JP3386392B2 - Gaと、Asと、少なくとも1種類のGaおよびAsとは異なる元素とを含む膜およびその表面酸化膜の表面解析方法 - Google Patents
Gaと、Asと、少なくとも1種類のGaおよびAsとは異なる元素とを含む膜およびその表面酸化膜の表面解析方法Info
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と、少なくとも1種類の、これらGaおよびAsとは異
なる元素とを含む膜およびその表面酸化膜の表面解析方
法に関し、特に、XPS(X線光電子分光法:X-ray ph
otoelectron spectroscopy)を用いた分析による表面解
析方法に関する。
導体素子においては、GaAs膜の表面やAlGaAs
膜の表面に直接ゲート電極材料である金属を堆積して、
ゲート電極を形成する。GaAs膜やAlGaAs膜の
表面には自然酸化膜等の表面酸化膜が形成されており、
この表面酸化膜の状態は、素子の特性に影響を与えるこ
とが知られている(例えば95年春季応用物理学会28
a−ZL−8(文献1)、94年春季応用物理学会30
p−Q−6(文献2))。
s膜やAlGaAs膜の表面酸化膜の構造は明らかにさ
れていない。このような表面酸化膜の構造解析は、通常
XPS分析により行われるが、これらGaAs膜やAl
GaAs膜の表面酸化膜のXPS分析結果に対する解析
方法は確立されていない。
Alの組成を変化させたAlGaAs膜に対してXPS
分析を行うと、各軌道を反映するスペクトルのピーク
は、Alの組成を変化させる前と比較してシフトする。
の変化とシフト量との関係は明らかにされていない。
の、これらGaやAsとは異なる元素とを含む膜および
その表面酸化膜の表面解析方法、特にXPS分析を用い
た表面解析方法の出現が望まれていた。
る発明者は、GaAs膜の表面酸化膜中にAs2 O4の
4員環分子構造が存在することを既に見出している(特
願平10−60075号)。そして、このAs2 O4 の
構造は、GaAsの表面酸化膜だけに限らず、GaとA
sとを含む表面酸化膜中には含まれるものと想定され
る。
は、GaAsの表面酸化膜のXPS分析より、As2 O
4 のAs3dピークの位置は、44.25eVであると
決定している。As2 O4 は表面酸化膜中のアモルファ
ス構造の網目の中に存在していて、この内殻の軌道は、
周囲の構造からの影響が実質的にないために安定した軌
道エネルギーを有している。上記As3dピークは内殻
の軌道のエネルギーを反映している。よって、このピー
ク位置は膜の組成の変化等によってシフトすることはな
い。
s2 O4 のAs3dピークと同様に、膜の組成変化によ
って、実質的にシフトしない。
sと、少なくとも1種類のGaおよびAsとは異なる元
素とを含むと共に、互いに異なる組成を有する2種類以
上の膜および該膜の表面に形成された表面酸化膜に対し
てXPS分析を行い、表面酸化膜中に含まれる物質であ
って、周辺構造の影響を実質的に受けない軌道を有する
物質を基準物質として、XPS分析から得られる基準物
質の上記軌道のピークの位置を基準ピーク位置として定
めて、XPS分析により得られる他の各ピーク位置を、
上記基準ピーク位置を用いて決定し、決定されたピーク
位置から、膜の組成とピーク位置との関係を関数式によ
り表すことを特徴とする。
然酸化膜でもよいし、或いは膜に対しO2 アッシング処
理を行ってから形成される酸化膜であってもよい。
ーク位置のシフト量と、膜の組成との関係を関数式で表
すことができる。従って、膜の組成から計算によってピ
ーク位置を容易に求めることができる。また、測定した
ピーク位置から膜の組成を求めることもできる。また、
膜の表面に対して水洗いや、HCl処理や、H2 O2処
理などの表面処理を行った場合に、この膜の本来の構造
を反映するピーク位置は、膜の組成から計算によって求
めることができるので、計算により得られるピーク位置
と表面処理後の膜のXPS分析から得られるピーク位置
とを比較することによって、表面処理後の膜の表面解析
を行うことができる。
およびこの膜の表面に形成される表面酸化膜の組成が変
化しても、XPS分析により得られるピーク位置が実質
的にシフトしない、すなわち周辺構造の影響を受けない
軌道を有する物質とする。ここでは、表面酸化膜中に存
在するAs2 O4 とする。As2 O4 は、表面酸化膜中
で4員環構造をとっており、かつ周囲のGaやOで構成
されているアモルファス構造の網目の中に存在している
と考えられる。そして、このAs2 O4 の内殻の軌道
は、As2 O4 の周囲の物質の影響をほとんど受けな
い。従って、As2O4 のAs3dピークは、内殻の軌
道のエネルギーを反映しているので、膜の組成が変わっ
てもピーク位置は実質的にシフトしない。
てもよい。As2 O5 のAs3dピークのピーク位置
も、膜の組成の変化によって実質的にシフトしない。
4 を用いた場合について説明する。そして、As2 O4
の基準ピーク位置を例えば内殻の軌道を反映するAs3
dピーク位置とする。そして、GaAsの表面酸化膜の
XPS分析から得られる、As2 O4 のAs3dピーク
位置である44.25eVを基準ピーク位置として用い
て、GaとAsと少なくとも1種類の異なる元素とを含
む膜およびこの膜の表面酸化膜に対して行われたXPS
分析から得られる各軌道のピーク位置を決定する。この
結果、各軌道のエネルギーを反映するピークの位置は、
膜の組成と比例して変化(シフト)していることが分か
る。このため、XPS分析により得られるピーク位置の
シフト量と、膜の組成との関係を関数式で表すことがで
きる。従って膜が分かれば、この膜の組成から得られた
関数式を用いて、計算によってピーク位置を容易に求め
ることができる。或いは、測定したピーク位置から、こ
の関数式を用いて、膜の組成を求めることもできる。或
いはまた、膜の表面に対して水洗いや、HCl処理や、
H2 O2 処理などの表面処理を行った場合に、この膜の
本来の構造を反映するピーク位置は、膜の組成から、こ
の関数式を用いた計算によって、求めることができるの
で、計算により得られるピーク位置と表面処理後の膜の
XPS分析から得られるピーク位置とを比較することに
よって、表面処理後の膜の表面解析を行うことができ
る。
とは異なる少なくとも1種類の元素とを含む膜を、Al
x Ga1-x Asとするのがよい。但し、Al組成を示す
xは0以上1以下とする。
化膜を形成する。この表面酸化膜中には、As2 O4 が
存在する。そこで、Al組成の異なる2種類以上のAl
x Ga1-x As膜および表面酸化膜に対して、XPS分
析を行い、このAs2 O4 のAs3dピーク位置(4
4.25eV)を基準ピークとして用いて、得られるそ
れぞれのピーク位置を求める。これにより、Alx Ga
1-x As膜を構成する元素の軌道エネルギーを反映する
それぞれのピーク位置は、Al組成xに比例している。
このため、XPS分析によるピーク位置はAl組成xを
用いた関数式によって表すことができる。
には、As2 O4 とAs2 O5 とAl2 O3 とGa2 O
3 とが含まれていると考えられるが、XPS分析により
得られる表面酸化膜のGa3dピーク位置は、Al組成
xに比例して高波数側にシフトする。また、表面酸化膜
のAl2pピーク位置もAl組成xに比例して高波数側
にシフトする。表面酸化膜中にAl2 O3 とGa2 O3
のみが含まれているのであれば、Al3dピークおよび
Ga3dピークは、ピークの強度が変化することはあっ
ても、ピークの位置がシフトすることはない。よって、
Alx Ga1-xAs膜の表面酸化膜中には、Al2xGa
2-2xOという構造を有していると解析することができ
る。
いやHCl処理等の表面処理を行った場合に、処理後の
膜のXPS分析を行って得られるピーク位置と、関数式
から得られるピーク位置とを比較することによって、処
理後の膜の表面の状態(構造)を解析することができ
る。
軌道を除く、Alx Ga1-x As膜を構成する元素の軌
道および表面酸化膜を構成する元素の軌道を反映するピ
ークは、Al組成xに比例してピーク位置がシフトする
と考えられる。
らず、例えばInやTlを含む3B族元素群から選ばれ
る1つの元素と、Gaと、Asとで構成される膜として
もよい。例えば、Iny Ga1-y As膜(0≦y≦
1)、Tlz Ga1-z As膜(0≦z≦1)として、そ
れぞれの膜の表面に表面酸化膜を形成する。この後、X
PS分析を行ってAs2 O4 のAs3dピークの位置を
44.25eVに定めて、膜および表面酸化膜を構成す
る元素の軌道ピークの位置を求める。その結果、それぞ
れの軌道のピーク位置は、In組成yまたはTl組成z
に比例してシフトしており、またこの位置を関数式で表
すことができる。このため、表された関数式から、所定
の組成を有する膜の、膜を構成する各元素の軌道のピー
ク位置を求めることができる。また、組成の分からない
InGaAs膜もしくはTlGaAs膜に対してXPS
分析を行えば、得られる各軌道のピーク位置から膜の組
成を求めることができる。さらに、組成の分かっている
膜に何らかの表面処理を行った後、処理後の膜に対して
XPS分析を行う。このXPS分析により得られる各軌
道のピーク位置と、計算により求められるピーク位置と
を比較することにより、表面処理後の膜の構造を解析す
ることができる。
き説明する。なお、以下に記載する数値等の条件や材料
などは単なる一例に過ぎない。よって、この発明は、こ
の実施の形態に何ら限定されるものではない。
析の対象となる膜体は、本来の膜とこの膜の表面に形成
された表面酸化膜とを含む構造を有している。この本来
の膜は、GaとAsと少なくとも1種類の、これらGa
およびAsとは異なる元素とを含む膜であり、この膜と
してAlx Ga1-x As膜を用いる。このAlx Ga
1-x As膜の表面に表面酸化膜を形成して、XPS分析
の対象となる膜体を得る。この膜体に従って、ここで
は、Alx Ga1-x As膜およびこの表面酸化膜に対し
てXPS分析を行う。そして、2種類以上の異なる組成
を有する膜として、ここでは、以下の3種類の膜(〜
)を用意する。よって、 Al組成xが0の膜すなわちGaAs膜およびGaA
s表面酸化膜と、 Al組成が0.15であるAl0.15Ga0.85As膜お
よびその表面酸化膜と、 Al組成が0.28であるAl0.28Ga0.72As膜お
よびその表面酸化膜とを用意する。
表面酸化膜は、(100)面を主面とするGaAs基板
に対してO2 アッシングを施して、GaAs基板の表面
に所要膜厚のGaAs表面酸化膜を形成する。
の表面酸化膜は、次のようにして形成する。まず、Ga
As基板の(100)面上に、MBE(分子線エピタキ
シー:Molecurar Beam epitaxy)装置を用いてAl0.15
Ga0.85As膜を約5000Å(500nm)の厚さに
形成する。この後、Al0.15Ga0.85As膜が形成され
たGaAs基板に対してO2 アッシングを行って、Al
0.15Ga0.85As膜の表面に所要の膜厚の表面酸化膜を
形成する。
の表面酸化膜も、Al0.15Ga0.85As膜およびその表
面酸化膜と同様に、GaAs基板の(100)面上に、
同様の方法を用いて形成する。
)に対しては、後にXPS分析を行うため、表面酸化
膜の膜厚は、5〜50Å(0.5〜5nm)の厚さに形
成する。このため、各表面酸化膜を形成するO2 アッシ
ングは、ここでは、300Wの電力で5mTorrの雰
囲気圧下で5分間行う。
の形成は、MOCVD(有機金属気相成長法)装置を用
いて行ってもよい。
ンプル(〜の膜)の分析を行う。装置には、Per
kin−Elmer社製のPHI5400MC(商品
名)を用いる。そして、X線源としてのターゲットにA
l(AlKα)を用い、X線エネルギーは1486.6
eVに設定する。また、分析系の各設定は以下の通りに
する。すなわち、測定領域:1.1mmΦ、検出角:約
45°、真空度:3×10-9Torr程度、およびパス
エネルギー:35.75eVとする。
ルギーを反映するピーク値は、検出される光電子エネル
ギーを原子核に対する束縛エネルギーに換算してeV単
位で表される。
As表面酸化膜中に含まれるAs2O4 のAs3dピー
クは、GaAs膜のAs3dピークとして既知のピーク
位置である41.15eVから3eV高エネルギー側に
シフトしている44.25eVの位置に現れる。このA
s2 O4 は、〜の膜のどの表面酸化膜中にも存在し
ている。また、As2 O4 は、表面酸化膜中のGaとA
lとOとで構成されるアモルファス構造の網目中に4員
環構造として存在している。そして、As3dピーク
は、内殻の軌道のエネルギーを反映しているピークであ
る。このため、As2 O4 のAs3d軌道は、周辺構造
の影響を実質的には受けない軌道であると考えられる。
よって、膜中のAl組成が変化しても、As3dピーク
位置がシフトすることはない。
結果の、As2 O4 のAs3dピークに相当するピーク
の位置を44.25eVとして、例えば、のサンプル
については、GaAs基板のGa3dピーク、As3d
ピーク、表面酸化膜のGa3dピーク、のサンプルに
ついては、Al0.15Ga0.85As膜のGa3dピーク、
As3dピーク、Al2pピーク、表面酸化膜のGa3
dピーク、Al2pピーク、のサンプルについては、
Al0.28Ga0.72As膜のGa3dピーク、As3dピ
ーク、Al2pピーク、表面酸化膜のGa3dピーク、
およびAl2pピークのピーク位置をそれぞれ求める。
9.25eV、As3dピーク位置は41.15eV、
表面酸化膜のGa3dピーク位置は20.03eVであ
った。また、Al0.15Ga0.85As膜のGa3dピーク
位置は19.44eV、As3dピーク位置は41.3
4eV、Al2pピーク位置は73.82eV、表面酸
化膜のGa3dピーク位置は20.39eV、Al2p
ピーク位置は74.69eVであった。また、Al0.28
Ga0.72As膜のGa3dピーク位置は19.64e
V、As3dピーク位置は41.49eV、Al2pピ
ーク位置は74.02eV、表面酸化膜のGa3dピー
ク位置は20.58eV、Al2pピーク位置は74.
89eVであった。
ピーク位置を縦軸にとってグラフに示すと図1〜図3に
示すような直線が得られる。図1は、Ga3d軌道につ
いてのAl組成の変化に対するピーク位置の変化を示し
ている。図2は、As3d軌道についてのAl組成の変
化に対するピーク位置の変化を示している。図3は、A
l2p軌道についてのAl組成の変化に対するピーク位
置の変化を示している。
1-x As膜(0≦x≦1)のピークを黒丸で、また、表
面酸化膜のピークを白丸で示している。
As膜のGa3dピーク位置、As3dピーク位置およ
びAl2pピーク位置は、いずれも、Al組成xに比例
して高波数側(高エネルギー側)にシフトしている。ま
た、表面酸化膜のGa3dピーク位置およびAl2pピ
ーク位置もAl組成xに比例して高波数側へシフトして
いる。
As3dピーク位置も求めたところ、GaAs基板では
ピークが得られず、Al0.15Ga0.85Asの表面酸化膜
では45.69eVであった。また、Al0.28Ga0.72
Asの表面酸化膜では45.74eVであった。この結
果を図2に示す。図2では、Alx Ga1-x As膜のA
s3dピークを黒丸で示し、表面酸化膜中のAs2 O4
のAs3dピークを白丸で示し、および表面酸化膜中の
As2 O5 のAs3dピークを白四角で示している。図
2によれば、As2 O5 のAs3dピーク位置も、As
2 O4 のAs3dピーク位置と同様に、Al組成xによ
らず、一定のピーク位置を示していることが分かる。こ
のため、基準物質としてAs2 O4 の代わりにAs2 O
5 を用いてもよい。
をx(0≦x≦1)とすると、次に示すような関数式で
表すことができる。
置(Y1 (単位eV))は、 Y1 =19.25+1.39x・・・(1) Alx Ga1-x As膜のAs3dピーク位置(Y2 (単
位eV))は、 Y2 =41.15+1.21x・・・(2) Alx Ga1-x As膜のAl2pピーク位置(Y3 (単
位eV))は、 Y3 =73.59+1.53x・・・(3) また、Alx Ga1-x As膜の表面酸化膜中には、As
2 O4 およびAs2 O5 以外にGa2 O3 およびAl2
O3 が含まれていると考えられる。例えば、Ga2 O3
が含まれていれば、GaAs表面酸化膜のGa3dピー
ク位置である20.03eVの位置のピークの強度が変
化しても、ピークの位置はシフトしないと予想される。
同様に、Alx Ga1-x Asの表面酸化膜にAl2 O3
が含まれるとすると、表面酸化膜のAl2pピーク位置
は、Al組成xが変化しても同じだろうと考えられる。
しかしながら、表面酸化膜のGa3dピーク位置および
Al2pピーク位置はAl組成xの変化に比例してシフ
トしている。よって、Al組成が高くなるにつれて、A
lx Ga1-x Asの表面酸化膜中には、Ga2 O3のG
aがAlに置換されたAl2xGa2-2xO3 が含まれてい
ると考えられる。
ーク位置は、以下のような関数式で表すことができる。
(Y4 (単位eV))は、 Y4 =20.03+1.96x・・・(4) Al2xGa2-2xO3 のAl2pピーク位置(Y5 (単位
eV))は、 Y5 =74.46+1.53x・・・(5) これにより、この実施の形態ではAlx Ga1-x As膜
およびこの表面酸化膜を構成する各元素の軌道のエネル
ギーを反映し、XPS分析から得られるピーク位置を、
上記(1)〜(5)式を用いてAl組成xから容易に求
めることができる。また、測定したピーク位置から膜の
Al組成を求めることもできる。また、膜の表面に対し
て水洗いや、HCl処理や、H2 O2 処理などの表面処
理を行った場合に、この膜の本来の構造を反映するピー
ク位置は、膜のAl組成から計算によって求めることが
できるので、計算により得られるピーク位置と表面処理
後の膜のXPS分析から得られるピーク位置とを比較す
ることによって、表面処理後の膜の表面解析を行うこと
ができる。
1-x As膜およびその表面酸化膜のXPS分析から得ら
れるピークから、Ga3d軌道およびAl2p軌道のピ
ークの位置についての関数式を求めたが、これに限ら
ず、Ga1s軌道およびGa2s軌道のピーク位置や、
Alx Ga1-x As膜のAs1s軌道およびAs2s軌
道のピーク位置等もまた、Al組成xに比例してシフト
する。このため、Ga3dと同様に関数式で示すことが
できる。
lx Ga1-x As膜およびその表面酸化膜に適用させた
例について説明したが、これに限らず、Iny Ga1-y
As(In組成y:0≦y≦1)膜およびこの表面酸化
膜に適用してもよい。この場合、In組成yの異なる2
種類以上のInGaAs膜を用意して、上述した実施の
形態と同様にこの膜にO2 アッシング処理を行って表面
酸化膜を形成する。この後、InGaAs膜および表面
酸化膜に対してXPS分析を行い、表面酸化膜のAs2
O4 のAs3dピーク位置を基準ピーク位置として、X
PS分析により得られる各軌道のピーク位置を求める。
これにより、各軌道のピーク位置をIn組成yの関数式
で表すことができる。また、同様に、Tlz Ga1-z A
s(Tl組成膜z:0≦z≦1)およびこの表面酸化膜
にこの発明を適用させてもよい。
発明のGaとAsと少なくとも1種類の、これらGaお
よびAsとは異なる元素とを含む膜およびこの表面酸化
膜の表面解析方法によれば、前記膜として、互いに異な
る組成を有する2種類以上の膜を用意して、この膜およ
びこの膜の表面に形成された表面酸化膜のXPS分析を
行い、上記表面酸化膜中に含まれる物質であって、周辺
構造の影響を実質的に受けない軌道を有する物質を基準
物質として、XPS分析から得られる基準物質の上記軌
道のピーク位置を基準ピーク位置として定めて、XPS
分析により得られる他の各ピーク位置を、上記基準ピー
ク位置を用いて決定し、決定されたピーク位置から、膜
の組成と、ピーク位置との関係を関数式により表す。
ーク位置のシフト量と、膜の組成との関係を関数式で表
すことができる。従って、膜の組成から計算によってピ
ーク位置を容易に求めることができる。また、測定した
ピーク位置から膜の組成を求めることもできる。また、
膜の表面に対して水洗いや、HCl処理や、H2 O2処
理などの表面処理を行った場合に、この膜の本来の構造
を反映するピーク位置は、膜の組成から計算によって求
めることができるので、計算により得られるピーク位置
と表面処理後の膜のXPS分析から得られるピーク位置
とを比較することによって、表面処理後の膜の表面解析
を行うことができる。
するピーク位置の変化特性図である。
するピーク位置の変化特性図である。
するピーク位置の変化特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 Gaと、Asと、少なくとも1種類のG
aおよびAsとは異なる元素とを含むと共に、互いに異
なる組成を有する2種類以上の膜および該膜の表面に形
成された表面酸化膜に対してXPS分析を行い、 前記表面酸化膜中に含まれる物質であって、周辺構造の
影響を実質的に受けない軌道を有する物質を基準物質と
して、前記XPS分析から得られる前記軌道のエネルギ
ーを反映するピークの位置を基準ピーク位置として定め
て、 前記XPS分析から得られる他の各ピーク位置を、前記
基準ピーク位置を用いて決定し、および決定されたピー
ク位置から、前記膜の組成と前記ピーク位置との関係を
関数式により表すことを特徴とするGaと、Asと、少
なくとも1種類のGaおよびAsとは異なる元素とを含
む膜およびその表面酸化膜の表面解析方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載のGaとAsと少なくと
も1種類のGaおよびAsとは異なる元素とを含む膜お
よびその表面酸化膜の表面解析方法において、 前記基準物質を、As2 O4 もしくはAs2 O5 とし、
および前記基準ピークをAs3dピークとすることを特
徴とするGaと、Asと、少なくとも1種類のGaおよ
びAsとは異なる元素とを含む膜およびその表面酸化膜
の表面解析方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載のGaとAsと少なくと
も1種類のGaおよびAsとは異なる元素とを含む膜お
よびその表面酸化膜の表面解析方法において、 前記膜を、Alx Ga1-x As膜とする(但し、0≦x
≦1とする。) ことを特徴とするGaと、Asと、少なくとも1種類の
GaおよびAsとは異なる元素とを含む膜およびその表
面酸化膜の表面解析方法。
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