JP3386150B2 - 高溶融強度のエチレンポリマー、その製造法、及びその用途 - Google Patents

高溶融強度のエチレンポリマー、その製造法、及びその用途

Info

Publication number
JP3386150B2
JP3386150B2 JP16291692A JP16291692A JP3386150B2 JP 3386150 B2 JP3386150 B2 JP 3386150B2 JP 16291692 A JP16291692 A JP 16291692A JP 16291692 A JP16291692 A JP 16291692A JP 3386150 B2 JP3386150 B2 JP 3386150B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
ethylene
ethylene polymer
irradiated
environment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP16291692A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0693033A (ja
Inventor
ジェイ デニコラ ジュニア アントニー
ダブリュー メイフィールド ジョン
エフ マックローリン トーマス
アール ベラン ジェームズ
Original Assignee
モンテル ノース アメリカ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by モンテル ノース アメリカ インコーポレイテッド filed Critical モンテル ノース アメリカ インコーポレイテッド
Publication of JPH0693033A publication Critical patent/JPH0693033A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3386150B2 publication Critical patent/JP3386150B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F10/00Homopolymers and copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond
    • C08F10/02Ethene

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学技術に関する。更に
詳しくは、本発明はα−オレフィン即ち1−オレフィン
から誘導された合成樹脂と関係がある化学技術に関す
る。詳細には、本発明はエチレン単独の重合またはエチ
レンとその他のオレフィンの重合により生成された合成
樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】単一モ
ノマーとしてのエチレンの重合により生成された合成樹
脂はポリエチレンと称される。“ポリエチレン”はエチ
レンと少量のその他のモノマー、例えば、ブテン−1の
コポリマーを含むように当業界で次第に使用されるよう
になってきたが、その用語は本明細書ではそのように使
用されない。低密度ポリエチレン(LDPE と称する) 及び
高密度ポリエチレン(HDPE と称する) の如きポリエチレ
ン、並びに市販のエチレンとC3-10 α−オレフィンのコ
ポリマー(一般に線状低密度ポリエチレン(LLDPE) と称
される) は、当業界で公知の種々の方法により特別な一
種以上のモノマーの重合により生成された通常固体の、
若干可撓性の、熱可塑性ポリマーである。例えば、この
ようなポリマーは、高圧の遊離基重合により、またはモ
リブデン系触媒、クロム系触媒、及びチーグラー−ナッ
タ触媒系を使用して、流動床、気相技術の如き低圧法に
より調製し得る。高圧法は長鎖分枝を有するポリマーを
生成し、低圧法は調節された量の短鎖分枝を有する実質
的に線状のポリマーを生成する。チーグラー−ナッタ触
媒系では、触媒は周期律表のI族〜III 族の金属の無機
化合物(例えば、アルキルアルミニウム)、及び周期律
表のIV族〜VIII族の遷移金属の化合物(例えば、ハロゲ
ン化チタン)により生成される。典型的な結晶性はWund
erlick&Guar,J.Phys.Chem.Ref.Data,10巻、1号(1981)
の方法により約21〜約75重量%である。また、前記のエ
チレンホモポリマーまたはコポリマーの典型的なメルト
インデックスは0.2〜50g/10分である(ASTM 1238 、条
件Eにより測定)。更に、市販の通常固体のポリエチレ
ンの結晶相の融点は約135 ℃である。
【0003】市販の線状ポリエチレンは多くの望ましい
有益な性質を有するが、それらは溶融強度が不十分であ
る。溶融された場合、それらは歪硬化(溶融物質の伸び
の間の延伸に対する抵抗の増加)を示さない。こうし
て、線状ポリエチレンは、紙またはその他の支持体の高
速の押出被覆中のエッジ織り(edge weave)の開始、溶融
熱成形中のシートのたるみ及び局所が薄くなること(loc
al thining) 、並びにラミネート構造の同時押出の際の
流れの不安定性を含む、種々の溶融加工の欠点を有す
る。その結果として、それらの使用は、例えば、押出被
覆、吹込成形、異形押出、及び熱成形の如き潜在的な用
途に制限されていた。
【0004】市販のポリエチレンの溶融強度の不足を解
消するために或る種の努力が当業界でなされていた。ポ
リエチレンの照射が当業界で知られているが、このよう
な照射は、ポリエチレンを架橋するために、高線量レベ
ル、即ち、2メガラドより大きい線量レベルで、主とし
てポリエチレンから加工された物品、例えば、フィル
ム、繊維及びシートに対して行われていた。例えば、米
国特許第4,668,577 号明細書はポリエチレンのフィラメ
ントの架橋を開示しており、米国特許第4,705,714 号及
び同第4,891,173 号明細書は高密度ポリエチレンからつ
くられたシートを差別的に架橋することを開示してい
る。これらの方法により架橋されたポリエチレンは、改
良された溶融強度及び減少された溶解性及びメルトフロ
ーを有すると報告されている。しかしながら、架橋はポ
リエチレンの溶融伸び率の望ましくない減少を生じ、そ
れによりフィルム用途または繊維用途に典型的に必要と
される延伸長さを制限した。
【0005】線状ポリエチレンを低レベル、即ち、0.05
〜0.3 メガラドの高エネルギー放射線に暴露することに
よりポリエチレンの溶融強度及び溶融伸び率を改良しよ
うとする別の試みが、米国特許第3,563,870 号明細書に
開示されている。欧州特許出願第047171号明細書は、グ
ラニュール中の酸素含量を減少するためにエチレンポリ
