JP3382547B2 - A/d変換装置 - Google Patents

A/d変換装置

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JP3382547B2
JP3382547B2 JP29365198A JP29365198A JP3382547B2 JP 3382547 B2 JP3382547 B2 JP 3382547B2 JP 29365198 A JP29365198 A JP 29365198A JP 29365198 A JP29365198 A JP 29365198A JP 3382547 B2 JP3382547 B2 JP 3382547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は入力された広いレベ
ル範囲を有するアナログの入力信号をA/D変換してデ
ジタルの出力信号として出力するA/D変換装置に関す
る。 【0002】 【従来の技術】例えば、各種電子部品単体や、これらの
電子部品が多数組込まれた増幅器、フィルタ、発振器、
送信機、受信機、中継器等の各種電子装置の特性を測定
する測定装置においては、一般に、電子部品や電子装置
の測定対象に対して試験信号を印加して、この測定対象
からの出力信号の信号レベルや周波数特性を測定する。 【0003】このような測定対象に印加する試験信号の
レベル範囲は、例えば、数十dB〜百数十dBと非常に
広い。したがって、このような測定対象の特性を高い精
度で測定するためには、測定対象に印加する数十dB〜
百数十dBのレベル範囲を有する試験信号を高い精度で
校正しておく必要がある。 【0004】この試験信号の信号レベルを高い精度で測
定するレベル測定装置においては、入力されたアナログ
の試験信号をA/D変換装置でデジタルの試験信号に変
換して、このデジタルの試験信号に対して平均化処理等
を含む種々の評価処理が実施される。 【0005】したがって、このレベル測定装置内に組込
まれるA/D変換装置においても広いダイナミックレン
ジと高い直線性が要求される。この高い直線性を実現す
るために、アナログの入力信号に対して所定の周波数範
囲を有する雑音を加算して、この加算信号の信号レベル
を故意に広範囲に分布させ、この加算信号をA/D変換
器でA/D変換し、このA/D変換された後のデジタル
の加算信号に含まれる雑音の周波数成分をデジタルフィ
ルタで除去して、元のアナログの入力信号に対するデジ
タルの出力信号を得るようにしたA/D変換装置が実用
化されている。 【0006】このように、加算信号の瞬時的な信号レベ
ルを故意に広範囲に分布させることによって、A/D変
換器における各信号レベルに対応する多くの入力電圧値
を使用してデジタル値に変換できる。その結果、最終的
にデジタルフィルタから出力されるデジタルの出力信号
の信号レベルは、A/D変換器における前記入力信号の
信号レベルに対応する特定の入力電圧値のみを使用して
得られたものではなく、多数の入力電圧値を使用して得
られたものである。 【0007】したがって、多数の入力電圧値を用いた変
換による平均化の効果が働き、たとえ、入力信号の信号
レベルに対応する特定の入力電圧値が、他の入力電圧値
に対して、直線性を有していない場合であっても、A/
D変換装置全体としては、入力信号に対して高い直線性
を確保できる。 【0008】このような機能を有したA/D変換装置は
例えば図13に示すように構成されている。入力端子1
から入力された図14に示す信号波形を有するアナログ
の入力信号aは信号加算回路2へ入力される。この入力
信号aは例えば図15の周波数特性図に示すようにほぼ
単一の周波数fS を有する。 【0009】雑音発生回路3内には、例えばノイズダイ
オードとバンドパスフィルタが組込まれている。そし
て、ノイズダイオードで作成されたホワイトノイズ(熱
雑音)をバンドパスフィルタで、例えば図15の周波数
特性図に示すように、周波数fNLから周波数fNHまでの
前記入力信号aの周波数fS を含まない所定の周波数
範囲に制限して、この雑音発生回路3から雑音bとして
信号加算回路2へ送出する。 【0010】信号加算回路2は、アナログの入力信号a
と雑音bとを加算してアナログの加算信号cとして次の
A/D変換器4へ送出する。A/D変換器4は入力され
たアナログの加算信号cを例えばnビット構成のデジタ
ルの加算信号dにA/D変換して、デジタルフィルタ5
へ送出する。したがって、このデジタルの加算信号dに
は、図15の周波数特性図に示すように、入力信号aの
周波数fS の周波数成分と雑音bの周波数fNLから周
波数fNHまでの周波数成分とが含まれる。 【0011】デジタルフィルタ5は、入力されたnビッ
ト構成のデジタルの加算信号dから、雑音bの周波数f
NLから周波数fNHまでの周波数成分を除去して、前記ア
ナログの入力信号aに対応するnビット構成のデジタル
の出力信号eとして、出力端子6を介して外部へ送出す
る。 【0012】このような構成のA/D変換装置において
は、A/D変換器4は入力信号aと雑音bとを加算した
加算信号cをA/D変換するので、前述したように、A
/D変換装置全体として入力信号aに対して高い直線性
を確保できる。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図13
に示す従来のA/D変換装置においても、まだ改良すべ
き課題がある。ここで、A/D変換装置の各部に入出力
される各信号の信号レベルについて検証する。図16
は、A/D変換器4のダイナミックレンジDA/D に対
する入力信号aの信号レベルDS 、雑音bの信号レベル
N 、加算信号cの信号レベルDSNの相対関係を示す模
式図である。 【0014】前述したように、入力信号aと雑音bとを
加算した加算信号cが、A/D変換器4におけるできる
だけの多くの入力電圧値を使用して変換されることが望
ましい。このためには、加算信号cの信号レベルDSN
A/D変換器4の入力ダイナミックレンジDA/D に近
似させるのが望ましい。したがって、雑音発生回路3か
ら出力される雑音bの信号レベルDN をできるだけ大き
く設定する必要がある。 【0015】しかし、この雑音bの信号レベルDN を過
度に大きく設定すると、A/D変換装置全体としての直
線性は向上するが、入力信号aの信号レベルDS が制限
される。すなわち、A/D変換装置全体としての入力信
号aに対するダイナミックレンジが狭くなる。 【0016】逆に、雑音bの信号レベルDN を小さく設
定すると、入力信号aの取りうる信号レベルDS の範囲
が広くなり、A/D変換装置全体としての入力信号aに
対するダイナミックレンジが広くなるが、雑音bの信号
レベルDN が小さくなり、平均化の効果が小さくなる。 【0017】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、入力信号に加算する交流付加信号の信号
レベルを可変制御することによって、簡単な構成で入力
信号に対する広いダイナミックレンジとA/D変換時に
おける高い直線性とを同時に確保できるA/D変換装置
を提供することを目的とする。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に、本発明のA/D変換装置においては、アナログの交
流付加信号を出力する付加信号発生回路と、所定の信号
レベル及び所定の周波数範囲を有する雑音を出力する雑
音発生回路と、入力されたアナログの入力信号と交流付
加信号と雑音とを加算して加算信号として出力する信号
加算部と、この信号加算部から出力された加算信号をA
/D変換するA/D変換器と、このA/D変換器でA/
D変換されたデジタルの加算信号に含まれる交流付加信
号の周波数成分及び雑音の周波数成分を除去してアナロ
グの入力信号に対応するデジタルの出力信号として出力
するデジタルフィルタと、信号加算部から出力された加
算信号の信号レベルを検出する信号レベル検出器と、
/D変換器のダイナミックレンジより若干小さい基準レ
ベルを発生する基準電圧発生回路と、基準電圧発生回路
で発生された基準レベルから信号レベル検出器で検出さ
れた信号レベルを減算してその偏差を偏差信号として送
出する比較回路と、偏差信号の偏差が零になるように付
加信号発生回路から入力される交流付加信号の信号レベ
ルを制御する減衰器とを備え、A/D変換器へ入力され
る加算信号の信号レベルがA/D変換器のダイナミック
レンジに基づいて定まる一定値となるようにしている。 【0019】このように構成されたA/D変換装置にお
いては、A/D変換器へ入力される加算信号の信号レベ
ルが一定値になるように交流付加信号の信号レベルか制
御される。この一定値はA/D変換器のダイナミックレ
ンジに基づいて定まる。 【0020】その結果、加算信号の信号レベルの取りう
る範囲が広くなり、多数の入力電圧値を用いて変換され
ることになり、A/D変換時における高い直線性が確保
される。 【0021】また、入力信号の信号レベルが低い場合は
交流付加信号の信号レベルが自動的に高くなり、入力信
号の信号レベルが高い場合は交流付加信号の信号レベル
が自動的に低くなる。その結果、A/D変換装置として
入力信号に対する広いダイナミックレンジを確保でき
る。 【0022】よって、入力信号に対する広いダイナミッ
クレンジとA/D変換時における高い直線性とを同時に
確保できる。 【0023】さらに、A/D変換器へ入力される加算信
号は、力信号及び交流付加信号の他に雑音が加算され
る。そして、検出された加算信号の信号レベルを用い
て、入力信号と交流付加信号と雑音とが加算された加算
信号がA/D変換器のダイナミックレンジより若干小さ
い基準レベルになるように、交流付加信号の信号レベル
可変制御される。 【0024】また、加算信号に雑音が含まれるので、加
算信号の信号レベルはより多くの分割割位置(ビット位
置)を用いて変換されることになり、より高い直線性を
確保できる。 【0025】 【0026】 【0027】 【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態を図面
を用いて説明する。 (第1実施形態)図1は本発明の第1実施形態に係わる
A/D変換装置の概略構成を示すブロック図である。図
13に示す従来のA/D変換装置と同一部分には同一符
号が付してある。したがって、重複部分の詳細説明は省
略する。 【0028】入力端子1から入力された図4に示す信号
波形を有するアナログの入力信号aは信号加算部として
の信号加算回路2へ入力される。この入力信号aは例え
ば図6の周波数特性図に示すようにほぼ単一の周波数f
S を有する。雑音発生回路3は、例えば図6に示すよう
に、周波数fNLから周波数fNHまでの前記入力信号aの
周波数fS を含まない所定の周波数範囲を有する雑音
bを信号加算回路2へ送出する。 【0029】付加信号発生回路7は、例えば正弦波発振
器で構成されており、図4に示す正弦波形を有する交流
付加信号gを出力する。この交流付加信号gは、例えば
図6の周波数特性図に示すように、前記入力信号aの周
波数fS からかなり離れたほぼ単一の周波数fA を有
する。付加信号発生回路7から出力された交流付加信号
gは減衰器8でその信号レベルDA が制御された後、信
号加算回路2へ入力される。 【0030】信号加算回路2は、信号レベルDS を有す
るアナログの入力信号aと、信号レベルDN を有する雑
音bと、信号レベルDA が制御された交流付加信号g
とを加算してアナログの加算信号cとして次のA/D変
換器4へ送出する。 【0031】信号加算回路2から出力されてA/D変換
器4へ入力される加算信号cはダイオードからなる整流
器9へ入力される。整流器9は加算信号cを整流して、
この加算信号cの信号レベルDSAN を検出して次の比較
回路10へ送出する。すなわち、この整流器9は信号レ
ベル検出器を構成する。 【0032】基準電圧発生回路11は、図2に示すよう
に、A/D変換器4のダイナミックレンジDA/D より若
干小さい一定の基準レベルDB を示す基準電圧を比較回
路10へ送出する。 【0033】比較回路10は、基準レベルDB から加算
信号cの信号レベルDSAN を減算してその偏差(DB
SAN )を偏差信号hとして減衰器8の制御端子へ送出
する。減衰器8は、偏差信号hの偏差(DB −DSAN
が零[0]になる方向に付加信号発生回路7から入力さ
れた交流付加信号gの信号レベルDA を制御する。 【0034】よって、A/D変換器4へ入力される加算
信号cの信号レベルDSAN は、たとえ入力信号aの信号
レベルDS が大きく変化したとしても、A/D変換器4
のダイナミックレンジDA/D より若干小さい一定の基準
レベルDB を維持する。 【0035】したがって、基準電圧発生回路11、比較
回路10及び減衰器8は、交流付加信号gの信号レベル
A を制御する信号レベル制御回路を形成する。A/D
変換器4は入力されたアナログの加算信号cを例えばn
ビット構成のデジタルの加算信号dにA/D変換して、
デジタルフィルタ5へ送出する。 【0036】したがって、このデジタルの加算信号dに
は、図6の周波数特性図で示すように、入力信号aの周
波数fS の周波数成分と、雑音bの周波数fNLから周
波数fNHまでの周波数成分と、交流付加信号gの周波数
A の周波数成分とが含まれる。 【0037】デジタルフィルタ5は、入力されたnビッ
ト構成のデジタルの加算信号dから、雑音bの周波数f
NL〜周波数fNHの周波数成分と、交流付加信号gの周波
数fA の周波数成分とを除去して、図4に示すように、
前記アナログの入力信号aに対応するnビット構成のデ
ジタルの出力信号eとして、出力端子6を介して外部へ
送出する。 【0038】このように構成された第1実施形態のA/
D変換装置においては、図2、図3に示すように、A/
D変換器4へ入力される入力信号aと雑音bと交流付加
信号gとが加算された加算信号cの信号レベルDSAN
が、このA/D変換器4のダイナミックレンジDA/D
より余裕をみた若干低い基準レベルDB に制御される。 【0039】その結果、加算信号cにおける瞬時的な信
号レベルDSAN の取りうる範囲が広くなり、多数の入
力電圧値を用いて変換されることになり、A/D変換時
における高い直線性が確保される。 【0040】さらに、加算信号cに雑音bが含まれるの
で、加算信号cの信号レベルDSANはより多くの入力電
圧値を用いて変換されることになり、より高い直線性を
確保できる。 【0041】図5は、アナログの入力信号aの信号レベ
ル(減衰量 dB)を変化させていった場合における、
デジタルの出力信号eの直線性誤差(dB)の変化を示
す実験結果を示す図である。 【0042】破線で示す従来装置においては、入力信号
aの信号レベルが一定レベル以下に低下すると、直線性
誤差(dB)は急激に増加する。これに対して、実線で
示す実施形態装置においては、たとえ、入力信号aの信
号レベルが一定レベル以下に低下したとしても、直線性
誤差(dB)は殆ど増加しないことが確認できた。 【0043】なお、本発明は上述した第1実施形態装置
に限定されるものではない。第1実施形態装置において
は、図6の周波数特性図に示すように、交流付加信号g
の周波数fA 及び雑音bの周波数範囲(fNL〜fNH)を
入力信号aの周波数fS より高く設定したが、入力信号
aの周波数fS より低く設定してもよい。 【0044】さらに、第1実施形態装置においては、A
/D変換器4へ入力される加算信号cを入力信号aと雑
音bと交流付加信号gとを加算して構成した。しかし、
雑音bを除去して、加算信号cを入力信号aと交流付加
信号gとを加算して構成することも可能である。このよ
うに、雑音bを除去したとしても交流付加信号gが含ま
れるので、A/D変換時における高い直線性は十分確保
される。 【0045】(第2実施形態)図7は、本発明の第2実
施形態に係わるA/D変換装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。図1に示す第1実施形態のA/D変換装置
と同一部分には、同一符号が付してある。したがって、
重複する部分の詳細説明は省略する。 【0046】この第2実施形態のA/D変換装置におい
ては、雑音発生回路3から出力された雑音bと付加信号
発生回路7から出力された交流付加信号gとが信号加算
回路2aで加算され、新たな信号(g+b)として減衰
器8で信号レベル(DS +DN )が調整された後、信号
加算回路2へ入力される。 【0047】信号加算回路2は、入力信号aと、雑音b
と交流付加信号gとの信号(g+b)を加算して加算信
号cとしてA/D変換器4へ送出する。したがって、こ
の加算信号cには入力信号aと雑音bと交流付加信号g
とが含まれる。そして、この加算信号cの信号レベルD
SAN が基準レベルDB に一致するように雑音bと交流付
加信号Bとを加算した信号(g+b)の信号レベル(D
S +DN )が制御される。 【0048】したがって、図1に示した第1実施形態の
A/D変換装置とほぼ同様の効果を得ることができる。
なお、この第2実施形態装置においては、交流付加信号
gの信号レベルDA のみならず、雑音bの信号レベルD
N も同時に制御される。 【0049】(第3実施形態)図8は、本発明の第3実
施形態に係わるA/D変換装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。図1に示す第1実施形態のA/D変換装置
と同一部分には同一符号が付してある。したがって、重
複する部分の詳細説明は省略する。 【0050】この第3実施形態のA /D変換装置におい
ては、入力端子1とA/D変換器4との間に2台の信号
加算回路2,2bが介挿されている。一方の信号加算回
路2には、入力端子1からの入力信号aと、付加信号発
生回路7から出力されて減衰器8で信号レベルDA が制
御された交流付加信号gとが入力される。 【0051】他方の信号加算回路2bには、一方の信号
加算回路2から出力された入力信号aと交流付加信号g
との加算信号c1 と、雑音発生回路3から出力された信
号レベルDN を有する雑音bが入力される。したがっ
て、この信号加算回路2bは、結果的に、入力信号aと
交流付加信号gと雑音bとを加算した加算信号cをA/
D変換器4へ送出する。 【0052】整流器9は、一方の信号加算回路2から出
力された入力信号aと交流付加信号gとの加算信号c1
の信号レベルDSAを検出して比較器10へ送出する。基
準電圧発生回路11は、第1実施形態装置における基準
レベルDB から雑音bの信号レベルDN を減じた基準レ
ベルDB1(=DB ―DN )の基準電圧を比較回路10へ
送出する。比較回路10は、基準レベルDB1(=DB
N )と加算信号c1の信号レベルDSAとの偏差信号h
を減衰器8へ印加する。 【0053】したがって、加算信号c1 の信号レベルD
SAは基準レベルDB1に制御される。その結果、A/D変
換器4へ入力される加算信号cの信号レベルDSAN はA
/D変換器4のダイナミックレンジDA/D より若干小さ
い一定の基準レベルDB に制御される。 【0054】よって、第1実施形態のA/D変換装置と
ほぼ同様の効果を奏することが可能である。 (第4実施形態)図9は、本発明の第4実施形態に係わ
るA/D変換装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す第1実施形態のA/D変換装置と同一部分に
は同一符号が付してある。したがって、重複する部分の
詳細説明は省略する。 【0055】この第4実施形態のA /D変換装置におい
ては、入力端子1とA/D変換器4との間に2台の信号
加算回路2,2cが介挿されている。一方の信号加算回
路2には、入力端子1からの入力信号aと、付加信号発
生回路7から出力されて減衰器8で信号レベルDA が制
御された交流付加信号gとが入力される。 【0056】他方の信号加算回路2cには、一方の信号
加算回路2から出力された入力信号aと交流付加信号g
との加算信号c1 と、雑音発生回路3から出力された信
号レベルDN を有する雑音bが入力される。したがっ
て、この信号加算回路2cは、結果的に、入力信号aと
交流付加信号gと雑音bとを加算した加算信号cをA/
D変換器4へ送出する。 【0057】整流器9は、他方の信号加算回路2から出
力されてA/D変換器4へ入力される加算信号cの信号
レベルDSAN を検出して比較器10へ送出する。基準
電圧発生回路11は第1実施形態装置における基準レベ
ルDB を有する基準電圧を比較器10へ送出する。 【0058】その結果、A/D変換器4へ入力される加
算信号cの信号レベルDSAN はA/D変換器4のダイナ
ミックレンジDA/D より若干小さい一定の基準レベルD
B に制御される。 【0059】よって、第1実施形態のA/D変換装置と
ほぼ同様の効果を奏することが可能である。 (第5実施形態)図10は、本発明の第5実施形態に係
わるA/D変換装置の概略構成を示すブロック図であ
る。図1に示す第1実施形態のA/D変換装置と同一部
分には同一符号が付してある。したがって、重複する部
分の詳細説明は省略する。 【0060】この第5実施形態のA /D変換装置におい
ては、入力端子1から入力された入力信号aは信号加算
回路2へ送出されると共に整流器9へ印加される。整流
器9は入力信号aの信号レベルDS を検出して比較回路
10へ送出する。 【0061】基準電圧発生回路11は、第1実施形態装
置における基準レベルDB から雑音bの信号レベルDN
を減じた基準レベルDB1(=DB ―DN )の基準電圧を
比較回路10へ送出する。比較回路10は、基準レベル
B1(=DB ―DN )と入力信号aの信号レベルDS
の偏差信号hを減衰器8aへ印加する。 【0062】減衰器8aは、付加信号発生回路7から出
力された交流付加信号gの信号レベルDA を偏差信号h
の偏差値(DB1―DS =DB ―DN ―DS )に制御す
る。したがって、A/D変換器4へ入力される加算信号
cの信号レベルDSAN はA/D変換器4のダイナミック
レンジDA/D より若干小さい一定の基準レベルDに制
御される。 【0063】よって、第1実施形態のA/D変換装置と
