JP3384748B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤの製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気入りタイヤの
ユニフォミティーを改善しうる空気入りタイヤの製造方
法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気入
りタイヤは、一般に、生トレッド部aを有するグリーン
タイヤtを金型内で加硫成形することにより製造してお
り、このグリーンタイヤtは、例えばラジアルタイヤの
場合には、図9に示すように、カーカスb、ビードコア
c、外皮ゴムd等の構成部材を成形ドラム上で組合わた
円筒状のタイヤ基体を、トロイド状に膨出せしめ、その
膨出したクラウン部分eに、環状の生トレッド部aを貼
着することによって形成している。 【0003】又前記生トレッド部aは、図10に示すよ
うに、押出し成形されたトレッドゴムの帯状体fを、ド
ラム上で巻付けその長さ方向両端部を連ねることにより
環状に形成している。 【0004】このとき、前記帯状体fには厚さがあるた
め、巻付けに際して外周面soは内周面siに対して周
方向に伸ばされる。しかし、前記帯状体fが軟質である
ため、前記伸びは一様に生じることなく弱所に集中して
発生し、周方向に向かって大きな厚さバラ付きを招くと
ともに、不特定の位置に裂け目状の歪みとなって現れる
等ユニフォミティーの低下をもたらしている。 【0005】そこで本発明の目的は、巻付けに先駆け
て、前記帯状体の外周面に巾方向にのびる切込みを所定
サイズで8本以上形成することを基本として、帯状体の
巻付けによる伸びの歪みを、多数個の切込みに均一に分
散させるとともに、切込み毎の歪みの大きさを、加硫工
程によるゴム流れによって回復しうる程度まで減少緩和
せしめ、これによってユニフォミティーを向上しうる空
気入りタイヤの製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、切込みを設
けた生トレッド部を有するグリーンタイヤを金型内で加
硫成形する加硫工程を含み、前記生トレッド部は、トレ
ッドゴムの帯状体を環状に連ねることにより形成され、
かつ前記切込みは、前記帯状体の外周面をタイヤ軸方向
にのびるとともに一周に対し8本以上が略等しい間隔で
設けられ、しかも切込み深さDを前記帯状体の平均厚さ
Tの50%以下、かつタイヤ軸方向の切込み長さLを前
記帯状体の巾Wの20%以上とするとともに、前記切込
みは、前記加硫工程におけるゴム流れによって切込みが
閉じられることを特徴としている。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の製造方法によ
って形成された空気入りタイヤ1を例示したものであっ
て、タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ
半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各
サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを
具える。又ビード部4、4間にはカーカス6が架け渡さ
れるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2
内にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するベルト
層7が配される。 【0008】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道COに対して例えば70〜90°の角度で配列す
る1枚以上のカーカスプライ6aから形成され、このカ
ーカスプライ6aは、前記トレッド部2からサイドウォ
ール部3をへてビード部4のビードコア5の廻りをタイ
ヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。 【0009】前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ
赤道COに対して例えば70°以下の角度で配列した2
枚以上のベルトプライ7aからなり、各ベルトコードが
プライ間で交差するよう向きを違えて重置している。な
お、必要に応じてベルト層7のリフティングを防止する
ためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の外側に
設けても良く、このときバンド層は、低モジュラスの有
機繊維コードを、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻き
した連続プライで形成する。 【0010】又ビード部4には、前記ビードコア5から
半径方向外方にのびるエーペックスゴム8が配されると
ともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすイ
ンナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、
チェーファーゴム4G及びサイドウォールゴム3Gで保
護される。 【0011】次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法
を説明する。前記製造方法は、図2(A)、(B)に示
すように、切込み20を設けた生トレッド部2Aを有す
るグリーンタイヤ1Aを金型30内で加硫成形する加硫
工程T5を含み、この加硫工程T5におけるゴム流れに
よって前記切込み20は閉じられる。 【0012】又前記グリーンタイヤ1Aは、図3〜5に
示すように、本例では、(1) 成形ドラム31上で、
例えば前記インナーライナゴム9、チェーファーゴム4
Gとサイドウォールゴム3Gとを接合した外皮ゴム1
0、及びカーカスプライ6aなどを含む構成部材を順次
巻回して組合わせ円筒状のタイヤ基体11を形成するタ
イヤ基体形成工程T1、(2) この円筒状のタイヤ基
体11の両側部分に、エーペックスゴム8を有するビー
ドコア5をセットするビードコア取付け工程T2、
(3) ビードコア5、5間に位置するタイヤ基体11
の主部分11aをトロイド状に膨出させ、予め形成した
環状の生トレッド部2Aの内周面に圧接させるととも
に、ビードコア5外側の側部分11bを折返し前記膨張
した主部分11aに圧接する膨出工程T3、及び(4)
膨出工程T3に先駆け、前記生トレッド部2Aを形成
する生トレッド形成工程T4とを具える。 【0013】なお、前記タイヤ基体形成工程T1、ビー
ドコア取付け工程T2、及び膨出工程T3は、従来の製
造工程と実質的に同じである。 【0014】又生トレッド形成工程T4では、図5に示
すように、ゴム押出機によって所定の断面形状に成形さ
れたトレッドゴムの帯状体21を、円筒状のフォーマー
(図示せず)上で巻付け、その長さ方向両端部を連ねる
ことにより生トレッド部2Aを環状に形成する。 【0015】前記帯状体21の外周面Soには、図6に
示すように、前記巻付けに先駆け、タイヤ軸方向にのび
る切込み20が、一周に対し8本以上略等しい間隔を隔
てて形成される。この切込み20は、例えば、タイヤ軸
方向に対して45度以下の角度を有して、直線状、V字
状、ジグザグ状等に形成できるが、加硫工程T5におい
てその開口を閉じるためには、前記角度はできるだけ小
さくかつ直線状に近いことが好ましく、本例では略0度
でのびる直線状に形成している。 【0016】又切込み20は、実質的に巾を持たないス
リットであって、その切込み深さDは、前記帯状体21
の平均厚さTの50%以下、かつタイヤ軸方向の切込み
長さLは、前記帯状体21の巾Wの20%以上に規制さ
れる。 【0017】ここで、前記切込み深さDは、帯状体21
の外周面から切込みの底縁20eまでの距離で示され
る。しかし、帯状体21の断面形状は、通常、加硫成型
時にトレッドゴムが最短距離で各方向に流動しうるよう
に、その外周面Soは、タイヤ赤道COの両側に最大厚
さ部分21A、21Aを設けた山形状に形成している。
従って、切込みの底縁20eは、帯状体21の内周面S
iと平行であるが、前記切込み深さDは変化し、係る場
合には、最大深さDmをもって切込み深さDと定義す
る。 【0018】又帯状体21の平均厚さTとは、図7に示
すように、帯状体21の断面積をS、巾をWとしたと
き、S/Wをもって平均厚さTという。これは帯状体2
1を断面積S、巾Wの矩形断面と想定したときの厚さに
相当する。 【0019】又前記切込み20は、本例では、前記帯状
体21が山形状をなすことにより、前記最大厚さ部分2
1Aを横切りかつ中央側(赤道側)で途切れる一対の切
込み片20A、20Aから形成され、係る場合には、各
切込み片20Aのタイヤ軸方向の長さLAの和LA+L
Aをもって切込み長さLとする。 【0020】このように、前記帯状体21の外周面So
に切込み20を予め形成しているため、巻付けの際に外
周面側で生じる伸びによる歪みを、各切込み20に均一
に分散させることができる。又分散された歪みは、切込
み20の口開きとなって現れるが、切込み数を8本以上
とし、かつ切込み寸法を規制しているため、切込み20
毎の口開き量を抑えることができる。その結果、以後の
加硫工程T5によるゴム流れによって、前記口開きを確
実に埋め、切込み20の痕跡を残すことなく修復でき、
タイヤ1を、優れたユニフォミティーを有して、高品質
に形成できる。 【0021】ここで、前記切込み深さDが0.5×Tよ
り大の時、及び切込み数が8本未満の時、口開き量が過
大となり、図8に示すように、仕上がりタイヤ1のトレ
ッド面に傷24となって残存し、耐久性や見映えを低下
させる。又切込み長さLが0.2×W未満の時、前記歪
みの分散・緩和、即ちユニフォミティーの向上効果が発
揮されなくなる。前記効果をより確実に発揮させるため
に、前記切込み深さDを0.1×T以上とするのが好ま
しい。 【0022】又切込み長さLは、前記帯状体21が矩形
断面形状をなすならば、その上限は1.0×Wまで広げ
ることができる。又切込み数の上限は、特に規制されな
いが、作業性等の観点から20本以下程度が好ましい。 【0023】又本発明の製造方法は、乗用車用タイヤに
限定されることなく、重荷重用タイヤ、小型トラック用
タイヤ、或いは自動二輪車用タイヤなど種々の目的のタ
イヤの製造のために採用でき、又バイアス構造のタイヤ
を製造するために用いても良い。 【0024】 【実施例】タイヤサイズが195/65R15の乗用車
用タイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、試
供タイヤのユニフォミティー及び外観の傷の発生の有無
を測定し、切込みのない従来品と比較した。 【0025】ユニフォミティーは、フォースバリエイシ
ョン(FV)試験機を用い、JASO C607の規格
に基づいてラジアルフォースバリエイション(RFV)
を測定した。測定条件は、リム(15×6J)、内圧
(2.0kgf/cm2 )、荷重(460kg)であ
り、夫々10本のサンプルタイヤの平均値を表1に記載
する。 【0026】又外観の傷は、前記切込みに起因する傷の
有無を、目視検査によりチェックし、明らかに傷のある
ものは×、切込みの痕跡があるものは△、それ以外の傷
のないものは○として評価した。 【0027】 【表1】【0028】表の如く、切込みの形成により、ユニフォ
ミティーが改善されるのが確認できる。又比較例2では
切込み本数が不足し、又比較例3では切込み深さDが過
大となるため、切込み跡が発生する。 【0029】 【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
トレッドゴムの帯状体の巻付けによる伸びの歪みを、均
一に分散緩和させることができ、ユニフォミティーを向
上しうる。
ユニフォミティーを改善しうる空気入りタイヤの製造方
法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】空気入
りタイヤは、一般に、生トレッド部aを有するグリーン
タイヤtを金型内で加硫成形することにより製造してお
り、このグリーンタイヤtは、例えばラジアルタイヤの
場合には、図9に示すように、カーカスb、ビードコア
c、外皮ゴムd等の構成部材を成形ドラム上で組合わた
円筒状のタイヤ基体を、トロイド状に膨出せしめ、その
膨出したクラウン部分eに、環状の生トレッド部aを貼
着することによって形成している。 【0003】又前記生トレッド部aは、図10に示すよ
うに、押出し成形されたトレッドゴムの帯状体fを、ド
ラム上で巻付けその長さ方向両端部を連ねることにより
環状に形成している。 【0004】このとき、前記帯状体fには厚さがあるた
め、巻付けに際して外周面soは内周面siに対して周
方向に伸ばされる。しかし、前記帯状体fが軟質である
ため、前記伸びは一様に生じることなく弱所に集中して
発生し、周方向に向かって大きな厚さバラ付きを招くと
ともに、不特定の位置に裂け目状の歪みとなって現れる
等ユニフォミティーの低下をもたらしている。 【0005】そこで本発明の目的は、巻付けに先駆け
て、前記帯状体の外周面に巾方向にのびる切込みを所定
サイズで8本以上形成することを基本として、帯状体の
巻付けによる伸びの歪みを、多数個の切込みに均一に分
散させるとともに、切込み毎の歪みの大きさを、加硫工
程によるゴム流れによって回復しうる程度まで減少緩和
せしめ、これによってユニフォミティーを向上しうる空
気入りタイヤの製造方法を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の空気入りタイヤの製造方法は、切込みを設
