JP3386674B2 - スパイクピン及びスパイクピンを有する靴底 - Google Patents

スパイクピン及びスパイクピンを有する靴底

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主にゴルフ競技用
スパイクシューズに用いられるスパイクピン及びそのス
パイクピンを用いたスパイクシューズの靴底に関するも
のであり、軽量、且つ、柔軟性に富み履き心地の良い発
泡合成樹脂性の靴底の欠点である、スパイクピンの靴底
本体への陥没による突き上げ感を緩和するとともに、効
果的に地面を握持することができるスパイクピン及びス
パイクシューズの靴底に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、発泡EVA(エチレン−酢酸
ビニル共重合体)樹脂、発泡PU(ポリウレタン)樹脂
又は発泡ラバー樹脂製の靴底は、靴底用素材として多用
されている。また、上記発泡合成樹脂は各種競技用のシ
ューズにおいても用いられており、特にゴルフ競技用ス
パイクシューズにおいては、軽量で柔軟性に富む素材で
あるため多用されている。ゴルフ競技用スパイクシュー
ズは、スパイクピン本体の基底部に円形のフランジに固
着し、当該フランジ部とスパイクピンの基底部を靴底本
体に埋設固定するタイプである所謂固定式スパイクシュ
ーズと、円形のフランジにナットが固着されたソケット
部を靴底本体に埋設し、別体に形成されたスパイクピン
本体のボルト部を前記ナットに着脱自在に螺着するタイ
プである所謂取替式スパイクシューズとに分けられる。
いずれのタイプにおいても、スパイクピンが地面から受
ける圧力を分散させるために、スパイクピン本体やナッ
トに取り付けられた円形のフランジを介して靴底本体に
固着されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、発泡合成樹
脂からなる靴底本体は、柔軟性に富む反面スパイクピン
が地面から受ける圧力を十分に吸収しきれずに、スパイ
クピンが靴底本体に沈み込み、スパイクピンが固着され
たフランジが靴底本体を押し上げ、履用者の足裏に不快
な突き上げ感を及ぼしていた。また、歩行中やスイング
中にスパイクピンは、地面に刺さる直前、地面から抜け
る直前又は足を踏ん張ったときに斜め方向から剪断力を
受け、スパイクピンの倒れ込み現象を生じ、硬質の素材
で形成されたフランジが部分的に靴底本体に埋没し、履
用者の足裏をくり返し圧迫する結果いわゆるマメを生じ
る結果となっていた。そのため、前記フランジの径を大
きくして圧力を分散させる方法や靴底底面に硬質合成樹
脂からなるアウトソールを貼り合せる方法で突き上げの
緩和を図っていた。しかし、フランジの径を大きくする
とシューズ全体の重量の増加につながり、又、つま先部
分のように狭い領域や、くり返し曲げ伸ばされる屈曲部
位には大きな径のフランジが使えないといった不都合が
あった。また、地面に刺さる直前の倒れ込みはスパイク
ピンが正確に地面に刺さるのを阻害し、蹴り出す足の力
を正確に地面に伝えることができないうえに、斜めにか
かる応力によってスパイクピンが折れてしまうなどの不
都合があった。そのため、ソールの屈曲性を阻害しない
よう柔軟性を有したまま、スパイクピンの沈み込みや倒
れ込みを防止する技術が望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、スパイクピン本
体に剪断力がかかったときに、スパイクピンがスパイク
ピンの基底部に設けられたフランジを硬質合成樹脂で形
成された卵形状などの非真円形のプレートで包囲し、剪
断力のかかる方向に該プレートの長軸方向をあわせて固
定した。本発明に係るスパイクピンは、スパイクシュー
ズの靴底に固着又は埋設されるスパイクピンであって、
金属又は硬質セラミックスからなるスパイクピン本体の
基底部にフランジが形成されており、該フランジを合成
樹脂からなるプレートで包囲し、該プレートの外周形状
が卵形状に形成されたことを特徴としたスパイクピンで
ある。
【0005】また、本発明に係る靴底は、軽量性及び柔
軟性に優れた発泡合成樹脂からなる靴底本体に前記スパ
イクピンを靴底底面に固着又は埋設されてるなるスパイ
クシューズの靴底であって、前記スパイクピンを靴底底
面上の剪断応力集中部位に設置し、前記卵形プレートの
尖った尖端部側を剪断応力のかかる向きに合わせて固着
又は埋設したことを特徴とするスパイクシューズの靴底
である。
【0006】
【発明の実施の形態】本出願に係る発明は、スパイクピ
ンの基底部に設けられたフランジを硬質合成樹脂からな
る卵形など非真円形のプレートで包囲し、剪断力のかか
る方向に該プレートの長軸方向をあわせて固定した。即
ち、本発明に係るスパイクピンは、スパイクシューズの
靴底に固着又は埋設されるスパイクピンであって、金
属、硬質セラミックスからなるスパイクピン本体の基底
部にアルミニウム合金等からなるフランジが形成されて
おり、該フランジをポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂
やポリカーボネイト樹脂等の合成樹脂からなるプレート
で包囲し、該プレートの外周形状が卵形状に形成された
ことを特徴としたスパイクピンである。
【0007】該スパイクピン本体に用いられる素材は、
ステンレス鋼、炭素鋼、ベアリング鋼、ハイスピード鋼
又は超硬鋼などの合金、又はジルコニア系、アルミナ
系、チタンカーバイド系セラミックスなどのセラミック
スあるいは各種サーメットなど耐摩耗性と衝撃強度に優
れた素材の中から選択できる。該スパイクピン本体の形
状は、従来から用いられている円錐台形のものや該円錐
台形の底面部付近に該底面よりも若干広い基底部を形成
したもの、あるいは、基底部に対して円錐台の部分が傾
きを持って形成されたものなど適宜選択できる。更に、
ピン本体の側面の一部を垂直方向に面取り加工し切り欠
き面を設けることにより、地面に対するグリップ力を向
上させることも可能である。
【0008】このスパイクピン本体の基底部に形成され
たフランジは、主に、アルミ合金、亜鉛合金や真鋳など
軽量で塑性加工が可能な軽金属が用いられる。このフラ
ンジとスパイクピン本体との固着方法は、従来から用い
られている鍛造法、例えば特許第1650812号に開
示された方法等によって前記スパイクピン本体に固着さ
れている。また、鍛造法や切削法によりスパイクピン本
体と前記フランジとを同一素材で一体により形成するこ
ともできる。
【0009】前記合成樹脂製プレートは、ポリウレタン
樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂又はポリカー
ボネイト樹脂など比較的硬質な合成樹脂であって、少な
くともスパイクシューズの靴底本体に用いられる素材よ
りも硬度の高い合成樹脂が用いられる。例えば、ポリカ
ーボネイト樹脂を用いた場合、曲げ弾性率10000k
g/cm2 〜30000kg/cm2 の熱可塑性樹脂が
好適である。これら合成樹脂の選択にあたっては、靴底
本体に用いられる発泡性合成樹脂との接着性の善し悪し
をも考慮して選択されるものである。該プレートは、成
型金型を用いるインジェクション製法で成形するのが一
般的である。即ち、成型金型に前記フランジを固着した
スパイクピン本体をセットし、型閉め後所定の樹脂を射
出して成形する。
【0010】該フランジの形状は、外周形状が非真円形
の形状であって、長円形、長方形、卵形などの中から適
宜選択できるものであるが、応力集中を防ぎ軽量化の観
点から卵形形状が好適である。卵形形状のプレートは、
丸く膨らんだ膨出部と尖った尖端部とからなり、前記ス
パイクピン本体は該プレートの膨出部の中心部付近にそ
の軸芯が合致するように埋設されている。
【0011】即ち、卵形形状のプレートの形状は、長さ
20mm〜35mm、幅15mm〜25mm程度であっ
て、尖った方の尖端部は曲率半径3mm〜8mm程度で
丸く膨らんだ膨出部は曲率半径が7.5mm〜12.5
mm程度が好適であり、全周にわたって滑らか曲線でつ
ながれた形状であることが好ましい。該プレートの厚み
は5mm〜10mm程度であって、均一の厚みであって
もよいが、フランジを包囲している部分を若干厚めにし
てフランジから受ける剪断応力に耐え得る形状に成形す
るのが望ましい。また、該プレートを軽量化し、該プレ
ートと前記靴底本体との接着性を高める目的でプレート
の裏面に凹欠部や貫通孔を設けることもできるが、これ
らの構造はあくまでプレートの剛性を低下させ過ぎない
ようなものでなければならない。
【0012】また、本発明に係る靴底は、軽量性及び柔
軟性に優れた発泡合成樹脂からなる靴底本体に前記スパ
イクピンを靴底底面に固着又は埋設されてるなるスパイ
クシューズの靴底であって、前記スパイクピンを靴底底
面上の剪断応力集中部位に設置し、前記卵形状のプレー
トの尖端部が剪断力のかかる向きに合わせて固着又は埋
設したことを特徴とするスパイクシューズの靴底であ
る。該靴底本体の素材は従来から用いられている発泡合
成樹脂が好適であって、例えば、発泡EVA(エチレン
−酢酸ビニル共重合体)樹脂、発泡PU(ポリウレタ
ン)樹脂、発泡ラバー樹脂等の中から適宜選択できるも
のである。
【0013】更に、スパイクピンの沈み込みや倒れ込み
を防止する効果を高めるために、軽量性及び柔軟性に優
れた発泡合成樹脂からなる中底に、前記スパイクピンを
固着又は埋設した可撓性を有する合成樹脂板を積層一体
化することも可能である。この場合においても、前記ス
パイクピンは靴底底面上の剪断力集中部位に設置され、
前記卵形状などの非真円形状のプレートの長軸方向を剪
断力のかかる向きに合わせて固着又は埋設されるもので
ある。該中底は、本発明に係る前記靴底本体に用いられ
る発泡合成樹脂が好適であって、例えば、発泡EVA
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)樹脂、発泡PU(ポ
リウレタン)樹脂、発泡ラバー樹脂等の中から適宜選択
できるものである。前記スパイクピンを固着または埋設
されてなる合成樹脂板は、適度な剛性と可撓性を有しス
パイクピンの突き上げ感を緩和すると共に、所謂靴底の
反りを良くする働きがある。該合成樹脂板に用いられる
合成樹脂は、前記スパイクピンのプレートとの接着性を
考慮して、プレートと同質の素材で形成するのが好まし
いが、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレ
ン樹脂などから適宜選択できる。
【0014】前記スパイクピンを設ける位置及び非真円
形状のフランジの向きは、剪断力測定法によって決定さ
れる。即ち、ゴルファーの一連の打球動作をテイクバッ
ク時、ダウンスイング時及びフォロースルー時の三つの
局面に分割し、それぞれの局面において靴底面にかかる
剪断力を測定し、各局面においてもっとも大きな剪断力
がかかる領域を剪断応力集中部位とし、該部位における
剪断応力の向きとを決定する。このように、決定された
剪断応力集中部位に前記スパイクピンを設けるわけであ
るが、前記プレートの設置する向きを前記剪断応力の向
きと合致させて設置する。前記プレートの尖端部を剪断
応力の向きに合致させて設けるか、もしくは尖端部を剪
断応力の向きと正反対となるように設ける。そうするこ
とにより、剪断応力を受けたスパイクピン本体が前記フ
ランジを介してプレートに与える短軸回りのモーメント
が、靴底本体から受ける反力によって、有効に相殺され
る。
【0015】スパイクピンの靴底本体への固着方法は、
従来から用いられている熱成型法が好適である。この場
合、前記プレートの裏面にプライマー加工をした後、熱
成型金型内にセットし、その上から所望形状に裁断した
発泡合成樹脂製シートを積層配置し、上金型を閉じた
後、加熱、加圧して一体に固着させる。また、他の固着
方法としては、従来から用いられているダイレクトイン
ジェクション製法を用いることもできる。即ち、上記ス
パイクピン本体、フランジ及びプレートからなるスパイ
クピンを靴底成型金型内にセットし、発泡合成樹脂を金
型内に射出して靴底本体を成型すると共にスパイクピン
を同時に接着する。
【0016】また、スパイクピンの防滑性を補強する目
的で前記卵形状のプレートの上面に複数の補助突起を設
けることも可能である。該補助突起の形状は円錐形や角
錐形などから適宜選択できるものである。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づき説明する。図
1は本発明の一実施例のスパイクピンの平面図、及び要
部断面図である。図2は本発明に係るスパイクピンが設
置された靴底本体の平面図である。図3は本発明に係る
スパイクピン、及び従来のスパイクピンに剪断応力がか
かった時の様子を示す概念図である。図4は本発明に係
る靴底を用いたゴルフシューズを履いたゴルファーが一
連のスイングをしたときに各スパイクピンが受ける剪断
応力の向きを示した図である。
【0018】本出願に係る発明は、図1に示すようにス
パイクピン本体2の基底部7に設けられたフランジ4を
硬質合成樹脂からなる卵形など非真円形のプレート3で
包囲したスパイクピン1である。即ち、本実施例に係る
スパイクピン1は、スパイクシューズの靴底に固着又は
埋設されるスパイクピンであって、ジルコニア系セラミ
ックスからなるスパイクピン本体2の基底部7にアルミ
ニウム合金からなるフランジ4が形成されており、該フ
ランジ4をポリウレタン樹脂からなるプレート4で包囲
し、該プレート4の外周形状が膨出部5と尖端部6とを
有する卵形状に形成されたことを特徴としたスパイクピ
ン1である。
【0019】他の実施例として、スパイクピン本体2に
用いられる素材は、ステンレス鋼、炭素鋼、ベアリング
鋼、ハイスピード鋼又は超硬鋼などの合金、又はジルコ
ニア系、アルミナ系、チタンカーバイド系セラミックス
などのセラミックスあるいは各種サーメットなど耐摩耗
性と衝撃強度に優れた素材の中から選択できる。該スパ
イクピン本体2の形状は、従来から用いられている円錐
台形のものや該円錐台形の底面部付近に該底面よりも若
干広い基底部7を形成したもの、あるいは、基底部に対
して円錐台の部分が傾きを持って形成されたものなど適
宜選択できる。更に、円錐台の部分の一部に切り欠き面
8を形成し、地面の握持性を高めることもできる。本実
施例においては、スパイクピン本体2の側面の一部を垂
直方向に面取り加工し、切り欠き面8を形成して地面に
対するグリップ力を向上させた。このスパイクピン本体
2の基底部7に形成されたフランジは、本実施例におい
てはアルミ合金を用いたが、他の実施例としては、亜鉛
合金や真鋳など比較的軽量で塑性加工が可能な軽金属を
用いることができる。
【0020】このフランジ4とスパイクピン本体2との
固着方法は、従来から用いられている鍛造法、例えば特
許第1650812号に開示された方法等によって、ア
ルミ合金製のスリーブ内にスパイクピン本体2を設置
し、ダイスでカシメてフランジ4を形成すると共に前記
スパイクピン本体2に固着する方法を用いた。
【0021】前記合成樹脂製のプレート3は、本実施例
では、ポリウレタン樹脂を用いたが他の実施例として
は、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂又はポリカーボ
ネイト樹脂など比較的硬質な合成樹脂であって、少なく
ともスパイクシューズの靴底本体に用いられる素材より
も硬度の高い合成樹脂を用いることも可能である。例え
ば、ポリウレタン樹脂若しくはポリカーボネイト樹脂を
用いた場合、曲げ弾性率10000kg/cm2 〜30
000kg/cm2 の熱可塑性樹脂が好適である。これ
ら合成樹脂の選択にあたっては、靴底本体9に用いられ
る発泡性合成樹脂との接着性の善し悪しをも考慮して選
択されるものである。該プレート3は、成型金型を用い
るインジェクション製法で成形するのが一般的である。
即ち、成型金型に前記フランジ4を固着したスパイクピ
ン本体2をセットし、型閉め後所定の樹脂を射出して成
形する。
【0022】該フランジの形状は、外周形状が非真円形
の形状であって、長円形、長方形、卵形などの中から適
宜選択できるものであるが、応力集中を防ぎ軽量化の観
点から図1に示すように卵形状が好適である。この場
合、卵形状のプレート3は、丸く膨らんだ膨出部5と尖
った尖端部6とからなり、前記スパイクピン本体2は該
プレート3の膨出部5の中心部付近にその軸芯が合致す
るように埋設されている。このため、図3に示すように
スパイクピン本体2が地面から剪断応力Fを受けた場
合、スパイクピン本体2の軸芯よりやや膨出部5よりの
部位を回転中心Oとして、回転運動が生じ、プレート裏
面が靴底本体9に圧力fpを及ぼす。一方、靴底本体9
は自身の弾力性により、該圧力fpに抗してプレート裏
面に圧力fsを及ぼす。この場合、従来の円形スパイク
ピンにおいては、プレートが靴底に及ぼす圧力の中心と
回転中心Oとの距離が短いため、剪断応力に抗するため
にはfp自身の値を大きくしなければならない。プレー
トが靴底に及ぼす圧力fpの反作用である靴底がプレー
トに及ぼす圧力fsは靴底本体9の弾性変形の大きさに
比例するが、このfsが大きいので靴底本体の変形量は
大きくなり、履用者の足裏に不快な突き上げ感として感
じられていた。本発明に係るスパイクピンの場合、前記
プレートが尖端部6を有するため、前記プレートからの
圧力の中心と回転中心Oとの距離が大きくなるため、プ
レートが靴底に及ぼす圧力fp及びその反力である靴底
がプレートに及ぼす圧力fsは相対的に小さくなり、結
果的に靴底本体9の変形量を小さくすることができ靴底
本体9の持ち上げを防止することができる。そのため、
履用者の足裏に不快な突き上げを感じることがない。
【0023】本実施例ではプレート3は、長さ23.5
mm、幅17.0mm程度であって、尖った方の尖端部
は曲率半径6,0mm程度で丸く膨らんだ膨出部は曲率
半径が10.5mm程度が好適であり、全周にわたって
滑らか曲線でつながれた卵形形状とした。該プレート3
の厚みは6.5mm程度であって、均一の厚みであって
もよいが、フランジ4を包囲している部分を若干厚めに
してフランジ4から受ける剪断応力に耐え得る形状に成
形した。また、該プレート3を軽量化し、該プレート3
と前記靴底本体9との接着性を高める目的でプレート3
の裏面に凹欠部11を設けた。そのため、靴底本体をイ
ンジェクション製法で成型したとき、発泡性樹脂が該凹
欠部11に充填され、接触面積が増えるため接着強度が
向上する。
【0024】また、本発明に係る靴底は、軽量性及び柔
軟性に優れた発泡合成樹脂からなる靴底本体9に前記ス
パイクピン1を靴底底面に固着又は埋設されてるなるス
パイクシューズの靴底であって、前記スパイクピン1を
靴底底面上の剪断応力集中部位に設置し、前記卵形形状
のプレート3の尖端部6を剪断応力のかかる向きに合わ
せて固着又は埋設したことを特徴とするスパイクシュー
ズの靴底である。該靴底本体9の素材は従来から用いら
れている発泡合成樹脂が好適であって、本実施例では、
発泡EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)樹脂を用い
たが、他の実施例では発泡PU(ポリウレタン)樹脂、
発泡ラバー樹脂等の中から適宜選択できるものである。
【0025】前記スパイクピン1を設ける位置は、前記
剪断応力測定法によって決定される。即ち、ゴルファー
の一連の打球動作をテイクバック時、ダウンスイング時
及びフォロースルー時の三つの局面に分割し、それぞれ
の局面において靴底面にかかる剪断応力を測定し、各局
面における剪断応力が極大となる部位を剪断応力集中部
位とし、合わせて該部位における剪断応力の向きを決定
する。このように、決定された剪断応力集中部位に前記
スパイクピン1を設けるわけであるが、非真円形状のプ
レートの長軸方向を前記剪断応力の向きと合致させて設
置する。本実施例に係る前記卵形状のプレート3の場合
は、尖端部6を剪断応力の向きに合致させて設けるか、
もしくは尖端部6を剪断応力の向きと正反対となるよう
に設ける。そうすることにより、剪断応力を受けたスパ
イクピン本体2が前記フランジ4を介してプレート3の
長軸方向に及ぼすモーメントが、靴底本体から受ける反
力によって、有効に相殺される。
【0026】スパイクピン1の靴底本体9への固着方法
は、従来から用いられている熱成型法が好適である。こ
の場合、前記プレート3の裏面にプライマー加工をした
後、熱成型金型内にセットし、その上から所望形状に裁
断した発泡合成樹脂製シートを積層配置し、上金型を閉
じた後、加熱、加圧して一体に固着させる。また、他の
固着方法としては、従来から用いられているダイレクト
インジェクション製法を用いることもできる。
【0027】また、図示はしないがスパイクピン1の防
滑性を補強する目的で、前記卵形形状のプレート3の上
面に複数の補助突起を設けることも可能である。該補助
突起の形状は円錐形や角錐形などから適宜選択できるも
のである。
【0028】
【発明の効果】本発明は上記の通り構成されているの
で、次のような効果を奏する。本発明に係るスパイクピ
ンは、卵形状等の非真円形状のプレートを有することに
より、スパイクピンの靴底本体への弾性的な沈み込みや
スパイクピン本体の倒れ込みを有効に防止することがで
きる。また、スパイクピンの配置される部位によって方
向が異なる剪断応力の向きに対応させて前記プレートの
向きを決定し、靴底本体に固定したため、従来のスパイ
クピンのように大きくて重いフランジを用いることな
く、しかも靴底本体の柔軟性を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスパイクピンの平面図、及び平面
図中のX−X線断面図とY−Y線断面図である。
【図2】本発明に係る靴底本体の平面図である。
【図3】本発明に係るスパイクピンと従来のスパイクピ
ンに剪断応力を受けたときのスパイクピンの挙動を示す
概念図である。
【図4】本発明に係る靴底を用いたゴルフシューズを履
いたゴルファーが一連のスイングをしたときに各スパイ
クピンが受ける剪断応力の向きを示した図である。
【符号の説明】
1 スパイクピン 2 スパイクピン本体 3 プレート 3a プレート裏面 4 フランジ 5 膨出部 6 尖端部 7 スパイクピン基底部 8 切り欠き面 9 靴底本体 10 円形スパイクピン 11 凹欠部

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパイクシューズの靴底に固着又は埋設
    されるスパイクピンであって、金属、硬質セラミックス
    又はサーメットからなるスパイクピン本体の形状は、円
    錐台形のものや該円錐台形の底面部付近に該底面よりも
    若干広い基底部を形成したもの、あるいは、基底部に対
    して円錐台の部分が傾きを持って形成されたもので、該
    スパイクピン本体の基底部にフランジが形成されてお
    り、該フランジを合成樹脂からなるプレートで包囲し、
    該プレートの外周形状を非真円形状に形成し、地面から
    受ける圧力によるスパイクピンの靴底本体への弾性的な
    沈み込みや、剪断応力によるスパイクピン本体の倒れ込
    みを防止することを特徴とするスパイクピン。
  2. 【請求項2】 前記プレートの外周形状が卵形状に形成
    されたことを特徴とする請求項1記載のスパイクピン。
  3. 【請求項3】 軽量性及び柔軟性に優れた発泡合成樹脂
    からなる靴底本体に前記請求項1に記載された非真円形
    状に形成されたプレートを有するスパイクピンを靴底底
    面に固着又は埋設されてなるスパイクシューズの靴底で
    あって、前記スパイクピンを靴底底面上の剪断応力集中
    部位に設置し、前記非真円形状のプレートの長軸方向を
    剪断応力のかかる向きに合わせて固着又は埋設したこと
    を特徴とするスパイクシューズの靴底。
  4. 【請求項4】 軽量性及び柔軟性に優れた発泡合成樹脂
    からなる靴底本体に前記請求項2に記載されたスパイク
    ピンを靴底底面に固着又は埋設されてなるスパイクシュ
    ーズの靴底であって、前記スパイクピンを靴底底面上の
    剪断応力集中部位に設置し、前記卵形状プレートの尖っ
    た側を剪断応力のかかる向きに合わせて固着又は埋設し
    たことを特徴とするスパイクシューズの靴底。
  5. 【請求項5】 軽量性及び柔軟性に優れた発泡合成樹脂
    からなる中底に、前記請求項1に記載された非真円形状
    のプレートを有するスパイクピンを固着又は埋設した可
    撓性を有する合成樹脂板を積層一体化したスパイクシュ
    ーズの靴底であって、前記スパイクピンを靴底底面上の
    剪断応力集中部位に設置し、前記非真円形状のプレート
    の長軸方向を剪断応力のかかる向きに合わせて固着又は
    埋設したことを特徴とするスパイクシューズの靴底。
  6. 【請求項6】 軽量性及び柔軟性に優れた発泡合成樹脂
    からなる中底に、前記請求項2に記載された卵形状のプ
    レートを有するスパイクピンを固着又は埋設した可撓性
    を有する合成樹脂板を積層一体化したスパイクシューズ
    の靴底であって、前記スパイクピンを靴底底面上の剪断
    応力集中部位に設置し、前記卵形状のプレートの尖った
    側を剪断応力のかかる向きに合わせて固着又は埋設した
    ことを特徴とするスパイクシューズの靴底。
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