ほぼ同様の効果を奏することが可能である。 (第6実施形態)図11は、本発明の第6実施形態に係
わるA/D変換装置の概略構成を示すブロック図であ
る。図10に示す第5実施形態のA/D変換装置と同一
部分には同一符号が付してある。したがって、重複する
部分の詳細説明は省略する。 【0064】この第6実施形態のA /D変換装置にお
いては、入力端子1とA/D変換器4との間に2台の信
号加算回路2,2bが介挿されている。一方の信号加算
回路2には、入力端子1からの入力信号aと、付加信号
発生回路7から出力されて減衰器8で信号レベルDA
制御された交流付加信号gとが入力される。 【0065】他方の信号加算回路2bには、一方の信号
加算回路2から出力された入力信号aと交流付加信号g
との加算信号c1 と、雑音発生回路3から出力された信
号レベルDN を有する雑音bが入力される。したがっ
て、この信号加算回路2bは、結果的に、入力信号aと
交流付加信号gと雑音bとを加算した加算信号cをA/
D変換器4へ送出する。 【0066】また、入力端子1から入力された入力信号
aは信号加算回路2へ送出されると共に整流器9へ印加
される。整流器9は入力信号aの信号レベルDS を検出
して比較回路10へ送出する。 【0067】基準電圧発生回路11は、第1実施形態装
置における基準レベルDB から雑音bの信号レベルDN
を減じた基準レベルDB1(=DB ―DN )の基準電圧を
比較回路10へ送出する。比較回路10は、基準レベル
B1(=DB ―DN )と入力信号aの信号レベルDS
の偏差信号hを減衰器8a へ印加する。 【0068】減衰器8aは、付加信号発生回路7から出
力された交流付加信号gの信号レベルDA を偏差信号h
の偏差値(DB1 ―DS =DB ―DN ―DS )に制御
する。 【0069】したがって、A/D変換器4へ入力される
加算信号cの信号レベルDSAN はA/D変換器4のダイ
ナミックレンジDA/D より若干小さい一定の基準レベル
Bに制御される。 【0070】よって、第1実施形態のA/D変換装置と
ほぼ同様の効果を奏することが可能である。 (第7実施形態)図12は、本発明の第7実施形態に係
わるA/D変換装置の概略構成を示すブロック図であ
る。図7に示す第2実施形態のA/D変換装置と同一部
分には同一符号が付してある。したがって、重複する部
分の詳細説明は省略する。 【0071】この第7実施形態のA /D変換装置におい
ては、雑音発生回路3から出力された雑音bと付加信号
発生回路7から出力された交流付加信号gとが信号加算
回路2aで加算され、新たな信号(g+b)として減衰
器8a で信号レベル(DS +DN )が調整された後、信
号加算回路2へ入力される。 【0072】信号加算回路2は、入力信号aと、雑音b
と交流付加信号gとの信号(g+b)を加算して加算信
号cとしてA/D変換器4へ送出する。したがって、こ
の加算信号cには入力信号aと雑音bと交流付加信号g
とが含まれる。 【0073】また、入力端子1から入力された入力信号
aは信号加算回路2へ送出されると共に整流器9へ印加
される。整流器9は入力信号aの信号レベルDS を検出
して比較回路10へ送出する。 【0074】基準電圧発生回路11は、第1実施形態装
置における基準レベルDB の基準電圧を比較回路10へ
送出する。比較回路10は、基準レベルDB と入力信号
aの信号レベルDS との偏差信号hを減衰器8a へ印加
する。 【0075】減衰器8aは、信号加算回路2aで加算さ
れた新たな信号(g+b)の信号レベル(DA +DN
を、偏差信号hの偏差値(DB ―DS )に制御す
る。したがって、A/D変換器4へ入力される加算信号
cの信号レベルDSAN はA/D変換器4のダイナミック
レンジDA/D より若干小さい一定の基準レベルDBに制
御される。 【0076】よって、第1実施形態のA/D変換装置と
ほぼ同様の効果を奏することが可能である。なお、この
第7実施形態装置においては、交流付加信号gの信号レ
ベルDA のみならず、雑音bの信号レベルDN も同時に
制御される。 【0077】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のA/D変
換装置においては、A/D変換器に入力される入力信号
と交流付加信号との加算信号の信号レベルを、このA/
D変換器のダイナミックレンジより若干小さい基準レベ
になるように、入力信号に加算する交流付加信号の信
号レベルを可変制御している。 【0078】したがって、簡単な構成で入力信号に対す
る広いダイナミックレンジとA/D変換時における高い
直線性とを同時に確保できる。さらに、A/D変換器に
入力される加算信号に入力信号と交流付加信号の他に雑
音を加えている。よって、加算信号の信号レベルはより
多くの入力電圧値を用いて変換されることになり、より
高い直線性を確保できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施形態に係わるA/D変換装置
の概略構成を示すブロック図 【図2】同第1実施形態のA/D変換装置の各部に入出
力される各信号の信号レベルとA/D変換器のダイナミ
ックレンジとの相対関係を示す図 【図3】同じく入力信号の信号レベルが高い場合におけ
る各信号の信号レベルとA/D変換器のダイナミックレ
ンジとの相対関係を示す図 【図4】同第1実施形態のA/D変換装置の各部に入出
力される各信号の波形図 【図5】同第1実施形態のA/D変換装置と従来のA/
D変換装置との特性の差異を示す実測結果を示す図 【図6】同第1実施形態のA/D変換装置における加算
信号の周波数特性図 【図7】本発明の第2実施形態に係わるA/D変換装置
の概略構成を示すブロック図 【図8】本発明の第3実施形態に係わるA/D変換装置
の概略構成を示すブロック図 【図9】本発明の第4実施形態に係わるA/D変換装置
の概略構成を示すブロック図 【図10】本発明の第5実施形態に係わるA/D変換装
置の概略構成を示すブロック図 【図11】本発明の第6実施形態に係わるA/D変換装
置の概略構成を示すブロック図 【図12】本発明の第7実施形態に係わるA/D変換装
置の概略構成を示すブロック図 【図13】従来のA/D変換装置の概略構成を示すブロ
ック図 【図14】同従来のA/D変換装置の各部に入出力され
る各信号の波形図 【図15】同従来のA/D変換装置における加算信号の
周波数特性図 【図16】同従来のA/D変換装置の各部に入出力され
る各信号の信号レベルとA/D変換器のダイナミックレ
ンジとの相対関係を示す図 【符号の説明】 1…入力端子 2,2a,2b…信号加算回路 3…雑音発生回路 4…A/D変換器 5…デジタルフィルタ 6…出力端子 7…付加信号発生回路 8,8a…減衰器 9…整流器 10…比較回路 11…基準電圧発生回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−347560(JP,A) 特開 昭62−159918(JP,A) 特開 平8−79079(JP,A) 特開 平5−347559(JP,A) 特開 平6−130098(JP,A) 実開 昭62−112221(JP,U)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 アナログの交流付加信号を出力する付加
    信号発生回路(7)と、所定の信号レベル及び 所定の周波数範囲を有する雑音を
    出力する雑音発生回路(3)と、 入力されたアナログの入力信号と前記交流付加信号と前
    記雑音とを加算して加算信号として出力する信号加算部
    (2)と、 この信号加算部から出力された加算信号をA/D変換す
    るA/D変換器(4)と、 このA/D変換器でA/D変換されたデジタルの加算信
    号に含まれる前記交流付加信号の周波数成分及び前記雑
    音の周波数成分を除去して前記アナログの入力信号に対
    応するデジタルの出力信号として出力するデジタルフィ
    ルタ(5)と、 前記信号加算部から出力された加算信号の信号レベルを
    検出する信号レベル検出器(9)と、前記A/D変換器のダイナミックレンジより若干小さい
    基準レベルを発生する基準電圧発生回路(11)と、 この基準電圧発生回路で発生された基準レベルから前記
    信号レベル検出器で検出された信号レベルを減算してそ
    の偏差を偏差信号として送出する比較回路(10)と、 前記偏差信号の偏差が零になるように前記付加信号発生
    回路から入力される交流付加信号の信号レベルを制御す
    る減衰器(8)とを備え、 前記A/D変換器へ入力される加算信号の信号レベルが
    前記A/D変換器のダイナミックレンジに基づいて定ま
    る一定値となるようにしたことを特徴とするA/D変換
    装置。
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