マーグラニュールをスチームの雰囲気で前処理すること
によりそれらを熱熟成し、こうして処理されたポリマー
を1.5 メガラド未満の線量で照射し、次いで照射ポリマ
ーをスチーム処理することによるエチレンポリマーの照
射を開示している。英国特許第2,019,412 号明細書は、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE) フィルムを2〜80メガ
ラドで照射して破断値に於ける増大された伸びを与える
ことに関する。
【0006】米国特許第4,586,995 号及び同第4,598,12
8 号明細書は、エチレンポリマーを非ゲル化条件、非酸
化条件下で加熱して不飽和末端基をもたないエチレンポ
リマー中に末端ビニル不飽和を生じ、または不飽和末端
基を含むポリエチレン中の末端ビニル不飽和を増加し、
熱処理エチレンポリマーを0.1 〜4メガラドの線量で照
射し、次いで得られる照射ポリマーを次第に、または迅
速に冷却することによりエチレンポリマー中の長鎖
“Y”分枝を得る方法に関する。米国特許第4,525,257
号明細書は、狭い分子量の、線状の、低密度エチレン/C
3-18α−オレフィンコポリマーを0.05〜2メガラドの放
射線線量で照射して、相当する未架橋ポリマーと比較し
た場合に伸び粘度(extensional viscosity) の増加及び
実質的に等しい高剪断粘度を与えるのに充分な程度まで
ゲル化しないで架橋されているコポリマーを製造するこ
とを開示している。照射コポリマーは残留遊離基中間体
を減少または排除するように失活されない。
【0007】
【課題を解決するための手段】一つの特徴に於いて、本
発明は、0.89〜0.97g/ccの密度、かなりの量の自由末端
の長い分枝を有する分子鎖、1未満である分枝インデッ
クス(branching index) を有し、且つかなりの歪硬化伸
び粘度(strain hardening elongational viscosity) を
有する通常固体の、高分子量の、ゲルを含まない、照射
エチレンポリマーを含む。更に一般的に、本発明は、分
枝インデックスが1未満であり、且つかなりの歪硬化伸
び粘度を有する通常固体の、ゲルを含まない、高分子量
の、照射エチレンポリマー物質を含む。
【0008】本発明のエチレンポリマーは、減少された
メルトインデックス(190 ℃でI2により明示される) を
有し、これは分子量の増加、メルトインデックス比(I10
/I2)( これは広くされた分子量分布を示す) 、改良され
た溶融張力及び歪硬化伸び粘度、並びに1未満の分枝イ
ンデックスを明示する。本発明のエチレンポリマーは調
節された条件下の低レベルの放射線により製造される。
【0009】本明細書に使用される“エチレンポリマー
物質”は、(a) エチレンのホモポリマー、(b) エチレン
とC3-10 α−オレフィンからなる群から選ばれたα−オ
レフィンのランダムコポリマー(約20重量%(好ましく
は約16重量%) の最大の重合α−オレフィン含量を有す
る) 、及び(c) エチレンと前記のα−オレフィンのラン
ダムターポリマー(但し、最大の重合α−オレフィン含
量が約20重量%(好ましくは約16重量%) であることを
条件とする)からなる群から選ばれたエチレンポリマー
物質を意味する。C3-10 α−オレフィンは、例えば、プ
ロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、3-メ
チル-1- ブテン、1-ヘキセン、3,4-ジメチル-1- ブテ
ン、1-ヘプテン、3-メチル-1- ヘキセン、1-オクテン等
の如き線状α−オレフィン及び分枝α−オレフィンを含
む。
【0010】エチレンポリマーがエチレンホモポリマー
である場合、それは典型的には0.960g/cm3以上の密度を
有し、またエチレンポリマーがエチレンとC3-10 α−オ
レフィンのコポリマーである場合、それは典型的には0.
91g/cm3 以上で0.94g/cm3 未満の密度を有する。好適な
エチレンコポリマーは、エチレン/ブテン-1、エチレン
/ヘキセン-1、エチレン/オクテン-1及びエチレン/4-
メチル-1- ペンテンを含む。エチレンコポリマーは高密
度ポリマーまたは短鎖分枝LLDPE であってもよく、また
エチレンホモポリマーはHDPEまたはLDPEであってもよ
い。典型的にはLLDPE 及びLDPEは0.910g/cm3以上で0.94
0g/cm3未満の密度を有し、またHDPE及び高密度エチレン
コポリマーは0.940g/cm3より大きく、通常0.950 g/cm3
以上の密度を有する。一般に、0.89〜0.97g/ccの密度を
有するエチレンポリマー物質が本発明の実施に使用する
のに適している。エチレンポリマーは0.89〜0.97g/ccの
密度を有するLLDPE 及びHDPEであることが好ましい。
【0011】本件出願で使用される“高分子量" は少な
くとも約50,000の重量平均分子量を意味する。分枝イン
デックスは長鎖分岐の程度を定量化する。好ましい実施
態様に於いて、分枝インデックスは約0.9 未満であるこ
とが好ましく、約0.2 〜0.8 であることが最も好まし
い。それは次式により定義される。
【0012】
【数1】
【0013】(式中、g’は分枝インデックスであり、
[IV]Brは分枝エチレンポリマー物質の固有粘度であ
り、且つ[IV]Lin は実質的に同じ重量平均分子量(そ
してコポリマー及びターポリマーの場合には、実質的に
同じ関連する分子部分またはモノマー単位の部分)の相
当するエチレンポリマー物質、即ち、通常固体のエチレ
ンポリマー物質の固有粘度である)
【0014】極限粘度数としても知られている固有粘度
は、その最も一般的な意味で、溶液の粘度を増大するポ
リマー分子の能力の目安である。これは溶解されたポリ
マー粒子のサイズ及び形状の両方に依存する。それ故、
非線状ポリマーを実質的に同じ重量平均分子量の線状ポ
リマーと比較する際に、それは非線状ポリマー分子の形
状の指標である。実際に、固有粘度の上記の比は非線状
ポリマーの分枝の程度の目安である。エチレンポリマー
物質の固有粘度を測定する方法がJ.App.Poly.Sci.,21
巻、3331〜3343頁(1977)に記載されている。重量平均分
子量は種々の操作により測定し得る。しかしながら、こ
こで使用されることが好ましい操作はレーザー光散乱測
光の操作であり、これは“PolymerMolecular Weights a
nd Molecular Weight Distribution by Low-Angle Lase
r Light Scattering"と題する文献(Am.Lab.のMcConnell
著、1978年5月)に開示されている。
【0015】伸び粘度は、伸びに対する液体または半液
体物質の抵抗である。それは熱可塑性樹脂物質の溶融特
性であり、それは一定の速度で引張歪を受けた場合の溶
融状態の試験片の応力と歪を測定する装置により測定し
得る。一つのこのような装置がMunstedt,J.Rheology,2
3,(4),421-425,(1979) に記載され、その図1に示され
ている。同様の設計の市販の装置はレオメトリクス(Rhe
ometrics)RER-9000 伸びレオメーターである。溶融され
た高分子量のエチレンポリマー物質は伸び粘度を示し、
これは、その物質が比較的に固定された位置から一定の
速度で伸ばされ、または延伸される際に、伸びの速度に
依存する距離にわたって増加し、その後、それが薄くな
ってなくなるまで(所謂、延性破壊またはネッキング破
壊)迅速に減少する傾向がある。一方、その相当する溶
融された高分子量のエチレンポリマー物質と実質的に同
じ重量平均分子量であり、実質的に同じ試験温度の本発
明の溶融されたエチレンポリマー物質は、伸び粘度を示
し、これは、比較的に固定された位置から実質的に同じ
伸びの速度で伸ばされ、または延伸される際に、更に長
い距離にわたって増加する傾向があり、そしてそれは破
壊−所謂、脆性破壊または弾性破壊により分解または破
損する。これらの特徴は歪硬化を示す。実際に、本発明
のエチレンポリマー物質が更に長い鎖分枝を有する程、
伸ばされた物質が破壊に近づくにつれて伸び粘度が増加
する傾向が大きくなる。この最後の傾向は、分枝インデ
ックスが約0.8 未満である場合に最も明らかである。
【0016】また、溶融張力は物質の溶融強度の指標を
与える。溶融張力は、以下のようにして溶融されたエチ
レンポリマーのストランドの張力( センチ−ニュート
ン)を測定することによりゴットフェルト(Gottfert)社
からのゴットフェルト・レオテンズ(Rheotens)溶融張力
装置で測定される。試験されるポリマーを長さ20mm、直
径2mmのキャピラリィを通して180 ℃で押出す。次い
で、0.3cm/秒2 の一定の加速度で延伸系を使用してスト
ランドを延伸にかける。上記の延伸から生じる張力( セ
ンチ−ニュートン)を測定する。溶融張力が高い程、溶
融強度値が大きいことを意味し、これらの溶融強度値
は、順に、特別な物質の歪硬化能力を示す。
【0017】別の特徴に於いて、本発明は、通常固体
の、高分子量の、エチレンポリマー物質から、分枝イン
デックスが1未満であり、且つかなりの歪硬化伸び粘度
を有する通常固体の、ゲルを含まない、エチレンポリマ
ー物質に変換する実用的な方法を提供する。その方法
は、 (1)(a)活性酸素濃度が環境の約15容量%未満に確立さ
れ、保たれている環境中で、(b)放射線の2.0 メガラド
までの暴露を与えるのに充分であるが、物質のゲル化を
生じるのには不充分な期間にわたって毎分約1〜約1x10
4 メガラドの範囲の線量率で高エネルギーイオン化放射
線で、前記のエチレンポリマー物質を照射し、 (2) こうして照射された物質を、かなりの量の長鎖分枝
が形成するのに充分な期間にわたってこのような環境中
に維持し、次いで (3) 照射された物質をこのような環境中にある間に処理
して照射物質中に存在する遊離基の実質的に全部を失活
させる ことを含む。
【0018】本発明の方法により処理されるエチレンポ
リマー物質は、あらゆる通常固体の、高分子量のエチレ
ンポリマー物質であり得る。一般に、原料のエチレンポ
リマー物質の固有粘度(これはその分子量を示す)は、
0.8 〜25、好ましくは1〜3の固有粘度を有する最終ポ
リマーを生じるために一般に約1〜25、好ましくは1〜
6であるべきである。しかしながら、これらの一般の値
より高いか、低い固有粘度を有するエチレンポリマー物
質が本発明の広い範囲内にある。約0.01以上のメルトイ
ンデックスを有するエチレンポリマー物質が使用し得
る。最も広義の方法のもとに本発明の方法により処理さ
れるエチレンポリマー物質は、あらゆる物理形態、例え
ば、微細な粒子、グラニュール、ペレット、フィルム、
シート、等であり得る。しかしながら、本発明の方法の
好ましい実施態様では、エチレンポリマー物質はペレッ
トまたは球形粒子形態であり、それにより満足な結果が
得られる。0.4mm より大きい重量平均直径を有する球形
粒状形態が好ましい。
【0019】三つの工程が行われる環境の活性酸素含量
は重要な因子である。本明細書中の“活性酸素" という
表現は、照射物質と反応する形態の酸素、更に特別には
その物質中の遊離基を意味する。それは分子状の酸素
(これは空気中に通常見られる酸素の形態である)を含
む。本発明の方法の活性酸素含量要件は、真空の使用に
より、または環境中の空気の一部または全部を、例え
ば、窒素の如き不活性ガスで置換することにより達成し
得る。製造直後のエチレンポリマー物質は、通常、活性
酸素を実質的に含まない。それ故、本発明の方法による
重合工程及びポリマー処理工程(エチレンポリマー物質
が空気に暴露されない場合)に従うことは本発明の概念
内にある。しかしながら、殆どの状況下で、エチレンポ
リマー物質は、空気中で貯蔵されたために、または或る
種のその他の理由のために活性酸素含量を有する。従っ
て、本発明の方法の好ましい実施に於いて、微細なエチ
レンポリマー物質はまずその活性酸素含量を減少するた
めに処理される。これを行う好ましい方法は、その物質
を窒素が吹き込まれた同物質の床(その活性酸素含量は
約0.004 容量%以下である)に導入することである。床
中の物質の滞留時間は、物質の粒子の間隙から活性酸素
を有効に除去するために一般に少なくとも約5分である
べきであり、物質が環境と平衡になるのには充分長いこ
とが好ましい。
【0020】この調製工程と照射工程の間に、調製され
たエチレンポリマー物質は、活性酸素濃度がガス輸送系
中約15%未満、好ましくは5%未満であり、更に好まし
くは環境の0.004 容量%である環境中に保たれるべきで
ある。加えて、エチレンポリマー物質の温度は物質の無
定形部分のガラス転移温度より上から約70℃以下、好ま
しくは約60℃以下に保たれるべきである。照射工程で
は、環境の活性酸素濃度は約5容量%未満であることが
好ましく、約1容量%未満であることが更に好ましい。
活性酸素の最も好ましい濃度は0.004 容量%未満であ
る。
【0021】照射工程では、イオン化放射線は、照射さ
れるエチレンポリマー物質の塊中に所望の程度まで侵入
するのに充分なエネルギーを有するべきである。エネル
ギーは分子構造をイオン化し、且つ原子構造を励起する
のに充分である必要があるが、原子核に影響するのに充
分であってはならない。イオン化放射線はあらゆる種類
のものであってもよいが、最も実用的な種類は電子線及
びγ線を含む。500 〜4,000 キロボルトの加速電位を有
する電子発生装置から放たれる電子が好ましい。エチレ
ンポリマー物質の場合、一般に毎分約1〜10,000メガラ
ド、好ましくは毎分約18〜2,000 メガラドの線量率で送
出される約0.2 〜2.0 メガラド、好ましくは0.3 〜2.0
メガラド、最も好ましくは0.5 〜1.5 メガラドの低レベ
ルの線量のイオン化放射線で満足な結果が得られる。
【0022】“ラド" という用語は、通常、放射線の源
にかかわらず、照射物質1g当たり100 エルグのエネル
ギーの吸収を生じるイオン化放射線の量と定義される。
本発明に関する限り、それが照射される場合にエチレン
ポリマー物質により吸収されるエネルギーの量は通常測
定されない。しかしながら、本法の通常の実施に於い
て、イオン化放射線からのエネルギー吸収は公知の通常
の線量計により測定され、その測定装置では、放射線感
受性染料を含む布のストリップがエネルギー吸収感知手
段である。それ故、本明細書に使用される“ラド" とい
う用語は、粒子の床もしくは層、もしくはフィルム、ま
たはシートの形態で照射されるエチレンポリマー物質の
表面に配置された線量計の布1g当たり100 エルグのエ
ネルギーに相当する吸収を生じるイオン化放射線の量を
意味する。
【0023】本発明の方法の第二工程は、一般に約1分
〜約1時間、好ましくは約2〜30分間の範囲の期間で行
われるべきである。遊離基部位へのエチレンポリマー鎖
フラグメントの充分な移動及び完全な鎖を再度形成し、
または鎖に長い分枝を形成するためのその場の化合のた
めに最小の時間が必要とされる。1分未満、例えば、約
0.5 分の遊離基移動時間が本発明の広い概念内にある
が、好ましくない。何となれば、得られる自由末端の長
鎖分枝の量が非常に少ないからである。本法の最終工
程、即ち、遊離基失活工程または急冷工程は、一般に少
なくとも60℃から約280 ℃までの熱の適用により、また
は、例えば、メチルメルカプタンの如き遊離基トラップ
として作用する添加剤の添加により行うことができる。
【0024】本法の一つの実施態様に於いて、熱の適用
は照射エチレンポリマー物質を溶融押出することを含
む。その結果、遊離基の急冷が実質的に完結される。こ
の実施態様では、押出または溶融配合の前に、照射エチ
レンポリマー物質は、所望により、その他のポリマー及
び添加剤、例えば、安定剤、顔料、充填剤、等とブレン
ドし得る。また、このような添加剤は押出機への側流添
加として混入し得る。本発明の方法の別の実施態様で
は、熱の適用は、照射エチレンポリマー物質を流動床ま
たは段階流動床系に導入することにより行われ、この場
合、流動化媒体は、例えば、窒素またはその他の不活性
ガスである。一つ以上の床がつくられ、少なくとも約60
℃からポリマーの融点を越えない温度までの温度範囲に
保たれ、一つ以上の流動床中の照射エチレンポリマー物
質の平均滞留時間は約5分〜約120 分であり、約20〜30
分が最適である。こうして得られた生成物は、歪硬化を
特徴とする通常固体の、高分子量の、ゲルを含まないエ
チレンポリマー物質である。また、その物質は10より大
きいメルトインデックス比を特徴とする。
【0025】本発明の方法はバッチ式で行い得るが、そ
れは連続式で行われることが好ましい。本法の一つの連
続の実施態様では、物質の活性酸素含量に応じて、調製
工程を伴い、またはその工程を伴わない微細なエチレン
ポリマー物質は、必要とされる環境中で移動ベルト上で
層にされる。その層の厚さは、層中のイオン化放射線の
侵入の所望の程度及び最終生成物中に所望される照射エ
チレンポリマー物質の割合に依存する。移動ベルトの移
動の速度は、微細なエチレンポリマー物質の層が所望の
線量のイオン化放射線を受ける速度でイオン化放射線の
一つ以上のビーム中を通過するように選ばれる。所望の
線量のイオン化放射線を受けた後に、照射層は遊離基の
移動及び化合が起こる期間にわたって前記の環境中で移
動ベルトの上に残すことができ、次いでベルトから除去
され、照射物質の融解温度で操作される押出機に導入さ
れ、または別の特別な実施態様では、窒素またはその他
の不活性ガスで流動化された照射物質の粒子の加熱床、
または段階加熱床系に導入される。いずれの実施態様に
於いても、照射物質は、その中の少なくとも実質的に全
部の遊離基が失活された後に、大気中に排出され、室温
に迅速に冷却される。別の実施態様では、照射エチレン
ポリマー物質がベルトから排出され、必要とされる環境
中で保持容器(その内部は必要とされる環境を有する)
に運ばれ、容器中に保持されて必要な遊離基移動時間を
完結する。次いで照射物質は照射物質の融解温度で操作
される押出機に導入され、またはエチレンポリマー物質
の照射粒子の加熱された不活性ガス流動床、もしくは段
階流動床系に導入され、遊離基の急冷後に、照射ポリエ
チレンが大気中に排出される。
【0026】更に別の特徴に於いて、本発明は、本発明
の歪硬化性エチレンポリマー物質の延伸流(extentional
flow)の使用を含む。溶融状態のエチレンポリマー物質
が、それが通常一つ以上の方向に流れるよりも速い速度
でこれらの方向に引っ張られる場合に延伸流が生じる。
それは押出被覆操作中で起こり、その場合、溶融被覆物
質が紙または金属シートの移動ウェブの如き支持体の上
に押出され、押出機または支持体が押出速度より高速で
移動されている。それはフィルム製造中に行われ、この
場合、溶融フィルムが押出され、次いで所望の薄さに延
伸される。それは熱成形操作中に存在し、この場合、溶
融シートがプラグ金型に締付けられ、真空が適用され、
シートが金型に押しつけられる。それは発泡製品の製造
中に起こり、この場合、溶融エチレンポリマー物質が発
泡剤で発泡される。本発明の歪硬化性エチレンポリマー
物質は、有益な物品を製造するためのこれらの加工法及
びその他の溶融加工法に使用される溶融プラスチック物
質の一部(例えば、0.5 重量%程度の少量から95重量%
以上程度の多量まで) として特に有益であり、またはそ
の溶融プラスチック物質の実質的に全部として特に有益
である。
【0027】本発明を、これらの開示の本質的な部分を
形成する図面、及び下記の実施例により説明する。更に
詳しくは、図1は通常の構造及び操作の流動床ユニット
10を示し、これには微細な高分子量ポリエチレンが導管
11により導入され、窒素ガスが導管13により導入され、
それから実質的に活性酸素を含まない高分子量ポリエチ
レンが固体排出導管15により除去され、それはまた固体
流量調節装置16を有する。固体排出導管15はコンベヤー
ベルト供給ホッパー20に通じている。コンベヤーベルト
供給ホッパー20は通常の設計の蓋締め構造である。それ
は、その内部が窒素雰囲気を含むように操作される。そ
れは下部の固体排出出口を有し、その中をポリエチレン
粒子が移動し、エンドレスコンベヤーベルト21の上部の
水平走行の上に層を形成する。コンベヤーベルト21は一
般に水平に配置され、通常の操作条件下で連続的に移動
する。それは放射線室22中に含まれる。この室はコンベ
ヤーベルトを完全に囲み、そしてその内部に窒素雰囲気
をつくり、維持するようにつくられ、操作される。
【0028】通常の設計及び操作の電子線発生装置25が
放射線室22と組み合わされている。通常の操作条件下
で、それはコンベヤーベルト21の上のポリエチレン粒子
の層に送られる高エネルギー電子線を発生する。コンベ
ヤーベルト21が反対の移動のその通路に回転する際に、
コンベヤーベルト21から落下する照射ポリエチレン粒子
を受け取るように配置された固体回収装置28が、コンベ
ヤーベルトの排出端部の下にある。固体回収装置28中の
照射ポリエチレン粒子は回転弁または星形車29によりそ
れから除去され、それにより固体移送管30に送出され
る。移送管30はガス−固体分離器31に通じている。この
ユニットは通常の構造のものであり、通常、サイクロン
型分離器である。その中で分離されたガスはガス排出管
33により除去され、一方、分離された固体は回転弁また
は星形車32によるようにそれから固体排出管34に排出さ
れる。固体排出管34は押出機ホッパー35に直接通じてい
る。
【0029】押出機ホッパー35(これは押出機36に原料
を供給する)は、構造及び操作の点で通常である。ま
た、それはその内部で窒素雰囲気をつくり、維持するの
に適した密閉構造である。押出機36は通常の構造のもの
であり、通常の方法で操作される。押出機ホッパー35中
の固体はそれから押出機に移動し、その押出機は自由末
端の長鎖分枝のかなりの量が形成するのに充分であるポ
リエチレンの照射と押出機へのその流入との間の期間を
生じるような押出の速度で操作される。それ故、押出機
ホッパー35の容積は、必要により、この条件を満たすホ
ッパー貯蔵時間の所望の量を与えるように選ばれる。押
出機36は設計され(押出機バレル及びスクリューの長
さ)、そしてその中に遊離基を含むポリエチレンを、存
在する遊離基の実質的に全てを失活するのに必要とされ
る時間の量に維持するのに充分な圧力で溶融温度で操作
される。こうして処理された微細なポリエチレンは、実
質的にゲルを含まず、0.89〜0.97g/ccの密度を有し、且
つエチレン単位の自由末端の長鎖で実質的に分枝してい
ることを特徴とする。それはそのままで使用でき、また
は、例えば、ペレット化兼冷却ユニット37に直接導入さ
れ、固体ペレット(これは貯蔵され、次いで使用でき、
または貯蔵しないで使用できる)として固体輸送管38に
よるようにそれから運び去られる。
【0030】その他の特別な実施態様の高分子量のエチ
レンポリマー物質が上記の連続法により処理される場合
に同様の結果が得られる。下記の実施例は、本発明の高
分子量ポリエチレン、及びその製造法の上記の好ましい
実施態様を説明する。メルトインデックス、I2及びI10
はASTM D-1238 により測定される。メルトインデックス
比はI10 をI2で割ることにより求められる。その比は分
子量分布を示し、その数が高い程、分子量は広い。
【0031】
【実施例】実施例1 2のメルトインデックス及び0.95の密度を有するペレッ
ト形態のソルテックス(Soltex)T50-200 ポリエチレンを
密閉放射線室22に導入し、40ppm の酸素量が得られるま
で窒素でパージした。その物質を移動するステンレス鋼
コンベヤーベルト21の上に分配して高さ1.3cm 、幅15cm
のポリエチレンの床を形成する。その床をコンベヤーベ
ルト21により50マイクロアンペアのビーム電流で操作す
る2MeV のファン・デ・グラーフ発生装置により生じた
電子線中に通す。得られる吸収表面線量は0.40メガラド
である。加えて、密閉放射線室22中、及び照射ポリエチ
レン移送管30、固体−ガス分離器31及び分離器排出管34
を含む系の残部中の環境または雰囲気の活性酸素含量を
140ppmより低く確立し、保つ。照射後に、ポリエチレン
がコンベヤーベルト21の端部からベルト排出物回収装置
28に落下し、回転弁29を通って移送管30に落下する。照
射ポリマーからガスの分離後に、ポリマーを分離器排出
管34を通って窒素でパージしたバッグに供給する。照射
ポリエチレンを酸素の不在下で室温で30分間保つ。その
物質を、窒素でパージした押出機供給ホッパーに導入
し、次いで2.5 インチの一軸スクリュー押出機中で260
℃で押出す。実施例1のゲルを含まない最終生成物の性
質を表1にまとめる。
【0032】実施例2〜4 得られる吸収線量が夫々0.6 、0.9 及び1.0 メガラドで
あった以外は、実施例1の方法及び成分を使用して実施
例2〜4を行う。酸素量を、密閉放射線室22、照射ポリ
エチレン移送管30、固体ガス分離器31及び分離器排出管
34中で60ppm より低く保つ。実施例2〜4のゲルを含ま
ない最終生成物の性質を表1にまとめる。実施例5〜8 4のMI及び0.952 の密度を有するペレット形態のダウ(D
ow)04052N ポリエチレンを使用し、得られる吸収線量が
夫々0.5 、0.7 、0.8 、及び1.0 メガラドであった以外
は、実施例1の方法及び成分を使用して実施例5〜8を
行う。酸素量を、密閉放射線室22、照射ポリエチレン移
送管30、固体ガス分離器31及び分離器放出管34中で100p
pmより低く保つ。実施例5〜8のゲルを含まない最終生
成物の性質を下記の表1にまとめる。対照例1及び2 対照1及び2は夫々ソルテックスT50-200 及びダウ0405
2Nの未照射試料である。
【0033】
【表1】
【0034】実施例9及び対照例3〜8 本法の照射工程(1) に相当する照射雰囲気(IA と称す
る) 、及び本法の第二工程(2) に相当する15%未満の酸
素含量を有する調節される環境中の遊離基中間体熟成(R
IAと称する) 、並びに本発明の方法の最終工程に相当す
る遊離基中間体失活工程(RIDと称する) の臨界的意義を
示すため、下記の例外でもって実施例1の方法を使用し
て実施例9及び対照例4〜8を行う。 −ソルテックスT50-200 に代えてハイモント・イタリア
(HIMONT Italia)S.r.l. からの球形粒状形態の6.90のMI
を有する高密度ポリエチレンを使用した。 −得られる吸収線量は1.1 メガラドである。 −対照3〜8の加工環境を表2に報告したように変え、
そして −遊離基失活を3/4 インチのブラベンダー押出機で約26
0 ℃で行う。 結果を下記の表2に示す。
【0035】
【表2】 IA RIA RID 1日目のI2 2日目のI2 13日目のI2 C-3 - - - 6.90 - - C-4 N2 空気 空気 3.56 3.13 3.23 C-5 N2 - - 2.44 3.67 4.58 C-6 空気 空気 空気 4.62 4.30 4.51 C-7 空気 N2 N2 4.39 4.14 4.13 C-8 空気 - - 4.56 5.90 8.40 9 N2 N2 N2 2.86 2.63 2.60
【0036】本発明の実施例9と比較して13日間の溶融
流量の不充分な安定性が対照例5及び8により示され
た。対照例4、6及び7は対照例5及び8よりも良好な
溶融流量の安定性を示したが、その溶融流量は本発明の
実施例9程低くない。実施例10〜15並びに対照例9及び10 使用したエチレンポリマーを分離器排出管34を通って第
一帯域中の210 ℃の3/4 インチのブラベンダー押出機の
窒素パージされたホッパーに供給し、第二帯域中で215
℃で供給し、ダイで220 ℃で供給し、次いで常法でペレ
ット化する以外は、実施例1の方法を使用して実施例10
及び15を行う。次いでペレットを、マドッチ(Maddoch)
ミキサーを備えた1-1/4 インチのキリアン(Killian) 一
軸スクリュー押出機中で420 oF の平らなプロフィール
で100rpmで0.1 %のイルガノックス(Irganox)1010 安定
剤と共に再度押出す。照射と押出の間の保持時間は平均
約15分である。実施例10〜15の最終生成物の性質を表3
及び表4にまとめ、実施例10、12及び14並びに対照例9
及び10の伸び粘度(0.05〜2.0 秒-1の間の歪率で180 ℃
でレオメトリクスRER9000 伸びレオメーターを使用して
測定した)を図2及び図3に示す。
【0037】
【表3】例 ポリマーの種類 線量 溶融張力(1) 溶融伸び(1) (メガラド) (センチ−ニュートン) (cm) C-9 ダウ4352N (5) 0 0.9 19.6 10 0.5 2.8 19.5 11 1.0 4.1 22.0 12 1.5 4.6 22.5 C-10 LLDPE 1E10/A(6) 0 0.4 20.1 13 0.5 0.8 22.6 14 1.5 1.5 21.1 15 3.0 -- --
【0038】
【表4】 例 190 ℃に 190℃に I10/I2 IV(2) Mw(3) B.I.(4) 於けるI2 於けるI10 C-9 3.9 27.4 7.0 1.57 150000 1.0 10 1.5 15.8 10.1 1.65 211000 0.83 11 0.8 12.0 13.5 1.72 370000 0.57 12 0.7 10.3 15.1 1.79 633000 0.40 C-10 7.9 58.4 -- 1.3 -- -- 13 -- 51.6 -- 1.29 -- -- 14 -- 39.7 -- -- -- -- 15 -- 27 -- 1.40 -- --
【0039】 (1) ゴットフェルト社からのゴットフェルトレオテンズ
溶融張力装置を使用して以下のように溶融エチレンポリ
マーのストランドの張力( センチ−ニュートン)を測定
することにより測定した。試験されるポリマーを長さ20
mm、直径2mmのキャピラリィを通して180 ℃で押出す。
次いでストランドを、0.3cm/秒2 の一定の加速度で延伸
系を使用して延伸にかける。張力が高い程、粘弾性は良
好であり、それ故、溶融状態のポリマーの加工性は良好
である。 (2)135℃のデカリン中で測定した固有粘度。 (3)135℃のトリクロロベンゼン中でワイアット・テクノ
ロジィ社からのワイアット・ダウンレーザー光散乱装置
でレーザー光散乱することにより測定した重量平均分子
量。 (4) 分枝インデックス;[IV]Lin =2.77x10-4Mw0.725 (5) ダウ・ケミカル社からの3.9 のメルトインデックス
(MI)を有するペレット形態の、0.5 %のプロピレンモノ
マー単位を含む高密度エチレンコポリマー。 (6) ハイモント・イタリアS.r.l.からの7.9 のMIを有す
るペレット形態の、200ppmのイルガノックス1076安定剤
と混合された、6.1 %のブテン-1モノマー単位を含むLL
DPE 。
【0040】上記の表に示された結果は、本発明のエチ
レンポリマーがメルトインデックス比を増大したことを
示し、これは分子量分布の増大、溶融強度の増加を明示
する増大された溶融張力並びに長鎖分枝の形成を示す分
枝インデックスを示した。図2及び3に示された結果
は、本発明のエチレンポリマーがその物質の歪硬化能力
を示す伸び粘度を有することを示す。分枝インデックス
が減少するにつれて、即ち、長鎖分枝の程度が増大する
につれて、歪硬化伸び粘度の傾向が増大する。本発明の
自由末端の長鎖分枝エチレンポリマー物質は、有益な製
品、例えば、発泡シート材料及び熱成形シート材料の如
き発泡製品及び熱成形製品、押出被覆製品並びに繊維を
形成するために溶融加工操作に実用性を有する。実際
に、本発明の歪硬化性エチレンポリマー物質は、増強さ
れた溶融強度の高分子量エチレンポリマー物質が所望さ
れる全ての溶融加工操作に有益である。
【0041】本明細書に開示された本発明のその他の特
徴、利点及び実施態様は、以上の開示を読んだ後に当業
者に直ちに明らかになる。これに関し、本発明の特別な
実施態様がかなり詳しく説明されたが、これらの実施態
様の変更及び改良が、記載され、特許請求された本発明
の精神及び範囲から逸脱しないでなし得る。本明細書に
使用される“─から実質的になる”という用語は、特定
される物質の組成物の必須の性質及び特徴にかなり悪影
響するのに充分な濃度の未記載の物質を排除するが、前
記の必須の性質及び特徴にかなり悪影響するのに不充分
な濃度の一種以上の未記載の物質の存在を認める。
【図面の簡単な説明】
【図1】例えば、通常固体のポリエチレンを歪硬化性を
有する通常固体の、ゲルを含まないポリエチレンに変換
するための連続法の好ましい実施態様のフローシートで
ある。
【図2】本発明の方法により得られた自由末端の長鎖分
枝高密度ポリエチレンと高密度ポリエチレン対照の二つ
の試料の伸び粘度対伸び時間を示すグラフである。
【図3】本発明の方法により得られた自由末端の長鎖分
枝低密度ポリエチレンとLLDPE対照の試料の伸び粘度対
伸び時間を示すグラフである。
【符号の説明】
10−流動床ユニット 11、13、15−導管 16−固体流量調節装置 20−コンベヤーベルト供給ホッパー 21−エンドレスコンベヤーベルト 22−放射線室 25−電子線発生装置 28−固体回収装置 29、32−星形車 31−ガス−固体分離器 33−ガス排出管 34−固体排出管 35−押出機ホッパー 36−押出機 37−ペレット化兼冷却ユニット 38−固体輸送管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン ダブリュー メイフィールド アメリカ合衆国 デラウェア州 19803 ウィルミントン スタッフォード ロ ード 406 (72)発明者 トーマス エフ マックローリン アメリカ合衆国 デラウェア州 19808 ウィルミントン グレンバリー ドラ イヴ 6 (72)発明者 ジェームズ アール ベラン アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 19803 ウェスト チェスター マッケ ンジー ドライヴ 288 (56)参考文献 特開 平1−304929(JP,A) 特開 昭62−122736(JP,A) 特開 平2−30514(JP,A) 特表 昭59−501749(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 10/00 - 10/14 C08J 7/00 C08L 23/00 - 23/36 C08J 5/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】照射高密度ポリエチレンと、エチレンとC
    3-10 のα−オレフィンとの照射ランダムコポリマー及び
    ターポリマーから成る群から選ばれるゲルを含まないポ
    リマー物質であって、照射ランダムコポリマー及びター
    ポリマーのエチレン含有量が少なくとも80質量%であ
    り、該群のそれぞれのポリマー物質の重量平均分子量が
    少なくとも50,000であり、それぞれのポリマー物
    質が実質的にビニル末端基を含まず、該群のそれぞれの
    ポリマー物質がチタン化合物を含むチーグラー−ナッタ
    触媒系での低圧重合によって造られている、固体状態に
    於いて、前記ポリマー物質の分枝インデックスが0.9
    未満となる様に、そして前記ポリマー物質が顕著な歪硬
    化伸び粘度を有する様に十分な自由末端長鎖分枝を形成
    している事を特徴とするポリマー物質
  2. 【請求項2】ポリマーが粒子形態である、請求項1に記
    載のポリマー物質。
  3. 【請求項3】歪硬化伸び粘度を有しない、密度が0.8
    9〜0.97g/ccの、少なくとも50,000の重
    量平均分子量を有するエチレンポリマーから、ビニル末
    端基を実質的に含まず、歪硬化伸び粘度を有する、ゲル
    を含まないエチレンポリマーの製造方法であって、歪硬
    化伸び粘度を有しない前記エチレンポリマーが、ビニル
    末端基を実質的に含まず且つチタン化合物を含むチーグ
    ラー−ナッタ触媒系での低圧重合によって造られたもの
    であり、前記方法が、 歪硬化伸び粘度を有しない前記エチレンポリマーを、 (a) 前記エチレンポリマーの無定形部分のガラス転
    移点より上の温度であって70℃より高くない温度で、 (b) 活性酸素濃度が環境の15容量%未満に確立さ
    れ且つ維持されている環境中で、 (c) 放射線の2.0メガラドまでの暴露を与えるの
    に十分であるが、前記エチレンポリマーのゲル化を生じ
    ない期間にわたって毎分1〜1x104メガラドの範囲
    の線量率で高エネルギーイオン化放射線で照射し、 (2) こうして照射されたポリマーを、ポリマー物質
    の分枝インデックスが0.9未満となる様な量の長鎖分
    枝を形成するのに十分な期間にわたって前記環境中に維
    持し、次いで、 (3) 照射されたポリマーを前記環境中に在る間に処
    理して照射ポリマー中に存在する遊離基の実質的に全部
    を失活させる、 事を特徴とする方法。
  4. 【請求項4】前記歪硬化伸び粘度を有しない前記エチレ
    ンポリマーが、高密度ポリエチレンと、エチレンとC
    3-10 のα−オレフィンとのコポリマー及びターポリマー
    から成る群から選ばれ、コポリマー及びターポリマーの
    エチレン含有量が少なくとも80質量%である、請求項
    3に記載の方法。
  5. 【請求項5】照射前に、前記エチレンポリマーを、前記
    の減少された活性酸素の環境中でつくり、維持する、請
    求項3又は4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記の環境の活性酸素含有量が0.004
    容量%である、請求項3〜5の何れか一項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】高エネルギーイオン化放射線の吸収線量が
    1〜12メガラドである、請求項3〜6の何れか一項に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】工程(2)の期間が、1分〜1時間の範囲
    である、請求項3〜7の何れか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】請求項1又は2のポリマー物質から成る
    を特徴とするフィルム形成組成物。
  10. 【請求項10】請求項1又は2のポリマー物質から成る
    事を特徴とするフィルム。
  11. 【請求項11】エチレン組成物をチューブに押出し、続
    いてこれをバブルに吹込成形する吹込成形フィルムの製
    造方法であって、前記組成物が請求項1又は2のポリマ
    ー物質から成る事を特徴とする方法。
  12. 【請求項12】請求項1又は2のポリマー物質を含む
    チレンポリマー組成物を含む事を特徴とする物品。
JP16291692A 1991-06-21 1992-06-22 高溶融強度のエチレンポリマー、その製造法、及びその用途 Expired - Fee Related JP3386150B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US71895191A 1991-06-21 1991-06-21
US72003691A 1991-06-24 1991-06-24
US89747292A 1992-06-18 1992-06-18
US07/718951 1992-06-18
US07/897472 1992-06-18
US07/720036 1992-06-18

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0693033A JPH0693033A (ja) 1994-04-05
JP3386150B2 true JP3386150B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=27418987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16291692A Expired - Fee Related JP3386150B2 (ja) 1991-06-21 1992-06-22 高溶融強度のエチレンポリマー、その製造法、及びその用途

Country Status (9)

Country Link
JP (1) JP3386150B2 (ja)
KR (1) KR100266044B1 (ja)
CN (1) CN1045210C (ja)
AU (1) AU1846692A (ja)
BR (1) BR9202331A (ja)
CA (1) CA2071779C (ja)
FI (1) FI922879A (ja)
MX (1) MX9203077A (ja)
NO (1) NO922435L (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08269262A (ja) * 1995-03-30 1996-10-15 Showa Denko Kk ポリプロピレン系樹脂組成物
JPH1067871A (ja) * 1996-08-28 1998-03-10 Asahi Chem Ind Co Ltd ポリエチレン製微多孔膜の製造方法
DE69922435T2 (de) * 1998-06-10 2005-12-08 Depuy Products, Inc., Warsaw Verfahren zur Herstellung vernetzter, geformter Kunststofflager
JP4140107B2 (ja) * 1998-12-28 2008-08-27 東ソー株式会社 エチレン系樹脂組成物およびそれからなる発泡体
PL1654320T3 (pl) * 2003-08-12 2007-01-31 Basell Poliolefine Italia Srl Kompozycje napromienionego polimeru 1-butenu
JP2005146129A (ja) * 2003-11-17 2005-06-09 Mitsui Chemicals Inc エチレン・α−オレフィン共重合体ならびにそれからなる樹脂組成物およびこれから得られるフィルムまたはシート
JP2010276128A (ja) * 2009-05-29 2010-12-09 Sumitomo Chemical Co Ltd チューブ
EP2978783B1 (en) * 2013-03-28 2017-05-17 Dow Global Technologies LLC An ethylene/alpha-olefin interpolymer composition
US10851226B2 (en) * 2015-04-30 2020-12-01 Sabic Global Technologies B.V. High density polyethylene
WO2017121506A1 (en) * 2016-01-12 2017-07-20 Sabic Global Technologies B.V. Foamed injection moulded article
CN106632784A (zh) * 2016-10-27 2017-05-10 段恒宇 乙烯/α‑烯烃共聚物的制备方法及在管道输送中的应用

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4586995A (en) * 1982-09-17 1986-05-06 Phillips Petroleum Company Polymer and irradiation treatment method
ATE88196T1 (de) * 1985-01-31 1993-04-15 Himont Inc Polypropylen mit freier langkettenverzweigung, verfahren zur herstellung und verwendung davon.
ZA86528B (en) * 1985-01-31 1986-09-24 Himont Inc Polypropylene with free-end long chain branching,process for making it,and use thereof

Also Published As

Publication number Publication date
BR9202331A (pt) 1993-01-19
KR930000547A (ko) 1993-01-15
CN1069038A (zh) 1993-02-17
JPH0693033A (ja) 1994-04-05
CA2071779C (en) 1997-01-21
AU1846692A (en) 1992-12-24
FI922879A0 (fi) 1992-06-18
NO922435D0 (no) 1992-06-19
MX9203077A (es) 1994-06-30
FI922879A (fi) 1992-12-22
CN1045210C (zh) 1999-09-22
NO922435L (no) 1992-12-22
KR100266044B1 (ko) 2000-09-15
CA2071779A1 (en) 1992-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5552104A (en) High melt strength, ethylene polymer, process for making it, and use thereof
EP0190889B1 (en) Polypropylene with free-end long chain branching, process for making it, and use thereof
US4916198A (en) High melt strength, propylene polymer, process for making it, and use thereof
US5508318A (en) Compositions of irradiated and non-irradiated olefin polymer materials with reduced gloss
JP2655915B2 (ja) 照射ポリプロピレンの熱処理
US5414027A (en) High melt strength, propylene polymer, process for making it, and use thereof
JP2744317B2 (ja) 自由端長鎖分枝を有するプロピレン重合体の製法およびその使用
JP3386150B2 (ja) 高溶融強度のエチレンポリマー、その製造法、及びその用途
CA2071650C (en) Process for grafting vinyl monomers on particulate olefin polymers
EP0519386B1 (en) High melt strength irradiated ethylene polymer
CN1665864A (zh) 长链支化聚丙烯
US20070232716A1 (en) Cross-linking resins
US6774156B2 (en) Production of propylene copolymers having improved properties

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees