JP3379467B2 - 車両用の交流電源装置 - Google Patents

車両用の交流電源装置

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JP3379467B2 JP08235899A JP8235899A JP3379467B2 JP 3379467 B2 JP3379467 B2 JP 3379467B2 JP 08235899 A JP08235899 A JP 08235899A JP 8235899 A JP8235899 A JP 8235899A JP 3379467 B2 JP3379467 B2 JP 3379467B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、交流電源装置に関
し、詳しくは、ハイブリッド車に搭載され、所定の電圧
の交流を供給可能な交流電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の交流電源装置としては、
内燃機関からの動力により発電する発電機から電力を所
定の三相交流に変換し、この変換した三相交流を所望の
電圧の三相交流に変換して電動機を駆動する車両に搭載
され所定の三相交流に変換された電力を外部負荷端子か
ら取り出すものや(例えば、特開昭63−257402
号公報など)、バッテリからの電力をインバータにより
所望の電圧の三相交流に変換して電動機を駆動する車両
に搭載されインバータから電動機への電力ラインに設け
られたスイッチを介してインバータから電動機へ向けて
変換された電力を非常用出力端子から取り出すもの(例
えば、特開平9−103002号公報など)が提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63−257402号公報記載の交流電源装置では、所
定の三相交流を外部負荷端子から取り出すための変換器
と、この所定の三相交流を所望の電圧の三相交流に変換
して電動機に電力を供給するための変換器との二つの変
換器を要し、装置が複雑になるという問題があった。ま
た、電動機が駆動していないときに外部負荷端子から電
力を取り出すときには、内燃機関から出力され発電機に
より発電される電力と必要な電力とに偏差を生じ、エネ
ルギ効率が著しく低くなる場合を生じるという問題もあ
った。
【0004】一方、特開平9−103002号公報記載
の交流電源装置では、上述の特開昭63−257402
号公報記載の交流電源装置が抱える問題は生じないが、
非常用の出力端子として構成されているから、十分な電
力が得られない場合を生じるという問題があった。特
に、バッテリの容量に対して車両の駆動に必要な容量を
考慮すると、この問題はクローズアップされる。
【0005】本発明の交流電源装置は、十分な電力を出
力可能であることを目的の一つとする。また、本発明の
交流電源装置は、交流電源の供給の際の高い安全性と信
頼性を確保することを目的の一つとする。さらに、本発
明の交流電源装置は、高いエネルギ効率で交流電源を供
給することを目的の一つとする。あるいは、本発明の交
流電源装置は、車両の駆動を考慮することを目的の一つ
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明の交流電源装置は、上述の目的の少なくとも一部を
達成するために以下の手段を採った。
【0007】本発明の交流電源装置は、内燃機関と、該
内燃機関からの動力により発電する発電機と、充放電可
能な二次電池と、前記発電機により発電された電力を前
記二次電池を充電可能な電力に変換すると共に該二次電
池を充電可能な電力および/または該二次電池から供給
される電力を所望の電圧の交流に変換可能な変換器と、
該変換器により変換された電力により駆動する電動機と
を有するハイブリッド車に搭載され、所定の電圧の交流
を供給可能な交流電源装置であって、前記変換器から前
記電動機に電力が供給される電力ラインに設けられ、該
変換器から該電動機への電力の供給を遮断する遮断手段
と、前記所定の電圧の交流を供給可能な少なくとも一つ
のコンセントを有するコンセントユニットと、前記遮断
手段と前記変換器との間の前記電力ラインと前記コンセ
ントユニットとを接続可能な接続手段と、所定の指示を
受けたとき、前記変換器により前記電動機に向けて変換
される電力が前記所定の電圧の交流となるよう該変換器
を制御する電力制御手段とを備えることを要旨とする。
【0008】この本発明の交流電源装置では、前記変換
器から電動機への前記電力ラインとコンセントユニット
とを接続すると共に電力制御手段により変換器により電
動機に向けて変換される電力が所定の電圧の交流となる
よう変換器を制御することにより、所定の電圧の交流を
コンセントユニットから取り出すことができる。
【0009】こうした本発明の交流電源装置において、
前記遮断手段による遮断を検出する遮断検出手段を備
え、前記電力制御手段は、前記遮断検出手段により前記
遮断手段による遮断が検出できないとき、前記所定の指
示に拘わらず前記変換器による前記電動機へ向けての電
力の変換を停止する手段であるものとすることもでき
る。こうすれば、電動機を停止しているときにだけコン
セントユニットから所定の電圧の交流を取り出すことが
できるものとすることができると共に、電動機の破損や
不測の駆動を防止することができる。
【0010】また、本発明の交流電源装置において、前
記接続手段による接続を検出する接続検出手段を備え、
前記電力制御手段は、前記接続検出手段により前記接続
手段による接続が検出できないとき、前記所定の指示に
拘わらず前記変換器による前記電動機へ向けての電力の
変換を停止する手段であるものとすることもできる。こ
うすれば、コンセントユニットが接続されているときだ
け作動するものとすることができると共に、コンセント
ユニットが予期しない外乱などによりその接続が解除さ
れたときなどの不測の事態に対処することができる。
【0011】さらに、本発明の参考例に係る交流電源装
置において、前記ハイブリッド車は車両の停止を検出す
る車両停止検出手段を備え、前記電力制御手段は、前記
車両停止検出手段により前記車両の停止が検出できない
とき、前記所定の指示に拘わらず前記変換器による前記
電動機へ向けての電力の変換を停止する手段であるもの
とすることもできる。こうすれば、ハイブリッド車が停
止しているときだけコンセントユニットから所定の電圧
の交流を取り出すことができるものとすることができ
る。
【0012】あるいは、本発明の参考例に係る交流電源
装置において、前記コンセントユニットに供給される電
力の状態を検出する電力状態検出手段を備え、前記電力
制御手段は、前記電力状態検出手段により検出される電
力の状態に基づいて前記内燃機関と前記発電機と前記変
換器とを制御する手段であるものとすることもできる。
こうすれば、必要な電力に応じて内燃機関や発電機,変
換器の運転を制御できるから、装置全体のエネルギ効率
を高くすることができる。この態様の本発明の参考例に
係る交流電源装置において、前記電力制御手段は、前記
電力状態検出手段により検出された電力の状態が所定状
態を上回るとき、前記所定の指示に拘わらず、前記変換
器による前記電動機へ向けての電力の変換を停止する手
段であるものとすることもできる。こうすれば、過電流
や過電圧によりコンセントユニットに接続される負荷の
破損を防止することができると共に、装置自体の破損等
の不都合を防止することができる。
【0013】また、本発明の参考例に係る交流電源装置
において、前記ハイブリッド車は、車両の状態に関する
異常を検出する異常検出手段を備え、前記電力制御手段
は、前記異常検出手段により異常を検出したとき、前記
所定の指示に拘わらず前記変換器による前記電動機へ向
けての電力の変換を停止する手段であるものとすること
もできる。こうすれば、車両の状態に異常が発生してい
ないとき、即ち車両が正常のときだけコンセントユニッ
トから所定の電圧の交流を取り出すことができるものと
することができると共に、車両の状態に異常があるとき
に所定の電圧の交流を取り出すことによる不測の弊害を
防止することができる。
【0014】本発明の参考例に係る交流電源装置におい
て、前記電力制御手段が前記所定の指示に拘わらず前記
変換器による前記電動機へ向けての電力の変換を停止し
たとき、警報を出力する警報出力手段を備えるものとす
ることもできる。こうすれば、操作者はコンセントユニ
ットからの電力の取り出しが停止されたことを直ちに知
ることができ、これに対処することができる。
【0015】また、本発明の参考例に係る交流電源装置
において、前記二次電池の状態を検出する電池状態検出
手段を備え、前記電力制御手段は、前記電池状態検出手
段により検出される前記二次電池の状態に基づいて前記
内燃機関と前記発電機と前記変換器とを制御する手段で
あるものとすることもできる。こうすれば、二次電池の
過放電を防止することができると共に、二次電池の状態
を所望の範囲の状態にすることができる。
【0016】さらに、本発明の参考例に係る交流電源装
置において、前記所定の電圧の交流は、AC100V電
圧であるものとすることもできる。こうすれば、コンセ
ントユニットに直接接続して一般家庭用の電化製品を使
用することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である
交流電源装置20がハイブリッド車両に搭載された際の
構成の概略を示す構成図である。図示するように、交流
電源装置20は、駆動力を出力するエンジン22、エン
ジン22からの動力により発電する発電機24、発電機
24により発電された三相交流電圧を所望の三相交流電
圧に変換するインバータ回路26、インバータ回路26
に接続された充放電可能なバッテリ30、インバータ回
路26により変換された三相交流電圧の印加により図示
しない駆動軸に動力を出力する電動機36などのハイブ
リッド車が備える構成に、インバータ回路26から電動
機36に供給される電力ライン38に設けられた断路ス
イッチ40と、この電力ライン38から分岐した電力ラ
イン52に接続された接続コネクタ50と、この接続コ
ネクタ50に接続されるコンセントユニット60と、コ
ンセントユニット60への交流電力の供給をコントロー
ルする電子制御ユニット70とが加えられて構成され
る。
【0018】インバータ回路26は、それぞれ6つのス
イッチング素子により構成される二つのインバータ2
7,28から構成されており、この二つのインバータ2
7,28の間の直流電圧が作用する電源ライン29にバ
ッテリ30の各端子32が接続されている。したがっ
て、各インバータ27,28の各スイッチング素子のス
イッチングを制御することにより、エンジン22を駆動
させて発電機24により発電した電力の一部を用いて電
動機36を駆動しながらバッテリ30を充電したり、発
電機24により発電した電力にバッテリ30から放電さ
れる電力を加えて電動機36を駆動したり、あるいはエ
ンジン22を停止した状態でバッテリ30から放電され
る電力だけで電動機36を駆動したりすることができ
る。バッテリ30には、その蓄電量SOCを検出するS
OCセンサ34が取り付けられている。なお、SOCセ
ンサ34としては、バッテリ30から充放電される電流
値を積算して蓄電量SOCを算出するものやバッテリ3
0の電解液の比重を測定して蓄電量SOCを検出するも
の,バッテリ30の内部抵抗に基づいて蓄電量SOCを
検出するものなどが知られている。
【0019】断路スイッチ40は、電力ライン38のu
相とv相とに設けられており、アクチュエータ42の駆
動によりそのオンオフが行なわれる。また、断路スイッ
チ40には、断路スイッチ40のオンオフに連動して動
作して断路スイッチ40のオンオフの状態を検出する断
路スイッチセンサ44が取り付けられている。
【0020】接続コネクタ50に接続されている電力ラ
イン52には、コンセントユニット60に供給する電流
Iを検出する電流計54と電圧Vを検出する電圧計56
とが取り付けられている。また、接続コネクタ50には
接続コネクタ50にコンセントユニット60が接続され
ているかを検出する接続センサ58が取り付けられてい
る。
【0021】コンセントユニット60は、接続コネクタ
50と嵌合して電気的に接続する接続コネクタ62と、
コイルとコンデンサから構成され供給される交流電圧の
波形を整えるフィルタ64と、複数のコンセント66と
から構成されている。
【0022】電子制御ユニット70は、CPU72を中
心として構成されたワンチップマイクロプロセッサとし
て構成されており、処理プログラムを記憶したROM7
4と、一時的にデータを記憶するRAM76と、ハイブ
リッド車の運転制御を行なう車両ECU90と通信する
通信ポート(図示せず)と、入出力ポート(図示せず)
とを備える。この電子制御ユニット70には、バッテリ
30に取り付けられたSOCセンサ34からの蓄電量S
OCや断路スイッチセンサ44からの断路スイッチ40
の状態信号,電流計54からの電流I,電圧計56から
の電圧V,接続センサ58からの接続信号などが入力ポ
ートを介して入力されている他、イグニッションスイッ
チ80からのイグニッション信号IGやシフトポジショ
ンセンサ82からのシフトポジションSP,ブレーキス
イッチ84からのブレーキスイッチBS,スタートスイ
ッチ86からの交流電源の開始信号なども入力ポートを
介して入力されている。また、電子制御ユニット70か
らは、エンジン22への駆動信号やインバータ回路26
の各インバータ27,28へのスイッチング信号,アク
チュエータ42への駆動信号,コーション点灯用のLE
D92への点灯信号などが出力ポートを介して出力され
ている。
【0023】こうして構成された交流電源装置20で
は、コンセントユニット60を接続コネクタ50に接続
した状態で断路スイッチ40をオフとして電子制御ユニ
ット70からインバータ回路26へのスイッチング信号
を制御することにより、コンセント66に所望の交流電
源を供給することができる。交流電源としては、例えば
AC100V電源や、AC200V電源,AC240V
電源など如何なる交流電源も供給することができる。
【0024】次にこうして構成された実施例の交流電源
装置20の動作について説明する。図2は、コンセント
ユニット60からの交流電力の供給を開始するときに電
子制御ユニット70により実行される電源供給開始処理
ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルー
チンは、接続コネクタ50にコンセントユニット60を
接続すると共にイグニッションスイッチ80がオンとさ
れ、更にスタートスイッチ86がオンとされたときに実
行される。
【0025】電源供給開始処理ルーチンが実行される
と、電子制御ユニット70のCPU72は、まず接続セ
ンサ58により検出されるコンセントユニット60と接
続コネクタ50との接続状態を読み込み(ステップS1
00)、接続されているか否かを判定する(ステップS
102)。接続されていると判定されると、アクチュエ
ータ42に駆動信号を出力して断路スイッチ40をオフ
とする処理を実行する(ステップS104)。そして、
断路スイッチセンサ44により検出される断路スイッチ
40の状態信号を読み込み(ステップS106)、確か
にオフとされているかを判定する(ステップS10
8)。
【0026】断路スイッチ40が確かにオフとされてい
るのを確認すると、この交流電源装置20を動作させた
ときに異常が生じたときにRAM76の所定アドレスに
書き込まれる異常の生じた箇所や種類を読み込んで(ス
テップS110)、過去に異常が生じていたか否かを判
定する(ステップS112)。過去に異常が生じていて
もその異常を修理などにより解消したときには、その解
消と同時にRAM76の所定アドレスの記載も解除され
るから、この場合について厳密にいうと、過去に異常が
発生し、その後に修理されていない状態であるかを判定
していることになる。
【0027】過去に異常がないと判定されると、シフト
ポジションセンサ82からのシフトポジションSPとブ
レーキスイッチ84からのブレーキスイッチBSとを読
み込み(ステップS114)、シフトポジションSPが
Pレンジであるか否か、ブレーキスイッチBSがオンで
あるか否かを判定する(ステップS116)。断路スイ
ッチ40により電動機36への電力ライン38を遮断し
て行なうため、車両が停止している状態を考慮してい
る。したがって、シフトポジションSPがPレンジでブ
レーキスイッチBSがオンとなっていれば、車両が安定
して停止している状態と言えるから、この場合にのみ交
流電源を動作させるためである。
【0028】シフトポジションSPがPレンジでブレー
キスイッチBSがオンのときには、交流電源装置20を
動作させるようインバータ回路26を始動して本ルーチ
ンを終了する。
【0029】なお、ステップS102でコンセントユニ
ット60が接続されていないと判定されたときや、ステ
ップS108で断路スイッチ40の状態がオフでないと
判定されたとき,ステップS112で交流電源装置20
に過去に異常が生じていると判定されたとき,ステップ
S116でシフトポジションSPがPレンジでないかブ
レーキスイッチBSがオフであると判定されたときに
は、インバータ回路26は始動されず、それぞれの理由
に応じたコーションを点灯するためにLED92に駆動
信号を出力して(ステップS119)、本ルーチンを終
了する。このように、コンセントユニット60が接続さ
れていないときや断路スイッチ40の状態がオフでない
とき、交流電源装置20に過去に異常が生じていると
き、シフトポジションSPがPレンジでないかブレーキ
スイッチBSがオフであるときには交流電源装置20を
動作させないから、より安全に交流電源装置20を動作
させることができる。
【0030】こうして交流電源装置20による交流電源
の供給が開始されると、交流電源装置20は、図3に例
示する電源供給時処理ルーチンを所定時間毎(例えば、
8ms毎)に繰り返し実行する。このルーチンが実行さ
れると、CPU72は、まず、イグニッションスイッチ
80により検出されるイグニッション信号IGとシフト
ポジションセンサ82により検出されるシフトポジショ
ンSPとブレーキスイッチ84により検出されるブレー
キスイッチBSとを読み込み(ステップS120)、イ
グニッション信号IGがオンであるか否か、シフトポジ
ションSPがPレンジであるか否かブレーキスイッチB
Sがオンであるか否かを判定する(ステップS12
2)。
【0031】イグニッション信号IGがオンでシフトポ
ジションSPがPレンジで、かつブレーキスイッチBS
がオンのときには、車両ECU90との通信によりハイ
ブリッド車側の異常判定信号を読み込み(ステップS1
24)、異常があるか否かを判定する(ステップS12
6)。車両ECU90は、所定時間毎(例えば、8ms
毎)にハイブリッド車の各部に設けられた異常検出セン
サなどにより異常が生じていないか否かを判定してお
り、その結果を車両ECU90が備える図示しないRA
Mの所定アドレスに記憶している。したがって、車両側
の異常の読み込みは、電子制御ユニット70が車両EC
U90と通信し、車両ECU90のRAMの所定アドレ
スに記載された内容を受け取ることにより行なわれる。
【0032】車両側に異常が生じていないと判定される
と、接続センサ58により検出されるコンセントユニッ
ト60の接続信号と、断路スイッチセンサ44により検
出される断路スイッチ40の状態信号を読み込み(ステ
ップS128)、コンセントユニット60が接続されて
いるか否か、断路スイッチ40がオフとされているか否
かを判定する(ステップS130)。コンセントユニッ
ト60が接続されており、断路スイッチ40がオフとさ
れていると判定すると、電流計54により検出される電
流Iと電圧計56により検出される電圧Vとを読み込み
(ステップS132)、電流Iが所定値Imaxを越え
ていないか否か、電圧Vが所定値Vmaxを越えていな
いか否かを判定する(ステップS134)。ここで、所
定値Imaxは、コンセントユニット60に供給される
交流電源としての許容電流として設定されるものであ
り、所定値Vmaxは同様に許容電圧として設定される
ものである。電流Iが所定値Imax未満で電圧Vが所
定値Vmax未満のときには、安全に安定して交流電源
の供給がなされていると判定して本ルーチンを終了す
る。
【0033】一方、ステップS122でイグニッション
信号IGがオフであるかシフトポジションSPがPレン
ジでないかブレーキスイッチBSがオフであると判定さ
れたときや、ステップS126で車両側に異常が生じて
いると判定されたとき、ステップS130でコンセント
ユニット60が接続されていないか断路スイッチ40が
オンであると判定されたとき、あるいは、ステップS1
34で電流Iが所定値Imax以上か電圧Vが所定値V
max以上と判定されたときには、安全にかつ安定して
交流電源の供給を行なうには不向きであると判定して、
インバータ回路26を停止すると共にそれぞれの理由に
応じたコーションを点灯するためにLED92に駆動信
号を出力して(ステップS136)、本ルーチンを終了
する。このように、交流電源装置20では、所定時間毎
に安全に安定して交流電源の供給を行なうことができる
状態にあるかを判定するから、より信頼性の高いものと
することができる。
【0034】こうした交流電源装置20による交流電源
の供給の際には、図4に例示するエンジン始動処理ルー
チンも所定時間毎(例えば、8ms毎)に実行されてい
る。このルーチンが実行されると、CPU72は、まず
SOCセンサ34により検出されるバッテリ30の蓄電
量SOCを読み込み(ステップS140)、読み込んだ
蓄電量SOCが所定値Slowと所定値Shiの間にあ
るかを判定する(ステップS142)。ここで、所定値
Slowと所定値Shiとにより設定される範囲は、バ
ッテリ30の運転範囲としての下限と上限として設定さ
れるものであり、ハイブリッド車の仕様やバッテリ30
の特性などにより定められるものである。蓄電量SOC