けた生トレッド部を有するグリーンタイヤを金型内で加
硫成形する加硫工程を含み、前記生トレッド部は、トレ
ッドゴムの帯状体を環状に連ねることにより形成され、
かつ前記切込みは、前記帯状体の外周面をタイヤ軸方向
にのびるとともに一周に対し8本以上が略等しい間隔で
設けられ、しかも切込み深さDを前記帯状体の平均厚さ
Tの50%以下、かつタイヤ軸方向の切込み長さLを前
記帯状体の巾Wの20%以上とするとともに、前記切込
みは、前記加硫工程におけるゴム流れによって切込みが
閉じられることを特徴としている。 【0007】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
示例とともに説明する。図1は、本発明の製造方法によ
って形成された空気入りタイヤ1を例示したものであっ
て、タイヤ1は、トレッド部2と、その両端からタイヤ
半径方向内方にのびる一対のサイドウォール部3と、各
サイドウォール部3の内方端に位置するビード部4とを
具える。又ビード部4、4間にはカーカス6が架け渡さ
れるとともに、このカーカス6の外側かつトレッド部2
内にはタガ効果を有してトレッド部2を補強するベルト
層7が配される。 【0008】前記カーカス6は、カーカスコードをタイ
ヤ赤道COに対して例えば70〜90°の角度で配列す
る1枚以上のカーカスプライ6aから形成され、このカ
ーカスプライ6aは、前記トレッド部2からサイドウォ
ール部3をへてビード部4のビードコア5の廻りをタイ
ヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。 【0009】前記ベルト層7は、ベルトコードをタイヤ
赤道COに対して例えば70°以下の角度で配列した2
枚以上のベルトプライ7aからなり、各ベルトコードが
プライ間で交差するよう向きを違えて重置している。な
お、必要に応じてベルト層7のリフティングを防止する
ためのバンド層(図示しない)を、ベルト層7の外側に
設けても良く、このときバンド層は、低モジュラスの有
機繊維コードを、タイヤ赤道COとほぼ平行に螺旋巻き
した連続プライで形成する。 【0010】又ビード部4には、前記ビードコア5から
半径方向外方にのびるエーペックスゴム8が配されると
ともに、カーカス6の内側には、タイヤ内腔面をなすイ
ンナーライナゴム9が隣設され、カーカス6の外側は、
チェーファーゴム4G及びサイドウォールゴム3Gで保
護される。 【0011】次に、本発明の空気入りタイヤの製造方法
を説明する。前記製造方法は、図2(A)、(B)に示
すように、切込み20を設けた生トレッド部2Aを有す
るグリーンタイヤ1Aを金型30内で加硫成形する加硫
工程T5を含み、この加硫工程T5におけるゴム流れに
よって前記切込み20は閉じられる。 【0012】又前記グリーンタイヤ1Aは、図3〜5に
示すように、本例では、(1) 成形ドラム31上で、
例えば前記インナーライナゴム9、チェーファーゴム4
Gとサイドウォールゴム3Gとを接合した外皮ゴム1
0、及びカーカスプライ6aなどを含む構成部材を順次
巻回して組合わせ円筒状のタイヤ基体11を形成するタ
イヤ基体形成工程T1、(2) この円筒状のタイヤ基
体11の両側部分に、エーペックスゴム8を有するビー
ドコア5をセットするビードコア取付け工程T2、
(3) ビードコア5、5間に位置するタイヤ基体11
の主部分11aをトロイド状に膨出させ、予め形成した
環状の生トレッド部2Aの内周面に圧接させるととも
に、ビードコア5外側の側部分11bを折返し前記膨張
した主部分11aに圧接する膨出工程T3、及び(4)
膨出工程T3に先駆け、前記生トレッド部2Aを形成
する生トレッド形成工程T4とを具える。 【0013】なお、前記タイヤ基体形成工程T1、ビー
ドコア取付け工程T2、及び膨出工程T3は、従来の製
造工程と実質的に同じである。 【0014】又生トレッド形成工程T4では、図5に示
すように、ゴム押出機によって所定の断面形状に成形さ
れたトレッドゴムの帯状体21を、円筒状のフォーマー
(図示せず)上で巻付け、その長さ方向両端部を連ねる
ことにより生トレッド部2Aを環状に形成する。 【0015】前記帯状体21の外周面Soには、図6に
示すように、前記巻付けに先駆け、タイヤ軸方向にのび
る切込み20が、一周に対し8本以上略等しい間隔を隔
てて形成される。この切込み20は、例えば、タイヤ軸
方向に対して45度以下の角度を有して、直線状、V字
状、ジグザグ状等に形成できるが、加硫工程T5におい
てその開口を閉じるためには、前記角度はできるだけ小
さくかつ直線状に近いことが好ましく、本例では略0度
でのびる直線状に形成している。 【0016】又切込み20は、実質的に巾を持たないス
リットであって、その切込み深さDは、前記帯状体21
の平均厚さTの50%以下、かつタイヤ軸方向の切込み
長さLは、前記帯状体21の巾Wの20%以上に規制さ
れる。 【0017】ここで、前記切込み深さDは、帯状体21
の外周面から切込みの底縁20eまでの距離で示され
る。しかし、帯状体21の断面形状は、通常、加硫成型
時にトレッドゴムが最短距離で各方向に流動しうるよう
に、その外周面Soは、タイヤ赤道COの両側に最大厚
さ部分21A、21Aを設けた山形状に形成している。
従って、切込みの底縁20eは、帯状体21の内周面S
iと平行であるが、前記切込み深さDは変化し、係る場
合には、最大深さDmをもって切込み深さDと定義す
る。 【0018】又帯状体21の平均厚さTとは、図7に示
すように、帯状体21の断面積をS、巾をWとしたと
き、S/Wをもって平均厚さTという。これは帯状体2
1を断面積S、巾Wの矩形断面と想定したときの厚さに
相当する。 【0019】又前記切込み20は、本例では、前記帯状
体21が山形状をなすことにより、前記最大厚さ部分2
1Aを横切りかつ中央側(赤道側)で途切れる一対の切
込み片20A、20Aから形成され、係る場合には、各
切込み片20Aのタイヤ軸方向の長さLAの和LA+L
Aをもって切込み長さLとする。 【0020】このように、前記帯状体21の外周面So
に切込み20を予め形成しているため、巻付けの際に外
周面側で生じる伸びによる歪みを、各切込み20に均一
に分散させることができる。又分散された歪みは、切込
み20の口開きとなって現れるが、切込み数を8本以上
とし、かつ切込み寸法を規制しているため、切込み20
毎の口開き量を抑えることができる。その結果、以後の
加硫工程T5によるゴム流れによって、前記口開きを確
実に埋め、切込み20の痕跡を残すことなく修復でき、
タイヤ1を、優れたユニフォミティーを有して、高品質
に形成できる。 【0021】ここで、前記切込み深さDが0.5×Tよ
り大の時、及び切込み数が8本未満の時、口開き量が過
大となり、図8に示すように、仕上がりタイヤ1のトレ
ッド面に傷24となって残存し、耐久性や見映えを低下
させる。又切込み長さLが0.2×W未満の時、前記歪
みの分散・緩和、即ちユニフォミティーの向上効果が発
揮されなくなる。前記効果をより確実に発揮させるため
に、前記切込み深さDを0.1×T以上とするのが好ま
しい。 【0022】又切込み長さLは、前記帯状体21が矩形
断面形状をなすならば、その上限は1.0×Wまで広げ
ることができる。又切込み数の上限は、特に規制されな
いが、作業性等の観点から20本以下程度が好ましい。 【0023】又本発明の製造方法は、乗用車用タイヤに
限定されることなく、重荷重用タイヤ、小型トラック用
タイヤ、或いは自動二輪車用タイヤなど種々の目的のタ
イヤの製造のために採用でき、又バイアス構造のタイヤ
を製造するために用いても良い。 【0024】 【実施例】タイヤサイズが195/65R15の乗用車
用タイヤを、表1の仕様に基づき試作するとともに、試
供タイヤのユニフォミティー及び外観の傷の発生の有無
を測定し、切込みのない従来品と比較した。 【0025】ユニフォミティーは、フォースバリエイシ
ョン(FV)試験機を用い、JASO C607の規格
に基づいてラジアルフォースバリエイション(RFV)
を測定した。測定条件は、リム(15×6J)、内圧
(2.0kgf/cm2 )、荷重(460kg)であ
り、夫々10本のサンプルタイヤの平均値を表1に記載
する。 【0026】又外観の傷は、前記切込みに起因する傷の
有無を、目視検査によりチェックし、明らかに傷のある
ものは×、切込みの痕跡があるものは△、それ以外の傷
のないものは○として評価した。 【0027】 【表1】【0028】表の如く、切込みの形成により、ユニフォ
ミティーが改善されるのが確認できる。又比較例2では
切込み本数が不足し、又比較例3では切込み深さDが過
大となるため、切込み跡が発生する。 【0029】 【発明の効果】本発明は叙上の如く構成しているため、
トレッドゴムの帯状体の巻付けによる伸びの歪みを、均
一に分散緩和させることができ、ユニフォミティーを向
上しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で形成される仕上がりタイヤ
の一例を示す断面図である。 【図2】(A)、(B)は加硫工程を説明する断面図で
