JP3385521B2 - 周波数分割多重方式光ファイバセンサシステム - Google Patents

周波数分割多重方式光ファイバセンサシステム

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JP3385521B2 JP23483296A JP23483296A JP3385521B2 JP 3385521 B2 JP3385521 B2 JP 3385521B2 JP 23483296 A JP23483296 A JP 23483296A JP 23483296 A JP23483296 A JP 23483296A JP 3385521 B2 JP3385521 B2 JP 3385521B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複数の光ファイバを
利用して電流信号等の広帯域信号を多点計測し、検出す
る周波数分割多重方式光ファイバセンサに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、このような周波数分割多重方式光
ファイバセンサシステムの技術としては「Frequency-di
vision multiplexing of optical-fiber sensors using
a frequency-modulated source 」、Optical and Qant
um Electronics Vol.18,No.4(1986)、I.Sakai に記載さ
れているようなものがある。
【0003】図7は上記文献に基づいた周波数分割多重
(FDM)方式光ファイバセンサの構成図である。図に
おいて、1は光源であり、LFM(Linear Fr
equency Modulation)変調され、鋸
歯状波に周波数が変調するレーザ光信号を出力する。2
はセンサアレイであり、複数の光ファイバセンサで構成
されている。図7では第1及び第2の光ファイバセンサ
2−0−1及び2−0−2を図示してある。光源1から
出力されたレーザ光信号は入力用カプラ2−1−1で分
岐され、一方は第1の光ファイバセンサ2−0−1への
光路を進み、もう一方は第2の光ファイバセンサ2−0
−2への光路を進む。第1の光ファイバセンサ2−0−
1では、センサ用カプラ2−2−1で均等にパワー分割
され、一方はセンシング光としてセンシングファイバ2
−3−1を通過する。もう一方はリファレンス光として
リファレンスファイバ2−4−1を通過する。センシン
グファイバ2−3−1とリファレンスファイバ2−4−
1とは、磁歪効果等により測定する物理量に対応して光
路長が変化し、これが位相変化を生じさせる。センシン
グファイバ2−3−1とリファレンスファイバ2−4−
1とを通過したレーザ光信号はセンサ用カプラ2−5−
1で結合されて干渉し、出力用カプラ2−6−1で他の
光ファイバセンサを通過した信号と結合されて出力され
る。この動作は並列に接続された他の光ファイバセンサ
でも同様に行われる。
【0004】3はO/E変換器であり、光センサアレイ
2で干渉されたレーザ光信号が自乗検波され、電圧に変
換される。4−1及び4−2は帯域通過フィルタ(BP
F)であり、それぞれ決まった周波数帯域の信号を通過
させる。5−1及び5−2は復調処理器であり、それぞ
れ帯域通過フィルタ4−1及び4−2を通過した信号を
復調して出力する。
【0005】光源1が、繰り返し周期T[sec]、周
波数掃引レートa[Hz/sec]のLFM変調された
レーザ光信号を出力し、また第1の光ファイバセンサを
構成するセンシングファイバ2−3−1とリファレンス
ファイバ2−4−1とには光路差がΔL1 あると設定す
る。この時、センサ用カプラ2−5−1では、センシン
グ光とリファレンス光とが伝搬時間差τ1 (=光路差Δ
1 /光速)を伴って干渉するため(LFM光が時間差
τ1 で干渉するため)、O/E変換器3から出力される
信号には、a×τ1 [Hz]の周波数を持つビート信号
が含まれる。
【0006】磁歪効果等を利用して、センシング光とリ
ファレンス光との間に、測定する物理量に対応した位相
変化Φ1 (t)が発生するようにしておくと、O/E変
換器3から出力される信号は、振幅値をAとすると、上
述のビート信号も含めて、Acos(2πaτ1 t+Φ
1 (t))で表される。これを中心周波数aτ1 の帯域
通過フィルタ4−1に通過させ、復調処理器5−1でF
M検波等の処理をして電流信号Φ1 として復調を行い、
出力する。
【0007】また第2の光ファイバセンサでは、センシ
ングファイバ2−3−2とリファレンスファイバ2−4
−2との光路差をΔL2 ≠ΔL1 とし、その時のビート
周波数がa×τ2 [Hz]となるようにする。O/E変
換器3を通過した信号は、中心周波数aτ2 の帯域通過
フィルタ4−2に通過させ、復調処理器5−2でFM検
波等の処理をして電流信号Φ2 として復調を行い、出力
する。
【0008】このように各光ファイバセンサにより干渉
された信号は、周波数の異なった搬送波によって伝送さ
れる。すなわち周波数多重伝送される。通常は、ΔLn
=ΔL1 ×nと設定してそれぞれの光ファイバセンサの
光路差を変更し、n番目の光ファイバセンサのビート周
波数a×τn を(a×τ1 )×nとなるようにしてお
く。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記ような周波
数のビート信号を発生させる方法では、光源1の周波数
を繰り返し周期T[sec]で掃引するため、図6のタ
イムチャートに示すように掃引切り替え時にa×τ[H
z]以外の不要なビート周波数が発生する。そのため、
a×τ[Hz]のビート信号の他に、a×τ[Hz]か
ら掃引周波数(1/T)[Hz]離れた部分に側波帯が
生じ、この側波帯の広域成分の漏れ込みにより、他の光
ファイバセンサの信号には雑音がのってしまう。この側
波帯の強度を抑え、他の光ファイバセンサの信号に影響
を与えないようにするためには、光路差ΔLと周波数掃
引率aとを小さくする必要がある。多重化の際に光路差
ΔLに差を設け、異なったビート周波数(光路差と周波
数掃引率との積)を発生させるため、光路差ΔLの増加
に制約があると、必然的に多重化される数は低く制限さ
れることになる。したがって計測点数も限定され、この
計測点数を増やすためには、このような光ファイバセン
サシステムを複数備える必要があり、装備性、価格性の
面で不便であるという問題が生じていた。
【0010】そこで、1システムでより多くの光ファイ
バセンサが装備でき、価格を抑えられるような周波数分
割多重方式光ファイバセンサの実現が望まれていた。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る周波数
分割多重方式光ファイバセンサシステムは、レーザ光電
界の周波数を鋸歯波形状に線形周波数変調したレーザ光
を出力する光源と、測定対象の物理量に対応して光路長
が変化する2つの光ファイバを複数組有し、それぞれの
組が基準の遅延時間差の整数倍で、かつそれぞれの組に
異なる遅延時間差を持たせて、それぞれの組の光ファイ
バにレーザ光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ
手段と、干渉したレーザ光を自乗検波して検波信号(電
圧)に変換する光−電圧変換手段と、干渉したレーザ光
の検波信号の内、検波信号の周波数が変移する部分を除
いて通過させる受信ゲートと、受信ゲートを通過した検
波信号の内、それぞれの組の遅延時間差に基づいた周波
数を中心周波数とする周波数帯域の検波信号を通過させ
る複数の帯域通過フィルタと、複数の帯域通過フィルタ
を通過したそれぞれの検波信号を復調し、物理量に対応
した位相信号を有する復調信号をそれぞれ出力する複数
の位相復調手段とを備えている。本発明においては、光
源が、レーザ光電界の周波数が鋸歯波形状に線形周波数
変調されたレーザ光を出力する。光ファイバセンサ手段
において、各組の光ファイバでは測定対象の物理量に対
応した光路長変化が生じるため、各組の光ファイバを通
過したレーザ光の干渉光には位相の変化が生じる。それ
ぞれの組が、基準となる遅延時間差の整数倍で、かつ他
の組とは異なる遅延時間差が生じるようにしてそれぞれ
の光ファイバにレーザ光を通過させる。干渉したレーザ
光は、光−電圧変換手段で自乗検波されて電圧に変換さ
れる。受信ゲートは、干渉光の周波数が変移する部分に
発生する側波帯を除去するために、干渉したレーザ光を
変換した検波信号の内、検波信号の周波数が変移する部
分を除いて通過させる。複数の帯域通過フィルタはそれ
ぞれ通過させる帯域の中心周波数をそれぞれの組の遅延
時間差に基づいた周波数に設定する。受信ゲートを通過
したパルス状の検波信号を所定帯域通過させ、かつ補間
を行って連続信号として通過させる。複数の位相復調手
段は、帯域通過フィルタを通過した検波信号を復調し、
測定対象の物理量に対応した位相信号を有する復調信号
を出力する。
【0012】また第2の発明に係る周波数分割多重方式
光ファイバセンサシステムは、レーザ光電界の周波数を
鋸歯波形状に線形周波数変調したレーザ光を出力する光
源と、光源が出力した前記レーザ光の内、レーザ光電界
の周波数が線形に変化する部分のレーザ光を透過させる
送信ゲートと、測定対象の物理量に対応して光路長が変
化する2つの光ファイバを複数組有し、それぞれの組が
基準の遅延時間差の整数倍で、かつそれぞれの組が異な
る遅延時間差を持たせて、それぞれの組の光ファイバに
前記レーザ光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ
手段と、干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換す
る光−電圧変換手段と、光−電圧変換手段を通過した検
波信号の内、それぞれの組の遅延時間差に基づいた周波
数を中心周波数とする周波数帯域の検波信号を通過させ
る複数の帯域通過フィルタと、複数の帯域通過フィルタ
を通過したそれぞれの検波信号を復調し、物理量に対応
した位相信号を有する復調信号をそれぞれ出力する複数
の移動復調手段とを備えている。本発明においては、光
源が、レーザ光電界の周波数が鋸歯波形状に線形周波数
変調されたレーザ光を出力する。不要なビート成分を発
生させる原因となる周波数掃引時のレーザ光を除いて通
過させるために、送信ゲートがレーザ光電界の周波数が
線形に変化する部分のレーザ光を通過させ、パルス状の
線形周波数変調のレーザ光として出力する。光ファイバ
センサ手段において、各組の光ファイバでは測定対象の
物理量に対応した光路長変化が生じるため、各組の光フ
ァイバを通過したレーザ光の干渉光には位相の変化が生
じる。それぞれの組が、基準となる遅延時間差の整数倍
で、かつ他の組とは異なる遅延時間差が生じるようにし
てそれぞれの光ファイバにレーザ光を通過させる。干渉
したレーザ光は、光−電圧変換手段で自乗検波されて電
圧に変換される。複数の帯域通過フィルタはそれぞれ通
過させる帯域の中心周波数をそれぞれの組のに基づいた
周波数に設定する。受信ゲートを通過したパルス状の信
号を所定帯域通過させ、かつ補間を行って連続信号とし
て通過させる。複数の位相復調手段は、帯域通過フィル
タを通過した検波信号を復調し、測定対象の物理量に対
応した位相信号を有する復調信号を出力する。
【0013】また第3の発明に係る周波数分割多重方式
光ファイバセンサシステムは、レーザ光電界の周波数を
正弦波形状に周波数変調されたレーザ光を出力する光源
と、測定対象の物理量に対応して光路長が変化する2つ
の光ファイバを複数組有し、それぞれの組が基準の遅延
時間差の整数倍で、かつそれぞれの組が異なる遅延時間
差を持たせて、それぞれの組の光ファイバにレーザ光を
透過させて干渉させる光ファイバセンサ手段と、干渉し
たレーザ光を自乗検波して電圧に変換する光−電圧変換
手段と、光−電圧変換手段が出力した検波信号の内、瞬
時周波数がほぼ一定となる検波信号部分を中心とした所
定幅の出力信号を通過させる受信ゲートと、受信ゲート
を通過した信号の内、それぞれの組の遅延時間差に基づ
いた周波数を中心周波数とする周波数帯域の信号を通過
させる複数の帯域通過フィルタと、複数の帯域通過フィ
ルタを通過したそれぞれの信号を復調し、物理量に対応
した位相信号を有する復調信号をそれぞれ出力する複数
の位相復調手段とを備えている。本発明においては、光
源が、レーザ光電界の周波数を正弦波形状に周波数変調
したレーザ光を出力する。光ファイバセンサ手段におい
て、各組の光ファイバは測定対象の物理量に対応した光
路長変化が生じるため、各組の光ファイバを通過したレ
ーザ光の干渉光には位相の変化が生じる。それぞれの組
が、基準となる遅延時間差の整数倍で、かつ他の組とは
異なる遅延時間差が生じるようにしてそれぞれの光ファ
イバにレーザ光を通過させる。干渉したレーザ光は、光
−電圧変換手段で自乗検波されて電圧に変換される。受
信ゲートは、検波信号の瞬時周波数がほぼ一定となる部
分を中心として所定幅だけ信号を通過させる。したがっ
て通過する信号のビート周波数が一定であると見なせ
る。複数の帯域通過フィルタはそれぞれ通過させる帯域
の中心周波数をそれぞれの組の遅延時間差に基づいた周
波数として設定する。受信ゲートを通過したパルス状の
信号を所定帯域通過させ、かつ補間を行って連続信号と
して通過させる。複数の位相復調手段は、帯域通過フィ
ルタを通過した検波信号を復調し、測定対象の物理量に
対応した位相信号を有する復調信号を出力する。
【0014】また第4の発明に係る周波数分割多重方式
光ファイバセンサシステムは、レーザ光電界の周波数を
正弦波形状に周波数変調されたレーザ光を出力する光源
と、光源が出力したレーザ光の内、瞬時周波数変化が線
形となる部分を中心とした所定幅のレーザ光を通過させ
る送信ゲートと、測定対象の物理量に対応して光路長が
変化する2つの光ファイバを複数組有し、それぞれの組
が基準の遅延時間差の整数倍で、かつそれぞれの組が異
なる遅延時間差を持たせて、それぞれの組の光ファイバ
に前記レーザ光を透過させて干渉させる光ファイバセン
サ手段と、干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換
する光−電圧変換手段と、それぞれの組の遅延時間差に
基づいた周波数を中心周波数とする周波数帯域を透過さ
せる複数の帯域通過フィルタと、複数の帯域通過フィル
タを通過したそれぞれの検波信号を復調し、物理量に対
応した位相信号を有する復調信号をそれぞれ出力する複
数の位相復調手段とを備えている。本発明においては、
光源が、レーザ光電界の周波数を正弦波形状に周波数変
調されたレーザ光を出力する。送信ゲートは、レーザ光
の瞬時周波数変化が線形となる部分を中心として所定幅
だけレーザ光を通過させる。したがって通過したレーザ
光は線形なパルス状のレーザ光であると見なせるため、
線形周波数変調されたレーザ光と同じように扱える。光
ファイバセンサ手段において、各組の光ファイバは測定
対象の物理量に対応した光路長変化が生じるため、各組
の光ファイバを通過したレーザ光の干渉光には位相の変
化が生じる。それぞれの組が、基準となる遅延時間差の
整数倍で、かつ他の組とは異なる遅延時間差が生じるよ
うにしてそれぞれの光ファイバにレーザ光を通過させ
る。干渉したレーザ光信号は、光−電圧変換手段で自乗
検波されて電圧に変換される。複数の帯域通過フィルタ
はそれぞれ通過させる帯域の中心周波数をそれぞれの組
の遅延時間差に基づいた周波数として設定する。受信ゲ
ートを通過したパルス状の信号を所定帯域通過させ、か
つ補間を行って連続信号として通過させる。複数の位相
復調手段は、帯域通過フィルタを通過した検波信号を復
調し、測定対象の物理量に対応した位相信号を有する復
調信号を出力する。
【0015】また第5の発明に係る周波数分割多重方式
光ファイバセンサシステムの光ファイバセンサ手段は、
各組の光源から前記光−電圧変換手段までの光路距離が
等しくなるようにその光路長が設定される。したがっ
て、各組の光ファイバで干渉されたレーザ光の周波数が
変移する部分が、ほぼ同じタイミングで光−電圧変換器
に入力される。したがってレーザ光の周波数が変移する
部分の検波信号を除く際の受信ゲートのゲート幅の設定
を簡単にする。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の第1の実施の形態に係るF
DM方式光ファイバセンサシステムの構成図と、レーザ
光信号の周波数及び受信ゲート60のタイムチャートで
ある。図1(a)において1は光源であり、LFM(L
inear Frequency Modulatio
n)変調され、鋸歯状波形に周波数が変調するレーザ光
信号を出力する。2はセンサアレイであり、複数のマッ
ハツェンダ干渉方式の干渉計による光ファイバセンサで
構成されている。各光ファイバセンサは入力用カプラ、
出力用カプラ、センシングファイバ、リファレンスファ
イバ及び2つのセンサ用カプラで構成されている。図1
では第1及び第2の光ファイバセンサ2−0−1及び2
−0−2を図示してある。光源1から出力されたレーザ
光信号は入力用カプラ2−1−1で分岐され、一方は第
1の光ファイバセンサ2−0−1への光路を進み、もう
一方は後段である第2の光ファイバセンサ2−0−2へ
の光路を進む。第1の光ファイバセンサ2−0−1で
は、レーザ光信号はセンサ用カプラ2−2−1で均等に
パワー分割され、一方はセンシング光としてセンシング
ファイバ2−3−1を通過する。もう一方はリファレン
ス光としてリファレンスファイバ2−4−1を通過す
る。センシングファイバ2−3−1は、磁歪効果等によ
り測定される物理量に対応して光路長が変化するので、
物理量に対応した位相変化が生ずる。センシングファイ
バ2−3−1とリファレンスファイバ2−4−1とを通
過したレーザ光信号はセンサ用カプラ2−5−1で結合
されて干渉し、出力用カプラ2−6−1で他の光ファイ
バセンサを通過した信号と結合されて出力される。この
ような動作が並列に接続された他の光ファイバセンサで
も同様に行われる。3はO/E変換器であり、光センサ
アレイ2で干渉されたレーザ光信号を自乗検波し、電圧
に変換する。4−1及び4−2は帯域通過フィルタ(B
PF)であり、それぞれ決まった周波数帯域の信号を通
過させる。5−1及び5−2は復調処理器であり、それ
ぞれ帯域通過フィルタ4−1又は帯域通過フィルタ4−
2を通過した信号を復調して出力する。
【0017】60はゲート幅がTg [sec]、周期が
s [sec]の受信ゲートである。受信ゲート60
は、掃引切り替え時のレーザ光信号が干渉し、O/E変
換器3で変換された部分の信号を通さないようなゲート
タイミングをとるように設定されている。
【0018】次に光ファイバセンサシステムの具体的な
動作について説明する。光源1は繰り返し周期Ts [s
ec]で周波数掃引レートa[Hz/sec]のLFM
レーザ光信号を発信する。センシングファイバ2−3−
1とリファレンスファイバ2−4−1との光路差をΔL
1 とすると、O/E変換器3の出力でのビート周波数は
a×τ1 [Hz]となる。ここでτ1 は遅延差を表し、
τ1 =(ΔL1 /光速)である。受信ゲート60の周期
はTs [sec]であるから、1/Ts [Hz]の周波
数間隔で折り返し成分による雑音が発生する。この雑音
が復調の際に影響を与えないようにする必要がある。
【0019】受信ゲート60は、(1/Tg )[Hz]
の周波数間隔で応答がなくなる周波数特性を持つ。そこ
で、各光ファイバセンサによって出力されるビート周波
数を例えば第1の光ファイバ2−0−1では、a×τ1
=1/Tg のように1/Tgの整数倍としておくと、折
り返し雑音は、周波数特性によりビート周波数の整数倍
の周波数のところでは応答が0になるので、例えば第2
の光ファイバセンサ2−0−2で干渉されて発生するビ
ート周波数a×τ2 =2/Tg の信号には影響を与えな
い。
【0020】このとき各帯域通過フィルタは、中心周波
数をa×τ1 =1/Tg [Hz]の整数倍(各光ファイ
バセンサから出力された干渉光のビート周波数)とし、
通過帯域を1/Ts [Hz]とする。各帯域通過フィル
タは不要なビート周波数による側波帯は除去できないの
で、それを受信ゲート60で除去しておき、受信ゲート
60を備えたことにより発生する折り返し成分に関して
は除去できるので、これを帯域通過フィルタで除去する
ことで、結果的に各復調処理器の際には雑音成分が混入
されない。
【0021】また各帯域通過フィルタは補間フィルタと
しての役割も果たすので、受信ゲート60からパルスで
出力された信号が、各帯域通過フィルタを通過するとパ
ルス間が補間され、連続信号として出力される。このと
きの信号の振幅値をBとすると、例えば帯域通過フィル
タ4−1を通過する信号はBcos(2πaτ1 t+Φ
1 (t))で表される。この信号をFM検波等による復
調処理を行い、電流信号Φ1 を出力する。この電流信号
Φ1 が第1の光ファイバセンサ2−0−1でセンシング
された物理量を表したものである。
【0022】同様にして第2の光ファイバセンサ2−0
−2では、受信ゲート60を通過した信号をビート周波
数がa×τ2 =(a×τ1 )×2[Hz]となるように
設定し、中心周波数a×τ2 [Hz]で通過帯域が1/
s [Hz]の帯域通過フィルタ4−2に通過させ、復
調処理器5−1でFM検波等による処理を行って電流信
号Φ2 の復調を行う。これを他の復調処理器でも行い、
物理量の測定を行う。
【0023】第1の実施の形態においては、受信ゲート
60が、掃引切り替え時のレーザ光信号を干渉させた部
分のレーザ光信号がO/E変換器3で変換された部分に
発生する不要なビート成分から生じる側波帯を通過させ
ないようにしたので、不要ビート成分による各側波帯が
漏れ込んで、他の光ファイバセンサの信号に雑音として
影響を与えることはなく、これにより1システムの光フ
ァイバセンサの数を増やして、より多くの多重化を行う
ことができるので、測定に必要なシステムの数を減らす
ことができ、装備面で便利になり、またコストを抑える
ことが可能となる。第1の実施の形態においては、多点
計測で各センサ間の間隔を狭くし(例えば信号が10K
Hzで帯域制限されている場合、数km等)、各光ファ
イバセンサ間の光路距離の差による遅延差を小さくし、
各光ファイバセンサにより掃引切り替え時のレーザ光信
号が干渉した部分の差を小さくして受信ゲート60を共
通にしたので、部品点数を少なくすることができる。
【0024】実施形態2.図2は本発明の第2の実施の
形態に係るFDM方式光ファイバセンサシステムの構成
図とレーザ光信号の周波数及び受信ゲート60のタイム
チャートである。図2(a)において、光源1、O/E
変換器3、帯域通過フィルタ(BPF)4−1並びに4
−2、復調処理器5−1並びに5−2及び受信ゲート6
0は実施の形態1の図1の同じ図番を付したものと同様
の動作を行う。
【0025】2aはセンサアレイであり、第1の実施の
形態のセンサアレイ2とは若干構成が異なっている。セ
ンサアレイ2aも、複数のマッハツェンダ干渉方式の干
渉計による光ファイバセンサで構成されている。各光フ
ァイバセンサは第1の実施の形態と同様に入力用カプ
ラ、出力用カプラ、センシングファイバ、リファレンス
ファイバ及び2つのセンサ用カプラで構成されている。
図2では第1及び第2の光ファイバセンサ2−0−1a
及び2−0−2aを図示してある。光源1から出力され
たレーザ光信号は入力用カプラ2−1−1で分岐され、
一方は第1の光ファイバセンサ2−0−1aへの光路を
進み、もう一方は後段である第2の光ファイバセンサへ
の光路2−0−2aを進む。第1の光ファイバセンサ2
−0−1aでは、レーザ光信号はセンサ用カプラ2−2
−1で均等にパワー分割され、一方はセンシング光とし
てセンシングファイバ2−3−1を通過する。もう一方
はリファレンス光としてリファレンスファイバ2−4−
1を通過する。センシングファイバ2−3−1は、磁歪
効果等により測定される物理量に対応して光路長が変化
し、物理量に対応した位相変化が生ずる。センシングフ
ァイバ2−3−1とリファレンスファイバ2−4−1と
を通過したレーザ光信号はセンサ用カプラ2−5−1で
結合されて干渉する。これが並列に接続された他の光フ
ァイバセンサでも同様に行われる。また、各光ファイバ
センサのは、第1の実施の形態と同様に、例えば第1の
光ファイバではa×τ1 =1/Tg となるように1/T
g の整数倍として設定しておく。
【0026】出力用カプラ2−6−1aを通過した干渉
されたレーザ光信号は、第2の光ファイバセンサ2−0
−2aの出力用カプラ2−6−2aに向かって進む。ま
た、他の光ファイバセンサで干渉されたレーザ光信号も
後段の光ファイバセンサの出力カプラの方に送られ、最
終段の光ファイバセンサで干渉されたレーザ光信号と結
合された後、O/E変換器3に出力される。したがっ
て、光源1から出力され、干渉されてO/E変換器3に
入力されるまでのレーザ光信号の伝搬時間(光路距離)
が光ファイバセンサ間の測定距離間隔に関わらずほぼ同
じになる。
【0027】第2の実施の形態においては、センサアレ
イ2aのそれぞれの光ファイバセンサの光路距離はほぼ
同じになり、各光ファイバセンサから出力される掃引切
り替え時のレーザ光信号の干渉光がO/E変換器3に入
力される時間がほぼ同じになるので、受信ゲート60が
信号を通さない時間をその時間帯に設定すればよく、光
路距離差を考慮して光ファイバセンサの測定距離間隔及
び受信ゲート60のゲート幅Tg を設定する必要がな
い。
【0028】実施形態3.図3は本発明の第3の実施の
形態に係るFDM方式光ファイバセンサシステムの構成
図とレーザ光信号の周波数及び送信ゲート70のタイム
チャートである。図3(a)において、光源1、センサ
アレイ2、O/E変換器3、帯域通過フィルタ4−1並
びに4−2及び復調処理器5−1並びに5−2は第1の
実施の形態の図1の同じ図番を付しているものと同様の
動作を行う。
【0029】図3において、70は送信ゲートであり、
光源1から出力されたレーザ光信号をゲート幅Tg 、周
期Ts でゲートする。したがって信号幅Tg 、周期Ts
のパルス状のレーザ光信号がセンサアレイ2に入力され
ることになる。また、送信ゲート70の出力信号も受信
ゲート60のと同様にゲート幅(1/Tg )の周波数間
隔で応答がなくなる周波数特性を持つ。そこで、各光フ
ァイバセンサによって出力されるビート周波数を例えば
第1の光ファイバでは、a×τ1 =1/Tg のように1
/Tg の整数倍としておくと、ビート周波数a×τ1
同時に発生する折り返し雑音は、周波数特性によりビー
ト周波数の整数倍の周波数のところでは応答が0になる
ので、例えば第2の光ファイバセンサのビート周波数a
×τ2 =2/Tg の信号等に影響を与えない。センサア
レイ2ではセンシングファイバ2−3−1とリファレン
スファイバ2−4−1とを通過したパルス状のレーザ光
信号が干渉する。干渉されたレーザ光信号もパルス状の
信号となる。
【0030】干渉されたレーザ光信号はO/E変換器3
で自乗検波され、電圧に変換される。変換された信号は
各帯域通過フィルタに入力される。各帯域通過フィルタ
は補間フィルタとしての役割も果たすので、O/E変換
器3からパルス状に出力された信号が、各帯域通過フィ
ルタを通過すると連続信号として表される。このとき振
幅値をBとすると、例えば帯域通過フィルタ4−1を通
過する信号はBcos(2πaτ1 t+Φ1 (t))で
表される。この信号をFM検波等による復調処理を行っ
て電流信号Φ1 を出力する。この電流信号Φ1 が第1の
光ファイバセンサ2−0−1でセンシングされた物理量
を表したものである。
【0031】同様にして第2の光ファイバセンサ2−0
−2では、受信ゲート60を通過した信号をビート周波
数がa×τ2 =(a×τ1 )×2[Hz]となるように
設定し、中心周波数a×τ2 [Hz]で通過帯域が1/
s [Hz]の帯域通過フィルタ4−2に通過させ、復
調処理器5−1でFM検波等による処理を行って電流信
号Φ2 の復調を行う。これを他の復調処理器でも行い、
物理量の測定を行う。
【0032】第3の実施の形態においては、送信ゲート
70によりあらかじめ掃引切り替え時のレーザ光信号を
カットしたパルス状のレーザ光信号をセンサアレイ2に
出力するため、不要ビート成分による各側波帯の漏れ込
みにより、他の光ファイバセンサの信号に雑音信号を与
えることはなく、1システムの光ファイバセンサの数を
増やして、より多くの多重化を行うことができるので、
測定に必要なシステムの数を減らすことができ、装備面
で都合がよく、またコストを抑えることが可能となる。
また第3の実施の形態においては、送信ゲート70は、
受信ゲート60のように光路距離を考慮して光ファイバ
センサの距離間隔及びゲート間隔Tg を設定しなくても
よい。
【0033】実施形態4.図4は本発明の第4の実施の
形態におけるFDM方式光ファイバセンサシステムの構
成図とレーザ光信号の周波数及び受信ゲート61のタイ
ムチャートである。図4(a)においてセンサアレイ2
a、O/E変換器3、帯域通過フィルタ4−1並びに4
−2及び復調処理器5−1並びに5−2は図2で同じ図
番を付しているものと同様の動作を行う。図4において
1aは光源であり、周期Ts の正弦波状にFM変調され
たレーザ光信号を出力する。
【0034】センシングファイバ2−3−1とリファレ
ンスファイバ2−4−1との光路差をΔL1 とすると、
O/E変換器3から出力される干渉出力I(t)は、直
流成分を省略すると概略として次式(1)のように表さ
れる。 I(t)=Acos(2πfd τ1 cos2πf0 t+Φ) …(1) ここでf0 及びfd はFM変調の変調周波数及び最大周
波数偏移を表す。またAは定数で振幅値を示す。τ1
実施の形態1と同様に伝搬遅延差を表し、τ1 =(ΔL
1 /光速)である。
【0035】受信ゲート61はゲート幅Tgを正弦波の
周期1/f0 (=Ts )よりも十分小さく設定し、ゲー
トの周期を1/f0 (又はその整数倍)とする。受信ゲ
ート61のゲートの中心タイミングを、干渉光の正弦波
のゼロクロス点に合わすと、受信ゲート61を通過する
I(t)は、正弦波を線形であると見なせる領域に限定
されるため、次式(2)のように近似できる。 I(t)=Acos((2πfd τ1 )2πf0 t+Φi ) …(2) ここで(1)、(2)式ともパルス幅内のみの時間波形
を表しているものとする。なお、Φi は初期位相を示す
定数である。
【0036】したがって受信ゲート61を通過した信号
は、繰り返し周期Ts (=1/f0)、パルス幅Tg
ビート周波数2πfd 0 τ1 のビート信号となる。受
信ゲート61を通過した信号は、各帯域通過フィルタで
所定の周波数帯域を通過させるようにし、かつ補間処理
されて連続信号に変換され、それぞれの帯域通過フィル
タに接続された復調処理器で電流信号が復調される。こ
のとき各帯域通過フィルタは中心周波数をビート周波数
2πfd 0 τ1 [Hz]の整数倍、通過帯域を(1/
s )[Hz]としておく。
【0037】第4の実施の形態においては、正弦波状に
FM変調されたレーザ光信号を光源1aから出力し、そ
の正弦波の線形と見なせる部分だけを通過させて復調し
て位相変化を取り出すため、不要ビート信号成分による
側波帯が発生せず、他の光ファイバセンサの信号に雑音
として影響を与えることがないので、1システムの光フ
ァイバセンサの数を増やして、より多くの多重化を行う
ことができ、測定に必要なシステムの数を減らして、装
備面で便利にし、またコストを抑えることが可能とな
る。
【0038】また、センサアレイ2aのそれぞれの光フ
ァイバセンサの光路距離はほぼ同じになり、各光ファイ
バセンサから出力されるレーザ光信号の掃引切り替え時
の干渉光がO/E変換器3に入力される時間がほぼ同じ
になるので、受信ゲート61が信号を通さない時間をそ
の時間帯に設定すればよく、光路距離差を考慮して光フ
ァイバセンサの間隔を設定する必要がない。
【0039】実施形態5.図5は本発明の第5の実施の
形態に係るFDM方式光ファイバセンサシステムの構成
図とレーザ光信号の周波数及び送信ゲート71のタイム
チャートである。図5(a)において、センサアレイ
2、O/E変換器3、帯域通過フィルタ4−1並びに4
−2及び復調処理器5−1並びに5−2は第3の実施の
形態の図3の同じ図番を付しているものと同様の動作を
行う。図5において、1aは光源であり、第4の実施の
形態の図4と同様にFM変調されたレーザ光信号を出力
する。
【0040】送信ゲート71はゲート幅Tg を正弦波の
周期1/f0 (=Ts )よりも十分小さく設定し、ゲー
ト間隔を1/f0 (又はその整数倍)としてゲートの中
心タイミングをFM変調されたレーザ光信号の瞬時周波
数が中心周波数とクロスする点に合わせておき、正弦波
を線形であると見なせる領域を通過させるようにしてお
く。
【0041】光ファイバセンサ2−0−1のセンシング
ファイバ2−3−1とリファレンスファイバ2−4−1
との光路差をΔL1 とすると、O/E変換器の干渉出力
I(t)は直流成分を省略すると、上述の(1)式のよ
うに表される。
【0042】また、正弦波を線形であると見なせる部分
を干渉させたので、O/E変換器3の干渉出力I(t)
は上述の(2)式で近似される。ただし、(1)、
(2)式ともパルス幅内のみの時間波形を表しているも
のとする。O/E変換器3から出力される信号は、繰り
返し周期Ts (=1/f0 )、パルス幅がほぼTg 、ビ
ート周波数2πfd 0 τ1 をもつ信号が出力される。
この信号は各帯域通過フィルタで所定の周波数帯域を通
過させるようにし、かつ補間処理されて連続信号に変換
され、それぞれの帯域通過フィルタに接続された復調処
理器で電流信号が復調される。このとき各帯域通過フィ
ルタは中心周波数をビート周波数2πfd 0 τ1 [H
z]の整数倍、通過帯域を(1/Ts )[Hz]として
おく。
【0043】このときの信号の振幅値をBとすると、例
えば第1の帯域通過フィルタ4−1を通過する信号はB
cos(2πfd 0 τ1 t+Φ1 (t))で表され
る。この信号をFM検波等による復調処理を行い、電流
信号Φ1 を出力する。この電流信号Φ1 が第1の光ファ
イバセンサ2−0−1でセンシングされた物理量を表し
たものである。
【0044】同様にして第2の光ファイバセンサ2−0
−2では、O/E変換器3を通過した信号のビート周波
数が2πfd 0 τ2 =(2πfd 0 τ1 )×2[H
z]となるように設定し、中心周波数2πfd 0 τ2
[Hz]で通過帯域が1/Ts [Hz]の帯域通過フィ
ルタ4−2に通過させ、復調処理器5−1でFM検波等
による処理を行って電流信号Φ2 の復調を行う。これを
他の復調処理器でも行い、物理量の測定を行う。
【0045】第5の実施の形態においては、正弦波状に
FM変調されたレーザ光信号を光源1aから出力し、送
信ゲート71により、FM変調光の瞬時周波数が線形と
見なせる部分だけを通過させ、干渉させて、各復調処理
器で復調し、位相変化を取り出すので、不要ビート信号
成分による側波帯が発生することがなく、他の光ファイ
バセンサの信号に雑音として影響を与えることがなく、
1システムの光ファイバセンサの数を増やして、より多
くの多重化を行うことができるので、測定に必要なシス
テムの数を減らすことができ、またコストを抑えること
が可能となる。
【0046】第1、2及び5の実施の形態においては、
受信ゲート60及び61は各ビート周波数毎に設定しな
いで共通なものとしたが、本発明ではそれに限定される
ことなく、各光ファイバセンサの光路距離による時間遅
延に合わせて個別に設定してもよい。
【0047】また、第1〜5の実施の形態では、受信ゲ
ート60または61と送信ゲート70または71とを同
時に備えた光ファイバセンサシステムを用いてもよい。
【0048】また、第1〜5の実施の形態では、センサ
アレイ2及び2aの光ファイバセンサはマッハツェンダ
方式で説明しているが、センサアレイ2の代わりとして
図6(a)のような態様のマイケルソン方式のセンサア
レイ2bを用い、またセンサアレイ2aの代わりとして
図6(b)のような光路距離がほぼ同じになるような態
様のマイケルソン方式のセンサアレイ2cを用いること
も可能である。またセンサアレイ2b及び2cは、セン
シングファイバ2−3−1及び2−3−2並びにレファ
レンスファイバ2−4−1及び2−4−2は反射器2−
7−11、2−7−21、2−7−12又は2−7−2
2で終端するようにしているが、磁気素子を付属した反
射器(Faraday Rotator Mirro
r)を用いてもよい。さらにマッハツェンダ方式やマイ
ケルソン方式ではなく、ファブリペロ方式のセンサアレ
イを用いてもよい。また、本発明では受信ゲート60及
び61並びに送信ゲート70及び71とセンサアレイ2
及び2aの組み合わせは問題にしなくてもよい。
【0049】また、第1〜5の実施の形態では、リファ
レンスファイバは計測対象から隔離し、伝搬時間が変化
しない構造をとっているが、本発明はそれに限定される
ことなく、センシングファイバとリファレンスファイバ
とが差動動作することにより、位相変化を生じさせるよ
うにしてもよい。
【0050】また第1の実施の形態においては、各光フ
ァイバセンサは光路距離が異なっているが、入力用カプ
ラと出力用カプラとの間に余長ファイバを用いて各光フ
ァイバの光路距離をほぼ同じにするように光路距離の調
整を行ってもよい。
【0051】また本発明では、光ファイバによるレーザ
光信号の伝送経路上に増幅用の光アンプが接続されてい
てもよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、受信ゲー
トが、干渉したレーザ光が光−電圧変換器で変換された
検波信号のうち、周波数が変移する部分をカットして透
過させるようにしたので、周波数が変移する部分に発生
する不要なビート成分から生じる側波帯が通過せず、こ
の側波帯が高域成分に漏れ込んで他の光ファイバセンサ
の信号に雑音信号を与えることはなく、1システムの光
ファイバセンサの数を増やして、より多くの多重化を行
うことができるので、測定に必要なシステムの数を減ら
すことができ、装備面で便利にな利、またコストを抑え
ることが可能となる。
【0053】また本発明によれば、送信ゲートにより、
不要ビート成分を発生させる原因となるレーザ光をあら
かじめ除去したパルス状のレーザ光を光ファイバセンサ
に出力するため、不要ビート成分による各側波帯の高域
成分の漏れ込みにより、他の光ファイバセンサの信号に
雑音信号を与えることはなく、1システムの光ファイバ
センサの数を増やして、より多くの多重化を行うことが
できるので、測定に必要なシステムの数を減らすことが
でき、またコストを抑えることが可能となる。また、受
信ゲートを用いる必要がないので、光路距離を考慮して
光ファイバセンサの距離間隔及びゲート間隔を設定しな
くてもよい。
【0054】また本発明によれば、正弦波状にFM変調
されたレーザ光を光源から出力し、その正弦波の特定の
部分だけを受信ゲートで通過させて位相を復調するた
め、不要ビート信号成分による側波帯が発生することが
なく、他の組の光ファイバから出力される信号に雑音と
して影響を与えることがなく、1システムの光ファイバ
センサの数を増やして、より多くの多重化を行うことが
できるので、測定に必要なシステムの数を減らすことが
でき、またコストを抑えることが可能となる。
【0055】さらに本発明によれば、正弦波状にFM変
調されたレーザ光を光源から出力し、その正弦波の特定
の部分だけを送信ゲートで通過させて干渉させ、位相を
復調するため、不要ビート信号成分による側波帯が発生
することがなく、他の組の光ファイバの信号に雑音とし
て影響を与えることがなく、1システムの光ファイバセ
ンサの数を増やして、より多くの多重化を行うことがで
きるので、測定に必要なシステムの数を減らすことがで
き、またコストを抑えることが可能となる。
【0056】また本発明によれば、センサアレイのそれ
ぞれの光ファイバを通過するレーザ光の光路距離はほぼ
同じになるので、各光ファイバから出力されるレーザ光
の掃引切り替え時の干渉光が光−電圧変換器に入力され
る時間がほぼ同じになり、受信ゲートが信号を通さない
時間をその時間帯に設定すればよく、光路距離差を考慮
して各光ファイバの測定距離間隔及び受信ゲートのゲー
ト幅を設定する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るFDM方式光
ファイバセンサシステムの構成図とレーザ光信号の周波
数及び受信ゲート60のタイムチャートである。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るFDM方式光
ファイバセンサシステムの構成図とレーザ光信号の周波
数及び受信ゲート60のタイムチャートである。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るFDM方式光
ファイバセンサシステムの構成図とレーザ光信号の周波
数及び送信ゲート70のタイムチャートである。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るFDM方式光
ファイバセンサシステムの構成図とレーザ光信号の周波
数及び受信ゲート61のタイムチャートである。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るFDM方式光
ファイバセンサシステムの構成図とレーザ光信号の周波
数及び送信ゲート71のタイムチャートである。
【図6】マイケルソン方式のセンサアレイ2b、2cの
構成図である。
【図7】従来のFDM方式光ファイバセンサシステムの
構成図とレーザ光信号の周波数のタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1、1a 光源 2、2a センサアレイ 3 O/E変換器 4−1、4−2 帯域通過フィルタ 5−1、5−2 復調処理器 60、61 受信ゲート 70、71 送信ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 1/00 G01D 21/00 G08C 15/02 G08C 23/04 G01B 11/00 - 11/30 G01D 5/00 - 5/62 G02B 6/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光電界の周波数を鋸歯波形状に線
    形周波数変調したレーザ光を出力する光源と、 測定対象の物理量に対応して光路長が変化する2つの光
    ファイバを複数組有し、それぞれの組が基準の遅延時間
    差の整数倍で、かつそれぞれの組に異なる遅延時間差を
    持たせて、前記それぞれの組の光ファイバに前記レーザ
    光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ手段と、 前記干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換する光
    −電圧変換手段と、 前記干渉したレーザ光を変換した検波信号の内、前記検
    波信号の周波数が変移する部分を除いて通過させる受信
    ゲートと、 該受信ゲートを通過した検波信号の内、前記それぞれの
    組の遅延時間差に基づいた周波数を中心周波数とする周
    波数帯域の検波信号を通過させる複数の帯域通過フィル
    タと、 該複数の帯域通過フィルタを通過したそれぞれの検波信
    号を復調し、前記物理量に対応した位相信号を有する復
    調信号をそれぞれ出力する複数の位相復調手段とを備え
    たことを特徴とする周波数分割多重方式光ファイバセン
    サシステム。
  2. 【請求項2】 レーザ光電界の周波数を鋸歯波形状に線
    形周波数変調したレーザ光を出力する光源と、 該光源が出力した前記レーザ光の内、前記レーザ光電界
    の周波数が線形に変化する部分のレーザ光を透過させる
    送信ゲートと、 測定対象の物理量に対応して光路長が変化する2つの光
    ファイバを複数組有し、それぞれの組が基準の遅延時間
    差の整数倍で、かつそれぞれの組が異なる遅延時間差を
    持たせて、前記それぞれの組の光ファイバに前記レーザ
    光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ手段と、 前記干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換する光
    −電圧変換手段と、 該光−電圧変換手段を通過した検波信号の内、前記それ
    ぞれの組の遅延時間差に基づいた周波数を中心周波数と
    する周波数帯域の検波信号を通過させる複数の帯域通過
    フィルタと、 該複数の帯域通過フィルタを通過したそれぞれの検波信
    号を復調し、前記物理量に対応した位相信号を有する復
    調信号をそれぞれ出力する複数の移動復調手段とを備え
    たことを特徴とする周波数分割多重方式光ファイバセン
    サシステム。
  3. 【請求項3】 レーザ光電界の周波数を正弦波形状に周
    波数変調したレーザ光を出力する光源と、 測定対象の物理量に対応して光路長が変化する2つの光
    ファイバを複数組有し、それぞれの組が基準の遅延時間
    差の整数倍で、かつそれぞれの組が異なる遅延時間差を
    持たせて、前記それぞれの組の光ファイバに前記レーザ
    光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ手段と、 前記干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換する光
    −電圧変換手段と、 該光−電圧変換手段が出力した検波信号の内、瞬時周波
    数がほぼ一定となる部分を中心とした所定幅の前記検波
    信号を通過させる受信ゲートと、 該受信ゲートを通過した検波信号の内、前記それぞれの
    組の遅延時間差に基づいた周波数を中心周波数とする周
    波数帯域の検波信号を通過させる複数の帯域通過フィル
    タと、 該複数の帯域通過フィルタを通過したそれぞれの検波信
    号を復調し、前記物理量に対応した位相信号を有する復
    調信号をそれぞれ出力する複数の位相復調手段とを備え
    たことを特徴とする周波数分割多重方式光ファイバセン
    サシステム。
  4. 【請求項4】 レーザ光電界の周波数を正弦波形状に周
    波数変調したレーザ光を出力する光源と、 該光源が出力したレーザ光の内、瞬時周波数が線形とな
    る部分を中心とした所定幅の前記レーザ光を通過させる
    送信ゲートと、 測定対象の物理量に対応して光路長が変化する2つの光
    ファイバを複数組有し、それぞれの組が基準の遅延時間
    差の整数倍で、かつそれぞれの組が異なる遅延時間差を
    持たせて、前記それぞれの組の光ファイバに前記レーザ
    光を透過させて干渉させる光ファイバセンサ手段と、 前記干渉したレーザ光を自乗検波して電圧に変換する光
    −電圧変換手段と、 前記それぞれの組の遅延時間差に基づいた周波数を中心
    周波数とする周波数帯域の検波信号を透過させる複数の
    帯域通過フィルタと、 該複数の帯域通過フィルタを通過したそれぞれの検波信
    号を復調し、前記物理量に対応した位相信号を有する復
    調信号をそれぞれ出力する複数の位相復調手段とを備え
    たことを特徴とする周波数分割多重方式光ファイバセン
    サシステム。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバセンサ手段は、各組の前
    記光源から前記光−電圧変換手段までの光路距離が等し
    くなるようにその光路長が設定されることを特徴とする
    請求項1、2、3又は4記載の周波数分割多重方式光フ
    ァイバセンサシステム。
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