JP3373734B2 - 濃度計 - Google Patents

濃度計

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JP3373734B2 JP17929796A JP17929796A JP3373734B2 JP 3373734 B2 JP3373734 B2 JP 3373734B2 JP 17929796 A JP17929796 A JP 17929796A JP 17929796 A JP17929796 A JP 17929796A JP 3373734 B2 JP3373734 B2 JP 3373734B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、懸濁物質の濃度、
例えば汚泥濃度、その他液体中の種々の懸濁、または溶
解物質の濃度の測定を、マイクロ波を応用して行なう濃
度計に係り、特に配管の内部にエア溜まりが生じた場合
でも、満水状態で測定した場合と同程度な測定ができる
ようにした濃度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロ波を、濃度の基準とな
るゼロ水(例えば、濃度0%とみなせる水道水)へ入射
すると、その受信波は、送信波に比べて位相遅れ
(θ1 )が生じる。
【0003】また、マイクロ波を、汚泥等の懸濁液へ入
射すると、同様にその受信波は、送信波に比べて位相遅
れ(θ2 )が生じる。
【0004】これら位相遅れの差(位相差Δθ=θ2
θ1 )は、懸濁物質濃度と液体に溶解している物質濃度
との和に比例する。
【0005】そして、この現象を数式で表わすと、次の
ようになる。
【0006】 濃度X=C・a・Δθ =C・a・(θ2 −θ1 ) ここで、C:補正係数 a:感度係数 θ1 :基準となるゼロ水にマイクロ波を入射した場合の
位相遅れ θ2 :懸濁液へマイクロ波を入射した場合の位相遅れ 以上のような原理に基づいたマイクロ波式濃度計として
は、例えば“特開平4−238246号公報”、“特開
平5−322801号公報”により報告されている。
【0007】このマイクロ波式濃度計は、光学式や超音
波式の濃度計と比較して、懸濁物質の付着や液体中の気
泡の影響を受け難い等、優れた特徴を有している。
【0008】図12は、この種のマイクロ波式濃度計の
構成例を示す概要図である。
【0009】図12において、内部を流体である液体が
通過する配管1の管外壁に、マイクロ波を送信するマイ
クロ波送信子2とマイクロ波を受信するマイクロ波受信
子3が対向配置されている。
【0010】マイクロ波発信器4から発射されたマイク
ロ波は、マイクロ波送信子2→管内流体→マイクロ波受
信子3という経路(経路1)を経て、位相測定回路5に
入力される。
【0011】一方、マイクロ波送信子2を介さずにマイ
クロ波が位相測定回路5に入力される経路(経路2)を
設けている。
【0012】そして、これら2つの経路を通過したマイ
クロ波の位相差を求めることにより、配管1の内部を通
過する液体の濃度を求めるようになっている。
【0013】ところで、このようなマイクロ波式濃度計
の場合、超音波式濃度計等と同様に安定測定を行なうた
めには、その配管1内部が測定対象となる液体で充満さ
れている(満水状態である)必要がある。
【0014】すなわち、上記図7に示した経路1が、測
定中は常に満水状態となる必要がある。
【0015】しかしながら、実際の汚泥処理プロセスで
は、濃度計の上流側での気泡混入状況によっては、例え
ば図13に示すように、混入した気泡がつながってでき
たエア溜まりが、濃度計の配管1の内部の半分程度まで
生じる場合もある。
【0016】そして、このような状況では、マイクロ波
送信子2、マイクロ波受信子3の付近に液面があり、マ
イクロ波は正常な測定状態(満水状態)の伝播経路では
なく、エア溜まり中を伝播するマイクロ波や液面での反
射波の影響を受けるため、測定値も不安定で、満水状態
で測定した場合と比較して測定値が異常に高くなった
り、低くなったり、急激に変化する等、測定値に誤差が
生じて乱れたものとなる。
【0017】また、流体の流速が低い場合(例えば0.
6m/s以下)、流体中の土砂等の固形物が配管1の下
側へ沈降し、堆積することがある。
【0018】そして、堆積物が増えていくと、配管1の
内部の濃度分布にむらができるため、正しい測定ができ
ない場合がある。
【0019】かかる点に関して、より詳細に説明する
と、上述した濃度測定方法は、配管1中に測定対象の汚
泥が満たされた状態で、しかも濃度も均一になっている
という前提での濃度測定であるが、エアを多く含む汚泥
の場合には、エアが配管1内に蓄積して配管1上部にエ
ア溜まりができ、マイクロ波送信子2、マイクロ波受信
子3が対向配置されている中心線付近まで溜まってきて
測定に支障をきたす。
【0020】また、汚泥の流速が遅い場合には、砂分等
の汚泥中の重い成分が配管1下部に徐々に堆積して、中
心線付近まで堆積して測定に支障をきたす場合がある。
【0021】しかしながら、このように、配管1中にエ
ア溜まりや汚泥の堆積が起って、配管1中が汚泥で満た
された状態でなくなりつつあることや、濃度の均一性が
なくなりつつあることを自動的に前もって検知すること
ができず、測定値が異常になった時点で初めて気づき、
その異常値の原因が何であるかも容易に判らず、汚泥の
流れを停止して配管1内を見るための窓部等を開けてみ
て、初めてエア溜まりや汚泥の堆積が判るというような
不都合な問題がある。
【0022】なお、このような問題は、マイクロ波式濃
度計の場合に限らず、超音波式濃度計、光学式濃度計、
放射線式濃度計の場合についても、同様に言えることで
ある。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
濃度計においては、配管の内部に大量のエア溜まりが生
じた場合、エア溜まり中を伝播するマイクロ波や液面で
の反射波の影響によって、測定値も不安定で乱れたもの
になるという問題があった。
【0024】また、流体の流速が低い場合、流体中の土
砂等の固形物が配管の下側へ沈降し、堆積することがあ
り、堆積物が増えていくと配管内部の濃度分布にむらが
できるため、正しい測定ができないという問題があっ
た。
【0025】さらに、配管の内部にエア溜まりや汚泥の
堆積が生じた場合にも、その状態を早期に検知すること
ができず、またその原因を確認するために窓部等を開け
て配管1内を見なければならず、煩わしいという問題が
あった。
【0026】本発明の目的は、配管の内部に大量のエア
溜まりが生じた場合でも満水状態で測定した場合と同程
度な濃度測定ができ、また流体の流速が低い場合でも正
しい濃度測定を行なうことが可能な濃度計を提供するこ
とにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に対応する発明では、内部を流体が通過
する配管の一方の管外壁に設置されたマイクロ波送信子
からマイクロ波を配管の内部へ送信し、配管の他方の管
外壁にマイクロ波送信子と対向して設置されたマイクロ
波受信子でマイクロ波を受信し、これらのマイクロ波の
特性から配管の内部を通過する流体の濃度を求めるマイ
クロ波方式の濃度計において、マイクロ波送信子および
マイクロ波受信子を、水平方向に互いに対向して複数対
だけ設置し、マイクロ波送信子およびマイクロ波受信子
を、対毎に切り換える切換手段と、配管の内部の空気層
の大きさに対応した濃度測定値の関係式を、各対のそれ
ぞれについて独立してあらかじめ求めて記憶しておく記
憶手段とを備えて成り、マイクロ波送信子およびマイク
ロ波受信子を、各対毎に切り換えて濃度測定を行なうよ
うにしている。
【0028】また、請求項2に対応する発明では、上記
請求項1に対応する発明の濃度計において、各対毎に測
定されたそれぞれの濃度測定値と、記憶手段にあらかじ
め記憶されている各対毎の関係式とから、配管の内部を
通過する流体の濃度を求める信号処理手段を付加して成
る。
【0029】さらに、請求項3に対応する発明では、上
記請求項1に対応する発明の濃度計において、各対毎に
測定されたそれぞれの濃度測定値と、記憶手段にあらか
じめ記憶されている各対毎の関係式とから、配管の内部
を通過する流体の液面位置(液位)を求める信号処理手
段を付加して成る。
【0030】従って、請求項1乃至請求項3に対応する
発明の濃度計においては、マイクロ波送信子およびマイ
クロ波受信子を、水平方向に互いに対向して複数対だけ
設置し、マイクロ波送信子およびマイクロ波受信子を対
毎に切換手段で切り換えて濃度測定を行なうことによ
り、配管の内部に生じるエア溜まりの影響を受け難くす
ることができ、また配管内部の堆積物の影響を避けるこ
とができる。
【0031】これにより、配管の内部に大量のエア溜ま
りが生じた場合でも、満水状態で測定した場合と同程度
な濃度測定を行なうことができ、また流体の流速が低い
場合でも正しい濃度測定を行なうことができる。
【0032】また、配管の内部の空気層の大きさに対応
した濃度測定値の関係式を、前記各対のそれぞれについ
て独立してあらかじめ求めて記憶手段に記憶しておき、
この記憶されている各対毎の関係式とから、前記配管の
内部を通過する流体の濃度、または配管の内部を通過す
る流体の液面位置(液位)を信号処理手段で求めること
により、配管内部に生じるエア溜まりの影響を受け難く
することができる。
【0033】これにより、配管の内部に大量のエア溜ま
りが生じた場合でも、満水状態で測定した場合と同程度
な濃度測定を行なうことができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して詳細に説明する。
【0035】(第1の実施形態) 図1は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図12および図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0036】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図1に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管外壁に、水平方向に対向してマイクロ波
送信子2およびマイクロ波受信子3を一対だけ設置して
いる。
【0037】また、これら一対のマイクロ波送信子2お
よびマイクロ波受信子3は、配管1の水平方向の中心線
からずらして(本例では、下側にずらして)設置してい
る。
【0038】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、配管1内部に大量のエ
ア溜まりが生じた場合、このエア溜まりは配管1の上側
にできる。
【0039】この点、本実施形態では、マイクロ波送信
子2およびマイクロ波受信子3を、配管1の水平方向の
中心線よりも下側に設置していることにより、配管1内
部に生じるエア溜まりの影響を受け難くすることができ
る。
【0040】これにより、配管内部に大量のエア溜まり
が生じた場合でも、満水状態で測定した場合と同程度な
濃度測定を行なうことができる。
【0041】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、マイクロ波送信子2およびマイクロ波受信
子3を、配管1の水平方向の中心線から下側にずらし
て、水平方向に互いに対向して一対だけ設置するように
したものである。
【0042】従って、配管1内部に生じるエア溜まりの
影響を受け難くすることができるため、配管1内部に大
量のエア溜まりが生じた場合でも、満水状態で測定した
場合と同程度な濃度測定を行なうことが可能となる。
【0043】すなわち、配管1内部に大量のエア溜まり
が生じた場合に、エア溜まり中を伝播するマイクロ波や
液面での反射波の影響によって、測定値も不安定で乱れ
たものになるという従来の問題点を解消することが可能
となる。
【0044】(第2の実施形態) 図2は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図12および図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0045】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図2に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管外壁に、水平方向に対向してマイクロ波
送信子2およびマイクロ波受信子3を一対だけ設置して
いる。
【0046】また、これら一対のマイクロ波送信子2お
よびマイクロ波受信子3は、配管1の水平方向の中心線
からずらして(本例では、上側にずらして)設置してい
る。
【0047】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、流体の流速が低い場合
(例えば0.6m/s以下)、流体中の土砂等の堆積物
は配管1の下側へ沈降し、堆積することがある。
【0048】この点、本実施形態では、マイクロ波送信
子2およびマイクロ波受信子3を、配管1の水平方向の
中心線よりも上側に設置していることにより、これら堆
積物の影響を避けることができる。
【0049】これにより、流体の流速が低い場合でも、
正しい濃度測定を行なうことができる。
【0050】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、マイクロ波送信子2およびマイクロ波受信
子3を、配管1の水平方向の中心線から上側にずらし
て、水平方向に互いに対向して一対だけ設置するように
したものである。
【0051】従って、配管1内部に堆積する堆積物の影
響を避けることができるため、液体の流速が低い場合で
も、正しい濃度測定を行なうことが可能となる。
【0052】すなわち、流体の流速が低い場合(例えば
0.6m/s以下)、流体中の土砂等の固形物が配管1
の下側へ沈降し、堆積することがある。そして、堆積物
が増えていくと、配管1の内部の濃度分布にむらができ
るため、正しい測定ができないという従来の問題点を解
消することが可能となる。
【0053】(第3の実施形態) 図3は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図12および図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0054】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図3に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管外壁に、水平方向に対向してマイクロ波
送信子12,22およびマイクロ波受信子13,23を
複数対(本例では2対)だけ設置している。
【0055】なお、以下の説明では便宜上、マイクロ波
送信子12およびマイクロ波受信子13の対を第1対、
マイクロ波送信子22およびマイクロ波受信子23の対
を第2対と称する。
【0056】一方、切換回路6と、記憶手段であるメモ
リ7と、信号処理回路(CPU)8と、出力回路9とを
備えている。
【0057】ここで、切換回路6は、濃度測定を行なう
場合に、マイクロ波送信子12,22およびマイクロ波
受信子13,23を、対毎にある時間間隔(例えば数秒
間隔)で切り換えるものである。
【0058】また、メモリ7は、配管1の内部の空気層
の大きさに対応した濃度測定値の関係式を、前記各対の
それぞれについて独立してあらかじめ求めて記憶してお
くものである。
【0059】さらに、信号処理回路8は、位相測定回路
5からの位相差測定信号を入力し、各対毎に測定された
それぞれの濃度測定値と、メモリ7にあらかじめ記憶さ
れている各対毎の関係式とから、配管1の内部を通過す
る液体の濃度、または配管1の内部を通過する液体の液
面位置(液位)を求めるものである。
【0060】さらにまた、出力回路9は、信号処理回路
8により求められた液体の濃度、または液面位置(液
位)に相当する信号を外部に出力するものである。
【0061】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計の作用について説明する。
【0062】まず、本濃度計で、実際の汚泥等の測定対
象物の測定を行なう前にあらかじめ、配管1の上部から
液面までの距離、すなわちエア溜まりの量(d)、真の
濃度(C)、およびマイクロ波式濃度計測定値(M)と
の間の関係式を、第1対、第2対のそれぞれについて独
立して求めておく。
【0063】この関係式は、一般的に次のような式で表
わすことができる。
【0064】 Mn =C+Fn (d) (1) ただし、n: 対の番号 F(d):配管1の形状、各マイクロ波送信子・マイク
ロ波受信子対の取付位置等で決まる関数。
【0065】上記関係式の例を図4に示す。
【0066】図4(a)は、Cが一定で、dを変化させ
た時に、第1対のみを使用してマイクロ波式濃度計によ
り測定した場合の測定値Mを示し、図4(b)は同様
に、第2対のみを使用してマイクロ波式濃度計により測
定した場合の測定値Mを示している。
【0067】図4のd1 、d2 は、それぞれ第1対の
み、あるいは第2対のみを使用した場合で、濃度測定値
に影響を与えないエア溜まり量の限界値である。
【0068】これらの関係式 M1 =C+F1 (d)、
M2 =C+F2 (d) を、メモリ7にあらかじめ記憶
しておく。
【0069】このメモリ7にあらかじめ記憶されている
第1対および第2対による各関係式は、説明の簡単のた
め、1次式でそれぞれ次のような(2)、(3)式で表
わされるものとする。
【0070】 M1 =C+a・d (2) M2 =C+b・d (3) ただし、a:第1対のみを使用して、濃度を一定にした
状態でdを変化させた場合の濃度計測定値変化率であ
り、あらかじめ実験等により求めて記憶しておく係数。
【0071】図4の例では、 0≦d≦d1 の場合 a=0 d>d1 の場合 a≠0 b:第2対のみを使用して、濃度を一定にした状態でd
を変化させた場合の濃度計測定値変化率であり、あらか
じめ実験等により求めて記憶しておく係数。
【0072】図4の例では、 0≦d≦d2 の場合 b=0 d>d2 の場合 b≠0 すなわち、 0≦d≦d1 の場合 a=b=0 d1 <d≦d2 の場合 a≠0、b=0 d>d2 の場合 a≠0、b≠0 である。
【0073】上記(2)、(3)式から、濃度C、エア
溜まり量dを求めると、 C=(M2 ・a−M1 ・b)/(a−b) (4) d=(M1 −M2 )/(a−b) (5) となる。
【0074】なお、0≦d≦d1 の場合には、a=b=
0となり、(4)式、(5)式でC、dは求められない
が、エア溜まりによる濃度測定への影響がないため、M
1 =M2 となるため、 C=M1 (=M2 ) d=0 とする。
【0075】このようにすることにより、配管1内部に
エア溜まりがあっても、濃度を求めることができる。
【0076】また、エア溜まりの量d、言い換えれば配
管1内部の液面位置を求めることもできる。
【0077】以上のような演算を信号処理回路8におい
て行ない、その演算結果である配管1の内部を通過する
液体の濃度、または液体の液面位置(液位)が、出力回
路9により外部へ出力されることになる。
【0078】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、マイクロ波送信子12,22およびマイク
ロ波受信子13,23を、水平方向に互いに対向して2
対だけ設置し、さらにマイクロ波送信子12,22およ
びマイクロ波受信子13,23を対毎に切り換える切換
回路6と、配管1の内部の空気層の大きさに対応した濃
度測定値の関係式を、前記各対のそれぞれについて独立
してあらかじめ求めて記憶しておくメモリ7と、各対毎
に測定されたそれぞれの濃度測定値と、メモリ7にあら
かじめ記憶されている各対毎の関係式とから、配管1の
内部を通過する液体の濃度、または配管1の内部を通過
する液体の液面位置(液位)を求める信号処理回路8
と、信号処理回路8の演算結果である配管1の内部を通
過する液体の濃度、または液体の液面位置(液位)を外
部へ出力する出力回路9とを備えるようにしたものであ
る。
【0079】従って、配管1内部に生じるエア溜まりの
影響を受け難くすることができるため、配管1内部に大
量のエア溜まりが生じた場合でも、満水状態で測定した
場合と同程度な濃度測定を行なうことが可能となる。
【0080】(第4の実施形態) 図5は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図12および図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0081】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図5に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管外壁に、水平方向に対向してマイクロ波
送信子12,22,32およびマイクロ波受信子13,
23,33を複数対(本例では3対)だけ設置してい
る。
【0082】なお、以下の説明では便宜上、マイクロ波
送信子12およびマイクロ波受信子13の対を第1対、
マイクロ波送信子22およびマイクロ波受信子23の対
を第2対、マイクロ波送信子32およびマイクロ波受信
子33の対を第3対と称する。
【0083】一方、切換回路6と、信号処理回路(CP
U)8と、出力回路9とを備えている。
【0084】ここで、切換回路6は、濃度測定を行なう
場合に、マイクロ波送信子12,22,32およびマイ
クロ波受信子13,23,33を、対毎にある時間間隔
(例えば数秒間隔)で切り換えるものである。
【0085】また、信号処理回路8は、位相測定回路5
からの位相差測定信号を入力し、配管1の内部を通過す
る液体の濃度を求めるものである。
【0086】さらにまた、出力回路9は、信号処理回路
8により求められた液体の濃度に相当する信号を外部に
出力するものである。
【0087】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計の作用について説明する。
【0088】切換回路6では、濃度測定を行なう場合
に、マイクロ波送信子12,22,32およびマイクロ
波受信子13,23,33を、対毎に切り換える。
【0089】すなわち、測定に使用するマイクロ波送信
子とマイクロ波受信子との組み合わせ例としては、マイ
クロ波送信子12とマイクロ波受信子13→マイクロ波
送信子22とマイクロ波受信子32→マイクロ波送信子
32とマイクロ波受信子33→マイクロ波送信子12と
マイクロ波受信子13→……というように、順次切り換
える。
【0090】配管1内部が満水状態の場合には、上記3
対のマイクロ波送信子12,22,32およびマイクロ
波受信子13,23,33は、配管1内部のエア溜まり
の影響を受けないため、どの対を用いても同じ測定値を
得ることができる。
【0091】一方、例えば図6に示すように、配管1内
部にエア溜まりが生じた場合には、マイクロ波送信子1
2およびマイクロ波受信子13の第1対を用いた測定
は、配管1内部のエア溜まりの影響を受けるために、そ
の他の対による測定値とは異なった値を示す。
【0092】よって、このような場合には、配管1の下
側に設置された対(図6の場合には、マイクロ波送信子
22とマイクロ波受信子23の第2対、マイクロ波送信
子32とマイクロ波受信子33の第3対)から求めた測
定値を採用し、マイクロ波送信子12とマイクロ波受信
子13の第1対から求めた測定値は無視する。
【0093】そして、これらの測定値の多数決をとるこ
とにより、正しい測定値を求めることができる。
【0094】また、液体の流速が低く、配管1内部に堆
積物が堆積した場合には、マイクロ波送信子32および
マイクロ波受信子33の第3対を用いた測定は、配管1
内部の堆積物の影響を受けるために、その他の対による
測定値とは異なった値を示す。
【0095】よって、このような場合には、配管1の上
側に設置された対(図6の場合には、マイクロ波送信子
12とマイクロ波受信子13の第1対、マイクロ波送信
子22とマイクロ波受信子23の第2対)から求めた測
定値を採用し、マイクロ波送信子32とマイクロ波受信
子33の第3対から求めた測定値は無視する。
【0096】そして、これらの測定値の多数決をとるこ
とにより、正しい測定値を求めることができる。
【0097】以上のような演算を信号処理回路8におい
て行ない、その演算結果である配管1の内部を通過する
液体の濃度が、出力回路9により外部へ出力されること
になる。
【0098】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、マイクロ波送信子12,22,32および
マイクロ波受信子13,23,33を水平方向に対向し
て3対だけ設置し、さらに濃度測定を行なう場合に、マ
イクロ波送信子12,22,32およびマイクロ波受信
子13,23,33を、対毎にある時間間隔(例えば数
秒間隔)で切り換える切換回路6と、位相測定回路5か
らの位相差測定信号を入力し、配管1の内部を通過する
液体の濃度を求める信号処理回路8と、信号処理回路8
により求められた液体の濃度に相当する信号を外部に出
力する出力回路9とを備えるようにしたものである。
【0099】従って、配管1内部に生じるエア溜まりの
影響を受け難くすることができ、また配管内部の堆積物
の影響を避けることができる。
【0100】これにより、配管1内部に大量のエア溜ま
りが生じた場合でも、満水状態で測定した場合と同程度
な濃度測定を行なうことができ、また液体の流速が低い
場合でも正しい濃度測定を行なうことが可能となる。
【0101】(第5の実施形態) 図7は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図12および図13と同一部分に
は同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる
部分についてのみ述べる。
【0102】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図7に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上側に、水
平方向に対向して一対の電極41,42を設置してい
る。
【0103】また、これら一対の電極41,42は、配
管1の管壁の最頂部近傍位置に設置している。
【0104】さらに、インピーダンス測定回路43、エ
ア溜まり判定回路44、および出力回路45からなるエ
ア溜まり検知手段を備えている。
【0105】ここで、インピーダンス測定回路43は、
一対の電極41,42間のインピーダンスを測定するも
のである。
【0106】また、エア溜まり判定回路44は、インピ
ーダンス測定回路43により測定された測定値が所定値
以上である場合に、配管1内部にエア溜まりが発生して
いることを判定するものである。
【0107】さらに、出力回路45は、エア溜まり判定
回路44による判定結果を例えば表示出力するものであ
る。
【0108】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、配管1内部にエア溜ま
りが生じた場合、このエア溜まりは配管1の上側にでき
る。
【0109】この点、本実施形態では、配管1の管壁の
水平方向の中心線よりも上側に、水平方向に対向して一
対の電極41,42を設置し、この一対の電極41,4
2間のインピーダンスをエア溜まり検知手段で測定して
いることにより、配管1の内部に発生したエア溜まりを
検知することができる。
【0110】例えば、一対の電極41,42間のインピ
ーダンスが∞であれば、少なくとも一対の電極41,4
2が設置されている高さ位置までは、エア溜まりが存在
することを検知することができる。
【0111】これにより、配管1の内部にエア溜まりが
発生した場合に、その状態(非満水状態)を容易に検知
することができる。
【0112】また、配管1の管壁の最頂部近傍位置に、
一対の電極41,42を設置していることにより、配管
1の内部にかなり大量のエア溜まりが生じた場合に、こ
のエア溜まりが濃度測定の限界であることを検知するこ
とができる。
【0113】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上
側に、水平方向に対向して一対の電極41,42を設置
して、この一対の電極41,42間のインピーダンス
を、インピーダンス測定回路43、エア溜まり判定回路
44、および出力回路45からなるエア溜まり検知手段
で測定することにより、配管1の内部に発生したエア溜
まりを検知するようにしたものである。
【0114】従って、配管1の内部にエア溜まりが発生
した場合に、その状態(非満水状態)を、配管1に設け
られた窓部等を開けてみることなく、容易に検知するこ
とが可能となる。
【0115】また、マイクロ波式濃度計において、測定
値誤差や測定値のふらつきが発生した場合に、その原因
がエア溜まりによるものであることを明確に判断するこ
とが可能となる。
【0116】さらに、配管1の内部にかなり大量のエア
溜まりが生じた場合に、このエア溜まりが濃度測定の限
界であることを検知することが可能となる。
【0117】(第6の実施形態) 図8は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図7と同一要素には同一符号を付
して示している。
【0118】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図8に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上側に、配
管1方向に対向して一対の電極41,42を設置してい
る。
【0119】また、これら一対の電極41,42は、配
管1の管壁の最頂部近傍位置に設置している。
【0120】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、配管1内部にエア溜ま
りが生じた場合、このエア溜まりは配管1の上側にでき
る。
【0121】この点、本実施形態では、配管1の管壁の
水平方向の中心線よりも上側に、配管1方向に対向して
一対の電極41,42を設置し、この一対の電極41,
42間のインピーダンスをエア溜まり検知手段で測定し
ていることにより、配管1の内部に発生した連なり続く
長いエア溜まりを検知することができる。
【0122】これにより、配管1の内部に連なり続く長
いエア溜まりが発生した場合に、その状態(非満水状
態)を容易に検知することができる。
【0123】また、配管1の管壁の最頂部近傍位置に、
一対の電極41,42を設置していることにより、配管
1の内部にかなり大量のエア溜まりが生じた場合に、こ
のエア溜まりが濃度測定の限界であることを検知するこ
とができる。
【0124】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上
側に、配管1方向に対向して一対の電極41,42を設
置して、この一対の電極41,42間のインピーダンス
を、インピーダンス測定回路43、エア溜まり判定回路
44、および出力回路45からなるエア溜まり検知手段
で測定することにより、配管1の内部に発生したエア溜
まりを検知するようにしたものである。
【0125】従って、配管1の内部に連なり続く長いエ
ア溜まりが発生した場合に、その状態(非満水状態)
を、配管1に設けられた窓部等を開けてみることなく、
容易に検知することが可能となる。
【0126】また、マイクロ波式濃度計において、測定
値誤差や測定値のふらつきが発生した場合に、その原因
がエア溜まりによるものであることを明確に判断するこ
とが可能となる。
【0127】さらに、配管1の内部にかなり大量のエア
溜まりが生じた場合に、このエア溜まりが濃度測定の限
界であることを検知することが可能となる。
【0128】(第7の実施形態) 図9は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成例
を示す概要図であり、図7と同一要素には同一符号を付
して示している。
【0129】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図9に示すように、内部を流体である液体が通過
する配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上側に、配
管1方向に沿ってかつ水平方向に対向して複数対(図で
は3対)の電極41,42を設置している。
【0130】また、これら一対の電極41,42は、配
管1の管壁の最頂部近傍位置に設置している。
【0131】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、配管1内部にエア溜ま
りが生じた場合、このエア溜まりは配管1の上側にでき
る。
【0132】この点、本実施形態では、配管1の管壁の
水平方向の中心線よりも上側に、配管1方向に沿ってか
つ水平方向に対向して3対の電極41,42を設置し、
この各対の電極41,42間のそれぞれのインピーダン
スをエア溜まり検知手段で測定していることにより、配
管1の内部の所々に発生したエア溜まりを検知すること
ができる。
【0133】これにより、配管1の内部の所々にエア溜
まりが発生した場合に、その状態(非満水状態)を容易
に検知することができる。
【0134】また、配管1の管壁の最頂部近傍位置に、
各対の電極41,42を設置していることにより、配管
1の内部にかなり大量のエア溜まりが生じた場合に、こ
のエア溜まりが濃度測定の限界であることを検知するこ
とができる。
【0135】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上
側に、配管1方向に沿ってかつ水平方向に対向して3対
の電極を設置して、各対の電極41,42間のインピー
ダンスを、インピーダンス測定回路43、エア溜まり判
定回路44、および出力回路45からなるエア溜まり検
知手段で測定することにより、配管1の内部に発生した
エア溜まりを検知するようにしたものである。
【0136】従って、配管1の内部の所々にエア溜まり
が発生した場合に、その状態(非満水状態)を、配管1
に設けられた窓部等を開けてみることなく、容易に検知
することが可能となる。
【0137】また、マイクロ波式濃度計において、測定
値誤差や測定値のふらつきが発生した場合に、その原因
がエア溜まりによるものであることを明確に判断するこ
とが可能となる。
【0138】さらに、配管1の内部にかなり大量のエア
溜まりが生じた場合に、このエア溜まりが濃度測定の限
界であることを検知することが可能となる。
【0139】(第8の実施形態) 図10は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成
例を示す概要図であり、図7と同一要素には同一符号を
付して示している。
【0140】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図10に示すように、内部を流体である液体が通
過する配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上側に、
配管1の同一断面上に垂直方向に沿ってかつ水平方向に
対向して複数対の電極(図では2対)の電極41,42
を設置している。
【0141】すなわち、これら2対の電極41,42の
うち、一方の対の電極41,42は、配管1の管壁の最
頂部近傍位置に設置し、また他方の対の電極41,42
は、配管1の管壁の最頂部近傍位置から配管1の周方向
に所定距離だけずらした位置に設置している。
【0142】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計においては、配管1内部にエア溜ま
りが生じた場合、このエア溜まりは配管1の上側にでき
る。
【0143】この点、本実施形態では、配管1の管壁の
水平方向の中心線よりも上側に、配管1の同一断面上に
垂直方向に沿ってかつ水平方向に対向して2対の電極4
1,42を設置し、この各対の電極41,42間のそれ
ぞれのインピーダンスをエア溜まり検知手段で測定して
いることにより、配管1の内部に発生したエア溜まりを
段階的に検知することができる。
【0144】これにより、配管1の内部にエア溜まりが
発生した場合に、その状態(非満水状態)を段階的に容
易に検知することができる。
【0145】すなわち、配管1内の測定対象の液位が配
管1上部からある値を超えると、測定値のふらつきを生
ずる。
【0146】そこで、図10に示すように、配管1上部
からそのある値(濃度測定の限界値であることを知らせ
る)のところに一対の電極41,42を設置し、さらこ
れら一対の電極41,42よりも上部にもう一対の電極
41,42を設けて(もうすぐ濃度測定の限界値に近い
ことを知らせる)、エア溜まりの検知を2段階に分けて
行なうことができる。
【0147】なお、配管1の同一断面上に3対以上の複
数対の電極41,42を設けて、エア溜まりの検知を3
段階以上の複数段階に分けて行なうようにしてもよい。
【0148】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、配管1の管壁の水平方向の中心線よりも上
側に、配管1の同一断面上に垂直方向に沿ってかつ水平
方向に対向して2対の電極41,42を設置して、各対
の電極41,42間のインピーダンスを、インピーダン
ス測定回路43、エア溜まり判定回路44、および出力
回路45からなるエア溜まり検知手段で測定することに
より、配管1の内部に発生したエア溜まりを検知するよ
うにしたものである。
【0149】従って、配管1の内部の所々にエア溜まり
が発生した場合に、その状態(非満水状態)を、配管1
に設けられた窓部等を開けてみることなく、容易に検知
することが可能となる。
【0150】また、マイクロ波式濃度計において、測定
値誤差や測定値のふらつきが発生した場合に、その原因
がエア溜まりによるものであることを明確に判断するこ
とが可能となる。
【0151】さらに、配管1の内部にエア溜まりが生じ
た場合に、その状態(非満水状態)を、もうすぐ濃度測
定の限界値に近いこと、濃度測定の限界値であることと
いうように、を段階的に容易に検知することが可能とな
る。
【0152】(第9の実施形態) 図11は、本実施形態によるマイクロ波式濃度計の構成
例を示す概要図であり、図12および図13と同一部分
には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異な
る部分についてのみ述べる。
【0153】すなわち、本実施形態のマイクロ波式濃度
計は、図11に示すように、マイクロ波送信子およびマ
イクロ波受信子として、内部を流体である液体が通過す
る配管1の水平方向の中心線A上で対向する位置に、マ
イクロ波送信子2およびマイクロ波主受信子3aを設置
し、またマイクロ波送信子2から中心線Aより上方側へ
向う上方線B上で対向する位置(配管1の中心線Aより
上側で、できるだけ最頂部に近い位置)に、マイクロ波
上部受信子3bを1個設置し、さらにマイクロ波送信子
2から中心線Aより下方側へ向う下方線C上で対向する
位置(配管1の中心線より下側で、できるだけ最下部に
近い位置)に、マイクロ波下部受信子3cを1個設置し
ている。
【0154】さらに、濃度演算回路50を備えている。
この濃度演算回路50は、中心線A、上方線B、および
下方線Cでのマイクロ波主受信子3a、マイクロ波上部
受信子3b、およびマイクロ波下部受信子3cで受信さ
れるマイクロ波信号の位相遅れを順次測定して得られる
それぞれの濃度測定値を比較することにより、配管1内
部のエア溜まりの発生、および汚泥の堆積の発生を自動
的に検知して警報信号として出力する機能と、この警報
信号が出力されていない場合に、各々の線での各受信子
3a,3b,3cによるそれぞれの濃度測定値の平均値
を濃度信号として出力する機能とを有している。
【0155】なお、マイクロ波送信子2としては、従来
のものよりも指向性が強くなく、配管1の上部および下
部へもマイクロ波が広がって行くものを使用することが
好ましい。
【0156】次に、以上のように構成した本実施形態の
マイクロ波式濃度計の作用について説明する。
【0157】図11において、マイクロ波発信器4から
マイクロ波送信子2に送られたマイクロ波は、マイクロ
波送信子2から配管1中の汚泥中に入射され、中心線
A、上方線B、下方線Cをそれぞれ中心とする伝播経路
を通って、マイクロ波受信子3a、3b、3cで受信さ
れ、これらの信号を位相測定回路5に送る。
【0158】位相測定回路5では、リファレンス信号に
対する、各マイクロ波受信子3a、3b、3cで受信さ
れた信号の位相遅れを順次測定して、その測定値を濃度
演算回路50に送る。
【0159】次に、濃度測定の作用について述べる。
【0160】まず、配管1の内部を濃度ゼロである水を
満たして、各マイクロ波受信子3a、3b、3cの受信
信号の位相遅れθ1a、θ1b、θ1cを順次測定して、それ
らの値を濃度演算回路50の中のメモリに記憶させてお
く。
【0161】次に、配管1の内部に、測定対象となる汚
泥を流して、各受信信号の位相遅れθ2a、θ2b、θ2c
測定して、θ2 とθ1 とのそれぞれの差Δθを求める。
【0162】 Δθa =θ2a−θ1a、Δθb =θ2b−θ1b、Δθc =θ2c−θ1c 汚泥濃度とΔθa との関係、Δθb との関係、Δθc
の関係をあらかじめ求めて、中心線Aの検量線、上方線
Bの検量線、下方線Cの検量線として、濃度演算回路5
0のメモリに記憶させておき、測定された時々刻々のθ
2a、θ2b、θ2cの値から、上記検量線を用いて以下のよ
うな濃度演算を行ない、中心線A、上方線B、下方線C
でのそれぞれ濃度測定値XA 、XB 、XC を求めること
ができる。
【0163】 XA =KA Δθa 、XB =KB Δθb 、XC =KC Δθc ここで、XA とXB との差、およびXA とXC との差
が、ある所定の値以下である場合には、濃度出力信号は
A 、XB 、XC の平均値とし、上記いずれか一方の差
が、ある所定の値以上となった場合には、濃度出力信号
はXA と差が所定の値以下であるXB またはXC との平
均値とし、上記両方の差が、ある所定値以上となった場
合には、濃度出力信号はXA とする。
【0164】一方、XA とXB との差が、ある所定の値
以上となった場合には、「エア溜まりの旨の警報信号」
を出力する。また、XA とXC との差が、ある所定の値
以上となった場合には「汚泥堆積の旨の警報信号」を出
力する。
【0165】上述したように、本実施形態のマイクロ波
式濃度計は、配管1の水平方向の中心線A上で対向する
位置に、マイクロ波送信子2およびマイクロ波主受信子
3aを設置し、またマイクロ波送信子2から中心線Aよ
り上方側へ向う上方線B上で対向する位置にマイクロ波
上部受信子3bを設置し、さらにマイクロ波送信子2か
ら中心線Aより下方側へ向う下方線C上で対向する位置
にマイクロ波下部受信子3cを設置して、マイクロ波主
受信子3a、マイクロ波上部受信子3b、およびマイク
ロ波下部受信子3cによるそれぞれの濃度測定値を比較
することにより、配管1の内部のエア溜まりおよび汚泥
堆積の発生を警報信号として出力するようにしたもので
ある。
【0166】従って、配管1の内部の上部にできるエア
溜まりや下部にできる汚泥の堆積が、中心線A近くまで
大きくなって中心線Aに影響を与えるようになり、濃度
測定値が異常値となる前に、エア溜まりや汚泥堆積を一
早く自動的に検知して報知することが可能となる。
【0167】これにより、濃度測定の異常値が発生する
前に、エア抜きや堆積汚泥の洗浄除去等の適切な処置を
行なうことができるようになる。
【0168】また、通常時は、配管1内部の上部、中心
部、下部の測定が行なえるため、配管1内部の全体的濃
度の平均値を測定することが可能となる。
【0169】尚、本発明は上記各実施形態に限定される
ものではなく、次のようにしても同様に実施することが
できるものである。
【0170】(a)上記各実施形態では、マイクロ波の
位相変化をとらえることにより流体の濃度を測定する場
合について説明したが、これに限らず、マイクロ波の周
波数変化をとらえることにより流体の濃度を測定するよ
うにしてもよい。
【0171】(b)上記第5乃至第8の各実施形態にお
いて、エア溜まりを報知する方法としては、例えば警報
ランプを点灯させたり、警報接点を出力したり、測定を
停止して測定値をホールドする等、濃度測定の異常を報
知できる方法であれば何でもよい。
【0172】(c)上記第5乃至第8の各実施形態にお
いて、エア溜まりの検知には、電極だけではなく、例え
ばリミットスイッチやフロート式等、配管1内部の液位
の変化を捕らえられる手段であれば何でもよい。
【0173】(d)上記第5乃至第7の各実施形態で
は、配管1の管壁の最頂部近傍位置に、一対の電極4
1,42、または複数対の電極41,42を設置する場
合について説明したが、これに限らず、これら一対の電
極41,42、または複数対の電極41,42を、配管
1の管壁の最頂部から配管1の周方向に所定距離だけず
らした位置に設置するようにしてもよい。
【0174】この場合には、配管1の内部にある程度の
エア溜まりが生じた場合に、このエア溜まりが濃度測定
の限界に近付いていることを検知することが可能とな
る。
【0175】(e)上記第9の実施形態では、マイクロ
波主受信子3aの他に、マイクロ波上部受信子3b、お
よびマイクロ波下部受信子3cの双方を設置する場合に
ついて説明したが、これに限らず、本発明の濃度計を適
用する対象となるプロセスの種類に応じて、マイクロ波
主受信子3aの他に、マイクロ波上部受信子3b、また
はマイクロ波下部受信子3cの一方のみを設置するよう
にしてもよい。
【0176】この場合には、配管1の内部に発生したエ
ア溜まり、または汚泥堆積のいずれかを検知することが
可能となる。
【0177】(f)上記第9の実施形態では、マイクロ
波主受信子3aの他に、マイクロ波上部受信子3b、マ
イクロ波下部受信子3cを、それぞれ1個ずつ設置する
場合について説明したが、これに限らず、マイクロ波主
受信子3aの他に、複数個のマイクロ波上部受信子3
b、複数個のマイクロ波下部受信子3cを、それぞれ設
置するようにしてもよい。
【0178】この場合には、配管1の内部におけるエア
溜まり、汚泥堆積の発生を、段階的に検知することが可
能となる。
【0179】(g)上記第9の実施形態では、中心線
A、上方線B、下方線Cの各線での濃度測定値XA 、X
B 、XC の平均値を濃度信号として出力する場合につい
て説明したが、これに限らず、中心線A、上方線B、下
方線Cの各線での濃度測定値XA 、XB 、XC をそれぞ
れ個別に出力するようにしてもよい。
【0180】この場合には、配管1内部の上部、中心
部、下部の濃度分布を把握することが可能となる。
【0181】(h)上記第5乃至第9の各実施形態で
は、本発明をマイクロ波式濃度計に適用する場合につい
て説明したが、これに限らず、光学式濃度計、または超
音波式濃度計、または放射線式濃度計等、波動を用いて
測定を行なう濃度計のいずれについても、本発明を同様
に適用することができるものである。
【0182】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の濃度計に
よれば、配管内部に大量のエア溜まりが生じた場合でも
満水状態で測定した場合と同程度な濃度測定ができ、ま
た流体の流速が低い場合でも正しい濃度測定を行なうこ
とが可能となる。
【0183】また、本発明の濃度計によれば、配管内部
に大量のエア溜まりが生じた場合でも満水状態で測定し
た場合と同程度な濃度測定を行なうことが可能な濃度計
が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマイクロ波式濃度計の第1の実施
形態を示す概要図。
【図2】本発明によるマイクロ波式濃度計の第2の実施
形態を示す概要図。
【図3】本発明によるマイクロ波式濃度計の第3の実施
形態を示す概要図。
【図4】同第3の実施形態のマイクロ波式濃度計におけ
る作用を説明するための関係図。
【図5】本発明によるマイクロ波式濃度計の第4の実施
形態を示す概要図。
【図6】同第4の実施形態のマイクロ波式濃度計におけ
る作用を説明するための概要図。
【図7】本発明によるマイクロ波式濃度計の第5の実施
形態を示す概要図。
【図8】本発明によるマイクロ波式濃度計の第6の実施
形態を示す概要図。
【図9】本発明によるマイクロ波式濃度計の第7の実施
形態を示す概要図。
【図10】本発明によるマイクロ波式濃度計の第8の実
施形態を示す概要図。
【図11】本発明によるマイクロ波式濃度計の第9の実
施形態を示す概要図。
【図12】マイクロ波式濃度計の構成例を示す概要図。
【図13】従来のマイクロ波式濃度計における問題点
(エア溜まりの発生)を説明するための図。
【符号の説明】
1…配管、2…マイクロ波送信子、3…マイクロ波受信
子、4…マイクロ波発信器、5…位相測定回路、6…切
換回路、7…メモリ、8…信号処理回路(CPU)、9
…出力回路、12…第1のマイクロ波送信子、13…第
1のマイクロ波受信子、22…第2のマイクロ波送信
子、23…第2のマイクロ波受信子、32…第3のマイ
クロ波送信子、33…第3のマイクロ波受信子、41…
電極、42…電極、43…インダクタンス測定回路、4
4…エア溜まり判定回路、45…出力回路、3a…マイ
クロ波主受信子、3b…マイクロ波上部受信子、3c…
マイクロ波下部受信子、50…濃度演算回路、M1 …第
1対のみ使用したマイクロ波式濃度計測定値、M2 …第
2対のみ使用したマイクロ波式濃度計測定値、C…濃
度、d…エア溜まり量。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−182549(JP,A) 特開 昭57−131052(JP,A) 特開 昭51−61884(JP,A) 特開 平7−260711(JP,A) 特開 平4−238246(JP,A) 実公 昭60−35857(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 22/00 - 22/02 G01N 29/00 - 29/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部を流体が通過する配管の一方の管外
    壁に設置されたマイクロ波送信子からマイクロ波を前記
    配管の内部へ送信し、前記配管の他方の管外壁に前記マ
    イクロ波送信子と対向して設置されたマイクロ波受信子
    で前記マイクロ波を受信し、これらのマイクロ波の特性
    から前記配管の内部を通過する流体の濃度を求めるマイ
    クロ波方式の濃度計において、 前記マイクロ波送信子およびマイクロ波受信子を、水平
    方向に互いに対向して複数対だけ設置し、 前記マイクロ波送信子およびマイクロ波受信子を、対毎
    に切り換える切換手段と、 前記配管の内部の空気層の大きさに対応した濃度測定値
    の関係式を、前記各対のそれぞれについて独立してあら
    かじめ求めて記憶しておく記憶手段とを備えて成り、 前記マイクロ波送信子およびマイクロ波受信子を、前記
    各対毎に切り換えて濃度測定を行なうようにしたことを
    特徴とする濃度計。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載の濃度計において、 前記各対毎に測定されたそれぞれの濃度測定値と、前記
    記憶手段にあらかじめ記憶されている各対毎の関係式と
    から、前記配管の内部を通過する流体の濃度を求める信
    号処理手段を付加して成ることを特徴とする濃度計。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載の濃度計において、 前記各対毎に測定されたそれぞれの濃度測定値と、前記
    記憶手段にあらかじめ記憶されている各対毎の関係式と
    から、前記配管の内部を通過する流体の液面位置(液
    位)を求める信号処理手段を付加して成ることを特徴と
    する濃度計。
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