスプレイに表示するMRI数値シミ
    ュレーション方 法であり,前記高周波磁場が印加されて
    いない場合に解析解を用いて前記ブロッホの式を解き,
    数値解法を用いて前記高周波磁場の印加の前後の磁化の
    関係を表わす遷移行列を1つの前記磁化のグループに対
    して1つ求め,前記高周波磁場が印加されている場合
    に,前記各磁化に対してその磁化の属する前記グループ
    に対して求められている前記遷移行列を用いて前記ブロ
    ッホの式を解いて,MRI装置で使用するパルスシーケ
    ンスに応じて,前記格子上に配置した前記磁化について
    前記パルスシーケンスの任意の時間における前記ブロッ
    ホの式の解を求めることを特徴とするMRI数値シミュ
    レーション方法。
  3. 【請求項3】高周波磁場及び傾斜磁場の波形,強度,印
    加時間に関する情報を含むパルスシーケンス情報と,静
    磁場,前記高周波磁場及び前記傾斜磁場の空間的な分布
    に関する情報を含む装置特性情報と,検査対象のモデル
    の対象核種とその磁気回転比,熱平衡磁化分布及び緩和
    時間の分布に関する情報を含む検査対象情報とを入力す
    る入力部と,前記パルスシーケンス情報と,前記装置特
    性情報と,前記検査対象情報とを記憶するメモリと,前
    記熱平衡磁化分布を複数の格子に分割して各格子に前記
    熱平衡磁化分布に応じた大きさと前記緩和時間の磁化を
    配置して格子状に分割された磁化分布情報を前記メモリ
    に記憶する検査対象情報生成部と,前記格子と同じ大き
    さの格子に視野を分割して前記各格子での磁場強度を求
    め,格子状に分割された装置特性データを前記メモリに
    記憶する装置情報情報生成部と,前記パルスシーケンス
    情報のパルスを時系列に変換したパルスシーケンスデー
    タを前記メモリに記憶するパルスシーケンス情報生成部
    と,前記磁化分布情報及び前記装置特性データを前記メ
    モリから読み出して,前記磁化が配置されている位置の
    磁場強度が等しい磁化を同じグループに含むように,前
    記モデルとして与えられた前記磁化の集合を複数のグル
    ープに分割して作成した磁化のグループ情報を前記メモ
    リに記憶する磁化グループ生成部と,解析演算部と遷移
    行列演算部と遷移行列作成部と数値計算部とから構成さ
    れ,前記メモリから読み出した前記パルスシーケンスデ
    ータと,前記装置特性データと,前記磁化分布情報と,
    前記磁化のグループ情報とに基づいて,核磁気共鳴現象
    を記述するブロッホの式を解いて得られた磁気共鳴信号
    あるいは磁化分布を前記メモリに記憶する数値演算部
    ,前記磁気共鳴信号を画像再構成処理して前記検査対
    象の像に変換するデータ処理部と,前記磁気共鳴信号,
    あるいは前記検査対象の像を表示するディスプレイとを
    具備するMRI数値シミュレーション装置であり,前記
    解析演算部は前記高周波磁場が印加されていない場合に
    解析解を用いて前記ブロッホの式を解き,前記遷移行列
    作成部は,前記高周波磁場の印加の前後の磁化の関係を
    表わす遷移行列を1つの前記磁化のグループに対して1
    つ求め,前記数値計算部は前記遷移行列を数値解法を用
    いて求め,前記遷移行列演算部は,前記高周波磁場が印
    加されている場合に,前記各磁化に対してその磁化の属
    する前記グループの前記数値解法を用いて求めた前記遷
    移行列を用いて前記ブロッホの式を解き,MRI装置で
    使用するパルスシーケンスに応じて,前記格子上に配置
    した前記磁化について前記パルスシーケンスの任意の時
    間における前記ブロッホの式の解を求めることを特徴と
    するMRI数値シミュレーション装置。
JP20423695A 1995-08-10 1995-08-10 Mri数値シミュレーション方法および装置 Expired - Fee Related JP3404191B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20423695A JP3404191B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 Mri数値シミュレーション方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20423695A JP3404191B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 Mri数値シミュレーション方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0947442A JPH0947442A (ja) 1997-02-18
JP3404191B2 true JP3404191B2 (ja) 2003-05-06

Family

ID=16487109

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20423695A Expired - Fee Related JP3404191B2 (ja) 1995-08-10 1995-08-10 Mri数値シミュレーション方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3404191B2 (ja)

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
田口順一 他,空間パタン解析を取り入れた磁気共鳴診断装置(MRI)における高速シミュレーション手法,情報処理学会論文誌,日本,1994年,Vol.35,No.1,p11−p19
谷口陽 他,高速MRIシミュレータの開発,電気情報通信学会大会講演論文集,日本,1992年,1992年秋季大会,6−87(D−87)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0947442A (ja) 1997-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1831712B1 (en) Magnetic resonance imaging system and method
US8049497B2 (en) MRI RF encoding using multiple transmit coils
US4730620A (en) Nuclear magnetic resonance method and apparatus for reducing motion artifacts
JP3064361B2 (ja) 核磁気共鳴装置
CN107533121A (zh) 具有对主磁场中的不均匀性的降低的敏感度的磁共振指纹
JP3146534B2 (ja) 核磁気共鳴装置
JPS59132346A (ja) 核磁気共鳴方法および装置
van der Heide et al. High‐resolution in vivo MR‐STAT using a matrix‐free and parallelized reconstruction algorithm
EP0165610B1 (en) High speed imaging method with three-dimensional nmr
US20150177350A1 (en) Methods and Systems for Improved Magnetic Resonance Acquisition
JPH0456622B2 (ja)
JPH0747023B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPH06171A (ja) フーリエ変換を用いるmri画像のリサイジング方法
JP6613161B2 (ja) Mriシミュレーションシステム
JP3404191B2 (ja) Mri数値シミュレーション方法および装置
JP2585278B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JPS6012043A (ja) Nmr映像法
JPS5983041A (ja) 核磁気共鳴による検査方法及び検査装置
JPH0785737B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置
JP3450508B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP6157976B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置、及び方法
JPH0723918A (ja) Mri数値シミュレーション法及びその装置
JP3350071B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JPH02241432A (ja) 核磁気共鳴イメージング方法
JP3490542B2 (ja) 核磁気共鳴を用いた検査装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees