JP3399322B2 - 歯車の歯面形状の測定方法および測定装置 - Google Patents

歯車の歯面形状の測定方法および測定装置

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JP3399322B2
JP3399322B2 JP29622397A JP29622397A JP3399322B2 JP 3399322 B2 JP3399322 B2 JP 3399322B2 JP 29622397 A JP29622397 A JP 29622397A JP 29622397 A JP29622397 A JP 29622397A JP 3399322 B2 JP3399322 B2 JP 3399322B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯車の歯面形状
を測定するための方法および装置に関し、特に、はすば
歯車の歯面形状を測定する方法および装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用の動力伝達装置は変速機
を備えており、変速機に入力された回転速度が所定の回
転速度に変換されて出力される。この変速機には歯車式
の変速機構が多用されており、歯車同士の噛み合いによ
り生じたギヤノイズや振動が、空気伝播あるいは固体伝
播により重畳されて騒音を引き起こす可能性がある。こ
のようなギヤノイズや振動が発生する原因としては、歯
車の精度による影響が大きいことが確認されている。
【0003】ギヤノイズや振動を低減させるための方法
としては、歯車の歯面形状を正確に測定し、この測定結
果に基づいて各歯の歯面形状を管理・評価することが挙
げられる。しかし、歯車を単体でその歯面形状を測定す
る方法では、歯車同士が実際に噛み合う状態に即して歯
面形状を測定することが困難である、そこで、近年では
歯車同士が実際に噛み合う状態に即して歯面形状を測定
するために、歯面同士の作用点の移動軌跡を示す噛み合
い進行方向に沿って歯面形状を測定する方法が提案され
ている。このような測定方法の一例が特開平8−210
802号公報に記載されている。
【0004】この公報には、XYZ軸方向の各駆動手段
を有する測定機本体と、該測定機本体のZ軸に回転軸を
一致して被測定材(歯車)が装着される主軸装置と、上
記各駆動手段により被測定材における噛み合い歯面間の
理想歯の形状に基づく作用点の移動軌跡の運動が付与さ
れた測定子と、該測定子の理想運動と上記被測定材にお
ける噛み合い歯面間の作用点の実測運動との誤差信号を
出力する検出手段と、各駆動手段及び主軸装置をNC制
御する電気制御装置とを具備した測定機が記載されてい
る。
【0005】そして、上記測定機を使用して、回転動作
中のはすば歯車における噛み合い歯面の同時接触線に直
交する共通法線の移動軌跡の形状が測定される。その結
果、はすば歯車同士が噛み合って回転動作している場合
の共通要素に係る形状情報の誤差信号が得られ、ギヤノ
イズや振動の解析が容易になるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、工作機械に
よって量産される歯車は、各歯毎に歯面形状のバラツキ
が生じている。このため、実際に歯同士が噛み合った状
態における作用点の移動軌跡、つまり、噛み合い進行方
向が、各歯毎に異なる可能性がある。しかしながら、上
記公報に記載された測定方法においては、噛み合い歯面
の同時接触線に直交する共通法線の移動軌跡を一律に噛
み合い進行方向として用いている。このため、設定され
る噛み合い進行方向と、実際の噛み合い進行方向とが異
なる場合があった。その結果、各歯毎の歯面形状の測定
精度が低下して歯車の精度に関する評価・管理が不適当
になり、ギヤノイズや振動が増大する可能性があった。
【0007】この発明は、上記の事情を背景にしてなさ
れたものであり、各歯同士の実際の噛み合い状態に即し
た噛み合い進行方向を設定することの可能な測定方法お
よび測定装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】上記の目
的を達成するため、請求項1に記載された歯車の歯面形
状の測定方法は、歯面同士の噛み合い作用点が、各歯車
の回転にともなって移動する方向を歯車の噛み合い進行
方向とし、この歯車の噛み合い進行方向に沿って歯面形
状を測定する歯車の歯面形状の測定方法において、前記
歯車における複数の同時接触線方向の各歯面形状を測定
し、各実測歯面形状の頂点に基づいて前記噛み合い進行
方向を設定することを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載された歯面形状の測
定装置は、歯面同士の噛み合い作用点が、各歯車の回転
にともなって移動する方向を歯車の噛み合い進行方向と
し、この歯車の噛み合い進行方向に沿って歯面形状を測
定する歯車の歯面形状の測定装置において、前記歯車に
おける複数の同時接触線方向の各歯面形状を測定する歯
面形状測定手段と、歯面形状測定手段により測定された
各実測歯面形状の頂点に基づいて噛み合い進行方向を設
定する噛み合い進行方向設定手段とを備えていることを
特徴とする。
【0010】請求項1に記載された発明および請求項2
に記載された発明において、噛み合い進行方向とは、歯
面同士の噛み合い作用点が、各歯車の回転に伴って移動
する方向を意味している。また、請求項1に記載された
発明および請求項2に記載された発明において、各実測
歯面形状の頂点とは、各実測歯面形状の突出量として把
握される最大値を示す位置(点)を意味している。
【0011】請求項1に記載された発明、または、請求
項2に記載された発明によれば、実際に歯面同士が噛み
合った状態で接触する突出部分が、各実測歯面形状の頂
点として現れる。このため、複数の同時接触線方向の各
実測歯面形状の頂点に基づいて噛み合い進行方向を設定
すれば、実際の歯面同士の噛み合い状態にほぼ一致する
噛み合い進行方向が得られる。このようにして設定され
た噛み合い進行方向に沿って歯面形状を測定すれば、各
歯毎の歯面形状を正確に管理・評価することができ、ギ
ヤノイズや振動の低減に寄与できる。
【0012】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施例を添付
図面に基づいて説明する。図1は、この発明の測定装置
A1の一実施例を概略的に示す斜視図である。すなわ
ち、ベッド1上には、はすば歯車を保持するための回転
軸2が上方に向けて設けられている。また、ベッド1上
には支柱1Aが立設されており、支柱1Aにはほぼ水平
方向に突出した腕部1Bが取り付けられている。この腕
部1Bは、支柱1Aに沿って上下方向に移動可能に構成
されている。そして、腕部1Bの先端には、はすば歯車
の他方の軸端を支えるピン3が下向きに取り付けられて
いる。このピン3は、回転軸2の上方に回転軸2と対向
して配置されている。
【0013】また、ベッド1上において、回転軸2を隔
てて支柱1Aと対向する位置にはコラム4が配置されて
いる。このコラム4は、回転軸2に接近・離隔してほぼ
水平方向(Y方向)に往復動可能に構成されている。こ
のコラム4の回転軸2側の正面には、回転軸2の中心軸
線と平行な方向、すなわちほぼ垂直方向(Z方向)に往
復動するZ軸ヘッド5が取付けられている。
【0014】さらに、このZ軸ヘッド5の下面には、Z
軸ヘッド5に対してほぼ水平方向(X方向)に往復動す
るX軸ヘッド6が取付けられている。なお、ほぼ水平な
平面内において、X方向とY方向とが直交している。こ
のX軸ヘッド6の回転軸2側の正面に、検出器8を介し
て触針7が取り付けられている。この検出器8は、例え
ば電磁誘導の原理により触針7の変位を検出するピック
アップコイル(図示せず)を備えている。
【0015】上記の回転軸2およびコラム4ならびに各
軸のヘッド5,6は、数値制御(NC)されて回転およ
び駆動されるようになっている。図2は、回転軸2およ
びコラム4ならびに各軸のヘッド5,6の制御系統を模
式的に示すブロック図である。すなわち、回転軸2を駆
動するサーボモータ9が、回転コントローラ10によっ
て制御される。また、サーボモータ9の回転量を検出す
るロータリエンコーダ11と、回転コントローラ10と
が接続され、ロータリエンコーダ11のフィードバック
信号を回転コントローラ10に入力するように構成され
ている。
【0016】さらに、コラム4を直線的に往復動させる
サーボモータ12は、Y軸コントローラ13によって制
御される。そして、コラム4の移動量を検出するリニア
エンコーダ14と、Y軸コントローラ13とが接続さ
れ、リニアエンコーダ14のフィードバック信号をY軸
コントローラ13に入力するように構成されている。
【0017】さらにまた、Z軸ヘッド5を上下方向に直
線的に移動させるサーボモータ15は、Z軸コントロー
ラ16によって制御される。そして、Z軸ヘッド5の移
動量を検出するリニアエンコーダ17と、Z軸コントロ
ーラ16とが接続され、リニアエンコーダ17のフィー
ドバック信号をZ軸コントローラ16に入力するように
構成されている。さらにX軸ヘッド6をほぼ水平方向に
駆動するサーボモータ18は、X軸コントローラ19に
よって制御される。そして、X軸ヘッド6のX方向の移
動量を検出するリニアエンコーダ50と、X軸コントロ
ーラ19とが接続され、リニアエンコーダ50のフィー
ドバック信号をX軸コントローラ19に入力するように
構成されている。
【0018】上記のコントローラ10,13,16,1
9に制御信号を出力する制御装置20が設けられてい
る。この制御装置20は、記憶装置(RAM,ROM)
および演算装置(CPUまたはMPU)ならびに入出力
インターフェースなどの公知の構成を備えている。ま
た、制御装置20には前記検出器8が接続されており、
歯面に沿って触針7を移動させた場合に、触針7の変位
量が検出器8により検出され、その検出信号が制御装置
20に入力されるように構成されている。さらに制御装
置20には出力装置(プリンタ)21が接続されてお
り、コントローラ10,13,16,19に対する制御
内容、あるいは検出された歯面形状のデータが、出力装
置21から出力されるように構成されている。なお、回
転軸2の回転および触針7の移動方向は、図1に+,−
の符号で示すように設定されている。
【0019】そして、制御装置20には、測定対象とな
るはすば歯車について、設計上決定されている基準歯面
形状のデータが記憶されている。具体的には、各歯同士
の接触により形成される同時接触線方向の基準歯面形状
のデータが記憶されている。この同時接触線は、各歯の
ねじれ角などの歯車諸元に基づいて固定的に設定される
もので、各歯面毎にバラツキは生じない。
【0020】また、制御装置20は、コントローラ1
0,13,16,19を制御することにより、はすば歯
車の回転位相に対応する複数の同時接触線方向毎に触針
7を移動させる機能を備えている。ここで、触針7の先
端が同時接触線を創成するように移動させるためには、
例えば、特開平9−5009号公報に記載されている制
御手法を採用すればよい。
【0021】さらに、制御装置20は、複数の同時接触
線方向における各実測歯面形状の頂点に基づいて、噛み
合い進行方向を設定する機能を備えている。ここで、各
実測歯面形状の頂点とは、各実測歯面形状の突出量とし
て把握される最大値を示す位置(点)を意味している。
具体的には、予め記憶されている基準歯面形状と各実測
歯面形状とを比較し、各実測歯面形状と基準歯面形状と
の相違(誤差)が最大となる頂点に基づいて噛み合い進
行方向を設定する。ここで、各実測歯面形状と基準歯面
形状との相違(誤差)が最大となる頂点とは、後述する
ように、基準歯面形状と実測歯面形状とを比較して、基
準歯面形状に対する突出量が最大となる頂点を意味す
る。さらにまた、制御装置20は、設定された噛み合い
進行方向に沿って触針7を移動させて噛み合い進行方向
の歯面形状を測定する機能とを備えている。
【0022】つぎに上述した歯面形状の測定装置A1の
作用、すなわち、歯面形状の測定方法を、図3のフロー
チャート、および図4ないし図9に基づいて説明する。
図4は、測定装置A1の測定対象であるはすば歯車22
の部分的な斜視図である。まず、はすば歯車22の回転
軸心の両端を、測定装置A1の回転軸2とピン3とに一
致させる。
【0023】そして、腕部1Bを下降させ、はすば歯車
22を回転軸2とピン3との間に保持する。また、触針
7の先端を、はすば歯車22の歯23の一方の歯面24
に接触させるとともに、歯面24の中央点B1を設定す
る(ステップ1)。ここで、歯面24は、他のはすば歯
車(図示せず)の歯面に当接する歯面である。図5は、
歯面24に中央点B1を設定した状態を示す平面的な概
念図である。図5においては、上下方向に歯先および歯
元が示され、横方向に歯幅が示されている。
【0024】つぎに、図6に示すように、歯面24に、
はすば歯車22の回転位相に対応して複数の同時接触線
25A,25B,25Cを設定する(ステップ2)。こ
の実施例では、同時接触線25Aと同時接触線25Bと
の間隔、および同時接触線25Bと同時接触線25Cと
の間隔がほぼ同一に設定され、中央の同時接触線25B
が中央点B1を通過する位置に設定されているが、複数
の同時接触線の間隔およびその配置位置は任意に変更可
能である。また、図6においては同時接触線が3本設定
されているが、同時接触線の本数Nは、N≧2に設定す
ればよい。なお、同時接触線の本数が多いほど、以後に
行われる噛み合い進行方向の設定精度が向上する。
【0025】そして、各同時接触線25A,25B,2
5C毎に触針7を移動させ、各同時接触線25A,25
B,25Cに対応する歯面形状を測定する(ステップ
3)とともに、制御装置20により基準歯面形状と各実
測歯面形状との比較が行われる(ステップ4)。
【0026】この比較は具体的には以下のようにして行
われる。図7において、基準歯面形状が線分C1として
示され、実測歯面形状が線分D1として示されており、
線分C1と線分D1とが比較される。ここで、線分C1
と線分D1との上下方向の相違(誤差)が大きく、か
つ、線分D1が線分C1よりも上方に位置しているほ
ど、測定された歯面24のある位置の形状が、基準歯面
形状よりも突出していることを示す。つまり、歯22と
他の歯(図示せず)とが実際に噛み合った状態では、線
分D1の突出量が最大となる位置、つまり頂点E1が、
他の歯の歯面に接触する作用点になる。
【0027】上記のような比較を各同時接触線25A,
25B,25Cに対して行い、図8に示すように、各同
時接触線25A,25B,25Cにおける3箇所の頂点
E1群に近似する噛み合い進行方向F1を設定する(ス
テップ5)。その後、噛み合い進行方向F1に沿って触
針7を移動し、噛み合い進行方向F1の歯面形状を測定
し(ステップ6)、歯面形状の測定が終了する。
【0028】そして、同時接触線25A,25B,25
C方向の各実測歯面形状、および噛み合い進行方向F1
の歯面形状に基づいて、各歯23の傾きや歯面24の丸
み、あるいはだれなどが演算され、これらのデータが出
力装置21から出力される。そして、はすば歯車22の
各歯23の精度を向上させる場合に、上記各種のデータ
が管理・評価項目として用いられる。また、図9に示す
ように、中央点B1と噛み合い進行方向F1との距離L
1が求められ、さらに、噛み合い進行方向F1と、歯面
24の歯すじを示す線分G1との成す角度α1が求めら
れ、距離L1およびα1を管理・評価項目に加える。
【0029】ここで、図3のフローチャートに示された
測定動作と、請求項2の発明との対応関係を説明すれ
ば、ステップ2およびステップ3が請求項2の歯面形状
測定手段に相当し、ステップ4およびステップ5が請求
項2の噛み合い進行方向設定手段に相当する。
【0030】以上のように、上記歯面形状の測定装置A
1を用いた測定方法によれば、歯面同士の噛み合い状態
で実際に接触する突出部分が、複数の同時接触線方向2
5A,25B,25Cにおける各実測歯面形状と基準歯
面形状との相違が最大となる頂点E1として現れる。こ
のため、頂点E1群に近似する噛み合い進行方向F1を
設定すれば、実際の歯面同士の噛み合い状態にほぼ一致
する噛み合い進行方向が得られる。
【0031】したがって、この噛み合い進行方向F1に
沿って歯面24の形状を測定することで、各歯23毎の
歯面24の形状を正確に管理・評価でき、各歯23の歯
面24の精度の向上に寄与できる。そして、このように
歯面24の精度を向上したはすば歯車を車両用の変速機
に用いた場合は、はすば歯車同士の噛み合いによるギヤ
ノイズや振動が低減されて騒音を抑制することが可能に
なる。
【0032】つぎに、実施例に係る測定方法の測定性能
と、比較例に係る測定方法の測定性能とを比較する。図
10および図13には、被測定ワークであるはすば歯車
30,31が別個に示されている。はすば歯車30は歯
32を備えており、はすば歯車31は歯34を備えてい
る。また、はすば歯車30,31は、設計上の歯車諸元
が同一に設定されている。
【0033】まず、図10に示された歯32の歯面33
の形状を測定する場合について説明する。実施例の測定
方法によれば、前述の手法により噛み合い進行方向F2
が設定され、かつ、噛み合い進行方向F2の歯面形状が
測定される。図11は、実施例の噛み合い進行方向F2
における歯面形状を示す線分J1と、噛み合い進行方向
における基準歯面形状を示す線分H1とを比較する線図
である。
【0034】一方、比較例の測定方法は、同時接触線
(図示せず)にほぼ直交して図10に示すような噛み合
い進行方向K1が設定されるものとする。噛み合い進行
方向K1は、噛み合い進行方向F2よりも歯32の歯元
側に設定され、噛み合い進行方向K1は歯面33の中央
点B1を通過する位置に設定されている。そして、噛み
合い進行方向K1の歯面形状を測定すると、図12に示
すように、噛み合い進行方向の基準歯面形状を示す線分
L1に対応して、実測歯面形状を示す線分M1が得られ
る。
【0035】つぎに、実施例の測定方法により、図13
の歯34の歯面35の形状を測定して噛み合い進行方向
F3を設定し、かつ、噛み合い進行方向F3における歯
面35の形状を測定する。その結果、図14に示すよう
に、実測歯面形状を示す線分N1と、基準歯面形状を示
す線分P1との関係を示す線図が得られる。
【0036】つまり、実施例の測定方法によれば、歯車
諸元が同一に設定されたはすば歯車30,31が測定対
象になっていた場合でも、実際の噛み合い進行方向にほ
ぼ一致する噛み合い進行方向F2,F3を設定すること
が可能である。そして、設定された噛み合い進行方向F
2,F3の歯面形状を別個に測定して、歯面形状の管理
・評価を行うことで、はすば歯車30,31の精度を別
個に向上させることができる。
【0037】一方、比較例の測定方法においては、同時
接触線(図示せず)にほぼ直交して噛み合い進行方向K
1が決定される。ここで、歯32および歯34は歯車諸
元が同一に設定されているため、歯面33における噛み
合い進行方向K1の位置と、歯面35における噛み合い
進行方向K1の位置とがほぼ同一に設定される。したが
って、図13の噛み合い進行方向K1における歯面形状
を測定した場合も、図12に示すように、実測歯面形状
を示す線分M1と基準歯面形状L1とが得られる。
【0038】つまり、比較例の測定方法によれば、実際
の噛み合い進行方向が異なるはすば歯車30,31が測
定対象となっているにも拘らず、同一の噛み合い進行方
向K1が設定される。このため、この噛み合い進行方向
K1の歯面形状を測定すれば、歯面33の形状の精度
と、歯面35の形状の精度とがほぼ同一であるものとし
て評価・管理されることになる。したがって、比較例の
測定方法により精度が管理されたはすば歯車同士を噛み
合わせた場合、ギヤノイズや振動が増大する可能性があ
り、実施例の測定方法に比べて測定性能が低いことが分
かる。
【0039】なお、上記実施例においては、制御装置2
0に記憶された原点からの絶対値に基づいて噛合い進行
方向を設定することも可能である。また、制御装置20
により、各同時接線方向における実測歯面形状の突出量
同士を相互に比較し、最大突出量が検出された位置を基
準として噛合い進行方向を設定することも可能である。
【0040】ここで、上記の具体例に基づいて開示され
た本発明の特徴的な構成を列挙すれば以下の通りであ
る。すなわち、歯車の噛み合い進行方向に沿って歯面形
状を測定する歯車の歯面形状の測定方法において、前記
歯車における複数の同時接触線方向の各歯面形状を測定
するとともに、各実測歯面形状と予め設定された基準歯
面形状とを比較し、各実測歯面形状と予め設定された基
準歯面形状との相違(誤差)が最大となる位置(頂点)
群に近似させて前記噛み合い進行方向を設定することを
特徴とする歯車の歯面形状の測定方法である。
【0041】また、歯車の噛み合い進行方向に沿って歯
面形状を測定する歯車の歯面形状の測定装置において、
前記歯車における複数の同時接触線方向の各歯面形状を
測定する歯面形状測定手段と、歯面形状測定手段により
測定された各実測歯面形状と予め設定された基準歯面形
状とを比較する歯面形状比較手段と、各実測歯面形状と
予め設定された基準歯面形状との相違(誤差)が最大と
なる位置(頂点)群に近似させて前記噛み合い進行方向
を設定する噛み合い進行方向設定手段とを備えているこ
とを特徴とする歯車の歯面形状の測定装置である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた発明、または、請求項2に記載された発明によれ
ば、歯面同士の噛み合い状態で実際に接触する突出部分
が、複数の同時接触線方向における実測歯面形状の頂点
となって現れる。このため、複数の同時接触線方向にお
ける各実測歯面形状の頂点群に基づいて噛み合い進行方
向を設定すれば、実際の歯面同士の噛み合い状態にほぼ
一致する噛み合い進行方向が得られる。
【0043】このようにして設定された噛み合い進行方
向に沿って歯面形状を測定すれば、各歯毎の歯面形状を
正確に管理・評価することができ、各歯の歯面形状の精
度の向上に寄与できる。したがって、歯車同士の噛み合
いによるギヤノイズや振動が低減されて騒音を抑制する
ことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の歯面形状の測定装置の一実施例を概
略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示された測定装置の制御系統を説明する
ためのブロック図である。
【図3】図1に示された測定装置による測定手順を示す
フローチャートである。
【図4】この発明により測定される歯車の部分的な斜視
図である。
【図5】この発明により測定される歯車の歯面を概念的
な平面図である。
【図6】この発明により測定される歯車の歯面を概念的
な平面図である。
【図7】この発明により設定された噛み合い進行方向に
おける実測歯面形状と、予め設定されている基準歯面形
状との関係を示す線図である。
【図8】この発明により測定される歯車の歯面を概念的
な平面図である。
【図9】この発明により測定される歯車の歯面を概念的
な平面図である。
【図10】この発明の実施例および比較例の測定対象と
なる歯車の部分的な斜視図である。
【図11】この発明により設定された噛み合い進行方向
における実測歯面形状と、予め設定されている基準歯面
形状との関係を示す線図である。
【図12】比較例の測定方法により設定された噛み合い
進行方向の実測歯面形状と、予め設定されている基準歯
面形状との関係を示す線図である。
【図13】この発明の実施例および比較例の測定対象と
なる歯車の部分的な斜視図である。
【図14】この発明により設定された噛み合い進行方向
における実測歯面形状と、予め設定されている基準歯面
形状との関係を示す線図である。
【符号の説明】
22,30,31 はすば歯車 24,33,35 歯面 25A,25B,25C 同時接触線 A1 測定装置 E1 頂点 F1,F2,F3 噛み合い進行方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯面同士の噛み合い作用点が、各歯車の
    回転にともなって移動する方向を歯車の噛み合い進行方
    向とし、この歯車の噛み合い進行方向に沿って歯面形状
    を測定する歯車の歯面形状の測定方法において、 前記歯車における複数の同時接触線方向の各歯面形状を
    測定し、各実測歯面形状の頂点に基づいて前記噛み合い
    進行方向を設定することを特徴とする歯車の歯面形状の
    測定方法。
  2. 【請求項2】 歯面同士の噛み合い作用点が、各歯車の
    回転にともなって移動する方向を歯車の噛み合い進行方
    向とし、この歯車の噛み合い進行方向に沿って歯面形状
    を測定する歯車の歯面形状の測定装置において、 前記歯車における複数の同時接触線方向の各歯面形状を
    測定する歯面形状測定手段と、歯面形状測定手段により
    測定された各実測歯面形状の頂点に基づいて噛み合い進
    行方向を設定する噛み合い進行方向設定手段とを備えて
    いることを特徴とする歯車の歯面形状の測定装置。
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