JP3373054B2 - 偏向ヨークの組み立て方法及び偏向ヨーク並びにそれを用いたブラウン管 - Google Patents
偏向ヨークの組み立て方法及び偏向ヨーク並びにそれを用いたブラウン管Info
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Description
使用される偏向ヨークコイルの特性評価、組立て、特性
による分類技術に関する。
ン管」と称する)用偏向ヨークは、赤色用、緑色用、お
よび青色用の、3本の電子ビームを集束させ、該電子ビ
ームを、水平方向、垂直方向に走査し、ブラウン管内面
に塗付された蛍光体を発光させて、映像を再現させるも
のである。
際に、ブラウン管や偏向ヨークの製造誤差によって、電
子ビームが集束しない現象、いわゆる色ずれ(以下、
「ミスコンバーゼンス」と称する)状態が発生すること
がある。前記製造誤差等によって、偏向ヨーク内部に発
生する3次元磁界分布に、その理想的な分布との誤差が
生じ、前記3本の電子ビームの相対的な軌道が理想軌道
からずれてしまい、ミスコンバーゼンスが発生するので
ある。
のように、偏向ヨークは、水平偏向磁界を発生するため
の水平偏向コイル1と、垂直偏向磁界を発生するための
垂直偏向コイル2と、それらを保持するセパレータ3と
を有して構成され、さらに、偏向能率をあげるためのコ
ア4を備えている。コア4は、鉄等の材料で所定の形状
に形成されている。また、水平偏向コイル1と、垂直偏
向コイル2は、所定の形状をした巻枠に、電線が巻回さ
れて、コイルを形成している。
る。まず、水平偏向コイル1を上下に組み合わせる。す
なわち、図では、水平偏向コイル1が1つの部品のよう
に示してあるが、実際には、2つのコイルを組合せて水
平偏向コイルを組み立てている、この時の、一方のコイ
ルをハーフコイルと称する。次に、その外側に、セパレ
ータ3を左右から組み付ける。
左右から組み付ける。最後に、その外側にコア4を、上
下から組み付けると、図4に示すような偏向ヨークが組
み立てられる。なお、左右から組付ける、垂直偏向コイ
ル2の各々も、ハーフコイルとなっている。
1、垂直偏向コイル2は、前述のように、電線を、3次
元形状の巻枠に巻回して製造されるため、本質的に、特
性にばらつきの大きな部品である。もちろん、その他の
部品、例えば、コアの直径や真円度、各部品の組立誤差
によっても、磁界分布は、理想的な分布と異なったもの
となってしまうが、磁界分布に最も影響を与えるのは、
水平偏向コイル1、垂直偏向コイル2の有する特性であ
る。
特性がミスコンバーゼンスに与える影響を定量評価する
方法として、コイルのインダクタンス量の測定がある
が、実際には、コイル形状は3次元形状を呈しており、
いわゆる巨視的な計測となってしまい、コイルの有する
特性がミスコンバーゼンスに与える影響をおおまかに把
握できるのみである。
る影響を定量評価する方法としては、不十分であるた
め、図2に示す全部品を組立てた後に、実際に、ブラウ
ン管に格子状のテストパターンを映し出して、ミスコン
バーゼンスの評価しているのが実情である。
ゼンス特性に与える影響を定量評価する技術に関するも
のとして、例えば特開昭62−219437号公報等が
挙げられる。
を組み立てて偏向ヨークを製造し、該偏向ヨークをブラ
ウン管に装着しない状態で、磁界分布の計測を行ない、
ミスコンバーゼンスを評価する方法、即ち、ブラウン管
を使用しないミスコンバーゼンス評価方法である。
を組立てた状態で、ブラウン管にテストパターンを映し
出し、ミスコンバーゼンスの評価を行うものや、前記特
開昭62−219437号公報に開示されている磁界計
測方法では、コイルのみによるミスコンバーゼンス特性
が、計測されないため、コイルがミスコンバーゼンス特
性に与える影響を正確に把握することができず、コイル
巻線の高精度化(ミスコンバーゼンス量の低減を図るた
めの、コイル巻線の製造の仕方)のあい路となってい