ある。 【図3】タイヤ基体形成工程及びビードコア取付け工程
を説明する線図である。 【図4】膨出工程を説明する線図である。 【図5】生トレッド形成工程を説明する線図である。 【図6】帯状体を切込みとともに示す斜視図である。 【図7】帯状体の平均厚さを説明する線図である。 【図8】加硫成形後の切込みによる傷を示す断面図であ
る。 【図9】従来のタイヤの製造方法を説明する線図であ
る。 【図10】従来の問題点を説明する生トレッド部の斜視
図である。 【符号の説明】 1A グリーンタイヤ 2A 生トレッド部 20 切込み 21 帯状体 30 金型 T5 加硫工程
の一例を示す断面図である。 【図2】(A)、(B)は加硫工程を説明する断面図で
ある。 【図3】タイヤ基体形成工程及びビードコア取付け工程
を説明する線図である。 【図4】膨出工程を説明する線図である。 【図5】生トレッド形成工程を説明する線図である。 【図6】帯状体を切込みとともに示す斜視図である。 【図7】帯状体の平均厚さを説明する線図である。 【図8】加硫成形後の切込みによる傷を示す断面図であ
る。 【図9】従来のタイヤの製造方法を説明する線図であ
る。 【図10】従来の問題点を説明する生トレッド部の斜視
図である。 【符号の説明】 1A グリーンタイヤ 2A 生トレッド部 20 切込み 21 帯状体 30 金型 T5 加硫工程
─────────────────────────────────────────────────────
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(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B29D 30/00 - 30/72
B29C 33/02
B29C 35/02
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】切込みを設けた生トレッド部を有するグリ
ーンタイヤを金型内で加硫成形する加硫工程を含み、 前記生トレッド部は、トレッドゴムの帯状体を環状に連
ねることにより形成され、かつ前記切込みは、前記帯状
体の外周面をタイヤ軸方向にのびるとともに一周に対し
8本以上が略等しい間隔で設けられ、しかも切込み深さ
Dを前記帯状体の平均厚さTの50%以下、かつタイヤ
軸方向の切込み長さLを前記帯状体の巾Wの20%以上
とするとともに、 前記切込みは、前記加硫工程におけるゴム流れによって
切込みが閉じられることを特徴とする空気入りタイヤの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22147898A JP3384748B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 空気入りタイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22147898A JP3384748B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 空気入りタイヤの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000052449A JP2000052449A (ja) | 2000-02-22 |
JP3384748B2 true JP3384748B2 (ja) | 2003-03-10 |
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ID=16767348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22147898A Expired - Fee Related JP3384748B2 (ja) | 1998-08-05 | 1998-08-05 | 空気入りタイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3384748B2 (ja) |
-
1998
- 1998-08-05 JP JP22147898A patent/JP3384748B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JP2000052449A (ja) | 2000-02-22 |
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