が所定値Slow以下のときにはエンジン22を始動し
(ステップS144)、蓄電量SOCが所定値Shi以
上のときにはエンジン22を停止して(ステップS14
6)、本ルーチンを終了する。この処理では、蓄電量S
OCが所定値Slow以下となってエンジン22が始動
されると、交流電源装置20が停止されるか、蓄電量S
OCが所定値Shi以上となるまでエンジン22は運転
されるものとなる。エンジン22が運転されると発電機
24により発電され、その電力によりバッテリ30が充
電されると共に交流電源としてコンセントユニット60
に供給される。こうした処理により、交流電源装置20
では、バッテリ30の蓄電量SOCを常に所定値Slo
wと所定値Shiとの間にすることができるのである。
【0035】以上説明した実施例の交流電源装置20に
よれば、十分な電力の所望の交流電源を供給することが
できる。しかも、インバータ27,28により必要な電
力のみ供給可能なのでエネルギ効率の高いものとするこ
とができる。
【0036】また、実施例の交流電源装置20によれ
ば、コンセントユニット60が接続されていないときや
断路スイッチ40の状態がオフでないとき、交流電源装
置20に過去に異常が生じているとき、シフトポジショ
ンSPがPレンジでないかブレーキスイッチBSがオフ
であるときには、交流電源の供給を開始しないから、よ
り安全に交流電源装置20を動作させることができる。
さらに、実施例の交流電源装置20によれば、交流電源
の供給中に繰り返し図3に例示する電源供給時処理ルー
チンを実行して安全に安定して交流電源を供給できる状
態にあるかを判定し、該当しないときには交流電源の供
給を停止するから交流電源装置20をより安全でより信
頼性の高いものとすることができる。
【0037】あるいは、実施例の交流電源装置20によ
れば、交流電源の供給中にバッテリ30の蓄電量SOC
を検出し、この蓄電量SOCに基づいてエンジン22を
運転するから、バッテリ30の過放電や過充電を防止す
ることができると共に、バッテリ30を常に所定範囲の
状態にすることができる。この結果、交流電源装置20
を使用した後にハイブリッド車を良好に始動させること
ができる。
【0038】実施例の交流電源装置20では、交流電源
の供給開始時に、コンセントユニット60の接続状態や
断路スイッチ40の状態、交流電源装置20の過去の異
常、シフトポジションSPの位置、ブレーキスイッチB
Sの状態などをこの順に検出して判定するものとした
が、検出する順は如何なるものでもよく、これらすべて
を判定しないものとしてもよい。また、実施例の交流電
源装置20では、交流電源の供給中は、イグニッション
信号IGの状態やシフトポジションSPの位置、ブレー
キスイッチBSの状態、車両側の異常、コンセントユニ
ット60の接続、断路スイッチ40の状態、電流Iや電
圧Vの値などをこの順に検出して判定するものとした
が、検出する順は如何なるものでもよく、これらすべて
を判定しないものとしてもよい。
【0039】実施例の交流電源装置20では、断路スイ
ッチ40を電子制御ユニット70による駆動信号で駆動
するアクチュエータ42によりオンオフを行なうものと
したが、手動で行なうものとしても差し支えない。
【0040】以上、本発明の実施の形態について実施例
したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、
種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である交流電源装置20が
ハイブリッド車両に搭載された際の構成の概略を示す構
成図である。
【図2】 電子制御ユニット70により実行される電源
供給開始処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図3】 電子制御ユニット70により実行される電源
供給時処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【図4】 電子制御ユニット70により実行されるエン
ジン始動処理ルーチンの一例を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
20 交流電源装置、22 エンジン、24 発電機、
26 インバータ回路、27,28 インバータ、29
電力ライン、30 バッテリ、32 端子、34 S
OCセンサ、36 電動機、38 電力ライン、40
断路スイッチ、42 アクチュエータ、44 断路スイ
ッチセンサ、50 接続コネクタ、52電力ライン、5
4 電流計、56 電圧計、58 接続センサ、60
コンセントユニット、62 接続コネクタ、64 フィ
ルタ、66 コンセント、70電子制御ユニット、72
CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニ
ッションスイッチ、82 シフトポジションセンサ、8
4 ブレーキスイッチ、86 スタートスイッチ、90
車両ECU、92 LED。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−191501(JP,A) 特開 平2−219403(JP,A) 特開 平6−292304(JP,A) 特開 平4−207912(JP,A) 特開 平9−56007(JP,A) 特開 平9−103002(JP,A) 特開 昭49−19311(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 11/08 B60K 6/04 H02M 7/48

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と、該内燃機関からの動力によ
    り発電する発電機と、充放電可能な二次電池と、前記発
    電機により発電された電力を前記二次電池を充電可能な
    電力に変換すると共に該二次電池を充電可能な電力およ
    び/または該二次電池から供給される電力を所望の電圧
    の交流に変換可能な変換器と、該変換器により変換され
    た電力により駆動する電動機とを有するハイブリッド車
    に搭載され、所定の電圧の交流を供給可能な交流電源装
    置であって、 前記変換器から前記電動機に電力が供給される電力ライ
    ンに設けられ、該変換器から該電動機への電力の供給を
    遮断する遮断手段と、 前記所定の電圧の交流を供給可能な少なくとも一つのコ
    ンセントを有するコンセントユニットと、 前記遮断手段と前記変換器との間の前記電力ラインと前
    記コンセントユニットとを接続可能な接続手段と、 所定の指示を受けたとき、前記変換器により前記電動機
    に向けて変換される電力が前記所定の電圧の交流となる
    よう該変換器を制御する電力制御手段と、 前記遮断手段による遮断を検出する遮断検出手段と、を
    備え、 前記電力制御手段は、前記遮断検出手段により前記遮断
    手段による遮断が検出できないとき、前記所定の指示に
    拘わらず、前記変換器による前記電動機へ向けての電力
    の変換を停止する手段である交流電源装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関と、該内燃機関からの動力によ
    り発電する発電機と、充放電可能な二次電池と、前記発
    電機により発電された電力を前記二次電池を充電可能な
    電力に変換すると共に該二次電池を充電可能な電力およ
    び/または該二次電池から供給される電力を所望の電圧
    の交流に変換可能な変換器と、該変換器により変換され
    た電力により駆動する電動機とを有するハイブリッド車
    に搭載され、所定の電圧の交流を供給可能な交流電源装
    置であって、 前記変換器から前記電動機に電力が供給される電力ライ
    ンに設けられ、該変換器から該電動機への電力の供給を
    遮断する遮断手段と、 前記所定の電圧の交流を供給可能な少なくとも一つのコ
    ンセントを有するコンセントユニットと、 前記遮断手段と前記変換器との間の前記電力ラインと前
    記コンセントユニットとを接続可能な接続手段と、 所定の指示を受けたとき、前記変換器により前記電動機
    に向けて変換される電力が前記所定の電圧の交流となる
    よう該変換器を制御する電力制御手段と、 前記接続手段による接続を検出する接続検出手段と、を
    備え、 前記電力制御手段は、前記接続検出手段により前記接続
    手段による接続が検出できないとき、前記所定の指示に
    拘わらず、前記変換器による前記電動機へ向けての電力
    の変換を停止する手段である交流電源装置。
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