る。
工程においては、特性の把握できていないハーフコイル
同士(あるいは、垂直コイルと水平コイル)を組合せ
て、製品の製造を行なうため、ミスコンバーゼンスの様
相も種々異なり、ミスコンバーゼンスを低減するための
調整に、多大の時間を要している。
ーゼンス特性を評価し、その評価結果を、コイルの製造
工程に反映させることによって、高品質なコイルを製造
する手段を提供することである。
ルの磁界分布を評価し、偏向ヨークの組み立て後の調整
の困難度が低くなるような、他のハーフコイルを選択し
て、偏向ヨークの組立が行える手段を提供する。
での磁界分布を評価し、評価結果にもとづいて、標準の
磁界分布に近づくように、前記ハーフコイルの所定の箇
所に所定の磁性体を張り付けることにより、コンバーゼ
ンスの低減を容易にする手段を提供することにある。
に、以下の手段が考えられる。
い状態で電子ビームの軌道が理想的に直線となる該軌道
をZ軸(電子ビームの進行方向を正方向)とし、該Z軸
と右手座標系を形成するように、前記ハーフコイルの一
方の末端面内でX、Y軸を想定し、X軸に水平な仮想断
面を仮定し、該仮想断面と電子ビームの軌道の交点が、
取り得るX座標の範囲内に、磁束密度を計測可能な磁束
密度計測手段を2点に配置し、一方の磁束密度計測手段
により計測される磁束密度をBr、他方の磁束密度計測
手段により計測される磁束密度をBlとしたとき、S=
(Br+Bl)/2、なるSをハーフコイルの磁界強
度、E=(Br−Bl)/2、なるEをハーフコイルの
磁界バランスとして、ハーフコイルの磁界強度およびバ
ランスを求める方法である。
の大きさを複数段階に分割し、分割された前記Sおよび
Eの大きさで、分類分けを行い、各分類に対応してマー
クを予め決めておき、実際に求めた前記S、Eが属する
分類に対応するマークを前記ハーフコイルに付加するハ
ーフコイルの磁界特性による分類方法も考えられる。
けておき、前記あるマークが付加されたハーフコイル
と、あるマークに対応付けられた他のマークが付加され
たハーフコイルとを組合せて、偏向コイルを組み立てる
方法も考えられる。
磁界強度Eおよび磁界バランスSを次のように求める。
態で電子ビームの軌道が理想的に直線となる該軌道をZ
軸(電子ビームの進行方向を正方向)とし、該Z軸と右
手座標系を形成するように、前記ハーフコイルの一方の
末端面内でX、Y軸を想定する。
該仮想断面と電子ビームの軌道の交点が、取り得るX座
標の範囲内に、磁束密度を計測可能な磁束密度計測手段
を2個配置し、一方の磁束密度計測手段により計測され
る磁束密度をBr、他方の磁束密度計測手段により計測
される磁束密度をBlとする。
Sをハーフコイルの磁界強度、E=(Br−Bl)/
2、なるEをハーフコイルの磁界バランスとして求め
る。
複数段階に分割し、分割された前記SおよびEの大きさ
で、分類分けを行い、各分類に対応してマークを予め決
めておき、実際に求めた前記S、Eが属する分類に対応
するマークをハーフコイルに付加し、ハーフコイルを分
類する。
有する磁界特性に応じた、マークが付されており、ある
マークに他のマークを対応付けておき、あるマークが付
加されたハーフコイルと、あるマークに対応付けられた
他のマークが付加されたハーフコイルとを組合せて、偏
向コイルを組み立てることにより、高性能な偏向コイル
の製造が可能となる。
ンス特性に影響を与えるパラメータとして、磁界分布の
強度・バランスを導入し、これらを求めることによっ
て、コンバーゼンス特性の評価を行なうことができる。
て、ハーフコイルを複数の組に分類する。分類され、あ
るクラス(適宜、「組」と表現する場合もある)に属す
るハーフコイルと、当該クラスに対して予め定められて
いる他のクラスに属するハーフコイルとを組み合わせ
て、偏向コイルの組み立てを行うことで、高精度かつ容
易な調整が可能となる。
て説明する。
発明にかかる実施例について説明するが、垂直コイルに
ついても、全く同様に説明することが可能であるため、
垂直コイルについての説明は省略している。
置の構成図の一例を示したものである。
なる水平(偏向)コイルである。
ルそのものでなく、水平コイルを構成するハーフコイル
である。
するコイル治具であり、例えば、表面が平面状である非
磁性体部材によって製造される。
の、コイル電源であり、例えば、所定の電流を供給可能
な蓄電器等によって実現可能である。
なって、発生した磁界の強度を計測し、強度に対応した
電圧を出力する手段である。磁気センサ7は、例えば、
自身の内部にコイルを備えた構成となっている。そし
て、前記コイルには、磁場中で電流が流れるため、ガウ
スメータ8は、この電流を電圧に変換し、所定の増幅率
で増幅した後、電圧信号を出力する。なお、ガウスメー
タは、通常市販されているものを用いれば良い。
は、A/D変換器10によって、アナログ・デジタル変
換され、変換されたディジタル信号は、計測評価用コン
ピュータ9に入力される。
PU、ROM、RAM、各種CMOS論理ゲート等を有
して構成される。そして、ROM内に予め内蔵されたプ
ログラムにしたがって、所定の処理を行なう。この所定
の処理については、後に述べるが、主として、ハーフコ
イルの、磁界強度、磁界バランスの測定と、磁界強度、
磁界バランスの値に応じて予め定められた分類クラス
の、いずれのクラスに属するかを判定する処理等が、挙
げられる。
コンピュータ9が行なった処理内容を表示する。なお、
出力装置11は、例えば、CRT、液晶表示装置、EL
表示装置等の表示装置や、プリンタ等の印字装置によっ
て実現され、出力処理用のプログラムは、前記計測計測
評価用コンピュータ9が備えるROMに、内蔵しておけ
ば良い。
の起動命令等の各種コマンドや、数値データ等を受け付
けるための入力手段が設けられている。入力手段は、例
えば、キーボードや、ディップスイッチによって実現さ
れる。
磁界バランスの測定方法等について、説明していく。な
お、以下に説明する方法を実現するためのプログラム
を、前記計測計測評価用コンピュータ9が備えるROM
に内蔵しておくことによって、図1に示すシステムが構
築されることになる。
置し、磁気センサ7の配置した状態を示した説明図であ
る。
輪郭の一部を、点線で示したのみである。
軸を、Z軸12とし、図3に示すように、Z軸12に対
し、X軸13、Y軸14を設定している。すなわち、X
軸13、Y軸14およびZ軸12は、右手系の座標系を
構成している。
行)、少なくとも一つ以上(図3に示す例では、二つ)
の断面15において、Y軸方向の磁界強度を2点以上
(図3では、各断面において3点)計測するために、磁
気センサ7を配置する。なお、図示しないが、磁気セン
サ7は、ガウスメータ8に接続されている。
界を計測する場合には、管軸12をはさんで、管軸12
の左右に、1個づつ、磁気センサ7を配置しておく。例
えば、ブラウン管上の右端中央、左端中央の位置を発光
させる時の電子ビーム軌道16の近傍に、1個づつ、磁
気センサ7を配置するのが好ましい。
光させる時の電子ビーム軌道は、図3では、16−aで
示している軌道であり、また、ブラウン管上の左端中央
の位置を発光させる時の電子ビーム軌道は、図3では、
16−bで示している軌道である。
で、磁界を計測する場合には、残りの1つの磁気センサ
を、管軸12上に配置するのが好ましい。
場合には、管軸12に線対称に、配置するのが好まし
い。もちろん、磁界を計測するための計測点を、可能な
かぎり多く設定し、各計測点に磁気センサ7を配置する
ほど、精度のよい磁場特性評価が行なえる。
束密度を用いて、ブラウン管のコンバーゼンス特性に影
響をおよぼすパラメータである、磁界強度・磁界バラン
スなる物理量を求める方法を説明する。
位置で、磁束密度を計測し、磁界強度・磁界バランスを
求める場合について述べる。
いた処理方法について説明するが、透磁率(μ)が一定
であれば、磁束密度(B)と磁界(H)は、一意に対応
(B=μH)するため、以下の説明中において、磁束密
度の値の替わりに、磁界の値を用いても良い。
スEを次式のように定義する。
センサから求まる磁束密度の値、Blは、左側(X軸の負
側)の磁気センサから求まる磁束密度の値である。
タ9が、A/D変換器10から受け取った、デジタル信
号を使用して、演算処理する構成にしておけばよい。な
お、演算結果を、出力装置11に出力する処理も行なう
ようにしておく。
上の位置で、磁束密度を計測し、磁界強度・磁界バラン
スを求める場合について述べる。
する、2次式を仮定する。
る。このため、各計測点即ち、配置した磁気センサ7の
位置を示すX座標と磁気センサ7から求まる磁束密度の
組、(X,B(X))について、最小2乗法を用いて、2
次の回帰曲線を求める。
を例にとり説明する。5点以上の場合は、同様な考え方
で、2次の回帰曲線を求めることができる。
から求まる磁束密度の組を(Xi,B(Xi))(i=1、
2、3、4)とする。それぞれの磁束密度の値と、それ
ぞれのX座標を数3の右辺に代入したとき値との差Di
(i=1、2、3、4)は、以下のようになる。
(i=1、2、3、4) したがって、これらの2乗和Aは、以下のようになる。
微分した値が0になればよい。
らわす。j=0、1、2) したがって、上3式(j=0、1、2の3式)を3元1次
連立方程式として解き、係数B2、B1、B0を定めることに
よって、2次の回帰曲線を求めることができる。
方程式を解くことによって、係数B2、B1、B0を定めるこ
とができる。すなわち、3点における、磁気センサ7の
X座標と磁気センサ7から求まる磁束密度の組、(X,
B(X))を、数3に代入して、係数B2、B1、B0について
3元1次連立方程式を組み立てる。そして、この3元1
次連立方程式を解くことにより、係数B2、B1、B0が求ま
り、これらの値を、数3に代入して、磁束密度を表現す
る2次式が求まる。
式のように定義する。
る。
位置を発光させる時の電子ビーム軌道(図3の16−
a)上の、磁気センサのX座標、Xlは、ブラウン管上の
左端中央の位置を発光させる時の電子ビーム軌道(図3
の16−b)上の、磁気センサのX座標である。
値(座標Xrにおける磁束密度の値)、B(Xl)は、数3に
「Xl」を代入した値(座標Xlにおける磁束密度の値)で
ある。
し、強度S、バランスEを求める処理は、計測評価用コ
ンピュータ9が、A/D変換器10から受け取った、デ
ジタル信号を使用して、行なう構成にしておけばよい。
なお、演算結果を、出力装置11に出力する処理も行な
うようにしておく。
バレル、コマ収差、クロス、アンバランス、弓と称され
る各種の項目がある。
ブラウン管上の右端中央、または、左端中央の位置にお
いて、白色の縦線を表示させる場合に、赤(R)、緑
(G)、青(B)の3本の線の位置が、一致せず、緑(G)
の線を中心として残りの2線が左右にずれる現象をい
う。
右端中央、または、左端中央の位置において、白色の縦
線を表示させる場合に、緑(G)の線の位置が、赤(R)
および青(B)の線の位置から、左右にずれてしまう現象
である。
央の位置で、白色の横線を表示させる場合に、赤(R)、
青(B)の線が、図5に示すように、交差するように上下
にずれてしまう現象である。
管上の右端中央、または、左端中央の位置において、白
色の縦線を表示させる場合に、赤(R)、緑(G)、青(B)
の3本の線の位置が、順次にずれてしまう現象である。
さらにまた、「弓」とは、ブラウン管上の中央の位置に
おいて、白色の横線を表示させる場合に、赤(R)、青
(B)の線が、図5に示すように、弓状に、上下にずれる
現象である。
て、ピンバレルを例にとり、本発明の適用について説明
するが、他の項目についても、同様に本発明を適用する
ことができる。
分布と異なる場合に発生する。したがって、ピンバレル
が生じる程度を示す指標Pは、前記強度Sを用いて、次
式のように定義することにする。
ルの強度であり、Soは、基準ハーフコイルの強度であ
り、この値は、予め定められている。
磁界分布を与えるハーフコイルのことであり、基準ハー
フコイル同士を組み合わせることで、最良のピンバレル
特性が得られることになる。なお、この基準ハーフコイ
ルは、理想的な磁界分布を与えるハーフコイルであるの
で、基準ハーフコイルの強度、バランスの値は、予め求
まる値である。また、基準ハーフコイル同士の組み合わ
せでの指標Pの値も、予め求めておく。
準ハーフコイルとを組み合わせた場合に対する指標Pm
を、基準ハーフコイル同士の組み合わせでの指標P0と比
較することによって、ピンバレル特性を評価することが
できる。
場合には、計測対象であるハーフコイルのピンバレル特
性は良好であると判定される。
映像として現れる、ピンバレル量との間には線形性があ
ることが分かっている。したがって、Pの値から、ピン
バレル量を予測することが可能である。ピンバレル量の
予測値Ppは、次の1次式で求められる。
の数(図3の例では、「2」)、「Pi」は、断面i(i=1
〜n)におけるPの値、「ai」は、Pi(i=1〜n)に対す
る1次係数、「b」は、定数である。
ておく必要があるため、その方法について説明する。
各々についての、磁束密度を計測し、前述の式6を用い
て、Pmを求める。
いて、基準ハーフコイルと組み合わせて、偏向コイルを
組み立て、ブラウン管に装着し、画面表示して、実際の
画面におけるピンバレル量Prを計測しておく。
および、左端中央の位置において、白色の縦線を表示さ
せる場合、赤(R)の線と青(B)の線の、水平方向の
距離を、右端中央、および、左端中央で計測して、その
両者を平均した値としておく。
主として計測治具を使った目視による測定、または、既
存のミスコンバーゼンス計測器を用いた機械計測により
求めておく。
た場合、ここまでの段階で、j個のコイルについて得ら
れるデータは、以下に示す表1のようになる。
いて実際に計測したピンバレル量を示し、Pm1、Pm2の欄
には、それぞれ、断面1、2において、各ハーフコイル
について計測した、磁束密度の値を用いて求めたピンバ
レルの指標を示している。
量とし、数7を重回帰式として、通常行なわれる統計処
理である重回帰分析を行い、ai、bを求めればよい。こ
のように、予めai、bを求めておき、数6を用いてピン
バレルの指標Piを求め、さらに、数7を用いることによ
って、実際の画面上に発生するピンバレル量を予測する
ことが可能になる。
示す結果が得られた。すなわち、15インチディスプレ
イ用偏向ヨークの水平コイルを構成するハーフコイル1
0個について、1つの断面の磁束密度を、6点で計測し
て前記予測を行なった場合には、PpとPiとの1次相関係
数は「0.951」となった。これより、予測誤差は「0.044
(mm)」となり、極めて精度良く、ピンバレル量の予測
が行なえた。
評価用コンピュータ9が備えるROMに内蔵しておき、
上述のように、数6を用いてピンバレルの指標Piを求
め、さらに、数7を用いることによって、実際の画面上
に発生するピンバレル量を予測する処理を行なうように
プログラムを内蔵しておけば良い。さらに、出力処理を
行なうプログラムを内蔵しておき、予測したピンバレル
量を出力装置11に出力する構成にしておくことも好ま
しい。
ーフコイルの分類(クラス分け)、クラス分けされたハ
ーフコイル同士の組み合わせ方法について説明する。
分類することを考える。
ある。
ぞれを「+」、「0」、「−」の3段階として、合計9
個のクラスに分類している。
0を中心とする、第1の所定の値の幅に、属しているハ
ーフコイルを含むクラスである。
中心とする、第2の所定の値の幅に、属しているハーフ
コイルを含むクラスである。
を中心とする前記第1の所定の値の幅より、大きな値を
とるハーフコイルを含むクラスである。
中心とする前記第2の所定の値の幅より、大きな値をと
るハーフコイルを含むクラスである。
を中心とする前記第1の所定の値の幅より、小さな値を
とるハーフコイルを含むクラスである。
中心とする前記第2の所定の値の幅より、小さな値をと
るハーフコイルを含むクラスである。
ランスEを求めるので、あるハーフコイルは、合計9個
のクラスのいずれかに属するように分離される。
強度SとバランスEを用い、前記クラス分けの規則を参
照して、あるハーフコイルが属するクラスを求め、出力
装置11に分類結果を表示する処理を行なうようなプロ
グラムをROMに内蔵しておけばよい。
種類の分類クラスを並べてあり、9行9列のマトリクス
を構成している。
側のハーフコイルを意味し、「下コイル」とは、水平コ
イルの下側のハーフコイルを意味し、上コイルと下コイ
ルとを組み合わせて、1つの水平コイルを完成させる。
コイル(上コイル)と、あるクラスに属するハーフコイ
ル(下コイル)とを組み合わせたときの、特性の良い水
平コイルを完成するための作業の困難性を示す性能であ
る作業指数を示している。この指数が大きいほど、特性
の良い水平コイルを完成させる作業が難しいことを意味
する。このような表は、予め実験等により求められたデ
ータを参照して、定められているものとする。作業と
は、例えば、ミスコンバーゼンスの補正や調整作業が考
えられる。
バランス「+」であるハーフコイルと、強度「−」、バ
ランス「−」のハーフコイルの組み合わせに相当し、こ
の組合せにより水平コイルを完成する場合の作業指数は
「6」であることを意味する。
うものは、予め、ハーフコイルのクラス分けに対応する
マークを、ハーフコイルに付してあれば、表2に示すよ
うなテーブルを参照して、水平コイルの完成作業が困難
でない、ハーフコイルを選択し、作業を行なうことがで
きる。このようなマークと、テーブルを参照しながら、
作業を行なうことにより、性能の良い水平コイルを、短
時間で製造することが可能となる。
印や、ハーフコイルへのステッカーの付着等、分類クラ
スが分かるものであれば、いかなるものであってもよ
い。マーキングは、例えば、ハーフコイルの画面側の面
に行ない、表示態様としては、例えば、強度S「+」、
バランスE「+」のハーフコイルの場合は、「++」と
表示しておけばよい。マーキングについては、他の箇所
に行なっても良く、また、他の表示態様でもよい。
あるハーフコイルの分類処理を行なった後、当該分類ク
ラスを、出力装置に出力するほか、表2に示すようなテ
ーブルを格納しておき、これを参照して、作業が容易に
なる組合せとなるハーフコイルの分類クラスを、出力装
置を介して、提示する処理を行なうように、ROM内
に、プログラムやテーブルを構成するデータを格納して
おけば良い。
は、該当する分類クラスを判定したハーフコイルには、
分類クラスを示すマーク等を付加しておき、各分類クラ
スごとに、固有の収納体に、区分けして、ハーフコイル
を収納しておくことによって、組み合わせ作業の一層の
効率化が図れる。
には、全ての断面において、強度、バランスを参照し
て、各断面におけるクラスを選び、さらに、選ばれたク
ラスにおいて、作業指数の最も大きなクラスを、そのハ
ーフコイルのクラスとすることが考えられる。
に対して予め与えている優先順位にしたがって、当該ハ
ーフコイルに対するクラスとすること等が考えられる。
て説明する。
ンスを求めた段階で、ハーフコイルに対して行なうのが
好ましい。修正方法としては、ハーフコイルにシート状
の磁性体を貼り付けることが考えられる。また、シート
状の磁性体の替わりに、粒子状の磁性体を混ぜた接着剤
を用いることも可能である。
呈する、基準ハーフコイルの磁界分布に近づけるように
行なう。例えば、基準ハーフコイルのバランスE0より、
バランスEmが大きいコイルでは、右側(ブラウン管面方
向から向かって)の磁束密度が、左側より強いので、ハ
ーフコイルの右側に磁性体を貼り付けて、磁界強度を弱
めて、バランスの値を、E0に近づけるように、磁界分布
の修正作業を行なえば良い。
とめた、各分類クラスに対する磁界分布の修正方法は、
実験等によって、予め定めておくのが好ましい。
り付ける磁性体の量等の修正方法にしたがって、修正作
業を行なうことによって、修正作業後のハーフコイル
の、強度やバランスのばらつきを小さくすることができ
るとともに、修正作業を容易にし、作業効率の大幅な向
上を図ることができる。
たは左右に分割されることなく(すなわち、ハーフコイ
ルが存在しない)、一体でボビンに、電線を巻き付けて
構成したコイルである、いわゆる一体型コイルも存在す
る。この一体型コイルについても、同様に、磁束密度を
計測し、強度・バランスを求めることができる。
同士の組み合わせという概念はない。したがって、コン
バーゼンス特性の指標Pの式は、異なったものとなる。
例えば、ピンバレル特性の評価指標Pは、磁束密度を測
定して求めた、強度Smを用いて次式のように定義する。
行なえる。
の修正方法を、予め定めておき、定められた修正作業を
行なうことによって、作業効率の向上が図れるのは、ハ
ーフコイルの組立の場合と同様であることは言うまでも
ない。
ンバーゼンス特性に影響を与えるパラメータとして、磁
界分布の強度・バランスを導入し、これらを求めること
によって、コンバーゼンス特性の評価を行なうことがで
きる。
て、ハーフコイルを複数の組に分類する。分類され、あ
るクラスに属するハーフコイルと、当該クラスに対して
予め定められている他のクラスに属するハーフコイルと
を組み合わせて、偏向コイルの組み立てを行うことで、
高性能な偏向コイルの製造が可能となる。
たクラスを把握することによって、他のハーフコイルと
組み合わせて偏向コイルの製造を行なう前に、当該ハー
フコイルに磁性体を装着(磁性体の装着方法は、分類さ
れたクラスごとに予め定めておく)し、磁界分布の修正
を行なっておくことにより、一層高性能な偏向コイルの
製造が可能となる。
易に行え、該特性に基づいた分類を行い、分類されたハ
ーフコイルを組み合わせて、品質の高いコイルを、少な
い作業工数で製造することが可能となる。
ある。
解状態での構成図である。
立状態での構成図である。
ータ、4…コア、5…コイル治具、6…コイル電源、7
…磁気センサ、8…ガウスメータ、9…計測評価用コン
ピュータ、10…A/D変換器、11…出力装置、12
…Z軸、13…X軸、14…Y軸、15…断面、16…
電子ビーム軌道
Claims (9)
- 【請求項1】2つのハーフコイルを組合わせて構成した
水平偏向コイルと、2つのハーフコイルを組合わせて構
成した垂直偏向コイルとを備えた偏向ヨークの組立て方
法であって、 前記水平偏向コイルを構成するハーフコイルと前記垂直
偏向コイルを構成するハーフコイルとについて複数の磁
気特性を測定し、該測定したそれぞれのハーフコイルの
複数の磁気特性に応じてそれぞれのハーフコイルを分類
し、該分類したハーフコイルを分類に応じて組合わせる
ことにより前記垂直偏向コイルと水平偏向コイルとを組
立て、該組み立てた垂直偏向コイルと水平偏向コイルと
を組合わせて偏向ヨークを構成することを特徴とする偏
向ヨークの組立て方法。 - 【請求項2】前記ハーフコイルを分類する複数の磁気特
性は、磁界強度および磁界バランスであることを特徴と
する請求項1記載の偏向ヨークの組立て方法。 - 【請求項3】前記ハーフコイルの分類に応じた組合わせ
を、ブラウン管のコンバーゼンス特性に影響を与える因
子で評価して決めることを特徴とする請求項1記載の偏
向ヨークの組立て方法。 - 【請求項4】1対のハーフコイルを組合わせて構成され
た水平偏向コイルと、1対のハーフコイルを組合わせて
構成された垂直偏向コイルとを備えた偏向ヨークであっ
て、前記水平偏向コイルを構成するそれぞれのハーフコ
イルと前記垂直偏向コイルを構成するそれぞれのハーフ
コイルとは複数の磁気特性に応じて分類されており、前
記水平偏向コイルと前記垂直偏向コイルとはそれぞれ分
類された磁気特性に応じて組み合わされた1対のハーフ
コイルを備えて構成されていることを特徴とする偏向ヨ
ーク。 - 【請求項5】前記ハーフコイルを分類する複数の磁気特
性は、磁界強度および磁界バランスであることを特徴と
する請求項4記載の偏向ヨーク。 - 【請求項6】前記1対のハーフコイルは、ブラウン管の
コンバーゼンス特性に影響を与える因子で評価した磁気
特性に応じて組み合わされていることを特徴とする請求
項4記載の偏向ヨーク。 - 【請求項7】1対のハーフコイルを組合わせて構成した
水平偏向コイルと、1対のハーフコイルを組合わせて構
成した垂直偏向コイルとを有する偏向ヨークを備えたブ
ラウン管であって、 前記偏向ヨークの水平偏向コイルと垂直偏向コイルとを
構成するそれぞれ1対のハーフコイルは、該1対を形成
するそれぞれのハーフコイルの持つ複数の磁気特性によ
る分類に応じて組み合わせられていることを特徴とする
ブラウン管。 - 【請求項8】前記偏向ヨークは、磁界強度と磁界バラン
スで分類されたハーフコイルを組合わせた水平偏向コイ
ルと垂直偏向コイルとで構成されていることを特徴とす
る請求項7記載のブラウン管。 - 【請求項9】前記偏向ヨークの水平偏向コイルと垂直偏
向コイルとを構成するそれぞれ1対のハーフコイルは、
ブラウン管のコンバーゼンス特性に影響を与える因子で
評価した磁気特性に応じて組み合わされていることを特
徴とする請求項7記載のブラウン管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18260994A JP3373054B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 偏向ヨークの組み立て方法及び偏向ヨーク並びにそれを用いたブラウン管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18260994A JP3373054B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 偏向ヨークの組み立て方法及び偏向ヨーク並びにそれを用いたブラウン管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0845426A JPH0845426A (ja) | 1996-02-16 |
JP3373054B2 true JP3373054B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=16121288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18260994A Expired - Fee Related JP3373054B2 (ja) | 1994-08-03 | 1994-08-03 | 偏向ヨークの組み立て方法及び偏向ヨーク並びにそれを用いたブラウン管 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3373054B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100401103B1 (ko) * | 2001-05-04 | 2003-10-10 | 삼성전기주식회사 | 편향 요크의 자계 측정용 지그 및 자계 측정 장치 |
KR100439510B1 (ko) * | 2002-07-03 | 2004-07-12 | 삼성전기주식회사 | 편향 요크의 자계 측정 시스템에서의 센서 고정 구조 |
-
1994
- 1994-08-03 JP JP18260994A patent/JP3373054B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH0845426A (ja) | 1996-02-16 |
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